专利摘要:
静止画及び動画についての正確かつ精密な色の表現のための方法及びシステム。色の調整の間に画像が記録され,処理され,提示されるときに,デジタルカラー画像のスペクトル及び/又は拡張されたダイナミックレンジ情報のシーケンスが保持される。この追加のスペクトル情報を用いて,この画像において色を提示又は処理する様々な手法が最適化される。デバイス非依存の中間表現を発見することによってではなく,色の表現をプレゼンテーション装置へ結合及びマッピングすることを実際の使用時まで遅らせることによって,プレゼンテーション装置への非依存性が実現される。
公开号:JP2011515894A
申请号:JP2010546764
申请日:2009-02-03
公开日:2011-05-19
发明作者:ギャリー デモス
申请人:ギャリー デモス;
IPC主号:H04N9-64
专利说明:

[0001] 本発明は、静止画及び動画のための色の正確で精密な表現に関し、特に、デジタルモーションピクチャー及びデジタル映像を含むデジタルカラー画像シーケンスのための色の正確で精密な表現に関する。]
[0002] 本出願は、米国特許出願11/225,655「高品質広帯域多層画像符号化システム」に関連する。]
[0003] 本出願は、米国特許出願60/198,890及び09/648,414「映画及び映像の双方向等色システム」に関する。]
[0004] CIE1931測色標準観測者]
[0005] 1928年から1931年の間に、英国のJ.ギルドとW.D.ライトによって、CIE1931XYZ・xyz表色系が開発された。この表色系における基本的な要素は、x_bar、y_bar、z_barと称される分光マッピング曲線である。これらの関数は、相対的に純粋な赤色光・緑色光・青色光の値を用いて測定された人間の視覚の等色測定結果の変換に基づいて決められる。赤色光・緑色光・青色光の値は、2度視野色パッチ等色実験において、任意の色(赤・緑・青以外の色)の等色が成立する赤・緑・青の原色光の最大値を用いて決定された。任意の色と等色が成立する関数は、r_bar、g_bar、b_barのスペクトル関数において具体化される。これらの関数は、一部の波長領域において負の値をとる。x_bar、y_bar、z_barの分光等色関数は、赤・緑・青原色の波長がギルドとライトとの間で異なっていたという事実を考慮した上で、ギルドとライトの独立なr_bar、g_bar、b_barの測定値を線形変換したものである。x_bar関数、y_bar関数、z_bar関数は、r_bar、g_bar、b_barとは異なり、いずれも正の値を有する。Gunter
Wyszecki・Walter Stanley Stiles共著Color Science, Concepts and Methods, Quantitative Data and Formulae第2版・1982年・John
Wiley and Sons、Mark Fairchild Color Appearance Models第2版・2005年John Wiley
and Sons、及びFundamental Chromaticity Diagram with Psychological Axes – Part 1,CIE170−1:2006(国際照明委員会、CIE) ISBN 3 901 906 46
0を参照のこと。]
[0006] この初めての色モデル研究についての議論は、Wszecki・Stiles(W&S)の第3.3章及び5.5.6章に示されている。この研究は、コンピュータ及びスペクトルを直接にデジタル計測する分光放射計の登場前になされたことに注目すべきである。x_bar、y_bar、z_barの4桁のデータが、380nmから780nmの間で5nm間隔で記録されている。(W&Sの第736頁の表2(3.3.1)参照)。この結果は、Guild・Wrightによって実施された当初の色に関する実験によって示唆されていたものよりも、はるかに精密で正確なものである。x_bar、y_bar、z_barの分光等色関数データは理論上の観察者を表すが、これらのデータは実際の人間ではなくグループの平均を表すものである。例えば、ギルドは7人で実験を行い、ライトは10人で実験を行った。このアプローチの問題点は、個人間でのバラツキが大きいことであり、同一の個人においても時間の経過によってバラツキが生じることである。x_bar、y_bar、z_barを統合してCIE1931XYZ表色系における同一の値を得ることができる可視スペクトルは、理論上無限に存在する。異なるスペクトルが同一のCIE・XYZ色に変換されること、及び異なる知覚色が起こる程度は、「条件等色」として知られている。同一のスペクトルを有する色は「アイソマー」と称され、そのような色は、各観察者によって常に同一色として知覚される。しかし、同一スペクトルの2つの色が互いに同一のものとして知覚されるとしても、個々の観察者がその色をどのように感じるかを見分けることは困難である。スペクトルの感じ方は、各個人ごとにしかも時間ごとに異なっているため、個人ごとのバラツキがある。網膜と視覚野との間の神経経路における情報処理の個人差も存在することがあり、その情報処理の結果得られる色の像にも個人差が生まれる。また、画家、カメラマン、インテリアデザイナーのように、注意深く色を特定し識別することが必要な人々は、注意深く色を識別する訓練を受けていない人々と比較して、色を識別し解釈する能力が発達していることがあることが知られている。さらに、色覚が、DNAコードによってどの程度遺伝するか、幼少期において神経学的にどの程度発達するか、その後、神経学的にどの程度発達するかについてはいずれも分かっていない。]
[0007] CIE1931y_bar曲線は、明所視輝度に基づいており、1931年より後に行われたより正確な測定によって、不正確であることが知られるようになった。このことは、輝度の知覚だけでなく色の正確性にも影響するため、CIE1931XYZ色モデルにおいて重要である。最初の明所視輝度に関する研究は、1920年代初頭にジャッドによって行われた。ジャッドは、その後1950年に、大きな修正を行い(W&S第5.7.2章参照)、この修正が1970年のヴォスのXYZ色モデルの基礎となった(W&S第5.5.2章)。]
[0008] CIE1964補助標準観測者]
[0009] ジャッドによるy_barの修正や、10度視野色パッチによる等色は2度視野色パッチによるものとは異なっていることの発見などによって、CIEは、1964年に、CIE1964・10度視野補助標準観測者(W&S第3.3.2章)を追加した。2度視野と10度視野の平均スペクトル関数における相違は、人間の目のくぼみの「網膜」部分の黄ばみ(黄斑色素)によって主に引き起こされる。このような眼の構造的な相違によって、より小さな色パッチを用いた場合により大きなパッチを用いた場合と比較して黄色がより多く除去される。]
[0010] 以上のように、互いに著しく異なる方法で人間の色覚を表現するx_bar, y_bar, z_barの分光等色関数が数多く存在する。図1は、既存のx_bar, y_bar, z_barの等色関数を示すグラフであり、CIE1931・2度視野、ヴォス1970年版、及びCIE1964・10度視野版がそれぞれ示されている。] 図1
[0011] 現時点では、CIE1931XYZ(及び関連するx_bar, y_bar, z_bar)は、
(例えば、ICC標準色において)デバイス非依存の測色のためのエンジンとして突出している。RGB標準は、他の3原色(「3原色」とも称される)による色表現、たとえば、YUV、YPrPb、YCrCb、YIQ、LAB及びLUVとともに色の研究における基準にもなっている。これらの3原色表現は全て基本的に原色のためのCIE1931xy色度座標及び関連する行列変換及びガンマ変換を用いて定められ、又は、CIE1931XYZからの変換に基づいて直接定められる。このように、現時点では、全ての一般的な表色系が、CIE1931x_bar・y_bar・z_barスペクトルマッピングを基にして定められている。]
[0012] 人間の視覚]
[0013] 明所視のx_bar, y_bar, z_bar3原色等色関数(図1に示されている)同士の色の違いに加えて、色を見る通常の環境における低光量レベル(例えば、映画館におけるモーションピクチャー)等の他の要素も色の知覚に影響を与える。] 図1
[0014] 人間の目は、「桿体」及び「錐体」からなる。錐体は明所で働き、色覚の基礎となる。これは「明所(視)(photopic)」」として知られている。桿体は暗所で働き、色を見ることはできない。これは「暗所(視)(scotopic)」として知られている。動画像は「薄明視(薄明視)」において機能し、低輝度のものは暗所視になり高輝度のものは明所視になる。暗所視の輝度の中心波長は、シアンを中心とする広帯域なものであり、黄色から緑を中心波長とする明所視の輝度よりも著しく青味がかっている。Wszecki・Stilesの第5章では、薄明視を取り扱う方法として「4原色(tetrachromatic)の」等色関数が取り上げられている。一定割合の女性は,緑錐体及び青錐体のほかにわずかに異なる波長の2つの赤錐体を有していることが分かっており,単一の赤錐体を有する人々に比べてより細かく色を識別できる可能性がある。これらの女性は高輝度において「4色型色覚」ともいえ,薄明視で働く5つのスペクトル波長を有している可能性がある。また,男性の一定割合は,ある程度の色覚異常であることが良く知られている。このことは,通常,3つではなく2つの高輝度の錐体の形態をとるが,他の形態の色覚異常も存在する。これらの個人差によって,個人に依存しない色を定義することは難しくなっている(又は不可能であるかもしれない)。]
[0015] 光によって毎日徐々に漂白される小さな色素片(pigment wafers)が錐体に存在することも注目される。これらの色素片は,網膜にある各錐体の底部において睡眠中に毎晩徐々に吸収されるとともに,錐体の上部で新しい色素片が生成される。睡眠不足は,屋外等において大量の光で小片が漂白された場合には特に,色の知覚に直接の影響を与えることがある。将来的には,これらの効果についてより良い理解が得られる見込みであり,特に,睡眠と睡眠不足が色覚に与える影響については発展が見込まれる。また,この色素片の性質からして,朝,日中,夕方で色覚に違いがあることもありえる。このことは,映画やテレビを夕方又は時には就寝前の深夜まで見るという日常の習慣に照らすと特に興味深い。]
[0016] CIE170−1:2006修正測色観測者]
[0017] 2006年1月にCIEによって公開されたCIE170−1:2006によって,「修正CIE測色観測者」を生成するために,「錐体分光感度(cone fundamentals)」が色マッピング関数(colorマッピングfunction)を年齢及び視角の関数として定義することができるようになった。例えば,図2は,CIE170−1:2006における35歳の錐体分光感度の変動を視角(1度,2度,4度,10度)の関数として示すグラフである。また,図3は,CIE170−1:2006における2度視野の錐体分光感度の変動を年齢(20歳,40歳,60歳,80歳)の関数として示すグラフである。図2及び図3に示されるように,平均錐体分光感度(長波長のものを「l」,中波長のものを「m」,短波長のものを「s」と称する。)は,視角や年齢によって著しく異なる。また,所定の波長における感度は,それ以外の波長における感度よりも非常に大きい。例えば,500nm近辺及び600nm近辺において著しい変動がある。l,m,sの分光感度の相対的割合は,これらの波長及びその他の感知できる波長において変動が大きいことを示していると考えることができる。] 図2 図3
[0018] CIE170−1:2006の第1.2章を引用する。「観測者は,たとえ同じ年齢層に属する場合であっても異なっているので,分光感度の観測者は,平均に基づく理論上の概念でなければならない。いずれの「現実の観測者」も「修正CIE測色観測者」とは異なるものである。出発となる関数は,大きな標本(約50人の観測者)から得られる平均等色関数である。観察者間のばらつきの重要な原因は視物質の多様性であり,錐体分光感度のピーク波長において小さくおそらく遺伝性の数ナノメートルの変化として現われる。レンズの光学密度や黄斑色素の光学密度等の追加的なパラメータは,平均の数値として与えられる。」]
[0019] 実質的に1%以下で等色を行うことができる人間の視覚能力に照らすと,この差異は特に重要である。It can be seen that the affects of年齢及び視角の影響は,感知できる波長において1%以上の大きさ以上の色決定の変動になる。このように,正確かつ精密な色を提供するシステムは,年齢と視角に加えて観測者間の相違を考慮しなければならない。]
[0020] CIE170−1:2006修正CIE等色関数は,Wyszecki・Stilesの図3(5.5.6),図4(5.5.6)及び図5(5.5.6)に示されているように,1959年のStilesとBurchのデータに基づいている。このデータは,49人の観測者間での数パーセントのオーダーの変動(このオーダーよりも著しく大きいこともある)を示す。1928年から1929年にかけてGuild・Wrightによって用いられたCIE1931観測者(それぞれ7名及び10名の観測者)に関して,同様の変動の描画(明らかに近似値である)が図1(5.5.6)に示されている。] 図1 図3 図4 図5
[0021] 視覚科学では多くの関連テーマが今なお調査されている最中であり,将来の視覚スペクトル感知モデルには重要な向上や改善がなされていると思われる。等色関数の個人間の差異及び遺伝,人種,年齢,性別,及び観察条件に関連する要素についても漸進的な進歩が見られると思われる。色の見え方における文化的な選好やバイアス及び色の識別に影響を与える要素に関する理解が発展する可能性もあるかもしれない。色の識別に影響を与える要素には,人々の職業,例えば色を生成し,管理し,区別する点で高度に訓練されている撮影カメラマンの仕事,において,正確な色の知覚が用いられるかどうかということが含まれる。]
[0022] The Use of Logarithmic印刷濃度
From ネガフィルム]
[0023] 動画の原本は,ネガフィルム(又はネガフィルムの複製),ネガフィルムのデジタル表現(印刷濃度ユニットを用いる),または,デジタルテレビ放送の原本等の圧縮されたデジタル表現であった。デジタル表現のために,多くの中間的なバージョンが存在してもよいが,それらのものは原本ではない。通常,圧縮されたデジタルバージョンのみが最終的に意図された見え方を実現するが,デジタルテレビやデジタル映画の表現の範囲外である色および輝度が犠牲になる。]
[0024] 1990年に,本発明者は,
