专利摘要:

公开号:WO1991007427A1
申请号:PCT/JP1990/001493
申请日:1990-11-15
公开日:1991-05-30
发明作者:Kenjiro Makino;Tomoaki Yada;Masayuki Sakou;Chitoshi Hatanaka;Sawao Murao
申请人:Nissei Chemical Industry Co., Ltd.;
IPC主号:C07K1-00
专利说明:
[0001] 明 糸田 カラムクロマ トグラフィー用担体、 該担体を用い た水溶性高分子物質の分離、 精製方法、 新規ぺク チン酸一セルロースゲル及びその製造法、 並びに ァフィ二テイ ク口マ トグラフィ一用吸着体
[0002] 〔技術分野〕
[0003] 本発明は、 カラムクロマ トグラフィ ー用担体、 該担 体を用いた水溶性高分子物質の分離、 精製方法、 新規 ぺクチン酸一セルロースゲル及びその製造法、 並びに ァフィ二テイ ク口マ トグラフィ一用吸着体に関する。
[0004] 〔背景技術〕
[0005] 水溶性高分子物質、 特に蛋白質の分離、 精製は各種 生化学的研究などの分野で広く行われている。 分離、 精製された蛋白質を得ることは、 該蛋白質の性質を研 究するために重要であり、 かつ分離、 精製された蛋白 質を各種の生化学反応に応用することもまた重要なこ ととなつている。 また近年、 機能性高分子としての蛋 白質、 酵素の工業的需要が食品、 製薬、 化学等の諸分 野においてますます高まりつつある。
[0006] 従来、 蛋白質の分離、 精製には、 多成分系からの分 離に最も適しているカラムクロマ トグラフィー法が繁 用されている。 例えば、 イオン交換クロマ トグラフィ 一、 ゲル濾過クロマ トグラフィ ー、 吸着クロマ トグラ フィ一、 ァフィ二ティ クロマ トグラフィ ーなどが知ら れている。
[0007] そのうち、 イオン交換クロマ トグラフィーは最もォ ーソ ドックスである。 イオン交換クロマ トグラフィー では、 分離、 精製を目的とする蛋白質の荷電状態によ り、 陽イオン交換樹脂、 または、 陰イオン交換樹脂を 担体として選択し、 イオン交換により蛋白質の分離、 精製が行われている。 しかし、 現在供給されている担 体はイオン交換容量の小さいものが多く、 蛋白質の処 理量が限られている。 また、 担体に対する蛋白質の安 定性に問題のあるものが多く あるため、 クロマ ト後の 該蛋白質の回収率は良いものではなかった。 そのため、 工業的スケールにおいてコス トアップの要因となるな ど多くの問題点があった。
[0008] また、 ゲル濾過 (ゲル滤過ク口マ トグラフィー) 法 は最も繁用されている手法と一つである。 該方法は、 球状蛋白質の分子量差にのみ基づく分子篩効果による 分離モー ドであり、 イオン的性質や疎水的性質的によ る影響を排除した条件下で行われる為、 殆どの蛋白質、 酵素に同時に適応できる点で非常に汎用性が高くかつ 鋭敏な分離手法である。
[0009] 該方法に使用されるゲル濾過クロマ トグラフィ一用 担体は合成ポリマー系、 天然多糖系の 2種類に大別す ることができるが、 いずれの担体についても一長一短 があり、 それがゲル濾過法による蛋白質精製の、 とも すれば敬遠されがちな、 技術的難易度の高さともなつ ており、 工業的利用が一部の高付加価値品のみに限ら れている理由と考えられる。 即ち、 例えば合成ポリマ —系担体としては、 ポリ ビニルアルコール、 ポリアク リルアミ ド樹脂等の水溶性ポリマーを架撟により不溶 化ゲルとしたものが代表とされるが、 いずれの樹脂も 強度的には天然多糖由来の担体と比べても高い特性を 保持しているが、 本来、 非天然物であることより、 蛋 白質との親和性が低いことや、 疎水的吸着等の非特異 的吸着による変性、 失活等の収率低下が起こり易い為、 クロマ トカラムからの蛋白質の安定的な回収に問題が あつ 7"こ
[0010] また、 天然多糖系担体としては、 デキス トランゲル 等の微生物多糖や、 ァガロースゲル等の海藻系及びセ ルロース類か若しく はそれらを架橋処理したものが最 も一般的に用いられている。 これらの担体に共通する 特徴的なこととしては合成ポリマー系に比べ、 担体自 体の天然物からの抽出、 精製、 ゲルの調製にコス トが かかり、 全体的に高価であることである。 また、 デキ ス トラン系及びァガロース系担体は蛋白質精製用に調 製した のは、 膨潤率が高く柔弱な為、 ゲル漶過カラ ム中において溶離液を高速で流すことができない。 セ ルロース系担体は一般に他の天然多糖に比べ比較的安 価で強度も高いというメ リ ッ トを持っているが、 その 高い結晶構造の為、 巨大網目状構造をとるゲル濾過用 担体に比して、 高分子量物の分画にはあまり適さなレ、。 このような理由からゲル濾過法が優れた分離、 精製手 法であるにも拘わらず工業的な利用が制限されている のが現状である。
[0011] 別の精製法としてァフィニティ クロマ トグラフィー がある。 このものは、 生化学的な特異性のあるァフィ 二ティ (親和力) を相互に持つ 2種類の物質または物 質群の一方をリガン ドとして水不溶性の担体に固定化 して固定相とし、 この固定相に対するァフィ二ティの 差を利用して目的物質をこれに混在する不純物から分 離、 精製するクロマ トグラフィーであって、 生化学、 特に酵素化学の分野に於ける分離、 精製に広く用いら れている。 上記担体としては、 従来、 デキストラン一 ァガロース等の多糖類や、 ポリアク リルァミ ドからな る親水性ゲル粒子が一般に用いられている。
