专利摘要:
固体、液体、ガス状および関連炭化水素供給原料を、連結された多重金属浴反応器においてさらに処理され得る高純度の高圧ガス流に変換するための経済的に実行可能であり、環境に優しい方法を記載する。
公开号:JP2011514240A
申请号:JP2010545240
申请日:2009-02-02
公开日:2011-05-06
发明作者:コリンズ,マイケル,シー.;バッハ,ロバート,ディー.
申请人:テキサス シンガス,インコーポレイテッド;
IPC主号:B01J3-04
专利说明:

[0001] 関連出願の部
本願は、2008年2月1日に出願された米国仮特許出願第61/025,684号の恩典を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書中に援用される。]
[0002] 発明の分野
本発明には、メタン(CH4)、合成ガス(CO/H2)および水素(H2)を含む高純度、高圧ガス流の製造方法が記載される。該方法は、大量のこれらのガス生成物を、従来技術の方法で現在利用されているものよりも低コストで製造するために有利に使用することができる。メタンガス流は、燃料もしくはエネルギー源として、および/または様々な高分子量炭化水素を製造するための基礎単位として使用することができる。水素ガスは、限定されないが、液体金属に溶解した炭素の還元、燃料電池中のH2蓄積および水素化反応などの種々の適用に使用することができる。一態様において、合成ガス(CO/H2)は、フィッシャー・トロプシュ反応などの非常に多様な化学物質の変換における使用のために、高圧および高純度下で1:1の比で送達することができる。]
背景技術

[0003] 発明の背景
現在、世界規模のエネルギー不足が起こり、石炭などの天然に豊富にある資源を、より広範に利用できる合成ガス(CO/H2)、水素(H2)、メタン(CH4)および他の低分子量炭化水素などのガス材料に変換するための新規技術に対して特に重点が置かれていることが十分に確立されている。さらに、天然ガスおよび天然ガスに代わって使用可能な価値の高いエネルギー源の経済的な製造が経済的に必要になってきている。天然ガスは、約80〜85%のメタン(CH4)、約10%のエタン(C2H6)と共に、プロパン(C3H8)およびブタン(C4H10)を含む様々なパーセンテージの高級炭化水素を含む組成を有する。天然ガスの主成分であるメタンは、約23,875 Btu/lbの発熱量を有する。]
[0004] 天然ガスおよび他の高BTUガス組成物を現場で製造して発電などのエネルギー消費適用に利用することは特に有利である。石炭を燃焼して蒸気を生成し、電気の生成に使用することができるが、石炭鉱床は、しばしば硫黄や水銀などの高レベルの不純物を含むことがあり、結果的に利用までに費用のかかる処理を行う必要がある。従って、石炭中の炭素をメタンガスなどの高純度の炭化水素生成物に直接変換することが、非常に望ましいこととされている。現在利用可能な多くの方法は、経済的であると証明されていない。現在のエネルギーおよび原料の要求に応じるために、低級石炭源を潜在的に使用できる、非常に経済的かつ環境的に有効な新規の方法を開発する必要がある。]
[0005] 石炭のガス化法とは著しく対照的に、灰化は通常、熱分解(1200℃)と高温の火炎により開始される燃焼の組合せを含む。このような高温では、熱分解により有機化合物はさらに酸化性の形態に変換されるが、酸化工程には、得られた最初の高エネルギー炭素片と酸素の実際の衝突が必要である。分子レベルでの効率的な混合がなければ酸化の速度は遅くなる。代替的に、石炭ガス化法のより最近の方法は高温で開始されるが、分子断片に熱分解されて、次いで原子炭素を利用可能な気体種に化学的に変換するために、石炭は熱い溶融金属浴に注入される。]
[0006] Rummelの米国特許第2,647,045号では、例えば鉄鉱石の還元または「石炭生成物の非燃焼残留物」から得られた溶融スラグ浴を循環させて、最終的に分割された石炭をスラグ浴に注入し、「吸熱性気体反応物」、例えば水およびCO2とともに別途、空気の添加も行う。Johansonによる米国特許第3,700,584では、石炭を有用な炭化水素生成物に変換するガス化法において、高酸素含有量を有する低質な石炭が処理されている。]
[0007] 米国特許第4,388,084号では、石炭ガス化法に鉄浴が使用される。Okamuraらの米国特許第4,389,246号には、溶融鉄浴を使用する石炭ガス化法に関して、エタンの底部ブローが記載されている。エタンまたは他の炭化水素ガスは混合物を攪拌するために使用され、Okamuraらによるとこれらは酸化ガスと同等であると考えられている。Gernhardtら米国特許第4,043,766号;Okamuraら米国特許第4,389,246号;Okaneら米国特許第4,388,084号およびBellら米国特許第4,431,612号には、上部からの注入が使用されている。]
[0008] 蒸気と炭素から合成ガスを製造するための他の方法が開示されている。例えばLeonarzの米国特許第1,592,861号には、蒸気と非結合炭素を、溶融金属の浴中で接触させることによる、水性ガスの製造方法が記載されている。900℃〜1200℃の温度で蒸気はそれぞれの成分に分解される。ガス中の酸素と結合した炭素は一酸化炭素を生じるには充分な量であるが、測定可能な量の二酸化炭素は生じない。]
[0009] 米国特許第4,187,672号および第4,244,180号では、Rasorにより、石炭の上部導入により生じる炭素のための溶媒として溶融鉄が使用され、次いで炭素は長い滞留時間中に酸化鉄により、および上部からの酸素の導入により部分的に酸化される。例えば、原料石炭は、1200℃〜1700℃の温度で、溶融鉄などの溶融金属浴中でガス化することができる。蒸気を注入して、炭素と吸熱的に反応させ、反応を減速させる。Rasorの開示には、別個の炭化および酸化チャンバーが主張されている。]
[0010] 米国特許第4,574,714号および第4,602,574号のBachらには、有機廃棄物を酸素とともに金属またはスラグ浴に注入することによる、鉄製造施設で使用されるような有機廃棄物の破壊方法が記載されている。米国特許第5,322,547号および第5,358,549号のNagelらには、有機廃棄物を、金属含有成分の金属を化学的に還元して溶解した中間物を形成する第一の還元剤を含む溶融金属浴に注入することが記載されている。第二の還元剤は、溶融金属浴に注入される。第二の還元剤は、溶融金属浴の操作中に、溶解した中間物の金属を化学的に還元して、それにより廃棄物の金属成分を、間接的に、化学的に還元する。]
[0011] 水素ガス(H2)は、天然ガス、バイオマスおよび水(蒸気)などの供給原料から、種々の技術を使用して製造することができる。Okaneらによる4,388,084号には、石炭、酸素および蒸気を約1500℃の温度で溶融鉄に注入する石炭のガス化法が開示されている。酸化性金属種を用いた蒸気の還元による水素の製造も公知である。例えば、Belkeらによる米国特許第4,343,624号には、3段階水素製造法、および蒸気酸化法を利用する装置が開示されている。Maloneらによる米国特許第5,645,615号には、石炭などの炭素および酸素を含む原料を、水没させた槍を使用して溶融金属に注入することにより、分解する方法が開示されている。米国特許第6,110,239号のMaloneらには、炭素濃度を調節するために、溶融金属が、垂直バッフルにより同一の反応器中の異なる領域に移送される5気圧よりも高い圧力で作動する、水素濃縮および一酸化炭素濃縮ガス流を製造する炭化水素ガス化法が記載されている。]
[0012] 米国特許第6,682,714号、第6,685,754号および第6,663,681号のKindigらの方法には、H2Oから酸素を分離するための金属/金属酸化物対を使用した、蒸気還元により形成される水素ガスの製造が記載される。該方法では、溶融金属酸化物をCOまたは石炭などの炭素源で還元するNagelら米国特許第5,358,549号の基本的な操作の1つが利用されている。蒸気を、スズなどの希釈金属に溶解した鉄などの第一の反応性金属を含む溶融金属混合物と接触させる。反応性金属は金属酸化物に酸化され、水素ガスを生じ、次いで金属または金属酸化物が実質的に第2の反応器に移動することなく、金属酸化物はH2のさらなる製造のために再度金属に還元され得る。数百トンの材料を伴う商業的に有用な規模で、FeおよびFeOなどの非気体材料の物理的な移動を回避することで、水素ガスの製造に伴うコストを低減し得ることが示唆されている。Kindigら(米国特許第7,335,320号)では、ガス流から酸化炭素を除去することなく、数百トンの材料を使用して、水素含有合成ガス(H2:CO)を1:1のモル比で製造している。]
[0013] 鉄/酸化鉄以外に種々の金属/金属酸化物システムが使用されている。例えば、Spacilによる米国特許第3,821,362号では、水素の形成のためのSn/SnO2の使用が説明されている。溶融スズを霧化して蒸気と接触させ、SnO2およびH2を形成し、SnO2は液体スズに還元して戻される。]
[0014] Davisらは、米国特許出願公開公報第20060228294号(欧州特許EP1874453)において、高温金属浴反応器中で有機および無機廃棄物材料を処理して、蒸気と鉄金属との反応により、合成ガスを製造する方法および装置を記載している。しかし、この方法には、均衡のとれた合成ガスの製造を維持するために、酸素、蒸気を注入することおよび/または高発熱量の1つ以上のさらなる供給材料をともに供給することが必要である。]
[0015] しかしながら、上述の方法に関わらず、高圧および高温で合成ガスを製造するより効率的な方法が依然として望ましい目標である。]
[0016] 発明の概要
一態様において、本発明は、高温および高圧に耐え得る反応器システムに関する。該反応器システムは、1つ以上の反応チャンバーを含み、1つ以上の工程を必要とする方法に使用することができる。]
[0017] 一態様において、該方法は、石炭などの炭化水素供給原料を第1の高温液体金属浴(例えば本明細書に記載される反応器のチャンバー)に注入して、それにより200バール以上の圧力および/または99重量%以上の純度で、メタン(CH4)、合成ガス(CO/H2)、H2、COおよび高級炭化水素などの価値のある生成物を提供する、具体的な化学的操作のための機会を提供することを含む。CO、CO2、H2S、H2およびN2などのこの第1の浴で製造された放出ガス(off gas)は、第2の溶融金属浴(例えば同じまたは異なる反応器中)に移送されてさらに処理され得る。不純物は、スラグとして除去され得るか、または下側浴において気体形態で除去され得る。連結された上側浴などの別の金属浴中で還元化学反応が起こり得る。第1または主要な金属浴に溶解した炭素は、精製メタンを製造するための炭素の還元、または高圧化でCOおよび/またはH2を製造するための水の還元などの還元反応のために、第2の、好ましくは上側浴に(例えば圧力差または機械的な手段により、例えば垂直方向または水平方向に)移送され得る。連結された浴間の金属移送速度は、排ガス制御弁を用いた圧力の放出もしくは増大により、およびまたは供給原料の注入速度の調節により制御可能である。金属酸化物が濃縮された隣接する上側液体金属浴における不純物を含まない金属の蒸気による酸化により、化学量比1:1の合成ガス(CO/H2)の純粋な高圧蒸気がもたらされる。この多重(multiple)連結金属浴技術は、高純度、高圧気体生成物に加えてH2SO4およびCO2を含むがこれに限定されない商品性副産物を提供する種々の炭化水素材料を改善(remediate)し得る。]
