专利摘要:
加工原料を合成ガスとスラグに変換するマルチゾーン型炭素変換装置は、プラズマ熱を利用して灰を溶融スラグへと溶かし、かつ/またはスラグを溶融状態に保つ、スラグゾーンと連絡を取り合う炭素変換ゾーンを含む室から成り、提供される。炭素変換ゾーンとスラグゾーンは、二つのゾーン間での物質移動を制限ないし防止する障壁として機能する、ゾーン間領域により隔離される。スラグゾーンからのプラズマ熱伝達に作用して、ゾーン間領域で、灰から溶融スラグへの初期溶融がもたらされることもある。
公开号:JP2011513517A
申请号:JP2010547925
申请日:2008-02-27
公开日:2011-04-28
发明作者:ツァンガリス,アンドレアス;ベーコン,マーク
申请人:プラスコエナジー アイピー ホールデイングス,エス.エル.,ビルバオ,シャフハウゼン ブランチPlascoEnergy IP Holdings, S.L., Bilbao, Schaffhausen Branch;
IPC主号:C10J3-02
专利说明:

[0001] この発明は、炭素質原料のガス化にかかわっており、特にマルチゾーン型炭素変換装置に関するものである。]
背景技術

[0002] ガス化とは、都市固形廃棄物(MSW)や石炭などの炭素質原料を可燃性ガスに変換することを可能にするプロセスである。発生したガスは、発電や水蒸気生成に利用できる他、化学製品や液体燃料の基本原材料として使用することもできる。
このガスの想定される利用法には、以下のものが含まれる。(イ)ボイラーで燃焼し水蒸気を生成し、内部処理の他外的用途や、蒸気タービン発電に利用。(ロ)ガスタービンまたはガスエンジンで直接燃焼し、発電に利用。(ハ)燃料電池。(ニ)メタノールやその他の液体燃料の生産。(ホ)プラスチックや肥料などの化学製品の原料。(ヘ)水素と一酸化炭素を抽出してそれぞれ産業用燃料ガスとして利用。(ト)その他の工業的用途。]
[0003] 通常ガス化プロセスでは、加熱された容器(ガス化装置)に炭素原料を、酸素適量(定量または少量、あるいはその両方)と、場合により水蒸気と共に送り込む。酸素を過供給してCO2、H2O、SOx、NOxを生成する焼却や燃焼と違い、ガス化プロセスではCO、H2、H2S、NH3の混成による生ガスを生成する。浄化後、ガス化により得られる主要成分で有用なものはH2とCOである。
原料として有効なものに、都市廃棄物や産業活動から出た廃棄物の他、生物医学的廃棄物、下水、スラッジ、石炭、重油、石油、コークス、製油所の重質残さ、製油所廃棄物、炭化水素汚染土、バイオマス、農業廃棄物、タイヤ等の有害廃棄物等がある。原料の素性により、揮発性物質はH2O、H2、N2、O2、CO2、CO、CH4、H2S、NH3、C2H6の他、アセチレン類、オレフィン類、芳香族、タール類、炭化水素液類(油類)、チャー(カーボンブラック、灰)等の不飽和炭化水素を含むことがある。]
[0004] 原料が加熱されるに当り、まずは水分が放出される。乾燥原料の温度が上昇するにつれ、熱分解が起こる。原料は、熱分解によりタール類、フェノール類、軽揮発性炭化水素ガス類を放出し、チャーに変換される。
チャーは、有機物・無機物からなる固形残さ物である。熱分解後に残るチャーは乾燥原料よりも炭素密度が高く、活性炭の供与源となることがある。高温(1,200℃超)で動作するガス化装置や高温域を擁するシステムでは、無機鉱物が融合またはガラス化して、スラグという溶融ガラスに似た物質を形成する。
スラグは融合し、ガラス化した状態にあるため通常無害と判定され、無害物質として埋立地に廃棄したり、原鉱や道床その他の建設材として販売することができる。加熱に要する燃料が多大な無駄であること、さらには有用な合成ガスや固体材料に変換できる物質を残留廃棄物として処分してしまうことも無駄であることから、焼却により廃棄物を処分することは以前に比べて望ましくなくなっている。]
[0005] この発明の目的は、加工原料を合成ガスとスラグに変換するマルチゾーン型炭素変換装置を提供することである。本発明の一側面に従い、マルチゾーン型炭素変換装置を提供する。それは、炭素変換ゾーンと、それと連絡を取り合う、灰を溶融させたりスラグを融解した状態に保つためのスラグゾーンを設けたものである。炭素変換ゾーンは加工原料供給口を1つまたは複数、合成ガス排出口を1つまたは複数、加熱空気供給口を1つ持ち、スラグゾーンはプラズマ熱源とスラグ排出口を持つ。炭素変換ゾーンとスラグゾーンの間には、インターゾーンとも呼ばれるゾーン間領域がある。これは、炭素変換ゾーンとスラグゾーンの間の物質移動を制限ないし防止するための障壁として機能する。]
[0006] 本発明の他の側面に従い、加工原料を合成ガスとスラグに変換するためのマルチゾーン炭素変換装置を提供する。この装置は、相互に連絡を取り合う炭素変換ゾーンとスラグゾーンを持つ容器を擁し、その各ゾーンはゾーン間領域(インターゾーン)によって隔離される。炭素変換ゾーンは、供給源から加工原料を得るための加工原料供給口、合成ガス排出口、加熱空気供給口を持つ。インターゾーンとも呼ばれるゾーン間領域は、ゾーン間領域(インターゾーン)を部分的または断続的に塞ぐことで炭素変換ゾーンとスラグゾーンの間の物質移動を制限する障壁と、オプションとして開始初期に灰を溶融させるための熱伝達要素よりなる。スラグゾーンはプラズマ熱源とスラグ排出口を持つ。炭素変換ゾーンでは加工原料が合成ガスと灰に変換され、ゾーン間領域(インターゾーン)、またはスラグゾーンでプラズマ熱源からの加熱により、もしくはその双方で灰が溶融スラグに変換される。]
図面の簡単な説明

[0007] この現発明の具体例は、これより例を用いてのみ、以下の様に添付の図を参照することにより今説明される:
図1は、大まかに言ってマルチゾーン型炭素変換装置の異なったゾーンを示すブロックフローダイアグラムであり、とりわけ灰を溶融させたりスラグを融解した状態に保つために連絡を取り合う炭素変換ゾーンを示す。
図2は、炭素質原料のガス化装置と結合して灰を溶融させたりスラグを融解した状態に保つためにスラグゾーンと連絡を取り合う炭素変換ゾーンを構成するマルチゾーン型炭素変換装置の供給口を示すブロックフローダイアグラムである。
図3は、一般に言うところのマルチゾーン型炭素交換装置の概観図である。特に炭素変換ゾーンと、ゾーン間領域(インターゾーン)とスラグゾーンの一般的特徴を示す。] 図1 図2 図3
[0008] 図4は、主要となるガス化容器とつながるマルチゾーン型炭素交換装置のひとつの具体例を示す概観図である。
図5は、マルチゾーン型炭素交換装置のフランジ容器の設計を示すもので、それは、障壁の代替を促し、多様な障害コンフィギュレーションの効用を考慮したものである。
図6は、マルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例を部分的に縦に断面した図で、その中には障害物(障壁)が多数のセラミック球を形成している。] 図4 図5 図6
[0009] 図7は、ドーム状のはめば歯車の形をした障壁を詳しく示したマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例のゾーン間領域(インターゾーン)とスラグゾーンを示した縦断面図である。
図8(A)は、マルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例を部分的に縦に断面した図で、空気処理の為の様々なポート、始業バーナーのポート、高温ガス発生器からのガスの為のポート、スラグ排出口、障壁などを詳細に示している。図8(B)は、レベルA−Aにおける8(A)に説明されている具体例のクロスセクション断面図である。 8(C)は、その障壁とつっかいの楔の上面図である。
図9は、マルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例のクロスセクション断面図であり、中では障壁が一連の相互連結した塊を構成している。] 図7 図8 図9
[0010] 図10は、障壁が一つの格子を形成しているイラストである。
図11は、マルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例でのマルチゾーン型炭素交換装置のゾーン間領域(インターゾーン)とスラグゾーンを縦に断面した図である。
図12は、マルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例を縦に断面した図で、そこには、障壁が動く格子を形成している。図12(A)と図12(B)は、動く格子の設計を詳細に示している。] 図10 図11 図12
[0011] 図13Aはマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例におけるスラグの中にあるポートを詳細に描いたクロスセクション断面図で、酸素または空気供給(O)、炭素供急(C)、溶接トーチのポート(P)、そしてガスバーナーのポートを含む。図13Bは、図13Aで示されたマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例を部分的に縦に断面した図である。
図14は図13Bを拡大したものである。
図15は、プラズマ熱デフレクターとスラグソーンを詳細に示す2ゾーン型炭素交換装置の一つの具体例を部分的に縦に断面した図である。
図16は、マルチゾーン型炭素交換装置の改良を示し、スラグゾーンが更には堰を構成してスラグの混合を促進させる為にスラグの水塊を形成している。] 図13A 図13B 図14 図15 図16
[0012] 図17は、マルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例を部分的に縦に断面した図であり、水噴射とドラッグチェーンを含むスラグ冷却システムの一つの具体例を詳細に示している。
図18は、加工原料供給口や様々なポートを詳しく示したマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例の展望図である。
図19は、図18で描かれた加工原料のインプット、合成ガスの放出口、また、プラズマトーチを詳細に示すマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例のもう一つの展望図である。] 図17 図18 図19
[0013] 図20は、図18と19で示されたマルチゾーン型炭素交換装置全体を見る縦断面図で、炭素変換ゾーンとスラグゾーン間の障壁を詳しく説明している。
図21は、図18と20で示されたマルチゾーン型炭素交換装置の炭素交換ゾーンとスラグゾーンの間にある障壁を詳しく描写している。
図22は、図18と21で示されたマルチゾーン型炭素交換装置の空気室全体のクロスセクション断面図である。] 図18 図20 図21 図22
[0014] 図23は、無関係に取り付けられた空気供給口とプラズマトーチを詳しく描いたトーチレベルにおける図18と23のマルチゾーン型炭素交換装置全体をクロスセクション断面図で示している。
