![]() オリゴマー−抗コリン剤複合体
专利摘要:
本発明は、水溶性オリゴマーの共有結合によって化学的に修飾された抗コリン剤を提供する。本発明の複合体は、数多くの投与経路のうちのいずれかによって投与した時に、水溶性オリゴマーに結合されていない抗コリン剤の特性と比較して、異なる特性を呈する。1つ以上の実施形態において、化合物が提供され、該化合物は、直接または1つ以上の原子を通じてのいずれかで、(好ましくは安定した結合を介して)水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む。 公开号:JP2011513193A 申请号:JP2009553621 申请日:2008-03-13 公开日:2011-04-28 发明作者:ボー−リャン デン,;ジェニファー リッグス−ソーシアー, 申请人:ネクター セラピューティックス; IPC主号:C07C219-20
专利说明:
[0001] (関連出願の説明) 本出願は、合衆国法典35巻第119(e)の下、2007年3月12日に出願された米国仮出願番号第60/906,329号の優先権の利益を主張するものであり、参照することにより本願明細書に組み込まれる。] [0002] 本発明は、(とりわけ)化学修飾を欠く小分子抗コリン剤と比較して、特定の利点を有する、化学的に修飾された小分子抗コリン剤を提供する。本願明細書に記載されている化学的に修飾された小分子抗コリン剤は、(とりわけ)創薬、薬物療法、生理学、有機化学、および高分子化学の分野に関連する、および/またはその分野における用途を有する。] 背景技術 [0003] 抗コリン剤のムスカリン受容体に作用する鎮痙効果は、他の疾患の中でも、切迫、頻発、尿漏、切迫性尿失禁、および排尿障害に罹患する患者の治療に使用されている。これらの薬剤は、平滑筋に対して、非特異的な直接緩和効果を発揮すると考えられている。結果として、これらのムスカリン受容体拮抗薬の投与は、胃腸管、胆道、尿管、および子宮の痙攣の減少をもたらす。] [0004] しかしながら、抗コリン剤の広範囲の薬理活性は、しばしば有害効果をもたらす。例えば、オキシブチニン(不安定膀胱に用いられる)の投与は、めまいおよび傾眠を伴う。加えて、患者による抗コリン剤の使用は、しばしば口渇を伴う。] [0005] 抗コリン剤の投与に伴う1つ以上の副作用(めまいおよび傾眠等)は、抗コリン剤が中枢神経系に到達する結果である可能性がある。したがって、その末梢効果を維持するが、なお中枢神経系に到達するのを避けることができる、抗コリン剤を有することは、有利である。] 発明が解決しようとする課題 [0006] 本発明は、当技術分野におけるこの、および他の必要性に対処しようとするものである。] 課題を解決するための手段 [0007] 1つ以上の実施形態において、化合物が提供され、該化合物は、直接または1つ以上の原子を通じてのいずれかで、(好ましくは安定した結合を介して)水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む。] [0008] 1つ以上の実施形態において、化合物が提供され、該化合物は、直接または1つ以上の原子を通じてのいずれかで、(好ましくは安定した結合を介して)水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含み、該抗コリン剤は、以下の化学式により包含され、] [0009] 式中、 R1は、H、OH、および有機基部から成る群より選択され、好ましくはR1は、‐H、‐OH、‐CH2OH、‐CH3、シクロペンチル、1‐ヒドロキシルシクロペンチル、シクロヘキシル、および芳香族含有有機基部(フェニル等)から成る群より選択され、 (i)R2は、‐H、‐OH、および有機基部から成る群より選択され[好ましくは、R2は、‐H、‐OH、‐CH2OH、‐CH3、シクロペンチル、1‐ヒドロキシルシクロペンチル、シクロヘキシル、および芳香族含有有機基部(フェニル等)から成る群より選択される]、かつR3は、H、OH、および有機基部から成る群より選択される[好ましくは、R3は、‐H、‐OH、‐CH2OH、‐CH3、シクロペンチル、1‐ヒドロキシルシクロペンチル、シクロヘキシル、および芳香族含有有機基部(フェニル等)から成る群より選択される]か、または(ii)R2およびR3は、組み合わされてシクロヘキシル等の環を形成するかのいずれかであり、 