专利摘要:

公开号:WO1988005874A1
申请号:PCT/JP1988/000119
申请日:1988-02-09
公开日:1988-08-11
发明作者:Toshihiro Kobayashi;Tokuhisa Tsutsui;Yuuki Nakamura
申请人:Kabushiki Kaisha Sankyo Seiki Seisakusho;
IPC主号:F16C33-00
专利说明:
[0001] 明 細 書 軸受材料及び樹脂軸受 技 術 分 野
[0002] 本発明は軸受材料及びその軸受材料を用いた軸受に閔す る 。 更に詳述する と 、 本発明は主にプラスチ ッ クから成る 軸受材料と それを少な く と もすベ り 面に有する樹脂軸受に 関する 。 背 景 技 術
[0003] 従来、 ポ リ ア ミ ド樹脂、 フエ ノール樹脂、 ボリ フエニレ ンサルフ ア イ ド等のプラスチ ッ クスにグラ フ ア イ ト 、 炭素 繊維、 ガラス繊維、 金属粉末、 カーボンブラ ッ ク等の改質 材を混入 して成形 した樹脂軸受が知られて いる ( 日刊工業 新聞社発行 山口章三郎著 ; プラスチ ッ ク材料の潤滑性 参照) 。 この樹脂軸受は給油の必要がな く 、 メ ンテナンス の面で非常に有利であるために、 広く 使用されて いる 。
[0004] 上記樹脂軸受は、 プラスチ ッ クスに混合される改質材の 種類、 量によ り その特性が左右される ものであ り 、 耐摩耗 性、 摺動性 ( 摩擦特性) 、 耐熱性向上と い う それぞれの目 的に応 じて 、 種々の改質材が混入されて いる 。
[0005] と こ ろが、 耐摩耗性の向上を 目的と して 、 プラスチ ッ ク スに例えばカーボンブラ ッ ク を混入する場合には、 樹脂軸 受の耐摩耗性が向上する反面、 摺動性の面で大幅に劣る問 題がある 。 また、 摺動性の向上を 目的と して 、 例えば潤滑 性及び潤滑油吸着性の良い膨張黒鉛を混入する場合には、 樹脂軸受の摺動性が向上する反面、 耐摩耗性が劣る問題が あ る 。 また、 耐熱性の向上を 目的と して、 例えば金属粉末 を混入する場合には、 樹脂軸受の耐熱性が向上する反面、 摺動性の面が劣って しま う 問題がある 。 このよ う に従来の 軸受材料によ る と 、 樹脂軸受の或る特性の向上がなされる —方で混入した改質材の欠点によ り 他の特性の劣化が必ず 起き て しま う と い う 二律背反の閬係にあ るので、 上述の耐 摩耗性、 摺動性及び耐熱性の全て を概ね高水準で溝足させ る こ とは困難であ り 、 特に 1 種類の改質材だけで上述の条 伴を潢足させる ものは従来無い。
[0006] また、 この樹脂軸受は、 通常、 金属製のホルダーない し ハウジング等でバッ クア ッ プするよ う な構造に して使用さ れる 。 このため、 樹脂軸受を精度良く 成形 して も 、 金属製 のホルダー等に当該軸受を圧入または崁合によ って固定す る と 、 その際の押圧力によ っ て樹脂が収縮ない し変形して 内径寸法が大き く 変化 し、 軸受隳能が極端に泜下して しま う とい う 問題がある 。 また、 プラスチ ッ クの中に改質材と して無機系の改質材、 即ちグラ フ ア イ ト 、 炭素織維、 ガラ ス織維、 .金属粉末、 カーボンブラ ッ ク等を混入 した ものは、 その含有量が高いと圧入の際に、 内径寸法の縮小だけでな く 、 圧入によ る割れを発生し易く 、 その結果と して発生し た割れによ り 摺動面が引 き ち ぎれ、 縻耗が大き く なる と い う 欠点があ る 。 このため、 樹脂に改質材を含有させて成分 的に耐 IS耗性、 高摺動性 ( 低 ¾擦係数) 、 耐熱性を概ね高 水準に向上させ得た と して も 、 製造加工段階においてその
[0007] ( れた特性が打ち消されて し ま う よ う な寸法誤差あ る いは 割れ等が生 じ、 結果的には軸受機能が劣化 して しま う と い う 問題も ある 。
[0008] また、 耐摩耗性摺動部材と して 、 従来、 固体潤滑剤黒鉛 を含有するガラス状炭素材料から成る ものがある ( 特開昭
[0009] 5 9 - 1 3 1 5 6 7 号 ) 。 しか しながら 、 この摺動材料はガラス状 炭素材料形成材料と 黒鉛と の混合物を焼成、 炭化して摺動 材料とする ものであるので、 混合物からの焼成、 炭化時の 収縮が大き く かつ収縮のばらつき も大き く 、 寸法精度のよ い軸受は形成でき ないと い う 問題がある 。 発 明 の 開 示
[0010] 本発明の 目的は、 1 種類の改質材の混入によ って 、 耐摩 耗性、 高摺動性及び耐熱性の全ての面に優れた特性を示す 軸受材料を提供する こ と にある 。
[0011] また、 本発明の他の 目的は、 改質材と してのガラス状力 一ボンが長期間脱落 しない軸受材料、 換言すれば長期に亘 つて耐摩耗性、 高摺動性及び耐熱性を持続でき る軸受材料 を提供する こ と にある 。
[0012] 更に、 本発明の他の 目的は、 耐摩耗性、 高摺動性及び耐 u 熟性の全て の面に ¾れ、 かつ製造加工が簡単で製品精度の 良い樹脂軸受を提供する こ と にあ る 。
[0013] かかる 目的を達成するため、 本発明の樹脂軸受は、 3 0 〜 9 8重量%のガラス状カーボンと 2 〜 7 0重量%のプラ スチ ッ クス と から構成 して いる 。
[0014] また、 本発明の軸受材料のガラス状カーボン含有量は、 好ま しく は 5 0 〜 9 5重量%、 よ り 好ま し く は 5 0 〜 9 0 重量%、 更に好ま し く は 6 0 〜 8 0 重量%、 最も好ま し く は約 7 0 重量%程度であ る 。
[0015] また、 本発明の軸受材料のガラス状カーボンは、 球状の 粉体であ る こ と を特徴とする