[0018] 本発明の1つの好ましい態様には、高純度かつ任意に高圧な合成ガス(CO/H2)またはH2ガス流および/または高純度、高圧「炭素含有」ガス流が代替的に、独立しておよび/または同時に、多数の領域を含む溶融金属浴から別々に、好ましくは連続的に製造される方法が記載される。用語「高純度」合成ガスまたはH2ガスは、少なくとも約99重量%で、好ましくは少なくとも約99.5%でCOおよび/またはH2を含むガス流を意味する。本明細書に記載の発明に従って約99.9重量%の純度レベルが達成された。用語「高純度」炭素含有ガス流は、少なくとも約99重量%で炭素含有化合物、例えば炭化水素(好ましくはメタンおよび/または他のC1〜C4炭化水素)、および好ましくは少なくとも約99.5重量%で炭素含有化合物、例えば好ましくは少なくとも約99.5重量%でメタンを含むガス流を意味する。再度、約99.9重量%のメタンの純度は達成可能である。]
[0019] 本明細書に記載される方法により製造されるガス流は、高圧で得ることができる。もちろん、ガスの圧力は低くてもよく、あるいは圧力はさらに高くてもよく、または気流を液化してもよい。用語「高圧」合成ガスまたはH2ガスは、ガス流放出プロセスについて言及する場合、少なくとも約1バール、好ましくは少なくとも約10バール、または最も好ましくは少なくとも約100バールの圧力を有するガス流を意味する。反応器は、好ましくは約600バールまで、例えば約150バール〜200バールの圧力に対応し得る。]
図面の簡単な説明

[0020] 図1は、本発明の金属浴反応器の一例の概念的な図である。
図2は、新規の溶融金属収容槽の別の例の概念的な図である。
図3は、本発明の方法を実施するための全反応器を構成する、水平および垂直の両位置に並列可能な、一連の溶融金属浴の模式的表示である。]
[0021] 発明の詳細な説明
ここで、本発明の方法の特徴および他の詳細は、添付の図3を参照してより具体的に記載され、特許請求の範囲において指摘される。本発明の具体的な態様は、本発明の限定ではなく例示の目的で示されることが理解されよう。本発明の原理的な特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく種々の態様において使用され得る。]
[0022] 一態様において、本発明は、
a. 浴(bath)温度T1および浴槽(vessel)圧P1を有する浴を収容(contain)し得る浴槽;および
b.ハウジング温度T10を特徴とする反応器ハウジング
を備える、高温および高圧に耐え得る反応器システムであって、
第1の浴槽は、ハウジングに収容され、その間に配置されたガスゾーン圧P10を有するガスゾーンを有し、P10はP1とほぼ同じであり、T10はT1よりも低い、反応器システムに関する。1つよりも多い浴槽(例えば2、3、4またはそれ以上)は1、2またはそれ以上の反応器ハウジング内に含まれ得る。]
[0023] 別の態様において、本発明は、
a.浴温度T1および浴圧力P1を有する金属浴を収容し得る第1の浴槽;
b. 前記第1の浴槽の上に配置された、浴温度T2および浴槽圧力P2を有する浴を収容し得る第2の浴槽;
c. 第1の浴槽および第2の浴槽と流体により連絡し(in fluid communication with)、P2とP1の圧力差により前記第1の浴槽中にある液体の前記第2の浴槽への移送が起こる、第1の導管(conduit);ならびに
d. 第1の浴槽および第2の浴槽と流体により連絡し、重力により前記第2の浴槽中にある液体金属の前記第1の浴槽への移送が起こる、第2の導管
を備える反応器システムを含む。]
[0024] 溶融金属反応器の浴槽、例えば限定されないが、本明細書に記載される反応器は、以下でより詳細に記載される溶融金属浴を収容する。一般に、溶融金属浴は、鉄/酸化鉄および/またはニッケルなどの反応種を含む。鉄などの反応種は、固体、例えば鉄くずとして添加および維持され得、それ自体が溶融されている必要はない。有利なことに、溶融金属浴の密度は反応種の密度に近く、それにより固体反応種は実質的に懸濁状態で維持されることが見出された。このことは、浴の合金成分および温度ならびにそれにより浴の融点を最適化することにより達成され得る。反応種を懸濁状態で維持することで低い反応温度が可能になり、反応時間が改善され、層形成による損失が回避される。]
[0025] 浴温度(T1、T2、T3、T4等)は、一般的に約200Fよりも高く、好ましくは約500Fよりも高く、約1000Fまたは約3000F以上までであり得る。これに対して、反応器ハウジング温度は、一般に、浴槽温度よりも実質的に低く、室温(以下)〜約500Fの間であり得る。浴温度(1つまたは複数)とハウジング温度(1つまたは複数)の差は、例えば少なくとも約100F、好ましくは少なくとも約200F、より好ましくは約300Fより高くてもよい。]
[0026] 浴槽圧力は、浴槽の周りのガスゾーン圧力と実質的に同じである。該圧力は、圧力が約10%以内、例えば約5%以内である場合には実質的に同じであると見なされる。好ましくは、ガスゾーン圧力は、浴槽圧力よりもわずかに高い(例えば約1%)。浴槽圧力は好ましくは少なくとも約1バールであり、例えば5バールよりも高く、例えば約10バールまたは約100バールよりも高い。600バール以上の圧力に達してもよい。好ましくは、浴槽圧力は約150〜200バールである。]
[0027] 浴槽を内包する反応器ハウジング中のガスゾーンは、好ましくは不活性ガスなどのガスで充填されている。適切なガスとしては、空気、二酸化炭素およびアルゴンが挙げられる。二酸化炭素が好ましい。不活性ガスを使用することが重要である(例えば反応器ハウジングに誘導コイルを備える)場合、アルゴンが使用され得る。良好な絶縁特性をもたらすようにガスを選択し得る。]
[0028] 各浴槽は、好ましくは溶融金属浴に耐え得る材料で作製され、好ましくは少なくとも50,000psi、好ましくは少なくとも約100,000psiの抗張力を有する。例えば、5インチの厚さのステンレス鋼槽またはグラファイト槽が使用できる。任意に、槽は適切な耐熱性材料で裏打ちされ得る。]
[0029] 反応器システムは、任意にそれぞれのハウジング中に第2もしくは第3またはそれ以上の浴槽を備え得る。一態様において、第2の浴槽は、第1の浴槽上に垂直に配置されるが、槽を水平に配置することも可能である。浴槽を垂直に並べる場合、反応器ハウジングに連結したステンレス鋼プレートなどのプレートで、槽を分離することができる。好ましくは、槽は、例えば圧縮密封で、プレートにより密封される。]
[0030] 少なくとも2つの槽の液体浴は、好ましくは液体により連絡している。一態様において、第2(または上側)の浴槽中の浴槽圧力P2は、第1または下側浴槽の浴槽圧力P1よりも低い。これにより、下側浴の液体を機械的手段の補助なく上側浴へ上昇または輸送可能な圧力差が生じる。もちろん、浴槽間の液体の移送は、機械的にも達成または補助され得る。]
[0031] この態様において、反応器システムはさらに、第2の浴槽および第1の浴槽と流体により連絡し、それによりP1とP2の圧力差によって前記第1の浴槽中にある溶融金属の前記第2の浴槽への移送が生じる第1の導管を備える。好ましくは、第1の導管は、第1の浴槽の下半分に配置された供給口および第2の浴槽の上半分に配置された排出口を備える。好ましくは、第1の導管は、溶融金属の移送を制御するための第1の弁を備える。]
[0032] 反応器システムは、代替的にまたは付加的に、第2の浴槽および第1の浴槽と流体により連絡し、それにより重力によって前記上側の第2の浴槽中にある溶融金属の前記第1の浴槽への移送が生じる第2の導管を備える。好ましくは、第2の導管は、第2の浴槽の下半分に配置された供給口および第1の浴槽の上半分に配置された排出口を備える。第2の導管は、溶融金属の移送を制御するための第2の弁(例えばボール弁)を含み得る。第1および第2の導管の両方がある場合、浴槽間で双方向の流れが達成され得る。]
[0033] 反応器システムには、好ましくは適切な供給口および排出口が備えられている。例えば、それぞれの浴槽は、少なくとも1つのガス排気ポート、少なくとも1つの蒸気供給ポート、少なくとも1つの供給原料供給ポート、少なくとも1つのガス蒸気供給ポートおよび/またはスラグ除去ポートを特徴とする。供給ポートは、それぞれの浴槽中の溶融金属の表面の上、好ましくは下に配置され得、注入羽口を含み得る。一般的に、ガス排気ポートは反応器のヘッドスペースに配置される。一般的に、スラグ除去ポートは、液体浴の表面レベルの近くに配置される。]
[0034] 槽はさらに、滞留時間を制御するために、浴内部の供給物、ガスおよび/または溶融金属の流れを方向付けるためのバッフル、プレートまたは他の手段を含む。]
[0035] 反応器システムは、上述の反応器を複数備えていてもよい。この態様において、反応器システムは、さらに、例えば:
a.浴温度T3および浴圧力P3を有する溶融金属浴を収容し得る第3の浴槽;
b. 前記第3の浴槽上に配置された、浴温度T4および浴槽圧力P4を有する溶融金属浴を収容し得る第4の浴槽;
c.ハウジング温度T11を特徴とする第2の反応器ハウジング、ここで第3の浴槽は、第2の反応器ハウジングに収容され、それらの間に配置されたガスゾーン圧力P11を有するガスゾーンを有し、P11はP3とほぼ同じであり、T11はT3よりも低い;
d. 第3の浴槽および第4の浴槽と流体により連絡し、それによりP3とP4の圧力差によって前記第3の浴槽中にある溶融金属の前記第4の上側浴槽への移送が起こる第3の導管、ここで第3の導管は、第3の浴槽の下半分に配置された供給口および第4の浴槽の上半分に配置された排出口を備える;
e. 第3の浴槽および第4の浴槽と流体により連絡し、それにより重力によってり前記第4の浴槽中にある溶融金属の前記第3の浴槽への移送が起こる第4の導管、ここで第4の導管は、第4の浴槽の下半分に配置された供給口および第3の浴槽の上半分に配置された排出口を備える、
を備える。]
[0036] 多重反応器ハウジングは、例えば4つの浴槽を有する四連配置反応器として別々に分離されていてもよく、または連結されていてもよい。]
[0037] 図1および図2を参照すると、図1は、全体を数字10で示す液体金属または溶融金属浴システムの一例の概念図である。図1の例において、システム10は、反応器ハウジング16中に配置された第1のチャンバー12および第2のチャンバー14を含む。システム10は1つ、2つまたはそれ以上のチャンバーを含み得る。さらに、システム10の多数のチャンバーは、本明細書において一般的に反応器と称する1つ以上の別々の槽に一体化され得る。]
[0038] 説明のために、システム10は、供給原料由来の固体、液体および気体成分を処理するために利用される。供給原料は高温液体金属浴18に注入され、ここで該成分がそれぞれの原子構成成分に分解される。高圧で作動する多重液体金属浴は、大きな利点のために成分および化合物のさらなる分割を考慮する。従って、1つのチャンバーまたは浴から液体金属を別のチャンバーまたは浴に移送することを容易にするシステムは、利点を助長する。]
