专利摘要:

公开号:WO1987004458A1
申请号:PCT/JP1987/000038
申请日:1987-01-22
公开日:1987-07-30
发明作者:Masahiro Koezuka;Masataka Hata;Kaneo Suzuki;Shigeo Yasugi;Junpei Enami
申请人:Nitta Gelatin Inc.;
IPC主号:C12N5-00
专利说明:
[0001] 明 柳 動物細胞の大量培養法
[0002] 〔技術分野〕
[0003] この発明は、 動物細胞を大量に培養する方法に関する。
[0004] 〔背景技術〕
[0005] 一般に、 細胞は、 浮遊状で増殖する浮遊細胞以外、 基質に付 着して初めて増殖することができる。 このため、 フイ ブロネク チンゃコ ラーゲンをコ一ティ ングしたり電荷を持つように処理 したり した、 プラスチックまたはガラスなどの基質に細胞を付 着させ、 単層状態で 2次元的に增殖させ培養を行っていた。 そ のような細胞を大量に培養するには、 培養面積を増大させる必 要があり、 つぎに示すような種々の大量培養法が提案されてい る。
[0006] ① 大型培養びん法
[0007] 最も簡便な方法で、 ルーびんまたは大型の培養びんを必要本 数だけ用いる通常の単層培養法。
[0008] ② ローラーボ トル法 円筒状の培養びんをゆつ く り と回転させながらそのびんの内 側全面に細胞を培養する方法。
[0009] ③ ステリ リ ン型培養法
[0010] 波型のポリ エステル製フ ィ ルムを同心円状に巻き、 そのフィ ルム両面に細胞を単層状に培養する方法。
[0011] ④ 多層平板法
[0012] ガラス平板またはポリ カーボネー ト平板を、 間をおいて層状 に重ね、 各平板上に細胞を単層状に培養する方法。
[0013] ⑤ 多段単層法
[0014] 多層平板法の変法で、 培養面がガラス製、 ボリエステル製ま たはボリ スチレン製の浅い箱型の静置培養素子を積み重ね、 気 相だけを共通にして各素子の内側で細胞を培養する方法。
[0015] ⑤ ガラス線維カラム法
[0016] ラセ ン状に巻いたガラス線維をカ ラムに詰め、 培養液を交換 しながらそのガラス線維の表面上で細胞を培養する方法。
[0017] ⑦ ガラスビーズ充塡カラム法
[0018] ガラスビーズをカ ラムに詰め、 培養液を交換しながらそのガ ラスビーズの表面上で細胞を培養する方法。
[0019] ③ ホローフア イ ノ 一法
[0020] ホローファ イ ノ ーを束ねたカラムをつく り、 そのホローファ ィバ一中で細胞を培養する方法。
[0021] ⑨ スー パ 一ビーズ法 ( 「マイ ク ロキ ャ リ ア法」 ともいう) 通常の浮遊培養系で単層培養を行う という培養法で、 ゆつ く り とかき混ぜることにより培養液中で浮遊状態になるビーズ ( 「マイ ク ロキャ リ ア」 ともいう) 上に細胞を付着させ、 その表 面で単層状に増殖させる方法。
[0022] 現在考えられている最も高密度な大量培養法は、 スー パ ービ —ズ法である。 しかし、 この方法では、 表面に細胞を付着させ たビーズを培養ボ トル内で攪拌するので、 それらのビーズが衝 突し、 このため、 細胞の損傷が大きかった。
[0023] また、 大量培養法は、 上記のものをはじめ数多 く の方法があ るが、 それらすべてに共通しているのは、 細胞を、 ビーズなど の担体またはガラスやプラスチックの器壁の表面に付着させて 2次元的に増殖させる単層培養であることである。 単層培養は 、 生体内での細胞増殖と条件が異なっているため、 長期培養が できず、 細胞分化も弱く 、 さらには、 全く増殖しないことがあ るなどの問題がある。
[0024] この発明は、 以上のことに鑑みて、 従来の方法より も高密度 に大量培養ができ、 長期培養を行う こ とのできる動物細胞の大 量培養法を提供することを目的とする。