但し、R1およびR3のうちの少なくとも1つは、芳香族含有有機基部(フェニル等)であることを条件とし、 L1は、‐O‐、‐C(O)O‐、‐OC(O)‐、‐C(O)‐であり、 L2は、C2−4含有炭化水素リンカー、(化学式IのNを組み込む)ヘテロシクロ、(化学式IのNを組み込む)ビヘテロシクロであり、 R4は、有機基部、好ましくは‐CH3または‐CH2CH3であり、 R5は、有機基部、好ましくはCH3またはCH2CH3であり、さらに、化学式Iのアミンは、任意選択で荷電される(例えば、CH3基がアミンに結合される結果としての第4級窒素)。] [0010] 本発明の1つ以上の実施形態において、組成物が提供され、該組成物は、直接または1つ以上の原子を通じてのいずれかで、(好ましくは安定した結合を介して)水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む化合物と、任意選択で薬剤として許容される賦形剤とを含む。] [0011] 本発明の1つ以上の実施形態において、投薬形態が提供され、該投薬形態は、直接または1つ以上の原子を通じてのいずれかで、(好ましくは安定した結合を介して)水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む化合物を含む。] [0012] 本発明の1つ以上の実施形態において、方法が提供され、該方法は、水溶性非ペプチドオリゴマーを、小分子抗コリン剤に共有結合させるステップを含む。] [0013] 本発明の1つ以上の実施形態において、方法が提供され、該方法は、直接または1つ以上の原子を通じてのいずれかで、(好ましくは安定した結合を介して)水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む化合物を投与するステップを含む。] [0014] 本発明の、これら、および他の目的、態様、実施形態、および特徴は、以下の発明を実施するための形態と共に読み取ることでさらに明らかになるであろう。] [0015] 本願明細書で使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別途明確に指示していない限り、複数の指示物を含むことに留意されねばならない。] [0016] 本発明の記載および請求においては、以下に記載されている定義に従って、以下の用語を使用する。] [0017] 「水溶性非ペプチドオリゴマー」は、室温の水において、少なくとも35重量%、好ましくは70重量%を超える、より好ましくは95重量%を超える、可溶性を有するオリゴマーを示す。一般的に、「水溶性」オリゴマーの未濾過の水溶液調製物は、濾過した後の同じ溶液によって透過される光の量の、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも95%を透過する。しかしながら、水溶性オリゴマーは、少なくとも95重量%水に溶ける、または完全に水に溶けることが最も好ましい。「非ペプチド」に関しては、オリゴマーが35重量%未満のアミノ酸残基を有する際に非ペプチドとなる。] [0018] 「モノマー」、「モノマー副単位」、および「モノマー単位」という用語は、本願明細書で代替可能に使用され、ポリマーまたはオリゴマーの基本的な構造単位のうちの1つを指す。ホモオリゴマーの場合、単一の繰り返し構造単位がオリゴマーを形成する。コオリゴマーの場合、2つ以上の構造単位が(あるパターンで、またはランダムに)繰り返されて、オリゴマーを形成する。本発明に関連して使用される好適なオリゴマーは、ホモオリゴマーである。水溶性非ペプチドオリゴマーは、一般的に、モノマー鎖を形成するように連続的に結合した1つ以上のモノマーを含む。オリゴマーは、単一のモノマー型(すなわち、ホモオリゴマー)または2つまたは3つのモノマー型(すなわち、コオリゴマーである)から形成することができる。] [0019] 「オリゴマー」は、約2個〜約50個のモノマー、好ましくは約2個〜約30個のモノマーを有する分子である。オリゴマーの構成は、変化し得る。