[0039] 説明のために、第1のチャンバー12を、第1または最初の反応器浴として本明細書に提供する。供給原料は、第1のチャンバーまたは浴12に収容される溶融金属18に注入される。溶融金属18は、全体を数字20で示す溶融金属移送システムを介して、さらなる処理のために、第2のチャンバーまたは浴14に移送される。溶融金属18はさらに、さらなるチャンバーに移送され得るか、または第1のチャンバー12に戻される。]
[0040] 溶融金属18の移送のために様々な手段および機構が利用され得る。移送システム20の一例を本明細書に記載しており、溶融金属18を水平または垂直に移送するために適用される。図示した例において、移送システム20は、圧力差を利用する。例えば、溶融金属18aはチャンバー12に入れられ、溶融金属18bは、この例においては立面図上、または圧力ヘッドに関してはチャンバー12の上にあるチャンバー14に入れられる。液体金属移送システム20は、配管22および制御ユニット24を含む。配管22は、チャンバー12と14の間に1つ以上の液路を提供する。この例において、導管22aはチャンバー12からチャンバー14への通路を提供し、導管22bはチャンバー14からチャンバー12への通路を提供する。制御ユニット24は、1つ以上の放出ポート26a、26bならびにチャンバー12および14に機能的かつ操作的に連結される。圧力差ならびにチャンバー12および14からの供給および放出の制御を利用して、コントローラ24は種々のチャンバー中の金属18の所望の移動をもたらす。]
[0041] 本発明のシステムの別の局面は、新規の断熱槽設計を提供することである。ここで、単一チャンバー反応器16の概念図が説明される図2を参照する。反応器16は、内部槽26および外部槽28を含む。流体断熱物質30が内部槽26と外部槽28の間に配置される。この例において、断熱物質30は、液体または気体のいずれかである。断熱物質30の一例はアルゴンである。]
[0042] 内部槽26は例えば160バールの圧力である。アルゴンなどの断熱流体30は、内部槽の内側の圧力に近いかまたはそれよりも高い圧力で槽26と28の間に収容され得る。断熱物質30は、外部槽30を内部温度から保護することを容易にし、圧力封じ込め手段を提供する。]
[0043] 該反応器システムは、多段階反応において有利に使用することができる。例えば、それぞれの浴槽はヘッドスペースを特徴とし得、第1の浴槽のヘッドスペースは別の浴槽、例えば第3の浴槽の溶融金属浴と流体により連絡し、第4の浴槽のヘッドスペースは別の浴槽、例えば第2の浴槽と流体により連絡している。第1および/または第2の浴槽の上、下、間またはその隣で、さらなる槽をハウジングに組み込むことができる。例えば、浴で生じた熱の分散の最適化を補助するために、熱交換器を組み込むことができる。種々の組合せは容易に構想され得る。]
[0044] 反応器システムは、高純度、高圧ガス流および他の生成物を製造するために使用され得る。]
[0045] 本発明の別の局面は、好ましくは(必ずしも限定されない)本明細書に記載の反応器を使用する、高純度、高圧ガス流の製造方法を含む。本発明の一態様において、高純度メタンガスの製造方法は、
a. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの圧力P1で維持される、第1の溶融金属浴を収容する第1の浴槽に、炭素含有供給物流を添加し、一酸化炭素および硫化水素を含む第1の槽ガス流を製造する工程;
b. 第1の浴槽から第1の槽ガス流を除去し、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第3の圧力P3で維持される、第3の溶融金属浴を収容する第3の浴槽にガス流を導入し、任意に蒸気または酸素含有供給物などの酸素源を添加し、水素、SO3および二酸化炭素を含む第3のガス流を製造する工程;
c. 第3の槽から第3の槽ガス流を除去し、任意にそこからSO3を濃縮し、および/または二酸化炭素を除去し、それにより精製高圧水素ガスを得る工程;
d. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第4の圧力P4で維持される、低炭素含有量を特徴とする第4の溶融金属浴を収容する第4の浴槽に蒸気を添加し、それにより精製水素を製造する工程;
e. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第2の圧力P2および約1000F、好ましくは約800F未満の温度で維持された第2の溶融金属浴を収容する第2の上側浴槽に、工程(c)および/または(d)で製造した高炭素含有量を特徴とするガス流を添加し、それにより精製メタンを製造する工程
を含む。]
[0046] 別の局面において、高純度合成ガスの製造方法は、
a. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの圧力P1で維持される、第1の溶融金属浴を収容する第1の浴槽に、炭素含有供給物流を添加して、一酸化炭素および硫化水素を含む第1の槽ガス流を製造する工程;
b. 第1の浴槽から第1の槽ガス流を除去し、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第3の圧力P3で維持される、第3の溶融金属浴を収容する第3の浴槽に、ガス流を導入し、任意に、金属酸化物濃縮浴環境を維持するために、蒸気または酸素含有供給物などの酸素源を添加し、水素、SO3および二酸化炭素を含む第3の槽ガス流を製造する工程;
c. 第3の槽から第3の槽ガス流を除去し、任意にそこからSO3を濃縮し、および/または二酸化炭素を除去し、それにより精製水素ガスを得る工程;
d. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第4の圧力P4で維持される、第4の溶融金属浴を収容する第4の浴槽に、低炭素含有量を特徴とする蒸気を添加し、それにより精製水素を製造する工程;
e. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第2の圧力P2および約1000F未満の温度で維持される、第2の溶融金属浴を収容する第2の浴槽に、高炭素含有量を特徴とする酸素ガスを添加し、それにより精製一酸化炭素を製造する工程
を含む。]
[0047] さらに別の態様において、高純度水素ガスの製造方法は、
a. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの圧力P1で維持される、第1の溶融金属浴を収容する第1の浴槽に、炭素含有供給物流を添加し、炭素濃縮溶融金属浴を製造する工程;
b. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第2の圧力P2および約1000F未満の温度で維持された第2の上側浴槽に、炭素濃縮溶融金属浴を移送する工程;
c. 炭素濃縮溶融金属浴に蒸気を添加して高純度水素ガスを製造する工程
を含む。]
[0048] これらの方法には、二重連結反応器または一組の二重連結反応器などの、上述されるような1つ以上の反応器を使用することができる。]
[0049] 該方法では、溶融金属浴を使用することが企図される。溶融金属浴は、種々の金属種を含み得、反応種または非反応種を含み得る。好ましくは、反応種は、酸化/還元反応に供されるものである。ニッケルおよび鉄を選択することができ、鉄が好ましい。もちろん、反応種はそれ自体が溶融される必要はない。一態様において、反応種は固体として、例えば鉄くずの形態で添加および維持され得る。懸濁を容易にするため、および浴中の層形成を回避するために、実質的に同じ固体反応種の密度を有するように溶融金属浴を選択し得る。一態様において、槽間(例えばメタンまたは合成ガス製造システムの第1および第2の槽間)で、精製炭素の輸送を容易にするように、溶融金属浴を選択し得る。第1および第2の槽のための1つの好ましい浴は、鉄くずが懸濁されたSn/Pb合金であり得る。]
[0050] 金属浴としてはまた、アンチモン(Sb)、コバルト(Co)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、鉛(Pb)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銅(Cu)、金(Au)、イリジウム(Ir)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、オスミウム(Os)、白金(Pt)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、セレン(Se)および/またはテルル(Te)が挙げられる。]
[0051] 該方法に使用される供給原料は、一般的に炭素含有供給原料であり、好ましくは炭化水素含有供給原料である。適切な供給原料としては、石炭、石油コークス、石炭、褐炭、油頁岩、天然ガスまたはバイオマス、液体または気体炭化水素(例えばメタン、エタン等)が挙げられる。1ポンド当たり少なくとも約4,000BTUの熱含量を有する廃棄物などの廃棄物材料を使用することもできる。供給原料の組合せは、改善された、または最適な炭素、酸素、水のバランスをもたらすように選択され得る。]
[0052] 供給原料は、限定されないが、オーガー押し出し成形、底部もしくは側面射出または蒸気冷却上部槍注入などのいくつかの手段により添加され得る。]
[0053] 反応器に関して上述のように、少なくとも1、2、3、4または全ての浴槽の圧力は、少なくとも約1バール、例えば少なくとも約10バール以上、例えば1(または10)〜約600バールの圧力で維持され得る。好ましくは、圧力は、約150〜200バールの範囲で維持される。反応器、または槽(1つまたは複数)、圧力は、炭化水素供給原料添加速度によって制御または維持され得る。]
[0054] 本発明は、金属面を上昇させる(lift)ため、ならびに垂直および/または斜め方向の金属移送配管中の抵抗に打ち勝つために必要な圧力よりも大きな圧力差を維持することで、浴槽(例えば垂直に並んだ浴槽)間で、溶融金属浴が容易に輸送可能であるという発見に関する。この特徴は、反応器に関してより詳細に記載される。]
[0055] 二硫化水素、一酸化炭素および/または水の変換において(第3および第4の浴槽中で本明細において図示されるように)、好ましくは、浴は、少なくとも金属または合金の融点(例えば1000°F)より高く、一般的に約3000°F以下の温度(例えば約2000°F〜3000°F)で維持される。一般的に、炭素からメタンへの変換に使用される浴は、800〜1000°F以下である。このように、第1の浴中での供給原料の一酸化炭素および炭素への変換も、一般的に1000F以下である。]
[0056] 本明細書に記載される方法には、しばしば一定量の重金属および水銀などの不純物を含む供給原料が使用される。重金属の多くは、第1の槽のスラグ層中で、該方法から除去される。しかし、水銀はしばしば、第1の槽から除去されたガス流中で除去される。一態様において、本発明はさらに、Hgが第3の浴槽に入る前に、またはHgが第3の浴槽から浴槽ガス流中に排出された後であっても、Hgを抽出する工程を含む。]