全米映画テレビジョン技術者協会(SMPTE)のカンファレンスに論文を提出し(Gary
Demos,The
Use of Logarithmic and Density Units forピクセルs,SMPTEJournal,1991年10月805〜816頁参照。),ピクセルに関する対数及び密度単位の使用を提案した。この論文に基づき,また,本発明者がSMPTEへ標準化するよう求めたため,SMPTEDPX(デジタルPicture Exchange)ファイルフォーマットがモーションピクチャーに関するネガフィルム濃度を表すために作られた。SMPTEの仕様書の一部として,「印刷濃度」として知られる濃度の表現が用いられる。印刷フィルム(映写用のポジフィルム)に見られるように,印刷濃度はネガフィルムの濃度である。しかし,印刷濃度は産業界において普及したいずれの標準においても定義されておらず,正確かつ精密に用いることが難しい。ネガフィルムの「Status M」や印刷フィルム「Status A」のような一般により知られている濃度によって,フィルム現像の濃度において用いるための適度な正確性が得られるが,完全なスペクトル評価を行うには不十分である。]
[0025] また,ネガフィルムは,分光感度関数において露出や色に応じて変化する。白や黄色における赤の量に対する赤における赤の量の変化などのクロスカラー項もネガフィルムにおいて重要である。このような効果は,フィルム固有の光感度分光関数,化学処理や現像時の染料層の相互作用,及び印刷フィルムを作る際やデジタルスキャナを用いてスキャンする際の光スペクトルと染料との相互作用によっても発生することがある。ネガフィルムから露出される映画のプリントフィルムの露出,現像,及び投影に関しては,他にも問題が起こる。この過程は,撮影においてネガフィルムを用い,そのネガフィルムが現像されデジタルプリンタでスキャンされ,デジタル処理されてデジタルフィルムレコーダの他のネガフィルムに記録される(そして,映写用プリントフィルムに印刷される)場合により複雑になる。映画館への配給のために何千ものフィルムプリンの複製を提供するために、フィルム中間要素(中間ネガ及び中間ポジ)として知られるネガフィルム及びポジフィルムの複製が必要である。]
[0026] 映写時には、フィルムプリントの染色分光濃度は光源(通常はキセノン)のスペクトル及びスクリーンの分光反射率と連結され,映画視聴者の目に届くスペクトルが生成される。図4は、映写されたフィルムのスペクトルを赤、緑、青、黄色、シアン、マゼンタ、及び白について示すグラフである。プリントフィルムは、赤・緑・青をそれぞれ調節するために、シアン、マゼンタ、及びイエローのフィルム染料層を用いる。様々な染料濃度の分光透過率は、線形に変化するものではなく、その又は他の染料層における濃度量の関数としてスペクトル形状を変化させる。] 図4
[0027] これらのフィルムに基づく問題に加えて、スキャンされ処理されたフィルムからのデジタル情報やデジタルカメラの入力は、デジタル映写用の公開原版へ直接デジタル的に出力される(通常は圧縮もされる)。この原本には、フィルムの印刷工程のシミュレーションと色の特性が含まれることが多い。例えば、図5は、デジタル映写機の典型的な
赤・緑・青の各原色を表すグラフである。] 図5
[0028] 正確な等色を行うことにおける最も大きな成功は、隣り合って映写又は表示されたカラー画像に対して人間が色の調整を行って等色した場合に得られている。等色タスクシステムへの1つのアプローチが、本発明者及びDavid Ruhoffによって出願された米国特許出願60/198,890号及び09/648,414号(「映画及び映像の双方向等色システム及び方法」)に記載されている。この出願においては、同一のブラウン管(CRT)スクリーン上に2つの画像が横に(又は上下に)隣り合って配置された。1つの画像はデジタルフィルムスキャン(「印刷濃度」ユニット等)によって得られ、他の画像は電子カメラ又はデジタルカメラによって得られたものであった。いずれの画像も同じシーンから取られたもので、同じスクリーンに表示された。フィルムスキャナから得られた画像の色には印刷シミュレーションが与えられ等色を実現するための調整が施された。したがって、スクリーンが均一であることを条件として、等色過程において両方の画像は同一のスペクトルを利用していた。フィルム画像の調整処理及び印刷シミュレーション処理から逆数(inverse)が生成され,電子/デジタル画像に適用された。逆処理(inverse process)から得られたデータは,電子/デジタル画像に適用され,デジタルフィルムスキャンと調和(match)された。デジタルフィルムスキャン及び逆処理されたデータはいずれもデジタルフィルムレコーダに出力された。デジタルフィルムレコーダは,(この例においては「印刷濃度」ユニットにおいて)同一のRGB入力値を受信した。記録されたネガフィルムは光学的に印刷され映写することが可能になる。等色処理の結果、電子/デジタルカメラの逆処理(inverse process)から得られたRGB値が原本のデジタルフィルムスキャンのRGB値に非常に近くなったので、電子/デジタルカメラ画像は同じシーンのフィルムスキャンされた画像を等色した。フィルムレコーダのRGB値はレーザーフィルムレコーダに出力された。このレーザーフィルムレコーダは,
赤・緑・青の3原色のレーザーと同一の波長を用いて中間ネガフィルムを記録した。したがって,カラー印刷処理は,原版がデジタルスキャンされたフィルムから作成されたものであっても逆処理された電子/デジタルカメラから得られたものであっても同一であった。フィルムレコーダのスペクトルは,いずれの場合においても同一であり,フィルム現像と印刷のスペクトルは同一であり(フィルムの同一ロールにおいて同時に行われる場合),映写されたフィルムの印刷結果は同一であった。上述のように,フィルムレコーダに記録されたデジタルフィルムスキャンのスペクトルと逆処理された電子/デジタルカメラ画像は同一であった。このように,この等色処理において等色関数は用いられておらず。必要でもない。また,それ自身の色域,白色点,ガンマ関数及びスペクトルを有する映写されたフィルムを,ブラウン管(CRT)上の色域,白色点,ガンマ関数及びスペクトルを有するビデオ画像と対応させる試みはなされなかった。しかし,異なるスペクトルから同一の色を得ようとする場合には,標準測色観測者に基づく等色関数が必要になる。]
[0029] 本発明者によって出願された米国特許出願11/225,665号(「高品質広帯域多層圧縮符号化システム」)において,効率的な圧縮符号化技術が記載されている。この圧縮符号化技術においては,広帯域のダイナミックレンジを維持し,符号化エラーを画像自信の雑音レベルよりも少なくすることによってオリジナルの画像情報を保存することができる。米国特許出願11/225,665号のシステム及び方法は,負の数を用いることによって(圧縮によって)拡張された色域のレンジを(例えば赤・緑・青成分において)効率的に保存することができ,内部の浮動小数点処理を用いて1.0以上の数(マスタリングルームにおいて最大となる最も一般的な論理表現)を効率的に保存することができる。付加的なチャネル(3以上)を符号化してもよい。現時点ではTIFF−32標準が利用可能な圧縮を提供していないが,OpenExr16ビットの浮動小数点表現において少量のビットイグザクトな(可逆な)圧縮が利用可能である。圧縮を用いないと,高解像度の映画原版は,今日の巨大なデジタルストレージ容量を用いても非現実的なほど大きなサイズになってしまうことが多い(テラバイト以上)。本発明者によって出願された米国特許出願60/758,490号(「効率的なビットイグザクト可逆画像符号化残存システム」にはビットイグザクトな原版のピクセル値を維持しつつ動画を適度に圧縮する手法が記載されている。]
[0030] 紙へのカラー印刷]
[0031] 正確で精密な色の制御が要求される他の応用分野は紙へのカラー印刷である。家庭用コンピュータ向けのカラープリンターが一般的なものになってきているが,カラープリンターは様々であり,それによって生成される色は大きくばらついている。1つの興味深い例は,カラープリンターの幾つかの機種では付加的な原色を用いる(付加的なカラーインクによって)ことに関する。通常のカラー印刷では,赤・緑・青の光をシアン、マゼンタ、及びイエローのインク(又は染料)を用いてそれぞれ調節する。黒は色に関する情報を有しないが,黒色のインクが効率と黒色部分の品質のために用いられることもある。また,赤と緑のインク及び低彩度のフォトマゼンタ及びフォトシアンインク(又は染料)を用いるプリンタもある。藍,紫,及びオレンジ,深紅及びこれら以外の色を用いるプリンタもある。(黄色、シアン及びマゼンタに加えて)赤・緑・青の 色成分を有する典型的な画像では,これらの付加的な色の量を扱うための情報がほとんど又は全く存在しない。他の特別のインク(又は染料)が用いられることもある。例えば,目に見えない紫外光を目に見えるホットピンク,ホットグリーン,ホットブルーに変換し,しばしば他のスペクトルに急激な変化を生じさせる「蛍光」インクがある。銀や金とのメタリックな見え方をする特別なインクを有するプリンタもある。「光学的光沢剤」を用いる用紙もある。このような用紙は,目に見えない紫外光のホワイトネスを増大させる。一部のスペクトルに急激な変化を生じさせることもある(蛍光インク及び蛍光染料と同様)。]
[0032] デバイス非依存のデジタルカメラ用及びコンピュータ用カラープリンタの色表現の現在の実務は,ICC標準色を用いることである。ICC標準色は,(CIE・XYZ又はCIE・LABを介して)CIE1931 x_bar, y_bar, z_barの分光マッピングに基づいている。この方法によって,近似的なデバイス非依存が提供されるが,付加的なインクの色(シアン、マゼンタ及びイエロー以外)をどのように用いるのかという点については何の情報も提示しない。3原色の画像と3つ以上の原色を有するディスプレイ又はプリンタ装置との間のマッピングは例外的なものではない。3原色から3以上の色へマッピングする方法は非常に多くある。また,予め決められたマッピングの方法では,正確かつ精密に意図した全ての色を再現することは難しい。]
[0033] フィルムへのカラー印刷は,プレゼンテーションのために光源を使用することが必要となる。この光源は独自の分光特性を有する。紙へのカラー印刷は,光によって照らされる紙を必要とするが,この光も独自の分光特性を有する。フィルム又は紙へのカラー印刷は,光の特定のスペクトルを用いた場合に色を再現することを試みるが,他の光スペクトルには適応することができない。]
[0034] 他の重要な問題は,色,明るさ,及びコントラストの知覚は,カラー印刷や表示又は映写された画像を見るときの周辺環境の色や明るさによって大きく影響を受けるという点である。フィルム又は紙へのカラー印刷は,単一の予測される周辺環境において知覚される色を正確に再現しようと試みるが,周辺環境に依存しないように再現することはできない。また,視聴者間や1人の視聴者における変動(例えば,明るい日光から暗い室内へ移動したときに変化する色や明るさの知覚への順応)に対処するメカニズムは存在しない。]
[0035] 正確かつ精密なデバイス非依存の色は,(ICC標準色等の)システムがCIE1931x_bar、y_bar、z_barに基づいている限り,まだ実現できていない。また,観測者の変動及び画像の明るさや周辺の色や明るさにおける変動も重なって画像における全ての色を正確かつ精密に再現するための作業がさらに複雑になっている。]
[0036] RGB原色を特定する際のCIE1931色度の使用]
[0037] 上述した本発明者による「高品質広帯域多層圧縮符号化システム」と題する特許出願において,浮動小数点の数値表現を用いて拡張されたレンジの画像の表現を維持する圧縮システムが記載されている。TIFF−32及びOpenExr等の一般に利用可能な浮動小数点を利用する画像フォーマットは,圧縮又はその他の処理のための入力及び/又は出力として利用できる。しかし,これらのシステムは原色の分光マッピングを定義しておらず,CIExy色度座標を用いて原色を特定もしていない(CIExy色度座標は,CIE1931x_bar、y_bar、z_barを用いてスペクトル的にマップする)。したがって,CIE1931x_bar、y_bar、z_bar分光マッピングの内在的な限界によってこれらのフォーマットの色の正確さと精密さが制約されることになる。]
[0038] 等色関数に関するカメラの分光検出機能における差異]
[0039] 一般のカラー画像システムにおける他の重要な側面は,カラー電子カメラ(通常はデジタルカメラ)の分光感度関数である。大部分のカラーカメラは,
人間の色覚と大きく異なる赤・緑・青 の分光感度を用いている。特に,カメラの赤の分光感度は,人間の視覚よりもかなり長波長側(赤の深色)にピークを有することが多い。これによって,幾つかの色においては彩度が増加するという影響がある。しかし,デジタルカメラによって見える色は人間の目で見る色に対応しないことがあるという影響もある(そして,人間の目によって見える色に曖昧さなく変換することができない)。]
[0040] カメラのフィルム(通常はモーションピクチャー用途におけるネガフィルム)も同様に人間の視覚にマッピングすることができない分光検出関数を有する。原色成分(通常はRGB)のためのカメラフィルム分光検出関数は,フィルムの露光レベル,他の原色成分の量,及びその他の光化学的要素に応じて変化する。]
[0041] 現時点では,参照デジタルディスプレイやプロジェクタを用いて原版のシーンの色を変更することが一般に行われている。この処理は,スチル写真や映画用のネガフィルムから生成されるフィルムプリントにおいて色の平衡を保ち調整する処理について長い間「カラータイミング」と呼ばれてきた。]
[0042] このような変更は局所的であってもよく(例えばフォトレタッチプログラムにおいて),動画像の局所的な色の変更として適用されてもよい(sometimes calledテレシネの色補正システムの専門用語として「パワーウインドウ(power windows)」又は「補助色(secondary colors)」と称されることがある。)。他の色調整は,「審美眼(taste)」にしばしば適用されるものであり,色の再現の正確さや精密なには無関係である。]
[0043] 色比較ディスプレイやプロジェクタの発光スペクトルがデジタルカメラの検出スペクトルとマッチングすることは難しく,それゆえ人間の視覚系による色の見え方とマッチングすることも難しい。また,家庭での鑑賞や紙の印刷は異なるスペクトルを用いて作動する。]