本発明に使用する特定のオリゴマーは、以下に詳述する、直線、分岐、または叉状等の、種々の形状を有するものを含む。] [0020] 本願明細書で使用される「PEG」または「ポリエチレングリコール」は、あらゆる水溶性ポリ(エチレンオキシド)を包含するように意図される。別途明記しない限り、「PEGオリゴマー」(オリゴエチレングリコールとも呼ばれる)は、実質的に全ての(およびより好ましくは、全ての)モノマー副単位がエチレンオキシド副単位であるものである。しかしながら、オリゴマーは、例えば複合化のための、はっきりした末端封止または官能基を含み得る。一般的に、本発明に使用するPEGオリゴマーは、例えば合成変換中に末端酸素が置き換えられたかどうかに基づいて、「−(CH2CH2O)n−」または「−(CH2CH2O)n−1CH2CH2−」の2つの構造のうちの1つを含む。PEGオリゴマーについて、「n」は、約2から50まで、好ましくは約2から30まで変化し、末端基およびPEG全体の構成は変化し得る。PEGが、例えば小分子薬物にリンクするための官能基Aをさらに備える時には、その官能基は、PEGオリゴマーに結合する際、(i)酸素−酸素結合(−O−O−、過酸化物結合)、または(ii)窒素−酸素結合(N−O、O−N)の形成をもたらさない。] [0021] 「末端封止基」は、概して、PEGオリゴマーの末端酸素に結合される非反応性炭素を含有する基である。例示的な末端封止基には、メチル、エチル、およびベンジル等のC1−5アルキル基、およびアリール、ヘテロアリール、シクロ、ヘテロシクロ等が挙げられる。本発明のために、好適な封止基は、メチルまたはエチルのような比較的低い分子量を有する。末端封止基はまた、検出可能な標識を含むこともできる。このような標識には、発光物質、化学発光物質、酵素標識化に使用される部分、比色標識(例えば、染料)、金属イオン、および放射性部分が挙げられるが、これらに限定されない。] [0022] 「分岐」とは、オリゴマーの形状または全体的な構造に関して、分岐点から伸びる、はっきりと区別できる「腕」を表す2つ以上のポリマーを有するオリゴマーを指す。] [0023] 「叉状」とは、オリゴマーの形状または全体的な構造に関して、(一般的に1つ以上の原子を通じて)分岐点から伸びる2つ以上のポリマーを有するオリゴマーを指す。] [0024] 「分岐点」とは、オリゴマーが直線構造から1つ以上のさらなる腕に分岐する、または叉状になる1つ以上の原子を含む分岐点を指す。] [0025] 「反応性」または「活性」という用語は、有機合成の慣習的な条件下で、容易に、または実用的な速度で反応する官能基を指す。これは、反応しないか、または反応するために強力な触媒または非実用的な条件を必要とする基(すなわち、「非反応性」または「不活性」基)とは対照的である。] [0026] 「容易に反応しない」とは、反応混合物中の分子上に存在する官能基に関して、基が、反応混合物中の所望の反応を生成するのに有効である条件下で、大部分がそのままの状態であることを示す。] [0027] 「保護基」は、ある反応条件下で、分子中の特定の化学反応性官能基の反応を妨げる、または阻止する部分である。保護基は、保護される化学反応基の型、および用いられる反応条件、ならびに分子中におけるさらなる反応基または保護基の存在によって異なる。保護され得る官能基には、一例として、カルボン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル基等が挙げられる。カルボン酸に対する代表的な保護基には、エステル(p−メトキシベンジルエステル等)、アミド、およびヒドラジド、アミノ基に対しては、カルバメート(tert−ブトキシカルボニル等)およびアミド、ヒドロキシル基に対しては、エーテルおよびエステル、チオール基に対しては、チオエーテルおよびチオエステル、カルボニル基に対しては、アセタールおよびケタール、等が挙げられる。このような保護基は当業者に知られており、例えば、T.W.Green and Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,Third Edition,Wiley,New York,1999に記載されており、参照することにより本願明細書に組み込まれる。] [0028] 「保護形態」にある官能基とは、保護基を担持する官能基を指す。