図24は、図18と23でのマルチゾーン型炭素交換装置全体をバーナーレベルでみたクロスセクション断面図である。
図25は、図18と23のマルチゾーン型炭素交換装置を他の角度から示したものである。] 図18 図23 図24 図25
[0015] 図26は、加工された原料の供給口や格子状の障壁を構成する様々なポートを詳細に示すマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例の展望図である。
図27は、障壁が互いに連結して一連の塊を構成していることを示すマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例の描写である。
図28は、障壁が主に垂直に格子を形成していることを示すマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例の描写である。] 図26 図27 図28
[0016] 図29は、障壁がはめば歯車状のドームを形成していることを示すマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例の描写である。
図30は、マルチゾーン型炭素交換装置の他に取って代わる具体例を詳細に示す描写である。] 図29 図30
[0017] 図31Aは示すマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例の空気フローをそれぞれ描写している。
図31Bは示すマルチゾーン型炭素交換装置の一つの具体例の空気フローをそれぞれ描写している。
図32は、マルチゾーン型炭素交換装置の他に取って代わる具体例を詳細に示す描写である。
図33は、マルチゾーン型炭素交換装置の他に取って代わる具体例を詳細に示す描写である。] 図31A 図31B 図32 図33
[0018] 発明の詳しい記述
定義
以下使用される技術的、科学的用語はこの発明に関わる一般的な技術者によって普通に理解されるものと同様の意味を示すもととする。
ここに使用される“加工原料”という用語は、以下のものを含む。それらは、チャー、不揮発性炭素や灰成分を伴う低/超低揮発性の原料、炭素質原料ガス化や熱分解プロセスからの副産物、炭素質原料の不完全燃焼から得られる産物、或いは、ガス調整、及びプラズマトーチからの熱源インプットを伴う清浄システムにより収集される固形物などである。]
[0019] ここに使用される“合成ガス”という言葉は、熱価値を持つガス状の物質に燃料を保つ炭素のガス化によって発生する多様な量の一酸化炭素や水素を持つガスの混合物と定義する。合成ガスは主に一酸化炭素、二酸化炭素、水素から成り、天然ガスの半分以下のエネルギー密度を持つ。合成ガスは可燃性であり、しばしば燃料源、あるいは、他の化学物質を生産する中間物質として使用される。
“加工合成ガス”は、プラズマ熱ガスの精製・再考案化を用いて精製されたか、再考案化された合成ガスである。]
[0020] 以下に使用される“感知エレメント”という言葉は、ある工程、工程デバイス、工程インプット、工程アウトプットの特性を感知するために設定されたシステムの全てのエレメントと定義される。そこでは、そのような特性はそのシステムの一つ以上の地域、領域、或いは世界の工程を監視し、統制し、取り締まるために使用可能な特性価値として表現されるかもしれない。このシステムのコンテクストにあると考えられる感知エレメントは、それに限定される訳ではないが、以下のものを含むとすることが出来る。それらは、センサー類、探知機類、モニター類、分析器類等の他、工程プロセス、燃料あるいは物質温度、圧力、フロー、合成状態その他の特性、そして、そのシステム上のいかなるポイントでの物質の状態と作用、また、そのシステム上でのいかなる工程デバイスの作動特性の感知を目的とする如何なる組み合わせも含むであろう。上記の感知エレメントの例は、それぞれがそのシステム上では重要なのであるが、近年の発明開示の中では取り立てて重要ではないかもしれないということは一般の技術者により理解されていくであろう。並びに、ここで感知エレメントとして認識されたエレメントそのものは限定されるべきものではなく、また、これらの例に照らし合わせて不適切に解釈するべきでもない。]
[0021] ここで使用される“応答エレメント”は、前もって決められていたり、計算済みであったり、固定ないしは調整可能なコントロールパラメーターを伴い、工程デバイスを効力をもって作動させる為に知覚された特性に反応するよう設定されたシステムの全てのエレメントを描写する為に明確にされている。そこでは、一つ又は複数のコントロールパラメーターが、望ましい工程結果をもたらす為に明確にされている。このシステムのコンテクストのなかで考えられている応答エレメントは、それに限定されないが、静的でプリセットであるか、またはダイナミックに変化するドライバーであったり、パワー源や作動を伝達するために設定されたその他のエレメントを指すといえるであろう。そして、それは一つ又は複数のコントロールパラメーターを元にした装置に対して機械的、空気力学的、水力学的、或いはそれぞれのコンビネーションであるかもしれない。一つ又は複数の応答エレメントが共に作用するかもしれないが、このシステムのコンテクストの中で考えられる工程デバイスは、以下に限られるわけではないが、物質また或いは原料のインプット手段、プラズマ熱源のような熱源、付加的インプット手段、様々なガス排出器類又はガス循環デバイス、様々なガスフロー又は圧力調整装置、そして、その他このシステムのコンテクストの中でいかなる地域的、領域的、世界的のプロセスに影響を与えるべく作用するその他の工程デバイスが含まれるといってよいだろう。上記の応答エレメントの例は、それぞれがそのシステム上では重要なのであるが、近年の発明開示の中では取り立てて重要ではないかもしれないということは一般の技術者により理解されていくであろう。並びに、ここで応答エレメントとして認識されたエレメントそのものは限定されるべきものではなく、また、これらの例に照らし合わせて不適切に解釈するべきでもない。]
[0022] このシステムの概観
図1を参照すると、加工原料を、合成ガスと不活性のスラグ物質に変換するマルチゾーン型炭素変換装置が提供されている。マルチゾーン型炭素変換装置は、耐熱性物質が並ぶ容器を構成している。そしてその容器は、加工原料を受け取る1つまたは複数の供給口、1つ又は数の排出口、1つのスラグ排出口、加工原料を合成ガスと灰とに変換するのを促進する空気供給口、そして、灰を溶解してスラグにするのに必要な熱と随意で蒸気させ、或いは付加的な産物を加工するためのプラズマ熱源を保持している。オプションとして、加工原料は変換装置に供給される前に前処理(均質化、すりつぶし、寸断また或いは粉末化)が施してある。特に、マルチゾーン型炭素変換装置は、第1ゾーンとスラグゾーンと連絡する第1ゾーンと炭素変換ゾーンを構成し、残余の事実上無炭素の固形物質を溶解スラグに溶かし、スラグを溶解状態に保つという目的を持つ。その炭素変換ゾーンとスラグゾーンは、インターゾーン領域か、或いはその2つのゾーン間での物質の動きを限定したり、制限したりする障壁を構成するインターゾーンに分断されていて、また、ある形態では残余の事実上無炭素の固形物質(例えば、灰)を溶解状態する初期溶解を提供するかもしれない。] 図1
[0023] 現在のマルチゾーン型炭素変換装置はオプションで炭素原料から加工原料を生成するシステムと共同して使われる。例えば、マルチゾーン型炭素変換装置(10)は、低温ガス化装置(15)(図2と4を参照の事)から加工原料を得る事ができる。そのような状況では、マルチゾーン型炭素変換装置は、ガス化プロセス(例えば、炭素変換)の第3ステージは、マルチゾーン型炭素変換装置の中で事実上完了しているという意味で、ガス化装置の延長であると考えられるかもしれない。
一般に、炭素原料のガス化は3つのステージ、とりわけ、乾燥ステージ、揮発ステージ、チャーより灰(または炭素)への変換ステージに細分化できる。] 図2
[0024] 第1ステージ:物質の乾燥
ガス化プロセスの最初のステージは乾燥であり、それは主に25℃と400℃の間で起こる。いくらかの揮発とチャーより灰への変換はこれらの低温状態でも生じるかもしれない。
第2ステージ:物質の揮発
ガス化プロセスの2番目のステージは乾燥であり、それは主に400℃と700℃の間で起こる。いくらかの炭素変換(チャーから合成ガス)と同様に揮発作用の少量(残り)はまたこの温度で生じるであろう。
第3ステージ:チャーより灰の変換
炭素変換のガス化プロセスの3番目のステージは600℃と1000℃の間の温度域で起こる。少量(残り)の揮発はこの温度で生じるであろう。このステージ後には、主要な物質は事実上非炭素固形残留物(灰)と合成ガスである。灰の密集を避ける為に、この温度域での最高温度は約950℃を超えてはならない。
ガス化の際、希望通りの合成ガス物質の産出を増大させるために、炭素原料を希望通りのガス物質に変換することを最大化する必要がある。それゆえ、マルチゾーン型炭素変換装置は、合成ガスとスラグ物質の回収を促す一方で、加工原料の中にある得られる残りの炭素を合成ガスへと完全に変換するのを可能にするシステムを提供する。マルチゾーン型炭素変換装置は、従って、付加の熱風もまた供給し、オプションとして、炭素を希望通りの合成ガスへと変換するのを促進するために、例えば蒸気、また或いは、濃炭素ガス、また或いは炭素などの添加物を加工し供給する。
マルチゾーン型炭素変換装置は、さらにまた、残存無機物質(例えば、灰)をガラス状の固体やスラグに完全変換するのを促進するためにプラズマ熱を提供する。]
[0025] マルチゾーン型炭素変換装置は、耐熱カバーの容器からなるが、その容器は以下のものから構成されている。(イ)合成ガス排出口、(ロ)熱空気吸入口、(ハ)スラグ排出口、(二)プラズマトーチなどのプラズマ熱源のための一つ又は複数のポート、(ホ)オプションで一つ又は複数の加工付加吸入口やポート。マルチゾーン型炭素変換装置は、またオプションで動作パラメーターを監視するためや、変換反応を最適化するために変換装置内の作動状態を調整するための制御サブシステムとして機能する。
感知エレメントと応答エレメントは、変換装置の中で統合されており、応答エレメントは感知エレメントから得られるデータに従って、変換装置の中で作動状況を調節する。
マルチゾーン型炭素変換装置は、残存固形物質(例えば灰)を溶解するため、また或いは、溶解状態にスラグを維持するために、第2ゾーン或いはスラグゾーンと連絡する第1ゾーン又は炭化変換ゾーンを構成する。炭素変換ゾーンとスラグゾーンの間には、インターゾーンとも呼ばれるゾーン間領域がある。これは、2つのゾーン間の物質移動を導いたり或いは制限するための障壁として機能する。そのゾーン間領域とインターゾーンは、オプションとして、残存する事実上無炭素の固形物質(例えば灰)を溶融スラグに溶かす初期溶解をもたらしたり、また或いは、空気の拡散や混合を促進する。]