[0016] また、 本発明の軸受材料のガラス状カーボンは、 平均粒 径 3 Ο μπι以下である こ と を特徴とする 。
[0017] 更に本発明の軸受材料は、 上述の組成に更に界面活性剤 及び Ζまたは力 ップリ ング剤を含むこ と ができ る 。
[0018] 更に、 本発明の軸受材料は、 上述の界面活性剤及び Ζま たは力 ブプリ ング剤の他に潤滑剤を含むよ う に している 。
[0019] 更に、 本発明の軸受材料の界面活性剤は、 シ リ コーン系 界面活性剤である こ と を特徴とする 。
[0020] また、 上述の 目的を達成するため、 本発明の樹脂軸受は、 ホルダーの内周面に一体成形によ り 密着接合された、 3 0
[0021] 〜 9 8重量%のガラス状カーボンと 7 0 〜 2重量%のプラ スチ ッ クス と から成る樹脂層を有 し、 該樹脂眉の内周面を 回転軸の摺動面と している , 本発明に用いるガラス状カーボン と は、 フ エ ノール樹脂 フラ ン樹脂な どの熱硬化樹脂を き わめてゆつ く り 硬化、 炭 素化する こ と によ って作られる アモルフ ァ スカーボンを意 味する 。 このガラス状カーボンは、 特に制限はないが、 従 来特開昭 61 -48410号、 特開昭 60-131816 号、 特開昭 59- 131 567 号炭素材料工学 ( 日刊工業新聞社 昭和 60年 12月 23日 発行 P 50〜 54 ) 等で公知の製法によ っ て製造され、 3 0 以下の球形ある いは破碎粒の微粒子に構成されている 。 ま た、 本発明に用いる プラスチ ッ クは、 特に制限はなく 、 従 来樹脂軸受の材料と して公知の ものでも よ いが、 適用され るモータ等の要求特性に合せて決定する 。 耐庫耗性を特に 重視するステ ッ ピングモータの場合にはフ エ ノール樹脂が 好適であ る 。
[0022] ガラス状カーボンの含有量は、 3 0 〜 9 8重量%、 プラ スチ ッ ク含有量は 2〜 7 0重量%と されて いる 。 こ こでァ ラスチ ッ クスの含有量を 2重量%以上、 即ちガラス状カー ボンの含有量を 9 8重量%未満と した理由は、 2重量%未 潢に した場合には樹脂軸受の成形性の面で問題があるから であ り 、 ガラス状カーボン含有量を 9 5重量%以上と した 場合には、 ガラス状カーボン と プラスチ ッ クスの結合が弱 く な り ガラス状カーボンがプラスチ ッ クスから拔け落ちて 摩耗性が悪く なる 傾向にあるが、 全体と しては従来品よ り 良好な耐摩耗性等を呈するためである 。 こ のガラス状カー ボンの組成は、 好ま し く は 5 0〜 9 5重量% , 更に好ま し く は 5 0 〜 9 0 重量% , よ り 好ま し く は 6 0 〜 8 0 重量%、 最も好ま し く は約 7 0 重量%程度である 。
[0023] 本発明によ って得られる軸受材料は、 従来の樹脂軸受に 比べ、 その摩耗量を减少でき 、 長期使用が可能と な り 、 か つ高摺動性も 向上でき 、 焼付き等の心配も無く な り 、 その 上耐熱性も向上でき 、 使用時及び成形時の温度変化によ る 寸法変化も抑え られる 。 またプラスチッ クスに混合する改 質材はガラス状カーボンの一種のみで良いので、 製造コス 卜の低減も可能と なる 。
[0024] また、 本発明の樹脂軸受において、 ガラス状カーボンを 球状の粉体にする と 、 軸受と したと き にシャ フ トに缗をつ けず、 摺動性も高めるこ とができ る 。
[0025] また、 本発明の樹脂軸受において 、 ガラス状カーボンの 平均粒径を 3 0 以下にする と 、 軸受と した と き の面積度、 即ち寸法精度を上げる こ とができ る
[0026] また、 本発明の軸受材料において界面活性剤を含ませる と 、 この界面活性剤がプラスチ ックス と ガラス状カーボン の濡れ性を改善し、 プラスチ ッ クスに対するガラス状カー ボンの接合強度を増大させ、 更に界面活性剤を含ませる と 、 この、 カ ップリ ング剤がプラスチッ クスと ガラス状カーボ ンと の化学的な結合を高め、 プラスチ ッ クス とガラス状力 一ボンと の接合強度を強固にする 。 このため、 ガラス状力 一ボンの脱落が防.止ざれ 長期.'に亘つて高摺動性、 耐熱性 及び耐摩耗性を高永準で維持でき る また、 本発明の樹脂軸受において 、 界面活性剤を シ リ コ ーン系界面活性剤にする と 、 表面張力が小さ いこ と によ り 、 密着強度を上げる こ と ができ る 。
[0027] ま た、 本発明の樹脂軸受において 、 潤滑剤を含める と 耐 摩耗性を 向上させる こ と ができ る 。
[0028] 更に、 本発明によ っ て得 られる軸受材料は、 従来のよ う にでき あいの混合物 ' 樹脂軸受をホルダーに圧入または嵌 合さ せるのではな く 、 イ ンサー ト成形法を用いたコ ンプレ ッ シ ヨ ン法によ り 軸受体を成形 して いるので、 摺動面と な る 内周面の内径の寸法変化が全く なく 、 それによ り 混入さ れる改質材の特性が損われる こ と もない上に製造も非常に 簡易になる 。 しかも 、 ホルダーと 樹脂層と の密着接合力 も 圧入によ る ものに比べて全く 遜色ない。 図 面 の 簡 単 な 説 明