本願明細書で使用される、「官能基」またはそのあらゆる同義語は、その保護形態を包含する。] [0029] 「生理学的に開裂可能な」、「加水分解性」、または「分解性」結合は、通常の生理学的条件下で水と反応する(すなわち、加水分解される)、比較的不安定な結合である。通常の生理学的条件下で、水中で加水分解するように結合する傾向は、2つの中央の原子を接続する結合の一般的な型だけでなく、これらの中央の原子に結合された置換基に依存する。このような結合は、概して、当業者によって認識可能である。適切な加水分解的に不安定な、または弱い結合には、カルボン酸エステル、リン酸エステル、無水物、アセタール、ケタール、アシルオキシアルキルエーテル、イミン、オルトエステル、ペプチド、オリゴヌクレオチド、チオエステル、および炭酸塩が挙げられるが、こられに限定されない。] [0030] 「酵素分解性結合」は、通常の生理学的な条件下で、1つ以上の酵素によって分解を受ける結合を意味する。] [0031] 「安定した」結合または結合とは、実質的に水中で安定している、すなわち長期間にわたっていかなる検知できる程度まで、通常の生理学的条件下で、加水分解を受けることがない、化学的部分または結合、典型的には共有結合を指す。加水分解的に安定した結合の例には、(例えば、脂肪族鎖における)炭素−炭素結合、エーテル、アミド、ウレタン、アミン等が挙げられるが、これらに限定されない。概して、安定した結合は、通常の生理学的条件下で、1日あたり約1〜2%未満の加水分解速度を呈するものである。代表的な化学結合の加水分解速度は、大部分の標準的な化学書に見出すことができる。] [0032] 所与の組成物におけるオリゴマーのコンシステンシの記述に関して、「実質的に」または「基本的に」とは、ほぼ完全に、または完全にという意味であり、例えば、所与の分量のうちの95%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.9%以上、最も好ましくは99.99%以上を意味する。] [0033] 「単分散」とは、組成物中における実質的に全てのオリゴマーが、明確な単一の分子量、およびクロマトグラフィーまたは質量分析によって定められる規定数のモノマーを有する、オリゴマー組成物を指す。単分散オリゴマー組成物は、ある意味においては純粋である。すなわち、いくつかの異なる数のモノマー(すなわち、3つ以上の異なるオリゴマーサイズを有するオリゴマー組成物)ではなく、実質的に単一で定義可能な数のモノマーを有する分子を含む。単分散オリゴマー組成物は、1.0005以下のMW/Mn値、より好ましくは、1.0000のMW/Mn値を有する。ひいては、単分散複合体から成る組成物は、組成物中の全ての複合体の実質的に全てのオリゴマーが、分布ではなく、単一で(整数として)定義可能な数のモノマーを有し、オリゴマーが抗コリン剤の残基に結合されなかった場合に、1.0005のMW/Mn値、より好ましくは、1.0000のMW/Mn値を有することを意味する。しかしながら、単分散複合体から成る組成物は、溶媒、試薬、賦形剤等の1つ以上の非複合体物質を含むことができる。] [0034] 「二峰性」とは、オリゴマー組成物に関連して、組成物中の実質的に全てのオリゴマーが、分布ではなく、2つのうち1つの定義可能で(整数として)異なる数のモノマーを有し、その分子量の分布が、数分率対分子量でプロットした時に、2つの別個の識別可能なピークとして現れる、オリゴマー組成物を指す。本願明細書に記載される二峰性オリゴマー組成物について、2つのピークが異なる場合があるが、各ピークは、概して、その平均に関して対称であることが好ましい。理想的には、二峰性分布内の各ピークの多分散性指数Mw/Mnは、1.01以下、より好ましくは1.001以下、さらに好ましくは1.0005以下、最も好ましくは1.0000のMW/Mn値である。ひいては、二峰性複合体から成る組成物は、組成物中の全ての複合体の実質的に全てのオリゴマーが、大きい分布ではなく、2つのうち1つの(整数として)定義可能な異なる数のモノマーを有し、オリゴマーが小分子抗コリン作用薬に結合されなかった場合に、1.01以下、より好ましくは、1.001以下、さらに好ましくは1.0005以下のMW/Mn値、最も好ましくは1.0000のMW/Mn値を有することを意味する。