[0012] しかしながら、 これらの担体は、 物理的強度が弱い ため高流速が得られず、 また価格的に非常に高価なも のであるため、 工業スケールでは、 導入し難いという 問題が発生している。
[0013] 〔発明の開示〕
[0014] 本発明の第一の目的は、 ぺクチン酸一セルロースゲ ルを含むカラムクロマ トグラフィ一用担体を提供する ことにあり、 該担体は、 イオン交換クロマ トグラフィ 一及びゲル濾過ク口マ トグラフィ一のいずれにも用い ることができる。 また、 本発明の第二の目的は、 該担 体を用いてイオン交換クロマ トグラフィー又はゲル濾 過クロマ トグラフィーを行うことを特徴とする水溶性 高分子物質の分離、 精製方法を提供することにある。
[0015] 本発明で用いられるぺクチン酸セルロースゲルはべ クチン含有植物から調製されるものであり、 その製造 法としては、 例えば本発明者等が先に出願した (特願 平 1 -2961 99号) 方法が好適である。 この方法は、 例え ば柑橘類果皮等のぺクチン含有植物組織の乾燥粉末を ケ トン類により半連続抽出して得た抽出不溶物をケ ト ン類の存在下アルカリ条件下でゲン化し、 次いで低級 アルコール類またはケ トン類に懸濁後、 架橋試薬によ り架橋するものである。
[0016] しかしながら他の製法によって得られるぺクチン酸 セルロースゲルも使用可能であり、 本発明において使 用するべクチン酸セルロースゲルはその製法により特 に限定されない。
[0017] 上記製法により得られる該ゲルは、 ぺクチン酸を多 く含有しており、 ぺクチン酸中の α— D—ガラクチュ ロン酸残基に由来するカルボキシル基の効果で、 高い 重金属補捉能を保持しており水処理用樹脂として有用 であることは公知である (特開昭 64- 43501号)。
[0018] 本発明の担体を用いてイオン交換ク口マ トグラフィ 一又はゲル濾過クロマ トグラフィーにより分離、 精製 される水溶性高分子物質としてはいずれのものも対象 となるか、 その代表例として、 蛋白質、 例えばポリガ ラクチュロナ一ゼが挙げられる。 なお、 本発明の担体 は蛋白質の他、 リ ンパ T細胞のような細胞の分離、 精 製にも用いることができる。
[0019] 以下、 本発明の担体を用いるイオン交換クロマ トグ ラフィ一について、 水溶性高分子物質として蛋白質を 例にとり説明する。
[0020] まず、 ぺクチン酸一セルロースゲルを緩衝液で平衡 化して、 カラムに充塡する。 カラム内のぺクチン酸— セルロースゲルの量は、 分雜、 精製を目的とする蛋白 質の種類や量、 該ゲルのイオン交換容量などを考慮し て決められる。 平衡化に用いられる緩衝液としては、 リ ン酸緩衝液、 酢酸緩衝液、 ト リス-塩酸緩衝液など があり、 その種類及び pHなどは分離、 精製を目的とす る蛋白質の分離性や安定性を考慮して適宜決められる ( 分雜、 精製を目的とする蛋白質を含む試料は、 予め 緩衝液などに平衡透析しておく必要がある。 緩衝液に 添加される塩の種類及び量もカラム分離能、 蛋白質の 安定性、 該塩共存下における蛋白質の溶解度などから 適宜決められる。 試料の上記前処理を行った時に蛋白 質が凝集する場合には、 除去後カラムへかける必要が め 0 前処理を行った試料を上記べクチン酸ーセルロース ゲルを担体として充填したカラムにかけると、 目的と する蛋白質は、 ぺクチン酸—セルロースゲルに結合す る。 次に約 5倍量 (対カラム体積) の同緩衝液で洗浄 し、 その後、 緩衝液の pHやイオン強度、 あるいは、 そ の両方を変化させて目的物を溶出させる。 得られるフ ラクショ ン中の酵素活性及び蛋白質により回収率及び 比活性が算出される。
[0021] 本発明のカラムクロマ トグラフィ一用担体を用いて イオン交換クロマ トグラフィーを行うことにより、 各 種蛋白質、 とりわけ酵素蛋白質に対し、 安定的に分離、 精製を行うことができ、 従来の担体を用いた場合と比 較した場合、 回収率として 20〜25 %程度アップできる 効果がある。 このようにして酵素蛋白の回収率が大幅 にアップする要因としては、 ぺクチン酸一セルロース ゲルが植物細胞壁由来であるため、 酵素との親和性が 非常に高く、 安定な複合体を形成することによるもの と考えられる。 また、 前記イオン交換クロマ トグラフ ィーによれば、 安定的に蛋白質の分離、 精製を行うこ とができる利点がある。
[0022] 以上 様なぺクチン酸セルロースゲルの効果は、 該 ゲルが原料植物の細胞壁成分の立体構造を天然状'態の まま保持していることに起因すると考えられる。 即ち、 生体中の能動的、 受動的物質輸送の場を保有している ことで、 蛋白質等のデリケー トな生体物質も安定な状 態で移動移動できるものと思われる。
[0023] この特性はそのままゲル濾過用担体として用いる際 にも有効に働く ことが分かった。 即ち、 イオン交換的 効果を抑える意味で塩化ナト リ ウム等の対イオンを添 加した溶離液中でクロマ トグラフィーを行うか、 或い は、 エステル、 アミ ド等の共有結合によりゥロン酸に 由来するカルボキシル基をプロックすることによりィ オン的相互作用等の殆ど無い分子篩を得ることが可能 である。