[0026] 図3は、マルチゾーン型炭素交換装置(10)の1つの具体例を図式で描写したものである。マルチゾーン型炭素交換装置(10)は、加工原料供給口(20)を耐熱カバーの容器(15)の炭素変換ゾーン(11)につなげて作られている。そこでは、熱空気供給口(35)が、加工原料のうちで未到着の炭素を合成ガスに転化させる。残存する事実上無炭素の固形物質(例えば灰)は、溶解スラグ物質に転化されるが、それはゾーン間領域で生じるか、或いはインターゾーン及び、直接また間接的に(熱転移エレメントを通して)プラズマ熱の効用を持つスラグゾーンで生じる。オプションとして、ゾーン間領域やインターゾーンの障壁は、熱転移エレメントとしてプラズマ熱源を残存固形物質(例えば灰)へ転化させたり、それにより初期溶解に作用したりする役割を持つ。ゾーン間領域やインターゾーンはさらにプラズマ熱を効率的に転化させるために付加的な熱転移エレメントを構成するかもしれない。溶融スラグ物質は、マルチゾーン型炭素交換装置のスラグゾーンからの生産物であり、冷却のために最適なスラグ冷却サブシステムへと通過する。合成ガスは変換装置からの産出物あり、オプションとして、メインのガス化容器に戻され、そこではメインのガス化プロセスからのガス物質と組み合わされるか、或いはさらに流されて加工されるか、貯蓄タンクに蓄積されるかである。
マルチゾーン型炭素交換装置に送り込まれる投入物としての加工原料は、多様な物質が源となる。それは、炭化原料ガス化の副産物からであったり、炭素燃料の不完全燃焼から得られる熱分解処理物であったり、或いは、プラズマトーチからの熱源物とともに、ガス調整したり洗浄したりして得られる固形物だったりする。] 図3
[0027] マルチゾーン型炭素交換装置は、炭素変換や残存する事実上無炭素(例えば灰)の溶解を連続的に促進することにより、合成ガスやスラグの生産を促進する。これは、炭素交換が、残存する事実上無炭素(例えば灰)が、より高温域にさらされる前に一定の温度下で起こることを可能にさせる事により達成される。マルチゾーン型炭素交換装置は、溶解物のなかに閉じ込められた幾らかの炭素を最小限にするか取り除く。
特に、炭素変換プロセスは、適正な水準の酸素を加工原料に与えることから成り、また、加工原料の温度が、加工原料を炭素変換ゾーンの特定の環境にさらすことにより、その加工原料の中の炭素を合成ガスに変質するのに必要なレベルにまで引き上げることで構成される。その変換プロセスで作られた合成ガスは、ガス排出口を通ってその容器から出る。]
[0028] 作られた合成ガスは、重金属と微粒子汚染物質を含有するかもしれない。従って、ある形態において、マルチゾーン型炭素交換装置は、さらにオプションで、ダウンストリームアプリケーションのために必要な残留ガスを冷却し調節するためのガス調節サブシステムを構成する。或いは、マルチゾーン型炭素交換装置は、後続のガス調節、また或いはガス貯蔵システムと連結している場合もある。
加工原料の基点は、これに限ったものではないが、低温/高温ガス化装置、又は、熱分解器、そして、留物を貯蔵する箇所にあるホッパーであったり、或いは、例えばバグハウス・フィルターや集塵器のような、ガス調整システムの中にある微粒子質分離器であり得る。マルチゾーン型炭素交換装置は、直接または間接的に加工原料の基点と連結している。この加工原料は、連続的/断続的に、加工原料の基点から適度に調整された排出口や運搬媒介を通過して、容器の加工原料注入口へと運ばれ、この時それは、システムの必要条件と取り除くべき副産物のタイプに従って熟練者により確認されるであろう。オプションとして、加工原料はその容器に投入される前に前処理される。前処理は、同質化、すりつぶし、粉末化、寸断化、原資分断、或いは、メタル除去、などが含まれるが、これに限ったものではない。]
[0029] 例えば、約1200℃から約1800℃の温度で溶融スラグは、マルチゾーン型炭素交換装置から連続的に産出され、その後、固形スラグ物質を形成するため冷却される。
そのようなスラグ物質は、埋立地に廃棄されるか、または、更に一般的用途のために砂利状に粉砕されるかもしれない。代わって、溶解スラグは、インゴット、レンガ、タイル、又は類似の建設用資材を鋳造する為に型に注入されることもできる。その出来上がったスラグ物質は、コンクリートへの補充的セメント物質として、軽量砂利、及びミネラルウールの製造やフォームガラスの生産において、そして包装資材の発展の場においても利用されるであろう。
さらに、マルチゾーン型炭素交換装置は、溶解スラグを冷却して固形状態にするサブシステムも含んでいる。そのスラグ冷却サブシステムは、要求に見合ったフォーマットで冷却されたスラグ物質を適切に許容できるように提供されている。]
[0030] マルチゾーン型炭素交換装置はまた、オプションとして、その炭素変換と溶解プロセスを管理するためのコントロールシステムを持つ。特に、マルチゾーン型炭素交換装置は、そのシステムの作動パラメーターに対する感知エレメント、及び、変換プロセスを管理するシステムの中でその作動状況を調整するための応答エレメントを併せ持ち、そこでは、応答エレメントが、感知エレメントから得られたデータに基づいて、そのシステムの中で作動状況を調整し、それによって効率的に、完全な炭素変換と溶解が促進されている。調整可能な作動パラメーターは、例として以下のものが含まれる。それらは、プラズマ熱レート(力)と位置、加工原料レート、空気そして、又は蒸気、そして又は濃炭素ガス、そして又は炭素含有ガスインプット、そして又は、炭素インプットなどである。
マルチゾーン型炭素交換装置
新たに図3を参照すると、マルチゾーン型炭素交換装置(10)は、最初のエンド(加工原料供給口エンドと第2のエンド(スラグ排出口エンド)を併せ持つ耐熱カバーされた容器(15)から構成させている。その変換器は以下のものから構成されている。それらは、加工原料供給口(20)、合成ガス排出口(25)とスラグ排出口(30)、プラズマ熱源(40)、熱空気供給口(35)、1つまたは複数の付加供給口群(図には無し)があり、またオプションとしてコントロールシステムがある。
さらに、図4では、メインのガス化容器と関連する代表的なマルチゾーン型炭素交換装置が図解で描写されている。マルチゾーン型炭素交換装置(10)は、加工原料供給口(20)が炭素変換ゾーン(11)に繋がっていて、そこでは、熱空気供給口(35)が、加工原料を合成ガスや残存する実質無炭素固体(例えば灰)に転化させている。 合成ガス物質は合成ガス排出口(25)を通じて排出される。残存固形物質(例えば灰)は、間接的に(例えば、熱転化エレメントの使用を通して)、或いはプラズマ熱の直接的な適用を通して、ゾーン間領域、或いはインターゾーン(12)、そして又は、スラグゾーン(13)でスラグに溶かされる。溶融スラグ物質は、スラグゾーンでの生産物であり、冷却のためにオプションの冷却サブシステムに送られる。その容器からの合成ガス生産物は、オプションでメインのガス化容器に送り戻され、そこでは、メインのガス化プロセスからのガス状物質と混ぜ合わされるか、ないしは後続過程か、貯蔵システムに送られる。] 図3 図4
[0031] 容器デザインの考察
マルチゾーン型炭素交換装置の容器は、加工原料を合成ガスに加工するために密封、断熱されたスペースを供給し、また、合成ガスが、冷却、精製、その他の後続過程へ続くの通路として備えられ、且つ灰をスラグに加工することを可能にするようデザインされている。その容器のデザインは、2つのゾーンの形成を促し、それらゾーン個々の特定の必要条件に反映する。そのデザインはオプションで、検査、メンテナンス、修理のために、マルチゾーン型炭素交換装置の内部までのアクセスを提供することができうる。図5を参照すると、その容器はオプションで個々のゾーン、ゾーン間領域、或いは個々のゾーンのパーツの交換を容易にするためにフランジ型容器になっている。
マルチゾーン型炭素交換装置は、炭素変換ゾーン、ゾーン間領域或いはインターゾーン、そしてスラグゾーンから構成されている。炭素変換ゾーンは以下の様に利用される:イ)加工原料を供給し調整する、ロ)熱空気を供給し、その加工原料内の無作用な炭素を発熱価と実質無炭素残存を持つ合成ガスへ転化させる、ハ)蒸気や或いは濃炭素ガスのようなオプショナルな加工添加物を供給する、二)その合成ガスと固形残存物を排出する。ゾーン間領域とインターゾーンは、炭素変換ゾーンとスラグゾーンを分離したり、その2ゾーン間の物質の流れを調整するよう設計されており、またオプションとして、プラズマ熱が固形残存物に変化するのに作用することにより固形残存物がスラグに初期溶解するのに備えるようにできる。スラグゾーンは、炭素変換による実質無炭素固形残存物が融解スラグを形成するように(またオプションでいかなる残存炭素もガスに転化するように)、或いは溶解スラグを溶解状態に維持する為に調節する熱を供給するように、さらに溶解スラグとガス物質を適切な場所で排出するように設計されている。オプションとして、さらにスラグゾーンは、溶解スラグの固体化を促す為にスラグ冷却サブシステムを構成するか、またはそれと接続させることが出来る。従って、二つのゾーンを持つ炭素変換装置の容器は、加工原料供給口、熱空気供給口、ガス排出口、スラグ排出口、プラズマ熱源とオプションで一つ又は複数の付加物供給口、などから構成される耐熱式で、一般には垂直的志向の容器である。個々のゾーンの規模を決定するにあたり、その個々のゾーンの機能が考慮される。炭素変換ゾーンでは、出来るだけ多くの炭素がガス相に転化される。スラグゾーンは、灰を完全に溶解するために機能する。炭素変換ゾーンは、作動可能な最高温度でサブ化学量論(SUBSTIOCHOIMETRIC)的環境どどまる一方で、最も多くの量の炭素が転化される時点の空気流入出により測られる。クロスセクションの部分は、必要とされる外見上の速度が基準となるので、作動状態は移動層性ではなく、固定層モードを基盤とする。そのスラグゾーンの寸法は、温度バランスを基礎としたならば、灰がプラズマ熱源からの熱供給物としっかりと溶け合うように高温レベルで維持するために計算される。] 図5
[0032] マルチゾーン型炭素交換装置の容器は、炭素転換と灰加工が効率よく、完全に遂行されるのを確かにするよう設計されており、これらの加工プロセスが効率よく終了するためにエネルギー量の使用を最小限にするという目的がある。従って、その容器を設計する際に考慮されるのは、効率的熱転化、十分な熱温度、滞在時間、溶解スラグフロー、投入残存量、混合物、などの要素の他、そのサイズやその容器の絶縁性である。その容器はまた確実にそれらの加工が安全な方法で遂行されるべく設計されている。従って、マルチゾーン型炭素交換装置は、加工環境を外部環境から隔離するよう設計されている。一般に、その容器は加工原料の基部に近いところの上部エンドが特に炭素交換過程に順応し、スラグ排出口の基部に近いところは特に溶解過程に適用される。