しかしながら、二峰性複合体から成る組成物は、溶媒、試薬、賦形剤等の1つ以上の非複合体物質を含むことができる。] [0035] 「抗コリン剤」は、本願明細書において、典型的に約1000ダルトン未満(および典型的には、500ダルトン未満)の分子量を有し、抗コリン剤としてある程度の活性を有する、有機、無機、または有機金属化合物を指すように、広義で使用される。小分子抗コリン剤は、オリゴペプチド、および約1000未満の分子量を有する他の生体分子を包含する。] [0036] 「生物学的膜」は、典型的に、特殊な細胞または組織から作られるあらゆる膜であり、少なくともいくつかの外来物または他の望ましくない材料に対する関門として機能する。本願明細書で使用される、「生物学的膜」は、生理学的な保護関門に関連する膜を含み、例えば、血液脳関門(BBB)、血液脳脊髄液関門、血液胎盤関門、血液乳関門、血液精巣関門、および膣粘膜、尿道粘膜、肛門粘膜、頬粘膜、舌下粘膜、直腸粘膜等を含む粘膜関門を含む。文脈が明らかに別途述べていない限り、「生物学的膜」という用語は、中間の胃腸管(例えば、胃および小腸)に関連する膜を含まない。] [0037] 「生物学的膜の横断速度」は、本願明細書で使用する場合、生物学的膜(血液脳関門に関連する膜)を横断する化合物の能力の尺度を提供する。種々の方法を使用して、あらゆる所与の生物学的膜を横断する分子の輸送を評価することができる。あらゆる所与の生物学的関門(例えば、血液脳脊髄液関門、血液胎盤関門、血液乳関門、腸関門等)に関連する生物学的膜の横断速度を評価する方法は、当技術分野において知られており、本願明細書および/または関連する文献に記載されており、および/または当業者によって決定することができる。] [0038] 「減少した代謝速度」とは、本発明に関して、水溶性オリゴマーに結合していない小分子薬物(すなわち、小分子薬物自体)、または参照標準材料の代謝の速度と比較して、水溶性オリゴマー小分子薬物複合体の代謝速度の測定可能な減少を指す。「代謝の初回通過速度の減少」の特殊な場合においては、同じく、小分子薬物(または参照標準材料)および対応する複合体が経口投与されることを除いては、「代謝速度の減少」が必要である。経口投与薬物は、胃腸管から門脈循環へ吸収され、体循環に到達する前に、肝臓を通過しなければならない。肝臓は、薬物代謝または生体内変化の主たる部位であるため、相当量の薬物を、体循環に到達する前に代謝することができる。初回通過代謝の程度、したがって、そのいかなる減少も、多くの異なる手法で測定することができる。例えば、動物の血液試料は、代謝物レベルに対して、定められた間隔で、液体クロマトグラフィー/質量分析によって分析される血漿または血清で収集することができる。初回通過代謝および他の代謝性プロセスに関連する「代謝速度の減少」を測定する他の技術は、当技術分野において知られており、本願明細書および/または関連する文献に記載されており、および/または当業者によって決定され得る。本発明の複合体は、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、および少なくとも約90%の値のうちの少なくとも1つを満たす、代謝速度の減少を提供できることが好ましい。「経口的に生物学的に利用可能な」化合物(小分子薬物またはその複合体等)は、好ましくは、経口投与される際、25%を超える、好ましくは70%を超える生物学的利用能を有するものであり、化合物の生物学的利用能は、非代謝形態で体循環に到達する投与薬物の画分である。] [0039] 「アルキル」とは、典型的に長さが約1〜20個の原子の範囲である炭化水素鎖を指す。このような炭化水素鎖は、飽和されることが好ましいが、必ずしもそうである必要はなく、また、分岐鎖または直鎖であってもよいが、一般的に直鎖が好ましい。例示的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、3−メチルペンチル等が挙げられる。本願明細書で使用される、「アルキル」は、3つ以上の炭素原子が言及される時には、シクロアルキルを含む。