[0024] 次に、 実際にカラムを用いて蛋白質のゲル濾過クロ マ トグラフィーを行う場合について説明する。 使用す るぺクチン酸セルロースゲルのグレー ドとしては、 1 〜10 (モル Ζ糖残基) 、 好ましく は 2〜 5 (モル 糖 残基) の架橋剤を用いたゲルが蛋白の分離には適して いる。 粒径は 100〜500 z m (乾燥状態)、 出来れば 2 00 〜 3 00 z m に揃えることが望ましい。 本ゲルは大きい ポアサイズを保持しているものの、 かなり硬質であり、 膨潤性が低い為、 膨潤に際しては室温、 溶離液中で 1 時間以内の浸漬で充分である。 また、 オー トク レープ ( 121て、 15分) によっても可能である。 本ゲルのクロ マ トカラムへの充塡法、 洗浄法、 及び試料の添加法に ついては従来の市販硬質ゲル濾過剤と同様の処理でよ い。 溶離液については、 PH 3〜 10の本ゲルが安定な領域 の緩衝液が使用でき、 クロマ トを行う際は目的物質の 安定 PH領域で行うことが好ましい。 先に述べたような エステル化、 アミ ド化等の化学的処理によるカルボキ シル基のブロッキングがなされていない該ゲルを用い る場合は、 溶離液中に 0. 1M〜し 0Mの NaC lを添加するこ とが好ましい。
[0025] 次に、 流速については、 本ゲルは硬質ゲルであり、 体積変化が少ない為、 例えば、 2. 5 X 30cmカラムを用 いた場合、 最大 SV 5 / hr l SOml ' cnr ^ hr) の高流速が 可能であり、 必要に応じてポンプにより圧送してもよ い (最大操作圧 300cm H 20以上)。 カラムからの溶出液 は逐次フラクシヨ ンコレクタ一等により一定量ずつ分 取される。
[0026] 以上の操作により分取された目的画分は通常の処理 により脱塩、 濃縮され、 必要に応じて各種クロマ ト操 作を繰り返した後、 電気泳動的均一或いは結晶化され ることで、 精製を完了する。
[0027] 以上説明したごとく、 本発明に用いるぺクチン酸セ ルロースゲルは、 水溶性高分子物質、 特に蛋白質のゲ ル濾過用担体として好適である。 本ゲルは蛋白質、 酵 素に対し不活性であり、 しかも本ゲル中では安定な状 態での物質移動が可能であるため、 カラムよりほぼ 1 00%近い収率での回収が可能である。 また、 本ゲル は堅牢なマ ト リ ックス構造を持ち、 天然多糖系ゲルと しては非常に高強度であるため高流速で流すことがで き、 高速液体クロマ トグラフィー用としても使用可能 である。 また、 ポアサイズを架橋度で調整することに より、 ウィルス等の巨大分子の分画も可能である。 本 ゲルは発明者等が特願平 1 -296199号において示した様 に、 柑橘類等のぺクチン含有植物の組織を原料として おり、 コス ト面での大きなメ リ ッ トを持つ。 これらの 結果より、 ぺクチン酸セルロースゲルは研究室用とし てだけでなく、 工業的規模の水溶性高分子物質、 特に 蛋白精製にも有用な担体であることが明らかになつた。
[0028] また、 ぺクチン酸一セルロースゲルとしては、 該ゲ ル中に不純物として存在する蛋白に起因する非特異的 な吸着を防ぐために、 残存蛋白の非常に少ないぺクチ ン酸ーセルロースゲルを用いることが好ましい。
[0029] 即ち、 本発明の第三の目的は、 構造蛋白及び細胞壁 結合蛋白が除去されている新規べクチン酸ーセルロー スゲルを提供することにあり、 本発明の第四の目的は、 該新規べクチン酸一セルロースゲルの製造法を提供す ることにある。 該新規べクチン酸一セルロースゲルは、 植物細胞壁の構造を保持した状態で得られる。 植物細 胞壁は、 セルロースミ クロフイブリル、 キシログリカ ン、 ガラクタン、 ァラビノガラクタンなどの多糖類が 構造蛋白 (ェクステンシン ' ァラビノガラタン蛋白質)、 細胞壁結合酵素 (リ ンゴ酸脱水素酵素、 バーオキシダ ーゼ、 フ ォスフ ァターゼ、 多糖加水分解酵素類) など を層状にはさみ込んだマ ト リ ックスで形成されており、 このような形で存在する蛋白により非特異的な吸着が 発生すると考えられる。 蛋白除去法として、 酸または アルカ リによる化学的処理と、 プロテアーゼを用いる 生化学的処理の二法があるが、 酸またはアルカ リによ る化学的処理では、 蛋白が分解するだけでなく、 ぺク チンが低分子化を起こし、 処理時に、 マ ト リ ックスか ら溶出する為、 ぺクチン酸一セルロースゲルのイオン 交換当量は低下する。 また、 セルロースも低分子化を 起こ し、 マ ト リ ツ クスが破壊される為、 膨潤率も高く なる。 しかしながら本発明は、 ぺクチン含有植物の好 ま しく はアルコール不溶物を、 パパイン又はプロナー ゼなどのプロテア一ゼで処理することにより、 ぺクチ ン酸ーセルロースゲルの多糖類構成部マ ト リ ッ クス破 壊を極力抑え、 選択的な蛋白除去を可能とするもので ある。
[0030] 本発明のぺクチン酸—セルロースゲルは、 例えば、 下記に示す方法に従い、 製造される。 即ち、 ぺクチン 含有植物由来の粉末、 好ましく はアルコール不溶物を
