专利摘要:
膨張(102)させ冷却(106)した粗LNG流(108)を窒素除去塔(150)で分離して、窒素を富化した塔頂蒸気流(130)と窒素の減少した塔底液体流(110)にする。塔底流(110)はより高い圧力へ昇圧(112)し、第一の流れ及び第二の流れ(114及び116)に分割する。その後第二の流れを減圧して、粗LNG原料流(104)との熱交換(106)によって少なくとも一部を気化(118)させ、該原料流を冷却するとともに窒素除去塔(150)に焚上げ蒸気を供給(120)する。
公开号:JP2011513503A
申请号:JP2010512805
申请日:2008-06-16
公开日:2011-04-28
发明作者:エイドリアン ブロストウ,アダム
申请人:エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッドAir Products And Chemicals Incorporated;
IPC主号:C10L3-10
专利说明:

[0001] 本発明は、窒素、メタンを含み、場合によってはより重質な炭化水素を含む液化天然ガス流から、窒素を分離する方法に関する。]
背景技術

[0002] 粗天然ガスは、液化天然ガス(LNG)の形でのより大量の保存を可能にするために、多くの場合液化される。天然ガスは窒素で汚染されている可能性があるため、LNGから窒素を除去して、所望の製品仕様を満たす、窒素の減少したLNG製品を製造することが有利である。従来技術において、LNGから窒素を除去するいくつかの方法が開示されている。]
[0003] LNG流から窒素を分離するための一つの単純な方法は、粗LNG流をタービンで等エントロピー膨張させた後、フラッシュセパレータに投入することである。フラッシュセパレータから取り出された液体生成物が含有する窒素は粗LNG流よりも少ないのに対して、蒸気生成物はより高い割合の窒素を含む。]
[0004] 米国特許第5421165号明細書(’165特許)には異なる方法が開示されている。それに開示された方法では、その図1とそれを複製して図1として本書に添付したものを参照すると、粗LNG(1)をタービン(21)で等エントロピー膨張させ、リボイラー熱交換器(21)で冷却している。冷却した膨張LNG流はその後弁(3)を通過し、そこで静的減圧処理を受けてから、脱窒素塔(5)へ投入される。塔内において、窒素は上昇蒸気によって流下液体から揮散され、そのため塔頂部から出る蒸気流(10)の窒素濃度が高くなる。液体LNG流(11)は塔(5)の底部から、窒素の減少した生成物として抜き出される。塔では、液体流(6、8)が冷却した膨張LNG原料流(4)の投入レベルよりも低いレベルで抜き出され、熱交換器(2)を通過して原料流を冷却し、その後それが抜き出されたレベルよりも低いレベルで塔(5)内に再投入されて、塔に焚上げ蒸気を供給する。実際には、抜き出し流が熱交換器を通過することで、分離の更なる平衡段がもたらされる。] 図1
[0005] LNG流から窒素を分離する同様の方法では、膨張が等エントロピー的ではなく等エンタルピー的に行われるよう、タービン駆動の動的減圧に代えて静的減圧用の弁を用いる。’165特許の方法において等エンタルピー膨張を用いることは、より多くのメタン回収を可能にするとされている。]
[0006] LNG流から窒素を除去する別の方法が、米国特許第5041149号明細書(’149特許)に記載されている。この特許明細書では、まず粗天然ガス流を冷却し、その後相分離器を通過させて液体流と蒸気流を生成することによる、粗天然ガス流から窒素を除去する方法が開示されている。この液体流は更に冷却され、脱窒素塔へ投入される。蒸気流は凝縮され更に冷却されて第二の液体流を生成してから、第一の液体流のレベルよりも高いレベルで脱窒素塔へ投入される。窒素を富化した蒸気が塔頂部から取り出され、流入してくる第二の液体流の冷却に用いられる。塔の液溜めはバッフルによって分割され、その一方は塔の最下トレイからの液体で満たされる。この塔底液体は抜き出され、熱交換器で少なくとも一部が気化される一方で相分離器からの蒸気流を凝縮させ、そして還流として塔へ戻されて焚上げ蒸気を供給する。還流中に残っている液体は、液溜めのバッフルのもう一方の側へ流れ落ちる。この液体還流はその後窒素の減少した生成物流として取り出され、ポンプでより高圧にされ、加温及び気化されて、その後動的に膨張して蒸気生成物の温度及び圧力を低下させる。’165特許のリボイラー熱交換と同様に、塔底液体の還流は分離の更なる平衡段としての機能を果たす。]