「アルケニル」基は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する2〜20個の炭素原子のアルキルである。] [0040] 「置換アルキル」またはqおよびrがアルキル基に含まれる炭素原子の範囲を表す整数である「置換Cq−rアルキル」は、1つ、2つ、または3つのハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−7アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等)、C1−7アルコキシ、C1−7アシルオキシ、C3−7複素環、アミノ、フェノキシ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシ、アシル、シアノによって置換された、上述のアルキル基を意味する。置換アルキル基は、同じまたは異なる置換基で、1回、2回、または3回置換され得る。] [0041] 「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を指し、メチル、エチル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルによって例示されるように、直鎖または分岐であってもよい。「低級アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、2〜6個の炭素原子の低級アルキル基を指す。] [0042] 「非干渉置換基」は、分子中に存在する時に、一般的に、分子内に含まれる他の官能基と非反応性である基である。] [0043] 「アルコキシ」とは、−O−R基を指し、Rは、アルキルまたは置換アルキルあって、好ましくはC1−C20アルキル(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ベンジル等)、好ましくはC1−C7である。] [0044] 「薬剤として許容される賦形剤」または「薬剤として許容される担体」とは、本発明の組成物内に含めることができる成分を指し、それは、その成分を欠く組成物と比較して、利点(例えば、患者への投与にさらに適する)を有し、また、患者に対して著しく有害な毒物学的影響を生じさせないものと認識される組成物を提供することを目的とする。] [0045] 「アリール」という用語は、最高で14個の炭素原子を有する芳香族基を意味する。アリール基には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフタセニル等が挙げられる。「置換フェニル」および「置換アリール」はそれぞれ、ハロ(F、Cl、Br、I)ヒドロキシ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル(例えば、C1−6アルキル)、アルコキシル(例えば、C1−6アルコキシ)、ベンジルオキシ、カルボキシ、アリール等から選択される、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つ(例えば1〜2、1〜3、または1〜4個の置換基)によって置換された、フェニル基およびアリール基を意味する。] [0046] 「芳香族含有部分」は、少なくともアリールおよび任意選択で1つ以上の原子を含む、一群の原子である。好適な芳香族含有部分は、以下本願明細書に記載されている。] [0047] 簡潔にするため、化学的部分は、本書全体を通じて、主に一価の化学的部分(例えば、アルキル、アリール等)として定義され、それを指す。しかしながら、このような用語は、当業者には明らかである適切な構造的環境下で、対応する多価部分を伝えることにも使用される。例えば、「アルキル」部分は、概して、一価の基部(例えば、CH3−CH2−)を指すが、ある種の環境においては、二価リンク部分を「アルキル」とすることができ、その場合、当業者は、アルキルが、二価の基部(例えば、−CH2−CH2−)となり、「アルキレン」という用語と同等物であると理解するであろう。(同様に、二価部分が必要であり、「アリール」と述べられる環境においては、当業者は、「アリール」という用語が、対応する二価部分、アリーレンを指すと理解するであろう)。