[0044] 基本的にCIE1931x_bar、y_bar、z_barシステムに基づいているICC標準色等のシステム(及び類似のシステム)以外には,様々な検出スペクトル及び発光スペクトルを利用できるように調和させる方法は現時点では存在せず,典型的な(カメラからディスプレイ,プロジェクタ,カラー印刷,透明カラーフィルム又は映像スクリーンへの)イメージング処理における一般的なスペクトルの変化を考慮に入れていない。]
[0045] テレビシステムは,過去数10年間一貫してブラウン管(CRT)を使用してきたため,相対的に一貫したスペクトルを用いてきた。ブラウン管は相対的に一貫した発光スペクトルを持つ。比較CRT色モニター(reference CRT color モニター)は,一般にシーンの参照色を定めるために用いられていた。以前はほとんど全てのエンドユーザへの提示がある種類のCRTを介して行われていたため,(多くのディスプレイは色やガンマ曲線補正の仕様と大きく異なっていたが)測色の分光マッピングや原色を特定するためにCIE1931色度を用いることはある程度適切であった。しかし,現在では,ほとんどのディスプレイはCRTではなくなっており,マスター及び最終プレゼンテーションのときの発光スペクトルのバラツキが大きくなっている。一般的な現代のコンピュータディスプレイ及びテレビディスプレイは,LCD,投影用LCD又はDLPモジュレータを有するUHPランプ(金属ハロゲン化物)及びプラズマパネルディスプレイを用いるが,それぞれが大きく異なる発光スペクトルを有する。このように,現時点では,多くのシステムはCIE1931にはるかに大きく依存している。赤・緑・青の色度が特定され,それなりの色表現に必要なスペクトル変換を実行する。]
[0046] 本発明にとってより重要なことは,画像が処理され流通する過程でスペクトル情報(検出スペクトルと発行スペクトルの双方,特にマスターディスプレイ及びプロジェクタ発光スペクトル)を廃棄するという現在のやり方である。このことは,デジタル映画の原版(相対的に最近のことであるが),デジタルテレビ,ウェブベースのコンピュータカラー画像表現,及び個人用又はプロフェッショナル用のカラー写真及びカラー印刷に当てはまる。]
[0047] デジタル的にスキャンされたネガフィルムの場合には,フィルムストック情報を廃棄することがよく行われている。フィルムストック情報は,(フィルム感光乳剤バッジによって変化するが)分光検出関数を特定し,(同様の変化をするが)染料の透過スペクトルを特定し,層間相互作用および色の相互作用に対する露光を特定する。また,デジタルネガフィルムスキャナの分光検出関数,及びその光源のスペクトルも廃棄される。広く提供されるのは,RGBデータであり,特定されていないスペクトル特性とともに提供される。この「生の」色デジタルネガティブは,比較色プロジェクタ又はディスプレイにおいて色が「調整(time)」され,そのスペクトルが同様に廃棄される。]
[0048] 以上により,色の正確かつ精密な制御及び再現が理科しにくいものであることが示された。このように,現時点での技術的な課題は,デバイス,個人,色パッチのサイズ,及び時間に依存しない方法で正確かつ精密に色を特定することである。]
[0049] 本発明は,色調整過程で画像が記録,処理,提示されるにつれてスペクトル情報及び/又は拡張されたダイナミックレンジが保持される手法を記述する。この付加的なスペクトル情報を用いて,これらの画像に含まれる色を提示又は処理する様々な手法が最適化される。プレゼンテーション装置への非依存性は,デバイス非依存の中間表示の開発を試みることではなく,色表現のプレゼンテーション装置への結合及びマッピングを実際に使用するときまで遅らせることによって実現される。このように,技術が利用可能になるにつれて,正確かつ精密な色表現に必要不可欠な情報を決定する将来の方法が開発される。例えば,将来の画像プレゼンテーション装置は,画像の周囲のものを特定し,及び/又は,特定の視聴者に関する知識やもしかすると順応の状態、及び/又は提示(presentation)の大きさ及び輝度及び/又は提示(presentation)の白色点、及びこれら以外の正確かつ精密な色に影響を与える多くの提示(presentation)・時間に固有の問題を発展させることができるかもしれない。また、既存の利用可能な色モデルも適切であれば選択することができる。例えば,10度視野CIE1964色モデルは、色の大きなエリアに対して用いることができ、一方、2度視野CIE1931色モデルは小さなエリアに対して用いることができる。]
[0050] 近年、色の知覚モデルが2.3開発されている。この色の知覚モデルは、幾つかのプレゼンテーション環境(プレゼンテーション環境)について、周囲のもの、輝度及び白色点の情報を用いる。このようなモデルは、適切な場合には、本発明とともに用いることができる。低輝度の薄明視の色の知覚を具体化する色モデルは、プレゼンテーション、例えばモーションピクチャーの映写、の適切な低輝度部分についても適用される。本発明は、より正確かつ精密なプレゼンテーションモデルの開発に貢献すると思われる。そのようなモデルは、現在、CIE1931・2度視野XYZ
色モデル及びこれに基づいた多くのシステム(CIE1931xy色度座標によって定義された赤・緑・青の原色を有するテレビシステムを含む)の条件で特定される3原色入力に限定されることによって妨げられている。]
[0051] 提示された色の正確さと精密さを向上させる本発明の新しくさらに重要な態様には、単独で又は組み合わせて使用される次のものが含まれる。]
[0052] 本発明の一態様は、マスタースペクトル(3以上の原色)を対応する画像(符号化されているか圧縮されていないかは問わない)とともに(ストレージから又はストレージへ、又は送信信号(transmission)によって)送ることによって、v(白成分を使用する場合のように3以上の原色が用いられる場合に)等色関数と理想的な分光組成との結合を遅らせることである。本態様によれば、人間の視覚についての理解又はそのモデリングの将来における発展を利用できる。]
[0053] 他の態様は、(例えば視線検出データを用いて)視聴者が典型的に見ている箇所と見られているシーンの性質(例えば色領域の広がりに関する情報)の両方を含む、シーンに関する理解を組み込むことによって、黄斑色素を調整し等色関数を選択する視角の側面(例えば、1度から10度)に影響を与えることである。]
[0054] 他の態様は、等色関数を、(各色とすぐ周辺にある色との関係を把握して)局所的に徐々に変化させる方法で全てのピクセルに対応して変化させること、及び/又は、等色関数を各ピクセルの色の関数として変化させることである。]
[0055] 他の態様は、観測者間の差異と、この差異を特定して機能的に特徴づけることが可能であり実現できることを理解することである。これらの差異を、(実際の視聴者の平均として又は単数又は複数の特定の視聴者又は視聴者群に最適化されたものとして)静止画及び動画のプレゼンテーションに組み込むことができる。]
[0056] 他の態様は、画像提示時の視聴環境を考慮に入れることは可能であり実現できること、この情報を、知覚される色の正確さ及び提示される色の正確さと精密さを向上させるために上述した態様に従って生成される他の情報とともに含むことである。]
[0057] 本発明の単数又は複数の実施態様の詳細は、添付図面及び以下の詳細な説明によって説明される。]
図面の簡単な説明

[0058] 既存のx_bar, y_bar, z_barの等色関数を示すグラフであり、CIE1931・2度視野、ヴォス1970年版、及びCIE1964・10度視野版をそれぞれ示す。]
[0059] CIE170−1:2006における35歳の錐体分光感度の変動を視角(1度,2度,4度,10度)の関数として示すグラフ。]
[0060] CIE170−1:2006における2度視野の錐体分光感度の変動を年齢(20歳,40歳,60歳,80歳)の関数として示すグラフ。]
[0061] 赤、緑、青、黄色、シアン、マゼンタ、及び白の映写されたフィルムスペクトルを示すグラフ。]
[0062] デジタル映写機用の典型的な赤・緑・青の原色を示すグラフ。]
[0063] 画像周辺の黒−白−グレー明度の傾斜の配置を示し,白,グレー,及び黒のリファレンスを同時に提供する図]
[0064] スキャン分光放射計の一実施形態を示す図]
[0065] 本発明のシステム及び方法の概観を示す図であり,画像が映写される視聴スクリーンを有するマスタリングルームの例を示す。(ア)
本発明のシステム及び方法の概観を示す図であり,マスタリングルームのソースに基づくプレゼンテーション画像が表示され又は映写される視聴スクリーンを有するプレゼンテーションルームの例を示す。(イ)
本発明のシステム及び方法の概観を示す図であり,本発明に従って色を正確かつ精密に再現するためのデータの種類と流れを示す。]
[0066] 一般的な広帯域スペクトル(白)のスペクトル放射体の出力を典型的な等エネルギー白色光(E)と比較して示すグラフ]
[0067] RGB原色と広帯域スペクトルの白色光源(例えば高圧2kWキセノンアーク灯)のスペクトル特性評価を示すグラフ]
[0068] 赤・緑・青のそれぞれについて1つの狭い原色と広い原色の例を示すグラフ]
[0069] 二重のR,G,B原色を示すグラフ]
[0070] 錐体分光感度の割合を示すグラフ。
錐体分光感度の割合を示すグラフ。
錐体分光感度の割合を示すグラフ。]
[0071] 錐体分光感度の割合を示すグラフ
錐体分光感度の割合を示すグラフ
錐体分光感度の割合を示すグラフ]
[0072] 錐体分光感度の割合を示すグラフ
錐体分光感度の割合を示すグラフ
錐体分光感度の割合を示すグラフ]
[0073] 錐体分光感度の割合を示すグラフ
錐体分光感度の割合を示すグラフ
錐体分光感度の割合を示すグラフ]
[0074] 様々な視角に基づく等色関数について選択される異なる角度の値を示す画像1700の図]
実施例

[0075] 様々な図面における同様の参照番号及び記号は同様の要素を指し示す。]
[0076] リッチコンテンツ動画像原版]
[0077] ]
[0078] 以下を実現可能なシステムを作ることは有益である。]
[0079] (1)画像データのオリジナルを全て保存する。]
[0080] (2)正確かつ精密に原版において意図された色を特定すること。]
[0081] (3)色の表現及び色のプレゼンテーションに関する将来の改良に対応するために、その画像について利用可能な全ての測色情報及びスペクトル情報、必要であればその画像を含む中間要素、を提供すること。]
[0082] (4)代替的なプレゼンテーション環境(家庭のテレビ、映画館用のデジタル映写機、家庭用又はオフィス用コンピュータディスプレイ、
ラップトップコンピュータディスプレイ、カラー印刷等)において正確かつ精密に意図された色を特定すること。]
[0083] (5)ダイナミックレンジ及び/又は色の範囲がその画像の原版を作製した時点で利用可能な範囲を拡張できるときに、画像のプレゼンテーションの見え方(プレゼンテーションappearance)を将来のディスプレイ、将来の透明プリントフィルム、将来の紙印刷、及び/又は将来のプロジェクタに伝達すること。]
[0084] (6)任意的な圧縮を提供すること。]
[0085] (7)原版の画像とともに、単数又は複数の版、及び/又は、単数又は複数のデジタル中間要素を提供すること。]
[0086] (8)単数又は複数の視聴者に画像を適応させ最適化させること。]
[0087] (9)知覚される色及び画像の見え方における観測者間の差異を最小化すること。]
[0088] 本発明の基本的な前提は、たとえ現時点ではそのような情報の多くの側面がディスプレイ又は映写において利用できないとしても(ネガフィルムと同様にリマスター源又は再解釈(re-interpretation)源として利用される可能性はあるが)、画像についてのスペクトル情報及び/又はダイナミックレンジ情報が廃棄されるべきではないということである。そのような情報は、ディスプレイ及び映写、色彩科学が理論面及び実務面の両方で進展し、ディスプレイ及びプロジェクタの性能が向上するにつれて、価値あるものとなる見込みである。]
[0089] 本発明の他の基本的な前提は、CIE1931x_bar、y_bar、z_bar標準によって特定されている3原色のピクセル(例えば、rgb、xyz又はyuv/yPrPb)は、(色表現の近似としては適切ではあるが)精密な又は正確な色の表現としては適切ではないということである。現時点における色彩科学の知見は、いまだにある程度近似的なものである。そのような現時点におけるデバイス非依存の表現(例えば、CIE1931x_bar、y_bar、z_bar分光マッピング)は近似的なものに過ぎない(それゆえ正確さは限定的なものである)ということが分かっており、所定の場面(例えば、暗い視聴環境における20代の視聴者向けの2度視野等色)にしか適用できないことが知られているので、デバイス非依存の表現へのマッピングを遅らせることは有益である。]
[0090] また、個人間で色の知覚に関して大きな差異があることが知られている。CIE1931x_bar、y_bar、z_baR2度視野、CIE1964x_bar_10、y_bar_10、z_bar_1010度視野標準、及びCIE170−1:2006等色関数は、多くの試験用視聴者の平均に基づいている。各個人視聴者はその平均から差異があり、その差異は大部分の視聴者にとって重要である。また、色の知覚は年齢とともに大きく変化する。20代の人々の色の見え方は、50代や80代の人々とはかなり異なっている。目の網膜に影響を与える青色光の量は、主にレンズの黄変によって、10年ごとに減少する。CIE1931XYZ標準等のデバイス非依存の3原色の表現は、それ自身では、個人間の差異を考慮に入れることができない。CIE170−1:2006標準は確かに平均的な視聴者について年齢及び視角の差異を考慮に入れているが、CIE170−1:2006標準は年齢及び視角の連続的な関数を表し、等色関数のグループ全体を表す(CIE1931XYZとは異なり、20代の調査者のみについて2度視野についての平均を表す)。]
[0091] 本発明の一態様は、同一のスペクトルは個人間の差異を有さず等色関数における差異によって影響を受けないため、提示されたスペクトルがマスタースペクトルと一致する場合には、全ての色が全ての視聴者にとって正確に一致しているという知見である。しかし,今日のディスプレイ及びプロジェクタは大きく変動するスペクトルを提示する。この差異は、10年前におけるテレビ及びコンピュータ用の支配的なディスプレイであったブラウン管(CRT)よりも、非常に大きなものである。]
[0092] したがって、本発明は、カメラ(又は合成)からプレゼンテーションに到るまでの画像処理を通じて、分光マッピング(検出及び発光の両方)に関する非常に多くの情報、特に原版のディスプレイ又はプロジェクタに関する情報、を保持する。]
