专利摘要:
R1、R2、R3、X、Y、r、s、t、u及びvは、明細書に規定する意味を有する特定の式(I)の化合物、及びその塩、溶媒和物及び水和物は、新規で効果的なHDAC6阻害剤である。
公开号:JP2011513468A
申请号:JP2010550202
申请日:2009-03-12
公开日:2011-04-28
发明作者:ヘスリンガー,クリスティアン;ベッケルス,トマス;マイアー,トマス
申请人:4エスツェー アクチェンゲゼルシャフト;
IPC主号:C07D217-06
专利说明:

[0001] 本発明は、有用な医薬特性を有し、且つ特に癌に対する医薬の調製において使用されてよい、HDAC6アンタゴニスト活性を呈する新規なN−置換テトラヒドロイソキノリン/イソインドリンヒドロキサム酸誘導体に関する。]
背景技術

[0002] タンパク質の翻訳後修飾は、多くの細胞プロセスにとって重要であり、複雑であり且つ高度に制御される。ε−アミノ基のアセチル化によるリジン残基の可逆的修飾は、近年多くの注目を集めている(Cohen and Yao, Science STKE, 2004)。当初は、ヒストンタンパク質におけるN−末端リジン残基の可逆的アセチル化が記載されていた(Marks et al., Nat. Rev. Cancer 1 , 194-202, 2001)。ヒストンタンパク質H2A/B、H3及びH4は、クロマチンの八量体ヒストンコア複合体を形成している。アセチル化又はメチル化によるリジン残基での、及びリン酸化によるセリン残基での複合体N−末端修飾は、いわゆる「ヒストンコード」(Strahl & Ellis, Nature 403, 41-45, 2000)の一部を構成する。単純なモデルにおいて、正に帯電したリジン残基のアセチル化は、ここで翻訳因子の侵入のために接近し易くなっている負に帯電したDNAへの親和性を低下させる。すなわち、コアヒストンタンパク質内のリジン残基の可逆的修飾は、遺伝子制御のために重要であると理解されていた。ヒストンアセチル化及び脱アセチル化は、それぞれヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)及びヒストン脱アセチラーゼ(HDAC)により触媒される。例えば、HDACアイソザイムHDAC1又は2は、クロマチンを転写的に不活性なサイレント構造に切り替える転写抑制複合体と結合する(Marks et al. Nature Cancer Rev 1 , 194-202, 2001)。反対のことは、転写活性化因子複合体と結合する特定のHATについて当てはまる。]
[0003] これまでHDACの3つの異なるクラスが報告されており、特に、Mr=42〜55のクラスI(HDAC 1−3、8)、及びMr=120〜130kDaのクラスII(HDAC 4−7、9、10)があり、両方ともトリコスタチンA(TSA)による阻害に対して感受性である。そのNAD+依存性及びTSA不感受性により完全に区別される、クラスIII(Sir2ホモログ、SIRT)酵素(Ruijter et al. Biochem. J. 370, 737-749, 2003; Khochbin et al. Curr. Opin. Gen. Dev. 11 , 162-166, 2001 ; Verdin et al. TrendsGen 19, 286-293, 2003)。Mr=39kDaのHDAC11は近年クローン化され、且つクラスI及びIIファミリーのメンバーと相同性を示す(Gao et al. J. Biol. Chem. 277,25748- 25755, 2002)。これらの転写制御にとって重要なHAT及びHDACは、細胞における転写因子及びプラットフォームタンパク質と一緒に巨大な複合体の状態で存在する(Fischle et al. Mol. Cell 9, 45-47, 2002)。驚くべきことに、340遺伝子及び、参照HDIとしてのTSAの差示的発現分析に基づく推定によると、全ての遺伝子のうちで約2%だけが、ヒストンアセチル化により制御される(von Lint et al. Gene Expression 5, 245-253, 1996)。多数の骨髄腫細胞におけるHDAC阻害剤SAHAについての新規な研究からは、これらの転写的変化が、例えば、アポトーシス又は増殖の制御などにとって重要な、区別できる機能的遺伝子クラスにグループ化され得ることが示された(Mitsiades et al. Proc. Natl. Acad. Sci. 101, pp540, 2004)。]
[0004] 前記の通り、ヒストンタンパク質とは異なるHDACの基質、及び遺伝子転写とは異なるプロセスの制御に関する証拠が増えている(Johnstone & Licht, Cancer CeK 4, 13-18, 2003, Cohen and Yao, Science STKE, 2004)。すなわち、HDACの正確な名称を、リジン−特異的タンパク質脱アセチラーゼとすべきである。これらの発見の結果、HDACの阻害剤は、クロマチン構造及び遺伝子制御だけでなく、一般的なタンパク質アセチル化を制御することによるタンパク質機能及び安定性に影響を及ぼすはずである。HDACは、1999年に、コアヒストンタンパク質とは異なる基質を有するHDACクラスII酵素として、Grozinger et al.(Proc. Natl. Acad. Sci. 96, 4868-4873)及びVerdel et al.(J. Biol. Chem. 274, 2440-2448)により独立に同定された。1216アミノ酸を有するので、HDAC6は、ヒトにおいてさらに同定される最大のHDACアイソザイムであり、且つ2つの内部ε−アセチルリジン特異的脱アセチル化ドメインを有することによりHDAC10に特有であり、両方とも酵素活性にとって重要である。HDAC6は、細胞質で主に発現され、且つ微小管構造と共在する。微小管は、円中軸へ平行に重合するα/β−チューブリンヘテロ二量体により形成される動的構造である。チューブリンは、アセチル化、例えばα−チューブリン上のリジン残基40などのリジン残基上で修飾され、それによりチューブリン構造及び動力学を安定化することは昔から知られている。HDAC6は、αβ−チューブリンへ結合し、α−チューブリンを脱アセチル化し、且つタキソールのようなチューブリン安定化抗癌剤により誘導されるチューブリンの過剰アセチル化に拮抗するタンパク質として同定された(Zhang et al.EMBO J. 22, 1168-1179, 2003; Hubbert et al. Nature 417, 455-458, 2002)。]
[0005] 様々な刊行物が、細胞遊走、タンパク質フォールディング/分解及びアポトーシスのようなプロセスにおけるHDAC6の病態生理学的な重要性を強調する。乳癌において、HDAC6は、エストロゲン誘導遺伝子として記載され、HDAC6過剰発現は、細胞遊走を向上させた(Saji et al. Oncogene 2005, 24, 4531-4539)。モデル実験において、小分子阻害剤ツバシン(Tubacin)によるHDAC6の阻害は、抗−エストロゲンタモキシフェンと同程度の効果を有する。最も重要なことには、エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌のKaplan−Maier分析からは、ER及びHDAC6発現を伴うような患者は、タモキシフェンでの連続アジュバント治療に最良の応答をしたことが示された。]
[0006] Hsp90がアセチル化により制御され、且つLBH589のような広いクラスI及びII特異的HDAC阻害剤が、Hsp過剰アセチル化を誘導することが報告されている(George et al. Blood 105, 1768-76, 2005)。シャペロンHsp90は、変異rafキナーゼ又は過剰発現したHER2受容体チロシンキナーゼ等の癌タンパク質の安定化において重要な存在としてよく認識されている(Maloney & Workman, Expert Opin. Biol. Ther. 2, 3-24, 20)。Hsp90阻害剤17−アリル−アミノ−デメトキシ−ゲルダナマイシン(17−AAG)は、現在第1相臨床試験で試験される(Ramanathan et al., Clin. Cane. Res. 11 , 3385-391 , 2005)。Kovacs等は、アセチル化シャペロンHsp90は、共シャペロン(co-chaperone)p23とグルココルチコイド受容体の複合体における機能的ATP結合酵素としての脱アセチル化Hsp90を有するHDAC6の基質であることを最近示した(Mol. Cell 18, 601-607, 2005)。タンパク質の代謝回転、特にミスフォールドしたポリユビキチン化タンパク質のアグリソームを介するクリアランスにおいて、HDAC6の別の機能が、Kwaguchiにより報告された(Cell 115, 727-738, 2003)。この相互作用は、C末端ポリユビキチン関連ジンク・フィンガー(PAX)ドメインで媒介される(Hook et al. Proc. Natl. Acad. Sci. 99, 13425-430, 2002)。]
[0007] 最後に、HSAC6は、チューブリン阻害剤に対する化学増感の標的、特にパクリタキセル及びドセタキセルとして報告された(Marcus et al. Cancer Res. 65, 3883-3893, 2005)。この相乗効果は、ほとんどの場合、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤Sarasar(SCH66336, ロォナファーニブ)とパクリタキセルの組み合わせによると発表されている。要約すると、HDAC6の選択的阻害により、様々な病的症状、特に癌が治療され得る可能性が高い。]
[0008] 様々な化学クラス由来のHDAC阻害剤は、4つの最も重要なクラスとして文献において報告された。特に(i)ヒドロキサム酸類似体、(ii)ベンズアミド類似体、(iii)環状ペプチド/ペプトリド(peptolide)及び(iv)脂肪酸類似体である。既知のHDAC阻害剤の総合的な要約は、Miller等により最近発表された(J. Med. Chem. 46, 5097-5116, 2003)。これらのヒストン脱アセチラーゼ阻害剤の特異性に関して発表された限定的データしかない。一般的に、大部分のヒドロキサムベースのHDAC阻害剤は、クラスI及びIIHDAC酵素について特異的ではない。例えば、TSAは、IC50がおよそ20nMの値で、HDAC1、3、4、6及び10を阻害するが、HDAC8は、IC50=0.49μMで阻害した(Tatamiya et al, AACRAnnual Meeting 2004, Abstract #2451)。さらに、ベンズアミドHDIのクラスI選択性についてのデータが出ている。Schering AG/Berlexにより開発され、第I相臨床試験に入っている、ベンズアミド類似体MS−275は、クラスI HDAC1及び3を、それぞれIC50=0.51μM及び1.7μMで阻害したが、対照的にクラスII HDAC4、6、8及び10は、それぞれIC50値が、>100μM、>100μM、82.5μM及び94.7μMで阻害した(Tatamiya et al, AACR Annual Meeting 2004, Abstract #2451)。これらのクラスI又はクラスI/II選択的HDAC阻害剤についての薬理データの総合的セットが発表されている。これらは、癌関連遺伝子を上方又は下方制御して、転写レベルにおけるヒストン過剰アセチル化の誘導を介して直接的に有効である。これらの遺伝子には、上方制御される、p21clp1、サイクリンE、形質転換増殖因子β(TGFE)、p53又はフォン・ヒッペル・リンドウ(von Hippel−Lindau、VHL)腫瘍抑制遺伝子が含まれ、一方、Bcl−XL、bcl2、低酸素誘導性因子(HIF)1α、血管内皮増殖因子(VEGF)及びサイクリンA/Dは、HDAC阻害剤により下方制御される(Kramer et al. TrendsEndocrin. Metabol. 12, 294-300, 2001により概説される)。]
[0009] 興味深いことに、アイソタイプ選択的HDAC阻害剤を記載するデータは、非常にわずかしか発表されていない。
S.Scheiberのグループは、選択的阻害剤としての、ツバシンと呼ばれるヒドロキサム酸塩類似体を報告した(Haggarty et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100, 4389- 4394, 2003)。当初の実験では、ツバシンは、チューブリン過剰アセチル化を誘導し、且つ細胞遊走を低減させた。したがって、転移疾患に罹患する進行性癌患者の治療におけるHDAC6選択的阻害剤の薬理活性は非常に可能性がある。]
[0010] 化学療法的且つ標的特異的な癌薬物を伴う、クラスI及びクラスI/II特異的HDAC阻害剤の相乗効果についての論理的根拠が増えている。例えば、相乗効果は、キナーゼ/cdk阻害剤フラボピリドール(flavopiridol)を有するSAHAについて(Alemenara et al. Leukemia 16, 1331-1343, 2002)、CML細胞におけるbcr−ablキナーゼ阻害剤グリベック(Glivec)を有するLAQ−824について(Nimmanapalli et al. Cancer Res. 63, 5126-5135, 2003)、エトポシド(VP16)、シスプラチン及びドキソルビシンを有するSAHA及びトリコスタチンA(TSA)について(Kim et al. Cancer Res. 63, 7291-7300, 2003)、及びHsp90阻害剤17−AAGを有するHBH589(George et al. Blood 105, 1768-76, 2005)で示された。選択的HDAC6阻害剤はまた、チューブリン安定化在として、確立した化学療法的且つ標的化癌薬物、例えばタキサン又はエポチロン(epothilone)と相乗効果を奏する。]
[0011] クラスI及びクラスI/II選択的HDAC阻害剤での、癌における臨床試験は、特に、SAHA(Merck Inc.)、バルプロ酸(Valproic acid)、FK228/デプシペプチド(Gloucester Pharmaceuticals /NCI)、MS275(Beriex-Schering)、NVP LBH−589(Novartis)、PXD−101(Topotarget / Curagen)及びピバロイルオキシメチルブチレート/ピバネックス(Pivanex)(Titan Pharmaceuticals)がある。これらの研究から、末梢T細胞リンパ腫に罹患する患者におけるFK228/デプシペプチドに対する部分的及び完全な応答により近年注目される臨床的有効性の第一の証拠が示された(Plekarz et al. Blood, 98, 2865-2868, 2001)。我々の知る限りでは、アイソタイプ選択的HDAC阻害剤の臨床開発は、これまで報告されていない。]
[0012] 最近の刊行物は、癌とは異なる疾患における、クラスI/II特異的HDAC阻害剤の可能性ある医療用途を示した。これらの疾患には、全身性紅斑性狼瘡(Mishra et a. J. Clin. Invest. 111, 539-552, 2003; Reilly et al. J. Immunol. 173, 4171-4178, 2004)、リウマチ様関節炎(Chung et al. MoI, Therapy 8, 707-717, 2003; Nishida et al. Arthritis & Rheumatology 50, 3365-3376, 2004)、炎症性疾患(Leoni et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99, 2995-3000, 2002)、及びハンチントン病のような神経変性疾患(Steffan et al. Nature 413, 739-743, 2001 , Hockly et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100(4):2041- 6, 2003)がある。アイソタイプ選択的阻害剤はまた、これらの疾患においても薬理的に活性である可能性がある。このように、HDAC6は、T細胞受容体/抗原提示細胞免疫シナプスの組織化における因子として記載されている(Serrador et al. Immunity 20, 417-428, 2004)。]
[0013] 癌化学療法は、無制御な増殖及び有糸分裂における細胞の高比率を伴う癌細胞を優先的に死滅させるという概念に基づいて確立された。標準的な癌化学療法の薬物は、基本的な細胞プロセス及び分子、特にRNA/DNA(アルキル化及びカルバミル化剤、オウラチン類似体及びトポイソメラーゼ阻害剤)、代謝(このクラスの薬物は、抗代謝物と呼ばれる)、及び有糸分裂紡錘体装置(チューブリン阻害剤の安定化及び不安定化)を標的とすることにより、予定された細胞死(「アポトーシス」)の誘導で最終的に癌細胞を死滅させる。ヒストン脱アセチラーゼのクラスI及びクラスI/II選択的阻害剤は、分化及びアポトーシス誘導活性を有する新規な抗癌薬物を構成する。アイソタイプ選択的阻害剤は、規定された活性プロファイル及び広範囲およぶ治療指標を有する可能性が高い。これについて、HDAC6選択的阻害剤は、例えば、細胞遊走の阻害、有糸分裂紡錘体を標的とする剤との相乗効果の発揮、又はシャペロン及びプロテアソーム/アグリソーム機構を介する無調節なタンパク質フォールディング及び分解の達成により、癌療法において活性化される可能性がある。]
[0014] 技術水準
HDAC阻害剤は、当該技術分野において一般的に知られている。WO 2005/108367には、薬理活性化合物として、いくつかのN−置換−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンヒドロキサム酸化合物が記載される。しかしながら、WO 2005/108367では、上記のHDAC酵素の異なるアイソタイプ、及びそこで開示される化合物の潜在的アイソタイプ選択性については言及していない。]
[0015] HDAC6それ自身は、様々な病態生理学的状態の治療のための標的構造として文献に記載される。]
[0016] WO 2005/078081は、免疫系における変化、好ましくは変化したTリンパ球活性化に罹患する患者の予防及び治療のためのHDAC6のチューブリン脱アセチル化活性を制御、阻害、及び活性化する化合物の使用に関する。]
[0017] WO 2006/111596において、ウイルス性感染の治療のためのHDAC6のチューブリン脱アセチル化活性を活性化するHDAC6アゴニスト化合物の使用が開示される。]
[0018] WO 2007/147868は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、アプタマー、HDAC6阻害剤、競合的ペプチド、及びTSA及びSAHAのような非特異的HDAC阻害剤、並びにRNA干渉によるHDAC6遺伝子の下方制御等の、HDAC6阻害剤を用いる筋萎縮の治療について記載する。]
[0019] WO 2007/130429は、癌又は炎症性疾患のような増殖障害を治療するための方法、及びタンパク質沈着障害又は神経変性障害のような分解障害を治療するための方法において使用される1,3−ジオキサンコアを全て含有する、新規な選択的HDAC6阻害剤に関する。]