[0025] 〔発明の開示〕
[0026] この発明は、 上記の目的を達成するために、 動物細胞を包埋 させたコ ラーゲンゲルを培養液中に浮遊させて動物細胞の大量 培養を行う動物細胞の大量培養法を要旨とする。
[0027] 以下に、 この発明を詳し く説明する。
[0028] コ ラーゲンゲルに動物細胞を包埋させる方法としては、 特に 限定はないが、 コ ラーゲン溶液中に動物細胞を分散させて、 こ のコ ラーゲン溶液をゲル化させる方法がある。 この方法によれ ば、 動物細胞をコ ラーゲンゲル内に均質に包埋させることが容 易にできる。
[0029] この発明において、 動物細胞をコ ラーゲンゲル内に包埋させ るのは、 接着依存性増殖 ( 「付着依存性増殖」 という こともあ る) を行う細胞が 3次元的に増殖できるようにそれらの細胞を 支持し、 生体内での環境に近づけるためである。 このようにす ることにより、 細胞を 3次元的に増殖させることができるので 、 従来より も高密度に大量培養でき、 細胞を長期にわたって培 養することができる。 さ らには、 細胞分化を誘導することなど も可能である。 また、 細胞がコ ラーゲンゲルで保護されるので 、 コ ラーゲンゲルが浮遊するときに衝突しても、 細胞が傷つき に く い。 しかも、 この原理は、 接着非依存性増殖を行う細胞に も利用する こ とができ る。
[0030] この発明で、 動物細胞を支持する基質として、 コ ラーゲンゲ ルを用いるのは、 コ ラーゲンが動物の体の至る所に存在する織 維性の蛋白質であり、 これをゲル化して細胞の支持基質とする ことで生体外において生体内の環境を再現できるからである。 コ ラーゲンの種類は、 特に限定されず、 種々のものを用いるこ とができる。 また、 ゲルであるので、 その内部 (細胞) と外部 との間で物質のやり とり (呼吸、 栄養吸収、 排泄、 分泌物の放 出など) が可能である。 前記のようなコ ラーゲンゲルの形状は 、 特に限定はな く 、 浮遊させることができればどんな形状でも よい。 たとえば、 粒子状、 ヌー ドル状、 シー ト扰などの形状が ある。 前記のコ ラ一ゲンゲルの内部と外部との物質のやり とり をより広い面積で行う という点からは、 粒子状が好ま しい。 こ のようにすると、 従来のスーパービーズ法やコ ラーゲンゲル上 培養法と比べて、 細胞と外界との物質のやり とりが飛躍的に広 い面積で行われるようになる。 粒子の形状は、 球、 .円柱、 楕円 体、 立方体、 直方体、 不定形など種々あり、 特に限定はない。
[0031] なお、 この発明では、 造粒するとは、 粒子状にすることのみ を指すのではなく 、 上記ヌー ドル状、 シー ト状など種々の形状 にすることをも指す。
[0032] 動物細胞を.包埋させたコ ラ一ゲンゲルを培養液中に浮遊させ る形状にする手段、 方法には特に限定はない。 たとえば、 マル チプレー トのゥエルに、 動物細胞を分散させたコ ラーゲン溶液 を入れてゲル化させ、 できたコ ラーゲンゲルを取り出して培養 液に入れる方法、 動物細胞を分散させたコ ラーゲン溶液を適当 な温度に加温されている培養液に入れ、 ゲル化させてからコ ラ —ゲンゲルを破碎して分散させる方法などがある。 しかし、 前 者の方法では、 コ ラーゲンゲルをマルチゥヱルなどの固体中か ら取り岀すため、 この工程が手作業になって効率が悪く なるこ とがある。 また、 後者の方法では、 コ ラーゲンゲルの大きさや 形状などを一定のものとすることは容易ではない。
[0033] 動物細胞を分散させたコ ラーゲン系を連続的に造粒し、 これ を培養液へ供給する方法などを採るようにすれば、 前記効率の 悪化を防いだり、 コ ラーゲンゲルの大きさや形状などを容易に 一定のものとすることができるので、 好ま しい。