全ての原子は、結合形成のための正常数の原子価(すなわち、炭素の場合は4、窒素の場合は3、酸素の場合は2、および硫黄の場合は、硫黄の酸化状態に基づいて2、4、または6)を有するものと理解されたい。] [0048] 「薬理学的有効量」、「生理学的有効量」、および「治療上有効量」は、血流中または標的組織内において、活性剤および/または複合体の閾値レベルを提供するのに必要な、組成物中に存在する、水溶性オリゴマー小分子薬物複合体の量を意味するように、本願明細書において代替可能に使用される。正確な量は、例えば、特定の活性剤、組成物の成分および物理特性、対象とする患者集団、患者配慮等の数多くの要因に依存し、本願明細書に提供された情報および関連する文書中の利用可能な情報に基づいて、当業者によって容易に決定することができる。] [0049] 「二官能性」オリゴマーは、典型的にその末端において、2つの官能基がその中に含まれるオリゴマーである。官能基が同じものである時には、該オリゴマーは、ホモ二官能性であると言われる。官能基が異なる時には、該オリゴマーは、ヘテロ二官能性であると言われる。] [0050] 本願明細書に記述されている塩基性反応物質または酸性反応物質は、中性で荷電したもの、およびあらゆる対応するその塩形態を含む。] [0051] 「患者」という用語は、一般的に、必ずしもそうではないが、水溶性オリゴマー小分子薬物複合体の形態で、本願明細書に記載されている複合体の投与によって予防または治療することができる状態にある、またはその傾向がある、生きた組織を指し、人および動物の両者を含む。] [0052] 「任意選択」または、「任意選択で」とは、その後に記述される状況が、必ずしも生じるわけではなく、その説明は、その状況が生じる場合、および生じない場合を含むことを意味する。] [0053] 上述のように、本発明は、(とりわけ)直接または1つ以上の原子を通じてのいずれかで、(好ましくは)安定した結合を介して水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む化合物を目的とする。] [0054] 本発明の1つ以上の実施形態において、化合物が提供され、該化合物は、安定したまたは分解性結合を介して水溶性の非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含み、抗コリン剤は、以下の化学式により包含される構造を有し、] [0055] 式中、 R1は、H、OH、および有機基部から成る群より選択され、好ましくはR1は、‐H、‐OH、−CH2OH、‐CH3、シクロペンチル、1‐ヒドロキシルシクロペンチル、シクロヘキシル、および芳香族含有有機基部(フェニル等)から成る群より選択され、 (i)R2は、‐H、‐OH、および有機基部から成る群より選択され[好ましくは、R2は、‐H、‐OH、‐CH2OH、‐CH3、シクロペンチル、1‐ヒドロキシルシクロペンチル、シクロヘキシル、および芳香族含有有機基部(フェニル等)から成る群より選択される]、かつR3は、H、OH、および有機基部から成る群より選択される[好ましくは、R3は、‐H、‐OH、‐CH2OH、‐CH3、シクロペンチル、1‐ヒドロキシルシクロペンチル、シクロヘキシル、および芳香族含有有機基部(フェニル等)から成る群より選択される]か、または(ii)R2およびR3は、組み合わされてシクロヘキシル等の環を形成するかのいずれかであり、 但し、R1およびR3のうちの少なくとも1つは、芳香族含有有機基部(フェニル等)であることを条件とし、 L1は、‐O‐、‐C(O)O‐、‐OC(O)‐、‐C(O)‐であり、 L2は、C2−4含有炭化水素リンカー、(化学式IのNを組み込む)ヘテロシクロ、(化学式IのNを組み込む)ビヘテロシクロであり、 R4は、有機基部、好ましくは‐CH3または‐CH2CH3であり、 R5は、有機基部、好ましくはCH3またはCH2CH3であり、さらに、化学式Iのアミンは、任意選択で荷電される(例えば、CH3基がアミンに結合される結果としての第4級窒素)。] [0056] ムスカリン受容体拮抗薬である具体的な抗コリン剤の例としては、オキシブチニン、ジサイクロミン、オキシフェンサイクリミン、フラボキサート、クリンジウム(clindium)、シクロペントラート、オイカトロピン、グリコピロレート、メペンゾラート、メタンテリン、スコポラミン、アトロピン、およびプロパンテリンから成る群より選択されるものが挙げられる。] [0057] 水溶性非ペプチドオリゴマーの、例えば抗コリン剤のアミン基への結合の利点により(例えば、アミンに結合されるアルキル基を効果的に水溶性非ペプチドオリゴマーと「置換して」)、副作用の低減をもたらし得ると考えられる。