代わって、その容器は、炭素変換ゾーンが中核設定ゾーンであり、スラグゾーンがその炭素交換ゾーンを取り囲んだ状態になるよう設計されている。そのような形態では、炭素交換ゾーンとスラグゾーンの分離は、傾いたフロアを使用することにより、スラグと比較して炭素変換ゾーンを引き上げることにより達成される。
オプションで、その容器は炭素交換ゾーンとスラグゾーンの分離を促進し、容易にするように形造られる。従って、ある形態では、ゾーン間領域とインターゾーンが容器のくびれ部分を形成している(図20参照)。] 図20
[0033] 物質類
マルチゾーン型炭素交換装置は、耐熱性系の容器であり、必要な固体滞在時間の間に適量の物質を順応できるサイズの内部容積をもっている。
その容器は、典型的に、適度な状態にある物質の幾重もの層で製造されている。例えば、外側の層、或いは外板は、典型的に金属である。さらに、鉄管の温度を下げる為に、内部の耐熱層と外部の金属外版の間に一つ又は複数の断熱層を加えるというのは有益であるかもしれない。スラグ貯蔵部分の外側表面全体の断熱ボードはまた、鉄管の温度を下げるために提供されているといえよう。オプションで、セラミック製の覆いを絶縁物として使用し得る。亀裂することなく耐熱性物質の膨張する余地が必要な際は、セラミック製の覆いなどの圧縮力のある物質は金属の外板に代わって使用できる。その絶縁物質は、もしそれが重要な問題ならば、酸性ガスの液化を避ける為に外板に十分な高温を提供するために選ばれる。しかし、外側の外板の好状態を危うくすることのない高さまでの温度である。]
[0034] 耐熱性物質は、その容器を高熱や腐食性ガスから保護し、その過程で生じる不必要な熱のロスを最小限にする。その耐熱性物質は、技術者にとってはよく知られた平凡な耐熱性物質であり得るし、また、高温に対しての使用(例えば約1100℃から1800℃の温度)で非加圧反応の状態に適している。耐熱性システムを選ぶ際に考慮されるべき要素は以下のものが含まれるが、それは、イ)磨耗、ロ)侵食と腐食、ハ)適した熱保護/外管の温度の制限、二)耐熱物質の適した寿命などである。適した耐熱物質の例は、高温の燃焼セラミック、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、アルミノケイ酸、立方晶窒化ホウ素、ジルコニウムリン酸塩、ガラスセラミックス、そして、シリカ、アルミナ、クロミア、ティアニアなどを含む高アルミニウム片、などがある。さらに侵食の集積からその容器を守るためには、その容器は、オプションとしても、部分的にも、全体的にも、保護用メンブランで覆われる。そのようなメンブランは、学術的に認知されており、熟練した者であれば、そのシステムの必要に応じて正しいメンブランを簡単に見つけ出す事が出来るであろう。そして、その例として含まれるのが、ソウエレイセン高温メンブラン49番である。]
[0035] ある形態では、耐熱性物質は、高密度の層を内側にもつマルチ層設計であり、高温、磨耗、侵食と腐食に耐えられる。高密度物質の外側は、抵抗力は低い特性を持つが、高い断熱性要素を持つ低密度物質である。オプションでは、この層の外側は非常に高い断熱性要素を持つ非常に低い密度のフォーム板物質であり、侵食作用による磨耗にさらられないので使用可能である。マルチ層耐熱性物質で使用される適切な物質は学術的に知られるところである。
ある形態では、マルチ層耐熱性物質は、内的に集まるクロミア層、つまり、中間アルミナ層と外側インスボード層である。
オプションとして、個々それぞれのゾーンと領域にある耐熱性物質は、その容器の中での特定の部分の環境に応じて限定して適用してよいだろう。例えば、容器の底の部分は、実際の温度が高いので濃密な耐熱性物質を使う。更に、スラグゾーンの耐熱性物質はより高い温度に耐性を持つように適用され、スラグが耐熱物質に浸み込むのを防ぎ、それにより耐熱性物質の腐食を軽減するための設計がされているだろう。]
[0036] その容器の壁は、耐熱性壁や耐熱性固定剤に対してのサポートを組み込むことができる。適切な耐熱サポートや固定剤は学術的にも知られている。
過酷な作動状態のために、この耐熱性物質は定期的なメンテナンスが必要であるであろうと予想される。従って、ある形態では、その容器はフランジが付いていて取り離し出来る上部と下部が提供されており、そこでは、容器の下部(貯蓄器が取り付けられている)が容器の上部から取り外しできる。ある形態では、メンテナンスがし易いように下部分を上部分から落とし出すことが出来る。この形態は、容器の上部とそのシステムのアップストリーム/ダウンストリーム部分との間のいかなる連結部分にも障害をきたすことなく下部を取り外す事ができるよう備えられている。
炭素転換ゾーン
この炭素転換ゾーンは、加工原料の温度をその加工原料中の炭素を加工原料が合成ガスに転換するのに必要なレベルに温度を引き上げることにより達成されるのが、その転換は加工原料を炭素転換ゾーンの特定の環境にさらされる事により成される。この転換プロセスで産出された合成ガスは、ガス排出口を通じて排出される。ある形態では、その合成ガスはガス化容器に押し戻され、そこでメインのガス化プロセスで作られた様々なガスと混ざり合う。]
[0037] 図4を参照すると、炭素変換ゾーン(11)は、加工原料を受け取る一つまたは複数の供給口(20)と一つ又は複数の合成ガス排出口(25)からなり、スラグゾーン(13)を伴ってゾーン間領域、或いはインターゾーン(12)を通じて連絡を取り合っている。
その炭素交換ゾーン(11)は、残存するいかなる揮発性物質や炭素をも合成ガスに変換するために必要な温度を提供するための熱空気供給口を供えている。 この容器はまた、熱空気に対して残存物が非常に効率よくさらされることを確かにするよう設計されており、物質ガスを通して失った適当な熱の量を最小限に留める目的がある。
加工原料供給口
マルチゾーン型炭素交換装置は、変換容器の加工原料注入口と結合する加工原料供給口から成る。加工原料の注入口は、加工原料がその容器の炭素変換ゾーンを通って受け取られる様に適用される。加工原料の容器へのインプットは受動的(例えば、重力によってなど)であるか、或いは能動的でもある可能性もある。オプションとして、加工原料供給口は、加工原料をその出所から変換器容器の注入口まで活発に運ぶ。適切で活動的な運搬メカニズムは学術的にも知られており、2重ロックホッパー、スクリューコンベヤー、ドラッグチェーン、などがあるが、空気作用で押さえるなど、その他の手段も学術的に知られている。] 図4
[0038] その容器に入れられる加工原料は、1つまたは、複数の出所から来ると言えよう。例えば、以下に限ったものではないが、低温又は高温のガス化装置、ガス化プロセスでの残存物が貯蔵されてる場所にあるホッパー、或いは、バグハウスフィルターや集塵機からでる飛散灰のようなアップストリームのガス調製システムなどのものが含まれる。
加工原料が複数の供給ストリーム、或いは、複数の出所から供給される場合では、それぞれ違ったストリームが、各専用の注入口を通って容器に送られるだろう。或いは、それらは、その容器に導入される前に混合されるかもしれない。後者の形態では、加工原料の全てが通るための1つの加工原料注入口が供給されている。従って、この容器は、共有の注入口、或いは複数の注入口があると言えるであろう。
この加工原料の出所は、マルチゾーン型炭素交換装置の容器と直接連絡する形で供給されていると言えよう。つまり、それぞれの加工原料インプットは、その出所から容器に直接送られるということである。それに代わって、その出所はその容器と直接連絡する形で供給されているとも言えよう。そこでは、残存インプットは、その出所から容器へと運搬手段のシステムを通して運ばれる。]
[0039] マルチゾーン型炭素交換装置の容器が、間接的に加工原料の出所と繋がっている場合では、その加工原料供給口は加工原料をその出所から容器に運ぶ一つ又は複数の手段を持つ。例えば、その加工原料は、単一のスクリューコンベアー、あるいは一連と成ったスクリューコンベアー、ベルト、ピストン、すき、ローテーティングアーム、ローテーティングチェーン、トラベリンググレイト、そして、プッシャーラムなどを含む。
マルチゾーン型炭素交換装置の容器は、オプションとして、加工原料供給口と共同してエアロックが備えられる。このオプションのエアロックは、加工原料(そして、余分な空気吸入を防ぐ為の周囲の空気)の出所とその容器の内部との間のバリヤーを供給する為に設置されているである。
その加工原料供給口は、オプションで、あるコントロールシステムを持つ。それは、加工原料の供給度を、最適な炭素変換と溶解、そして残存物質の同質化を達成するようにコントロールすることができる。]
[0040] その加工原料供給口は、オプションで、前処理モジュールがそれに含まれるか、或いはそれに関係される。前処理は加工原料の素子同一化したり、削減したりする処置を含み、それは例えば、研磨作業、粉砕作業、同質化作業などを含む。適切な研磨機、粉砕機、同質化器は、学術的に知られている。
炭素変換ゾーン熱システム
炭素変換プロセスには熱が必要である。熱の付加は、加工原料の部分的酸化(例えば、加工原料に存在する炭素や揮発性物質と空気物質にある酸素との放熱反応)により直接起こるか、或いは学術的に知られる1つまたは複数の熱源の利用によって間接的におこる。]
[0041] 加工原料の中の未到達の炭素を変換するために必要な熱は、燃焼済空気の利用を通して(少なくとも部分的には)供給される。
熱風は、例えば、全てが学術的に知られるところの、エアボックス、エアヒーター、熱交換器、によって供給される。
ある形態では、熱風は、ゾーン間領域とインターゾーンとの近くにある供給口を持つ熱の給付及び分配システムにより炭素交換ゾーンへと送られる。適切な空気給付および分配システムは学術的に知られたところであり、熱風がその容器の壁の穿孔を通って、又は空気ノズルや散布器をつたって通り抜けることが出来ることに続くそれぞれの段階の為のエアボックスを含む。
必要になるかもしれない付加的、補完的なヒーティングは、学術的に知られる一つ以上の手段から得られるが、これはガスバーナーに限られるものではない。]
[0042] ある形態では、その付加的熱源は循環する熱砂であり得る。
ある形態では、その付加的熱源は、電気ヒーターか或いは電気ヒーティングエレメントもあり得る。
マルチゾーン型炭素交換装置の初期始動を促進するために、その容器は、予熱するために様々な一般的バーナー、例えば、天然ガス、オイル/ガス或いはプロパンバーナーを収容しうるサイズのアクセスポートを持つ。
加工添加物供給口
加工添加物は、オプションで、加工原料の合成ガスへの効率的転換を促進する為に炭素交換ゾーンへ加える事ができる。蒸気供給口は、十分に遊離酸素と水素が、加工原料の分解された要素が合成ガス、また或いは無害混合物へと変換するのを最大限にするのを確実にする為に使うことが出来る。空気供給口は、炭素変換を燃料ガス(遊離炭素を最小限にする)に対して最大限にし、供給口の熱コストを最小限にしながら最適な加工温度を維持するという化学的均衡のプロセスを助けるために使用することが出来る。さらに、酸素又或いは、オゾンは加工添加物供給口ポートを通して炭素変換ゾーンに供給されるかもしれない。]