[0031] 0. 1Mリ ン酸緩衝液 (ρΗ 6· 8 ) に懸濁し、 十分浸漬する。 緩衝液の使用量は、 アルコール不溶物 l g 当り、 通常 10〜30ml、 好ましく は 15〜20mlとする。 10ml未満の場 合、 スラ リー濃度が高いため、 攪拌が不十分となり、 また 30mlを超えると、 処理効率が低下する。 緩衝液に ついては、 プロテアーゼを安定化できるものであれば いずれのものでもよく、 特に限定されるものではない 緩衝液で十分浸漬後、 パパイン、 プロナーゼなどのプ 口テア一ゼを添加する。 添加量としては、 試薬酵素の 比活性等に差異があるため、 一概に言えないが、 系内 濃度 0. 1〜 1 %、 好ましく は 0. 4〜0. 6 %とするのが よい。 また処理温度は、 プロテア一ゼの至適温度 (一 般的には、 30°C付近) とするのがよい。 処理時間につ いては、 24〜48時間が好ましいが、 特に限定されるも のではない。 本処理により、 ぺクチン酸—セルロース 中の全蛋白量の 95 %は除去される。 なお、 プロテア一 ゼ処理において、 試料はアルコール不溶物に限定され ず、 架橋前の試料であればいかなるものでも処理は可 能である。 処理後、 膨潤しているべクチン酸一セル口 —スゲルの濾過性を良くするために緩衝液と同様の極 性溶媒 (例えば、 メタノール、 アセ トン) を加え、 攪 拌後、 遠心分雜機、 滤過機などの固液分離装置を用い 分離し、 極性溶媒 (例えば、 メタノール、 アセ トン) で洗浄 ·脱水後、 蛋白除去処理アルコール不溶物を得 る。 このものは、 そのまま架橋化工程に使用してもよ いが、 乾燥工程を経た後、 架橋化工程に使用してもよ い。 次いで、 例えば特開昭 63-43501号公報記載の方法 に従い、 架橋反応により架橋することにより、 本発明 のぺクチン酸一セルロースゲルが得られる。
[0032] また、 前述のぺクチン酸一セルロースゲルを担体と し、 該担体上にリガン ドを固定化させることにより、 物理的強度に優れているのみならず、 吸着及び溶出効 率が高く、 しかも目的物質以外の不純物の非特異的な 吸着がない価格的に安価なァフィニテイ クロマ トグラ フィ一用吸着体を得ることができる。
[0033] 即ち、 本発明の第五の目的は、 ぺクチン酸一セル口 ースゲルからなる担体上にリガン ドが共有結合にて固 定化されていることを特徵とするァフィ二テイ クロマ トグラフィー用吸着体を提供することにある。 必要に 応じてリガン ドの吸着体上での自由度を高めるために、 吸着体とリガン ドとをスぺーサ基を介在させて共有結 合にて結合させることができる。 このスぺーサ基は、 予め吸着体に結合させておき、 この後に、 このスぺ一 サ基にリガン ドを結合させてもよく、 あるいは、 スぺ 一サ基を予めリガン ドに結合させ、 これを吸着体に結 合させてもよい。 さらに必要に応じて吸着体及びリガ ン ドの両者に予めスぺーサ基を結合させ、 これらを相 互に結合させることもできる。
[0034] 上記スぺーサ基として用い得る化合物は少なく とも 二官能性の有機化合物であり、 多官能性の重合体を排 除するものではないが、 特に、 炭素数 1 〜12の炭素鎖 基を有する二官能性の有機化合物が好ましい。 このよ うなスぺーサ基として機能する化合物の具体例として たとえば、 へキサメチレンジァミ ン、 ドデカメチレン ジァミ ン、 キシリ レンジァミ ン等のジァミ ン類、 グリ シン、 /S—ァミ ノプロピオン酸、 ァーァミ ノ酪酸、 ε 一アミ ノカプロン酸、 ε—ァミ ノ力プリル酸等のアミ ノアルキルカルボン酸、 リ ジン、 グルタ ミ ン酸、 S — ァラニン、 アルギニン等のアミ ノ酸類等が好ましく用 いられるが、 これらに限定されるものではない。
[0035] 前記したぺクチン酸一セルロースゲル粒子に、 直接 にリガン ドを共有結合にて結合するか、 または、 ぺク チン酸ーセルロースゲル粒子にスぺーサ基を結合し、 このスぺーサ基にリガン ドを共有結合にて結合するた めの方法は、 特に制限されず、 従来より知られている 任意の方法による事ができる。 例えば、 好ましい方法 の一つとして、 結合試薬として水溶性カルボジィ ミ ド を用いる方法を挙げることができる。 例えばァミ ノァ ルキルカルボン酸を、 ぺクチン酸一セルロースゲル粒 子に結合させ、 次いで、 このべクチン酸一セルロース ゲル粒子に結合されたァミ ノアルキルカルボン酸に水 溶性カルポジィ ミ ドを用いて、 同様にしてリガン ドを 共有結合にて結合させることができる。
[0036] 係る方法に於いて用いる水溶性カルポジィ ミ ドとし ては、 例えば、 1 ーェチルー 3 — (3 —ジメチルアミ ノプロピル) カルボジィ ミ ド塩酸塩、 1 ーシク口へキ シル一 3 — ( 2—モルホリ ノエチル) カルポジイ ミ ド 一メ ト一 P— トルエンスルホネ一ト等を挙げることが できる。 このような水溶性カルポジイ ミ ドを用いてス ぺーサ基を介すか、 または、 介さずして直接に共有結 合によってリガン ドをぺクチン酸—セルロースゲル粒 子に結合させるには、 従来より知られている通常の方 法及び条件によることができる。
[0037] また官能基が水酸基である時は、 臭化シアンにより 反応させ、 官能基を活性化することによってスぺ一サ 基を結合させ、 次いで上記と同様にしてリガン ドを共 有結合にて結合させることができる。 また、 ぺクチン 酸—セルロースゲル粒子に直接にリガン ドを結合させ ることもできる。
[0038] このようにして、 ぺクチン酸一セルロースゲル粒子 に、 リガン ドを結合させた後、 例えば、 濾過 ·遠心分 離法等従来の分離法によって本発明によるァフィニテ イ ク口マ トグラフィ一用吸着体を分離 · 精製すること ができる。