[0007] もう一つの同様の、しかし熱力学的に異なる窒素分離方法は、粗LNG流をタービンで等エントロピー膨張させ、膨張した流れをリボイラー熱交換器で冷却し、その後のこの冷した膨張流を熱サイホン系へ投入することを必要とする。塔底部から液体を抜き出し、その一部を取り出してLNG生成物として送出する。第二の部分はリボイラー熱交換器を通して再循環させ、ここで少なくとも一部が気化される。一部が気化された流れはその後塔へ再投入され、ここで上記の流れのうちの蒸気部分は焚上げ蒸気を供給し、液体部分は底部トレイからの液体と混合して、抜き出される塔底流のもととなる。このアプローチは、’165特許及び’149特許のそれとは熱力学的に異なる。この場合、液体塔底生成物は、分離の純然たる更なる平衡段から得られるというよりも、塔の最下部トレイからの液体を再沸流からの液体と混合した結果得られるものである。この違いは、熱力学的混合損失をもたらす。]
[0008] これらの従来技術の窒素分離方法の不都合は、これらがそれぞれに、リボイラー流の流れを推進するのに液体ヘッドに依存していることである。この特性は、プロセス設計全体の柔軟性を制限するという悪影響を及ぼす。例えば、塔の利用可能なヘッドはリボイラー熱交換器の設計に直接影響し、熱交換器内の圧力損失は利用できる流れを圧倒するほど大きくすることはできない。この設計上の制限により、圧力損失が小さく、それゆえ塔のヘッドがリボイラーの流れの推進を可能にする、より大きくてより高価な熱交換器を導入するという結果に至る傾向がある。窒素除去を達成するために必要な処理装置の高額な資本コストは、LNG製造の収益性にかなりの影響を及ぼしかねない。]
発明が解決しようとする課題

[0009] 従って本発明の目的は、LNG流から窒素を除去するのに必要な装置の設計において柔軟性を高めるのを可能にする方法を提供することである。柔軟性が高まることによって比較的安価な処理装置の設計が可能になり、この方法に関連する資本コストを低下させることができる。]
課題を解決するための手段

[0010] 本発明は、窒素で汚染されたLNG流の脱窒素のための改良された方法を提供する。この方法によりプロセス設計における柔軟性が高まり、経済的な利益がもたらされる。]
[0011] 本発明の方法によると、約1%と10%の間の窒素、及び残部としてメタン及びより重質な炭化水素を含む粗LNG流を、膨張手段でもって膨張させ、そして熱交換器で冷却する。その結果得られた粗LNG流を窒素除去塔へ導入し、ここで液体が塔を流下するにつれてLNGの窒素含有量を低下させる。窒素の富化した蒸気流を塔頂部から抜き出し、窒素の減少した液体流を塔底部から抜き出す。]
[0012] 窒素の減少した塔底LNG流をより高圧にして、その後第一の流れ及び第二の流れに分割し、必要であれば第一の流れはLNG製品として回収してもよい。第二の流れは減圧し、その後リボイラー熱交換器を通過させて粗LNG流を冷却する。減圧は、第二の流れの少なくとも一部が該熱交換器で気化されるようなレベルまで行われる。この一部が気化した第二の流れは、窒素の減少した塔底LNG流の抜き出しのレベルで、又はそれより上方でかつ粗LNG原料流の導入レベルより下方のレベルで、塔へ再投入されて、塔の焚上げ蒸気を提供する。好ましくは、上記一部が気化した第二の流れは、最下分離段より下方に投入され、すなわち、トレイ塔の場合は最下トレイより下方、あるいは充填塔の場合は充填物より下方へ投入される。]
[0013] 従って、一側面において本発明は、液化天然ガス(LNG)原料流の脱窒素方法であって、
(a)LNG原料流を膨張させ、そしてこの膨張の前あるいは後に、該LNG原料流を熱交換器で冷却して、冷却した膨張LNG流を生成すること、
(b)該冷却した膨張LNG流を窒素除去塔へ導入すること、
(c)窒素を富化した塔頂蒸気流を該塔から抜き出すこと、
(d)窒素の減少した塔底液体流を該塔から抜き出すこと、
(e)工程(d)からの塔底流をポンプを通過させてその圧力を上昇させること、
(f)該塔底流を第一の流れと第二の流れに分割すること、
(g)減圧しその後該熱交換器を通過させることによって、該第二の流れの少なくとも一部を気化させること、
(h)該一部を気化させた第二の流れを該塔へ投入して該塔のための焚き上げ蒸気を提供すること、
を含む、液化天然ガス(LNG)原料流の脱窒素方法を提供する。]