[0034] 前記のような連続的造粒法として、 たとえば、 動物細胞を分 散させたコ ラーゲン溶液を連続的にゲル化し、 粒状にカ ツ トす るこ とによって連続的に造粒し、 これを培養液へ供給する方法 がある。 第 1図に、 この発明の大量培養法を実施するのに用い る装置の一例を示した。 第 1図にみるように、 この装置は、 動 物細胞を分散させたコ ラーゲン溶液 4をゲル化しないよう氷水 5 の中に保ち、 ポンプ Pなどでこのコ ラーゲン溶液 4を培養槽 1 へ送り、 その途中、 適当な温度 (短時間のう ちにコ ラーゲン がゲル化するとともに、 動物細胞がダメ ージを受けない温度、 たとえば、 3 7 で付近が好ま しい。 ) の温水槽 6を通過させて 、 コ ラーゲン溶液 4をゲル化させ、 誉 7から押し出しながら、 力 ッタ一などの切断装置 8を用いて力 ッ トすることにより コ ラ 一ゲンゲルを小片状 (小片状のコ ラーゲンゲル 3 ) にして培養 液 2 の入った培養槽 1 に落下させるよ う にしている。 このよう にして造粒を行えば、 コ ラ一ゲンゲル 3 の形状を一定の形状に するこ とが容易である。 コ ラーゲンゲル 3が適当な数になった ところでコ ラーゲン溶液を送るのをやめ、 コ ラーゲンゲル 3を 培養液 2 中に浮遊させながら培養を行う。
[0035] また、 連続的造粒法としては、 動物細胞を分散させたコラー ゲン溶液を液状のままで連続的に滴下させゲル化させることに よって連続的に造粒する方法もある。 第 2図に、 この発明の大 量培養法を実施するのに用いる装置の別の一例を示した。 第 2 図にみるように、 この装置は、 動物細胞を分散させたコ ラーゲ ン溶液 4をゲル化しないよう氷水 5 の中に保ち、 ボンブ Pなど でこのコ ラーゲン溶液 4を培養槽 1 へ送り、 適当な温度 (コ ラ 一ゲンのゲル化と培養条件から 3 7 'cが望ま しい。 ) に加温さ れ攪拌されている培養液 2に管 7から滴下させるようになって いる。 または、 コ ラーゲン溶液 4を、 カ ッターなどの切断装置 8を用いて切断しつつ培養液 2へ入れてもよい。 このようにす ると、 培養液 2により コ ラ一ゲンがゲル化するとともに、 培養 液 2中にコ ラーゲンゲル 3が浮遊するようになっている。 コ ラ 一ゲンゲル 3が適当な数になったところでコ ラーゲン溶液を送 るのをやめ、 コ ラーゲンゲル 3を培養液 2中に浮遊させながら 培養をおこなう。
[0036] 上記の連続的造粒法において、 ゲル化能力を高め均一な形状 に造粒するために、 培養液の温度、 粘度、 比重、 浸透圧、 界面 張力などを適当に調整することがある。 その場合の調製法とし ては、 特に限定はないが、 糖類およびノまたは多糖類の誘導体 の溶液と培養液とを混合したもの、 あるいは、 そのような組成 を持つ溶液を用いるのが好ま しい。 たとえば、 培養液と 0. 2 5 Mショ糖を 1 : 1 に混合したもの、 培養液にメ チルセルロース を 0. 3 %濃度になるよう溶解させたものなどが挙げられる。 ゲ ル化した後に交換する培養液は上記調整を行わない元のものに 戻す。
[0037] 第 2図の装置において、 培養槽 1 の液を最初はゲル作製能力 のみを有し、 培養能力を有しないコ ラーゲンゲル作製液にして おき、 まず、 滴下液をゲル化してコ ラーゲンゲルに変えて造粒 したのち、 この槽 1からコ ラーゲンゲル作製液を除き、 かわり に培養液を仕込んで培養に入るというようにしてもよい。 この 方法によれば、 当初、 コ ラーゲンゲル作製能力にすぐれた液中 でまずコ ラーゲンをゲル化させるため、 形状の均一性等にすぐ れたコ ラーゲンゲルを得るこ.とができる。 なお、 コ ラーゲンゲ ル作製液中で得たコ ラ一ゲンゲルを別の培養槽に移しかえて培 養に入るようにしてもよい。