[0039] 本発明によるァフィ二ティ クロマ トグラフィー用吸 着体は、. 従来のァフィニティ クロマ トグラフィーにお ける膨潤ゲルと同様にして用いることができる。 従つ て吸着体は、 カラム法 · 回分法の両者に使用し得る。 以上のように、 本発明のァフィ二テイ クロマ トグラ フィ一用吸着体は、 ぺクチン酸—セルロースゲル粒子 を担体とし、 この担体上に、 リガン ドが共有結合にて 結合されている。 従って係る吸着体は、 生体物質移動 の場である細胞壁マ ト リ ックスを保持したぺクチン酸 —セルロースゲルを担体としているため、 生体物質に 対する安定性に優れている。 また、 硬質ゲルであるた め、 従来高流速を得るためには、 ビーズ状ゲルでなけ ればならなかったが本担体は、 破砕型にもかかわらず 従来のゲルと同等もしく は、 それ以上の流速を得るこ とができる。 さらに従来のゲルは、 コス ト的に高価で あり、 工業スケールに導入し難かったが、 本担体が非 常に安価に提供され得るため、 当然のごとく、 本担体 を用いたァフィ二ティ クロマ トグラフィ一用吸着体も 安価となり、 本吸着体を工業スケールに導入した場合 大きなメ リ ツ トを与え得るものである。
[0040] 〔図面の簡単な説明〕
[0041] 第 1図はぺクチン酸一セルロースゲルによる P Gの クロマ トグラフィーの図、 第 2図はセフアデックスに よる P Gのクロマトグラフィーの図、 第 3図はぺクチ ン酸ーセルロースゲルによる exo-PGL のクロマ トグラ フィ一の図、 第 4図はぺクチン酸一セルロースゲルに よるニンジン exo-PGのクロマ トグラフィ一の図である, 第 5図はべクチン酸セルロースゲルを用いた蛋白質 の分離を示す図である。 第 6図はべクチン酸—セルロースゲル由来 NAD吸 着体による BSA · GPDH · LDH のカラムクロマ トグラフ ィ一の図である。
[0042] 〔発明を実施するための最良の形態〕
[0043] 以下、 実施例、 参考例及び比較例により本発明を更 に詳細に説明するが、 本発明の範囲は、 これらに限定 されるものではない。
[0044] (実施例 1 )
[0045] ク リブロマイセス · フラギリ ス (IF0 1963) よりェ ン ドボリ ガラクチュロナ一ゼ (以下 「 P G」 という) を分離 ·精製する例を示す。
[0046] ク リブロマイセス · フラギリ ス (IF0 1963) の無紬 胞培養液を、 先ず、 YM- 10膜を取り付けたアミ コン社 製限外濾過装置で 1/10に濃縮した。 それから濃縮物を PH4. 0の 0.1M酢酸緩衝液 4倍量で希釈し、 再度限外濾 過により 1/4に再濃縮した。 本操作は、 2回繰り返し、 最終的に得られた濃縮物を部分精製 P Gとした。
[0047] 予め PH4. 0の 0.1M酢酸ナト リゥム緩衝液で平衡化し たぺクチン酸-セルロースゲル 1.8gをカラム (1. 5 X 7. 8 cm) に充填し、 これに部分精製 P G (15ml, 134 units)を滴下した。 蛋白夾雑物の大部分は、 初めの緩 街液によりカラムを通過する。 残存する酵素は、 その 後 PH8の 0.2M酢酸ナト リウム緩衝液で溶出させた。 こ の溶出曲線は第 1 図の通りである。 カラムクロマ ト後の酵素精製物は蛋白の夾雑物をま だ含んでいる。 そこで 0.5M塩化力ルシゥム含有の pH 4. 5一 0.1M酢酸緩衝液で平衡化したセフアデッ クス G - 75を通するこ とによって容易に除かれる (第 2図) 。 活性を持つフラクショ ンを混ぜ、 濃縮し、 上述したよ うに限外漶過で塩化カルシウムを除き精製 P G液とす る。 酵素精製の結果は第 1表に要約して示した。 本精 製 P G液は培地中に比で 86倍精製され、 回収率は 91.7 %であった。
[0048] 第 1 精 製 法 全体積 全蛋白質 総括性 比活性 回収率
[0049] (ml) mg) (units; ni ts) {%) 培 地 150 68.26 141.3 2.1 100 限外濾過 15.5 2.62 138.7 52.9 98.2 ベクチン酸一
[0050] セル Π—スゲル 2.1 1.03 134.9 131.0 95.5 セフ了デプクス 24 0.73 127.6 177.5 91.7
[0051] (実施例 2 )
[0052] エルビニァ 力ロ トボラ サブエスピー カロ口ボラ (Erwinia carotovora subsp. carorovora) (IFO 13921) よりェキソポリガラクチュレー ト リア一ゼ(exp-PGL) を分離、 精製する例を示す。
[0053] 菌体は、 培養液から 10000xg 15min遠心分離するこ とにより採取し、 PH7. 0 0.02Mリ ン酸緩衝液で 2回洗 净した。 操作は全て 0〜 6 °Cで行った。 セルペース ト 約 100gを同緩衝液 200mlで懸濁し、 超音波発振器 100W, 20KHZ で破砕した。 破砕法としては懸濁液 50mlを 2分 間隔で 5回、 計 lOmin行う。 菌体破砕物は、 18, 000xg 15minの遠心分離により取り除き、 上澄液を終夜 PH7.0 0.02Mリ ン酸緩衝液で透析し、 透析物を粗酵素製品と して使用した。