[0043] オプションで、他の添加物が、炭素変換プロセスを最適化するために使うことができ、それにより排気を改善する。
オプションで、濃炭ガスを加工添加物として使用することができる。
それゆえ、炭素変換ゾーンは、1つ又は複数の加工添加物供給口を持つことができる。これらは、蒸気注入、そして或いは、空気注入、そして或いは、濃ガスの為の、供給口を含む。蒸気供給口は、戦略的に、蒸気が変換機から排出される直前に、高温領域へ、そして或いは、合成ガスの集積へ導くために設置できる。空気供給口は、戦略的に、加工添加物の全体が炭素変換ゾーンに存在することを確実にするためにその容器の中かその周りに取り付ることが出来る。
ある具体例では、加工添加物供給口は、ゾーン間領域、或いは、インターゾーンの近くに設置されている。]
[0044] ある具体例では、加工添加物供給口は、添加物の放散した低速インプットを提供する。
熱空気がその容器の付加的な空気/酸素注入供給口として使われうるという、具体例の数々はオプションで提供される。
ゾーン間領域、或いは、インターゾーン
ゾーン間領域、或いは、インターゾーンは、炭素変換ゾーンをスラグゾーンから、はっきりと、空間的に分離する機能を持つ。そして、そのオプションとして、プラズマ熱を効率的に残存固形物質に転化することにから炭素転換された残存固形物質(例えば灰)の初期溶解を可能にする。ゾーン間領域、或いは、インターゾーンは、さらに、その2つのゾーン間に、導管や連結部を備える。ゾーン間領域、或いは、インターゾーンは、部分的に、或いは所々にゾーン間領域、或いはインターゾーンンを吸蔵することにより炭素変換とインターゾーンの間の物質の動きを制限したり、調節したりする障壁を持ち、また、未変換の炭素がその溶解物に移動するのを妨げ、更に、オプションとして熱転化エレメントを構成することが出来る。]
[0045] 図6を参照すると、ある具体例では、そのゾーン間は、オプションで、スラグゾーンと接触させることが出来る。
障壁
障壁は、部分的に、或いは所々に、ゾーン間領域、或いはインターゾーンンを吸蔵することにより、炭素変換とスラグゾーンとの間の物質の動きを制限、或いは、調整したりする。また、オプションで、熱転化に対しての備えもあるかもしれない。
その障壁は、ゾーン間領域、或いは、インターゾーンの範囲内に取り付けられており、様々な形、デザインがある。それは、ドーム型、ピラミッド型、格子、ムービングクレイと、ブリッククレイと、無数のセラミック球、多数のチューブ、はめ歯歯車型であったりするが、これらに限定されるものではない。 その障壁やいかなる必要な装着エレメントは、マルチゾーン型炭素交換装置の過酷な状況下でも効率的に作動し、とりわけ、高温の下で作動することが出来る。従って、その障壁は、高温に耐えられるよう設計された物質で組みたれられている。オプションとしては、その障壁は耐熱系、或いは固形の耐熱物質であるかもしれない。] 図6
[0046] 図6から図10までを参照すると、それらは、様々な代替的な、無制限の障壁を詳細に示している。
図6で示されるある具体例では、その障壁は無数のセラミック球から成る。
図7で示されるある具体例では、その障壁は、はめ歯歯車型の耐熱性ドームから成る。] 図10 図6 図7
[0047] 図8で示されるある具体例では、その障壁は、ゾーン間領域にある楔形をしたはめ込みブリック(150)が取り付けられた1つの固形耐熱性ドーム(145)である。その固形耐熱性ドームは、ドームの外側のエッジと、容器のその内側の壁との間にある程度のギャップ(155)ができるように測られている。オプションで、その耐熱性ドームは、さらに無数の穴(160)から構成されるかもしれない。
その示された具体例では、オプションで、直径20ミリから100ミリの間の無数のアルミニウム/セラミック球が1つのベッドを形成する為に耐熱性ドームの最上部に置かれていて、そらは、熱空気の拡散を供給し、灰を初期的にスラグに溶解するために、その灰へプラズマ熱のを転化させるのを促進するのである。この具体例においては、灰が溶けるにつれ、その灰は、そのドームの外側のエッジ(145)とその容器の内側の壁の間の隙間(160)を通るようにゾーン間領域を抜け、スラグゾーンに移動する。
図9を参照によると、その障壁は1つの固形耐熱性ブリック格子から成る。その固形耐熱性ブリック格子(245)は、炭素変換ゾーンとゾーン間領域を通るスラグゾーンとの間の連絡を可能にするために個々のブリックの間に隙間(255)を擁している。] 図8 図9
[0048] 図10を参照すると、その障壁は、1つのはめ込み式リング(350)の中に取り付けられた耐熱系チューブ(345)から製造されている。
図12を参照すると、その障壁は可動式格子から成っている。
熱転化エレメントと拡散エレメント
オプションでは、そのゾーン間領域は、さらに、プラズマ熱の転化を促進する熱転化および拡散エレメントから成るかもしれない。熱転化エレメントは、学術的にも知られるように、セラミック球、めのう、ブリックである。] 図10 図12
[0049] 1つの具体例では、熱転化エレメントは、1つのベッドを形成する、直径20ミリから100ミリの間の無数のアルミニウム/セラミック球が無数のアルミニウム質、或いは、セラミック球(165)から出来ていて、熱空気の拡散を供給し、また、プラズマ熱を灰に転化する事により、初期溶解で灰をスラグに溶かすように促進する。
オプションでは、その障壁はその熱転化エレメントから成るかもしれない。
オプションの加熱エレメント
オプションとして、ゾーン間領域とインターゾーンは、ある熱源を伴っている。適切な熱のソースとしては、空気はぐち、電気ヒーター、或いは、電気加熱エレメント、バーナー、或いはプラズマトーチなどを含むプラズマ熱のソースなどがある。]
[0050] そのオプションのプラズマトーチは、ゾーン間領域内に、そして或いは、炭素変換ゾーン/ゾーン間領域インターフェイスに、そして或いは、ソーン間領域/スラグゾーンインターフェイスに取り付け可能である。
オプションで、灰の中に残存する炭素は、ゾーン間領域、或いは、インターゾーンのプラズマ熱を適用することにより合成ガスに転換される。
従って、そのゾーン間領域の容器の壁は、様々な熱源を収納できるようなサイズのアクセスポートを含むことが出来る。]
[0051] スラグゾーン
溶融プロセスは、実質上炭素を含まない残りの固形材料(灰)が溶けるレベルまで温度を上げることによって達成され、ゾーン間領域および/またはスラグゾーンで起きる。溶融プロセスに必要な熱は、一つあるいは複数のプラズマ熱源から供給される。この熱は直接加えられることもあるが、熱伝達要素を介して加えられることもある。プラズマ熱は、加熱空気入力による炭素変換の後、残基に残ったごく少量の炭素も完全に変換する役割も果たす。追加の、あるいは補足的な熱は 、必要に応じて、当技術分野では周知の誘導加熱やジュール加熱などの(しかし、それらに限らない)一つ、または複数の加熱方法によって供給される。
スラグゾーンはプラズマ熱源により供給される。プラズマ熱源は、残りの固形物が溶け、均質化するのに必要なレベルまで(直接にしろ間接にしろ)灰を加熱するのに必要な温度を満たしており、マルチゾーン型炭素変換装置から十分流れ出るに足りる温度に溶融したスラグを供給する。必要に応じて、灰に残っている炭素は合成ガスに変換される。スラグゾーンはまた、失われる顕著な熱の量を最小限におさえ、プラズマガスと残基またはスラグの間の極めて効率のよい熱伝達が確保されるよう設計されている。そのため、使用されるプラズマ熱源の種類の他、プラズマ加熱法の位置と方向も、スラグゾーンの設計にあたり考慮されるべき付加的要素となっている。]
[0052] スラグゾーンはまた、残りの無機物質が完全に溶け、均質化するのに十分な温度まで残基の温度があがるよう、残基の滞留時間が十分であるように設計されている。
図13から16を参照すると、必要に応じて、スラグゾーンはプラズマ熱源により加熱された残基がたまる貯留層を備えている。この貯留層により、固形物と溶融物質の調整プロセスにおける混合も可能となる。十分な滞留時間をもち、適切に混合されることで、調整プロセスが完全に実行され、その結果生成したスラグが望ましい組成となることが保証される。
スラグゾーンは溶融スラグが脱出しやすいよう、スラグの排出口に向かい細くなるか、傾いた床となっている。] 図13
[0053] スラグゾーンは溶融スラグ物質が絶えず生産されるよう設計されている。絶えずスラグを取り除くことにより、調整プロセスは継続的に行なわれ、その中で調整されるべき残基も、周期的スラグ除去に通常要求されるように、中断なく、絶えず入力され、プラズマ熱により処理される。
一つの実施形態では、片側に堰(33)によって仕切りのつけられた貯留層を使うことにより、継続的なスラグの排出が達成されている。この堰により、スラグプールが一定のレベルに達するまで蓄積し、その時点で溶融したスラグが堰を越えて貯留層外に出て行くことを可能にしている。
加工原料が調整される場所は大量の金属を含み、スラグゾーンは堰によって仕切られた貯留層から成る。金属はその高度な融解温度と密度から、概して除去される時点までタンク内に蓄積する。しかるべく、一つのマルチゾーン変換装置実施例では、貯留層に必要に応じて、柔らかい耐熱性ペーストで塞がれた金属のタップポートが備え付けられており、そこから酸素ランスの熱を使って定期的に穴が開閉するようになっている。一旦タップポートが開き、室内の温度が蓄積した金属を溶かすのに十分なところまで上がったら、溶融金属は貯留層の底から取り出される。排出口は、穴に耐熱物質あるいは他の適当な物質を詰めることで再び封じられる。]
[0054] 灰を調整し、殊に残存する全ての金属を溶かすのにかなりの高温が必要とされるため、スラグゾーンの室壁や床は必要に応じて、非常に厳しい操作上の要求にさらされる耐熱性物質で覆われている。スラグゾーンの設計に適した材料の選択は、いくつかの基準の下なされる。例えば、残基の典型的な調整プロセスの間に達する操作温度、耐熱衝撃性、溶融スラグおよび/または溶融処理中に生成される高温ガスによる摩耗と浸食/腐食への耐性などである。材料の空隙率もスラグゾーンの材質選択の際、考慮される。
スラグゾーンはまた、必要とされる追加の構成要素、または機器に対応するため、必要に応じて、一つまたは複数のポートを含むこともある。一つの実施形態では、妨害物の形成に対するスラグ排出口の監視を含め、灰処理の状況をオペレーターが完全に見られるよう、ポートが必要に応じて、閉回路テレビを含むビューポートになっている場合がある。貯留層の室は整備や修理のために中に入ったり、アクセスできるようなサービスポートを含むこともある。このようなポートは当技術分野では周知であり、様々なサイズの密閉可能なポート穴をもつことも可能である。]
[0055] プラズマ熱
スラグゾーンは、炭素変換プロセスによって生成された灰材料を変換するために、一つまたは複数のプラズマ熱源を用いる。プラズマ熱源は可動の場合もあれば、固定の場合もあり、あるいはそれらの組み合わせであることもある。