[0014] 第二の側面において本発明は、本発明の方法による液化天然ガス(LNG)原料流の脱窒素のための装置を提供し、該装置は、
LNG原料流を膨張させるためのエキスパンダー、
該エキスパンダーの前又は後に配置され、該LNG原料流を冷却するための熱交換器、
該冷却した膨張LNG原料流を、窒素を富化した塔頂蒸気流と窒素の減少した塔底液体流とに分離するための窒素除去塔、
少なくとも該塔底流の圧力を上昇させるためのポンプ、
該塔底流を第一の流れと第二の流れに分割するための分割手段、
該第二の流れの圧力を減少させるための減圧手段、
該減圧した第二の流れを、少なくとも一部を気化させるため、熱交換器へ送るための導管手段、及び
該一部を気化させた第二の流れを、窒素除去塔の再沸のために、該塔へ供給するための導管手段、
を含む。]
[0015] 以下において明らかになるように、本発明の範囲内にはこの方法のいくつかの別形態がある。例えば、一つの実施態様においては、最初の粗LNG流を高密度流体エキスパンダーで膨張させ、このエキスパンダーはリボイラー熱交換器の上流又は下流のどちらに設置してもよい。別の実施態様においては、第二の流れの減圧をジュール−トムソン弁を用いて行ってもよい。塔への投入前に弁を通して粗LNG流を絞ることができるよう、窒素除去塔のすぐ上流に弁を設置してもよい。]
図面の簡単な説明

[0016] ’165特許の図1を複製した模式図であり、該特許によるLNG流からの窒素除去方法を説明する図である。
本発明の一実施態様によるLNG流から窒素を除去する方法を説明する模式図である。] 図1
[0017] 本発明は、一部において、リボイラー流を推進するのにポンプを使用して、リボイラー熱交換器内でのより大きな圧力損失を可能にすることにより、LNG脱窒素操作における設計上の柔軟性と経済的な効果をもたらす。これは、言い換えると、より速いリボイラー流の速度を可能にし、その結果熱交換器の熱伝達係数を高くして、より小さい熱交換器の使用を可能にすることができる。]
[0018] 以下の説明でもって明らかになるように、この柔軟性を、追加の機器を必要とせずに、生産レベルとエネルギー必要量を維持しながら実現することには、熱力学的効率がやや低下することが伴う。しかしながら、本発明により得られる当初資本の節約は、この熱力学的非効率を相殺する以上のものであり、とりわけそれに伴う容易さと低い費用を考えると、その非効率は救済されよう。]
[0019] ここで用いる「窒素を富化した流れ」という用語は、最初の原料流と比較して高い濃度の窒素を含有する流れを意味する。]
[0020] ここで用いる「窒素の減少した流れ」という用語は、最初の原料流と比較して低い濃度の窒素を含有する流れを意味する。]
[0021] ここで用いる「下方」という用語は、高さのより低い位置、すなわち地面により近いことを意味する。]
[0022] ここで用いる「上方」という用語は、高さのより高い位置、すなわち地面からより遠いことを意味する。]
[0023] ここで用いる「焚上げ蒸気(boilup)」という用語は、塔を上昇する蒸気を意味する。]
[0024] 次に、本発明の好ましい実施態様を、図2を参照して詳細に説明する。以下の実施態様は本発明の範囲を限定しようとするものではなく、請求項の範囲内で他の実施態様が存在することは当業者に理解されるはずである。] 図2
[0025] 図2に示したように、約1mol%から約10mol%の窒素、及び残部としてメタンを含有し、場合によってより重質な炭化水素を含有する、典型的には約700psi(4.8MPa)の圧力の、高圧LNG流100を、このLNG流を膨張させるための手段102で膨張させて、より低圧のLNG流104を生成する。この膨張は好ましくは等エントロピー的に行われ、LNG流膨張手段は好ましくは高密度流体エキスパンダー(流体力学タービンとしても知られる)であるが、弁又はその他の公知の流体膨張手段であってもよい。より低圧のLNG流104をリボイラー熱交換器106で冷却して、冷却した膨張LNG流108を生成する。リボイラー熱交換器106は好ましくはプレート−フィン熱交換器であるが、シェル−アンド−チューブデザインあるいは二つの流体流を混合することなく互いに熱交換関係にする他の任意の公知の手段でもよい。冷却した膨張LNG流108をその後弁109を通して実質的に等エンタルピー的に膨張させ、そして窒素除去塔150へ投入する。この投入は好ましくは塔頂部で行われる。窒素除去塔150は好ましくはトレイ塔であるが、充填塔又は分別に適したその他の任意の物質移動装置であってもよい。窒素を富化した蒸気流130を塔150の頂部から抜き出す。この流れは典型的には、約30%より多くのN2及び約70%未満のメタンを含有する。] 図2