[0029] Fig. 1 は本発明の樹脂軸受の一実施洌を示す斜視図、 Fig. 2 、 Fig. 3 . Fig.4 は F ig. 1 の樹脂軸受を成形する際 のイ ンサー ト工程、 型込め工程、 加圧 , 加熱工程の各説明 図、 Fig. 5 は本発明の軸受材料の摩耗量の経時的変化をガ ラス状カーボンの含有量をパラメ ータ と して示すグラ フ 、 F i g . 6 は本発明の軸受材料と 比較例と の耐熱性能を比較す る グラ フ 、 F i g , 7 は本発明の軸受材料と比較例と の摺動性 能を比較 したグラ フ 、 Fig. 8 は樹脂軸受の摩耗量の経時的 変化を組成材料をパラメ ータ と して グラ フ 、 Fig. 9 は本発 明の樹脂軸受の変形例を示す斜視図、 Fig. 1 0は Fig.9の 中央縦断面図、 ng. l 1 は Fig. 1 の樹脂軸受をハウジング に圧入した状態の断面図、 Fig. 1 2は本発明によ り 成形さ れる複雑なホルダーを有す—る樹 ΐί軸受の中央縦断面図、 F i g . 1 3は F i g . 1 2の樹脂軸受をハウジングに圧入した状 態の中央縦断面図、 F i g . 1 4は本発明によ り 成形されるス ラス 卜樹脂軸受の断面図、 Fig. 1 5は Fig. 1 4の樹脂軸受 をハウジングに圧入した状態の中央縦断面図、 F i g . 1 6は ホルダーの内外周に樹脂をィ ンサー トモ一ルドする際の説 明図である 。 発明を実施するための最良の形態
[0030] 以下、 本発明を実施態様に基づき よ り詳細に説明する 。 本発明の樹脂軸受材料は、 3 0重置%〜 9 8重量%のガ ラス状カーボン と 7 0重量%〜 2重量%のプラスチ ッ クス から成る こ と を特徴とする ものである 。
[0031] 本発明の樹脂軸受材料においてマ ト リ ッ クス材と なるプ ラスチ ッ クス と しては、 ポリ ア ミ ド、 ポリ アセタール、 ポ 1ふカーボネー ト 、 ポリ フ エ二レンサルフ ァ イ ド、 ポリ フ エ 二レ ンォキサイ ド 、 ポ リ スルフ ォ ン、 ポ リ エーテルブルフ オ ン、 ポ リ エーテルイ ミ ド 、 ポリ ア ミ ドイ ミ ドなどのイ ミ ド系樹脂、 ポリ エーテルケ トン、 ポリ エーテルェーテルケ ト ン、 ポ リ エーテルケト ンケ ト ンなどのケ 卜ン系樹脂、 ポ リ テ 卜 ラ フルォロエチレン、 ポリ フ ッ化ビニ リ デン、 ポリ へキサフルォロエチレン、 ポ リ 卜 リ フノレオ口 ト リ フ ロロェ チレン、 ポ リ フ ッ化ビニ リ デンな どのフ ッ素系樹脂、 ポ リ エチレンラ レ フ タ レー 卜 、 ポ リ ブチレンテレ フ タ レー 卜な どのポ リ エステル樹脂のよ う な各種熟可塑性樹脂、 ェポキ シ樹脂、 フ ノ ール樹脂、 尿素樹脂、 アルキ ド樹脂、 メ ラ ミ ン樹脂、 けい素樹脂などの各種公知の熟硬化性樹脂の池 軸受材料と して ^用可能なプラスチ ッ クスの全て を含む。
[0032] 本発明の樹脂軸受材料において 、 これらのプラスチ ッ ク スは、 樹脂の種類によ っ て も左右されるが 2 〜 7 0 重量%、 好ま し く は 1 0 〜 5 0 重量%、 よ り 好ま し く は 2 0 〜 4 0 重量%、 最も好ま し く は約 3 0 重量%含有される 。 即ち、 プラスチ ッ クスの含有量が 2重量%未満であ る と 、 プラス チ ッ クスによ る マ ト リ ッ クスの形成が困難になる と 共に、 ガラス状カーボン と プラスチ ッ クスの結合が弱く な り ガラ ス状カーボンがプラスチ ッ クスから抉け落ちて縻耗性が悪 く な り 、 機械的強度の低下、 成形性の低下等を起こす虞が あるからであ る 。 一方、 7 0 重量%を越え る ものであ る と 、 ガラス状カーボンの含有量が必然的に低下 し、 複合構造体 化によ る耐縻耗性、 摺動性、 耐熱性の向上が望めない虞が あ るためであ る 。
[0033] 本発明の樹脂軸受材料において 、 このよ う なプラスチ ッ クスに改質材と して添加されるガラス状カーボンと は、 フ ルフ リ ールアルコ ール、 フ ラ ン樹脂、 フ エ ノ ール樹脂など の熱硬化樹脂、 砂糖、 セルロース 、 リ 塩化ビニ リ デン等 を き わめてゆっ く り 硬化、 炭素化する こ と によ って得られ るアモルフ ァ ス状態すなわち非晶質のカーボンの一形態で あっ て 、 その形態の特徴、 またその代表的物性は、 比重 1.45〜 50 g/ on 3 、 硬度 100 〜 110 H s 、 900 〜 1300 H V 、 固有抵抗 5 X 1 0-5 〜 1 0 X 1 0-5 Ω Zcm、 熱伝導 率 0.01〜0.02cal cm - sec . 。Cである 。 このよ う にガラ ス状カーボンは高い硬度を有し、 極めて耐摩耗性、 摺動性、 耐熱性に匳れた ものであ る 。
[0034] このよ う なガラス状カーボンを得るためには、 例えば部 分架撟フ エ ノール樹脂などの熱硬化性樹脂をスプレー ド ラ ィ 法、 懸濁法などの造粒法等によって微粉末と し、 500 〜 2500eCこのま しく は 1000'C以上で 4 8時間焼成すればよい が、 もちろんこのよ う な方法に何ら限定される ものでなく 、 特開昭 61 -48410号、 特開昭 60-131816 号、 特開昭 59-13156 7 号などに記载される よ う な公知のいずれの方法によ って も よい。 また、 このガラス状カーボンは、 低温焼成によつ て も得られる 。 この場合のガラス状カーボンはポーラス構 造であ り 、 ポーラス部に耐熱性グリ ース等の油を添加剤と して含浸させ、 耐摩耗性、 高摺勤性、 耐熱性を向上させる こ と が可能である 。