プラズマ熱源は、適用の際、適切な高温ガスを長時間にわたり提供する、市販の様々なプラズマトーチから成る場合もある。このようなプラズマトーチは、一般的に、出力約100kWから6MW以上にわたる各サイズが用意されている。プラズマトーチは、単一のまたは組み合わされた適当な作業ガスを用いることができる。適当な作業ガスの例としては(ただしこれらに限定されないが)空気、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、メタン、アンモニア、一酸化炭素、酸素、二酸化炭素がある。本発明の一実施形態では、プラズマ加熱法は、残基が不活性スラグ製品に変換されるよう、約900度から約1800度までの温度を生成する限りにおいて、継続的に作動する。]
[0056] この点で、多くの代替プラズマ技術がスラグゾーン内での使用に適している。 例えば適切に選ばれた電極材料を使用する場合、移行アークと非移行アークのトーチ(ACとDCの両方)が用いられると認識される。また、誘導結合プラズマトーチ(ICP)も用いられる場合があると認識される。当業者であれば、適切なプラズマ熱源の選択は難しくないはずである。
非移行アークトーチの代わりに移行アークトーチを使うことにより、残基調整プロセスの効率を向上させることができる。これは後者の場合、アークは溶融物中を直接通過するため、高温プラズマガスと溶融中の材料間のより高い熱伝達効率を可能にするだけでなく、より高い電気から熱への変換効率を有するためである。移行アークトーチが用いられる場合、スラグゾーンの外殻は電源に接続されるため、スラグゾーンが確実に電気的に隔離されるようにする必要がある。
一つの実施形態では、プラズマ熱源はDC非移行アークトーチである。
一つの実施形態では、プラズマ熱源は黒鉛トーチである。]
[0057] マルチゾーン型炭素変換装置の一つの実施形態では、残留物質から不活性スラグへの変換を最適化するよう、一つまたは複数のプラズマ熱源が配置される。プラズマ熱源の位置は残基調整室の設計に従って選択される。例えば、単一のプラズマ熱源が用いられる場合、プラズマ熱源は室の上部に取り付けられ、残留物質が溶けるのに十分な熱があたり、スラグが強制的に流れ出るよう、室の下部に集積しているスラグプールに対する形で配置される。一つの実施形態では、プラズマ熱源は室の上部に垂直に取り付けられたプラズマトーチである。
全てのプラズマ熱源は、出力と(可動熱源が使用される場合)必要に応じて位置も、制御可能である。一つの実施形態では、プラズマ熱効率は、様々な残基入力レートに対応するために変化する。プラズマ熱効率はまた、様々な残基溶融温度の特性に対応するためにも変化する。]
[0058] プラズマ熱源は、様々な残基入力レートや溶融温度の特性に対応するために、オペレーターの裁量により、継続的にも非継続的にも作動する。
プラズマ熱をそらしたり、または向けるために、必要に応じて、スラグゾーンはデフレクター(61)を装備していることもある(図15と16を参照)。
プロセス添加剤
蒸気、空気、炭素、および/または炭酸ガス、および/または酸素に富んだガス、および/または袋灰などのプロセス添加剤は、必要に応じて、スラグゾーンに加えられる。従って、スラグゾーンは様々な入力装置を備えているか、および/またはスラグゾーンのある室はさらにこれらの入力装置のポートを含む。] 図15
[0059] スラグの生産
スラグゾーンはスラグ出力装置を含む。スラグ出力装置は、室内の溶融スラグが排出される排出口を含む。溶融スラグプールが室外に流れ出る重力流を促すために、排出口は通常、室の下部か、またはその近くにある。スラグ出力装置はまた、溶融スラグが冷めて固化するのを促すため、必要に応じて、スラグを冷却するサブシステムも有する。このような冷却サブシステムには、例として、水のプールやスプレーなどがある。
溶融スラグは、調整の全期間を通して継続的に抽出される。溶融スラグは冷却され、当業者には明示の様々な方法で集められ、濃厚で、非浸出性の固形スラグを形成する。
灰がプラズマ熱によって調整されるに従い、必要に応じて、その結果生じる溶融スラグは貯留層に蓄積される。結果として生じる溶融スラグは継続的に抽出される。即ち、貯留層内の溶融スラグ量が増加するに従い、堰を越えて排出口から調整室を脱する。]
[0060] 連続抽出という実施形態は、特に継続的に作動するよう設計されたシステムに適している。
一つの実施形態では、スラグの出力法はまた、溶融スラグを冷却し、固形スラグ製品を供給するスラグ冷却サブシステムを含む。一つの実施形態では、溶融スラグは急冷水浴槽(78)に注がれる。水浴槽はスラグを冷却し、コンクリート製造や道路建設のような商業用途に適した顆粒に粉砕する効率的なシステムとなっている。水浴槽はまた、スラグ室の底面から下の水浴槽まで延びる、周囲環境への封鎖幕を提供する場合もあり、それは外部からのガスが残基調整室に入るのを防ぐ障壁となる。固形スラグ製品はコンベヤーシステムにより水浴槽から取り出される。また、スラグ冷却サブシステムは水スプレーを含む場合もある。]
[0061] スラグ冷却サブシステムの一つの実施形態では、溶融スラグは冷却用の厚い壁鋼の受け取りコンテナに落とされる。一つの実施形態では、溶融スラグは環境に配慮して密閉されたシリカ砂床か、あるいは型に受けとられ、小規模処理や特定のパラメータ検査の際、それに適した固形スラグを供給する。小さな型は予熱したオーブンで制御冷却される。
スラグ冷却サブシステムの一つの実施形態では、溶融スラグはグラスウールなどの商業製品に変換される。
制御
マルチゾーン型炭素変換装置の一つの実施形態では、変換装置の中に(あるいは装置によって)組み込まれた、一つまたは複数のプロセスを制御するために、制御システムが搭載されている。一般的に、制御システムは、加工原料が効率的に、かつ完全に合成ガス製品に変換されるよう、そして固形残さ物(即ち灰)がスラグに効率的に溶融するよう、様々なプロセスを監視、調節する。]
[0062] 制御システムは、システムの運転パラメータの即時監視のため、一つ、または複数のセンサーからなる。また、同システムはシステム内運転条件の調整のために、一つ、または複数の応答要素も有し、変換反応を最適化する。変換反応においては、検出要素と応答要素はシステム内で統合され、応答要素は検出要素から得られたデータに従って、システム内の運転条件を調整する。
制御要素
現在の状況において考慮される検出要素には、システム内各所の温度、圧力、ガス流などの運転パラメータを監視する方法および、合成ガス製品の化学組成を分析する方法がある(ただし、それらに限定されない)。
検出要素から得られるデータは、プロセスの効率と合成ガス製品の組成を最適化するために、マルチゾーン型炭素変換装置内の条件あるいは運転パラメータを調整する必要があるかどうかの決定に用いられる。反応材料(例えば、加工原料の添加率、加熱空気および/または蒸気の入力量)や、システム内の様々なコンポーネントの圧力などの一定の運転条件が継続的に調整されることで、合成ガスが着実に、かつ効率的に生産される条件のもと、このプロセスを実施することが可能になっている。]
[0063] 制御システムは、変換プロセスの効率を最大化し、環境への影響を軽減する目的で設計、構成される場合がある。制御システムはまた、マルチゾーン型炭素変換装置が連続運転条件の下で操作するよう設計される場合もある。
以下の運転パラメータは、断続的または継続的に、検出要素によって監視される。そして、得られるデータは、システムが最適設定点内で作動しているか、トーチによってさらに動力が供給されるべきか、空気または蒸気がシステム内に注入されるべきか、あるいは加工原料入力レートが調整される必要があるか、などの決定に用いられる。]
[0064] 温度
一つの実施形態では、制御システムは、必要に応じて、炭素変換ゾーン、ゾーン間領域、あるいはスラグゾーン内など、マルチゾーン型炭素変換装置の各所にあるサイトの温度を監視する手段を備えている。システム内の各所に、必要に応じて設置された熱電温度計や光学温度計が温度監視の手段となる。
高温合成ガス製品の温度を監視する手段も、炭素変換ゾーンの合成ガス排出口に設置される場合がある。
システム圧力
一つの実施形態では、制御システムは、マルチゾーン型炭素変換装置の各所での圧力を監視する手段を備えている。これらの圧力監視手段は、圧力変換器、圧力送信器、または圧力栓などの圧力センサーを含み、例えば室の垂直壁など、システムのどこにでも配置される。]
[0065] ガス流量
一つの実施形態では、制御システムは、合成ガス流量を監視する手段を備えている。ガス流の変動は、非均質状態(例えば、トーチの機能不良や材料供給の中断など)の結果である。従って、ガス流の変動が続く場合、システムは問題が解決されるまで運転停止することもある。
ガス組成
一つの実施形態では、制御システムは、合成ガス製品の組成を監視する手段を備えている。変換プロセスの過程で生成されたガスは、当業者にはよく知られる方法でサンプルをとられ、分析される。]
[0066] 一つの実施形態では、合成ガス組成はガスモニターによって監視される。これは例えば、水素、一酸化炭素、二酸化炭素などの、合成ガスの化学組成を決定するのに用いられる。一つの実施形態では、合成ガス製品の化学組成は、ガスクロマトグラフィー(GC)分析を通して監視される。これらの分析のための試料採取ポイントはシステムの至るところに配置されている。一つの実施形態では、ガス組成は、ガスの赤外線スペクトルを測定するフーリエ変換赤外(FTIR)分析器を使って監視される。
高温ガス分析法は存在するものの、当業者であれば、ガス分析に用いられるシステムの種類によっては、組成分析の前にガスを冷却する必要性を理解できるはずである。]
[0067] 応答要素
現在の状況において予期される応答要素には、プロセス関連装置に作動して結合した様々な(ただし、それらに限定されない)制御要素があり、装置はそこに関連づけられた特定の制御パラメータを調整することにより、特定のプロセスに作用するように設定されている。例えば、一つ、あるいは複数の応答要素を介して、現在の状況で操作可能なプロセス装置には、加工原料、空気および/もしくは蒸気の添加レート、およびトーチへの動力、トーチの位置などの操作条件など、様々な操作パラメータを調節する方法が含まれる(ただし、それらに限らない)。
プラズマ熱源
現在の炭素変換装置は、灰がスラグに完全に溶融し、確実にガラス化するよう、プラズマ熱の可制御性を利用している。
一つの実施形態では、制御システムは、プラズマ熱源の出力と、必要に応じて位置を調整する手段を備えている。例えば、溶融物の温度が低すぎる場合、制御システムはプラズマ熱源の出力定格引き上げを指令する場合があり、逆に、室の温度が高すぎる場合、制御システムはプラズマ熱源の電力定格引き下げを指示する場合もある。]