[0054] 粗酵素液は、 固形硫安で処理され、 飽和度 0.3〜0.8 の間の沈澱物を 18, 000 xg 15min遠心分離して集めた。 集められた沈澱物は PH8. 0 0.04Mリ ン酸緩衝液 150ml に溶解させ、 終夜、 同緩衝液で透析を行った。 続いて、 透析物は PH8. 0 0.04Mリ ン酸緩衝液で平衡化しておい た DEAE-セルロースカラム (3. 8 x24cm) に吸着させ た。 同緩衝液で洗净後、 活性のあるフラクショ ンはプ ールし、 部分精製酵素とした。
[0055] 次に、 ぺクチン酸—セルロースゲルによる精製の前 実験として、 exo-PGLの各 pHにおけるべクチン酸ーセ ルロースゲルへの吸着量を調べた。 pH4. 8〜8. 3でべ クチン酸セルロースゲルカラムで部分精製された exo- PGL を 理した結果、 酵素は PH5でほぼ完全に吸着し た。 また、 結合は pHの上昇で困難となり、 pH8. 3では カラムを通過した。 しかしながら pH5の条件下では多 量の不純物蛋白が非特異的吸着をする。 そのような非 .
[0056] 特異的吸着を最小限にする目的で、 クロマ トグラフィー は PH6.3 0.04Mリ ン酸緩衝液で行った。 さらに本酵素 は PH6以下で安定であるため本条件では exo- PGL の収 率 upにも望ましい。
[0057] 部分精製酵素 (60ml, 120unit)は、 pH6.3の 0.04M リ ン酸緩衝液のぺクチン酸一セルロースゲルカラムで 行った時、 活性は完全に吸着された。 そして夾雑蛋白 質の多く はカラムを通過した。 蛋白不純物のかなりの 量は、 まだカラム上に残存するが、 これらは、 pH7.6 の 0.04Mリ ン酸緩衝液で全て溶出され、 その後酵素活 性は pH8.5、 5 °Cの 0.04Mト リスー塩酸緩衝液で溶出し た (第 3図) 。 酵素精製の結果は、 第 2表に要約して 示した。 本法により比活性 469倍、 回収率 43%で精製 exo-PGLが得られた。 精製された exo-PGUま、 ポリアク リルァミ ドゲル電気泳動及び SDS -ポリアク リルァミ ド ゲル一スラブ電気泳動により単一の蛋白質であること が確認された。
[0058] 第 2 表 比活性 精製度 回収率
[0059] (U/mg) (倍) {%) 無細胞抽出液 1.4 1 100
[0060] 硫 安 沈 澱 3.1 2.2 85.5
[0061] DEAE—セル n—ス 6.4 4.6 66.5
[0062] CLCW-カラム 656.4 469.1 426 (実施例 3 )
[0063] 西洋ニンジンよりェキソポリガラクチュロナ一ゼ
[0064] (exp-PG) を分離精製する例を示す。
[0065] 西洋ニンジンの粉砕した根から 1 M 塩化ナ ト リ ウム を含む 0.05M酢酸緩衝液 (pH5. 0 ) で 1夜抽出を行つ た。 不溶物を除去後、 0.02M酢酸緩衝液 (pH5. 0〉 に 対し透析し、 粗酵素液を得た。
[0066] 実施例 1 と同様にして 0.02M酢酸緩衝液 (pH4. 5 ) にて平衡化したぺクチン酸一セルロースゲルカラム
[0067] (4. 2 X30cm) に前記粗酵素液 1900ml(4.28units) を 添加、 洗浄後 0.05M酢酸緩衝液 (pH5. 0 ) 中の塩化ナ ト リウム濃度勾配 (0〜1.0M) にて溶出した。 この溶 出曲線は第 4図の通りである。 活性画分を集め、 限界 濾過により濃縮後、 再び同べクチン酸一セルロースゲ ルカラムクロマ トグラフィーを行った。 ここまでの結 果を第 3表にまとめた。
[0068] (本頁以下余白)
[0069] 第 3表 ぺクチン酸一セルロースゲルによるニンジン の exo-PGの精製結果のまとめ 全液量 全蛋白質 全酵素 比活性 回収率
[0070] 活 性 ム (ml) (mg) (U) (U/rag) (%)
[0071] 粗酵 素 液 1900 908 4.28 0.0047 100 1 第 1 回 298 79.3 4.43 0.0559 104 11.9 ク πマ卜画分
[0072] 同 上 限 外 34.9 26.9 4.15 0.154 97 32.8 濾過濃綸液
[0073] 第 2回 146 6.8 3.77 0.554 88 117.9 ク πマト画分
[0074] (実施例 4 )
[0075] 実施例 3 と同様にして、 同カラムを用いニンジンの exo-PGのィォン交換ク口マ トグラフィーを 4回繰り返
[0076] した結果を第 4表に示した。 尚、 同様の実験条件下に おけるカルボキジメチルセルロース (CM-Ceilulose) との比較結果を同時に示した。
[0077] (本頁以下余白)
[0078] ぺクチン酸一セルロースゲルと CM- -Cellulose によるニンジンの exo- PGの精製結果の比較 ぺクチン 酸一セル π—ス CM - Cellulose 実験回数
[0079] 比活性 回収率 比活性 回収率 (U/mg) (% ) (U/mg) {% )
[0080] 1 1.33 104.1 1.90 66.6
[0081] 2 1.86 103.3 1.25 74.9
[0082] 3 1.79 115.6 1.54 64.1
[0083] 4 1.99 99.2 1.09 50.1 平 均 1.74 105.6 1.45 63.9
[0084] (参考例)