[0026] 窒素の減少した液体流110を塔150の底部から抜き出して、ポンプ112によって所望の圧力まで昇圧する。塔底液体流110を昇圧後、第一の流れ114と第二の流れ116に分割する。流れ114は製品LNG流として回収してもよい。流れ116はジュール−トムソン弁117によって実質的に等エンタルピー的に膨張させて、低圧のリボイラー流118を生成させる。弁117は、流れ114と116の分離箇所とリボイラー熱交換器106との間の任意の位置に配置することができる。低圧のリボイラー流118を、リボイラー熱交換器106で少なくとも一部を気化させて、一部が気化したリボイラー流120を生成する。このリボイラー流はその後塔150の底部へ、トレイ塔の場合は最下トレイより下方で、あるいは充填塔の場合は充填物より下方で、投入されて、焚上げ蒸気を供給する。]
[0027] 別の実施態様においては、LNG流の膨張手段102をリボイラー熱交換器106の下流に配置することができる。このようにして、LNG流の膨張手段102での膨張に先立って、高圧流100はリボイラー熱交換器106で冷却される。]
[0028] 上記実施態様のいずれにおいても、弁109は任意選択的であり、上記の別の実施態様では、冷却したLNG流108を窒素除去塔150に直接投入することができる。]
[0029] 特に好ましい実施態様をここに提示すると、それでは粗LNG流100を高密度流体エキスパンダー102で実質的に等エントロピー的に膨張させ、リボイラー熱交換器106で冷却する。この冷却した膨張LNG流108を弁109によって実質的に等エンタルピー的に膨張させ、そして窒素除去塔150へ投入する。塔内において、上昇する蒸気が下降する液体から窒素を揮散し、窒素を富化した流れ130が塔頂部から抜き出される。窒素の減少した液体流110を塔底部から抜き出し、その圧力をポンプ112を通過させることにより上昇させる。昇圧後、液体流を第一の流れ114と第二の流れ116に分割する。第二の流れ116は、弁117を通過させることによって、その後リボイラー熱交換器106を通過中に低圧リボイラー流118が少なくとも一部気化するのを可能にする圧力まで減圧される。リボイラー熱交換器での少なくとも一部の気化後、リボイラー流120は窒素除去塔150へ再投入されて焚上げ蒸気を供給する。]
[0030] 窒素の減少した液体流110が、除去塔150の最下段からの、あるいはリボイラー106からの液体のみではなく、それら両方の混合物となるように、リボイラー流の液体部分は再投入の際に、塔の最下段からの液体と混合される。これらの液体流を混合して、抜き出される窒素の減少した流れ110を提供することには、熱力学的損失が伴う。しかしながら、これは、窒素除去塔150に一つあるいは複数の段を追加することによって、容易にかつ安価に補償することができる。]
[0031] ポンプ112の後で第二の流れ116を第一の流れ114から分離することによって、リボイラー熱交換器106を通る流れは、LNG生成物である第一の流れ114を昇圧するためにすでに利用可能であるポンプ112によって推進される。リボイラー熱交換器106は、資本コストなどを考慮して、広範囲の圧力損失について設計することができ、そしてリボイラー流118の適切な圧力を、リボイラー熱交換器106の上流の弁117を調整することにより得ることができる。]
[0032] 第二の流れ116の流量は、窒素の減少した液体流110の総流量以下であればいくらでもよいが、好ましくは第一の流れ114の流量の約20%未満であり、特定のプロセスのために容易に最適化することができる。これは、トレイからの液体流の100%をリボイラーを通して移動させる必要がある’165特許の方法とは対照的である。リボイラー流の流量が従来技術と比較して少ないことで、リボイラー熱交換器106の大きさを小さくすることが可能になる。]
[0033] また、従来技術の方法の多くと比較した際、本発明は、いずれにしてもLNG製品として抜き出される塔底液体を塔の再沸用に用いるため、塔からリボイラー液体流を抜き出すために必要とされるノズルをなくすという更なる利点を有する。]