[0068] 一つの実施形態では、トーチ出力は、残基添加レートに比例したレベルに維持される。つまり、残基供給レートが上がると、その結果、トーチ出力も引き上げられる。トーチ出力はまた、温度、特定の熱容量、溶融熱などの溶融特性に関する残基の性質と組成の変化に反応して、調整される。
一つの実施形態では、溶融プールが完全にカバーされ、不完全反応物質の領域が取り除かれるよう、プラズマ熱源の位置は調節可能である。
加工原料の添加率
発明の一実施形態では、制御システムは、加工原料の炭素変換ゾーンへの供給レートを調節する手段を備えている。加工原料は、例えば、回転ネジやオージェ機構を使うことにより、継続的な方法で加えられる場合もあれば、非継続的に加えられる場合もある。
加工原料の入力法が一連の押し込みラムからなる場合、それぞれのケースで、制御システムは必要に応じて、リミットスイッチ、またはコンピュータ制御の変速モータードライブなど、他の進行制御法を採用することがあり、各ストロークで各々の室に供給される材料の量が制御されるよう、ラムストロークの長さ、速度、および/または頻度が制御される。入力法が一つ、または複数のネジコンベヤからなる場合、炭素変換ゾーンへの材料添加レートは、駆動モータ可変周波数ドライブ経由で、コンベヤ速度を調整することにより制御される。
入力レートは、加工原料の変換段階に対して、許容範囲の制御ができるよう、必要に応じて調整される。その結果、不完全変換物質が炭素変換ゾーンから運ばれるのが阻止される。]
[0069] プロセス添加剤の添加
発明の一実施形態では、制御システムは、空気の、あるいは炭素や蒸気を含む他のプロセス添加剤の、炭素変換ゾーンおよび/またはスラグゾーンへの入力レートおよび/または入力量を調節する手段を備えている。
加熱空気の入力は、必要に応じて、最適な加工原料変換温度を維持するよう、なされる場合がある。
一つの実施形態では、制御システムは、合成ガスの組成を監視、分析することで得られるデータに基づき、プロセス添加剤を調整するプロセス制御手段を備えている。ガス組成データが継続的に得られることで、空気や蒸気などの添加剤材料の調整が即時にできるようになっている。プロセス添加剤の種類と量は、規制当局の排出制限を遵守し、かつ運転コストを最小限におさえながら、合成ガスの化学組成を最適化するよう、細心の注意を払って選択される。]
[0070] 実施例
実施例1
図8、11、18から25を参照すると、マルチゾーン型炭素変換装置(110)はゾーン間領域(112)により、上部の炭素変換ゾーン(111)と下部のスラグ溶融ゾーン(113)へとゾーン分離されている。炭素変換ゾーン(111)は、約950度から約1100度の温度に維持されており、スラグ溶融ゾーンは約1350度から約1600度に維持されている。
図8、11、18から25を参照すると、図に示された実施形態では、マルチゾーン型炭素変換装置(110)は、耐熱内張りされた垂直方向の室(115)で構成され、加工原料供給口(120)、ガス排出口(125)、スラグ排出口(130)、空気箱(135)とプラズマトーチ(140)からなるゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム)を有する。必要であれば、入力材料のサイズを均質化するため、加工原料供給口に、必要に応じて粉砕機(図なし)を付けることもできる。] 図8
[0071] 室(115)は、耐熱内張りされた鋼溶接物であり、形は屋根のあるほぼ円筒状で、最も幅の広い箇所における長さと直径の比率は約3.6:1となっている。室の直径は、喉元にあたるゾーン間領域で狭められ、スラグ排出口に向かってさらに細くなっていく。ゾーン間領域内のコンポーネントを含む、種々のコンポーネントの交換を容易にするため、室は各部分によって構築されている。
耐熱物質は三層から成り、内側の層は、高温耐性のため、クロミア・アルミナ型キャスタブル(不定形耐火材)、中間層、外側の層は、各々プライキャスト(Plicast)断熱不定形耐熱材と断熱ボードである。室容器の下部では、より高温の運転温度のため、耐熱部は厚くなっており、190ミリ Shamrock 493、115ミリ PlicastLWI−28、76ミリ Insboard 2300HD、そして25ミリ Durablanketが適用されている。耐熱部の上部は、190ミリ Plicast Hymor 2800、114ミリ IFB、そして100ミリ Legrit Super Lite CDから構成されている。]
[0072] 図22を参照すると、加熱空気は、炭素変換ゾーンの下流端付近にある空気箱(135)を経由してゾーン内に導入される。空気箱への空気の供給は、変換プロセスが調節できるよう、制御可能である。空気流量は供給/空気比率と運転温度変化により制御されている。必要に応じて、蒸気注入ポート(136)を介して、蒸気が炭素変換ゾーンに注入される場合がある。
図21を参考にすると、炭素変換ゾーン(111)は、狭くなったゾーン間領域(112)へと先細りしている。ゾーン間領域は、炭素変換ゾーンからスラグゾーンへの材料の流れを導くため、物理的障害(145)を含む。図8と11を参照すると、物理的障害は、4つのくさび形耐熱レンガ(150)を用いてゾーン間領域に設置された、固形プレキャスト耐熱ドーム(145)から成る。耐熱ドームは、マルチゾーン型炭素変換装置の内壁とドームの間に溝(155)または空間ができるような大きさになっており、そこでゾーン間の物質移動が可能になる。溝はちょうど溶融スラグが通過できるような大きさとなっている。必要に応じて、耐熱ドームは複数の穴(151)をもつことができる。
直径20ミリから100ミリの複数のアルミナまたはセラミックのボール(165)が耐熱ドームの上部に据えられることで、ベッドが形成され、加熱空気の拡散がもたらされ、ゾーン間領域内において、最初に灰をスラグへ溶融させるため、灰へのプラズマ熱伝達が促進される。この実施形態では、灰は溶融するにつれ、ドームの外端と室の内壁の間の溝(155)を通って、スラグゾーンへと、ゾーン間領域を通過する。] 図21 図22 図8
[0073] ゾーン間領域の下流に位置するのがスラグゾーン(113)である。スラグゾーン(113)は、単一の円錐形スラグ排出口(130)をもつ、耐熱内張りされた円筒である。
スラグゾーンは、プラズマトーチポート、室を予熱するバーナー(139)対応用のバーナーポート、加熱空気、炭素および/または袋灰などのプロセス添加剤用のポートを含む、様々なポートから構成される。図23を参照すると、スラグ溶融ゾーンは、プラズマトーチ(140)と、接線方向に設置された、空気コンベヤガスと加熱空気注入ノズルの付いた空気ノズル(141)を備えている。加熱空気、炭素、および/あるいは袋灰とプラズマトーチは、高温ガス生成器(HGG)を形成し、灰溶融を促進する高温ガス(1600度以上)が得られる。プラズマトーチは、300kW、水冷式、銅電極、NTAT、DCプラズマと格付けされる。必要に応じて、炭素および/または袋灰が、炭素供給口を使って、あるいは空気ノズルを通して注入される場合がある。図24を参照すると、室はさらに、始動を促進するバーナー(139)に対応するポートも含む。
図25を参照すると、溶融スラグは、スラグゾーンを出ると、水スプレー(113)を通過し、そこで粉々に凝固する。スラグの粒末は、制動チェーンアセンブリ(114)を用いて除去される。] 図23 図24 図25
[0074] プラズマトーチ(140)は、トーチ(140)をスラグ溶融ゾーンの中へも外へも移動できる、スライド機構の上に設置されている。必要に応じて、トーチはより高い熱強度のために近づけられる。トーチ(140)は、密閉グランドによって、室に密閉される。このグランドはゲートバルブに対して封されており、同じように、そのバルブは容器に設置、密閉されている。トーチ(140)を取り出すには、スライド機構によって、室(115)の中から引き出される。安全のため、スライドの初期動作により、高電圧のトーチ電力供給が無効にされる。トーチ(140)がバルブを通過して引き込み、冷却剤循環が停止すると、ゲートバルブは自動的に閉じる。ホースやケーブルはトーチ(140)から切断され、グランドはゲートバルブから解除され、トーチ(140)は引き上げ機によって、持ち上げられる。
トーチ(140)の交換は、上記の手順の逆を利用して行なわれる。スライド機構は、トーチ(140)の挿入深度が変えられるよう調節される。
運転が自動化されるよう、ゲートバルブは機械的に操作される。冷却システム不具合の際、トーチを自動的に引き込むには、空気圧式アクチュエータが用いられる。アクチュエータを操作するための圧縮空気は、停電の際でも出力が常に利用できるよう、専用の空気タンクから供給される。同じ空気タンクは、ゲートバルブの空気も提供する。電気連動カバーは、高電圧トーチ接続へのアクセスを防止することで、さらなる安全機能として用いられる。
ゾーン内の温度が予め決められた温度に維持されるよう、そして、もしこの温度より下がった場合、プラズマトーチへの動力や空気注入が増加するよう、熱電温度計は、炭素変換装置と共に、様々な場所に配置される。]
[0075] 実施例2
炭素変換ゾーンとスラグゾーンは、実質的に、実施例1で記述された内容と同じであるから、マルチゾーン型炭素変換装置の一般的な構造と設計は上に記述される通りである。図10と26を参照すると、図示された実施形態では、マルチゾーン型炭素変換装置(310)は、耐熱内張りされた、垂直方向の室(315)から構成され、加工原料供給口(図なし)、合成ガス排出口(325)、スラグ排出口(330)、そして、空気吸入口(図なし)とプラズマトーチ(340)からなるゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム)を有する。
図10と26を参照すると、ゾーン間領域は、炭素変換ゾーンからスラグゾーンへの材料の流れを規制するため、物理的障害を含む。インスタント実施形態では、物理的障害は、取り付けリング(350)の中に取り付けられた、一連のほぼ平行な耐熱内張りチューブ(345)から構成される。チューブは、隣接するチューブとの間に溝(355)ができるよう、取り付けられている。必要に応じて、直径20ミリから100ミリの複数のアルミナまたはセラミックのボールが耐熱ドームの上部に据えられることで、ベッドが形成され、拡散がもたらされ、ゾーン間領域内において、最初に灰をスラグへ溶融させるため、灰へのプラズマ熱伝達が促進される。
加熱空気は、ほぼ平行な耐熱内張りチューブ(345)の上面にある穿孔を通して、炭素変換ゾーンへと供給される。] 図10
[0076] 実施例3
炭素変換ゾーンとスラグゾーンは、実質的に、実施例1で記述された内容と同じであるから、マルチゾーン型炭素変換装置の一般的な構造と設計は上に記述される通りである。図27を参照すると、図示された実施形態では、マルチゾーン型炭素変換装置(210)は、耐熱内張りされた、垂直方向の室(315)から構成され、加工原料供給口(図なし)、合成ガス排出口(図なし)、スラグ排出口(230)、そして、空気吸入口(図なし)とプラズマトーチ(240)からなるゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム)を有する。