[0020] US 2007/0207950は、Hsp90活性を阻害するため、及び細胞におけるステロイド受容体シグナル伝達を調節するための方法、並びにHDAC6阻害剤を利用する、Hsp90に関連する癌、及び癌、筋萎縮等の異常ステロイド受容体シグナル伝達に関連する障害を治療するための方法を開示する。かかるHDAC6阻害剤は、とりわけ、TSA及びSAHA、サイクリック−ヒドロキサム酸含有ペプチド(CHAPS)のようなヒドロキサム酸ベースの化合物、並びに当該技術分野で既知のさらなる物質を含んでなる。]
[0021] それにもかかわらず、HDAC酵素の、新規で十分に寛容され、且つ有効なアイソタイプ選択的阻害剤について、当該技術分野においてなお必要性が存在する。]
[0022] 以下により詳細に記載されるテトラヒドロイソキノリン/イソインドリンヒドロキサム酸誘導体が、ヒストン脱アセチラーゼ(HDAC)の阻害剤、特にHDA6の選択的阻害剤であることが今回判明した。]
[0023] すなわち、本発明は、第一の実施態様によれば、式I:]
[0024] ]
[0025] (式中、R1及びR2は、]
[0026] ]
[0027] であり、
R3は、水素、−OR4、−NR5R6、任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族又はへテロ芳香族のラジカルであり、ここで、
前記脂環式のラジカルは、3〜6員の単環基であり、
前記へテロ脂環式のラジカルは、1又は2このヘテロ原子を含んでなり、その各々が、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される、5〜6員の単環基であり、
前記芳香族ラジカルは、フェニル又はナフチルであり、
前記へテロ芳香族ラジカルは、1又は2個のヘテロ原子を含んでなり、その各々が、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される、5〜6員の単環基か、9〜10員の二環基であり、且つ
前記任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族、又はへテロ芳香族のラジカルの置換基は、ハロゲン、1−4Cアルキル、1−4Cアルコキシ又はフェニルであり;
R4は、水素、1−4Cアルキル又は置換もしくは未置換の脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族、又はへテロ芳香族基であり、ここでこれらの基の各々は、R3における定義と同義であり;
R5及びR6は、各々独立に、H又は1−4Cアルキルであり;
Xは、単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、酸素又は硫黄であり;
Yは、−NH−、酸素又は硫黄であり;
rは1又は2であり、
s及びuのうちの一方は0であり、他方は1であり、
tは、0、1、2、3、4又は5であり、且つ
vは、0、1、2、3又は4である)
の化合物;及びこれらの化合物の、塩、溶媒和物、及び水和物に関する。]
[0028] より好ましい実施態様によれば、本発明は、
式中、
tが、0又は1であり、
vが0、1又は2であり、且つ
残りの置換基及び指数は、第一の実施態様に定義された通りである、
第一の実施態様に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物に関する。]
[0029] さらに好ましい実施態様によれば、本発明は、
式中、
sが1であり、
tが1であり、
uが1であり、
vが、0、1又は2であり、且つ
残りの置換基及び指数は、第一の実施態様に定義された通りである、
第一の実施態様に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物に関する。]
[0030] 別のさらなる好ましい実施態様によれば、本発明は、
式中、
sが0であり、
tが1であり、
uが1であり、及び
vが0、1又は2であり、且つ
残りの置換基及び指数は、第一の実施態様に定義された通りである、
第一の実施態様に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物に関する。]
[0031] より好ましい実施態様によれば、本発明は、
式中、
R3は、水素、−OR4、−NR5R6、任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族又はへテロ芳香族のラジカルであり、ここで、
前記脂環式のラジカルは、シクロプロピル及びシクロブチルからなる群から選択され、
前記へテロ脂環式のラジカルは、テトラヒドヒフリルであり、
前記芳香族ラジカルは、フェニルであり、
前記へテロ芳香族ラジカルは、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びキノリニルからなる群から選択され、且つ
前記任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族、又はへテロ芳香族のラジカルの置換基は、−CH3、−OCH3又はフェニルからなる群から選択され;
R4は、−CH3又はフェニルであり;
R5及びR6は、各々独立に、H又は−CH3であり;
Yは、酸素であり;
sは0であり;
uは1であり、且つ
残りの置換基及び指数は、第一の実施態様に定義された通りである、
第一の実施態様に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物に関する。]
[0032] 別のより好ましい実施態様によれば、本発明は、
式中、
R3は、水素、−OR4、−NR5R6、任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族又はへテロ芳香族のラジカルであり、ここで、
前記脂環式のラジカルは、シクロプロピル及びシクロブチルからなる群から選択され、
前記へテロ脂環式のラジカルは、テトラヒドヒフリルであり、
前記芳香族ラジカルは、フェニルであり、
前記へテロ芳香族ラジカルは、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びキノリニルからなる群から選択され、且つ
前記任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族、又はへテロ芳香族のラジカルの置換基は、−CH3、−OCH3又はフェニルからなる群から選択され;
R4は、−CH3又はフェニルであり;
R5及びR6は、各々独立に、H又は−CH3であり;
Xは、単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、酸素であり;
sは1であり;
uは0であり、且つ
残りの置換基及び指数は、第一の実施態様に定義された通りである、
第一の実施態様に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物に関する。]
[0033] さらにより好ましい実施態様によれば、本発明は、
rは1であり、且つ
残りの置換基及び指数は、第一の実施態様に定義された通りである、
第一の実施態様に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物に関する。]
[0034] 別のさらなるより好ましい実施態様によれば、本発明は、
R1は、]
[0035] ]
[0036] であり、
且つR2はHであり、
rは2であり、且つ
残りの置換基及び指数は、第一の実施態様に定義された通りである、
第一の実施態様に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物に関する。]
[0037] 最も好ましい実施態様によれば、本発明は、
1 N−ヒドロキシ−2−(インドル−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
2 N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
3 2−(シクロブチルカルボニル)−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
4 N6−ヒドロキシ−N2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、
5 N6−ヒドロキシ−N2−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、
6 3−メトキシプロピル−6−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート、
7 N−ヒドロキシ−2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
8 N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
9 2−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
10 N−ヒドロキシ−2−[(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
11 N−ヒドロキシ−2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
12 2−アセチル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
13 N−ヒドロキシ−2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
14 N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
15 N−ヒドロキシ−2[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
16 N−ヒドロキシ−2−(シクロプロピルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
17 2−ブタ−2−イノイル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
18 N−ヒドロキシ−2−(1H−インドル−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
19 N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
20 N−ヒドロキシ−2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
21 N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
22 N7−ヒドロキシ−N2−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド、
23 N−ヒドロキシ−2−(4−メチルベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
24 N−ヒドロキシ−2[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
25 2−アセチル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
26 ピリジン−3−イルメチル5−(ヒドロキシカルバモイル)−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート、
27 N−ヒドロキシ−2−(キノリン−2−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド、
28 N−ヒドロキシ−2−(キノリン−6−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド、
29 N−ヒドロキシ−2−(イソキノリン−3−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド、
30 2−(ビフェニル−4−イルカルボニル)−N−ヒドロキシイソインドリン−カルボキサミド、
31 N−ヒドロキシ−2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
32 N7−ヒドロキシ−N2−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド、
33 2−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
34 3−メトキシプロピル 7−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート、
35 N7−ヒドロキシ−N2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド、
36 2−(シクロブチルカルボニル)−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
37 N−ヒドロキシ−2(1H−インドル−5−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
38 N−ヒドロキシ−2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
39 N−ヒドロキシ−2−[3−(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)プロパニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、
40ベンジル6−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート、
41 N−ヒドロキシ−2−(フェノキシアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
42 N−ヒドロキシ−2−(4−メチルベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
43 N6−ヒドロキシ−N2−[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、
44 N6−ヒドロキシ−N2−ベンジル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)ジカルボキサミド、
45 N6−ヒドロキシ−N2−(2−フェノキシエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、及び
46 N−ヒドロキシ−2−(1H−インドル−5−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
から選択される、第一の実施態様に記載の式Iの化合物、又はその塩、特にこれらの化合物の塩酸塩に関する。]
[0038] 本発明はさらに、上記の実施態様に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩を、従来の医薬賦形剤と一緒に含んでなる医薬組成物に関する。]
[0039] 本発明はさらに、上記の実施態様に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、又は療法による人体の治療のための方法における使用のためのいずれかの物体を含む医薬組成物に関する。]
[0040] 本発明は、上記の実施態様に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、又はHDAC6の活性の阻害に対して、応答するかもしくは感受性があるかのいずれかである疾患の治療における使用のための物体を含む医薬組成物に関する。]
[0041] 本発明は、上記の実施態様に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、又は良性及び/又は悪性の新生組織形成、例えば癌の治療における使用のための物体を含む医薬組成物に関する。]
[0042] 本発明はさらに、上記の実施態様に記載の式Iの化合物の、悪性の新生組織形成とは異なる、以下の疾患、
(i)リウマチ性関節炎、変形性関節症、痛風、乾癬性関節炎等の関節症及び骨病理学的症状又は疾患;
(ii)全身性紅斑性狼瘡及び移植拒絶のような自己免疫疾患;
(iii)脈管増殖疾患、アテローム硬化症、再狭窄を含む平滑筋細胞増殖等の過剰増殖性疾患;
(iv)肺繊維症、全身性硬化症及び強皮症、腹膜後繊維症、腎形成全身性繊維症、腎性繊維症、肝繊維症、心繊維症、慢性腎臓疾患、及び多嚢胞腎性疾患等の、繊維増殖性疾患;
(v)乾癬、潰瘍大腸炎、クローン病、慢性膵炎、肝炎、肝硬変、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、嚢胞性繊維症、慢性閉鎖性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び喘息等の急性及び慢性の炎症性症状又は疾患、及び皮膚症状;
(vi)子宮内膜症、子宮繊維症、子宮内膜増殖症、脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎、及び良性前立腺過形成;
(vii)拡張期心不全等の心機能不全;
(viii)HIV感染のような、免疫抑制症状の阻害;
(ix)多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン病、又はポリグルタミン関連障害のような神経性障害;
(x)内因性遺伝子発現を強化すること、及び遺伝子療法における導入遺伝子発現を促進することによる治療を受け易い、病的症状;
(xi)一例としてデュシェンヌ型筋ジストロフィーがある、筋ジストロフィー;
(xii)インスリン耐性2型糖尿病が含まれる糖尿病の様々な状態;及び
(xiii)特発性肺繊維症、石綿症、ブレオマイシン−又はブスルファン誘導性肺繊維症のような介在性肺疾患;
を含む疾患の治療における使用に関する。]
[0043] 本発明はさらに、上記の実施態様に記載の式Iの化合物、又は医薬として許容されるその塩の治療的有効且つ耐容量を、患者に対して投与することを含んでなる、前記患者における、HDAC6の活性の阻害に対して応答するか又は感受性がある疾患を治療するための方法に関する。]
[0044] 好ましい実施態様によれば、当該疾患は良性及び/又は悪性の新生組織形成、例えば癌であり、且つ上記の実施態様に記載の式Iの化合物、又は医薬として許容されるその塩は、1又は複数のさらなる治療剤と、同時か、連続的か、又は別々に投与される。]
[0045] 1−4Cアルキルは、1〜4つの炭素原子を有する、直鎖又は分岐型のアルキルラジカルを表す。記述できる例としては、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、プロピル、イソプロピルがあり、且つ好ましくはエチル及びメチルラジカルである。]
[0046] 1−4Cアルコキシは、酸素原子に加え、1〜4つの炭素原子を有する直鎖又は分岐型のアルキルラジカルを含むラジカルを表す。記述できる例としては、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシがあり、且つ好ましくはエトキシ及びメトキシラジカルである。]
[0047] 3〜6員の単環脂環式のラジカルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルがある。]