[0057] 同様に、炭化水素供給原料は一般的に硫黄を含む。炭化水素供給原料を溶融金属浴に添加すると、一般的に、硫黄は(例えば第1の浴槽中で)硫化水素に変換する。金属酸化物濃縮浴を維持するために(例えば第3の浴槽中の)溶融金属浴に酸素を添加すると、硫化水素のSO3への変換がもたらされ得、SO3はその後、第3の浴槽から排出される放出ガス流中に除去される。本発明は、水でクエンチして放出ガス流からSO3を抽出し、非常に有用な商品性生成物であるH2SO4を製造するさらなる工程を企図する。]
[0058] 第3の浴槽中では高圧二酸化炭素も製造される。該方法は、第2の組の垂直浴の下側浴の放出ガス流中のCO2を分離する任意の工程を企図する。二酸化炭素はさらなる適用に使用することができ、超臨界液として得ることができる。超臨界または他の高圧CO2ガス流は、原油の二次回収のために直接CO2パイプライン注入に使用することができる。塩水帯水層に分離することもできる。]
[0059] 第1の上側溶融金属浴に溶解した炭素を水で酸化してCO + H2を製造する工程を含む、請求項1記載の方法。]
[0060] 本明細書に記載される方法には、いくつかの化学反応が使用される。例えば、該方法は、反応浴金属(例えばFe)を蒸気で酸化して金属酸化物および水素ガスを製造することにより、第2の組の垂直浴の上部層の放出ガス流から回収したH2を、メタンおよび同族炭化水素の製造のための還元ガスとして第1の上側浴にリサイクルすることを企図する。]
[0061] 上述のように、該方法は、スラグ層を生成することを企図する。スラグ層は、不純物の除去ならびにごみおよび灰の調節を補助する。従って、本発明の方法は、典型的なCa、Fe、K、Mg、Na、Si、Sn、Ti等の酸化物からなる流体を添加してスラグ層を形成する工程を含み得る。]
[0062] 2、3、4またはそれ以上の浴槽間の圧力バランスを維持することで、本明細書に記載のシステムおよび方法の効率を最適化することができる。例えば、本明細書に記載される4槽システムにおいて、第1の浴槽の圧力が通常または常に第3の浴槽の圧力よりも高くなるように相対的な圧力を維持することで、第3の浴槽は第4の浴槽よりも高い圧力で維持され、第4の浴槽は第2の浴槽よりも高い圧力で維持される。この配置により、ガスを圧縮する必要なく、全ての浴間で最適な気体材料の移送が可能になる。槽が一組の垂直配置槽として維持される場合にも、該配置により、槽の組の間でも良好な溶融金属の移送が可能になる。]
[0063] 一態様において、固相支持体触媒の代わりに溶融金属触媒を使用した原子炭素の炭化水素へのH2還元により、全触媒表面積が増加して、同等の固体触媒表面積を提供するための構造的な要件が低減され、同等の収量の炭化水素を得るために必要な過剰な温度により固体触媒が溶融する可能性が低減される。]
[0064] 上述の方法に関して、全ての適用に全ての工程が必要ではないこと、および/または1つの工程を同等の処理工程で置き換えることができることが理解されよう。従って、本発明は、上述の工程の1つ、2つ、3つ、4つ、全てを特徴とする方法を含む。いくつかの態様において、炭化水素供給原料(1つまたは複数)が導入される浴槽も改変することができる。従って、具体的に記載される方法は、一般的に、第1の浴槽への供給原料の添加のことをいい、供給原料を任意の他の浴槽に添加することが可能である。]
[0065] 合成天然ガス(SNG)または純粋なメタンの製造のために、2つの二重連結浴反応器または四連配置を使用してもよい。本発明の一形態において、高濃度炭素含有片(例えば、例えば少なくとも15重量%の炭素を有する供給原料)を、隣接する溶融反応器に移送する。かかる方法の工程は、(a)例えば、150〜200バールの操作圧の底部注入により、第1の溶融金属浴(例えば「一次Sn浴」)に炭化水素供給物を導入して、炭化水素供給物を溶融金属浴に溶解または懸濁される水素および炭素含有片に分解し、それにより全体の正味の炭素濃度を増加させる工程を含み得る。代替的にまたは付加的に、浴金属としては、Fe、Niもしくは関連のある「活性」浴金属などの金属または金属の合金が挙げられ得る。]
[0066] 好ましい様式の操作では、溶融金属中の炭素濃度は、その溶解限界を超えないように制御される。得られた水素濃縮ガス(H2)流は、COも含み得る。一般的に、COの製造量は、炭化水素供給物に含まれる酸素のモル量に比例する。このガス流ならびにN、S、Hgおよび他の気体混入物の副生成物ならびに混入したごみ(もしあれば)は、その後、第2の反応器(例えば「一次Fe浴」)に移送される。]
[0067] この後者の浴は、好ましくは高度に酸化された金属(例えばFeO)を有し、高度に酸化された金属は酸素源としての機能を果たし、第1の浴(例えば「一次Sn浴」)起源のガス流を最初にCO2、SO3、N2およびH2に変換しながら上側の「二次Fe浴」に実質的に炭素および他の不純物を含まない、部分的に酸化された金属を提供し得る。第1の溶融金属領域(例えば一次Sn浴)と放出ガスの分離は、圧力スイング吸収(PSA)により連続コンデンサー中のHgおよびSO3を除去することならびにCO2からH2を除去することにより達成される。
S + 3FeO = SO3+3Fe]
[0068] 第1の溶融金属浴または一次Sn浴の一部は、垂直に配列された反応器浴間の圧力差に基づく操作により、隣接する上側金属含有浴(「二次Sn浴」)に可逆的に移送され得る。移送に必要な圧力差は、浴金属の比重および移動の高さ(カラムのインチ)の関係の関数である。下側金属浴と上側金属浴の圧力差を変化させることで、移送の速度を変えることができる。金属移送はまた、例えばガス排出制御弁および供給原料注入速度を用いて、圧力を放出または増大することによっても制御することができる。上側、または「二次Sn浴」に蒸気を注入して、以下に詳細に記載されるように、溶解した炭素と反応させて1:1のモル比でCO + H2(合成ガス)を製造するか、または水素ガスと反応させてメタンを形成する。
C + H2O = CO + H2]
[0069] 一態様において、圧力差の変更を必要とする操作で、金属は上側浴から下側浴へと移送され得る。反応器間の浴圧力を調節することで、例えば圧力降下を選択して、1つの反応器から別の反応器へのガスの移送を容易にし得る。第1の浴槽の相対的な圧力(P1)を、上側または第2の浴槽の圧力(P2)よりも高い下側または第3の浴槽の圧力(P3)よりも高く維持することが特に有用である。上側または第2の浴が常に他の3つの浴よりも低い圧力で維持される場合、ガス圧縮を途切れさせることなく、浴圧力が減少する順序で、ガス材料は常に上側浴槽に移送され得る。]
[0070] 高純度、高圧(超臨界)CO2ガス流を製造することが特に有利である。ガス圧縮のための資本コストおよびエネルギーコストに伴う主なコストは処理支出全体の20%にもなることがあり得る。CO2ガス流が超臨界条件下で反応器から排出されるという事実は、圧縮コストを不要にするので、原油の二次回収のための直接CO2パイプライン注入に、または塩水帯水層中に封鎖されるように、非常に有利に使用され得る。]
[0071] この方法の別の好ましい操作様式では、不純物を含まない「一次下側Fe浴」中の高度に酸化された液体金属(Fe/FeO)を、約200バールで圧力が維持された上側「二次Fe浴」に圧力差を利用して移動させることにより、純粋なメタン(CH4)流が製造される。代替的に、金属浴は、Pb、Snまたは他の金属および合金を含み得る。下側「一次Fe浴」金属浴の高度に酸化された状態は、隣接した上部層から連続的な様式で溶解したFeOを含む溶融金属を重力により移送することにより維持することができる。金属をさらに酸化するために蒸気を注入した場合、上側「二次Fe浴」は基本的に炭素および他の有害な不純物(例えばN、S、Hg)を全く含まないので、純粋なH2流が製造される。この純粋なH2流は、連続的に除去することができるか、またはこの
Fe + H2O = FeO + H2
適用において、約800°F未満の温度で維持された炭素飽和上側液体金属浴(「二次Sn浴」)に注入されて純粋なCH4の製造を最適化し得る。
C + 2H2= CH4]
[0072] また、メタンの製造のための原子炭素の直接還元の化学量論には2H2が必要であることにも注意されたい。この方法は水移動反応(CO + H2O = H2 + CO2)と並行して行われる必要があり、メタン化工程には水分子の形成を伴い正味3H2の消費が必要であるので、これは、Ni触媒によって合成ガス(CO:H2)を利用する従来の方法よりも明らかに有利である。]
[0073] メタンおよび関連炭化水素の生成のために溶融金属触媒を使用することには他の利点がある。当該技術分野で公知のように、この型の炭素原子の還元がなされ得るほとんどの方法は、固体触媒支持体上に吸着させた金属触媒を使用する。かかる方法は、溶融金属触媒と比べて表面積が大きく減少するという不都合を有する。これらの型の触媒表面は、しばしば、所望の還元収率に作用するために比較的高温が必要とされ、高い発熱を伴う結果、「ホットスポット」を有し、触媒が融解し得る。]
[0074] 本発明の方法は、比較的低コストで大量の高純度のメタン、合成ガスおよび水素の高圧ガス流生成を目的としている。かかる高価値ガス流に利用可能な生成方法に伴う高コストにより、より経済的で環境に優しい方法の必要性が示されている。本発明によれば、高容量の高純度の高圧ガス流が経済的に生成され得る。]
[0075] 本発明は、一般に、溶融金属浴内の炭化水素供給原料の炭素系成分を化学的に酸化または還元することにより、一連の連結された金属浴においてガス状生成物を生成および回収し、さらに移送して改善するための方法に関する。炭化水素の組成物は、Illinois No. 6石炭、石油コークスなどの石炭供給源、No. 6燃料油などの油類、バイオマスおよびバイオマスブレンドまたは経済的であるのに充分なBTU値を有する廃棄物炭化水素供給源に由来するものであり得る。]
[0076] 溶融金属浴は、好ましくは、鉄(Fe)もしくはスズ(Sn)またはこれらの2種類の金属の合金で構成されたものであり得る。特定の金属合金は、2種類以上の金属の混合物に由来するものであってもよく、浴内での溶存炭素またはCOなどの作用による金属酸化物のそのそれぞれの金属へのインサイチュ還元のための溶融金属浴への1種類以上のかかる金属の酸化物(例えば、Fe2O3またはSnO2)の導入によるものであってもよい。また、液状金属浴は、アンチモン(Sb)、コバルト(Co)ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉛(Pb)および亜鉛(Zn)が含まれ得る反応性金属のリストに由来する1種類以上の金属を含んでいてもよい。当該技術分野で周知のように、これらのいわゆる「反応性金属」およびそのそれぞれの金属酸化物は、浴の温度および酸素分圧において、一酸化炭素への炭素の変換のものよりも大きい酸化の自由エネルギーを有する。逆に、金属浴はまた、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銅(Cu)、金(Au)、イリジウム(Ir)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、オスミウム(Os)、白金(Pt)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、セレン(Se)およびテルル(Te)が含まれ得る相対的に「非反応性である金属」のリストから選ばれる金属の少なくとも1種類を含んでいてもよい。後者の浴金属になり得るもののリストは、浴温度対この一連の金属の酸素分圧(PO2)の自由エネルギーのプロットで表される「CO線」(2C + O2 = 2CO)より上に存在する。かかる本発明者らの方法の条件下で相対的に「非反応性である金属」は、金属と金属酸化物が平衡であり、比較的高い酸素分圧(P02)有するはずである。かかる金属は、金属酸化工程に実際に関与する金属浴内の活性金属の有効濃度を制限する機能を果たし得る。]