図27を参照すると、ゾーン間領域は、炭素変換ゾーンからスラグゾーンへの材料の流れを規制するため、物理的障害を含む。インスタント実施形態では、物理的障害は、一連の相互接続された耐熱レンガ(245)から成る。レンガは、隣接するレンガとの間に溝(255)ができるよう、取り付け要素(250)に設置されている。
実施例4
図28を参照すると、図示された実施形態では、マルチゾーン型炭素変換装置(部分的に表示)は、耐熱内張りされた、垂直方向の室(415)から構成され、加工原料供給口(図なし)、合成ガス排出口(図なし)、スラグ排出口(430)、そして、空気吸入口(435)、プラズマトーチ(440)、必要に応じて、湯出し口(446)を含むゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム)を有する。] 図27 図28
[0077] 図28を参考にすると、炭素変換ゾーンは、中央に位置し、スラグゾーンは室の周辺に向かって設置される。室の床は、炭素変換ゾーンがスラグゾーンの上流になるよう傾斜している。これにより、これらのゾーン間で材料が一方方向に動くことを促している。二つのゾーンは、ゾーン間領域で隔離されている。ゾーン間領域は、炭素変換ゾーンからスラグゾーンへの材料の流れを規制するため、物理的障害を含む。インスタント実施形態では、物理的障害は、一連のほぼ垂直方向の、ほぼ平行な、耐熱内張りされた穿孔パイプ(445)から成る。加熱空気は、加工原料の山の中央へ、パイプの穿孔を通って、炭素変換ゾーンに導入される。そこで、加工原料内の炭素を加熱、変換する。空気は底から送られるに従い、パイプを冷却しつつ、やや加熱される。空気は、スラグゾーン内の空気吸入口(441)を通して、パイプ列の外側に注入され、スラグが凍結しないよう、パイプの外面を高温に保つ役割をする。
スラグゾーンの傾斜した底は、残基が溶融スラグへと溶けるよう、プラズマトーチが設置される側に残基を流しだすのに役立つ。スラグは排出するに従い、水スプレーを通って、下のホッパーへと落ちる。
実施例5
炭素変換ゾーンとスラグゾーンは、実質的に、実施例1で記述された内容と同じであるから、マルチゾーン型炭素変換装置の一般的な構造と設計は上に記述される通りである。炭素変換ゾーン、ゾーン間領域、スラグゾーンの一部を示した図29を参照すると、マルチゾーン型炭素変換装置(510)は、耐熱内張りされた、垂直方向の室(515)から構成され、加工原料供給口(図なし)、合成ガス排出口(図なし)、スラグ排出口(530)、そして、空気吸入口(図なし)とプラズマトーチ(540)からなる、ゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム)を有する。
図29を参照すると、ゾーン間領域は、炭素変換ゾーンからスラグゾーンへの材料の流れを規制するための物理的障害を含む。インスタント実施形態では、物理的障害は歯車形ドーム(545)から成る。] 図28 図29
[0078] 実施例6
炭素変換ゾーンとスラグゾーンは、実質的に、スラグゾーンの設計を除き、実施例1で記述された内容と同じであるから、マルチゾーン型炭素変換装置の構造と設計は上に記述される通りである。(炭素変換ゾーン、ゾーン間領域、スラグゾーンの一部を示した)図30を参照すると、スラグゾーンの室は、プラズマトーチ(640)、炭素および/または袋灰供給口(642)、そして加熱空気吸入口(641)をもった、ブランチまたは高温ガス生成器(622)を含む。
実施例7
図6を参照すると、炭素変換ゾーンとスラグゾーンは、実質的に、実施例1で記述された内容と同じであるから、マルチゾーン型炭素変換装置の一般的な構造と設計は上に記述される通りである。炭素変換ゾーン、ゾーン間領域、スラグゾーンの一部を示した図6を参照すると、マルチゾーン型炭素変換装置(610)は、耐熱内張りされた、垂直方向の室(615)から構成され、加工原料供給口(図なし)、合成ガス排出口(図なし)、スラグ排出口(630)、そして、空気吸入口(図なし)とプラズマトーチ(640)からなる、ゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム)を有する。
図6を参照すると、(スラグゾーンと連続した)ゾーン間領域は、炭素変換ゾーンからスラグゾーンへの材料の流れを規制するための物理的障害を含む。インスタント実施形態では、物理的障害は、複数のセラミックボール(645)から成る。] 図30 図6
[0079] 実施例8
図32を参照すると、炭素変換ゾーンとゾーン間領域は、実質的に、実施例1で記述された内容と同じであるから、マルチゾーン型炭素変換装置の一般的な構造と設計は上に記述される通りである。スラグゾーンの床は、回転傾斜式の耐熱テーブルから成る。テーブルトップの回転が溶融スラグの排出を促進する。必要に応じて、プラズマ熱伝達を促進するため、テーブルは複数のセラミックボールを含むことがある。スラグゾーンの床は、処理ゾーンから引き込んで、高められている場合がある。
炭素変換ゾーン、ゾーン間領域、スラグゾーンの一部を示した図32を参照すると、マルチゾーン型炭素変換装置(810)は、耐熱内張りされた、垂直方向の室(815)から構成され、加工原料供給口(図なし)、合成ガス排出口(図なし)、スラグ排出口(830)、そして、空気吸入口(図なし)、プラズマトーチ(840)、そして障壁(845)からなる、ゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム) を有する。
耐熱内張りされたテーブルトップは、外部モーター(847)に操作上つながった駆動軸(846)に設置されている。スラグ床アセンブリは、ゾーン間領域と炭素変換ゾーンから容易に取り外し可能であり、一掃しやすいよう、レール上の昇降テーブルに設置されている。複数のセラミックボール(848)は、プラズマ熱伝達を促進する。
必要に応じて、溶融スラグは、スラグ排出口(830)を出る際、水スプレーによって冷却され、固形化したスラグは、除去のため、制動チェーンの上に落ちる。] 図32
[0080] 実施例9
図33は炭素変換ゾーン、ゾーン間領域、スラグゾーンの一部を示しており、マルチゾーン型炭素変換装置(910)は、耐熱内張りされた、垂直方向の室(915)から構成され、加工原料供給口(図なし)、合成ガス排出口(図なし)、スラグ排出口(930)、そして、空気吸入口(図なし)とプラズマトーチ(940)、プロパンまたは天然ガスバーナー(937)、そして障壁(945)からなる、ゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム) を有する。
障壁は、外部モーター(942)につながった駆動軸(933)をもつ、駆動台に設置された回転耐熱コーン(921)から成る。回転耐熱物の下部は、室からの排出前にスラグがたまる井戸(978)を含む。障壁/スラグ床アセンブリは、ゾーン間領域と炭素変換ゾーンから容易に取り外し可能であり、一掃しやすいよう、レール上の昇降テーブルに設置されている。
必要に応じて、溶融スラグは、スラグ排出口(930)を出る際、水スプレーによって冷却され、固形化したスラグは、除去のため、制動チェーンの上に落ちる。] 図33
[0081] 実施例10
図12を参照すると、図示された実施形態では、マルチゾーン型炭素変換装置(1010)は、耐熱内張りされた、垂直方向の室(1015)から構成され、加工原料供給口(1020)、プラズマガス精製室(1066)とつながっている合成ガス排出口(1025)、スラグ排出口(1030)、外部設置モーターアセンブリ(1032)の付いたかくはん器(1031)、そして空気吸入口(1041)とプラズマトーチ(1040)からなるゾーン別加熱システム(即ち、二つの温度ゾーンを確立できるシステム)を有する。
ゾーン間領域は、炭素変換ゾーンからスラグゾーンへの材料の流れを規制するため、物理的障害を含む。インスタント実施形態では、物理的障害は、ゾーン間領域内に設置された回転火格子(1045)から成る。残留固体材料は、ゾーン間領域を通過し、スラグゾーン内で溶融する。図12AとBは、典型的な火格子の設計を示している。] 図12 図12A
权利要求:

請求項1
加工原料を合成ガスとスラグに変換する、マルチゾーン型炭素変換装置スラグゾーンと連絡を取り合う、炭素変換ゾーンからなる室(ただし、炭素変換ゾーンとスラグゾーンはゾーン間領域により隔離される)供給源から加工原料を受け取る加工原料供給口、合成ガス排出口、空気吸入口からなる炭素変換ゾーン 部分的に、あるいは断続的にゾーン間領域を塞ぐことで、炭素変換ゾーンとスラグゾーン間の材料の流れを制限する障壁を含む、ゾーン間領域プラズマ熱源とスラグ排出口からなるスラグゾーンそこでは、プラズマ熱源からの熱を利用して、加工原料は炭素変換ゾーンで合成ガスと灰に変換され、灰はゾーン間領域および/またはスラグゾーンで溶融スラグに変換される。
請求項2
請求項1のマルチゾーン型炭素変換装置において、空気供給口は加熱空気吸入口である。
請求項3
請求項1のマルチゾーン型炭素変換装置において、空気供給口は一つ、または複数の空気箱である。
請求項4
請求項1、2、または3のマルチゾーン型炭素変換装置において、障壁は、4つのくさび形耐熱レンガを用いてゾーン間領域に設置された、固形プレキャスト耐熱ドームであり、マルチゾーン型炭素変換装置の内壁とドームの間に溝、または空間ができるような大きさである。
請求項5
請求項4のマルチゾーン型炭素変換装置において、室はほぼ垂直方向の、円筒形室で、ゾーン間領域は室のくびれ部分を構成する。
請求項6
請求項5のマルチゾーン型炭素変換装置において、スラグゾーンは円錐形のスラグ排出口に向かって細くなる。
請求項7
請求項1、2、または3のマルチゾーン型炭素変換装置において、障壁は火格子である。
請求項8
1〜7、どの請求項のマルチゾーン型炭素変換装置においても、さらにゾーン間領域は、スラグゾーンからゾーン間領域へプラズマ熱を伝達する熱伝達要素から構成される。
請求項9
1〜8、どの請求項のマルチゾーン型炭素変換装置でも、さらに制御システムを含む。
請求項10
1〜9、どの請求項のマルチゾーン型炭素変換装置でも、さらに加工原料前処理モジュールを含む。
請求項11
1〜10、どの請求項のマルチゾーン型炭素変換装置でも、さらに、スラグ冷却モジュールを含む。
請求項12
1〜11、どの請求項のマルチゾーン型炭素変換装置においても、プラズマ熱はプラズマトーチである。
类似技术:
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优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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