[0038] これらの例のように、 動物細胞を分散させたコ ラーゲン系を 管などの密閉物中を通して培養液またはコ ラ—ゲンゲル作製液 へ送るようにすると、 そのコ ラーゲン系が汚染する機会が減る 。 また、 管の大きさや前記切断の間隔を種々変えることにより 、 コ ラーゲンゲルの大きさを種々変えることが容易である。 管 の断面形状を種々変えることにより、 コ ラーゲンゲルの形状を 種々変えることが容易である。 多数および または大容量の培 養装置へ前記コ ラーゲン系を送るときでも、 短時間で効率良く 行う ことができる。 なお、 上記供給法は上記 3つの例に限られ ない。
[0039] 動物細胞を包埋させたコ ラーゲンゲルを培養液中に浮遊させ ながら培養を行う手段も特に限定されない。 たとえば、 つぎに 示すような方法がある。
[0040] ( i ) ス ピ ンナ一法
[0041] ス ピンナ一フ ラ ス コ に、 動物細胞が包埋されているコ ラーゲ ンゲルおよび培養液を入れ、 スタ ーラーなどで培養液を攪拌し 、 コ ラーゲンゲルを浮遊させる方法。
[0042] ( ϋ ) 振盪培養フ ラ スコ法
[0043] 振盪培養フ ラ ス コ に、 動物細胞が包埋されている コ ラ ーゲン ゲルおよび培養液を入れ、 そのフ ラ ス コを振盪させて培養液を 撰拌し、 コ ラーゲンゲルを浮遊させる培養法。
[0044] ( in ) ロ ー ラ ーボ ト ル法
[0045] 口—ラーボ ト ルに、 動物細胞が包埋されているコ ラーゲンゲ ルおよび培養液を入れ、 ローラーボ ト ルを回転させて培養液を 撹拌し、 コ ラーゲンゲルを浮遊させる培養法。
[0046] ( iv ) 灌流培養法
[0047] カ ラ ム中に、 動物細胞が包埋されているコ ラーゲンゲルを入 れ、 この力ラムに培養液を灌流させてコ ラーゲンゲルを浮遊さ せる培養法。 ( v ) ヱァ—攪拌法
[0048] エアー攪拌器に、 動物細胞が包埋されているコ ラーゲンゲル および培養液を入れ、 気流を送って培養液を撹拌し、 コ ラーゲ ンゲルを浮遊させる培養法。
[0049] 上記いずれの方法も、 動物細胞が包埋されているコ ラーゲン ゲルを得る方法とコ ラ一ゲンゲルを浮遊させる方法とが連続的 に行えるようにすれば、 効率が上がる。
[0050] なお、 動物細胞が包埋されているコラーゲンゲルを浮遊させ るのに伴って、 培養液も攪拌するようにすれば、 より培養条件 が良く なる。
[0051] この発明では、 動物細胞をコ ラーゲンゲル内に包埋させて培 養するようにしているが、 このようにすると、 通常のゲル強度 のコ ラーゲンを用いた場合、 コ ラーゲンゲルが収縮してしまう ことがある。 このコ ラーゲンゲルの収縮は、 細胞の形態変化に よるものと考えられるが、 これが発生すると、 細胞増殖を促す ことができないことがある。 このため、 この発明では、 高ゲル 強度 ( 5 0 g以上) のコ ラーゲンを用いてコ ラーゲンゲルの収 縮を防ぐようにするのが好ましい。 なお、 この明細書でゲル強 度とは、 以下の測定法によるものを指す。
[0052] (ゲル強度の測定法)
[0053] コ ラーゲン溶液 2 4 πα に、 冷却下で、 1. 4 ¾1食塩を舍む 0. 1 Μ—リ ン酸緩衝液 ( ρ Η 7· 4 ) 3 m ^および力性ソーダ溶液 3 m を加え、 よ く 混合して最終 p Hを 7. 4に調整した後、 3 7 でで 1時間加熱してゲルを形成させる。 得られたゲルをレオ メ ーター ( L R M— 2 0 0 2 D ; 不動工業社製) で、 0. 5 イ ン チプラ ンジャーを用い、 挿入深度 1 0 «、 挿入速度 2 0 M/mi π の条件でゲル強度を測定する。
[0054] この発明にかかる動物細胞の大量培養法は、 以上にみてきた ように、 動物細胞を包埋させたコ ラーゲンゲルを培養液中に浮 遊させて動物細胞の大量培養を行うので、 非常に高密度な大量 培養が可能であり、 長期培養を行う こ とができる。