[0034] 本発明は、流体力学的に従来技術のものとは異なる方法を実施することによって、LNG脱窒素方法の適応性及び柔軟性を著しく向上させる。塔ヘッドに依存するのでなく、ポンプ112でリボイラー熱交換器106を作動させ、質量流量の調節のために弁117を含めることによって、本方法は、選択したリボイラー熱交換器106の設計と併せて、最適に機能するよう設計することができる。この柔軟性によって、救済することが可能な軽微な熱力学的損失という代償を払いはするが、資本経費を少なくすることができる。]
[0035] 本発明の方法と従来技術との重要な差のうちのいくつかをより詳しく明らかにするために、ASPENプロセスシミュレータを使用して、プロセスシミュレーションを行い、本発明の実施態様(「本方法」)と’165特許に開示された方法とを比較した。比較の基準は、同等のLNG生産量及び満足な燃料バランス(プロセスを推進するガスタービンを駆動するのに必要なLNG生成物のフラッシュ量)である。]
[0036] 〔本方法〕
図2を参照して、高密度流体エキスパンダー102での膨張に続いて、流量125,450ポンドモル/h(56,900kgmol/h)、圧力71.62psi(493.8kPa)、温度−243oF(−152.8oC)で、N2を2.96%、メタンを95.47%、C2炭化水素を1.10%、及びより重質な炭化水素を0.47%含む低圧LNG流104をリボイラー熱交換器106で冷却し、温度−252.5oF(−158.06oC)の冷却した膨張LNG流108を生成する。冷却した膨張流108を弁109によって絞り、6つのトレイを含む脱窒素塔150へ圧力18psi(124kPa)で導入する。塔頂蒸気流130を塔150の頂部から流量8,123ポンドモル/h(3,685kgmol/h)で抜き出す。この流れは、圧力18psi(124kPa)、温度−261.9oF(−163.28oC)で、N2を31.06%、メタンを68.94%及び微量の重質炭化水素を含む。塔150から塔底流110を流量136,071ポンドモル/h(61,720kgmol/h)、圧力19.45psi(134.1kPa)、温度−256.8oF(-160.44oC)で抜き出す。この流れは、N2を1.01%、メタンを97.31%、C2炭化水素を1.17%、及び重質炭化水素を0.51%含む。塔底流110を圧力75psi(517kPa)まで昇圧し、そして第一の流れ114と第二の流れ116とに分割する。流量117,327ポンドモル/h(53,219kgmol/h)、圧力75psi(517kPa)、温度−256.6oF(−160.33oC)でN2を1.01%、メタンを97.31%、C2炭化水素を1.17%及び重質炭化水素を0.51%を含む第一の流れ114を、最終LNG製品として回収する。流量18,744ポンドモル/h(8,502kgmol/h)の第二の流れ116を、弁117により絞って19.74psi(136.17kPa)の圧力にして、低圧リボイラー流118を生成し、これをその後、温度−256.4oF(−160.22oC)でリボイラー熱交換器106に導入して、そこで一部を気化させて気化したリボイラー流120を生成する。温度−252.7oF(-158.17oC)、圧力19.45psi(134.17kPa)で、蒸気画分が23.7%である、気化したリボイラー流120を、塔150の底部に投入して焚上げ蒸気を供給する。この方法には約229MWの電力が必要である。] 図2
[0037] 〔従来技術の方法〕
図1を参照して、タービン21での膨張に続いて、流量125,451ポンドモル/h(56,903kgmol/h)、圧力71.76psi(494.77kPa)、温度−243oF(−152.8oC)でN2を2.96%、メタンを95.47%、C2炭化水素を1.10%及び重質炭化水素を0.47%含む、半減圧LNG流22を、間接熱交換器2で温度−252.6oF(−158.11oC)まで冷却する。この冷却した膨張流を弁3により絞り、そして圧力18psi(124kPa)で、6つのトレイを含む脱窒素塔5へ導入する。塔頂蒸気流10を塔5の頂部から流量8,122ポンドモル/h(3684kgmol/h)で抜き出し、この流れは、圧力18psi(124kPa)及び温度−261.9oF(−163.28oC)でN2を31.17%、メタンを68.83%及び微量の重質炭化水素を含む。