[0085] 架橋剤 2. 6モル/糖残基のゲル濾過用べクチン酸セ ルロースゲルの調製法について述べる。
[0086] 温州みかん果皮の乾燥粉末 41g を、 60°Cに加温した 45重量%ァセ トン水溶液 240mlを用いてソッ クスレー 抽出を約 6時間行い、 残ったアセ ト ン不溶物 28g (湿品) を濾取した。 これを 50重量%アセ トン水溶液とェピク 口ルヒ ドリ ンとの 5 : 1 (容積比) の混合液 350mlに加 え、 攪拌下 40°Cに保った。 次に、 5 M NaOH 50ml をこ れに加^、 40°Cで 2時間架橋反応を行い水不溶のゲル を濾取した。 水 500ml中にこれを加え、 30分間煮沸後 濾過して熱水可溶成分を除去した。 不溶物を送風乾燥 機で乾燥後、 ぺクチン酸セルロースゲル乾燥物 23.0g を得た。 (収率 11.5%)
[0087] (実施例 5 )
[0088] ク リブロマイセス ' フラギリス IF0 1963培養液より P Gを分離、 精製する例を示す。
[0089] ク リブロマイセス , フラギリス IF0 1963株を培養後、 遠心分離により菌体を除去し上澄を得た。 本上清より、 限外濃縮、 イオン交換クロマ トグラフィーにより部分 精製 P Gを得た。 このものの全活性は 134.9units、 比 活性 131. Ounits/mg proteinであった 0
[0090] 架橋剤 2.6モル Z糖残基のぺクチン酸セルロースゲ ルを常法により調製し、 0.5M NaClを含む 0.1M酢酸緩 衝液 (PH4.5 ) で平衡化させた後、 2.5 X 40cmのカラ ムを作成した。 上記部分精製 P G試料をカラムに添加 後、 該緩衝液にて溶出させた。 溶出液をフラク ショ ン コレクタ一にて分画し、 各々の酵素活性及び蛋白含量 (A28())を測定した。 活性画分を合わせた後透析により NaClを除去し、 精製 P G液とした。 本液は全活性 133.8 units 、 比活性 180.2unitsZmg proteinであり、 回収 率 99.2%、 比活性上昇 1.38倍であった。
[0091] (比較例 1 )
[0092] 実施例 5において用いた部分精製 P G試料と同じも のを、 あらかじめ 0. 5 M NaClを含む 0.1M酢酸緩衝液 (PH4.5) にて平衡化させたセフアデックス G- 75力ラム (2.5 X 40cm) に通した後、 実施例 5同様にして分析を 行った。 活性画分を合わせ、 脱塩後得られた試料の全 活性は 127.6units、 比活性 177.5uni tsZmg proteinで あり、 回収率 94.6%、 比活性上昇 1.35倍であった。 (実施例 6 )
[0093] 実施例 5において使用したぺクチン酸セルロース力 ラムに、 分子量測定キッ ト (フアルマシア LKB製、 ァ ルドラーゼ : MW 158, 000、 力タラ一ゼ : MW 232, 000、 ォブアルブミ ン : MW 43, 000 、 キモ ト リ プシノ ーゲン A : MW 25, 000 、 リ ボヌ ク レア一ゼ A : MW 13, 700 各 SOmgZ含む) より、 1 mlをカラム上端より注意深く添 加した後、 0.1M NaClを含む 0.05Mリ ン酸カ リ ウム緩衝 液 (ρΗ6· 8 ) にて流速 1 ml/min で溶出された。 フラ ク シヨ ンコ レク タ一にて 2 mlずつ分取し、 蛋白含量 (A28。)を測定した。 この結果を第 5図に示す。
[0094] 第 5図から分かるように本ゲルのカラムを、 あらか じめ検量しておけば蛋白質等の水溶性高分子の分子量 測定にも応用が可能であることが分かった。
[0095] (実施例 7 )
[0096] 温州蜜柑果皮のアルコール不溶物 20gを 0.1Mリ ン酸 緩衝液(pH6.8)340mlに加え、 1 時間浸漬後、 パパイン (片山化学工業製 1 : 300)1.70gを添加し、 48時間 30°C で弱攪拌下、 処理を行った。 処理後、 緩衝液と同量の メ タノールを加えた後、 濾過を行い、 蛋白除去湿品 84 gを得た。 その後、 同湿品 84gを、 特開昭 63- 43501号公 報の方法に従い、 60 %メタノール 168ml 、 ェピクロル ヒ ドリ ン 49. 6mlに浸漬後、 攪拌下 5M NaOH 42. 4mlを添 加することにより架橋反応を行い、 本発明のぺクチン 酸—セルロースゲル 11. 4g (乾品重量) を得た。 また同 時に、 ブランクとしてパパィン無添加の系で同様の処 理を行った。 結果を第 5表に示す。 第 5 表
[0097]
[0098] (実施例 8 )
[0099] 温州蜜柑果皮のアルコール不溶物を用い、ノ、'パイ ン- プロナ一ゼの添加量及び処理時間による蛋白除去率へ の影響を検討した。
[0100] 方法としては、 パパイ ン添加量、 0. 1 %, 0. 5 %, 1. 0 %、 プロナーゼは 0. 5 %とした。 処理時間は 24時 間, 48時間で行った。 なお、 評価は蛋白除去処理アル コール不溶物で行った。 結果を第 6表に示す。
[0101] (本頁以下余白) 第 6 表
[0102]
[0103] (比較例 2 )
[0104] 温州蜜柑果皮のアルコール不溶物を用い、 アルカ リ 処理、 酸処理、 プロテアーゼ処理による蛋白除去率及 び交換当量、 膨潤率への影響を比較検討した。