[0048] 1又は2個のヘテロ原子を含んでなり、その各々が、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される、5〜6員の単環へテロ脂環式のラジカルには、限定することなく、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、テトラヒドロチエニル、チアゾリジン、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、モルホリニル、チアニル、ジチアニル及びチオモルホリニルがある。]
[0049] 1又は2個のヘテロ原子を含んでなり、その各々が、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される、5〜6員の単環基か、9〜10員の二環基には、限定することなく、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニル;及び特に、その安定なベンゾ縮合誘導体、例えば、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾフラザニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル又はシンノリニル;及びプリニル、インドリジニル、ナフチリジニル又はプテリジニルがある。]
[0050] 特に、これらの例示的なラジカルには、イミダゾリル−1−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、インドル−2−イル、インドル−3−イル、インドル−5−イル、キノリン−2−イル、及びキノリン−6−イルが含まれてよい。]
[0051] 本発明の化合物は、選択的HDAC6阻害剤であり;本文脈において「選択的」は、これらが、任意の他のHDACアイソタイプの阻害で必要とされるより少なくとも10倍低い濃度(IC50)で、HDAC酵素のアイソタイプ6を阻害することを意味する。]
[0052] 式Iの化合物の塩は、物質によって、酸付加塩又は塩基との塩があり得る。具体的に言えば、調剤において従来から使用される、医薬的に寛容な、無機及び有機の酸及び塩基から作製できる。好適なものは、一方で、水不溶性であり、特に水可溶性酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ブチル酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、例えば(−)−L−リンゴ酸もしくは(+)−D−リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、例えば(+)−L−酒石酸もしくは(−)−D−酒石酸もしくはメソ−酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の酸との酸付加塩であり、当該酸は、モノ塩基酸か、ポリ塩基酸が関与することに依存し、且つどの塩が所望されるかに依存して、等モル量比又は異なる比率で、塩調製において使用される。]
[0053] 前文の文脈において、式Iの化合物の可能性ある塩の調製において使用してよいさらなる酸としては、アジピン酸、L−アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、4−アセトアミド−安息香酸、(+)−シュウノウ酸、(+)−カンファ−10−スルホン酸、カプリル酸(オクタン酸)、ドデシルスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、D−グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルタミン酸、2−オキソ−グルタル酸、馬尿酸、乳酸、例えばD−乳酸もしくはL−乳酸、マロン酸、マンデル酸、例えば、(+)−マンデル酸もしくは(−)−マンデル酸、ナフタレン−1.5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ニコチン酸、パルミチン酸、ピログルタミン酸、例えば、L−ピログルタミン酸、ヨウ化水素酸、シクラミン酸、チオシアン酸、2,2−ジクロロ酢酸、グリセロリン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、グリコール酸、オレイン酸、グルタル酸、桂皮酸、カプロン酸、イソブチル酸、プロピオン酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、及びオロリン酸、から選択される任意の酸が挙げられる。]
[0054] 一方で、本発明のヒドロキサム酸と塩基との塩も、置換によっては好適である。塩基との塩の例として、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、チタン、アンモニウム、メグルミン又はグアニジニウム塩が挙げられる。ここでまた、塩調製に使用される塩基を、等モル量比又は異なる比率で使用できる。]
[0055] 得られる可能性のある医薬的に非耐用性の塩、例えば、本発明の化合物の工業的スケールでの調製の際に、プロセスが生産する塩は、当業者に既知のプロセスにより医薬的に耐容される塩に変換できる。]
[0056] 専門化の知見によれば、本発明の式Iの化合物、及びその塩は、例えば、結晶状態で単離される場合、様々な量の溶媒を含んでよい。したがって、式Iの化合物の全ての溶媒和物、及び特に全ての水和物、並びに式Iの化合物の塩の全ての溶媒和物、及び特に全ての水和物が本発明の範囲に含まれる。]
[0057] 本発明のある実施態様によれば、式Iの化合物の塩には、塩酸との式Iの化合物の塩が含まれる。]
[0058] 本発明の化合物は、例えば、以下の反応スキームに示されるように、及び以下で特定される反応ステップにより、又は特に、以下の実施例における例として記載される手段で、又は当業者に既知の調製手法及び合成戦略を用いる、それらと類似する又は同様の方法で、調製することができる。]
[0059] 反応スキーム1において、イソインドリン部分の形成を示す。N−ブロモスクシンイミドとAIBNのようなラジカル開始剤のような、典型的なラジカル形成条件下でのラジカルブロモ化反応後、ジブロモ化合物(VI)を好適な溶媒から得る。続いて、ベンジルアミンでの閉環、及びクロロギ酸ベンジル(Z−Cl)を用いるアミン開裂により、化合物(IV)を得る。その後、基本的な求核条件下でのメチルエステルの鹸化により、カルボン酸化合物(III)を得る。]
[0060] ]
[0061] 反応スキーム2は、MeOH、Boc2O及びニトロメタンを用いる条件下でなされる、7−カルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン部位のメチルエステルの形成について記載する。その後、トリフルオロ酢酸のような酸性条件下での脱保護、及びクロロギ酸ベンジル(Z−Cl)との反応により、化合物(IX)を得る。基本的な求核条件下でのメチルエステルの鹸化により、カルボン酸化合物(VIII)を得る。]
[0062] ]
[0063] 反応スキーム3は、6−カルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(化合物(XIV))のメチルエステルの、クロロギ酸ベンジル(Z−Cl)との反応、及びカルボン酸(XIII)を得る基本的な求核条件下でのメチルエステルの鹸化を示す。]
[0064] ]
[0065] 続く反応において、化合物(III)、(VIII)及び(XIII)を、例えばTHP基保護ヒドロキシルアミン誘導体等のヒドロキシルアミン誘導体で保護されたEDC及びHOBtのような、典型的なカップリング条件下でカップリングさせ、且つベンジルオキシカルボニル基を、水素及びPd/C触媒を用いるような典型的な還元条件下で除去し、それぞれ第二級アミンを得る。]
[0066] 次のステップ(反応スキーム4)において、得られた第二級アミン化合物(一般式(II)で表示され、式中、R1'及びR2'の一方はHであり、且つ他方は、]
[0067] ]
[0068] であり、且つrは0又は1である)は、典型的なカップリング条件下で、酸塩化物化合物とカップリングされ、それぞれ保護されたN−置換テトラヒドロイソキノリン/イソインドリン化合物を得る。以下のTHP保護基の、典型的な酸性条件下での脱保護により、一般式(I)で表示される最終化合物を得る。ここで置換基及び指数は、上記の通りである。]
[0069] ]
[0070] 上記の保護基及び方法は、T. Greene and P. Wuts(John Wiley & Sons, Inc. 1999, 3rd Ed.)による、"Protective Groups in Organic Synthesis"、又はP. Kocienski(Thieme Medical Publishers, 2000)による、P. Kocienski(Thieme Medical Publishers, 2000)に記載されているものでもよい。]
[0071] 以下の例を提供し、限定することなく、さらに本発明を例示する。]
[0072] 1.N−ヒドロキシ−2−(インドル−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド塩酸
180 mgの2−(1H−インドル−3−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドを、メタノールに溶解させ、6 mlの0.1M 塩酸を、滴下しながら添加する。混合物を一晩攪拌する。混合物を真空中で蒸発させ、残存物を水及びアセトニトリルの混合物で処理し、そして凍結乾燥する。92 mg(63 %)の表題化合物を得る。NH+=350.0。]
[0073] 2.N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド塩酸
4 mlのメタノール中で、75 mgの2−(ピリジン−2−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を、環境温度で一晩攪拌し、蒸発させる。混合物を、2 mlの水と2 mlのアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥させる。75 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=312.1。]
[0074] 3.2−(シクロブチルカルボニル)−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
2 mlのメタノール中で、160 mgの2−(シクロブチルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、2 mlの0.1M塩酸を環境温度で一晩攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残存物をアセトニトリルで処理する。53 mgのほぼ無色の結晶を得る。MH+=275.1。]
[0075] 4.N6−ヒドロキシ−N2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
6 mlのメタノール中の110 mgのN2−メチル−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸を、16時間攪拌し、蒸発させる。残存物をアセトニトリル及び水に溶解させ、凍結乾燥する。85 mgの無色の発泡体を得る。MH+=250.2。]
[0076] 5.N6−ヒドロキシ−N2−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
4 mlメタノール中の180 mgのN2−(3−メトキシプロピル)−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミドと、6 mlの0.1 N塩酸の混合物を、環境温度で一晩攪拌し、蒸発させる。残存物をアセトニトリル及び水に溶解させ、凍結乾燥する。115 mgの表題化合物を得る。MH+=308.2。]
[0077] 6.3−メトキシプロピル−6−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート
1 mlのメタノール中の90 mgの3−メトキシプロピル 6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2−(1H)−カルボキシレートと、1.5 mlの塩酸(0.1N)を環境温度で3時間攪拌する。反応混合物を凍結乾燥する。71.4 mgの無色固体を得る。MH+=309.0。]
[0078] 7.N−ヒドロキシ−2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド塩酸
1 mlのメタノール中の140 mgの2−(3−ピリジン−3−イルプロパニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、1.5 mlの0.1 M塩酸の混合物を3時間攪拌する。さらに2 mlの2N塩酸を添加し、混合物を一晩攪拌する。混合物を凍結乾燥する。117 mgの表題化合物を無色オイルとして得る。MH+=326.1。]
[0079] 8.N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド塩酸
1 mlのメタノール中の50 mgの2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、1.5 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で3時間攪拌する。混合物を凍結乾燥する。70 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=312.1。]
[0080] 9.2−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド塩酸
1 mlのメタノール中の35 mgの2−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、1.5 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で3時間攪拌する。続いて、混合物を凍結乾燥する。40 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=306.1。]
[0081] 10.N−ヒドロキシ−2−[(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド塩酸
1 mlのメタノール中の18 mgの2−[(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)アセチル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、1.5 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で3時間攪拌する。その後、混合物を凍結乾燥する。18 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=329.1。]
[0082] 11.N−ヒドロキシ−2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
1 mlのメタノール中の110 mgの2−[(2−メトキシエトキシ)アセチルアセチル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、1.5 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で3時間攪拌する。続いて、混合物を凍結乾燥する。85 mgの表題化合物を無色オイルとして得る。MH+=309.1。]
[0083] 12.2−アセチル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
1 mlのメタノール中の150 mgの2−アセチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、1.5 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で3時間攪拌する。混合物を凍結乾燥する。40 mgの表題化合物を無色オイルとして得る。MH+=235.0。]
[0084] 13.N−ヒドロキシ−2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
6 mlのメタノール中の176 mgの2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残存物を水とアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥する。140 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=291.2。]
[0085] 14.N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド塩酸
6 mlのメタノール中の75 mgの2−(ピリジン−2−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残存物を2 mlの水と2 mlのアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥する。75 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=312.1。]
[0086] 15.N−ヒドロキシ−2[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
3 mlのイソプロパノール中の45 mgの2[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、3 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残存物をアセトニトリルに溶解させる。得られた固体を回収し乾燥させる。25 mgの無色固体を融点156℃で得る。MH+=366.0。]
[0087] 16.N−ヒドロキシ−2−(シクロプロピルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
3 mlのイソプロパノール中の80 mgの2−(シクロプロピルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、3 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で4時間攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残存物を0.5 mlの水と0.5 mlのアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥させる。90 mgの表題化合物を固体として融点90℃で得る。MH+=261.1。]
[0088] 17.2−ブタ−2−イノイル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
6 mlのメタノール中の124 mgの2−ブタ−2−イノイル−N−ヒドロキシ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。混合物を蒸発させ、残存物を水とアセトニトリルで処理する。乾燥後、無色の固体を分離し、73 mgの表題化合物を得る。MH+=275.7。]