塔底流11を塔5から流量117,329ポンドモル/h(53,220kgmol/h)、圧力19.45psi(134.1kPa)、温度−256.8oF(−160.44oC)で抜き出し、この流れはN2を1.01%、メタンを97.32%、C2炭化水素を1.17%及び重質炭化水素を0.50%含む。第一のLNG画分6を塔の最下トレイから流量121,047ポンドモル/h(54,906kgmol/h)、温度−259.7oF(−162.06oC)、圧力19.74psi(136.17kPa)で抜き出し、これはN2を1.56%、メタンを96.81%、C2炭化水素を1.14%及び重質炭化水素を0.49%含む。この第一のLNG画分6を間接熱交換器2を通過させて流れ7を生成し、この流れは、温度−256.8oF(−160.44oC)、圧力19.45psi(134.1kPa)であり、気体画分が3.1%である。流れ7を塔5の最下トレイより下方へ戻して、焚上げ蒸気を供給する。この方法にもまた、約229MWの電力が必要である。] 図1
[0038] 表1は、比較をより明確に説明するために、これら二つの方法の対応する流れのデータを示している。それぞれの原料流104と22、及びそれぞれの生成物流114と11、及び130と10は、関連のある全ての特性について実質的に同一である。この原料流及び生成物流が同等であることによって、二つの方法を有効に比較することができる。]
[0039] 表1に示されるように、二つの方法の顕著な違いは、本方法のリボイラー流118が流量18,744ポンドモル/h(8,502kgmol/h)であり、’165特許方法のリボイラー流6の流量121,047ポンドモル/h(54,906kgmol/h)の15.5%しかないことである。この違いは、’165特許方法では塔トレイからの液体流量全体をリボイラー熱交換器を通して再循環させる必要がある一方、本方法は所望の分離を行うのに必要な流量を最適化し、従って必要とされる生成物を製造するために必要な量の塔底液体を再循環させるだけである、ということによるものである。これらの方法のもう一つの注目すべき違いは、リボイラーを通過する全流体流量は本方法の方が’165特許の方法よりも少ないとはいうものの、各リボイラーでは同じ量の熱が移動するため、本方法ではリボイラー流のうちのより多くの部分が気化され、すなわち23.7%対3.1%となる、ということである。それゆえ焚上げ蒸気のために塔へ実際に戻る蒸気の量は、’165特許方法(3752ポンドモル/h、1,702kgmol/h)よりも本方法(4442ポンドモル/h、2,015kgmol/h)の方が多い。]
[0040] ]
[0041] これら二つの方法には、ほかにもいくつかの重要な違いがある。まず、本方法では’165特許方法のように塔から更なる流れを抜き出すよりも、抜き出した塔底生成物の一部をリボイラー流のために用いているため、’165特許方法で必要とされているノズルが除かれる。ノズルによって、塔には特定の大きさの部分が付加され、追加の機器が必要となり、熱の漏れにつながるため、これは望ましい改良点である。]
[0042] もう一つの重要な違いは、二つの流れに分割する前に塔底流を移送するためのポンプを使うことによって、リボイラー熱交換器を’165特許方法の場合のように液体ヘッドではなく、ポンプによって作動させることが可能である、ということである。これによって自由度が増し、プロセスの設計及び実施の柔軟性を高くすることが可能になる。例えば、弁117を調節して、熱交換器におけるより大きな圧力損失を補償するようにすることができる。この更なる柔軟性は、熱交換器の最初の設計に反映されるだけでなく、プロセスの予想外の条件を補償するために有利に利用することができる。]
[0043] それぞれの方法の全体での消費電力は実質的に同一であり、本方法では229.3MW、従来技術の方法では229.1MWとなってはいるが、貯蔵するのに十分な圧力でLNG製品流を提供するためには、本方法の塔底液体流を昇圧するのに、従来技術方法の塔底液体流の昇圧よりも約16%多い電力が必要である(本方法では293kW、従来技術の方法では253kW)ことにも言及しておく。本方法におけるポンプは製品LNG流を提供するだけでなく、リボイラーも駆動するため、本方法では136,071ポンドモル/h(61,720kgmol/h)の塔底液体を昇圧しなければならない一方で、従来技術の方法では117,329ポンドモル/h(53,220kgmol/h)の製品LNGを昇圧するだけでよい。しかしながら、本方法によって可能となる柔軟性の増加は、消費電力のこのわずかな増加を補償する以上のものである。]