[0055] 〔図面の簡単な説明〕
[0056] 第 1図および第 2図は、 それぞれ、 動物細胞が分散されてい るコ ラ一ゲン溶液をゲル化させ培養液中に浮遊させて培養を行 う、 この発明の方法の実施に用いる装置の一例の概略説明図、 第 3図は、 培養日数の経過による生細胞数の変化をあらわすグ ラフである。
[0057] 〔発明を実施するための形態〕
[0058] 以下に、 実施例および比較例を示す。
[0059] なお、 実施例および比較例では、 生細胞数の測定は次に示す 方法で行った。
[0060] (生細胞数の測定法)
[0061] 細胞を舍むユラ一ゲンゲルをコ ラゲナーゼで溶解させた後、 細胞を溶液とともに遠心管に移し、 低速の遠心分離機で細胞を 集める。 このようにして得た細胞をリ ン酸緩衝液に分散させた 後、 0. 5 % ト リパンブルー液と 1 : 2 の割合で混合する。 死細 胞は ト リパンブルー液により青色に染色されるので、 染色され ない細胞を生細胞として血球計算板で常法通りの方法で計算す る。
[0062] (実施例 1 )
[0063] よ く洗浄し、 脱脂し、 脱灰したラ ッ ト尾腱を塩酸溶液 ( P H 2. 5 ) 中で、 2 4時間冷却下に攪拌してコ ラーゲンを抽出した 。 この抽出液を遠心分離して不溶物を除いた後、 力性ソ一ダ ( 水酸化ナ ト リ ウム) 溶液を加えて、 p H 7. 0 に調整し、 一夜放 置して生じた沈殺を遠心分離して集めた。 これを塩酸溶液 ( p H 3. 0 ) に再溶解し、 再び同様に沈殺処理して精製を行った。 得られた沈緵を充分に水洗した後、 p H 3. 0 の塩酸溶液に溶解 し、 濃度 3. 0 の精製酸可溶性ラ ッ ト尾腱コ ラーゲン溶 液を得た。 また、 このコ ラーゲン溶液を紫外線照射により滅菌 した。
[0064] この 3. 0 ノ m £酸可溶性コ ラーゲン溶液 8容量部に対して 、 通常の 1 0倍の濃度の Ham F12 培地 ( N a H C 03 不舍) を 1容量部、 N a H C 03 が 2. 2 %、 N a O H力 0. 0 5 Nおよび H E P E Sが 0. 2 Mである混合液を 1容量部加え、 さ らに、 硬 膜肉腫由来の移植腫瘍細胞を加えてよ く混合し、 動物細胞が分 散されているコ ラーゲン溶液 (混合液) を調製した。' このコ ラ 一ゲン溶液は、 ゲル化が生じないように氷水中 ( 4 'c ) に保存 した。
[0065] このコ ラ一ゲン溶液 (混合液) 4を、 第 1図に示すようにし てポンプ Pで培養槽 (容量 3 d ; Techne社製) 1 へ送り、 その 途中、 3 7 での.温水槽 6を通過させてコ ラーゲン溶液 4をゲル 化させ、 このコ ラーゲンゲルを管 7から押し出しながら力 ッタ 一 8を用いて円柱状 (直径 8 M X長さ 1 0 am) にして、 1 £ の 培養液 2が入っている培養槽 1 に落下させた。 コ ラーゲンゲル のゲル強度は 2 0 0 であった。 ポンプは、 ローラ一ポンプ R P (東京理化社製) を用い、 送液速度は 1. 5 m ノ min であつ た。 コ ラーゲン溶液を送るのに用いた管は、 内径 8 «のシリ コ ンチューブであった。 培養液中のコ ラーゲンゲルが合計 1 に なったところでポンプを止めてコ ラーゲン溶液を送るのをやめ た。 スターラーを回転させて培養液を攪拌し、 コ ラーゲンゲル を浮遊させて培養を行った。 なお、 2 4時間おきに培養液の交 換を行った。
[0066] このときの、 培養日数の経過による生細胞数の変化を第 3図 のグラフに曲線 Aで示した。 (実施例 2 )