[0089] 18.N−ヒドロキシ−2−(1H−インドル−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
6 mlのメタノール中の180 mgの2−(1H−インドル−3−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残存物を水とアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥する。92 mgの表題化合物を得る。MH+=350.0。]
[0090] 19.N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド塩酸
6 mlのメタノール中の140 mgの2−(ピリジン−3−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。続いて、反応混合物を蒸発させる。残存物を水とアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥する。113 mgの表題化合物を得る。MH+=312.1。]
[0091] 20.N−ヒドロキシ−2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
6 mlのメタノール中の110 mgの2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。続いて、反応混合物を蒸発させる。残存物を水とアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥する。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィにより精製する。20 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=291.1。]
[0092] 21.N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド塩酸
6 mlのメタノール中の130 mgの2−(ピリジン−2−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。続いて、反応混合物を蒸発させる。残存物を水とアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥する。105 mgの表題化合物を得る。MH+=312.1。]
[0093] 22.N7−ヒドロキシ−N2−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド
6 mlのメタノール中の200 mgのN2−(2−フェニルエチル)−N7−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。続いて、反応混合物を蒸発させる。残存物を水とアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥する。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィにより精製する。98 mgの表題化合物を得る。MH+=340.1。]
[0094] 23.N−ヒドロキシ−2−(4−メチルベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
6 mlのメタノール中の70 mgの2−(4−メチルベンゾイル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。続いて、反応混合物を蒸発させる。残存物を水とアセトニトリルの混合物に溶解させ、凍結乾燥する。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィにより精製する。11 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=311.1。]
[0095] 24.N−ヒドロキシ−2[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
6 mlのメタノール中の70 mgの2−[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドと、6 mlの0.1M塩酸の混合物を環境温度で一晩攪拌する。続いて、反応混合物を蒸発させる。残存物を10 mlのメタノールを用い、60℃で1時間処理する。得られた固体を回収し乾燥させる。43 mgの表題化合物を無色固体として得る。MH+=365.0。]
[0096] 25.2−アセチル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
6.29 gの2−アセチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドに、57 mlの水、88 mlのメタノール、及び1.4 gのDowexWX2−100を添加する。混合物を環境温度で一晩攪拌し、濾過する。濾液を蒸発させ、4.17 gの表題化合物を、黄色固体として得る。融点177〜181℃。]
[0097] 26.ピリジン−3−イルメチル5−(ヒドロキシカルバモイル)−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート
溶液1:塩酸ヒドロキシルアミン(810 mg)を乾燥メタノール(11.5 ml)に溶解させ、メタノール(5.8 ml)中の2N KOH溶液を添加する。15分後、得られた固体を濾過し、濾液を慎重に約10 mlまで蒸発させる。2−(ビフェニル−4−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル(360 ml)をTHF(10 ml)に懸濁させ、溶液1及びメタノール(0.49 mL)中の2N KOH溶液を添加し、反応混合物を環境温度で4時間攪拌する。蒸発後、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。融点196〜199℃である0.303 gの表題化合物を得る。]
[0098] 27.N−ヒドロキシ−2−(キノリン−2−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド
実施例26と同様に行い、融点162〜166℃である0.20 gの表題化合物を得る。]
[0099] 28.N−ヒドロキシ−2−(キノリン−6−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド
実施例26と同様に行い、融点208〜210℃である0.88 gの表題化合物を得る。]
[0100] 29.N−ヒドロキシ−2−(イソキノリン−3−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド
実施例26と同様に行い、融点208〜210℃である0.228 gの表題化合物を得る。]
[0101] 30.2−(ビフェニル−4−イルカルボニル)−N−ヒドロキシイソインドリン−カルボキサミド
溶液1:塩酸ヒドロキシルアミン(1.17 g)を乾燥メタノール(16.8 ml)に溶解させ、メタノール(8.4 ml)中の2N KOH溶液を添加する。15分後、得られた固体を濾過し、濾液を慎重に約10 mlまで蒸発させる。2−(ビフェニル−4−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル(600 ml)をTHF(10 ml)に懸濁させ、溶液1及びメタノール(1.68 mL)中の2N KOH溶液を添加し、反応混合物を環境温度で16時間攪拌する。蒸発後、生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。融点160〜190℃である0.37 gの表題化合物を得る。]
[0102] 31.N−ヒドロキシ−2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド塩酸
当該化合物を、2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドから出発して、実施例16と同様に調製する。125 mgの表題化合物を、黄色みがかった凍結乾燥物として得る。MH+=326.0。]
[0103] 32.N7−ヒドロキシ−N2−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド
当該化合物を、N2−(3−メトキシプロピル)−N7−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミドから出発して、実施例16と同様に調製する。47 mgの表題化合物を、黄色みがかった固体として、MH+=308.0として得る。]
[0104] 33.2−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド塩酸
当該化合物を、2−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドから出発して、実施例16と同様に調製する。145 mgの表題化合物を、赤みがかったオイルとして得る。MH+=305.9。]
[0105] 34.3−メトキシプロピル7−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート
当該化合物を、3−メトキシプロピル 7−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレートから出発して、実施例16と同様に調製する。85 mgの表題化合物を、ほぼ無色の固体として得る。MH+=308.9。]
[0106] 35.N7−ヒドロキシ−N2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド
当該化合物を、N2−メチル−N7−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミドから出発して、実施例16と同様に調製する。90 mgの表題化合物を、黄色みがかった凍結乾燥物として得る。MH+=250.0。]
[0107] 36.2−(シクロブチルカルボニル)−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
当該化合物を、2−(シクロブチルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドから出発して、実施例16と同様に調製する。6 mgの表題化合物を、無色固体として得る。MH+=275.1。]
[0108] 37.N−ヒドロキシ−2−(1H−インドル−5−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
当該化合物を、2−(1H−インドル−5−イルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドから出発して、実施例16と同様に調製する。90 mgの表題化合物を、融点=252℃で、無色固体として得る。MH+=336.0。]
[0109] 38.N−ヒドロキシ−2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
当該化合物を、2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドから出発して、実施例16と同様に調製する。84 mgの表題化合物を、MH+=309.0で、無色固体として得る。]
[0110] 39.N−ヒドロキシ−2−[3−(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)プロパニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド塩酸
当該化合物を、2−[3−(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)プロパニル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミドから出発して、実施例16と同様に調製する。238 mgの表題化合物を、融点=63℃及びMH+=329.0で、黄色みがかった固体として得る。]
[0111] 40.ベンジル6−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート
当該化合物を、ベンジル 6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレートから出発して同様に調製する。113 mgの無色の固体をMH+=327.1で得る。]
[0112] 41.N−ヒドロキシ−2−(フェノキシアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
当該化合物を、2−(フェノキシアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドから出発して同様に調製する。95 mgのほぼ無色の固体をMH+=327.1で得る。]
[0113] 42.N−ヒドロキシ−2−(4−メチルベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
当該化合物を、2−(4−メチルベンゾイル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドから出発して同様に調製する。40 mgの無色の固体を融点=105〜108℃で得る。]
[0114] 43.N6−ヒドロキシ−N2−[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
当該化合物を、N2−[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−カルボキサミドから出発して同様に調製する。130 mgの無色の固体を融点=173〜176℃で得る。]
[0115] 44.N6−ヒドロキシ−N2−ベンジル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
当該化合物を、N2−ベンジル−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−カルボキサミドから出発して同様に調製する。64 mgの無色の固体を融点=149〜153℃で得る。]
[0116] 45.N6−ヒドロキシ−N2−(2−フェノキシエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
当該化合物を、N2−(2−フェノキシエチル)−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−カルボキサミドから出発して同様に調製する。150 mgの無色の固体を融点=120〜123℃で得る。]
[0117] 46.N−ヒドロキシ−2−(1H−インドル−5−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
当該化合物を、N2−(1H−インドル−5−イルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドから出発して同様に調製する。当該化合物を、調製用HPLCで精製する。]
[0118] 出発物質
A1.2−ベンジル6−メチル3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキシレート
10 gのメチル 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキシレートヒドロクロリド、10 mlのトリエチルアミン、及び15 mlのジクロロメタンの、525 mgのDMAPとの混合物を0℃で攪拌し、9.3 mlのクロロギ酸ベンジルを滴下しながら添加する。環境温度で一晩攪拌後、反応混合物を冷水に添加する。有機相を洗浄し、乾燥させ、及び蒸発させる。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。]
[0119] A2.2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボン酸
14.2 gの2−ベンジル6−メチル3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキシレート、50 mlのTHF及び32 mlの2MLiOH水溶液の混合物を、環境温度で一晩攪拌する。反応混合物を50 gの氷に添加し、pHを2に調整する。有機相を分離し、乾燥させ、及び蒸発させる。13.59 gの無色の固体を得る。]
[0120] A3.ベンジル6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート
8.7 gの2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボン酸、94 mlのDMA、35 mlのトリエチルアミン、4.1 gのHOBt及び17 gのEDCの混合物を、環境温度で30分攪拌する。3.3 gのテトラヒドロピラン−2−イル−ヒドロキサミンを添加し、反応混合物を一晩攪拌する。混合物を、100 mlの水と200 mlのジクロロメタンの混合物に添加する。有機相を分離し、洗浄し、乾燥させ、及び蒸発させる。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。11.08 gの表題化合物を無色オイルとして得る。]
[0121] A4.N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
5 gのベンジル6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート、250 mgの Pd/C(5%)、250 mlのエタノール及び5 mlのトリエチルアミンの混合物を、水素圧下、環境温度で水素化する。反応混合物を濾過し、蒸発させ、及び3.05 gの黄色がかった発泡体を得る。]
[0122] A5.2−Tert−ブチル−7−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキシレート
25 gの2^(tert−ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボン酸、45.5 gのBoc2O、650 mgのDMAP、7.5 mlのメタノール、及び175 mlのニトロメタンの混合物を、50℃で一晩攪拌する。さらに0.5当量のBoc2Oを添加する。反応完了後、混合物を酢酸エチルで希釈し、クエン酸水溶液、重炭酸ナトリウム及び水で洗浄する。乾燥及び有機相の蒸発後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。33.8 gの表題化合物を黄色がかったオイルとして得る。]
[0123] A6.メチル1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキシレート
16.93 gの2−tert−ブチル7−メチル 3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキシレート、160 mlのジクロロメタン及び80 mlのトリフルオロ酢酸の混合物を、0℃で30分間攪拌する。その後、混合物を環境温度で5時間攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残存物を10% KOH溶液及びジクロロメタンで処理する。有機層を乾燥させ、蒸発させる。22.18 gの表題化合物を得る。]
[0124] 以下の中間体は、上記の異性体化合物と同様に調製される。]
[0125] A7.2−ベンジル7−メチル3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキシレート
A8.2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボン酸
A9.ベンジル 7−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート
A10.N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
A11.N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)イソインドリン−5−カルボキサミド
A12.ベンジル 5−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート
A13.2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]イソインドリン−5−カルボン酸
A14.2−ベンジル 5−メチル 1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2,5−ジカルボキシレート]
[0126] A15.3,4−ビス−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル
3,4−ジメチル−安息香酸メチルエステル(10 g)、N−ブロモスクシンイミド(23.6 g)及びAIBN(1.0 g)を、CCl4(118 ml)中で10時間、還流温度で加熱する。冷却及び濾過後、混合物を蒸発させ、残存物をCHCl3(約200 mL)及びNaHCO3飽和水溶液で処理する。有機相を分離し、乾燥させ及び蒸発させた後、残存物をメタノールから結晶化させる。8.7 gの表題化合物を、融点74〜75℃で得る。]
[0127] A16.2−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル
3,4−ビス−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル(20.0 g)、ベンジルアミン(6.7 g)及び炭酸カリウムを、THF(30 mL)及びMeOH(150 mL)と混合し、反応混合物を一晩攪拌する。濾過及び蒸発後、残存物をMTBE及び水で処理する。有機相を分離し乾燥させる。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。9.1 gの表題化合物を得る。]
[0128] A17.1,3−ジヒドロ−イソインドール−2,5−ジカルボン酸2−ベンジルエステル5−メチルエステル
2−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸円チルエステル(3.9 g)及びNaHCO3(12.3 g)を、CH2Cl2(50 mL)に溶解させ、混合物クロロギ酸ベンジル(Z−Cl)(10.8 mL)で処理する。混合物を30℃に加温し、10分後、反応混合物を水(150 mL)とNaHCO3(12.3 g)の混合物に添加し、有機相を分離し、乾燥させ、及び蒸発させる。残存物にMeOHを添加し、結晶固体を回収し、及び乾燥させる。3.79 gの表題化合物を融点=59〜65℃で得る。]
[0129] A18.1,3−ジヒドロ−イソインドール−2,5−ジカルボン酸2−ベンジルエステル
1,3−ジヒドロ−イソインドール−2,5−ジカルボン酸2−ベンジルエステル 5−メチルエステル(2.25 g)をTHF(8 ml)に溶解させ、2NLiOH水溶液(5.51 mL)で処理し、環境温度で14時間攪拌する。蒸発後、残存物をジクロロメタン及び水に分配する。有機相を乾燥させ蒸発させる。2.05 gの表題化合物を、融点197〜199℃で得る。]
[0130] A19.2−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル
ナトリウム(0.06 g)をメタノール(100 ml)に溶解させ、トルエンスルホンアミド(4.25 g)を少しずつ添加する。30分後、3,4−ビス−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル(4.00 g)を環境温度で添加する。一晩攪拌後、得られた固体を回収し、メタノールで洗浄し、乾燥させる。2.80 gの表題化合物を、融点=164〜166℃で得る。]
[0131] A20.臭化水素酸を伴う2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル化合物
2−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル(5.00 g)を33%のHBr/HOAc(39 ml)に溶解させ、環境温度で16時間攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残存物をMeOH(40 ml)で処理する。得られた固体を分離し、洗浄し、乾燥させる。3.00 gの表題化合物を、融点243〜246℃で得る。]
[0132] A21.2−(ビフェニル−4−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル
臭化水素を伴う2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル化合物(0.80 g)、トリエチルアミン(1.30 ml)及びビフェニル−4−カルボニルクロリド(0.67 g)をTHF(35 mL)中、環境温度で攪拌する。1.5時間後、混合物をCHCl3で処理し、洗浄し、乾燥させ、固体が分離し始めるまで蒸発させる。生成物は、ヘプタンの添加により十分に結晶化される。0.94 gの表題化合物を、融点172〜180℃で得る。]
[0133] 以下を同様の手法で調製する:
A22.1,3−ジヒドロ−イソインドール−2,5−ジカルボン酸5−メチルエステル2−ピリジン−3−イルメチルエステル
A23.2−(キノリン−2−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル
A24.2−(キノリン−6−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル
A25.2−(イソキノリン−3−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−カルボン酸メチルエステル]
[0134] A26.2−(1H−インドル−3−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、140 mgのインドリル−3−酢酸、98 mgのHOBT及び0.6 mlのEt3Nを8 mlのDMFに溶解させる。この混合物に、278 mgのEDCを添加し、且つ混合物を一晩攪拌する。反応混合物を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。180 mgの表題化合物を57%の収率で得る。]
[0135] A27.2−(ピリジン−2−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、69 mgの2−ピリジン酢酸、111 mgのHOBT、276 mgのEDC及び0.6 mlのトリエチルアミンを、7 mlのDMFに溶解させ、一晩攪拌する。混合物を蒸発させ、残存物を5 mlの水及び10 mlのジクロロメタンで処理する。分離後、水相をジクロロメタンで洗浄し、混合した有機相を濾過し、乾燥させ、且つ蒸発させる。80 mgの無色オイルを得る。]
[0136] A28.2−(シクロブチルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、80 mgのクロロブタンカルボン酸、111 mgのHOBT、276 mgのEDC及び0.6 mlのトリエチルアミンを7 mlのDMFに溶解させ、一晩攪拌する。混合物を蒸発させ、残存物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。170 mgの黄色がかった発泡体を得る。]
[0137] A29.N2−(3−メトキシプロピル)−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
4 mlのDMF中の0.074 mlの3−メトキシプロピルアミンの混合物を、不活性ガス雰囲気下で、117 mgのカルボニルジイミダゾールで処理する。2時間環境温度に置いた後、得られる混合物を、200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド及び10 mgのDMAPで処理する。反応混合物を一晩攪拌する。2 mlの水の添加後、混合物をジクロロメタンで2回抽出し、混合した有機相を乾燥させ、蒸発させる。残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。180 mgの黄色みがかったオイルを得る。]
[0138] A30.3−メトキシプロピル−6−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート
4 mlのジクロロメタン中の0.069 mlの3−メトキシプロパノール溶液を、117 mgのカルボニルジイミダゾール及び10 mgのp−トルエンスルホン酸で処理する。2時間環境温度で置いた後、200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミドを添加し、反応混合物を一晩環境温度で攪拌する。続いて、混合物を2 mlの水で処理し、有機相を分離する。水相を5 mlのジクロロメタンで2回抽出し、乾燥させ、蒸発させる。100 mgの無色オイルを得る。]
[0139] A31.2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、120 mgの3−(3−ピリジル)プロピオン酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFを一晩攪拌する。得られた反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。154 mgの表題化合物を、無色発泡体として得る。]
[0140] A32.2−(3−ピリジン−3−イルプロパニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、109 mgの3−ピリジニル酢酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFを一晩攪拌する。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。55 mgの表題化合物をほぼ無色の発泡体として得る。]
[0141] A33.2−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、67 mgの4−ジメチルアミノブチル酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFを一晩攪拌する。反応混合物を3 mlの水及び5 mlのジクロロメタンで反応停止させる。有機相を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出する。混合した有機相を乾燥させ蒸発させる。280 mlの黄色みがかったオイルを得て、これを調製用HPLC法によりさらに精製する。]
[0142] A34.2−[(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)アセチル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、61 mgの3−(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)プロパン酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFを一晩攪拌する。反応混合物を3 mlの水及び5 mlのジクロロメタンで反応停止させる。有機相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出する。混合した有機相を乾燥させ蒸発させる。315 mlの黄色みがかったオイルを得て、これを調製用HPLC法によりさらに精製する。]
[0143] A35.2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、0.045 mlの2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFの混合物を一晩攪拌する。反応混合物を3 mlの水及び5 mlのジクロロメタンで反応停止させる。有機相を分離し、水相を2 mlのジクロロメタンで抽出する。混合した有機相を乾燥させ蒸発させる。335 mlの黄色みがかったオイルを得て、これを調製用HPLC法によりさらに精製する。]
[0144] A36.2−アセチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、0.046 mlの酢酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFの混合物を環境温度で4時間攪拌する。その後、反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。]
[0145] A37.2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、0.038 mlのテトラヒドロフリル−3−カルボン酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。反応混合物を、20 mlの水及び50 mlのジクロロメタンの混合物に添加する。水相をジクロロメタンで2回洗浄し、混合した有機相を乾燥させ蒸発させる。その後、残存物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。乾燥後に、176 mlの表題化合物を無色発泡体として得る。]
[0146] A38.2−(ピリジン−2−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、69 mgの2−ピリジル酢酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。反応混合物を、5 mlの水及び10 mlのジクロロメタンの混合物に添加する。水相をジクロロメタンで洗浄し、混合した有機相を乾燥させ蒸発させる。その後、残存物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。乾燥後に、80 mgの表題化合物を無色オイルとして得る。]
[0147] A39.2−[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルバモイル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、152 mgの5−メトキシインドル−2−カルボン酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。反応混合物を蒸発させる。その後、残存物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。50 mgの表題化合物を黄色みがかった発泡体として得る。]
[0148] A40.2−(シクロプロピルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、0.063 mlのシクロプロピルカルボン酸、111 mgのHOBt、276 mgのEDC、0.603 mlのトリエチルアミン、及び7 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。反応混合物を蒸発させる。その後、残存物をシリカゲルクロマトグラフィで精製する。91 mgの表題化合物を得る。]
[0149] A41.2−ブタ−2−イノイル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、67 mgのブチン酸、98 mgのHOBt、278 mgのEDC、0.6 mlのトリエチルアミン、及び8 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。混合物を蒸発させ、残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。乾燥後に130 mgの無色発泡体を得る。]
[0150] A42.2−(1H−インドル−3−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、140 mgのインドール−3−酢酸、98 mgのHOBt、278 mgのEDC、0.6 mlのトリエチルアミン、及び8 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。混合物を蒸発させ、910 mgの残存物を得る。残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。乾燥後に180 mgの表題化合物を得る。]
[0151] A43.2−(ピリジン−3−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、109 mgの3−ピリジル酢酸、98 mgのHOBt、278 mgのEDC、0.6 mlのトリエチルアミン、及び8 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。混合物を蒸発させる。残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。乾燥後に146 mgの表題化合物を無色発泡体として得る。]
[0152] A44.2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、92 mgの3−テトラヒドロフランカルボン酸、98 mgのHOBt、278 mgのEDC、0.6 mlのトリエチルアミン、及び8 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。混合物を蒸発させる。1.09 gの残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。乾燥後に110 mgの表題化合物を無色発泡体として得る。]