[0105] アルカ リ処理、 酸処理では、 アルコール不溶物を 60 %メ タノ ールに浸漬後、 5 M NaOH水溶液又は17. 5 % HC 1水溶液を各々添加し、 蛋白処理した。
[0106] プロテアーゼ処理では、 アルコール不溶物を 0. 1Mリ ン酸緩衝液に浸漬後、 パパイン 0. 5 %を添加し、 蛋白 処理した。 なお、 評価は蛋白除去処理アルコール不溶 物で行った。 結果を第 7表に示す。 第 Ί 表
[0107]
[0108] (実施例 9 )
[0109] (1) ニコチンアミ ドアデニンジヌク レオチ ド (以下 「NAD」 という) 吸着体の調製
[0110] ぺクチン酸—セルロースゲル 50ml (乾燥重量 8 g ) を 40g の CNBrで pHllで活性化し、 洗浄後、 これに ε— アミ ノカプロン酸の溶液 (ε—アミ ノカプロン酸 20gを 0.1M NaHC03200ml水溶液に溶解したもの) 、 0.01M HCK 0.5M NaCl溶液で順次洗浄し、 最後に十分水洗し た。 洗浄したゲルを 80% (v/v) ピリ ジンで十分洗って から 300ml程度の共栓付き三角フラスコに入れ、 これ に NAD溶液 (1.6gを水 48mlに溶解する) 次いでジシ クロへキシルカルポジイ ミ ドのピリ ジン溶液 (80 g / 192ml)を加え、 密栓して 10日間室温で攪拌する。 その 後ガラスフィルターで濾取し水、 エタノールで洗浄し NAD吸着体を得た。
[0111] (本頁以下余白) (比較例 3 )
[0112] 比較のために、 セファロ一ス 4 Β (フアルマシア社製 ァガロース系担体) 200ml (乾燥重量 8 g) を 40g CNBr で pHllで活性化し、 洗浄後これに £ —アミ ノカプロン 酸の溶液を加え、 上記 (実施例 9 ) と同様に反応を行 い、 次いで NAD溶液 ( 1.6gを水 48ml溶解) ジシクロ へキシルカルポジイ ミ ドのピリ ジン溶液を加え N A D 吸着体を調製した。 その結果を第 6図に示す。
[0113] (2) グリセルアルデヒ ド 3 リ ン酸脱水素酵素 · 乳酸脱 水素酵素 . 牛血清アルブミ ン (以下 「GPDH'LDH'BSAJ という) 混合溶液からの各成分の分離
[0114] 上で得た NAD吸着体を 10x l03ml のカラムに充塡 し試料 : GPDH (4.1U)、 LDH (3711) 及び BSA 0.9mgを含 む 0.1Mリ ン酸緩衝液 (pH7. 0 ) 0. 2mlをアプライする c アプライ後 0.1Mリ ン酸緩衝液でカラムを洗浄し、 次ぎ に 0.15mM NADH - lOmM NADHで順次溶出を行った。 なお 流速は、 l mlZ 8 min とした。 得られたカラムクロマ トの結果を第 6図に示す。
[0115] 本発明の吸着体によれば、 比較例 3のそれに比べ GPDH - LDH - BSAの回収効率が高く、 また流速を上げて も回収効率に余り影馨がないことが明らかである (第 8表)。
[0116] (本頁以下余白) 3
[0117] 第 8 表 担 体 ぺクチン酸一 セファロ一ス セルロース 4 B 流速(ml/min) 1/8 2/8 1/8 回 B S A 98% 98% 94% 収 G P DH 99% 98% 92% 率 L DH 99% 98% 91%
权利要求:
Claims

言青求 の 範囲
. ぺクチン酸一セルロースゲルを含むカラムクロマ ト グラフィ一用担体。
. 請求の範囲第 1項記載のカラムクロマ トグラフィー 用担体を用いてイオン交換ク口マ トグラフィーを行う ことを特徵とする水溶性高分子物質の分離、 精製方法。 . 請求の範囲第 1項記載のカラムクロマ トグラフィー 用担体を用いてゲル濾過クロマ トグラフィーを行うこ とを特徴とする水溶性高分子物質の分離、 精製方法。. 水溶性高分子物質が蛋白質である請求の範囲第 2項 又は第 3項記載の分離、 精製方法。
. 構造蛋白質及び細胞壁結合蛋白が除去されているぺ クチン酸一セルロースゲル。
. ぺクチン含有植物由来の粉末をプロテアーゼにより 蛋白除去処理した後、 架橋試薬により架橋することを 特徴とするぺクチン酸一セルロースゲルの製造法。. ぺクチン含有植物由来の粉末がぺクチン含有植物の アルコール不溶物である請求の範囲第 6項記載の製造 . ぺクチン酸—セルロースゲルからなる担体上にリガ ン ドが *有結合にて固定化されていることを特徴とす るァフィ二ティ クロマ トグラフィー用吸着体。
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引用文献:
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法律状态:
1991-05-30| AK| Designated states|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): US |
1991-05-30| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AT BE CH DE DK ES FR GB GR IT LU NL SE |
优先权:
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