[0035] このよ う なガラス状カーボンは不定形粉体、 球状粉体、 破碎状などの开 を取 り 得るが、 摺動性の良好さの面からは 球状の粉体である こ とが望まれ、 カーボンの脱落防止の観 : 点からは投び ょ う 効果のある破砕形状でも良い 更にその 粒径と して は平均粒径で 3 0 以下、 よ り 好ま し く は 1 〜 3 0 Mmであ る こ と が望まれる 。 すなわち 3 0 よ り大き い と プラスチ ッ クスマ 卜 リ ッ クス中に均一に分散させる こ と が困難と な り 、 一方 1 μιηよ り 小さ い と ガラス状カーボンの 表面積が小さ く なるので、 密着性が悪く なるためであ る 。 尚、 ガラス状カーボンの含有量を 8 0 %以上と する と き に は 5 μπι以下の微細粒のガラス状カーボンを用いる こ と が好 ま しい。 この場合、 1 0 〜 3 0 WInの比較的大径なガラス状 カーボンに比べて 、 混合される アラスチ ッ クスに対する接 触表面積が大き く なるので該プラスチ ッ クス と の接合力が 高め られてガラス状カーボンの脱落が生 じない し、 高充填 でき るので成形収縮率が小さ く 、 耐縻耗性、 高摺動性及び 耐熱性に優れる 。 また、 5 (in以下の微細粒と 2 0 μιηの大径 粒か ら成るガラス状カーボンを混合 して軸受体を成形する 場合 も 、 略同樣な効果が発揮される 。 この場合の最も望ま しいガラス状カーボンの含有置は 8 5 〜 9 0 % と い う こ と が判っ た。 この結果から 、 ガラス状カーボンに微細粒を含 んでいれば、 成形時の流動性が良化され、 支降な く 軸受が 成形され得る と 共に、 成形時の高寸法性が確保され、 その 上プラスチ ッ クス と の接合力 も高め られ、 カーボンの脱落 が生 じず、 耐摩耗性、 高摺動性及び耐熱性に極めて ¾れる よ う になる 。 尚、 上記変形例においては、 大径粒の粒径を 2 ◦ μπιと して るが、 2 0 μπιに限られる ものではな く 、 要は、 ガラ ス状カーボンに微細粒を含んでいる場合には、 大径粒 の粒径はさほど問題と な らない。
[0036] 本発明の樹脂軸受材料において このよ う なガラス状カー ボンは、 3 0 〜 9 8重置%添加される 。 即ち、 3 0 重董% 未満ではガラス状カーボンの添加によ るプラスチ ッ クスの 改質の効果が十分な もの と ならず、 一方 9 8重量%を超え る ものである と 、 アラスチ ックスマ ト リ ッ クスの形成が困 難と な り 、 機械的強度、 密着性等の低下の虡があるためで ある 。
[0037] 本発明の樹脂軸受材料において 、 必要に応じて界面活性 材および Zまたはカ ッ プリ ング剤を添加する こ と が可能で ある 。 界面活性剤と しては、 有機およびシ リ コーン系の各 種陽イ オン性界面活性剤、 陰イ オン界面活性剤、 両性界面 活性 、 非イ オン界面活性剤を用いるこ とができ るが、 こ のう ち特に好ま し く は、 シ リ コーン系界面活性剤である 。 界面活性剤の添加置はガラス状カーボン と プラスチ ッ クス と の総量に対 して 1 〜 7重量%と し、 ガラ ス状カ ーボンの 重量%によ り決定する 。 カ ッ プリ ング剤と しては、 各種ァ ゾ力 ッ プ リ ング剤、 シランカ ッ プリ ング剤などを用いる こ と ができ る 。 カ ップリ ング剤の添加量はガラス状カーボン と プラスチ ッ クス と の総量に対 して 1 〜 7重量%である 。
[0038] 更に、 本発明の軸受材料には必要に応 じて潤滑剤を添加 する こ と もでき る 潤滑剤と しては、 合成油を主体と した 各種のオイ ル · グリ ースが い られ得るが、 この う ち特に 好ま し く はジエステル系液状グ リースまたはウレアグリ ー スであ る 。 また潤滑剤の添加量は 5〜 2 0重量%、 よ り 好 ま し く は 5〜 1 0重 5%であ る 。
[0039] 更に、 軸受成形時にポ リ テ ト ラ フルォロエチレ ン ( 商品 名テフ ロン : P T F E ) 等のフ ッ ソ樹脂やニ疏化モ リ ブデ ンを混合 して も 良い。 以下、 本発明を実施例に基づいて詳細に説明する ガラス状カーボ の製造冽
[0040] まず、 ァモル フ ァ ス状態即ち非晶質のカーボンを得るた めに、 ガラス状力一ボン成形材と しての部分架橋フ エ ノ ー ル樹脂を生成する ¾ この部分架撟フ ヱ ノール樹脂は、 フ エ ノ ール . ノ ボラ ッ ク樹脂粉末を部分架橋する こ と によ って 生成され、 その分子内にフ エ一ノール · ノ ボラ ッ ク樹脂の 硬化を行な う フ エ ノ ール性水酸基と 自己縮合性を示すメチ ロール基と を有 して いる 。 その代表特性は次の通 り である 比 重 1 . 2 5 gr/ cii)3
[0041] 見掛け比重 0 . 3 g rZ eras
[0042] 平均粒子径 5 - 3 0 μη
[0043] 溶 解 性
[0044] 溶 解 度 大 Ν—メ チルー 2 — ピロ リ ド ン
[0045] ジメ チルホルムアルデヒ ド メ チルセ.ロ ソルブ
[0046] ィ ソ ブチルカルビ 卜一ル
[0047] 溶 解 度 小 ラ 卜 ラ ヒ ド ロ フ ラ ン ァセ 卜 ン
[0048] メ チルェチルケ 卜 ン
[0049] トノレエン
[0050] キシレ ン
[0051] 卜 リ ク レン
[0052] メ タ ノール
[0053] 熱軟化温度 1 3 0 °C
[0054] ゲル化時間 1 8 0〜 2 2 0秒 1 5 0 このよ う に生成された部分架橋フエ ノール樹脂を上記溶 解度犬の材料にて溶融 し、 この溶融樹脂を非溶媒ある いは 溶媒中に噴出させて 、 更に真空乾燥させてあるいは加熱乾 燥させて粉末と し、 この粉末を窒素気流下に室温から 1 0 0 0でまで 4 8時間かけて昇温焼成して 、 次に示すよ う な 物性 IIを有する平均粒径 5〜 3 0 μπの球状のガラス状カー ボンを得た。 尚、 本発明者の実験によ り 、 ガラス状カーボ ンと プラスチ ッ クス と の親和性、 すなわち成形された樹脂 軸受の強度は、 熱処理温度が 5 0 0でに近いほど大き く 、 また軸受の摺動性は熱処理温度が 2 5 0 0 'Cに近いほど良 好であ り 、 またガス、 オイ ル等の吸着性は、 熟処理温度が 8 0 0で近傍が最も高く 、 5 0 0でまたは 2 5 0 0 'Cに近 づく ほど低く なる と い う こ とが判明しているので、 5 0 0 〜 2 5 0 0 内における熱処理温度を変える こ と によ り 、 あ る程度所望の親和性、 摺動性、 吸着性を有する軸受が得 られる よ う になる 。 1