[0093] 色データの分光マッピングに関して利用可能な情報を、3原色CIE1931XYZ系のような「装置依存」の表現にまとめるよりも、全て保持することが最善であるということも本発明の前提である。このように、本発明は、単一の(及びしばしば限定的な)色表現に早まって無理にまとめることを避ける。]
[0094] 例えば,空や芝地のような画像の幾つかの部分は、視野の10度以上を占め、(ピクセルデータが3原色の場合には)CIE1931・2度視野XYZ標準よりもCIE1964・10度視野XYZ標準を用いることが望ましい可能性がある。また、CIE170−1:2006標準を使用することにより、等色関数が1度から10度の間で連続的に変化する視角の関数になることができる。他の例として、画像の暗い領域は薄明視を強調することにより又は強調しないことにより(桿体視示す以上の又はそれ以下の色で)創作的に解釈することができる。同様に、画像の解釈されたプレゼンテーションは、意図的に彩度を減ずる(低彩度量)することができ、ピクセルデータの彩度を減ずる必要なく及び/又は暖かい(赤い又は黄色い)又は冷たい(青い又はシアンの)色合いになることができる。]
[0095] 他の例として、表現、色覚モデル又はプレゼンテーション装置は、分光マッピング情報を利用して3つ以上の原色(例えばtrichromatic以上)に対応することができる。例えば、一般に利用及び入手可能なコンピュータ用のプリンタは、現時点では、5つの原色を使用している(赤と緑が通常の黄色・シアン・マゼンタ及び中立な黒に追加されている)。また、多くの通常の小さいコンピュータによるプレゼンテーション用のプロジェクタは、白をより明るく見せるために回転するカラーフィルターホイールに赤・緑・青とともに白い又は透明の領域を用いている。白色の領域はプロジェクタの白色ランプとほぼ同じスペクトルにおいて中立な白い原色を提供する。]
[0096] 本発明の他の基本的な概念は、ピクセル値は、3原色であるか3以上の原色であるかによらず、指標及び重みとしてスペクトル関数(3つの波長重みより多く持つことができ、数ダース又は数百の波長重みとなることもある)に用いることができるということである。また、任意的な追加情報は、各ピクセルに関連付けられているか又は局所的に適用されており、所定の状況において色を生成するためにスペクトル関数又はスペクトル関数が適用される重みの間で選択する。また、かかる選択及び重みが1以上あってもよい(例えば、低ダイナミックレンジのディスプレイ又は高い周辺光のプレゼンテーション)。例えば、少なくとも原色を表現するピクセルを含むカラー画像は、当該原色のピクセルをbスペクトル重みにマッピングすることによって変換することができる。ここで、bは少なくともa+1と等しく、当該bスペクトル重みをmプレゼンテーション及びn知覚重みのcセットで積分する。ここで、cはb−1以下であるが少なくとも3であり、cプレゼンテーションの原色となる。]
[0097] 現時点での実務は、局所的な特性がなく(全体のスクリーンが単一の一様な領域である)、この概念の場合を退歩させていると考えることができる。ここで、3原色はスペクトル的に固定され変動しない3原色のスペクトル重みにしたがって解釈されるこの3原色は、原色CIE1931x_bar、y_bar、z_bar標準(通常は赤・緑・青である3原色の特定方法としてのxy色度座標)の固定スペクトルの観点から特定される。]
[0098] 本発明における用語「原色(原色)」の用法]
[0099] 一般的な用法では、付加的な原色系(例えば、RGB)の原色は、視覚的にも数学的にも他の量から独立しており、各原色のスペクトルの独立の値を単に合計することで結果として得られる合計された多原色のスペクトルを決定することを可能にする。カラー印刷、透かし印刷(transparency prints)、これ以外の減法混色の原色システム(このようなシステムの大部分は赤・緑・青をそれぞれ調整するためにシアン・マゼンタ・イエローの原色を有している)については、スペクトル成分を調整する全て独立な色も一般的に(及び本発明の文脈において)原色(原色)と称される。しかし,減法混色の原色は、一般に、互いのスペクトルを変化させ、他の原色のカラー透過量(color transmission)を変化させており、相互に依存している。この特徴は、3−Dの(3以上の原色が使用される場合には3以上の次元の)クロスカラー照合テーブル及び補間法(補間)を利用するクロスカラー補正を必要とする。クロスカラー照合及び補間法(補間)の結果は、少数のスペクトルの独立の重みで十分な場合もしばしばあるが、全体のスペクトルであるのが最善かもしれない]
[0100] 本発明においては、用語「原色」は、単に赤・緑・青を示すのではなく、デジタルプロジェクタ又はデジタルディスプレイのあらゆる独立な色成分を示す。このような原色は、本明細書で使用されているように、白及び赤・緑・青以外の多くの色を含む。また、赤(又は緑や青)について独立の成分が2以上ある場合には、2の独立のスペクトル(狭いスペクトルと広いスペクトルであってもよい)を有しており、これらの色は同じ色と知覚される(例えば赤の差異として知覚される)としても独立した原色と考えられる。]
[0101] マスターディスプレイ、プロジェクタ及びそれらの環境のスペクトル評価]
[0102] 本発明において、その3原色(又は3以上の原色)のデバイス非依存の表現を遅らせることができるので、マスター時にCIE1931・2度XYZ標準等の特定の3原色(又は3以上の原色)の装置非依存のシステムを正確に割り当てる必要はない。例えば,所定の変換は、代替的なプロジェクタ又はディスプレイ装置の製造者によってプレゼンテーションのとき(又はその装置を備える場所に提供する)に適用されるだけであってもよい。画像に関する所定の色表現を特定するための必須の要件は,マスターディスプレイ又はプロジェクタの3又はそれ以上の色の原色がそれらの発光スペクトルに関して知られているということである。特定の原色が最大値に設定され他の全ての原色がそれぞれの最小値に設定された場合には,そのような原色のスペクトルは分光放射計を用いて測定される。典型的な分光放射計は,380nmから780nmの可視光領域にわたって1nmから5nmの間の正確性でスペクトルを測定し,典型的には約1%のエネルギー精度(エネルギーaccuracy)を持つ。]
[0103] もし知られている伝達関数(定義された値,典型的にはガンマと呼ばれる,を指数とするべき乗等)ならば,
各原色の対応する線形量からの各スペクトルの線形量を合計して,マスタースクリーン又はディスプレイにおける所定の色のスペクトルを知ることができる。]
[0104] もちろん,上述のシナリオは過度に理想化されている。主な混乱は,特定の部屋におけるスクリーン上での色の相互作用から生じる。例えば,マスター映画館に赤い椅子があるかもしれない。また,それらの椅子から散乱された光がスクリーン上の色に影響を与えるであろう。他の例として,スクリーン上の大きく明るいエリアが存在する場合には,プロジェクタのレンズから漏れる光,プロジェクタブースの窓ガラス,及び部屋からスクリーンに散乱する光によって,2000対1のコントラストのレンジが,200対1に縮んでしまう可能性がある。]
[0105] このように,上述のシナリオを改善するためには,放出光の相互作用の特徴を完全に明らかにすることが,マスタリングルームにおいて有益である。その追加的な情報を有することによって,全画像にわたって光と色とを統合することによって,シーンの残りの部分の存在下で,及び,映画館内のそのままの状態で,所定の大きさの所定の領域から放射された実際のスペクトル放射色を各フレームについて決定することが可能になる点は重要である。このようにして,映画館における赤い椅子は間接的に補正の一部となる。色に対するこれらの効果(カラリスト及び/又は撮影カメラマンが無効にしていたかもしれない)が考慮される。この工程は,また,原色成分間のエネルギースペクトルの相互作用を,もし存在するならば,暗黙のうちに測定する。そのような相互作用は,(高位のビット及び3−Dクロスカラー参照,又は3つ以上の成分,及び補間を用いて)原色の値の可能な組み合わせを全て検討することによって特徴が明らかにされる。このような方法は,フィルムにとって必要である。フィルムには実質的な色相互の作用が存在するからである。しかし,デジタルプロジェクタやディスプレイについては,(3又はそれ以上の)原色成分は互いに完全に独立であることが多い。]
[0106] 代替的なプロジェクタ又はディスプレイ装置において提示するためにこの色の相互作用情報が画像の再変換に適用されるときには,同じ特性評価が有益である。この特性評価には,特定の部屋の相互作用を含む。このようにして,将来の代替的なプロジェクタ又はディスプレイ装置は,そのままで,マスタリングルームで元々見えていたように画像を再現することができる。この再現には,そのプロジェクタ又はディスプレイ装置に最も適する条件等色変換(metameric transformation)であれば何を用いてもよい。]
[0107] また、この概念は,3以上の原色を用いるマスター及び代替的な装置のプレゼンテーションに一般化することができる。このように,3原色の異種混合及び多原色(4原色,6原色,7原色等)のプロジェクタ及びディスプレイは,条件等色の差異(metameric disparities)(つまり,個人間の差異を減少させるため)に追加の色成分を最大に利用してマスターとプレゼンテーションの両方において用いることができる。]
[0108] デジタル映画の原版は,変換せずに単純にその入力された原色のままのRGBであってもく,本発明のシステムの残りは依然として機能する。また、もし原版のプロジェクタ及び/又はディスプレイ原色(3原色であれば典型的にはRGB原色)への変換が知られているならば,線形のRGB値は各原色のスペクトルの重みとして再構成され使用することが可能であるから,デジタル映画の原版がCIE1931XYZ標準(指数ガンマを有していても有していなくともよい)に基づいて特定されたか否かは問題ではない。]
[0109] この観点で,マスタープロジェクタ又はディスプレイが3原色のときには,特定の使用されるマスタープロジェクタ又はディスプレイのRGB入力空間において単に原版を作製することはより単純である。しかし,特定のディスプレイ又はプロジェクタが特定の環境において(その特定の部屋において)較正されていない場合には,(マスターディスプレイ又はプロジェクタ上での部屋の影響の特性を明らかにする必要があるため)完全にはうまくいかない。しかし,実際のプロジェクタ又はディスプレイから特定の原色スペクトルが測定される場合(例えば各原色の最大値)には,中立的な特性評価,典型的には同様のディスプレイ又はプロジェクタを備える同様の品質のマスタリングルーム,が適用できる。しかしながら,マスタリングルームが,実際の部屋の環境において,そのディスプレイ及びプロジェクタを完全に較正するように動機付けられているという見込みは合理的である。]
[0110] 3以上のマスター原色の使用を最適化する方法についての詳細な説明を以下に示す。]
[0111] 基本的なマスタリングルームのRGBを用いた特性評価]
[0112] マスタリングルームの基本的な特性評価は,プロジェクタであろうとディスプレイであろうと,各原色(通常は,R,G,B)の最大値のスペクトルを決定することによって得られる。]
[0113] また,画像のデジタルピクセル値と映写スクリーン又は画像ディスプレイから放出される光との間のマッピングを理解することは重要である。多くの場合,大部分のピクセル間の影響を無視することは可能であり,効果的なピクセル値と光とのマッピングを決定することは可能である。このマッピングは,一般的な約2.2のガンマを有する指数「ガンマ」に近接していることが意図される(1.6から2.6の全範囲が様々なディスプレイ及びプロジェクタに対して用いられる)。]
[0114] 原色がピクセル値の光に対する関数(pixel value to light function)において変化する場合には,,各原色は(例えば、その近似的なガンマによって)独立に測定されるか近似されなければならない。その関数がガンマでない場合(つまり,指数ではない場合),照合テーブル(望ましくは補間とともに生成又は実装される)が近似的なピクセル値の光に対する関数を生成するために用いられる。ガンマ,対数,擬似対数,線形,及びその他のピクセル値から光へのマッピングは,有益なものであり,照合テーブル(望ましくは補間とともに)又は近似関数を用いることによって実現される。]
[0115] ディスプレイ及び映写装置の中には,著しい相互作用を示すものもあるが,重要な原色間の相互作用を特に示さないものもある。そのような相互作用が存在する場合には,その相互作用を概ね説明することができるより複雑な特性が要求される(以下の議論を参照)。]
[0116] 現時点の実務は,純粋なガンマ関数及び原色間の影響が完全に存在しないことを想定している。原色のスペクトルを無視すること,較正が可能な場合には較正においてCIE1931xy色度のみを用いること,及び,原色のxy色度較正からの実際の差異を無視すること,も現在の実務である。]
[0117] 本発明の重要な概念の1つは,
決定されたマスタリングルームのディスプレイ又はプロジェクタの原色スペクトルは,その原色スペクトルとともに原版が生成された画像のグループとともに保持され伝達されることである。もう1つの重要な概念は,そのようなスペクトルがプレゼンテーションのために用いられることである(以下の議論を参照)。]
[0118] この本発明の概念は,現在の実務と異なる。現在の実務では,原本が生成されたRGB値は,(マスターディスプレイ又はプロジェクが適切に較正されたかどうかにかかわらず)CIE1931xy色度への参照がなされる。後続の色変換,例えばRGBからYUVへの変換(又はYPrPbへ,YCrCbへ,XYZへの変換など)は,マスタースペクトルを参照することなく,行列演算(3x3行列又は3x4行列)として実行される。現時点の実務における行列乗算は,非線形(例えばガンマ)ピクセル値に適用されることが多い(これは,テレビにおいて一般的な実務であるが正確ではない)。デジタル映画映写用のピクセルの行列処理のためのSMPTE・DC−28仕様書は,2.6ガンマを適用したCIE1931XYZを用いるが,これは3x3行列変換を映写用のRGBに作用させる前に取り除かれる(正確な線形のピクセル値を生成する)。このことは,RGBマスタースペクトルをCIE1931XYZ表現にまとめたことに依存している。]