[0077] 図3に示す一連の金属浴は、本発明の方法の実施に適した反応器全体の一態様である。本発明者らは、任意の1つの設計の溶融金属浴反応器に限定されることを望まないが、図3に記載の多重液状金属浴反応器に特有の設計構成要素がいくつかある。高温液状金属浴収容槽は、200バールを超える高圧で操作されるように設計される。この反応器をより具体的に記載した米国特許仮出願第61/025,684号が出願されている。溶融金属浴自体は、金属浴よりも高い圧力に維持された高圧収容槽に囲まれている。このシステムは、金属浴の収容槽の構造的完全性は、浴内の金属の高い操作温度に曝露されるが、圧力200バールでの高い操作温度には直接曝露されず、これが利点であるため、かかるガス化システムの既存の技術水準に対して新規である。また、外側のガスゾーンは、外側のスチール製圧力槽が液状金属浴内の高温に供されないため、温度緩和体として充分である。これは、Kindig et. al.の教示(米国特許公開公報第20020124466号)に詳述されているように、石炭ガス化は好ましくは5psiを超えない周囲圧またはほぼ周囲圧で操作されるため、設計および操作の安全性における本発明の明白な利点である。該ユニットを高圧で操作すると、水素ガス流が混入し得る相当な量のメタン含有生成物が形成される。また、高圧は、反応器内で充分な蒸気滞留時間が保証されるという反応器自体における滞留時間に利点をもたらす。しかし、より重要なことには、放出ガス生成物流は、多くの場合200バールに近い金属浴操作圧よりほんのわずか低い圧力で反応器から排気される。これは、合成ガスなどのガス状生成物が高圧であることが必要とされる適用における放出ガスの圧縮に伴う資本コストに明白な経済的利点をもたらす。]
[0078] 本発明の別の新規な局面は液状金属移送システムである。従来の見識では、液状金属浴内での金属の移動により方法のコスト有効性が低下することが示されているが、本発明者らの発明では、垂直に配列した反応器浴間の圧力差に基づいて操作される。本発明者らは、既に反応器において高圧としているため、下方から高い位置への炭素飽和金属のポンプ輸送のコストは、操作コストに直接付加されない。したがって、高圧での金属移送速度の正確な制御は、先行技術と比べて重要な利点である。金属移送速度は、排気ガス制御弁および供給原料注入速度を使用し、圧力を解放または負荷することにより制御され得る。下側浴から上側浴への金属の移動には、該金属面が上昇し、金属移送配管内の抵抗に勝る(overcome)のに必要とされる圧力よりも大きい圧力差が必要とされる。主に、金属移送配管の抵抗に勝る重力によって炭素がほとんど枯渇した溶融金属の上側浴から下側浴への戻りがなされる。金属移送システムは、使用される供給原料および金属触媒に応じて、移送配管制御弁とともに、またはなしで使用され得る。]
[0079] 操作中の液状金属フローならびにガスフローの速度の適切な制御は、この多重浴反応器設計の別の特有の特徴である。したがって、反応器内自体の高温の金属およびガスのフローは、浸漬浴静圧ストリッパーによる設計によって阻止される。かかるフローの途中中断の使用は、浴内での滞留時間の増大に影響するストリッパーによって液状金属が方向転換されるとともに、ストリッパーを通るガスフローによってガス気泡サイズの低減がもたらされるため、特有である。高圧での浴操作とガス気泡サイズの低減との組合せにより、大きなガス気泡が表面で破壊されることによって引き起こされる液飛びを伴う荒れた表面を有する先行技術と比べてコアレッセントな液状金属浴表面がもたらされる。また、穏やかな表面により、生成物ガスの混入ならびに槽の壁上への金属およびスラグの液飛びが最小限となる。]
[0080] また、反応器内への供給原料の導入方法は基本的に重要である。本発明者らは、任意の1つの型の供給システムに限定されることを望まないが、本発明の好ましい様式において、材料は溶融金属浴内に直接供給されるべきである。これにより、分解速度、したがって圧力上昇速度が測定可能な様式で制御されることが保証される。かなり均一なサイズの微粒状にした固体の供給物導入の好ましい様式は、固体として、またはスラリー形態のいずれかでオーガー押出成型によって導入することであり得る。ガスおよび液体は、当該技術分野で公知のような充分確立された様式で導入され得る。]
[0081] この多重液状金属浴反応器システムは、2つ以上の多重浴反応器を用いる様式で有効に使用され得る。好ましい態様は、合成天然ガス(SNG)または純粋メタンの直接生成のための2つのデュアル浴反応器すなわち4個構成の使用である。図3を参照すると、固体の炭化水素供給原料(例えば、限定されないが、石炭または石油コークス)が反応器の下側Sn浴2に、150〜200バールの制御圧力がもたらされる速度で供給口ポート1から供給される。炭化水素供給原料が熱分解されると、供給原料中に存在する湿分によって溶存炭素がCOガスとH2に酸化される。炭素の過剰酸化によりCO2の形成がもたらされる。浴条件は、溶存炭素中で飽和した浴がCOに戻る吸熱的還元をもたらすように選択され得る。
CO2+ C = 2CO]
[0082] 下側浴2のCOおよびさらなる放出ガスは、一般的に、H2S、N2およびHgなどの混入物を含む。このガス流は、下側の鉄(Fe/FeO)浴13内にガス移送流6および供給口ポート12から供給される。下側の鉄浴13はFeOを多く含み、水銀が凝縮除去されると2からの複合ガス流が主にCO2、SO3およびH2に変換されるとともに、一部酸化された炭素無含有金属鉄が提供され、次いで、これらは移送ライン15によって上側の鉄浴18に移送され得る。]
[0083] COに変換される際の供給原料由来の水は、発熱的にCO2に酸化されて下側Fe浴に熱エネルギーが提供される。したがって、供給原料中に存在する水は、先行技術の方法と比べて必ずしも有害な問題ではない。したがって、一態様において、供給原料は、任意に、例えば約70重量%まで、好ましくは50重量%まで、より好ましくは約20重量%までの量の水を含み得る。いくつかの態様において、水または蒸気が供給原料とともに、または別々に浴2内に、まさにこの目的のために注入され得る。例えば、蒸気は、供給原料中の炭素の少なくとも60重量%の量で、好ましくは約10〜40重量%で添加され得る。添加される水の量は、供給原料中に最初に存在している水の量と関連しており、供給原料中の炭素の約70重量%までの総水分含有量に達する。他の態様において、水を浴内に注入し、蒸気をインサイチュで生成させてもよい。]
[0084] 下側浴2 は、任意に、炭化水素供給原料のスクラバーとしての機能を果たし、それにより炭素飽和Sn金属または有意な量の炭素を含有するSn金属組成物が提供され得る。好ましくは、Sn金属組成物は実質的に不純物を含まない。Sn金属組成物は、圧力差によって、または機械的に上側Sn浴8に、移送ライン5から移送され得る。上側の鉄浴18は、好ましくは実質的に溶存炭素を含まない。蒸気は供給口17から浴18内に注入され、金属Feがさらに酸化され、FeOと純粋なH2が生成される。]
[0085] この高度に精製された高圧H2ガス流は、ポイント21から排気され、全体もしくは一部が弁11から上側の炭素飽和液状Sn金属浴8内に回収および/または注入され得る。高度に精製された高圧CH4は、上側の液状Sn金属浴8内での溶存炭素の還元によって生成され得る。上側Fe浴18内のFe/FeO金属流は、移送ライン19によって下側Fe浴13に移送され、下側Sn浴2からの放出ガス流によって還元され得る。システム全体(例えば、頭隙4、10、14および20)は、生成物ガス流の純度および圧力を最適化するために高圧(例えば、約150〜200バール)に維持される。かかる一連の連結された金属浴の使用は、公知の方法からの明白な新発展を示し、従来のガス洗浄および固体廃棄物の廃棄を必要としないシステムを提供するだけでなく、さらに、これらの混入不純物を商品性の高圧放出ガス流(CO2、SO3およびH2)に変換することが可能になる。]
[0086] スラグは、必要に応じて、スラグ排出ポイント3を通って下側Sn浴2から除去される。炭化水素供給物、例えば、高い灰分を有する供給物は、下側の主溶融金属浴2を通過し、スラグ層内の炭化水素供給物由来のダストの一部が優先的に分離除去され得る。ダストの一部がスラグ層内に混入しているため、それにより排気ポート6からガス流中に除去され得る頭隙4内のダストの濃度は低下し得る。スラグは、好ましくは、生成するダストの少なくとも一部を炭化水素供給原料から除去し、これは、炭化水素供給原料が高い灰分を有する場合、特にそうである。]
[0087] 本発明の方法の好ましい態様において、炭化水素供給物由来の硫黄もまた、該方法により除去および/または回収され得る。生成したSO3は、凝縮によってガス流16から除去され得る。水でのクエンチングにより、90%まで、およびそれ以上の純度;かなり経済的価値のある副生成物を有する硫酸(H2SO4)が生成される。]
[0088] 溶融金属反応器は、図3に示すように、連結させた反応器の組の両方を含んでいてもよく、連結させた反応器を1つ、例えば、図3に示すように垂直に並べた2つのかかる溶融金属浴(浴2と8)などを含んでいてもよい。この態様において、下側の金属浴からの放出ガスは、従来の様式で洗浄され、生成される合成ガスから不純物が除去され得る。この態様では、高圧および可逆的金属循環が維持され、それにより上側浴が、下側浴からスラグとともに排出される放出ガスおよびダストとして排出される供給原料不純物(例えば、SおよびHg)を実質的に含まないことが保証されるという明白な利点が維持される。例えば、この様式の操作は、Fe、Snまたは同等金属合金の湿分誘導性酸化による高純度の高圧水素ガス流の生成において明白な利点をもたらす。垂直に並置された2つの金属浴のみが含まれる本発明のこの態様では、炭化水素供給物由来の硫黄もまた下側の溶融金属浴内に蓄積され、反応して硫化水素が形成され得、苛性洗浄などの従来の手段によって高圧で放出ガスから除去され得る。]
[0089] 金属浴の最初の液状状態は、プラズマトーチ、アークまたは最も好ましくは誘導コイル加熱によって達成され得る。鉄浴の所望の温度(3000°F)は、コイルもしくはループを流れる誘導電流によって、または注入された酸素によるFeの発熱的酸化によって維持され得る。下側Fe浴13の温度は、COのCO2への酸化によって上昇し得る。]
[0090] 注入ポイント21から浴18内に所定の量の蒸気を注入するための適当な手段としては、単純な蒸気ランスが挙げられる。蒸気注入は、鉄と水の反応による該方法の温度を有効に制御するために使用され得る手段の1つである。鉄浴およびスズ浴は相当異なる温度で操作されているはずであるため、2000°Fに近い温度でガス弁21に存在するH2ガス流は、このH2還元体流が、温度が90°Fを超えてはならない入口弁11から上側Sn浴8に導入される前に熱交換器に通すことが必要である。しかしながら、この温度低下による潜熱は、付随する水還元工程に使用される蒸気の生成に有利に使用され得る。また、基本的に発熱条件下で操作されるFe浴からの熱エネルギーの移送により、水による炭素の吸熱的酸化によって浴温度が低下する傾向にあるSn浴内の熱平衡が改善され得る。]