[0153] A45.2−(ピリジン−2−イルアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、138 mgの2−ピリジル酢酸、98 mgのHOBt、278 mgのEDC、0.6 mlのトリエチルアミン、及び8 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。混合物を蒸発させる。0.98 gの残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。乾燥後に130 mgの表題化合物を無色発泡体として得る。]
[0154] A46.N2−(2−フェニルエチル)−N7−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、117 mgのフェニルエチルイソシアネート、98 mgのHOBt、278 mgのEDC、0.6 mlのトリエチルアミン、及び8 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。混合物を蒸発させる。残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。乾燥後に208 mgの表題化合物を無色発泡体として得る。]
[0155] A47.2−(4−メチルベンゾイル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、108 mgの4−メチル安息香酸、98 mgのHOBt、278 mgのEDC、0.6 mlのトリエチルアミン、及び8 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。混合物を蒸発させる。残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。乾燥後に77 mgの表題化合物を無色発泡体として得る。]
[0156] A48.2−[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
200 mgのN−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、152 mgの5−メトキシインドリル−2−カルボン酸、98 mgのHOBt、278 mgのEDC、0.6 mlのトリエチルアミン、及び8 mlのDMFの混合物を一晩環境温度で攪拌する。混合物を蒸発させる。残存物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製する。乾燥後に212 mgの表題化合物を無色発泡体として得る。]
[0157] A49.2−アセチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
12.1 gの2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボン酸を183 mlのDMFに溶解させ、8.14 gのHOBt及び6.42 gのO−(テトラヒドロピラン−2−イル)−ヒドロキシルアミンを添加し、混合物を環境温度で1時間攪拌する。混合物を0℃まで冷却し、混合物に、21.09 gのEDCを添加し、一晩攪拌する。混合物を水で希釈し、ジクロロメタンを添加する。混合した有機相を乾燥させ、蒸発させる。残存物をシリカゲルクロマトグラフィにより精製する。7.25 gの無色オイルを得る。]
[0158] 以下は同様の方法で調製される。
A50.2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
A51.N2−(3−メトキシプロピル)−N7−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド
A52.2−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
A53.3−メトキシプロピル−7−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)カルバモイル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド
A54.N2−メチル−N7−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
A55.2−(シクロブチルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
A56.2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
A57.2−[3−(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)プロパノイル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
A58.2−(フェノキシアセチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
A59.2−(4−メチルベンゾイル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
A60.N2−[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
A61.N2−ベンジル−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
A62.N2−(2−フェノキシエチル)−N6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド
A63.2−(1H−インドル−5−イルカルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
A64.N2−メチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド]
[0159] A65.2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド
30.6 gの1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリンカルボン酸を、383 mlのTHFに溶解させ、109 mlの無水酢酸を添加し、混合物を環境温度で5時間攪拌する。得られた固体を回収し乾燥させる。12.1 gの無色固体を得る。]
[0160] 商業的有用性
本発明の化合物は、貴重な薬理的特性及び効果を有し、これにより本発明の化合物は商業的に適用でき、例えば、これらは、ヒストン脱アセチラーゼ活性及び機能、特にHDAC6活性及び機能の阻害に関連する特性により商業的に適用できる。]
[0161] 「ヒストン脱アセチラーゼ」(HDAC)は、基質タンパク質内のリジン残基のε−アセチル基に対して活性を有する酵素を意味し、特にヒストン脱アセチラーゼは、リジンの遊離アミノ基を形成して、前記基質タンパク質内のリジン残基のε−アセチル基の加水分解を触媒する。]
[0162] 本発明の化合物によるヒストン脱アセチラーゼの阻害は、1又は複数のHDACアイソザイム、特にこれまで既知のヒストン脱アセチラーゼアイソザイム、特にHDAC1、2、3及び8(クラスI)及びHDAC4、5、6、7、10(クラスII)、HAC11及びNAD+依存性クラスIII(Sir2ホモログ)から選択されるアイソザイムの活性及び機能を阻害することを意味する。ある実施態様によれば、この阻害は、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、及びさらにより好ましくは90%超である。最も好ましくはこの阻害は、選択されるクラスII酵素としてのHDAC6に特異的である。好ましい実施態様によれば、当該選択性は、クラスI酵素HDAC1と比較して、10倍超、より好ましくは50倍超、最も好ましくは100倍超である。したがって、本発明の意味するところのヒストン脱アセチラーゼ阻害剤は、ヒストン脱アセチラーゼと相互作用でき、且つその活性、特に酵素活性を阻害できる化合物である。したがって、本発明の意味するところのHDAC6選択的阻害剤は、HDACクラスI酵素の代表としてのHDAC1と比較して、非常に潜在力を持って、HDAC6と相互作用し、それによりその活性、特にその酵素活性を阻害する。本文脈において、「頭部基」は、酵素の活性部位、例えばZn2+イオンとの相互作用に寄与するヒストン脱アセチラーゼ阻害剤内の残基と規定される。]
[0163] ヒストン脱アセチラーゼの阻害は、酵素活性の様々な形式及び供給源の生化学的アッセイにおいて決定される。核又は細胞のいずれかの抽出物由来であるか、E.coli、虫細胞又は哺乳類細胞における規定のHDACアイソザイムの異種接合型発現によるHDAC活性が使用される。HDACは、多タンパク質複合体において活性であり、且つホモ及びへテロ二量体を形成するので、ヒト癌細胞、例えばヒト子宮頸癌細胞系HeLa由来の核抽出物が好ましい。これらの核抽出物は、クラスI及びクラスII酵素を含むが、クラスI酵素が豊富である。組換えHDAC1及びHDAC6アイソザイムの発現については、HEK293のような哺乳類発現系が好ましい。HDACアイソザイムは、FLAGエピトープのようなアフィニティタグとの融合タンパク質として発現される。アフィニティクロマトグラフィにより、当該タグ化タンパク質は、単独で、又は内因性タンパク質(例えば、他のHDACアイソザイム及びコアクチベーター/プラットフォームタンパク質)との複合状態で精製される。生化学アッセイは、十分に報告されており、且つ当業者に周知である。基質として、ヒストンタンパク質、ヒストンタンパク質由来のペプチド、又はその他のHDAC基質、並びにアセチル化リジン模倣物が使用される。1つの好ましい偶然のHDAC基質は、蛍光色素分子7−アミノメチルクマリン(AMC)と結合した取りペプチドAc−NH−GGK(Ac)である。]
[0164] 本発明は、細胞及び組織におけるヒストン脱アセチラーゼ活性、特に、α−チューブリン又はHsp90のような各々の基質タンパク質の過剰アセチル化を引き起こし、機能的結果として、例えば細胞遊走及び/又は増殖の阻害、シャペロン機能及びタンパク質フォールディングの阻害、並びにタンパク質分解、細胞周期停止及び/又はアポトーシスの誘導の干渉等をもたらすHDAC6活性を阻害するための、本発明の化合物の使用に関する。]
[0165] ヒストン脱アセチラーゼ阻害剤、特にHDAC6選択的阻害剤の細胞活性には、ヒストン脱アセチラーゼ阻害に関連する任意の細胞効果があり、特にタンパク質過剰アセチル化、化学増感、細胞遊走及び/又は増殖の阻害、及びアポトーシスの誘導の阻害がある。]
[0166] 「アポトーシスの誘導」なる用語及び類義語は、その化合物に接触する細胞における、予定された細胞死を実行する化合物を識別するために使用される。「アポトーシス」は、当該接触した細胞内での複雑な生化学的事象により規定され、例えば、システイン特異的タンパク質(「カスパーゼ」)の活性化、及びクロマチンの断片化等がある。当該化合物に接触する細胞におけるアポトーシスの誘導は、細胞増殖又は細胞分化の阻害とは必ずしも関連していない。好ましくは、増殖の阻害、分化の誘導及び/アポトーシスの誘導は、異常な細胞増殖に特異的である。]
[0167] 「化学増感」なる用語は、抗増殖及び/又はプロアポトーシス刺激について、一般的に新生細胞を敏感にさせる際、広い意味で解される(「相乗的活性」)。これらの刺激には、例えば、チューブリン安定化剤としてのタキサン又はエポチロンのような有糸分裂紡錘体の機能を干渉する剤、又は抗エストロゲン等の抗ホルモン療法があるが、実験的又は臨床的な癌療法及び最終的な放射線療法で一般的に使用される細胞性及び標的癌剤も含まれる。]
[0168] 細胞増殖又はアポトーシスの定量のためのアッセイは、当該技術分野の専門家に周知である。例えば、細胞増殖に関連する代謝活性は、Alamar Blue / Resazurinアッセイ(OΕrian et al. Eur J Biochem 267, 5421-5426, 2000)を用いて定量され、且つアポトーシスの誘導は、Rocheにより市販される細胞検出ELISAを用いるクロマチン・フラグメンテーションの測定により定量される。HDAC基質の過剰アセチル化を決定するための細胞アッセイの例は、特定の抗体を用いて、ウェスタンブロッティングにより、コアヒストン、α−チューブリン又はHsp90過剰アセチル化を測定することにより提供される。細胞遊走を測定するためのインビボアッセイも、当該技術分野の専門家に周知である。これらには、スクラッチアッセイとその後の顕微鏡解析、及び(Saji et al. Oncogene published on- line April 4, 2005)に記載されるトランスウェル遊走アッセイが含まれる。]
[0169] 本発明の化合物は、そのHDAC、特にHDAC6阻害活性、抗増殖及び/又はアポトーシス誘導活性、及び/又は化学増感及び/又は細胞遊走の阻害のために商業的に適用でき、これは、これらに対して応答する疾患、例えば、本明細書に記載の任意の疾患の治療又は予防において有利であってよい。]
[0170] 本発明は、さらに、治療を必要とする哺乳類、特にヒトに、本発明の化合物の治療有効量を投与することにより細胞悪性又は非悪性の新生組織形成を、阻害、治療、改善、又は阻止するための方法に関する。「新生組織形成」は、細胞が提示する異常な細胞増殖、及び/又は生存、及び/又は分化の遮断により定義される。新生組織形成なる用語には、インビボでの浸潤性で転移する腫瘍を形成できない、細胞の過剰増殖により表される「良性新生組織形成」、及び対照的に、全身性疾患、例えば離れた器官に腫瘍転移を形成でき、多細胞性且つ生化学的異常性を有する細胞により表される「悪性新生組織形成」が含まれる。]
[0171] 好ましくは、本発明の化合物は、最終的に離れた器官又は組織に転移する腫瘍により特徴付けられる、癌とも呼ばれる悪性新生組織形成の治療のために使用される。本発明の化合物で治療される悪性新生組織形成の例には、固形及び血管の腫瘍がある。固形腫瘍は、乳房、膀胱、骨、脳、中枢及び末梢神経系、結腸、内分泌腺(例えば、甲状腺及び副腎皮質)、食道、子宮内膜、胚細胞、頭部及び頸部、腎臓、肝臓、肺、喉頭及び咽頭、中皮腫、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、腎臓、小腸、軟組織、精巣、胃、皮膚、尿管、膣、及び陰門がある。悪性新生組織形成には、網膜芽腫及びウィルム腫瘍により例示される遺伝性癌が含まれる。さらに、悪性新生組織形成には、当該器官における原発腫瘍及び離れた器官における二次腫瘍(「腫瘍転移」)が含まれる。血液腫瘍は、白血病及びリンパ腫、特に、非ホジキン病、慢性及び急性骨髄性白血病(OML/AML)、急性リンパ芽球白血病(ALL)、ホジキン病、多発性骨髄腫及びT細胞リンパ腫により例示される。また、骨髄異形成症候群、例えば真性赤血球増加症、本能性血小板症、骨髄線維症、血漿細胞神経性、腫瘍随伴性症候群、及び未知の原発部位、及びAIDS関連悪性疾患が含まれる。また、光線角化粧症等の前癌の皮膚生育疾が含まれる。]
[0172] 新生細胞増殖は、正常細胞行動及び器官機能にも影響を及ぼすはずである。例えば、新脈形成と言われるプロセスである、新規な血管の形成は、腫瘍又は腫瘍転移により誘導される。本発明の化合物は、良性又は新生細胞増殖、限定するものではないが、例えば新脈管形成により引き起こされる病態生理学的に関連するプロセスの治療のために、商業的に適用できる。]
[0173] 薬物耐性は、標準的な癌療法の多くの不成功事例で特に重要である。この薬物耐性は、薬物排出ポンプの過剰発現、細胞標的タンパク質内の変異、又は標的タンパク質発現の損失のような、様々な細胞性及び分子性メカニズムにより引き起こされる。本発明の化合物の商業的適用性は、患者の一次療法に限定されない。癌化学療法又は標的特異的抗癌薬物へ耐性を有する患者も、例えば、二次又は三次の治療サイクルについて、これらの化合物での治療の影響を受けやすい可能性がある。エストロゲン受容体の発現がなく、且つ標準的な抗ホルモン治療、例えばタモキシフェンでの治療に耐性である乳癌患者で突出した例が示される。本発明の化合物は、標準的化学療法又は標的薬物と組み合わせて使用し、これらの剤に対して腫瘍を再増感するか、又はこれらの剤で増感してもよい。]
[0174] 本明細書に記載のこれらの特性、機能及び有用性に関連して、本発明の化合物は、価値ある且つ所望される効果、例えば、低毒性、一般的に有利なバイオアベイラビリティ(例えば、良好な腸内吸収)、有利な治療濃度域、顕著な副作用の不存在、及び/又はその治療的及び医薬的安定性に関連するさらなる有利な効果等により区別されることが期待される。]
[0175] 本発明はさらに、ヒストン脱アセチラーゼ阻害剤療法に感受性である、細胞新生組織形成とは異なる過剰増殖性疾患に罹患する、哺乳類、特にヒトを治療するための方法であって、当該哺乳類に、本発明の化合物の薬理学的に活性で、且つ治療的に有効で、且つ耐容可能な量を投与することを含んでなる方法を提供する。]
[0176] これらの非悪性疾患には、以下のものが含まれる。
(i)リウマチ性関節炎、変形性関節症、痛風、乾癬性関節炎等の関節症及び骨病理学的症状又は疾患;
(ii)全身性紅斑性狼瘡及び移植拒絶のような自己免疫疾患;
(iii)脈管増殖疾患、アテローム硬化症、再狭窄を含む平滑筋細胞増殖等の過剰増殖性疾患;
(iv)肺繊維症、全身性硬化症及び強皮症、腹膜後繊維症、腎形成全身性繊維症、腎性繊維症、肝繊維症、心繊維症、慢性腎臓疾患、及び多嚢胞腎性疾患等の、繊維増殖性疾患;
(v)乾癬、潰瘍大腸炎、クローン病、慢性膵炎、肝炎、肝硬変、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、嚢胞性繊維症、慢性閉鎖性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び喘息等の急性及び慢性の炎症性症状又は疾患、及び皮膚症状;
(vi)子宮内膜症、子宮繊維症、子宮内膜増殖症、脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎、及び良性前立腺過形成;
(vii)拡張期心不全等の心機能不全;
(viii)HIV感染のような、免疫抑制症状の阻害;
(ix)多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン病、又はポリグルタミン関連障害のような神経性障害;
(x)内因性遺伝子発現を強化すること、及び遺伝子療法における導入遺伝子発現を促進することによる治療を受け易い、病的症状;
(xi)一例としてデュシェンヌ型筋ジストロフィーがある、筋ジストロフィー;
(xii)インスリン耐性2型糖尿病が含まれる糖尿病の様々な状態;及び
(xiii)特発性肺繊維症、石綿症、ブレオマイシン−又はブスルファン誘導性肺繊維症のような介在性肺疾患。]
[0177] したがって、本発明はさらに、患者における、関節病理学的及び骨病理学的症状、拒絶等を含む自己免疫疾患、急性及び慢性炎症疾患、高プロリン血症、神経病理学的障害を含んでなる、悪性の新生組織形成とは異なる疾患を治療、阻止、又は改善するための方法であって、本発明の化合物の治療的有効且つ耐容可能な量を、当該患者に投与することを含んでなる方法に関する。]
[0178] 本発明はさらに、上記の症状、疾病、障害、又は疾患の1つに罹患する哺乳類、特にヒトの治療のための方法を含む。当該方法は、ヒストン脱アセチラーゼの阻害により、特にHDAC6を選択的な阻害により、及びタンパク質アセチル化の調整により機能する、1又は複数の本発明の化合物の薬理学的に活性で、且つ治療的に有効で、且つ耐容可能である量が、様々な細胞効果、特に細胞増殖及び/又は遊走の停止、及び/又はアポトーシスの誘導を誘導し、当該治療を必要とする対象へ投与されることを特徴とする。]