[0067] 実施例 1 で調製した、 動物細胞が分散されているコ ラ ーゲン 溶液 (混合液) 4、 実施例 1 と同じポ ンプ Pおよびシリ コ ンチ ユーブ 7を用いた。 第 2図に示すようにして、 コ ラーゲン溶液 4を 4 °cに保ちながら、 フ ッ ト スィ ツチを使って間欠的に培養 槽 (容量 3 ; T e c h n e社製) 1 へ送った。 このコ ラーゲン溶液 4合計 1 を、 管 7 の細く なつた先端から出し、 3 7 でに加温 されている培養液 2 に、 カ ッタ ー 8を用いて間欠的に滴下して 楕円球状 (直径 5 〜 1 5 « ) にゲル化させた。 このときの培養 液 2 は、 実施例 1 で用いたのと同じ培養液と 0. 2 5 M — ショ糖 を 1 : 1 の割合で混合したものを用いた。 また、 実施例 1 で用 いたのと同じ培養液にメ チルセルロースを 0. 3 %濃度になるよ うに溶解させたものを用いても同様にコ ラーゲンゲルを成形す る こ とができた。
[0068] ついで、 吸引ポンプで培養液 2を除去したのち実施例 1 で用 いたのと同じ培養液 1 を培養槽 1 に入れ、 コ ラーゲンゲル 3 を培養液中に淳遊させて培養を行った。 なお、 その後は 2 4時 間おきに培養液の交換を行った。
[0069] このときの、 培養日数の柽過による生細胞数の変化を第 3図 のグラフに曲線 Bで示した。
[0070] (実施例 3 )
[0071] 実施例 1 で調製した、 動物細胞が分散されているコ ラーゲン 溶液 (混合液) を、 マルチプレー ト ( 2 4 ゥ ヱル) に 1 ゥエル あたり 3 m ずつ入れて 3 7 'Cに加温すると、 数分間でコ ラー ゲンがゲル化し、 動物細胞がコ ラーゲンゲル内に包埋されたも のが得られた。 各コ ラーゲンゲルの形状は直径 1. 6 cm、 高さ 1. 5 cmの円柱状であり、 コ ラーゲンのゲル強度は 2 0 0 gであつ た。 コ ラーゲンゲルを 1 つずつビンセ ッ 卜でつまんでマルチプ レー トから取り出して、 1 のス ピンナーフラスコにコ ラーゲ ンゲルを 1 0 0個 ( 3 0 0 m Ά ) 入れ、 さ らに実施例 1 で用い たのと同じ培養液を.3 0 O m ^入れた。 スターラ一を回転させ て培養液を攪拌し、 コ ラーゲンゲルを浮遊させて培養を行った 。 なお、 2 4時間おきに培養液の交換をおこなった。
[0072] このときの、 培養日数の経過による生細胞数の変化を第 3図 のグラフに曲線 Eで示した。
[0073] (実施例 4 )
[0074] 実施例 1 で調製した、 動物細胞が分散されているコ ラ ーゲン 溶液 (混合液) 3 0 0 m を、 3 7 でに加温されている実施例 1 で用いたのと同じ培養液 3 0 0 m £中に流し込んでゲル化さ せたのち、 プロペラ型攪拌機の回転翼を回転させてコ ラーゲン ゲルを破砕した。 破砕したコラーゲンゲルは、 最小 3 «から最 大 3 0 «の大きさであり、 不定形であった。 スターラーを回転 させて培養液を攪拌し、 破砕したコ ラーゲンゲルを浮遊させて 動物細胞の培養を行った。 なお、 2 4時間おきに培養液の交換 ¾· 亍つた。
[0075] このよう にして大量培養を行つたときの、 培養 2 1 日目の生 細胞数は 2 X 1 0 6cel ls/m であった。
[0076] (比較例 1 )
[0077] 実施例 1 で用いたのと同じ動物細胞を、 平均直径が 1 0 0 〜 2 0 0 のマイ ク ロキャ リ ア (Cytodex 3 ; Pharmacia Fine Chemicals社製) の表面に、 マイ ク ロキャ リ ア 1偭あたり 5 〜 1 0個ずつ付着させた。 このマイ ク ロキャ リ ア 1. 5 gを、 実施 例 1 で用いたのと同じ 3 の培養槽に入れ、 さらに、 実施例 1 で用いたのと同じ培養液を 1 Ά入れて培養を行つたが、 1 日以 内で細胞が死滅してしまい培養できなかった。