[0055] 比 重 1 . 4 5 〜 ; I . 5 0 grZ c«3 硬 度 1 0 0 〜 ; L l O H s
[0056] 9 0 0〜 1 3 0 0 H v
[0057] ( 焼成条件によ る )
[0058] 固有抵抗 ( 5 〜 1 0 ) Χ 1 0 "5Ω — oa 熱伝導率 0.{n〜 0.02cal / cm ' sec ' で なお、 焼成時の体積収縮は約 1 7 %であ り 、 架橋密度が 上がるために、 その耐熱性は高い。
[0059] 軸受体の成形
[0060] このよ う に して得られたガラス状カーボンを改質材と し て 、 以下のよ う に軸受を成形する 4
[0061] まず、 樹脂軸受を製造する には上記のごと き プラスチ ツ クス、 ガラス状カーボンおよび必要に応 じて添加される界 面活性剤、 カ ッ プ リ ング剤お よび Zまたは澗滑剤をー樣に 分散する まで十分に混練する 。
[0062] そ して Fig.2 に示される如 く 、 表面に離型剤が塗布され て いる成形用下金型 2のキ ヤ ビテ ィ 内に、 金属円筒等から 成る ホルダー 1 をその外周面と 下金型 2の內周面 2 a と が 密着する よ う にイ ンサー ト し .( イ ンサー ト工程) 、 次に f i g.3 に示される よ う に、 上述の如く して得られたガラス状 カーボン と プラスチ ッ クス と の混合物即ち軸受材料 3 を 、 下金型 2 の中央部に設けられて いる円筒都 2 bの外周面 2 c と ホルダー 1 の内周面との間の隙間に矢示の如く 供袷す る ( 型込め工程 ) 。 その後 F i g . 4 に示される如く 、 表面に離型剤の塗布され た成形用上金型 4 を、 冽えば 5 ◦ kg Z 、 1 5 0 で、 2 0 II i n なる条件で型締め して加圧 · 加熱工程に入 り 、 混合物 3 をホルダー 1 内に所請イ ンサー トモール ドする 。 その後 上述め離型剤によ り 金型から取外 し易 く されている成形体 を取出 して 、 F i g . 1 に示される よ う な軸受ハウジングも兼 ねたラジアル軸受体 5 を得た。 尚、 図示 していないが、 力 Π 圧成形工程においては、 嵌合する シ リ ンダと ピス ト ンのよ う な密閉度の高い雌型と雄型を利用する こ と もある 。
[0063] 樹脂軸受の構造
[0064] 樹脂軸受は用途等に応じて種々の形状及び構造を採る 。 例えば、 F i g . 1 に示すよ う に、 樹脂軸受 5 は円筒形ホルダ 一 1 の内周面に混合物 3 がイ ンサー トモール ド された り 、 F i g . 9 , F i g . 1 0 に示される樹脂軸受 1 5 のよ う に小型モ 一ター等の段付き のハウジング 1 1 に混合物 1 3 が直接ィ ンサー トモ一ル ド される場合も ある 。 また F i g . 1 1 に示さ れる よ う に、 イ ンサー トモール ドによ り 成形された F i g . 1 の円筒形の樹脂軸受 5 を円筒开 のハウジング 1 2 に圧入ま たは嵌合 して 、 その内周面に回転軸を受容させる構造でも 良い。 この軸受は内層 3 が樹脂で弱く て も外層と して金属 ホルダーが用いられる 2層構造と なっているために、 樹脂 軸受自体の強度ア ップがなされ、 圧入等によ って も內径寸 法め変化がほと んどない と い う 理由からである 。 また同 じ 理由から 、 内周、 外周共に段が付いた F i g . 1 2 に示される よ う な複雑な形の金属ホルダー 2 1 の内厠に、 回転軸と 接 触する部分にのみ混合物 3 3 をイ ンサー トモール ド して樹 脂軸受 2 5 と し 、 更に該軸受 2 5 をハウジ'ング 2 2 に圧入 または崁合 して 使用する よ う な構造のでも 良い。 この場合 には段付き のために樹脂軸受 2 5 のハ ウジング 2 2 への取 付け、 位置決めが簡易にでき る利点があ る 。 また、 樹脂の 圧入が必要ないので F i g . 1 2 に示される よ う な複雑な形を したホルダー等に も適用 し得る 。 更に F i g . 1 4 に示される よ う に、 片面が塞がれた円筒ホルダー 3 1 の内面に混合物 4 3 がイ ンサー ト モール ド されたスラス ト軸受 4 5 でも良 い し、 上述と 同 じ理由から F i g . 1 5 に示される よ う なハウ ジング 3 2 に圧入または嵌合されて いる ものでも勿論良い。 また、 ナ ッ トのよ う にネジが切ってある 内周面に対 して混 合物がイ ンサー トモール ド されている ものでも良く 、 その 場合には樹脂と ネジ清と の間で接合力が増大されるので効 果的であ る 。
[0065] また、 軸受全体と しての強度をア ッ プを させる と い う 理 由からは、 F i g . 1 6 に示される よ う に金属ホルダー 5 1 を 成形金型下型 2 の内周面 2 a と 凸部 2 b の外周面 2 c と に 密着 しないよ う に離 して配置し、 その間に矢示の如く 樹脂 を供袷 して.製作 した軸受、 すなわち金属ホルダー 5 1 の内 外周面両方共に樹脂がィ ンサー トモ一ル ド された軸受が好 ま しい。 また同 じ理由から樹脂の中にスプ リ ングがイ ンサ 一トモ一ル ド されて いる樹脂軸受でも 良い。 と こ ろで上述の如く 述べて きたホルダー類は金属と され ているが、 セラ ミ ッ ク等でも良い。 そ して上述の各樹脂軸 受の樹脂の厚さ は軸受が 2層構造のために薄く て済むので、 特に熟膨張によ る影響が極力底减される 。