[0091] 実例
実例I
高純度の高圧メタン(CH4)を、79.0%の炭素、3.6%の水素、6.7%の硫黄および9.0%の水を含む石油コークス供給原料から作製した。微粉砕された石油コークスを、注入ポイント1から950°Fの溶融Sn浴2内に1lb/秒の速度で底部から注入する。炭化水素供給原料の熱分解により、下側浴ガスゾーン4内に150バールの一定圧力がもたらされる。溶融Sn/Cは下側Sn浴2から上側Sn浴8に移送ライン9によって、上部のガス空間10内を135バールの減圧に維持することにより移送される。必要に応じてスラグ除去がスラグ除去システム3により維持される。下側Sn浴2内でのCのCOへの酸化のため、さらに0.39lb/秒の水を注入ポイント1から浴2内に注入する。]
[0092] 複合放出ガス(CO、H2、H2S、HgおよびN2)は、ガス移送制御弁6を通って注入ポイント12から2850°Fの溶融Fe/FeO底部浴13内に連続的に移送される。下側浴13では、鉄酸化物(FeO、Fe2O3など)の作用によってCOの全部または一部がCO2に酸化され、それにより、熱エネルギーの全部または一部が浴温度を維持するために提供される。下側Fe/FeO浴13からの149バールの放出ガスは、さらなる処理のためにガス弁16から排気される。]
[0093] 溶融Fe/FeOは、圧力差によって下側Fe/FeO浴13から上側Fe/FeO浴18に移送される。上側のガス空間20は141バールに維持される。蒸気(0.60lb/秒)が、2850°Fに維持された上側Fe/FeO浴18内に注入される。純粋なH2の高圧(141バール)流が生成され、ガス弁21から排出される(0.07lb/秒)。H2ガスは、供給口温度1900°Fの熱交換器内に(0.09lb/秒)のH2ガス速度で入り、処理されたガス流から分離され、ガス弁16から排出される。750°Fまで冷まされた後、H2は、注入ポイント7から0.09lb/秒の速度で炭素飽和溶融Sn浴8内に移送される。溶存CはH2ガスによって還元され、ガスゾーン10内にCH4ガスが生成される。ゾーン10内のガスは750°Fの温度を有し、反応器からガス弁11を通って排出される。]
[0094] 高純度の高圧CH4ガス流が、0.62lb/秒の速度で連続的に生成される。商品性の生成物が、残留している放出ガスから生成される;0.17lb/秒でSO3および1.18lb/秒でCO2。]
[0095] 浴8内のSnは再循環されてSn浴2に戻される。同様に、浴18内のFe浴はFe浴13に再循環される。該方法は、好ましくは連続的な様式で行なわれる。]
[0096] 実例II
高純度の高圧メタン(CH4)は、55.5%の炭素、4.7%の水素、2.2%の硫黄、9.7%の水および3.4%の灰を含む70%バイオマス/30%石油コークスのブレンド供給原料から作製される。微粉砕された炭化水素供給原料を、注入ポイント1から950°Fの溶融Sn浴2内に13lb/秒の速度で底部から注入する。炭化水素供給原料を熱分解に供する。下側浴ガスゾーン4において150バールの一定圧力を維持する。溶融Sn/Cは、上部のガス空間10内を135バールの減圧に維持して下側Sn浴2から上側Sn浴8に移送される。必要に応じてスラグ除去がスラグ除去システム3により維持される。下側Sn浴2内でのCのCOへの酸化のため、さらに0.02lb/秒の水を注入ポイント1から浴2内に注入する。複合放出ガス(CO、H2、H2S、N2)は、ガス移送制御弁6を通って注入ポイント12から2850°Fの溶融Fe/FeO底部浴13内に連続的に移送される。下側浴13では、鉄酸化物(FeO、Fe2O3など)の作用によって両方の供給源、供給原料およびさらなる水由来のCOがCO2に酸化され、浴温度を維持するための熱エネルギーが提供される。下側Fe/FeO浴13からの149バールの放出ガスは、さらなる処理のためにガス弁16から排気される。溶融Fe/FeOは、圧力差によって下側Fe/FeO浴13から141バールの上側Fe/FeO浴18に移送される。同時に、蒸気(5.3lb/秒)が、2850°Fに維持された上側Fe/FeO浴18内に注入され、純粋なH2ガスの高圧流が生成され、ガス弁21から排出され(0.6lb/秒)、1900°Fの温度で熱交換器内に入り、H2ガス(0.8lb/秒)は、処理されたガス流から分離され、ガス弁16から排出される。750°Fまで冷まされた後、H2は、注入ポイント7から炭素飽和溶融Sn浴8内に移送される。溶存C(4.0lb/秒)はH2ガスによって還元され、750°Fの温度に維持されたガスゾーン10内にCH4ガスの発生をもたらし、反応器からガス弁11を通って排出される。]
[0097] 高純度の高圧CH4ガス流が、5.3lb/秒の速度で連続的に生成される。商品性の生成物は、残留している放出ガスから生成される;0.7lb/秒でSO3および11.7lb/秒でCO2。]
[0098] 実例III
高純度の高圧メタン(CH4)は、60.5%の炭素、4.1%の水素、2.6%の硫黄、13.6%の水および9.9%の灰を含むIllinois No. 6石炭供給原料から作製される。微粉砕された石炭を、注入ポイント1から950°Fの溶融Sn浴2内に14.2lb/秒の速度で底部から注入する。炭化水素供給原料の熱分解により、下側浴ガスゾーン4において150バールの一定圧力がもたらされる。溶融Sn/Cは、上部のガス空間10内を135バールの減圧に維持して下側Sn浴2から上側Sn浴8に移送される。必要に応じてスラグ除去がスラグ除去システム3により維持される。下側Sn浴2内でのCのCOへの酸化のため、さらに2.1lb/秒の水を注入ポイント1から浴2内に注入する。複合放出ガス(CO、H2、H2S、N2)は、ガス移送制御弁6を通って注入ポイント12から2850°Fの溶融Fe/FeO底部浴13内に連続的に移送される。下側浴13では、鉄酸化物(FeO、Fe2O3など)の作用によって両方の供給源、供給原料およびさらなる水由来のCOがCO2に酸化され、浴温度を維持するための熱エネルギーが提供される。下側Fe/FeO浴13からの149バールの放出ガスは、さらなる処理のためにガス弁16から排気される。溶融Fe/FeOは、圧力差によって下側Fe/FeO浴13から141バールの上側Fe/FeO浴18に移送される。同時に、蒸気(5.9lb/秒)が、2850°Fに維持された上側Fe/FeO浴18内に注入され、純粋なH2の高圧流が生成され、ガス弁21から排出され(0.7lb/秒)、1900°Fの温度で熱交換器内に入り、H2ガス(1.0lb/秒)は、処理されたガス流から分離され、ガス弁16から排出される。750°Fまで冷まされた後、H2は、注入ポイント7から炭素飽和溶融Sn浴8内に移送される。溶存CはH2ガスによって還元され、750°Fの温度に維持されたガスゾーン10内にCH4ガスの発生をもたらし、反応器からガス弁11を通って排出される。]
[0099] 高純度の高圧CH4ガス流が、6.7lb/秒の速度で連続的に生成される。残留している放出ガスから生成される商品性の生成物(0.9lb/秒のSO3)はH2SO4として回収され、13.0lb/秒のCO2が高純度の高圧ガス流として移送される。]
[0100] 実例IV
高純度の高圧メタン(CH4)は、85.0%の炭素、9.7%の水素、2.1%の硫黄および0.7%の水を含むNo. 6燃料油供給原料から作製される。供給原料を、注入ポイント1から950°Fの溶融Sn浴2内に8lb/秒の速度で底部から注入する。炭化水素供給原料の熱分解により、下側浴ガスゾーン4において150バールの一定圧力がもたらされる。溶融Sn/Cは下側Sn浴2から上側Sn浴8に移送され、上部のガス空間10内は135バールの減圧に維持される。必要に応じてスラグ除去がスラグ除去システム3により維持される。下側Sn浴2内でのCのCOへの酸化のため、さらに3.2lb/秒の水を注入ポイント1から浴2内に注入する。複合放出ガス(CO、H2、H2S、N2)は、ガス移送制御弁6を通って注入ポイント12から2850°Fの溶融Fe/FeO底部浴13内に連続的に移送される。下側浴13では、鉄酸化物(FeO、Fe2O3など)の作用によって両方の供給源、供給原料およびさらなる水由来のCOがCO2に酸化され、浴温度を維持するための熱エネルギーが提供される。下側Fe/FeO浴13からの149バールの放出ガスは、さらなる処理のためにガス弁16から排気される。溶融Fe/FeOは、圧力差によって下側Fe/FeO浴13から141バールの上側Fe/FeO浴18に移送される。同時に、蒸気(3.6lb/秒)が、2850°Fに維持された上側Fe/FeO浴18内に注入され、純粋なH2ガスの高圧流が生成され、ガス弁21(0.4lb/秒)から排出され、1900°Fの温度で熱交換器内に入り、H2ガス(1.1lb/秒)は、処理されたガス流から分離され、ガス弁16から排出される。750°Fまで冷まされた後、H2は、注入ポイント7から炭素飽和溶融Sn浴8内に移送される。溶存CはH2ガスによって還元され、750°Fの温度に維持されたガスゾーン10内にCH4ガスの発生をもたらし、反応器からガス弁11を通って排出される。]
[0101] 高純度の高圧CH4ガス流が、6.1lb/秒の速度で連続的に生成される。商品性の生成物は、残留している放出ガスから生成される;0.4lb/秒でSO3および8.1lb/秒でCO2。]
[0102] 実例V
高純度の高圧合成ガス(CO/H2)は、73.2%の炭素、4.5%の水素、5.2%の酸素、2.4%の硫黄、6.1%の水および7.0%の灰を含むPittsburg 8石炭供給原料から作製される。微粉砕された供給原料を、注入ポイント1から950°Fの溶融Sn浴2内に15lb/秒の速度で底部から注入する。炭化水素供給原料の熱分解により、下側浴ガスゾーン4において150バールの一定圧力がもたらされる。溶存炭素を含む溶融Sn/Cは、上部のガス空間10内を135バールの減圧に維持して下側Sn浴2から上側Sn浴8に移送される。必要に応じてスラグ除去がスラグ除去システム3により維持される。下側Sn浴2内でのC(9.8lb/秒)のCOへの酸化のため、さらに5.3lb/秒の水および8.3lb/秒の酸素ガスを注入ポイント7から浴8内に注入する。複合放出ガス(CO、H2、H2S、N2)は、ガス移送制御弁6を通って注入ポイント12から2850°Fの溶融Fe/FeO底部浴13内に連続的に移送される。下側浴13では、鉄酸化物(FeO、Fe2O3など)の作用によって下側浴由来のCO(2.8lb/秒)がCO2に酸化され、浴温度を維持するための熱エネルギーが提供される。下側Fe/FeO浴13からの150バールの放出ガスは、さらなる処理のためにガス弁16から排気される。溶融Fe/FeOは、圧力差によって下側Fe/FeO浴13から141バールの上側Fe/FeO浴18に移送される。同時に、蒸気(2.4lb/秒)が、2850°Fに維持された上側Fe/FeO浴18内に注入され、純粋なH2ガスの高圧流が生成され、ガス弁21から排出される(0.3lb/秒)。]
[0103] 高純度の高圧合成ガス流が、COでは22.8lb/秒およびH2ガスでは0.6lb/秒の速度で連続的に生成され、ガス移送弁11から排出され、ここで、ガス移送弁21からの1.2lb/秒のH2ガスおよびガス移送弁16から生成された精製H2ガス流と合わさる。残留している放出ガスから生成される商品性の生成物(0.9lb/秒のSO3)はH2SO4として回収され、4.4lb/秒のCO2が高純度の高圧ガス流として移送される。]