[0119] 較正色度は全ての状況において実現できるとは限らない。そのような場合における現在の実務は,なるべく近接させ,色度における残りの相違は無視することである。このことは,相違を無視するよりも較正の間に実現される実際のCIE1931xy色度を伝達することによって改善される。しかし,結果として得られる原色スペクトルを送信することによって(本発明によって提案されるように)より改善することができる。このように改善することができるのは,この方法がCIE1931xy色度への依存を排除し,プロジェクタ又はディスプレイが較正色度を実現することができるかどうかに依存しないためである。]
[0120] 本発明の本態様(これらの原色スペクトルで原版が生成された画像のグループのそれぞれとともにマスタリングルーム
ディスプレイ又はプロジェクタの原色スペクトルを伝達すること)は,マスター及びプレゼンテーションの間に等色関数とスペクトルによる積分(integral)及び望ましくは他の視聴条件及びマスター条件が事前に分かっていれば,全体的に行列として実現することができる。知られている条件に対応する一組の行列を用いることができる。様々な属性(例えば視角,以下の議論参照)の調整がなされるとき,このような調整はその組の中の行列の間の補間(及び望ましくは再正規化)によって実現される。]
[0121] このように,本発明ではマスター及びプレゼンテーションのためにスペクトルの積分の使用が必要となるが,かかる積分は事前になされることがあり,全体的に行列を用いて実現することになる。このことは,現在の実務と異なっている。現在の実務では,所定のディスプレイに対して単一の行列が用いられ,その行列はCIE1931x_bar、y_bar、z_barの積分(この積分によって得られるxy色度又はこの積分によって得られるXYZ3刺激値によって計算される)のみに基づいている。]
[0122] 3以上の原色]
[0123] マスタリングルームにおける3以上の原色の使用は,上述した方法の単純な線形拡張である。例えば,4又はそれ以上の原色は,各色成分にのみ最大値を与えることによって,そのスペクトルを測定することもできる。]
[0124] 3以上の原色に関する実現例も赤・緑・青以外の原色に関する実現例も現時点では存在しない。]
[0125] マスタリングルーム特性評価の理想化された概念アプローチ]
[0126] 本発明とともに公知の概念を用いることができる。光が完全に存在しないという状況は存在しない(例えば、プロジェクタの最も黒い黒色も光を放出し,部屋の光もディスプレイ又は映写スクリーン上への漏れが「黒い」領域を照らす)けれども,理想化された黒の光を「ゼロ」に設定する。このように,ゼロ・ピクセル値は完全な黒を作ることを意図しているが,実際にマスタースクリーン上に作れるわけではない。]
[0127] 本発明とともに用いることができる他の公知の概念は,実際のマスタースクリーン上には生成できないが,スクリーン上のあらゆる位置で特定のRGB値が同じ色,同じスペクトル,及び同じ輝度を生成することが意図されるように理想化された一様なスクリーンを定義することである。]
[0128] 黒における光量レベルの追加]
[0129] 実際にスクリーンから放出される光が真の黒であるべきこれらのピクセルのためにスペクトル的に測定されるならば,理想化された光が存在しない黒という概念を改良することができる。また、この「黒スペクトル」は,測定された場合には,測定された原色スペクトル(例えば、R,G,及びB又は3以上の原色スペクトル)とともに伝達されるべきである。黒における光量レベルは,通常の感知できる光用の露出計を用いて測定することができる。一方,黒の色度及び/又はスペクトルの測定には長時間の測定又は特別の高感度色度計や分光放射計が必要となる。]
[0130] 別の方法として,利用可能な分光放射計が十分な感度を有しない場合に,黒スペクトルは低光量レベル(例えば、白の1%及び2%)の3又はそれ以上の原色及びグレー(グレーはすべての原色が同じ値をとる場合である)のスペクトルの差分から推測される。このことは,分光放射計にとって現実的な可能な限り低い光量レベルで,そしてこの可能な限り低い光量レベルよりも高い光量レベル(例えば、2つの明るい要素である1段階高い光量レベル)で測定することによってなされる。スペクトルが原色及びグレーの値にとって変更される量は,ピクセル値がゼロ(つまり,黒)になるときに光量及びそのスペクトルについての外挿法による推測を可能にする。例えば,所定のピクセル値が(線形ユニットにおいて)半分の光を産出することが意図されているが実際には3分の2の光を産出した場合には,6分の1の差分(3分の2と2分の1の差)が映写スクリーンの黒又はディスプレイの黒からの推測された光の量となる。同様に、推測によって半分以上の光量を,映写スクリーンの黒又はディスプレイの黒のスペクトルを産出するために,この概念は各波長について留意することによってスペクトルにも外挿される。例えば,470nmにおけるエネルギーが4分の3(2分の1ではなく)に下落した場合には,470nmにおけるエネルギーの4分の1は,
ディスプレイの黒又は映写スクリーンの黒から来ている。580nmでは,エネルギーが5/8(2分の1ではなく)に下落した場合には。580nmにおけるエネルギーの8分の1は,ディスプレイの黒又は映写スクリーンの黒から来ている。この手法が全波長に適用される場合には,黒でのスペクトルエネルギーを映写スクリーン又はディスプレイについて決定することができる。]
[0131] 原色スペクトル全体から見て黒のスペクトルエネルギーが無視できるほど少量である通常の場合には,あらゆるピクセル輝度についてのスクリーンから放出されるスペクトルが,黒のスペクトルエネルギーを(このようにガンマは不要)赤・緑・青(3以上の場合にはより多くの原色)のそれぞれの線形重みからエネルギーの線形量と加算することによって決定される。値が線形である限りにおいて,この手法は,RGB(又は3以上の)原色のとりうる値についてスクリーンから放出されたスペクトルを正確に産出する。]
[0132] 理想化されていない状況において多くの修正が可能である。]
[0133] 画像におけるピクセル値が真に線形でない場合,及び/又は,ピクセル相互作用が存在する場合には,追加的な修正がディスプレイの正確な色を実現するために適用されなければならない。そのような追加的な修正に用いられるモデルは修正される問題の性質に合致していなければならない。例えば,スクリーンの1つのエリアから他のエリアへの光の放出は,スクリーンの各エリアから放出される光の量に倣ったものでなければならない。他の例として,スクリーンが大量の光によって薄暗くなっている場合には,スクリーンから放出される光の総量が修正のために考慮されなければならない。他の例として,スクリーンを異なる角度から及び異なる場所から見たときにスペクトル又は色バランスが変わる場合には、視聴者のスクリーンに対する位置を考慮にいれなければならない。例えば,画像の中心付近の「ホットスポット」はもっぱらスクリーンの高い増幅作用によって加工されたものであって所望の画像を表すものではないので、高増幅率の一様でないスクリーン(例えば3−Dの立体的な偏光保存に用いられるシルバースクリーン)は、マスターに関してモデルとされるべきではない。しかし,そのようなホットスポットにおける加工はマスタープレゼンテーションの間、及び/又は、最終的な表示又は映写プレゼンテーションの間に修正することができる。各原色及び白の一様な領域及び視聴場所が修正を決定するために用いられる。そのような修正は、原色及び白がスクリーンの各領域について特定の位置からスペクトル的に測定される場合には、スペクトルの変化を説明することができる。このような場合、スペクトルは、スクリーンの各領域について、各原色、白及び黒について、使用可能な視聴場所のそれぞれについて、知られ望ましくは伝達される必要がある。広いスペクトルバランスにおいてスペクトルが変化する場合には、幾つかのスペクトル重みをそのスペクトル全域に適用できる。例えば,滑らかに変化するスペクトル重みは、赤・緑・青の調整量を有する可能性がある。この調整量は、視聴場所又はスクリーン場所に関して原色スペクトルを重みづけるために、可視スペクトル(例えば、380nmから780nm)の全域について滑らかに補間する。スペクトルの変化が複雑な場合には、各画像位置及び/又は視聴場所に関するスペクトル全体の測定及び伝達が必要になる可能性がある。]
[0134] 上述した詳細な特性評価は、本発明のスペクトル保持及び伝達概念において実現可能である。]
[0135] マスタリングルームの特性評価情報を所定のプレゼンテーションに適用する方法]
[0136] 上述のように、本発明においては、マスタリングルームにおける画像表示(直接の又は映写を介しての)のスペクトル特性評価は、そのマスタールにおいて原版が作製された一群の画像とともに決定され伝達される。そのように伝達された特性評価情報をプレゼンテーションにおいて使用する場合には、スクリーンがディスプレイ(コンピュータモニターのようなもの)であるかプロジェクタ及びスクリーンであるかによらず、以下に説明する同様の手順が行われる。上述したマスタリングルームのあらゆる又は全ての特性評価は、プレゼンテーションルーム
及びディスプレイ又はプロジェクタさらにスクリーンに適用することができる。]
[0137] 通常の第1の工程はガンマ及び輝度の問題に関して画像のピクセルを修正することである。]
[0138] 次の工程は、プレゼンテーションディスプレイ又はプロジェクタの原色のプレゼンテーションスペクトルを、各原色の最大値を用いて(他は最小値にして)決定することである。]
[0139] 概念的には、マスターの黒のスペクトルは、任意的にマスターの原色スペクトルに加えられ、マスター時に各ピクセルのスペクトルを生成するために(理想化された黒は存在しないと仮定)、それらの線形表現のRGB(及び他の原色)の値によって重み付けされる。そして、プレゼンテーションシステムの黒のスペクトルが減じられ(既にプレゼンテーション環境に存在しているので)、その結果得られたスペクトルは、RGB又は3以上の原色の総計を生成するために、プレゼンテーションに用いるために、適切な(ピクセルごとに変化しうる)等色関数(例えば、CIE170−1:2006のlms錐体分光感度)で積分される(マスター及び/又はプレゼンテーションにおいて3原色以上を用いる場合の詳細については以下を参照)。このように、本発明の本態様は次のように要約される。(1)マスタリングルームの画像表示特性評価のカラースペクトル及び黒スペクトル(及び任意で白スペクトル)を決定すること。(2)決定されたスペクトルをマスター画像とともにプレゼンテーションシステムへ伝達すること。(3)プレゼンテーションシステムの黒スペクトルを決定すること。(4)マスター時に各ピクセルのスペクトルを生成するために、伝達されたスペクトルの関数としてマスター画像を修正すること。(5)修正されたマスター画像からプレゼンテーションシステムの黒スペクトルを差し引くこと。(6)プレゼンテーションに用いるため、修正されたマスター画像をディスプレイシステムの色空間にマッピングすること。]
[0140] 380nmから780nmの範囲にわたって1nmの波長分解能間隔を用いることにより、401回の乗算と同数の加算のみで各原色についての所定の積分を行うことができる。今日のパーソナルコンピュータ及びディスプレイ
グラフィックスカード、また、今日のデジタルテレビであれば、この程度の積分は各フレームについて数千回以上実行し、局所的な視角、様々な色の局所的な角サイズ、及び個人間の差異を提供することが可能である。ハイエンドのパーソナルコンピュータ、ハイエンドのグラフィックスカード、及びハイエンドの高解像度テレビを用いれば、さらにそのような積分をピクセルごとに独立に実行することすら可能である。しかし,発光スペクトル及び等色関数、またそれらの使用は、画像の複数の領域にわたって滑らかに変化する必要があり、色の関数として連続的に変化する必要があるので、通常はピクセルごとに積分を行う必要はない。それに代えて、様々なパラメータについて色行列のデルタがフレームごとに(又はシーン又はフレーム群ごとに)1度決定される。このようなデルタの重み付けされた合計は、線形的に独立の場合に用いることができる。独立の場合には、行列(望ましくは再正規化されている)の幾つかの非線形キーパラメータ値における行列との重み付け合計値は、本発明において記述される属性の全てをモデル化し処理するために用いられる。]
[0141] 新しい映画(画像シーケンス)の開始時に、機能的に可変の行列を構成するために必要なものを計算することは完全に実現可能であり、各シーンやフレームの開示時に行うことも現実的である。]
[0142] 概念的には、重み付けされた行列又は行列の差分(delta)の使用は、計算上の便法である。各ピクセルについて単一の所望のスペクトルを検討する場合には、当該ピクセル(所定の色の局所的な大きさ及び当該色の視野中心に対する関係によって決定される)の色に関連付けられた効果的な広視野角、視聴者の年齢(又は視聴者グループの平均年齢)、等色関数が、当該スペクトルCIE170−1:2006又は他の適切な色覚モデル(及び関連する機能的に可変の等色関数)にしたがって積分するために選択される。本段落の概念は、以下に詳述される。プレゼンテーションの原色スペクトルは、同じ等色関数及び逆行列で積分され、プレゼンテーションのためのピクセルの色に適用される行列が生成される(ピクセル値を線形の光に変換するガンマ又は他の関数の加算とともに)。]
[0143] 本明細書において記述される積分及び行列演算は、線形のピクセルエネルギーを用いるべきである(エネルギーが一般的に用いられより便利ではあるが、同等な線形ピクセルの光子も用いることができる)。主な理由は、行列演算子は線形演算子であり、線形の光に関して表現されたピクセル値とともに用いることが意図されていることである(つまり,放出エネルギーのフートランベルト又はcd/m2 に比例する)。]
[0144] 3以上の原色がマスター及び/又はプレゼンテーションにおいて用いられる場合には、広いスペクトルの放射体を最大にすることが理想的である(以下の議論を参照)。これは、概念的には、ピクセル処理ごとに行うことも可能ではあるが、当該関数は、3原色(通常RGB)プレゼンテーション及び/又はマスターの場合と同様に、色及び領域間で滑らかに変化する必要があるため、デルタの同じ計算上の便法又は重み付けされた行列の和(望ましくは再正規化もされる)を用いることができる。]
[0145] 1つの現実的な実装方法は、幾つかの又は全てのマスタリングルーム特性評価情報をプレゼンテーションディスプレイ又はプロジェクタを動作させるデジタル処理システムへ送ることである。このデジタル処理システムは、表示又は映写のためにピクセルを準備する際に、このデータを用いることができる。]
[0146] これらは、マスタリングルームのスペクトル評価を用いる方法の例に過ぎない。マスター時における視聴領域のスクリーンサイズに関連する問題、プレゼンテーション時のプレゼンテーション輝度や色域の絶対値に関する問題、視聴者が見ている(視点が定まっているかどうかにはよらない)場合には視聴者の年齢や視聴者の平均年齢又は個人間の差異の問題等がある。]