実施例

[0044] 本発明を特定の実施態様を参照して詳細に説明したが、当業者は特許請求の範囲の記載事項の範囲内で他の実施態様が存在することを認識しよう。]
权利要求:

請求項1
液化天然ガス(LNG)原料流の脱窒素方法であって、(a)LNG原料流を膨張させ、そしてこの膨張の前あるいは後に、該LNG原料流を熱交換器で冷却して、冷却した膨張LNG流を生成すること、(b)該冷却した膨張LNG流を窒素除去塔へ導入すること、(c)窒素を富化した塔頂蒸気流を該塔から抜き出すこと、(d)窒素の減少した塔底液体流を該塔から抜き出すこと、(e)工程(d)からの塔底流をポンプを通過させてその圧力を上昇させること、(f)該塔底流を第一の流れと第二の流れに分割すること、(g)減圧しその後該熱交換器を通過させることによって、該第二の流れの少なくとも一部を気化させること、(h)該一部を気化させた第二の流れを該塔へ投入して該塔のための焚き上げ蒸気を提供すること、を含む、液化天然ガス原料流の脱窒素方法。
請求項2
前記LNG原料流を等エントロピー的に膨張させる、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記第一の流れをLNG製品として回収する、請求項1又は2に記載の方法。
請求項4
前記冷却した膨張LNG流を前記窒素除去塔へ導入する前に等エンタルピー的に膨張させることを更に含む、請求項に記載の方法。
請求項5
前記LNG原料流の膨張を該原料流の冷却前に行う、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
請求項6
前記LNG原料流の冷却を該原料流の膨張前に行う、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
請求項7
前記第二の流れの流量が前記第一の流れの流量の約20%未満である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
請求項8
前記一部を気化させた第二の流れを前記窒素除去塔の最下分離段より下方へ投入する、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
請求項9
工程(b)の前記冷却した膨張LNG流を前記窒素除去塔の頂部に導入する、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
請求項10
請求項1に記載の方法によって液化天然ガス(LNG)原料流を脱窒素するための装置であって、LNG原料流を膨張させるためのエキスパンダー、該エキスパンダーの前又は後に配置され、該LNG原料流を冷却するための熱交換器、該冷却した膨張LNG原料流を、窒素を富化した塔頂蒸気流と窒素の減少した塔底液体流とに分離するための窒素除去塔、少なくとも該塔底流の圧力を上昇させるためのポンプ、該塔底流を第一の流れと第二の流れに分割するための分割手段、該第二の流れの圧力を減少させるための減圧手段、該減圧した第二の流れを、少なくとも一部を気化させるため、前記熱交換器へ送るための導管手段、及び該一部を気化させた第二の流れを、前記窒素除去塔の再沸のために、該塔へ供給するための導管手段、を含む、液化天然ガス原料流の脱窒素装置。
請求項11
前記エキスパンダーが高密度流体エキスパンダーである、請求項10に記載の装置。
請求項12
前記減圧手段がジュール−トムソン弁である、請求項10又は請求項11に記載の装置。
請求項13
前記冷却した膨張LNG流を前記窒素除去塔へ導入する前に膨張させるための弁を更に含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の装置。
請求項14
前記エキスパンダーが前記熱交換器の上流に位置する、請求項10から13のいずれか1項に記載の装置。
請求項15
前記エキスパンダーが前記熱交換器の下流に位置する、請求項10から13のいずれか1項に記載の装置。
請求項16
前記熱交換器がプレート−フィン熱交換器である、請求項10から15のいずれか1項に記載の装置。
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引用文献:
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