[0104] 実例VI
高純度の高圧水素(H2)ガスは、79.0%の炭素、3.6%の水素、6.7%の硫黄および9.0%の水および0.4%の灰を含む石油コークス供給原料から作製される。微粉砕された供給原料(15lb/秒)および10.5lb/秒の酸素を、注入ポイント1から2850°Fの溶融Fe浴2内に底部から注入する。炭化水素供給原料の熱分解により、下側浴ガスゾーン4内に149バールの一定圧力がもたらされる。溶融Fe/FeOは下側Fe浴2から上側Fe浴8に移送され、上部のガス空間10内は141バールの減圧に維持される。必要に応じてスラグ除去がスラグ除去システム3により維持される。FeからFeO+H2への酸化のため、さらに24.0lb/秒の蒸気を注入ポイント7から浴8内に注入する。]
[0105] 高純度の高圧H2ガス流が2.7lb/秒の速度で連続的に生成され、ガス移送弁11から排出され、ここで、ガス移送弁16から生成された0.7lb/秒の精製H2ガス流と合わさる。処理後のガス移送弁16からの残留している放出ガスから生成される商品性の生成物は、H2SO4として回収される0.9lb/秒のSO3および高純度の高圧ガス流としての43.4lb/秒のCO2である。]
実施例

[0106] 本発明を、その好ましい態様を参照して具体的に示し、記載したが、形態および詳細における種々の変形が、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱せずになされ得ることは、当業者によって理解されよう。]
权利要求:

請求項1
a.浴温度T1および浴槽圧P1を有する浴を収容し得る第1の浴槽、ならびにb.ハウジング温度T10を特徴とする反応器ハウジングを備え、第1の浴槽が該ハウジング内に収容され、両者間にガスゾーン圧力P10を有するガスゾーンが配置され、P10がP1とほぼ同じであり、T10がT1よりも低い、高温高圧に耐え得る反応器システム。
請求項2
さらに第2の浴槽を該ハウジング内に備える、請求項1記載の反応器システム。
請求項3
各浴槽が、少なくとも100,000psiの引張強度を有する材料で作製されており、溶融金属を収容し得る、請求項2記載の反応器システム。
請求項4
各浴槽がステンレス鋼またはグラファイトを含む、請求項3記載の反応器システム。
請求項5
各浴槽が溶融金属を収容している、請求項3記載の反応器システム。
請求項6
第2の浴槽が第1の浴槽の上に配置される、請求項4記載の反応器システム。
請求項7
第2の浴槽の浴槽圧P2がP1よりも低い、請求項6記載の反応器システム。
請求項8
さらに、第2の浴槽および第1の浴槽と流体により連絡している第1の導管を備えており、それによりP1とP2間の圧力差によって、前記第1の浴槽内に存在する溶融金属の前記第2の浴槽への移送が引き起こされる、請求項7記載の反応器システム。
請求項9
第1の導管が、第1の浴槽の下側半分に配置された供給口と、第2の浴槽の上側半分に配置された排出口を備えている、請求項8記載の反応器システム。
請求項10
第1の導管が、溶融金属の移送を制御するための第1の弁を備えている、請求項9記載の反応器システム。
請求項11
さらに、第2の浴槽および第1の浴槽と流体により連絡している第2の導管を備えており、それにより重力によって、前記第2の浴槽内に存在する溶融金属浴の前記第1の浴槽への移送が引き起こされる、請求項9記載の反応器システム。
請求項12
第2の導管が、第2の浴槽の下側半分に配置された供給口と、第1の浴槽の上側半分に配置された排出口を備えている、請求項11記載の反応器システム。
請求項13
第2の導管が、溶融金属の移送を制御するための第2の弁を備えている、請求項12記載の反応器システム。
請求項14
各浴槽が、少なくとも1つのガス排気ポート、少なくとも1つの蒸気供給口ポート、少なくとも1つの供給原料供給口ポートおよび/または少なくとも1つのガス供給口ポートを特徴とする、請求項12記載の反応器システム。
請求項15
各供給口ポートが各浴槽内の溶融金属表面の下方に位置する、請求項14記載の反応器システム。
請求項16
少なくとも1つの供給口ポートが羽口を含む、請求項15記載の反応器システム。
請求項17
さらに、a.浴温度T3および浴圧力P3を有する溶融金属浴を収容し得る第3の浴槽;b. 前記第3の浴槽の上部に配置され、浴温度T4および浴槽圧P4を有する溶融金属浴を収容し得る第4の浴槽;c.ハウジング温度T11を特徴とする第2の反応器ハウジング、ここで、第2の反応器ハウジング内に第3の浴槽が収容され、両者間にガスゾーン圧力P11を有するガスゾーンが配置され、P11はP3とほぼ同じであり、T11はT3よりも低い;d. 第3の浴槽および第4の浴槽と流体により連絡しており、それによりP3とP4の圧力差によって前記第3の浴槽内に存在する溶融金属の前記第4の浴槽への移送が引き起こされる第3の導管であって、第3の浴槽の下側半分に配置された供給口と第4の浴槽の上側半分に配置された排出口を備えている第3の導管;e. 第3の浴槽および第4の浴槽と流体により連絡しており、それにより重力によって前記第4の浴槽内に存在する溶融金属浴の前記第3の浴槽への移送が引き起こされる第4の導管であって、第4の浴槽の下側半分に配置された供給口と第3の浴槽の上側半分に配置された排出口を備えている第4の導管を備える、請求項13記載の反応器システム。
請求項18
各浴槽が頭隙を特徴とし、第1の浴槽の頭隙が第3の浴槽の溶融金属浴と流体により連絡しており、第4の浴槽の頭隙が第2の浴槽と流体により連絡している、請求項17記載の反応器システム。
請求項19
a.浴温度T1および浴圧力P1を有する浴を収容し得る第1の浴槽;b. 前記第1の浴槽の上部に配置された浴温度T2および浴槽圧P2を有する浴を収容し得る第2の浴槽;c. 第1の浴槽および第2の浴槽と流体により連絡しており、それによりP2とP1間の圧力差によって前記第1の浴槽内に存在する液体の前記第2の浴槽への移送が引き起こされる第1の導管;ならびにd. 第1の浴槽および第2の浴槽と流体により連絡しており、それにより重力によって前記第2の浴槽内に存在する液体の前記第1の浴槽への移送が引き起こされる第2の導管を備える、反応器システム。
請求項20
第1および第2の浴槽が溶融金属である液体を収容している、請求項19記載の反応器システム。
請求項21
a. 第1の溶融金属浴を収容しており、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの圧力P1に維持された第1の浴槽内に炭素含有供給物流を添加し、一酸化炭素および硫化水素を含む第1の槽ガス流を生成させる工程;b. 第1の槽ガス流を第1の浴槽から移動させ、該ガス流を、第3の溶融金属浴を収容しており、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第3の圧力P3に維持された第3の浴槽内に導入し、任意に蒸気または酸素含有供給物などの酸素供給源を添加し、水素、SO3および二酸化炭素を含む第3の槽ガス流を生成させる工程;c. 第3の槽ガス流を第3の槽から移動させ、任意にSO3を濃縮および/または二酸化炭素を除去し、それにより精製水素ガスを得る工程;d.低炭素含有量を特徴とする第4の溶融金属浴を収容しており、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第4の圧力P4に維持された第4の浴槽に蒸気を添加し、それにより精製水素を生成させる工程;e. 工程(c)および/または(d)で生成されたガス流を、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第2の圧力P2および約800〜1000F未満の温度に維持され、高炭素含有量を特徴とする第2の溶融金属浴を収容している第2の浴槽に添加し、それにより精製メタンを生成させる工程を含む、高純度メタンガスの作製方法。
請求項22
a. 第1の溶融金属浴を収容しており、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの圧力P1に維持された第1の浴槽内に炭素含有供給物流を添加し、一酸化炭素および硫化水素を含む第1の槽ガス流を生成させる工程;b. 第1の槽ガス流を第1の浴槽から移動させ、該ガス流を、第3の溶融金属浴を収容しており、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第3の圧力P3に維持された第3の浴槽内に導入し、任意に蒸気または酸素含有供給物などの酸素供給源を添加し、水素、SO3および二酸化炭素を含む第3の槽ガス流を生成させる工程;c. 第3の槽ガス流を第3の槽から移動させ、任意にSO3を濃縮および/または二酸化炭素を除去し、それにより精製水素ガスを得る工程;d.低炭素含有量を特徴とする第4の溶融金属浴を収容しており、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第4の圧力P4に維持された第4の浴槽に蒸気を添加し、それにより精製水素を生成させる工程;e. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第2の圧力P2および約1000F未満の温度に維持され、高炭素含有量を特徴とする第2の溶融金属浴を収容している第2の浴槽に酸素ガスを添加し、それにより精製一酸化炭素を生成させる工程を含む、高純度合成ガスの作製方法。
請求項23
請求項17記載の反応器システムを使用する、請求項21または22記載の方法。
請求項24
a. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの圧力P1に維持された第1の溶融金属浴を収容している第1の浴槽内に炭素含有供給物流を添加し、酸素供給源の導入によって潜熱を生成させ、金属酸化物高含有溶融金属浴を維持する工程;b. 少なくとも1バール、好ましくは少なくとも100バールの第2の圧力P2および約500Fより高い温度に維持された上側の第2の浴槽に金属酸化物高含有溶融金属浴を移送する工程;c. 上側の溶融金属浴に蒸気を添加し、それにより高純度水素ガスを生成させる工程を含む、高純度水素ガスの作製方法。
請求項25
請求項1〜20いずれか記載の反応器を使用する、請求項24記載の方法。
請求項26
溶融金属浴の1つ以上が鉄および/または懸濁された鉄を有するスズを含む、請求項21〜25いずれか記載の方法。
請求項27
石炭などの炭化水素を含む供給原料を、ガス流を生成させる多重溶融金属浴反応器内に導入し、該ガス流が連結された多重金属浴反応器内でさらに処理されることによって合成ガス(CO/H2)および/またはH2ガス流、あるいは高純度の高圧CH4およびCO2ガス流を別々に連続的に生成させる方法。
請求項28
炭化水素供給原料から炭素含有供給原料を1種類以上のH2、CH4、COまたはCO2ガス流に変換させるための請求項1〜20いずれか記載の反応器を使用する方法。
請求項29
炭化水素供給原料が石炭を含む、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項30
炭化水素供給原料が石油コークス、石炭、褐炭、オイルシェール、天然ガスまたはバイオマスを含む、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項31