[0147] プロセッサ及びグラフィックスシステムを用いれば、可変の行列値を、ピクセルの位置、ピクセルの色、視聴者の位置及びスクリーンサイズに応じて全てのピクセルに作用させることは完全に現実的である。また、視聴者が見ている場合には(視聴者の視点が特定のシーンに定まっているかどうかにはよらない)さらに特定の視聴者又は平均的な視聴者の情報に応じて全てのピクセルに作用させることは完全に現実的である。]
[0148] 色及び/又は輝度の補償は、プレゼンテーション時と原本製作時とで異なる輝度レベルに対して計算することができる。また、色及び/又は輝度補償は、プレゼンテーション時と原本製作時とで異なる周辺環境(例えば、周囲における光の放出の量、部屋の色等)に対して計算することができる。]
[0149] 等色関数のマスター及びプレゼンテーションへの適用]
[0150] 参照プロジェクタ/ディスプレイのスペクトルがプレゼンテーションのプロジェクタ・ディスプレイと一致しない場合に等色関数が適用される2つのポイントがある。第1のポイントは、参照マスターに用いられるスペクトルの単数又は複数の等色関数に対するマッピングである。理想的には、参照視聴者(単数又は複数)は、典型的にはカラリスト、撮影カメラマン、及び/又は映画監督であり、少なくとも年齢ごとに、また可能であれば(おそらくは)特定の等色関数ごとに、特性評価される。参照プロジェクタ及び/又はディスプレイが広スペクトルの白のように3以上の原色を有する場合には、観測者間の差異を最小化するために広いスペクトル原色をできるだけ多く利用することが理想的である。また、色の広い領域が参照視聴者に関する10度視野等色関数を用いることができ、色の小さな領域が1度等色関数を用いることができ、中間の領域が「その間の」角度の等色関数を用いるようにするために、マスターを行う際に画像の角サイズは有用である。マスターは好ましくはマスター原色のスペクトルにおける3原色であってもよく、各原色のマスタースペクトルにおける3以上の原色を有していてもよい。例えば,赤・緑・青に加えて広スペクトルの白成分について、白成分及び赤・緑・青成分の量が4原色成分として全て伝達されてもよい。又は、4つの成分が曖昧さを有することなく伝達されるRGBの3つの成分から再構成できるように、マスターRGB値を4つの色成分(広スペクトルの白を含む)に変換する既知の関数が用いられる。]
[0151] 等色関数の適用に関する第2のポイントは、3原色であるか3以上の原色であるかによらず、マスター色が視聴者に最終プレゼンテーションとしてモニター又はプロジェクタに提示される場合である。その視聴者又は平均的な視聴者(映画の観客)を標的とする等色関数を用いることにより、また、視聴者又は平均的な視聴者にとっての角度幅を考慮に入れることにより、プレゼンテーションのために等色関数を選択することができる。4番目の広スペクトルの白が含められる場合には、それを最大限利用することにより観測者間の差異を最小化することができる。また、3以上のスペクトルがマスタースペクトルと一致するように調整される場合には、これによって参照視聴(年齢及び視角に関して調整される)からの相違が最小化される。また、3以上の原色を混合する場合には、観測者間の差異が最大となる点、
例えば、深紅(690nmより長波長)、イエロー(590nm近辺)、シアン(500nm近辺)、及び青紫(440nmより短波長)において、増加されたエネルギー(スペクトルの瞬時変動等)を加える原色の使用を最小化することが有用である。]
[0152] 完全なマスタリングルームの特性評価の例]
[0153] 完全なマスタリングルームのスペクトル評価を実現する手法が以下に記述される。]
[0154] (1)マスタリングルームにおける参照ディスプレイとして用いられるディスプレイ又はプロジェクタのための一貫した較正手法を選択し保持する。画像が再現可能であればどの較正手法が用いられるかは問題ではない。]
[0155] (2)マスターディスプレイ又はプロジェクタにおける不変の入力表現及び不変の参照設定(通常使用されるプレゼンテーション変換に関連するもの)を選択し保持する。3原色(通常はRGB)のディスプレイ及びプロジェクタについて、いかなる3原色の入力表現(RGB、XYZ、YUV等)であっても十分であるが、そのような装置の大部分は赤・緑・青の原色を放出するため、ディスプレイ又はプロジェクタに最も自然に適合する可能性が高いのはRGBである。3原色以上が用いられる場合には、各原色について特性評価されるべきである。]
[0156] (3)高位ビットを用いて(特定の測定数に基づいて選択されるビットの数とともに)全ての可能な原色入力値間でのマッピングを測定する。この測定は、黒の背景を有する小さな領域、例えば2度視野の正方形又は円、を用いるべきである。この測定は、スペクトル放射性の最も良い波長分解能用いて、(通常は1nmと5nmの間で)380nmから780nmの波長幅にわたって行うべきである。この一組の測定値が、マスタリングルームの原色の特性評価となり、3原色(又は3以上の原色)のプロジェクタピクセル入力値のディスプレイされたスペクトルへのマッピングを提供する。]
[0157] (4)一連の小領域(例えば、2度視野の正方形又は円)を用いて、スクリーン上の様々な位置(例えば,左上、中央上部、右上、左中央、右中央、左下、中央下部、右下)において、スクリーン領域への光の放出を測定する。これらの位置を用いて、全ての可能な3原色(広範囲の高位ビット)のニュートラルなグレーのパッチ(例えばピーク白の18%)及びほぼ黒色のパッチ(例えばピーク白の1%)への影響を一度に測定する。各測定は上述の工程(3)における分光放射計を用いて行われる。ニュートラルなグレーのパッチ及びほぼ黒のパッチも、黒の周辺環境で測定される。分光放射計が十分な感度を有している場合には、本当の黒の測定も有益である。黒の測定は、ディスプレイ又はプロジェクタから放出される最小値を測定するだけでなく、部屋内部の周辺光の放出も測定することができる(出口標識からスクリーン上への漏れ)。この周囲を黒にしたグレーパッチの測定は参照用のプロジェクション/ディスプレイ白色点及びその全スペクトルを生成する。この白色点(using the 18%のグレーパッチを用いた)の完全な定義は、本ステップで測定されたときに当該スペクトルによってのみ提供されるので、この白色点は、色温度によって不十分に特性分析されていることがあり、また、CIE1931・2度xy色度値によって不十分に特性分析されていることがある。3原色の場合には、白色点が最大値であり、通常はRGB値又は18%グレー値である。全色、特に白色点に関する3原色以上を用いる場合の最適化方法については以下の記述を参照。本ステップに関して、3以上の原色が存在する場合には、18%グレーパッチは一意に定まる値を持たず、等色関数の選択に依存する。この場合、幾つかの等色関数を用いて18%グレーパッチを測定することがよい。そして、各原色は、各等色関数において所望のニュートラルなグレーを保持する一方で、最大及び最小化され、また、その中間の単数又は複数の値となる。18%グレーパッチを生成する3以上の原色の量の組み合わせは通常無限に存在し、10%のグレーを生成するためには、各等色関数はこれらの(3以上の)原色の量の異なるバランスを必要とする(18%グレーの所定の「色」、例えば、5500Kのタングステン)。しかし,実際には、本発明の原理に従って、グレーは単数又は複数の広帯域のスペクトル原色の最大値を徐々に利用し、(多くの等色関数を用いることが最善であろうが)そのような設定で十分である。広スペクトルの原色の最大化は、特に広スペクトルの白及びグレーに関しては、観測者間の差異及び等色関数における相違に関する差異を最小化する。以下に説明されるように、等エネルギー光源「E」に対応する原色は、(理論上の「E」光源に従って等エリアに正規化されているため)等色関数に関して差異を示さない。]
[0158] (5)グレーパッチ及びほぼ黒のパッチを用いて工程(4)を繰り返し、スクリーンの端のそれぞれに移動され、スクリーンの中央へ漏れ放出領域の位置の組みを追加する。工程(4)及び(5)における一組の測定値はマスタリングルームの補助的な特性評価となり、周囲の画像領域からの漏れ及び電子的なプロジェクタ又はディスプレイにおいて存在する色相互間の影響(もしあれば)によるスペクトルの変化についての重要な情報を提供する。]
[0159] (6)スクリーンの中央において単一のピクセルを、特に、グレー、黄色、シアン、マゼンタ、赤・緑・青、及び存在する他のあらゆる原色における色、及び原色の全ての可能な最大値の組み合わせで照らす。精密な広ダイナミックレンジカメラ(例えば、トムソン社のヴァイパー(商標)又は適切なデジタル静止画カメラ)を用いて、プロジェクタからのピクセルのラスターを既知の数の当該カメラのピクセルで調整する。そのカメラは、望ましくは、線光源への特別の高精密マッピングを有する。カメラに用いられるレンズは、望ましくは低近接場及び広域場フレアを有し、使用されるレンズは、カメラの光学的近接場の漏れが測定値外へ無効にされるように、スペクトル的に特徴付けられていることが望ましい(実際のカメラにおいてカメラの他の光学要素は影響を有するため)。中央で、各原色及び結合された原色の1フレームを記録する。この処理を、左上、
中央上部、右上、中央左、中央右、左下、中央下部、及び右下について繰り返す。この考えを用いて、各ピクセルの近接場の漏れがモデル化される。]
[0160] 上述の手法を用いて、所定のピクセル値からのスペクトル放出についての特性評価が実現される。また、マスタリングルームにおける漏れの全ての発生源に起因するスペクトルの変更についての特性評価が実現される。後から当該マスターリームにおいて原版製作がなされる実際の画像の各々のプロジェクタ又はディスプレイの入力ピクセル値を用いて、スクリーンの全領域について実際のスクリーン発光スペクトルを計算することができる。この発光スペクトルは、装置非依存性を提供する光学的なマッチング情報を提供するために用いられる。代替的な装置はそれぞれ各色の標的スペクトルを有し、どの変換がそのスペクトル放出を有する色の再現に最適に一致するとしても(一組の等色関数を含むことが多い)その変換を適用することができる。]
[0161] このディスプレイ及びプロジェクタの特性評価は、スペクトル再現プロジェクタ又はディスプレイ(現時点では市販されているものは存在しないが)を利用する場合には、全ての色の全ての参照フレームにおける正確な又はほぼ正確なマッチングを可能にする。スペクトル再現プロジェクタ又はディスプレイは、正確に画像を再現する。また、放射される3原色以上(つまり,3以上の原色)の数の増加は、この特性評価及び以下で説明される手法を用いて容易に対応できる。多くの放射原色の異種混合を行うプレゼンテーション装置は、これらの手法によって当然に使用可能となる。このようにして,初期の3つの原色(典型的にはRGB)以上の増加する原色が発展する速さに対応する新しいディスプレイ技術への道筋が当然に存在することになる。]
[0162] これらのマスタリングルームの特性評価手順は、コンピュータ制御されたスペクトル放射計を有する自動化された又は半自動化された測定システムを用いて、定期的にマスタリングルームを再測定することで改良することができる。提示される色とこれらの色を生成するために用いられるピクセル値を測定することによって、ディスプレイ又はプロジェクタシステムを継続的に測定することが可能となる。カメラ(例えば、分光放射計動画像カメラ、ただし現時点では市販されているものは存在しない)における全ピクセルに対して用いられる分光放射計であれば、そのようなスペクトルカメラによって写されるピクセルのスペクトルを調べることにより、全ての表示された又は映写された画像について、放出されたスペクトルを継続的に測定することができる。]
[0163] この上述した手法は、プロジェクタ又はディスプレイにおけるピクセルの独立した振る舞いを仮定している。ピクセル間で独立した振る舞い、例えばスクリーン全体の明るさを出すときの所定のピクセル値の輝度の減少、が存在するならば、そのような条件をモデル化するためにはより多くの完全な特性評価が必要とされる。この問題は、プラズマディスプレイにおいて、寿命を延ばすために(画像において白い又は明るい色の割合が大きい場合にスクリーンを暗くすることによって)意図的に発生させられており、CRTディスプレイにおいて電源供給が安定化のために不十分な場合(白い又は明るい色の大きな領域を表示するために必要な電流の負荷があるので、スクリーンを暗くすることによって)発生する。]
[0164] スクリーンの領域ごとの差異]
[0165] デジタル値の光エネルギーへのマッピングは、典型的には、called映像ガンマ又は変換特性と呼ばれ、スクリーン上の位置や視聴方法に応じて変化する。このことは、スクリーン上の異なる領域における視覚上のコントラスト及び/又は彩度の変化として示される。また、視聴者が頭を動かすと(又は視聴ルームの椅子を代えると)さらに変化する。]
[0166] CRTは、プラズマやその他の種類のディスプレイと同様に、提示する指向性の色及び輝度及びガンマ変更の振る舞いを示す。逆反射型大スクリーンテレビは、既存のテレビの大部分を表し、これらの技術によって利益を得ることができる方向やスクリーン位置による差異を有する。]
[0167] 3−D立体視に影響を与える局所的な差異]
[0168] 3−D立体視に関して、輝度及び色が、それぞれの目によって、また、視聴ルーム内の視聴場所によって異なるということがしばしば起こる。所定の視聴場所における色及び輝度のスクリーンにおけるマップ(表示されたものか映写されたものかにはよらない)は、それぞれの目について、スペクトル的に又は単純化された色度及び輝度マップとして生成される。そのようなマップは、それぞれの目について、視聴場所から見た3−D表示の対応部分(つまり,左目又は右目)の全ての領域について、色及び輝度を修正するために用いられる。複数の視聴者について、一様な又は単数又は複数の視聴者にとって好適な平均マップが用いられる。複数の視聴場所、例えば複数の椅子又は小さなシーンに関しては椅子の一部分、について、スクリーンの全ての領域において(表示されたものであっても映写されたものでもよい)、スペクトル及び/又は色及び輝度の相違を測定し又は近似することが必要になる。正確な色及び輝度が少なくとも1つの椅子について提供され、互いに近接した多くの椅子に提供されることもある(例えば、映画館の中央又はリビングルームの中央)。また、視聴中心(利用可能な場合には)に関する情報も様々な角度ごとに決定される(例えば、1度から10度のCIE170−1:2006)等色関数とともに用いられる。この等色関数は、3−D立体視に適用された場合に、領域ごとに滑らかに変化する(及び時間ごとに円滑に変化してもよい)。]