[0066] また上記各実施例における試料はィ ンサー ト成形を用い たコンプレ ツ シ ヨ ン法によ り成形されているが、 イ ンサー ト成形法を用いていればイ ンジェ ク シ ョ ン法、 ト ラ ンス フ τ一法等を用いて も良い。 実施 1
[0067] 平均粒径 1 0〜 2 0 μΠの球状からなる粉体のガラス状力 一ボン 7 0重量%とエポキシ樹脂 3 0重 と で上述の製 法によ り軸受体を成形 した。
[0068] 実施例 2
[0069] 実施例 1 におけるガラス状カーボンの含有量を 9 0 重量 %、 エポキシ樹脂の含有量を 1 0重量%にそれぞれ替え、 実施例 1 と 同様なる方法によ り 軸受体を成形した。
[0070] 実施例 3
[0071] 実施冽 1 におけるガラス状カーボンの含有量を 5 0重量 %、 エポキシ樹脂の含有量を 5 0重量%にそれぞれ替え、 実施例 1 と 同様なる方法によ り軸受体を成形した
[0072] 実施例 4
[0073] 実施例 1 におけるガラス状カーボンの含有量を 4 0 重量 %、 エポキシ樹脂の含有量を 6 0重量%にそれぞれ替え、 実施洌 1 と 同様なる方法によ り 軸受体を成形 した。
[0074] 実施例 5
[0075] 実施例 1 におけるガラス状カーボンの含有量を 3 0重量 %、 エポキ シ樹脂の含有量を 7 0重量%にそれぞれ替え 、 実施例 1 と 同様なる方法によ り 軸受体を成形 した。
[0076] 比較例 1
[0077] ポ リ フ ヱ ニレ ンサルフ ア イ ド 3 0重量%に炭素識維 3 0 重量% と 無機物 4 0重量%と を改質材と して混合 し、 実施 例 1 と 同様な工法によ り 軸受体を成形 した。
[0078] 比較例 2
[0079] エポキ シ樹脂 3 0重量%に改質材と して例えば黒鉛等の 固体潤滑剤 7 0重量%を混合 し、 実施例 1 と 同様な工法に よ り 軸受体を成形 した。
[0080] 比較例 3
[0081] エポキ シ樹脂だけで実施例 1 と 同様な工法によ り軸受体 を成形 した。 そ して 、 上述の如く 成形 した本発明の実施に係る 5つの 軸受試料と 3つの比較試料と に、 それぞれステンレス鋼 ( S U S ) 製回転軸を収容させて以下の試験を行った。 耐摩耗試験
[0082] 軸荷重 l kgf / oi、 軸回転速度 S ra Zmin 軸は 2回転毎に反転
[0083] 上記の条件の下で軸を回転させて軸受内径寸法の経時的変 化量を調べる こ と によって行なった a
[0084] その結果を F i g . 5 に示す。 尚、 ガラス状カーボンの含有 量が 5 0 重ま%〜 9 0 重量%の場合 ( 実旃例 1 〜 3 ) には、 略同一の摩耗量と なる こ と から図示する と 紫雜と なるので、 その上限廬と 下限値と を 2点鎖線で示 し、 ガラス状カーボ ン含有量 7 0 重量% (実施例 1 ) のみを代表と して図示し た。 また比較例について も比較例 1 のみを代表と して図示 した。
[0085] その結果は同図から明らかなよ う に、 ガラス状カーボン の含有量が 3 0 %以上の場合、 従来の軸受材料よ り 耐摩耗 性の点において効果がある。 即ち、 比較例 1 に比べ、 ガラ ス状カーボンを 3 0 重量%〜 9 0重量%含有する試料 (実 施例 1 〜 5 〉 の、 その軸受内径変化量、 すなわち摩耗量が 大幅に減少 している こ と が理解でき る , すなわちガラス状 カーボンは耐摩耗性に対して優れている と いえる 。 特にガ ラス状カーボンの含有量が 5 0 重量%以上になる と その効 果は著しい。
[0086] 耐熱性試験
[0087] 軸受体の配置された恒温槽内の温度を 0 X 〜 1 0 0でま で変化させ、 軸を回転させる槽外のモーターの、 その最大 自起動周波数を調べ、 該モーターの規格 (夫々のモータの 用途等に応じて決定される ) を満足するか否かを確認する こ とによ って行なった。 なお本試験に使用 したモーターの 最大自起動周波数の規格は 5 0 0 H z 〜 6 0 0 H z である 。 その結果を f i g . 6 に示す。 なおガラス状カーボンを含有 し た試料と しては、 その含有量が 7 0 重量%であ る もの ( 実 施冽 1 ) を代表と して図示し、 比較例と しては、 比較例 2 のみを代表と して図示 した。 その結果は同図から明らかな よ う に、 比較冽 2 は約 5 0 辺 り から規格を外れるが、 ガ ラス状カーボンを 7 0 重量%含む本発明によ る軸受は、 終 始規格を満足 して いる 。 これはガラス状カーボンを高充填 した本発明の軸受が、 温度変化に伴 う 軸受の寸法変化によ る焼付き 等を起こ さないからである 。 よ っ てガラス状カー ボンを含有する本発明の軸受材料は耐熟性に対 して も ί憂れ ている と いえ る 。
[0088] 摺動性試験
[0089] 摺動性をあ らわすものの 1 つであるモーター起動時の鼋 圧を調べた。 その結果を F i g . 7 に示す。