[0078] このときの、 培養日数の柽過による生細胞数の変化を第 3図 のグラフに曲線 Cで示した。
[0079] (比較例 2 ) '
[0080] 実施例 1 で調製した、 勣物細胞が分散されているコ ラーゲン 溶液 (混合液) を、 マルチプレー ト ( 2 4 ゥ エル) に 1 ゥエル (直径 1. 6 cm ) あたり l m ずつ高さ 5 «となるように入れ、 3 7 °cに加温してゲル化させた。 このコ ラーゲンゲルの上に実 施例 1 で用いたのと同じ培養液を 1 ゥ ヱルあたり 1 m ずつ満 たして培養を行った。 なお、 2 4時間おきに培養液の交換を行 つた。
[0081] このときの、 培養日数の経過による生細胞数の変化を第 3図 のグラ フに曲線 Dで示した。
[0082] 実施例 1 〜 4および比較例 1 の結果から、 従来の大量培養法 の中でも最も高密度で細胞の培養を行えるスーパービーズ法で は培養できない細胞でも、 この発明の大量培養法によれば、 高 密度でしかも長期間培養することができるのがわかる。
[0083] また、 比較例 2 のよう に、 動物細胞が包埋されているコ ラ— ゲンゲルを培養皿に入れてその上に培養液を満たすコ ラーゲン ゲル内培養法では、 第 3図にみるように、 この発明の大量培養 法ほど細胞密度が大き く な く 、 また、 長期培養を行う と細胞数 が低下して く ることがわかる。
[0084] 実施例 3 では、 コ ラーゲンゲルをマルチプレー 卜から取り出 し、 培養液中に入れるのに手作業でしなければならなかった。 これに対し、 実施例 1 および 2 では、 コ ラ ーゲンゲルを培養液 中に入れるのに、 ボンブを動かすだけでよ く 、 コ ラーゲンゲル の量はポンプを止める時機または誉を外す時機をずらすことで 調整できた。 実施例 1 ではコ ラーゲンゲルを供給してそのまま 培養できた。 実施例 2では吸引ポンプでゲル化能力を調整した 培養液を除き、 元の培養液と入れ替えることによりそのまま培 養できた。
[0085] 以上の結果から、 この発明の動物細胞の大量培養法によれば 、 従来の大量培養法に比べて非常に長期間の培養を行う ことが でき、 従来の大量培養法では不可能であった細胞増殖を行う こ とができることがわかる。 動物細胞を包埋させたコ ラーゲンゲ ルを培養液中へ入れることを連続的に行う と、 効率が良いこと がわかる。 また、 動物細胞を分散させたコ ラーゲン系を培養液 へ送ることが管の中など密閉した部分を通して行えば、 汚染の 機会が減った。 管の大きさや切断間隔を適宜変えることにより 、 動物細胞を包埋させたコ ラーゲンゲルの大きさを容易に変え ることができる。
[0086] なお、 この発明の動物細胞の大量培養法は、 上記の実施例に 限られない。
[0087] 〔産業上の利用可能生〕
[0088] この発明の動物細胞の大量培養法によれば、 従来のスーパー ビーズ法では全く増殖しない細胞でさえも、 大量培養すること が可能である。 その細胞密度は、 現在実施されている最も高密 度の大量培養法であるスーパービーズ法の細胞密度より も大き い値である。 このため、 この発明の大量培養法によれば、 従来 のスーパービーズ法では培養できなかった細胞が培養でき、 し かも、 小さなスぺースで大量培養することが可能になるので、 大量の細胞の採取を効率良く行う ことができる。 また、 細胞分 化を促進させるので、 大量の産生物 (分泌物) を効率良く 採取 することができる。
[0089] 上記細胞の採取は、 たとえば、 次に示す方法などにより行う ことができる。
[0090] (細胞の採取法)
[0091] 細胞を含むコ ラーゲンゲルをはさみなどで 3 «角 ぐらいに切 り、 コ ラゲナ一ゼの最終濃度が 0. 0 2 %になるようにコ ラゲナ ーゼを加え、 コ ラーゲンゲルを溶解させる。 コ ラーゲンゲルが 溶解した後、 細胞を溶液とともに遠心管に移し、 低速の遠心分 離機で細胞を分離して採取する。