炭化水素供給原料が液体またはガス状炭化水素を含む、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項32
炭化水素供給原料が、少なくとも約4,000BTU/ポンドの熱量を有する廃棄物材料を含む、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項33
供給原料が、オーガー押出成型、底部もしくは側部からの注入または蒸気冷却式上部ランスからの注入によって添加される、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項34
少なくとも1つの浴槽内の圧力が約10バール以上および/または約600バール未満、好ましくは約150〜200バールに維持される、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項35
反応器圧力が炭化水素供給原料の添加速度によって制御される、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項36
前記第1の浴槽と前記第2の浴槽間および/または前記第3の浴槽と前記第4の浴槽間で、該金属面が上昇し、金属移送配管内の抵抗に勝るのに必要とされる圧力より大きい圧力差を垂直および/または斜め方向において維持することにより溶融金属浴が移送される、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項37
さらに、ガスからHgを抽出する工程を含む、上記請求項いずれか記載の方法。
請求項38
さらに、水でクエンチングしてH2SO4を生成させることによりSO3を抽出する工程を含む、請求項21記載の方法。
請求項39
さらに、第3の浴槽内から排出されるガス流のH2とCO2を分離する工程を含む、請求項21記載の方法。
請求項40
さらに、Ca、Fe、K、Mg、Na、Si、SnおよびTiの1種類以上の酸化物などのフラックスの添加によってスラグ層を形成する工程を含む、請求項21記載の方法。
請求項41
P1がP3より大きく、P3がP4より大きく、P4がP2より大きいような相対圧力の維持を含み、それによりガス圧縮なしで浴槽間のガス状材料の移送を可能にする、請求項21記載の方法。
請求項42
垂直または水平に並べた最初の2つの浴内の浴金属が、水を還元するのに充分な酸化電位の金属を含む2種類以上の金属の合金であり、垂直または水平に並べた第2の組の金属浴が、アンチモン(Sb)、コバルト(Co)ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、鉛(Pb)タングステン(W)および亜鉛(Zn)または他の金属を含む反応性金属のリストから選ばれる2種類以上の金属の合金を含む、請求項21〜28いずれか記載の方法。
請求項43
垂直に並べた最初の2つの浴内の浴金属が、2種類以上の金属の合金であって、該金属の少なくとも1種類が該浴の条件下で水を還元しない低反応性金属であり、垂直に並べた第2の組の金属浴が、2種類以上の金属の合金を含み、該金属の少なくとも1種類は、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銅(Cu)、金(Au)、イリジウム(Ir)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、オスミウム(Os)、白金(Pt)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、セレン(Se)およびテルル(Te)を含む相対的に非反応性である金属のリストから選ばれる、請求項21〜28いずれか記載の方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
JP5796672B2|2015-10-21|高炉又は製鉄所の操業方法
US4187672A|1980-02-12|Apparatus for converting carbonaceous material into fuel gases and the recovery of energy therefrom
AU593860B2|1990-02-22|Two-stage coal gasification process
US4781731A|1988-11-01|Integrated method of charge fuel pretreatment and tail gas sulfur removal in a partial oxidation process
US7132183B2|2006-11-07|Process and system for converting carbonaceous feedstocks into energy without greenhouse gas emissions
US4153426A|1979-05-08|Synthetic gas production
US4181504A|1980-01-01|Method for the gasification of carbonaceous matter by plasma arc pyrolysis
Huang et al.2013|Synthesis gas production from biomass gasification using steam coupling with natural hematite as oxygen carrier
CA2673274C|2015-02-03|Process and installation for generating electrical energy in a gas and steam turbine | power generating plant
ES2642917T3|2017-11-20|Gasification of combustible organic materials
US4265868A|1981-05-05|Production of carbon monoxide by the gasification of carbonaceous materials
Yu et al.2006|Effect of iron on the gasification of Victorian brown coal with steam: enhancement of hydrogen production
US3847567A|1974-11-12|Catalytic coal hydrogasification process
US5855631A|1999-01-05|Catalytic gasification process and system
US9074152B2|2015-07-07|Plasma-assisted waste gasification system
CN102124083B|2014-02-26|两阶段携带气化系统和方法
EP2543743B1|2017-11-29|Blast furnace operation method, iron mill operation method, and method for utilizing a gas containing carbon oxides
JP6088502B2|2017-03-01|水素及び炭素含有生成物を並列的に製造方法
CN1683477B|2011-03-23|高温转化器
US6663681B2|2003-12-16|Method for the production of hydrogen and applications thereof
TWI601813B|2017-10-11|用於部分氧化含碳燃料之化學迴圈程序
EP2462088B1|2016-07-20|Process for the production of methane
US8709128B2|2014-04-29|Process for production of direct reduced iron
US7335320B2|2008-02-26|Method for the production of hydrogen-containing gaseous mixtures
US7754067B2|2010-07-13|Process and apparatus for upgrading heavy hydrocarbons using supercritical water
同族专利:
公开号 | 公开日
US20090224210A1|2009-09-10|
WO2009097599A1|2009-08-06|
US20130228721A1|2013-09-05|
CA2713577A1|2009-08-06|
CA2713577C|2014-05-06|
US8303916B2|2012-11-06|
EP2250125A1|2010-11-17|
KR101267572B1|2013-05-30|
KR20100138904A|2010-12-31|
MX2010008473A|2010-12-15|
AU2009208968B2|2013-05-16|
CN102083744A|2011-06-01|
AU2009208968A1|2009-08-06|
EP2250125A4|2012-02-29|
US8808411B2|2014-08-19|
ZA201006410B|2011-10-26|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2013-02-21| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130221 |
2013-03-15| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130314 |
2013-04-26| A711| Notification of change in applicant|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20130425 |
2013-05-16| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130425 |
2013-06-15| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130614 |
2014-03-27| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140326 |
2014-06-27| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140626 |
2014-07-04| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140703 |
2014-10-02| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20141001 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]