[0090] なおガラス状カーボンを含有 した試料と しては、 先の耐 熱性試験と 同様に、 その含有量が 7 0 重量%のもの (実施 冽 1 ) のみを代表と して図示 し、 比較例 と しては比較例 3 のみを代表と して図示 した その結果は同図から明らかな よ う に、 比較例 3 の起動電圧は 6 V ( 因に使用 した計測機 器では 6 Vまで しか計測でき なかったので 6 V と している が、 実際はも つ と大き い ものと思われる ) で、 本発明によ る軸受のそれは 5 . 2 Vであった。 即ち、 本実施例の樹脂 軸受は比較例に代表される従来の樹脂軸受ょ り も 低摩擦で あ り 、 起動電圧が低く て済むこ と を意味 して いる 。 なお、 Fig.7 には図示していないが、 ガラス状カーボンの含有量 が 5 0重量%〜 9 0重ま%の試料のモーター起動 ¾圧は全 て 5 . 2 V位であ り 、 ガラス状カーボンの含有置が 5 0重 量%から 4 0 , 3 0重量%と ®く なる につれて急激に起動 電圧が上昇 した。 これよ り ガラス状カーボンを 3 0重量% 以上、 特に 5 0重量%以上含有した軸受は摺動性に対 して も IIれて いる と 言え る 。
[0091] 以上の各試験の結果から 、 少く と も従来品よ り 良好な樹 脂軸受とする には 3 0〜 9 8重量%のガラス状カーボン と 2〜 7 0重量%のプラスチ ッ クス と から構成する こ と が必 要であ り 、 耐摩耗性と 高摺動性及び耐熱性の 3点において 従来品よ り も非常に度れた樹脂軸受とするには、 5 0重量 %〜 9 8重量%のガラス状カーボンと 2重置%〜 5 0重量 %のプラスチ ックス と から構成すれば良いこ と が理解でき る 。 ちなみに樹脂軸受の耐縻耗性、 高摺動性、 耐熱性の全 て に ί憂れているガラス状カーボンの含有量は約 6 0〜8 0 重量%であ り 、 特には 7 0重置%が好ま しい。
[0092] また次に前述のガラス状カーボンを改質材と して以下の 8種の軸受 及び 1種の比較品体を成形 した。
[0093] 実施例 6
[0094] 平均粒径 1 0〜 3 0 の球状の粉体なる改質材と しての ガラス状カーボン 8 0重量% と マ ト リ ッ クス と してのフエ ノール樹脂 ( ス ミ ライ ト レジン P R50590 , 住友べ一ク ラ ィ 卜株式会社製 ) 2 0重量%と をー樣に分散する まで混練 し 、 該混合物に対 して 8重量%のシ リ コーン系界面活性剤 ( N U C Y 7006 , 日本ュニカ株式会社製) と 5重量% の澗滑剤と してのジエステル系液グ リ ース と を添加 し、 さ らに混練 して充分に分散させ、 その後は実旃洌 1 と 同様な る方法、 すなわちイ ンサー ト成形法を用いたコ ンプレ ツ シ ヨ ン法によ り 軸受体を成形 した。 実施冽 7
[0095] 実施例 6 における ジエステル系液グ リ ースを添加 しない 軸受体を実施例 1 と 同様なる方法で成形 した。
[0096] 実施例 8
[0097] 実施例 6 における ジエステル系液グリ ースに替え、 ウレ アグ リ ース 、 ニグエース W ( 日本グ リ ース株式会社製 ) を 用い、 実旛例 1 と 同様なる方法で軸受体を成形 した。
[0098] 実施例 9
[0099] 実施例 6 における シ リ コーン系界面活性剤に替え、 有機 系界面活性剤を用い、 実施例 1 と 同様なる方法で軸受体を 成形 した。
[0100] 実施例 1 0
[0101] 実施例 6 における シ リ コーン系界面活性剤に替え、 シラ ン力 '/ プ リ ング剤 ( N U C A 1 87 , 日本ュニカ株式会社 製 ) を用い、 実施例 1 と 同様なる方法で軸受体を成形 した》 実施例 1 1
[0102] 実施例 6 におけるガラス状カーボンの含有量を 4 0 重量 % と し、 フ エ ノール樹脂に替えエポキ シ樹脂を用い、 その 含有量を 6 0 重量% と して実施例 1 と 同様なる方法で軸受 体を成形 した。 尚、 本実旛品には実施例 6 と 同樣に、 シ リ コーン系界面活性剤及びジエステル系液グ リ ースが混入さ れている 。
[0103] 実施例 1 2
[0104] 実施例 1 1 におけるガラス状カーボンの含有量を 7 0重 量%と し、 エポキ シ樹脂の含有量を 3 0 重量%にそれぞれ 替え、 実施例 1 と 同様なる方法で軸受体を成开 した》 尚、 本実施品には実施例 6 と 同様に、 シ リ コーン系界面活性剤 及びジエステル系液グリ ースが混入されている 。
[0105] 実施例 1 3
[0106] フエノール樹脂 2 0重置%とガラス状カーボン 8 0 重量 %と を混合 し実施例 1 と 同様なる方法で成形した。
[0107] 比較例 4
[0108] プラスチ ッ クスだけから成る軸受を実施例 1 と 同樣なる 方法で成形 した。
[0109] そ して上述の如く 成形された本発明の軸受試料体と比較 品体と に対 して前述め耐縻耗試験を同条件で行い、 樹脂軸 受の内径の摩耗量を調べた。
[0110] その結果を F i g . 8及び下表に示す。 なお、 F i g . 8におい ては、 実施例 6 において成形された試料軸受と 、 実施例 7 において成形された試料軸受と 、 実施例 1 3 において成形 された試料軸受の 3つだけを代表 して図示し、 実施例 6 , 7 の軸受についてのみ 1 0 0 0 時間まで測定を行った。 ま た下表において摩耗量 1 未溝と している ものは実際には、 その Φ耗量が小さすぎて測定でき なかったこ と をあ らわ し ている 。
[0111] 試 N o . 縻 耗_ 量 ( (in )
[0112] 200 時間後 500 時閤後
[0113] 実施例 6 1 未満 1 未満
[0114] 実施例 7 1 2
[0115] 実施例 8 1 未満 1 未満
[0116] 実施例 9 1
[0117] 実施例 1 0 1 未満 1 未満
[0118] 実施例 1 1 5