[0092] この発明の大量培養法は、 動物細胞であれば、 接着依存性増 殖を行う もの、 接着非依存性増殖を行う ものなどあらゆるもの に利用することができる。 特に、 接着依存性增殖を行う動物細 胞を培養するのに利用すると、 その効果が著しい。 また、 得ら れる産生物としては、 ワ ク チ ン、 酵素、 ホルモ ン、' 抗体、 イ ン ターフヱロ ン、 核酸など種々のものがある。
权利要求:
Claims請 求 の 範 囲
(1) 動物細胞を包埋させたコ ラ一ゲンゲルを培養液中に浮遊 させて動物細胞の大量培養を行う動物細胞の大量培養法。
(2) 動物細胞をコ ラーゲンゲル内に包埕させることが、 コ ラ 一ゲン溶液中に動物細胞を分散させてこのコ ラーゲン溶液をゲ ル化させることにより行われる請求の範囲第 1項記載の雲力物細 胞の大量培養法。
(3) 動物細胞を分散させたコ ラ一ゲン系を連続的に造粒し、 これを培養液へ供給する請求の範囲第 1 項記載の齟物細胞の大 量培養法。
(4) 動物細胞をコ ラーゲンゲル内に包埋させることが、 コ ラ 一ゲン溶液中に動物細胞を分散させてこのコ ラーゲン溶液をゲ ル化させることにより行われる請求の範囲第 3項記載の動物細 胞の大量培養法。
(5) 動物細胞を分散させたコ ラ一ゲン系を連繞的に造粒する ことが、 動物細胞を分散させたコ ラ一ゲン溶液を連続的にゲル ィ匕し粒状に力 ッ トすることによって行われる請求の範囲第 4項 記載の動物細胞の大量培養法。
(6) 動物細胞を分散させたコ ラ一ゲン系を連続的に造粒する ことが、 動物細胞を分散させたコ ラ一ゲン溶液を液状のままで 連続的に滴下させゲル化させることによって行われる請求の範 囲第 4項記載の動物細胞の大量培養法。
(7) ゲル化が培養液中で行われる請求の範囲第 6項記載の動 物細胞の大量培養法。
(8) ゲル化がコ ラ一ゲンゲル作製液中で行われる請求の範囲 第 6項記載の動物細胞の大量培養法。
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同族专利:
公开号 | 公开日
EP0258441A1|1988-03-09|
EP0258441A4|1988-06-27|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
1987-07-30| AK| Designated states|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): US |
1987-07-30| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): CH DE FR GB NL |
1987-09-23| WWE| Wipo information: entry into national phase|Ref document number: 1987900884 Country of ref document: EP |
1988-03-09| WWP| Wipo information: published in national office|Ref document number: 1987900884 Country of ref document: EP |
1988-10-04| WWW| Wipo information: withdrawn in national office|Ref document number: 1987900884 Country of ref document: EP |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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