[0169] 3−D立体表示には、偏光された又は2つの目の間で交互に濃度調整されるメガネが必要とされる場合がある。このメガネの特徴は、頭が向いている方向、そしてメガネのどの部分を通してスクリーンの所定の部分を見ているかによって影響を受ける。このため、特定のメガネの特性評価、色及び輝度及び任意的にスペクトルについての影響、及び頭の方向が色及び輝度を完全に修正するために必要な情報に追加される。]
[0170] メガネを必要としない3−D表示、例えば小さな指向性フィルタ(例えば、垂直の「レンチキュラー」の棒のスクリーン)に関しては、視聴場所が輝度及び色及び任意でスペクトルの十分な特性評価となる。しかし,そのような小さな指向性のフィルタは、正確に特徴づけてその表示を修正することが不可能かもしれない視聴場所に非常に敏感である。しかし,近似的な特性評価は、全ての種類の3−Dディスプレイ技術を含むほぼ全ての種類のディスプレイ技術について可能である。]
[0171] 偏光板又はシャッター付メガネ(偏光版を有する液晶であることが多い)を用いる3−Dシステムは、一般にスクリーン又はディスプレイの完全なスペクトルを提供する。しかし,近年では、左目用と右目用の画像を分離するスペクトルバンド分割手段が使用されることがある。深い(より長波長の)赤・緑及び青を各目に用い、浅い(より短波長の)赤・緑及び青を他の目に用いることで実行される。このようなスペクトルバンド分割システムは、等色関数により大きく依存する。赤・緑・青の原色についてそれぞれの目に受信されるスペクトルに基づいて正しい等色関数がそれぞれの目に独立に適用されていなければ、それぞれの目によって見える色が変わってしまうからである。本発明の方法によれば、必要なスペクトルに対して、等色関数がより完全、正確及び精密に知覚される色に適用される。このような方法は、個人間の及び等色関数間の差異に対してより敏感である。対象の色が両目で一致しない場合には、蝶の羽やガラスやプラスチック上の薄膜コーティングを見るときに一般的に見られるように(又は水上に油の薄膜がある場合にも見られる)アーチファクトが「虹色」として知覚されてしまう。このことは、それぞれの目において同じく知覚される色を有する物体よりも非常に困難な印象を与える。]
[0172] 意図的な理想化]
[0173] 理想化が意図的に行われる場合もある。例えば,黒ピクセルが特定されているときに所定のプロジェクタ又はディスプレイがスクリーンから光を放出する場合であっても、黒のピクセルがゼロ光又は少なくともあらゆるディスプレイ又はプロジェクタが生成するのと同程度に暗い光を生成することが意図されている。また、たとえ実際には一様ではないとしても、所定のピクセル値が他の要素から独立してスクリーン上のあらゆる場所と同じ量の光を生成するように、スクリーンが一様であることが意図されている。マスターディスプレイ又はプロジェクタが限定的な範囲の色のみを有しているとしても、所定の対象物(例えば花)ができる限り色鮮やかであることが意図されている。]
[0174] このような意図は、任意に特定されるが、プレゼンテーションに関して可能な限り意味が明確であるように十分に特定的であるべきである。例えば,if a全ての原色におけるゼロピクセル値が黒であるが、所定のプレゼンテーションスクリーンがその最も暗い黒に対して0.1%の白を提示する場合には、0.1%の白を表すピクセルについて何をなすべきであろうか?選択肢には次のものが含まれる。(a)0.1%のままにする。(b)0.2%になる(プレゼンテーションスクリーンに「基礎となる」黒の値を加えるという効果において)。(c)中間値である0.15%になる(これがおそらく最善の選択肢である)。この「解釈された」黒のプレゼンテーションのある点において、そのピクセルが正確に追跡することができるように、例えば0.4%以上で、ピクセル値は円滑に調整されなければならない(つまり,スクリーンの白の放出光の0.4%以上の値が正確に画像ピクセル値に基づく一方、0.4%以上の値は黒のプレゼンテーションのための特定のルールに従うようにする。このようなルールは様々な予期されるプレゼンテーションのディスプレイの様々な予期される黒の値を考慮に入れている)。そのような意図に対して、様々な状況においてどのように実装するかについての特定のルールが与えられる場合には、そのような意図は、正確な実装のルールを示すことができ、特定の意図的な結果を様々なプレゼンテーションの状況において生成することができる。]
[0175] 動画像における現在の実務は、「意図」やルールその意図を実装するためのルールを提供していない。静止画については、ICC標準色が「測色の正確性」、「理想化された黒」又は「最善のプレゼンテーション」等の意図に対応しているが、その意図をどのように実装するかという点についての特定のルールは提供していない。そのような実装は、カラープリンターの各製造業者に実装が任されており、ほとんど全てのそのような実装が文書化されていない。「ICCプロファイル」において曖昧に特定された意図の全てが意図しない及び/又は予期しない結果をもたらすことがしばしばある。]
[0176] この問題を避けるためには、意図は特定のルールに従って実装されるべきである。そのようなルールは、明確に伝達され、又は事前に調整され事前に特定されたルールを用い、どの既知のルールを使用するのか特定することによって、(望ましくは、プレゼンテーション装置及び/又は視聴条件に従って)伝達されなければならない。]
[0177] マスタリング中に、何人かのキーパーソンが異なる特定の意図を持っている可能性がある。例えば,映画監督、撮影カメラマン、及びカラリストが黒のプレゼンテーションに関して異なる特定の意図を持っている可能性がある。このような場合には、各意図に対応する各「発意者」の特定とともに全ての異なる意図を伝達することができる。キーパーソンが事後的に意図を変更する可能性がある。例えば、映画監督又は撮影カメラマンが色を変更する可能性があり、又は、ビデオ用にリマスターするときに再解釈としてシーンのガンマを変更する可能性がある。様々な意図、関連する時間及び文脈がそれぞれ伝達される。プロジェクタ又はディスプレイにマスター画像(静止画又は動画)を提示する場合には、もし1つ以上の意図がその特徴について提供されれば、所定の特徴に関する様々な意図(例えば、黒の取り扱い)の中から選択がなされる。そのような選択は、視聴者又は視聴者集団の好みによって、又は、
特定のキーパーソンの意図の選択によってなされる(例えば,撮影カメラマンの意図や映画監督の意図を選択する)。]
[0178] 意図のその他の用途]
[0179] 意図は、理想化の形態のほかにも多くの他の用途を有する。例えば,位置、視角及びスクリーン輝度はマスタリングの間にキーパーソン、例えば撮影カメラマン又は映画監督、に知られる。しかし,このスクリーン輝度及び視角は単に便宜上のものに過ぎないというのが彼らの意図かもしれず、彼らの意図する画像角サイズ及び/又は画像輝度を表していない可能性がある。それゆえ、マスタリング時のキーパーソンがマスタリングの視聴条件に関する彼らの意図を特定することは、そのような視聴条件が伝達されるとすれば有用である。例えば,マスタリング時の市長では水平角を20度に限定したが、意図されている理想的な視聴は、スクリーンの広さに対して水平角を40度に限定することかもしれない。]
[0180] また、キーパーソンの各々に受け入れられる1つ以上の意図的なマスター画像の変更がある可能性がある。例えば,撮影カメラマン及び/又は映画監督が周辺光が多い状態で黒及びダークグレーの特定の取り扱いを示す可能性があり、周辺光が少ない状態でこれとは異なる黒及びダークグレーの特定の取り扱いを示す可能性がある。撮影カメラマン及び/又は映画監督は、低彩度の色が低彩度の視聴を選択した視聴者にとって正確かつ精密に特定されるように、又は、高彩度の色が高彩度の視聴を選択した視聴者にとって正確かつ精密に特定されるように、所定の映画をより多い又はより少ない彩度で見たい視聴者に向けて特定の色の彩度を示す可能性がある。]
[0181] 他のアプローチは、映画は、黒の取り扱いに関する特定の意図をもって暗い環境で視聴されることが意図されているということである。しかし,周辺光が多い環境で視聴される場合には、黒やダークグレーの処理の細目が単数又は複数のキーパーソンによって提供される。このように、意図された視聴環境が伝達されるだけでなく、視聴環境が望ましい意図に対応するものではない場合であってもプレゼンテーションが意図的に及び正確かつ精密に特定される。マスタリング環境は意図的に、例えばマスタリングルームの光を大きく増加させることにより変更される。マスタリング環境の意図的な変更には、変更された明るい周辺光における視聴の意図のために特定のパラメータを描写する黒及びダークグレーを設定するときに、ライトを映写スクリーン又はディスプレイスクリーン上で照らすことを含む。]
[0182] 可能な場合には、意図は、プレゼンテーションにおける輝度、彩度、周辺環境の輝度、白色点、プレゼンテーションコントラスト、最大黒白比、視角、斜角視、及びプレゼンテーション環境における多くのその他の一般的なマスタリング環境に関する変更を含む。]
[0183] キーパーソンがマスタリング中に単数又は複数の変更された視聴条件及び/又は視聴設定に関する彼らの意図を伝達する多くの有用な方法がある。]
[0184] キーパーソンの設定情報が無い場合には、様々な一般的な適応変換が適用される。例えば,マスター白色点に関するプレゼンテーションの白色点を変更するときに、「von-Kries」変換を用いることが一般的である。「色の見えモデル」の多くの関数は、理想化されたマスタープレゼンテーションに関する一般的なプレゼンテーションの変更の多くを自動化するものである。白色点における変更の修正は、色の見えモデルにおける最も重要な目的の1つである。]
[0185] したがって,本発明の一態様において、様々なコンテンツクリエーターの意図を特定するルールは、プレゼンテーションシステムにおいて使用される各マスター画像とともに、そのようなあらかじめ定義された方法でコンテンツのプレゼンテーションの表示を変更するために、プレゼンテーションのコンテクスト及び/又は視聴者の選択に従って、明確に曖昧さなく伝達される。]
[0186] 線光源の補正]
[0187] ピクセル値が定義された線光源へのマッピングを有するように、又は、ピクセル値が線光源に対して補正されるようにプレゼンテーション表示又は映写のときに記述を送信するために、線光源の補正を特定することは有益である。現在の一般的な実務では、黙示的なガンマ指数又は線形の黒調整ガンマ指数(a映像システムの仕様書において「変換特性」と呼ばれる)を用いる。又は、ピクセル値の既知の関数(又は線形表現)を線光源へマッピングするために、映写システムが較正される。混合として、できるだけ多く較正を行い、較正が求められた補正を最大限に実施できなかった場合に残された情報を情報を伝達することが有用である。目標は、同じ量の光が表示又は映写の間に正確に再現されるように、ピクセル値から、マスター画面又は映写スクリーンにおいて用いられる線光源への定義されたマッピングを提供することである。]
[0188] また、ガンマ等の調整が増加又は減少し、色の彩度が増加又は減少し、輝度が増加又は減少し、又は他の変更が望まれる場合には、そのような変更を正確な線光源の表現から開始することが最善であることが多い。例えば,ピクセル値が線光源を必要とする既知の変換から始まる場合には、1.1ガンマの増加は予期されるプレゼンテーションを生成する。線光源は1.0の黙示的なガンマである(つまり,このことは、指数1は「ガンマ」指数がない場合と同じであることを意味する。)。]
[0189] マスタースクリーンの輝度]
[0190] 映画のマスタースクリーンに関する白(最大)輝度の現在の規格は、14フィートランバート(fl)であり、メートル法では40cd/m2 である。現在、正確なデジタル映画の白色点に関する議論がなされている。フィルムの映写に関しては、白色点はSMPTE(全米映画テレビジョン技術者協会)によって5400ケルビンの色温度として定義されており、非対称の余裕度として+600度及び−400度が設定されている。]
[0191] テレビのマスター参照として、22fl(63cd/m2)が典型的に使用されている輝度であるが、テレビスクリーンのホワイトレベルは30fl(85cd/m2)に設定されている。テレビのマスタリングの大部分は、通常対角線が約30インチ(76cm)の、参照直視型ブラウン管(CRT)のディスプレイを用い、白に対してD65相関色温度を用いて行われている。D65は昼光色の6500ケルビン相当であり、確定されたスペクトルを有する。しかし,D65はCIE1931xy色度に関して「相関色温度」としても定義されている。デジタルテレビのマスターディスプレイの参照白色を較正するために用いられるのは、このCIE1931xy色度依存の定義である。]
[0192] 通常の実務では、CIE1931xy色度を用いて明確にされているように、所望の白を実現するために赤・緑・青の原色のゲインが調整される。このように、ディスプレイ及びプロジェクタの「ネイティブホワイト」は、全てのゲインを最大にするので、一般には所望のホワイトバランスを生成しない。ディスプレイ及びプロジェクタの性能に関する関心は、ホワイトバランスのために必要とされる赤・緑・青の原色の調整をなるべく最大値に近づくように最適化しようとする。実際には、3原色のうち1又は2の原色がどの原色が最大値に設定される場合であっても80%から90%の間にある。]
[0193] デジタル映像を直接生成する適切な変換が定義されないことに合理的な理由は存在しないが、デジタル映画のマスターは、デジタル映像のリマスターのときには無視されることが多い。本発明の方法は、大部分のシーンについて、そのような適切な変換を生成する。]
[0194] 本発明の一実施形態は、(以下参照)4番目の原色(4以上の原色がある場合には)を広スペクトルの白として用いる。このことは、効率性及び色の正確さにとって有益であることが多い(以下に記述される)。]
[0195] 審美的な白色点]
[0196] ディスプレイ又は映写システムの審美的な白色点は、較正用の白色点と異なることがある。例えば,
SMPTEのDC−28仕様は、デジタル映画用のプロジェクタの較正に関する白色点に関するものであり、緑色を帯びた白色点を定義する。これは、CIE1931xy色度に関連し、昼光色及び黒体曲線の緑色の側面に関して定義されたものである。しかし,意図するところは、D60に近いマスタリングホワイトを用いることである。また、D55からD60、D65までの範囲において、全て14fl(40cd/m2)の輝度で、昼光色曲線とともに白色点を認めるという議論がある。]