[0119] 実施例 1 2 1 未満 1 未満
[0120] 実施例 1 3 4 1 0
[0121] 比較例 4 1 4 2 0
[0122] その結果は上表から明らかなよ う に 、 まずガラス状カー ボンを含まない比較例 4 に比べて 、 2〜 7 0 重量%のプラ スチ ' / クス と 3 0〜 9 8重量%のガラス状カーボンと を含 有する実施例 6〜 1 3 の実施品は摩耗量が少な く 耐摩耗性 に優れる こ と が明らかであ り 、 更に実施例 1 3 と 主成分に おいて略同一組成の実施例 6〜 1 0 と を比べれば、 明らか に界面活性剤または力 ッ プリ ング剤の有無が摩耗量滅少に 効果がある と い う こ と が理解でき る 。
[0123] また実施例 1 3 と 、 この実施例 1 3 に比べてガラス状力 一ボンの含有量が半減 している実施冽 1 1 と を比べれば、 ガラス状カーボンの含有量の違いよ り も界面话性剤の有無' の方が耐縻耗性に効果があ る と いえる 。
[0124] また実旛例 1 1 と実旛例 6〜 1 0 , 1 2 と を比べれば、 界面活性剤または力 ッ プ リ ング剤を含有して いるならばガ ラス状カーボンの含有量が多い方が耐摩耗性に効果がある と い う のが理解でき る 。 また実施例 6 と 実施例 7 と を比べ れば、 潤滑剤の有無では耐摩耗性が大き く左右されないと い う のが理解でき るが、 潤滑剤が添加されている方が更に 良い と いえ る 。 また実施例 6 と実施例 8 と を比べれば、 潤 滑剤と してのグリ ースの種類の違い ( ジエステル系液グリ 一ス と ゥレアグ リ ース ) で耐摩耗性が左右される ものでは ないこ とが理解でき る 。 また実施例 6 と実施例 9 と を比べ れば、 界面活性剤の種類の違い ( シ リ コ ーン系と 有機系 ) で耐摩耗性が左右される ものではないと い う のが理解でき る 。
[0125] また実施例 6 と実施例 1 0 と を比べれば、 添加剤と して 界面活性剤、 カ ッ プリ ング剤のどち らを用いて も 良いと い う のが理解でき る 。 また実施例 6 と実施例 1 2 と を比べれ ば、 プラスチ ッ クスの種類を替え、 多少ならガラス状カー ボンの含有量を少なく して も 、 耐縻耗性に影響が無いと い う のが理解でき る 。 そ して F i g . 8から明らかなよ う に、 界 面活性剤またはカ ップ リ ング剤が混合してあれば、 畏期的 に耐摩耗性が向上する と い う のが理解でき る 。
[0126] 以上の説-明よ り 明らかなよ う に、 長期に'亘る耐摩耗性の 高水準維持、 すなわちプラスチ ッ クスからのガラス状カー ボンめ脱落防止は界面活性剤ま たは力 ツ プ リ ング剤を混合 する こ と によ り なされ、 潤滑剤がそれに混合 してあれば、 さ ら にその効果があげられる と いえ る 。 因に本発明者が、 実旛冽 6 において成形 した軸受を 、 1 0 0 0 H r 稼動後に 顕微鏡穎察 した結果、 樹脂軸受からのガラス状カーボンの 脱落は 1 つ も発見されなかっ た。 利 用 分 野
[0127] 本発明の軸受材料及びそれを利用 した樹脂軸受は、 耐摩 耗性、 摺動性及び耐熱性に 11れて お り 、 また樹脂軸受め軽 量かつ安価な特性を活 して各種の軸受と して好適に用い ら れ、 特に小型モータ用軸受と して最適である 。
权利要求:
Claims
1 . 3 0〜 9 8重: 1%のガラス状カーボンと 7 0〜 2重量 %のプラスチ ッ クスと か ら成る軸受材料。
2 . 請求の範屈第 1項に記載のガラス状カーボンの含有量 は、 5 0〜 9 5重量%であ る こ と を特徴とする軸受材料。

3 . 請求の範囲第 1項に記載のガラス状カーボンの含有量 は、 5 0〜 9 0重量%であ る こ と を特徴とする軸受材料。
4 . 請求の範囲第 1項に記載のガ範ラス状カーボンの含有量 は、 6 0〜 8 0重量%であ る こ と を特徴と する軸受材料。
5 . 請求の範囲第 1項に記載のガラス状カーボンの含有量 は、 約 7 0重量%である こ と を特徵とする軸受材料。
6 . 請求の範囲第 1項に記载のガラス状カーボンは、 球状 の粉体であ る こ と を特徴と する軸受材料。
7 . 請求の範囲第 6項に記載のガラス状カーボンは、 平均 粒径 3 0 以下である こ と を特徴とする軸受材料。
8 . 3 0〜 9 8重量%のガラス状カーボンと 7 0〜 2重量 %のプラスチ ッ クス と 、 界面活性剤及び Zまたはカ ツ プリ ング剤を含むこ と を特徴とする軸受材料。
9 . 請求の範囲第 8項に記載の界面活性剤は、 シ リ コーン 系界面活性剤である こ と を特徴とする軸受材料。
1 0 . 3 0〜 9 8重量%のガラス状カーボンと 7 0〜 2 ¾ 量%のプラスチッ クス と 、 界面活性剤及び Zまたはカ ップ リ ング剤並びに潤滑剤を含む軸受材料。
1 1 . 請求の範囲第 1 0 項に記載の界面活性剤は、 シ リ コ ーン系界面活性剤であ る こ と を特徴と する軸受材料。
1 2 . ホルダーの内周面に一体成形によ り 密着接合された、
3 0 〜 9 8重量%のガラス状カーボン と 7 0 〜 2 重量%の プラスチ ッ クス と から成る樹脂層を有 し 、 該樹脂層の内周 面を回転軸の摺動面と した樹脂軸受。
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同族专利:
公开号 | 公开日
EP0354957A4|1990-01-16|
EP0354957A1|1990-02-21|
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