[0179] 本発明は、ヒトを含む哺乳類において、ヒストン脱アセチラーゼの阻害に応答するか、感受性のある、特にHDAC6の阻害に感受性のある疾患及び/又は障害、特に細胞性新生組織形成又は上記の細胞性新生組織委形成とは異なる疾患等の上記の疾患の治療のための方法であって、本発明の加吾郷物の1又は複数の、薬理学的に活性で、且つ治療的に有効で、且つ耐容可能である量を、それを必要とする哺乳類に投与することを含んでなる方法をさらに提供する。]
[0180] 本発明は、上記疾患、特に癌において、インビボで、タンパク質アセチル化、遺伝子発現、細胞増殖、細胞遊走、及び/又はアポトーシスの調整に有用な治療方法であって、特にHDAC6に選択的であるヒストン脱アセチラーゼを阻害することにより機能する、1又は複数の本発明の化合物の薬理学的に活性で、且つ治療的に有効で、且つ耐容可能である量を、かかる治療が必要な対象に投与することを含んでなる方法をさらに含む。]
[0181] 本発明はさらに、本発明に記載の疾患、障害、疾病、及び/又は症状の、治療、及び/又は予防、及び/又は改善のために使用される、医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。]
[0182] 本発明はさらに、ヒストン脱アセチラーゼの阻害に応答するか、又は感受性である、特にHDAC6の阻害に感受性である疾患及び/又は障害、特に細胞性新生組織形成又は上記の細胞新生組織形成とは異なる疾患当の上記の疾患の、治療、及び/又は予防のために使用される医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。]
[0183] 本発明はさらに、ヒストン脱アセチラーゼ阻害、特にHDAC6選択阻害活性を有する医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。]
[0184] 本発明は、細胞新生組織形成、例えば、良性又は悪性の新生組織形成、例えば癌を阻害又は治療するための医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。]
[0185] 本発明はさらに、細胞性新生組織形成及びヒストン脱アセチラーゼ阻害療法とは異なる疾患、特にHDAC6選択的阻害、例えば上記の非悪性疾患に基づく療法とは異なる疾患の治療のための、医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。]
[0186] 本発明はさらに、ヒストン脱アセチラーゼ活性の阻害、特にHDAC6酵素活性の阻害、又はその機能的結果に応答する疾患の治療における、前記阻害をするための医薬組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。]
[0187] 本発明はさらに、哺乳類、特にヒト患者における、本明細書に記載の疾患、障害、疾病、及び/又は症状を治療、阻止、又は改善するための方法であって、それを必要とする前記哺乳類に、1又は複数の本発明化合物の、薬理学的に活性で、且つ治療的に有効で、且つ耐容可能である量を投与することを含んでなる方法に関する。]
[0188] 本発明はさらに、疾患、特に及び上記の疾患の治療及び/又は予防における使用のための本発明の化合物に関する。]
[0189] 本発明はさらに、1又は複数の本発明の化合物と、医薬として許容される担体又は希釈剤を含んでなる医薬組成物に関する。]
[0190] 本発明はさらに、ヒストン脱アセチラーゼ阻害活性、特にHDAC6阻害活性を有する本発明の医薬組成物に関する。]
[0191] 本発明はさらに、アポトーシス誘導活性及び/又は抗遊走活性を有する本発明の医薬組成物に関する。]
[0192] 本発明はさらに、化学増感活性を有する本発明の医薬組成物に関する。]
[0193] 本発明はさらに、医薬製品、例えば市販パッケージの製造における、上記の疾患の治療及び/又は予防における使用のための、1又は複数の本発明の化合物、及び医薬として許容される担体又は希釈剤の使用に関する。]
[0194] さらに、本発明は包装材料、及び当該包装材料に含まれる医薬剤を含んでなる製造品に関し、ここで、当該医薬剤は、ヒストン脱アセチラーゼ媒介障害の病状を改善し、ヒストン脱アセチラーゼの影響、特にHDAC6の影響を阻害するために医薬的に有効であり、及びここで、当該包装材料は、医薬剤がヒストン脱アセチラーゼ媒介障害の阻止又は治療のために有用であることを指示する表示又は包装挿入物を含んでなり、且つここで当該医薬剤は、1又は複数の本発明の式Iの化合物を含んでなる。そうでなければ、当該包装材料、表示及び包装挿入物は、関連した有用性を有する医薬のための標準的包装材料、表示及び包装挿入物として一般に理解されるものと同様であるか又は類似する。]
[0195] 本発明の医薬組成物は、それ自体が既知で、且つ当業者になじみのあるプロセスで調製される。医薬組成物として、本発明の化合物(=活性化合物)は、このように使用されるか、又は好ましくは好適な医薬助剤及び/又は賦形剤との組み合わせ状態、例えば、錠剤、被服錠剤、カプセル、カプレット、座薬、パッチ(例えばTTS)、エマルジョン、懸濁物、ゲル又は溶液の状態であり、有利なことに当該活性化合物内容物は、0.1〜95%であり、助剤及び/又は賦形剤の適切な選択により、活性化合物、及び/又は所望の作用の開始にまさに適する医薬投与形態(例えば、遅延放出形態、又は腸溶形態)が得られる。]
[0196] 当業者は、彼/彼女の専門的知識により、所望の医薬的処方剤、調製物、又は組成物にとって好適な、助剤、運搬体(vihicle)、賦形剤、希釈剤、担体、又はアジュバントに精通する。溶媒、ゲル形成剤、軟膏基材に加え、他の活性化合物賦形剤、例えば、抗酸化剤、分散剤、乳化剤、保存剤、可溶化剤、着色剤、錯化剤、又は浸透促進化剤を使用できる。]
[0197] 本発明の医薬組成物又は組み合わせの投与は、当該技術分野において利用可能な、一般的に許容される任意の投与態様において行われてよい。好適な投与態様の例示的な例には、静脈、経口、経鼻、非経口、局所、経皮、及び直腸送達がある。経口及び静脈送達が好ましい。]
[0198] 皮膚病の治療のために、本発明の化合物は、特に局所適用に適する医薬組成物の状態で投与される。医薬組成物の製造のために、本発明の化合物(=活性化合物)は、好ましくは、好適な医薬助剤と共に混合され、且つさらに処理され好適な医薬処方物を得る。好適な医薬処方物は、例えば、粉末、エマルジョン、懸濁物、スプレー、オイル、軟膏、脂肪軟膏、クリーム、ペースト、ゲル又は溶液である。]
[0199] 本発明の医薬組成物は、それ自体既知のプロセスにより調製される。活性化合物の投薬は、ヒストン脱アセチラーゼ阻害剤についての慣習的な量と同程度で行われる。すなわち、皮膚病の治療のための局所的適用形態(例えば、軟膏)は、例えば、0.1〜99%の濃度で活性化合物を含む。全身的療法(p.o.)における慣習的な用量は、1日当たり0.3〜30mg/kgの範囲であり、(i.v.)は、0.3〜30mg/kg/hの範囲である。]
[0200] 最適な投薬計画及び薬物療法の期間、特に各々の場合において必要な活性化合物の投与の、最適な用量及び手順の選択は、当業者により、彼/彼女の専門的知識に基づいて決定できる。]
[0201] 治療又は阻止される特定の疾患によって、かかる疾患を治療又は阻止するために通常投与されるさらなる治療的に活性な剤を、本発明の化合物と共に任意に共投与してもよい。本明細書で使用される場合、特定の疾患を治療又は阻止するために通常投与されるさらなる治療剤は、治療される疾患について適切であると知られている。]
[0202] 例えば、本発明の化合物は、上記の疾患の治療のために使用される1又は複数の標準的治療剤と組み合わせてよい。]
[0203] ある特定の実施態様によれば、本発明の化合物は、1又は複数の当該技術分野で既知の抗癌剤、例えば上記の当該技術分野で既知の化学療法、及び/又は標的特異的抗癌剤と組み合わせてよい。]
[0204] 併用療法においてしばしば使用される既知の化学療法的抗癌剤の例には、限定するものではないが、(i)アルキル化/カルバモイル化剤、例えば、シクロホスファミド(Endoxan(登録商標))、イホスファミド(lfosfamid)(Holoxan(登録商標))、チオテパ(Thiotehpa Lederle(登録商標))、メルファラン(Alkeran(登録商標))、又はクロロエチルニトロソウレア(BCNU);(ii)シスプラチン(Platinex(登録商標) BMS)のようなプラチン誘導体;(iii)抗有糸分裂剤/チューブリン阻害剤、例えば、ビンカ・アルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン)、タキサン、例えば、タキソール(Paclitaxel(登録商標))、タキソテール(Docetaxel(登録商標))及び類似体、並びにその新規な処方物及び複合体;エポチロン、例えばエポチロンB(Patupilone(登録商標))、アザエポチロン(Ixabepilone(登録商標))又はZK−EPO、完全合成エポチロンB類似体、(iv)トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、アントラサイクリン(ドキソルビシン/Adribiastin(登録商標)により例示される)、エピポドフィロトキシン(エトポシド/Etopophos(登録商標)により例示される)、及びカンプトテシン類似体(トポテカン/Hycarntin(登録商標)により例示される);(v)ピリミジンアンタゴニスト、例えば、5−フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン(Xeioda(登録商標))、アラビノシルシトシン/シタラビン(Alexan(登録商標))、又はゲムシタビン(Gemzar(登録商標));(vi)プリンアンタゴニスト、例えば、6−メルカプトプリン(Puri-Nethol(登録商標))、6−チオグアニン又はフルダラビン(Fludara(登録商標))、及び最後に、(vii)葉酸アンタゴニスト、例えば、メトトレキセート(Farmitrexat(登録商標))及びペメトレキセド(Alimta(登録商標))がある。]
[0205] 実験的又は標準的癌療法において使用される標的特異的抗癌薬物クラスの例には、限定するものではないが、(i)キナーゼ阻害剤、例えば、グリベック(Imatinib(登録商標))、ZD−1839/イレッサ(Gefitinib(登録商標))、Bay43−9006(Sorafenib(登録商標))、SU11248(Sutent(登録商標))又はOSI−774/タルセバ(Erlotinib(登録商標));(ii)プロテアソーム阻害剤、例えば、PS−341(Velcade(登録商標));(iii)17−AAGのような熱ショックタンパク質90阻害剤;(iv) 血管標的剤(VTA)及びVEGF抗体アバスチンのような抗新脈管形成薬物(Bevacizumab(登録商標))又はKDRチロシンキナーゼ阻害剤PTK787/ZK222584(Vatalanib(登録商標));(v)モノクローナル抗体、例えばハーセプチン(Trastuzumab(登録商標))、MabThera/リツキサン(Rituximab(登録商標))又はC225/エルビタックス(Cetuximab(登録商標))、並びにモノクローナル抗体の変異体及び複合体、及び抗体断片;(vi)Toll様受容体アゴニスト、及びG−3139/ゲナセンス(Oblimersen(登録商標)のようなオリゴヌクレオチドベースの治療剤;(vii)プロテアーゼ阻害剤、(viii)ホルモン治療剤、例えば、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド又はカソデックス)、LHRH類似体(例えば、リュープロリド、ゴセレリン、又トリプトレリン)及びアロマターゼ阻害剤がある。]
[0206] 併用療法のために使用できるその他の既知の標的抗癌剤には、ブレオマイシン、レチノイド、例えば、オールトランスレチノイン酸(ATRA)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、2−デオキシシチジン誘導体デシタビン(Docagen(登録商標))、アラノシン、サイトカイン、例えば、インターロイキン−2、インターフェロン、例えば、インターフェロンα2又はインターフェロン−γ、TRAIL、DR4/5アゴニスト抗体、FasL−及びTNF−Rアゴニスト、及び最後に、本発明の化合物とは異なるヒストン脱アセチラーゼ阻害剤、例えば、SAHA、PXD101、MS275、デプシペプチド/FK228、NVP−LBH589、バルプロ酸(VPA)及びブチレートがある。]
[0207] 本明細書に記載の併用療法において、本発明の化合物との組合せでの使用のための、抗癌剤の例として、限定することなく、以下の薬物を挙げることができる。5 FU、アクチノマイシンD、ABARELIX、ABCIXIMAB、ACLARUBICIN、ADAPALENE、ALEMTUZUMAB、ALTRETAMINE、AMINOGLUTETHIMIDE、AJVIJPRILOSE、AMRUBICIN、ANASTROZOLE、ANCITABINE、ARTEMISININ、AZATHIOPRINE、BASILIXIMAB、BENDAMUSTINE、BICALUTAMIDE、BLEOMYCIN、BROXURIDINE、BUSULFAN、CAPECITABINE、CARBOPLATIN、CARBOQUONE、CARMUSTINE、CETRORELIX、CHLORAMBUCIL、CHLORMETHINE、CISPLATIN、CLADRIBINE、CLOMIFENE、CYCLOPHOSPHAMIDE、DACARBAZINE、DACLIZUMAB、DACTINOMYCIN、DAUNORUBICIN、DESLORELIN、DEXRAZOXANE、DOCETAXEL、DOXIFLURIDINE、DOXORUBICIN、DROLOXIFENE、DROSTANOLONE、EDELFOSINE、EFLORNITHINE、EMITEFUR、EPIRUBICIN、EPITIOSTANOL、EPTAPLATIN、ERBITUX、ESTRAMUSTINE、ETOPOSIDE、EXEMESTANE、FADROZOLE、FINASTERIDE、FLOXURIDINE、FLUCYTOSINE、FLUDARABINE、FLUOROURACIL、FLUTAMIDE、FORMESTANE、FOSCARNET、FOSFESTROL、FOTEMUSTINE、FULVESTRANT、GEFITINIB、GEMCITABINE、GLIVEC、GOSERELIN、GUSPERIMUS、HERCEPTIN、IDARUBICIN、IDOXURIDINE、IFOSFAMIDE、IMATINlB、IMPROSULFAN、INFLIXIMAB、IRINOTECAN、LANREOTIDE、LETROZOLE、LEUPRORELIN、LOBAPLATIN、LOMUSTINE、MELPHALAN、MERCAPTOPURINE、METHOTREXATE、METUREDEPA、MIBOPLATIN、MIFEPRISTONE、MILTEFOSINE、MIRlMOSTIM1、MJTOGUAZONE、MITOLACTOL、MITOMYCIN、MITOXANTRONE、MIZORIBINE、MOTEXAFIN、NARTOGRASTIM、NEBAZUMAB、NEDAPLATIN、NILUTAMIDE、NIMUSTINE、OCTREOTIDE、ORMELOXIFENE、OXALIPLATIN、PACLITAXEL、PALIVIZUMAB、PEGASPARGASE、PEGFILGRASTIM、PENTETREOTIDE、PENTOSTATIN、PERFOSFAMIDE、PIPOSULFAN、PIRARUBICIN、PLICAMYCIN、PREDNIMUSTINE、PROCARBAZINE、PROPAGERMANIUM、PROSPIDIUM CHLORIDE、RALTITREXED、RANIMUSTINE、RANPIRNASE、RASBURICASE、RAZOXANE、RITUXIMAB、RIFAMPICIN、RITROSULFAN、ROMURTIDE、RUBOXISTAURIN、SARGRAMOSTIM、SATRAPLATIN、SIROLIMUS、SOBUZOXANE、SPIROMUSTINE、STREPTOZOCIN、TAMOXIFEN、TASONERMIN、TEGAFUR、TEMOPORFIN、TEMOZOLOMIDE、TENIPOSIDE、TESTOLACTONE、THIOTEPA、THYMALFASIN、TIAMIPRINE、TOPOTECAN、TOREMIFENE、TRASTUZUMAB、TREOSULFAN、TRIAZIQUONE、TRIMETREXATE、TRIPTORELIN、TROFOSFAMIDE、UREDEPA、VALRUBICIN、VERTEPORFIN、VINBLASTINE、VINCRISTINE、VINDESINE、VINORELBINE及びVOROZOLEがある。]
[0208] 当業者は、彼/彼女の専門知識に基づいて、共投与される(1又は複数の)さらなる治療剤の、完全な(1又は複数の)一日投薬量及び(1又は複数の)投与形態について承知している。かかる完全な(1又は複数の)一日投薬量は、広範囲で変動し得る。]
[0209] 本発明を行う際に、且つ上記のそれらの使用の詳細な特性又は目的によって、本発明の化合物を、別々に、連続的に、同時に、又は時間的にずらして(例えば、単位剤形を組合せて、単位剤形を分離して、別の単位剤形を隣接させて、固定化もしくは非固定化併用として、部分のキット(kit-of-parts)として、又は混合物として)、1又は複数の標準的療法、特に当該分野で既知の化学療法又は標的特異的抗癌剤、例えば上記のものとの組合せで投与してよい。]
[0210] この文脈において、本発明はさらに、少なくとも1つの本発明の化合物である第一活性成分、及び少なくとも1つの当該分野で既知の標準的治療剤、例えば、当該分野で既知の抗癌剤、例えば、1又は複数の本明細書に記載のものをである第二活性成分を含んでなり、療法において、例えば、本明細書に記載の疾患の療法において、別々に、連続的に、同時に、又は時間的にずらして使用されるための組合せに関する。]
[0211] 本発明の「組合せ」なる用語は、固定組合せ、非固定組合せ、又は部分のキットとして存在してよい。]
[0212] 「固定組合せ」は、第一活性成分及び第二活性成分が、1つの単位投薬量で、又は単一の物体で一緒に存在する組合せとして定義される。「固定組合せ」の例は、第一活性成分及び第二活性成分が、同時投与のために混合状態で、例えば処方物で存在する医薬組成物である。別の「固定組合せ」の例は、第一活性成分及び第二活性成分が、混合状態ではない1つの単位で存在する医薬組成物である。]
权利要求:

請求項1