[0197] 最大プロジェクタ又はディスプレイ輝度の基準が無視されるならば、較正用の白色点から独立して非常に広範囲の「審美的な」白色点を有することが明確に可能になる。また、所望の審美的な白色及びグレーを提供するために、広帯域スペクトルの白色光色を使用することは有用である(以下の議論を参照)。このような審美的な白色及びグレーは、等色関数の選択に比較的敏感ではないので、CIE1931xy色度への依存度が相対的に少ない。]
[0198] 人間の目は、広範囲の白色点に対して非常に適応的である。しかし,人間の視覚の「部分適応」メカニズムは使用される白色点の近似的な意味を有する。このことは、撮影カメラマン、カラリスト、及び映画監督にも当てはまる。このように、審美的な白色点が一度決定されたならば、参照白色の小さな領域を提供することによって、個人の白色点に対する適応に関する傾向を最小化することが有用である。本発明に関連して有用な1つの技術は、所望の参照白色において、適切な色調整に必要な参照白色を提供するのに役立つ、画像の周囲に小さな白い境界を提供することである。この機能は、典型的なパーソナルコンピュータにおける「ウィンドウ」の境界によって提供される(ウィンドウの境界は典型的には画像の周囲に小さな白色の境界を提供するので)。ただし、これらの白色点は典型的には調整することができない。白色に加えて、暗いシーンについても、同じホワイトカラーバランスを有するグレーのより暗いものを使用することは有用であり、ニュートラルグレーの色感覚を参照視聴者に提供することができる。このようにして、明るいシーンに対する白色のリファレンスとグレーのリファレンス(様々な輝度において)を両方ともマスタリングルームにおいて提供でき、望ましくは、画像に直接、例えば小さな境界としてホワイトバランス/グレーバランスのニュートラルな視覚リファレンスを提供する。このように、この常に見える白又はグレーのリファレンスを保持することにより、所望のホワイトバランス/グレーバランスとの一貫した関係が維持される。]
[0199] 典型的なピーク白の18%のグレーとピーク白の10%のグレーが、一般的にニュートラルな(所望の白色点を有する)カラーリファレンスとして用いられる。]
[0200] 画像の周囲に黒−白−グレーの様々な明度の傾斜を有することも有用である。この明度の傾斜は、白、グレー、黒のリファレンスを同時に提供することができる。そのような傾斜が確定されたガンマ関数又は対数ランプ関数を有する場合には、黒から白への範囲全体が傾斜を横切って与えられるのでシーンのガンマを定義することに役立つ。幾つかの傾斜が各端部(左端、右端、上端、下端)に提供され、マスタリングの間にホワイトバランスと白、グレー、及び黒についてのリファレンスとを提供する。このような調整の例が図6に示されている。] 図6
[0201] 暗い部屋でマスタリングする際には、適応によって絶対的な白色の間隔が段々と失われる。そのため、ディスプレイ又は映写スクリーンのいずれかの場所に、全時間にわたって適切な白色点における参照白色の小さな存在を有することが有用である。スクリーンの周囲の白いパッチがその色覚の知覚に干渉するので、マスタリングの間、白パッチ(又は、グレー又は黒−グレー−白の傾斜)をオン・オフ切り替えすることが有用であり、参照を提供し、静止画像又は動画像のマスターシーンの審美性への干渉を最小限にすることができる。]
[0202] 適切な色を有する暗いグレーの壁及び/又は正確な白色点カラーのホワイトリファレンスであって、映写スクリーンの一部ではないものを提供することも可能である。しかし,スペクトルは異なる可能性が高く、等色関数の選択も異なる可能性が高い。スクリーン外ののホワイト及びグレーのリファレンス色は黄斑色素の大きく外側にあるため、広角の等色関数、例えばCIE1964・10度又はCIE170−1:2006の10度視野設定(以下の議論を参照)、が最善である可能性がある。スクリーン上のホワイト及びグレーのリファレンスの使用は、画像において用いられたものと同じホワイトとグレーのリファレンススペクトルを提供する。]
[0203] 局所的な特性評価]
[0204] 様々な場所において、あらゆる又は全ての原色の組み合わせについて、スクリーンを測定しスペクトル的に特徴付けることも有用である(ただし、各原色の最大値は、別々に及び共に(白)必要な局所的な特性評価の実質的な部分を提供する。)。例えば,大部分のスクリーンは、端部近辺で輝度が減衰し、色及びスペクトルは各原色及び白色について局所的に変化し、ガンマが局所的に変化する(及び/又は線形ピクセル値の線形及び/又は非線形光源機能)。特定された特性評価は、ディスプレイの色を本発明に従って調整するためにプレゼンテーションシステムに伝達される。]
[0205] マスタープロジェクタ及びスクリーン又はディスプレイは、局所的な差異を補正しようとする。そのような場合、補正が実行されなかった残りの部分が伝達される。]
[0206] 局所的な黒の測定も有益である。ただし、これは推測によって最もよく実現されることも多い(例えば、上述したように、各各領域において白の1%と比較して白の2%を用いる)。]
[0207] 測定された情報は、領域の重みとして伝達又は提供される。この領域の重みは、(例えば、長方形の16水平方向グリッドx8の垂直方向グリッドを用いて)滑らかに混合される。しかし,スペクトルが局所的に変化する場合には、そのような地域のそれぞれのスペクトルは伝達又は提供され、同様の重みを用いて混合される。]
[0208] 局所的な黒色]
[0209] 大部分のディスプレイ、及び関連するスクリーンを有するプロジェクタは、一様な黒色のために較正しようと試みる。しかし,ディスプレイの「黒」の量はディスプレイ全般にわたって輝度及びスペクトルの両方の点で局所的に変化するので、一様な黒色のための較正は、実際には困難であることが多い。したがって,局所的に変化する黒色の測定値を伝達し又は提供することが有用である。この測定値は、スペクトル敵に、又は、一般的なスペクトルの局所的な量等の単純化によって、又は、局所的に変化するスペクトルのより包括的な表現によって伝達される。Such 局所的に変化するスペクトル表現は、通常、スペクトル的に特定された領域を通じ、滑らかに混合して適切に伝達される。例えば,黒スペクトルの16水平方向グリッドx8の垂直方向グリッドの長方形の表現は、滑らかに補間され、スクリーン又はディスプレイの全ての点において黒スペクトルエネルギー(ゼロピクセル値に対応する)を生成する。]
[0210] 指向性の特性評価]
[0211] 局所的な特性評価に加えて、幾つかの種類のディスプレイ(液晶ディスプレイ等)及び幾つかの種類のスクリーン(ハイゲインスクリーン等)では、指向性の特性評価がある。そのような特性評価はスクリーンの視聴者に対する角度に依存する。視聴者に対する距離はスクリーンの様々な部分の角度に影響を与えるので、スクリーンまでの絶対距離も指向性特性評価の要素とされることが多い。]
[0212] 複数の視聴場所があり、映画監督が1つの椅子に座り、撮影カメラマンが他の椅子に座り、カラリストがさらに他の椅子に座っている場合、あらゆる指向性の影響が各人によって見られる画像を変化させる可能性がある。多くの指向性の影響がある場合には、あらゆるシーンについてマスタリングの間に存在する各キーパーソンに関して指向性の特性評価を特定することが有用である。]
[0213] LCDディスプレイの指向性は重要であり、色、ガンマ(又は線光源のピクセル値関数)、及びスペクトルに影響を与え変更し、補助的な効果を変更する(部屋の漏れの量等)。高増幅又はシルバーの3D偏光保持スクリーンの指向性も非常に重要である。このように、マスタリング及び/又は所定のプレゼンテーションの間に、特に主な視聴者に関する指向性の特性評価を測定することは、正確な色を描写する可能性において有益である可能性がある。]
[0214] 映写スクリーン又はディスプレイでの光反射(鏡面反射及びランバート反射)]
[0215] 部屋からのディスプレイ又は映写スクリーンへの光の放出は、視聴者に散乱される散乱(ランバート反射)光と反射(鏡面反射)光との組み合わせである。]
[0216] 部屋の光源領域の反射が1つの要素あり(例えば、スクリーンの左上にぼんやりとした緑色の反射として表れる出口標識)、スクリーン上に見えるものに影響を与える。ハイゲイン映写スクリーン又はディスプレイスクリーンの反射カバーガラス(又はプラスチック)が存在すると、部屋の環境光は指向性を持って反射され、スクリーンの場所によって変化する。]
[0217] ハイゲインスクリーン及び反射ディスプレイ上では、部屋における物体及び光の色の付いた鏡面反射は要素となる。例えば,ハイゲインのシルバーの偏光保持スクリーン(典型的には3−D映写用に用いられる)は、明るい色のシャツ又はブラウスを反射位置で(通常は鏡のように等角反射であるがスクリーンによってやや分光される)。ローゲイン(0.8から1.3の間)のマスタースクリーン及びマットな反射しないディスプレイをマスタリングに用いることは、鏡面反射を最小化するために役立つ。]
权利要求:

請求項1
少なくとも1の画像についての正確かつ精密な色の表現方法であって,各画像は複数の原色を表すピクセル値によって表現されており,(a)少なくとも1つの表示画像の少なくとも1つの部分に対応するスペクトル特性評価を測定又は決定し,(b)各表示画像を表す前記ピクセル値,及び,その画像の前記対応するスペクトル特性評価を伝達又は蓄積し,(c)その画像前記対応するスペクトル特性評価を適用し,前記ピクセル値を変換する方法。
請求項2
前記ディスプレイ画像環境における表示画像に影響を与えるスペクトル及び/又はコントラストの乱れを測定又は決定し,(d) 前記スペクトル及び/又はコントラストの乱れを伝達又は蓄積し,(e)前記スペクトル及び/又はコントラストの乱れを適用し,プレゼンテーションディスプレイの前に前記ピクセル値を変換する請求項1に記載の方法
請求項3
前記ディスプレイ画像環境の補助的なシーン情報を測定又は決定し,(f)前記補助的なシーン情報を伝達又は蓄積し,(g)前記補助的なシーン情報を適用し,プレゼンテーションディスプレイの前に前記ピクセル値を変換する請求項1に記載の方法。
請求項4
前記スペクトル特性評価はスペクトルマップとして表現される請求項1に記載の方法。
請求項5
少なくとも1つの表示画像が較正画像である請求項1に記載の方法。
請求項6
(a)前記スペクトル特性評価においてスペクトルエネルギースパイクを特定し,(b)前記スペクトルエネルギースパイクの前記エネルギーの少なくとも一部を前記スペクトル特性評価から除外する請求項1に記載の方法。
請求項7
(a)前記少なくとも1つのディスプレイ画像の少なくとも1つの領域の光源のスペクトルを決定し,(b)決定された光源スペクトルの選択された部分とともに前記ピクセル値を増加させる請求項1に記載の方法。
請求項8
前記その画像前記対応するスペクトル特性評価を適用し,前記ピクセル値を変換する工程が,各ピクセルに応じて局所的に変化する等色関数を適用する請求項1に記載の方法。
請求項9
(a)前記スペクトル特性評価を少なくとも4原色にわたって測定し,前記4原色が少なくとも1つの広帯域のスペクトル放出成分を含み,(b)各広帯域のスペクトル放出成分の前記エネルギーを最大化する請求項1に記載の方法。
請求項10
(a)少なくとも1つのプレゼンテーションディスプレイ画像のスペクトル特性評価を測定又は決定し(b)そのプレゼンテーションディスプレイ画像の前記スペクトル特性評価を適用し,プレゼンテーションディスプレイの前に前記伝達又は蓄積された画像の前記ピクセル値を変換する請求項1に記載の方法。
請求項11
(a)前記プレゼンテーションディスプレイ環境において,表示されたプレゼンテーション画像に影響を与えるスペクトル及び/又は紺トラスの乱れを測定又は決定し,(b)前記スペクトル及び/又はコントラストの乱れを適用し,プレゼンテーションディスプレイの前に前記伝達又は蓄積された画像の前記ピクセル値を変換する請求項1に記載の方法。
請求項12
(a)前記プレゼンテーションディスプレイ環境の補助的なシーン情報を測定又は決定し,(b)前記補助的なシーン情報を適用し,プレゼンテーションディスプレイの前に前記伝達又は蓄積された画像の前記ピクセル値を変換する請求項1に記載の方法。
請求項13
前記補助的なシーン情報が,視聴者の年齢,視聴者の視聴中心,視聴者の黄斑の色の特性評価,及び前記プレゼンテーションディスプレイ画像の前記角サイズ,のうち少なくとも1つを含む請求項12に記載の方法。
請求項14
少なくとも1の画像の色の表現を調整する方法であって,各画像は複数の原色を表現するピクセル値によって表され,(a)少なくとも,(1)少なくとも1つの表示されたプレゼンテーション画像に対応するスペクトル特性評価,及び(2)前記プレゼンテーションディスプレイ環境において表示されたプレゼンテーション画像に影響を与える少なくとも1つのスペクトル又はコントラストの乱れ,を含むプレゼンテーション環境情報測定又は決定し,(b)前記プレゼンテーション環境情報を適用して前記少なくとも1つの画像の前記ピクセル値を変換し,(c)前記変換されたピクセル値をプレゼンテーションディスプレイに表示する方法。
請求項15
(a)前記スペクトル特性評価を少なくとも4原色にわたって測定し,前記4原色が少なくとも1つの広帯域のスペクトル放出成分を含み(b)各広帯域のスペクトル放出成分の前記エネルギーを最大化する請求項14に記載の方法。
請求項16
前記プレゼンテーション環境情報が前記プレゼンテーションディスプレイ環境の補助的なシーン情報を含む請求項14に記載の方法。
請求項17
前記補助的なシーン情報が,視聴者の年齢,視聴者の視聴中心,視聴者の黄斑の色の特性評価,及び前記プレゼンテーションディスプレイ画像の前記角サイズ,のうち少なくとも1つを含む請求項16に記載の方法。
請求項18
少なくとも1つの表示画像が較正画像である請求項14に記載の方法。
請求項19
少なくとも原色を表すピクセルを含むカラー画像を変換する方法であって,(a)a原色の前記ピクセルをbスペクトル重みにマッピングし,bは少なくともa+1に等しく,(b)前記bスペクトル重みをmプレゼンテーションのcセット及びn知覚重みで積分し,b−1以下であるが少なくとも3であり,cプレゼンテーションの原色となる。
請求項20
前記スペクトル重みが多次元で補間され,ディスプレイシステムの特性評価及びプレゼンテーション環境の特性評価の少なくとも1つから生じる前記カラー画像における前記ピクセルの輝度の差異を補う請求項19に記載の方法。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
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