式I(式中、R1は、であり、及びR2はHであり;R3は、水素、−OR4、−NR5R6、任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族又はへテロ芳香族のラジカルであり、ここで、前記脂環式のラジカルは、3〜6員の単環基であり、前記へテロ脂環式のラジカルは、1又は2このヘテロ原子を含んでなり、その各々が、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される、5〜6員の単環基であり、前記芳香族ラジカルは、フェニル又はナフチルであり、前記へテロ芳香族ラジカルは、1又は2個のヘテロ原子を含んでなり、その各々が、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される、5〜6員の単環基か、9〜10員の二環基であり、且つ前記任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族、又はへテロ芳香族のラジカルの置換基は、ハロゲン、1−4Cアルキル、1−4Cアルコキシ又はフェニルであり;R4は、水素、1−4Cアルキル又は置換もしくは未置換の脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族、又はへテロ芳香族基であり、ここでこれらの基の各々は、R3における定義と同義であり;R5及びR6は、各々独立に、H又は1−4Cアルキルであり;Xは、単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、酸素又は硫黄であり;Yは、−NH−、酸素又は硫黄であり;rは1又は2であり、s及びuのうちの一方は0であり、他方は1であり、tは、0、1、2、3、4又は5であり、且つvは、0、1、2、3又は4である)の化合物;及びこれらの化合物の、塩、溶媒和物、及び水和物。
請求項2
式中、tが、0又は1であり、vが0、1又は2であり、且つ残りの置換基及び指数は、請求項1に定義された通りである、請求項1に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物。
請求項3
式中、sが1であり、tが1であり、uが1であり、vが、0、1又は2であり、且つ残りの置換基及び指数は、請求項1に定義された通りである、請求項1に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物。
請求項4
式中、sが0であり、tが1であり、uが1であり、及びvが0、1又は2であり、且つ残りの置換基及び指数は、請求項1に定義された通りである、請求項1に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物。
請求項5
式中、R3は、水素、−OR4、−NR5R6、任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族又はへテロ芳香族のラジカルであり、ここで、前記脂環式のラジカルは、シクロプロピル及びシクロブチルからなる群から選択され、前記へテロ脂環式のラジカルは、テトラヒドヒフリルであり、前記芳香族ラジカルは、フェニルであり、前記へテロ芳香族ラジカルは、イミダゾリル、ピリジル、インドリル及びキノリニルからなる群から選択され、且つ前記任意に置換される脂環式、ヘテロ脂環式、芳香族、又はへテロ芳香族のラジカルの置換基は、−CH3、−OCH3又はフェニルからなる群から選択され;R4は、−CH3又はフェニルであり;R5及びR6は、各々独立に、H又は−CH3であり;Yは、酸素であり;sは0であり;uは1であり、且つ残りの置換基及び指数は、請求項1に定義された通りである、請求項1に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物。
請求項6
式中、R3、R4、R5は、請求項5に定義された通りであり、Xは、単結合、−C≡C−、−NH−、又は酸素であり;sは1であり、uは0であり、且つ残りの置換基及び指数は、請求項1に定義された通りである、請求項1に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物。
請求項7
式中、rは1であり、且つ残りの置換基及び指数は、請求項1に定義された通りである、請求項1に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物。
請求項8
式中、R1は、であり、且つR2はHであり、rは2であり、且つ残りの置換基及び指数は、請求項1に定義された通りである、請求項1に記載の式Iの化合物;及びこれらの化合物の塩、溶媒和物、及び水和物。
請求項9
9.1N−ヒドロキシ−2−(インドル−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.2N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.32−(シクロブチルカルボニル)−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.4N6−ヒドロキシ−N2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、9.5N6−ヒドロキシ−N2−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、9.63−メトキシプロピル−6−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート、9.7N−ヒドロキシ−2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.8N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.92−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.10N−ヒドロキシ−2−[(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.11N−ヒドロキシ−2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.122−アセチル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.13N−ヒドロキシ−2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.14N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.15N−ヒドロキシ−2[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.16N−ヒドロキシ−2−(シクロプロピルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.172−ブタ−2−イノイル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.18N−ヒドロキシ−2−(1H−インドル−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.19N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−3−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.20N−ヒドロキシ−2−(テトラヒドロフラン−3−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.21N−ヒドロキシ−2−(ピリジン−2−イルアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.22N7−ヒドロキシ−N2−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド、9.23N−ヒドロキシ−2−(4−メチルベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.24N−ヒドロキシ−2[(5−メトキシ−1H−インドル−2−イル)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.252−アセチル−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.26ピリジン−3−イルメチル5−(ヒドロキシカルバモイル)−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート、9.27N−ヒドロキシ−2−(キノリン−2−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド、9.28N−ヒドロキシ−2−(キノリン−6−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド、9.29N−ヒドロキシ−2−(イソキノリン−3−イルカルボニル)イソインドリン−5−カルボキサミド、9.302−(ビフェニル−4−イルカルボニル)−N−ヒドロキシイソインドリン−カルボキサミド、9.31N−ヒドロキシ−2−(3−ピリジン−3−イルプロパノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.32N7−ヒドロキシ−N2−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド、9.332−[4−(ジメチルアミノ)ブタノイル]−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.343−メトキシプロピル 7−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート、9.35N7−ヒドロキシ−N2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,7(1H)−ジカルボキサミド、9.362−(シクロブチルカルボニル)−N−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.37N−ヒドロキシ−2−(1H−インドル−5−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.38N−ヒドロキシ−2−[(2−メトキシエトキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.39N−ヒドロキシ−2−[3−(2−メチル−1H−イミダゾル−1−イル)プロパニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド、9.40ベンジル6−(ヒドロキシカルバモイル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレート、9.41N−ヒドロキシ−2−(フェノキシアセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.42N−ヒドロキシ−2−(4−メチルベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、9.43N6−ヒドロキシ−N2−[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、9.44N6−ヒドロキシ−N2−ベンジル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、9.45N6−ヒドロキシ−N2−(2−フェノキシエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2,6(1H)−ジカルボキサミド、及び9.46N−ヒドロキシ−2−(1H−インドル−5−イルカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物、又はその塩、特にこれらの化合物の塩酸塩。
請求項10
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩を、従来の医薬賦形剤と一緒に含んでなる、医薬組成物。
請求項11
さらなる活性成分を含んでなる、請求項10に記載の医薬組成物。
請求項12
前記さらなる活性成分が、抗癌薬物である、請求項11に記載の医薬組成物。
請求項13
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、又は療法による人体の治療のための方法における使用のためのいずれかの物体を含む医薬組成物。
請求項14
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、又はHDAC6の活性の阻害に対して、応答するかもしくは感受性があるかのいずれかである疾患の治療における使用のための物体を含む医薬組成物。
請求項15
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、又は良性及び/又は悪性の新生組織形成、例えば癌の治療における使用のための物体を含む医薬組成物。
請求項16
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、又は悪性の新生組織形成とは異なる、以下の疾患、(i)リウマチ性関節炎、変形性関節症、痛風、乾癬性関節炎等の関節症及び骨病理学的症状又は疾患;(ii)全身性紅斑性狼瘡及び移植拒絶のような自己免疫疾患;(iii)脈管増殖疾患、アテローム硬化症、再狭窄を含む平滑筋細胞増殖等の過剰増殖性疾患;(iv)肺繊維症、全身性硬化症及び強皮症、腹膜後繊維症、腎形成全身性繊維症、腎性繊維症、肝繊維症、心繊維症、慢性腎臓疾患、及び多嚢胞腎性疾患等の、繊維増殖性疾患;(v)乾癬、潰瘍大腸炎、クローン病、慢性膵炎、肝炎、肝硬変、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、嚢胞性繊維症、慢性閉鎖性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び喘息等の急性及び慢性の炎症性症状又は疾患、及び皮膚症状;(vi)子宮内膜症、子宮繊維症、子宮内膜増殖症、脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎、及び良性前立腺過形成;(vii)拡張期心不全等の心機能不全;(viii)HIV感染のような、免疫抑制症状の阻害;(ix)多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン病、又はポリグルタミン関連障害のような神経性障害;(x)内因性遺伝子発現を強化すること、及び遺伝子療法における導入遺伝子発現を促進することによる治療を受け易い、病的症状;(xi)一例としてデュシェンヌ型筋ジストロフィーがある、筋ジストロフィー;(xii)インスリン耐性2型糖尿病が含まれる糖尿病の様々な状態;及び(xiii)特発性肺繊維症、石綿症、ブレオマイシン−又はブスルファン誘導性肺繊維症のような介在性肺疾患;を含む疾患の治療における使用のための物体を含む医薬組成物。
請求項17
疾患の治療用の医薬組成物の製造のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
請求項18
前記疾患が、HDAC6の活性の阻害に対して、応答するか又は感受性がある疾患である、請求項17に記載の使用。
請求項19
前記疾患が、良性及び/又は悪性の新生組織形成、例えば癌である、請求項17に記載の使用。
請求項20
前記疾患が、悪性の新生組織形成とは異なる、以下の疾患、(i)リウマチ性関節炎、変形性関節症、痛風、乾癬性関節炎等の関節症及び骨病理学的症状又は疾患;(ii)全身性紅斑性狼瘡及び移植拒絶のような自己免疫疾患;(iii)脈管増殖疾患、アテローム硬化症、再狭窄を含む平滑筋細胞増殖等の過剰増殖性疾患;(iv)肺繊維症、全身性硬化症及び強皮症、腹膜後繊維症、腎形成全身性繊維症、腎性繊維症、肝繊維症、心繊維症、慢性腎臓疾患、及び多嚢胞腎性疾患等の、繊維増殖性疾患;(v)乾癬、潰瘍大腸炎、クローン病、慢性膵炎、肝炎、肝硬変、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、嚢胞性繊維症、慢性閉鎖性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び喘息等の急性及び慢性の炎症性症状又は疾患、及び皮膚症状;(vi)子宮内膜症、子宮繊維症、子宮内膜増殖症、脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎、及び良性前立腺過形成;(vii)拡張期心不全等の心機能不全;(viii)HIV感染のような、免疫抑制症状の阻害;(ix)多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン病、又はポリグルタミン関連障害のような神経性障害;(x)内因性遺伝子発現を強化すること、及び遺伝子療法における導入遺伝子発現を促進することによる治療を受け易い、病的症状;(xi)一例としてデュシェンヌ型筋ジストロフィーがある、筋ジストロフィー;(xii)インスリン耐性2型糖尿病が含まれる糖尿病の様々な状態;及び(xiii)特発性肺繊維症、石綿症、ブレオマイシン−又はブスルファン誘導性肺繊維症のような介在性肺疾患;を含む疾患である、請求項17に記載の使用。
請求項21
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又は医薬として許容されるその塩の治療的有効且つ耐容量を、患者に対して投与することを含んでなる、前記患者における、HDAC6の活性の阻害に対して応答するか又は感受性がある疾患を治療するための方法。
請求項22
前記疾患が、良性及び/又は悪性の新生組織形成、例えば癌である、請求項21に記載の方法。
請求項23
前記疾患が、悪性の新生組織形成とは異なる、以下の疾患、(i)リウマチ性関節炎、変形性関節症、痛風、乾癬性関節炎等の関節症及び骨病理学的症状又は疾患;(ii)全身性紅斑性狼瘡及び移植拒絶のような自己免疫疾患;(iii)脈管増殖疾患、アテローム硬化症、再狭窄を含む平滑筋細胞増殖等の過剰増殖性疾患;(iv)肺繊維症、全身性硬化症及び強皮症、腹膜後繊維症、腎形成全身性繊維症、腎性繊維症、肝繊維症、心繊維症、慢性腎臓疾患、及び多嚢胞腎性疾患等の、繊維増殖性疾患;(v)乾癬、潰瘍大腸炎、クローン病、慢性膵炎、肝炎、肝硬変、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、嚢胞性繊維症、慢性閉鎖性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び喘息等の急性及び慢性の炎症性症状又は疾患、及び皮膚症状;(vi)子宮内膜症、子宮繊維症、子宮内膜増殖症、脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎、及び良性前立腺過形成;(vii)拡張期心不全等の心機能不全;(viii)HIV感染のような、免疫抑制症状の阻害;(ix)多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン病、又はポリグルタミン関連障害のような神経性障害;(x)内因性遺伝子発現を強化すること、及び遺伝子療法における導入遺伝子発現を促進することによる治療を受け易い、病的症状;(xi)一例としてデュシェンヌ型筋ジストロフィーがある、筋ジストロフィー;(xii)インスリン耐性2型糖尿病が含まれる糖尿病の様々な状態;及び(xiii)特発性肺繊維症、石綿症、ブレオマイシン−又はブスルファン誘導性肺繊維症のような介在性肺疾患;を含む疾患である、請求項23に記載の方法。
請求項24
前記式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩の投与が、1又は複数のさらなる治療剤と、同時であるか、連続的であるか、又は別々である、請求項22又は23に記載の方法。
类似技术:
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