理論に束縛されるものではないが、(体表的な抗コリン剤オキシブチニンについて)頻繁に遭遇される副作用である口渇は、ジエチルアミン基における代謝により引き起こされると考えられる。水溶性非ペプチドオリゴマーのこのアミン基への結合が、口渇を引き起こす代謝物の形成を阻止(および/または低減)することが期待されるため、水溶性非ペプチドオリゴマーをこの場所に、またはその近くに結合させた本発明の化合物は、この副作用を緩和または低減することが期待される。] [0058] また、本発明の複合体の利点は、臨床的に有意な眠気を誘発せずに、ある程度のムスカリン受容体拮抗作用を保持するそれらの能力であると考えられる。理論に束縛されるものではないが、オリゴマーにより導入された追加の大きさが、(複合されていない「元々の」抗コリン剤とは対照的に)該化合物の血液脳関門を横断する能力を減少させる。このようにして、複合体の抗ムスカリン効果が、中枢神経系を避けながら、末梢内で作用し得る(そしてそれにより、中枢神経系が介在する副作用を避ける)。本発明の複合体は、他の利益も有し得る。] [0059] 複合体を形成するための別個のオリゴマーの使用(例えば、比較的不純な組成物とは対照的に、オリゴマーの単分散または二峰性組成物から)により、対応する小分子薬物に関連する特定の性質を、有利に変更することができる。例えば、本発明の複合体は、非経口、経口、経皮、口腔内、経肺、または経鼻等の、多くの好適な投与経路のうちのいずれかにより投与される際、血液脳関門浸透性に低下を呈する。複合体は、減速した、最小限の血液脳関門の通過を呈するか、または効果的にそれを通過しないが、それでもなお、経口送達が意図される場合、胃腸(GI)壁を通過して体循環に入ることが好ましい。さらに、本発明の複合体は、それらの複合形態において、ある程度の生物活性ならびに生物学的利用能を維持する。] [0060] 血液脳関門(「BBB」)について、この関門は、薬物の血液から脳への輸送を制限する。この関門は、密着接合により連結される、独特の内皮細胞の連続層から成る。BBBの全表面積の95%超を占める脳毛細血管は、ほとんどの溶質および薬物の中枢神経系への主要な侵入経路である。] [0061] 血液脳関門横断能力の程度が容易に分からない化合物について、そのような能力は、好適な動物モデルを使用して、判定することができる。加えて、血液脳関門横断の程度は、本願明細書に記載される原位置ラット脳灌流(「RBP」)モデルを使用して、判定することができる。手短に述べると、RBP法は、頚動脈のカニューレ挿入、その後の管理された条件下での、化合物溶液での灌流、次いで、脈管性間隙に残存する化合物を除去するための洗い流し段階を含む。(そのような分析は、例えば、Absorption Systems,Exton,PA等の委託研究機関により行われ得る)。より具体的には、RBPモデルにおいて、左頚動脈にカニューレを配置し、側枝を縛る。該化合物を含有する生理緩衝液(5ミクロモル)を、単回通過灌流実験で、10mL/分の流速で灌流させる。30秒後、灌流を停止し、さらに30秒間、化合物を含まない緩衝液で脳血管内容物を洗い流す。その後、脳組織を除去し、タンデム質量分析検出(LC/MS/MS)を用いて、液体クロマトグラフにより化合物濃度を分析する。代替的に、血液脳関門透過性は、分子における極性原子(通常、酸素、窒素、および結合水素)の表面の寄与の合計として定義される、化合物の分子極性表面積(「PSA」)の計算に基づき、推定され得る。PSAは、血液脳関門輸送等の化合物輸送特性と相関することが示されている。化合物のPSAを決定するための方法は、例えば、Ertl,P.,et al.,J.Med.Chem.2000,43,3714−3717、およびKelder,J.,et al.,Pharm.Res.1999,16,1514−1519において見出すことができる。] [0062] 血液脳関門について、水溶性オリゴマー小分子薬物複合体は、水溶性オリゴマーに結合されない小分子薬物の横断速度と比較して、低下した血液脳関門横断速度を呈する。本願明細書に記載される複合体の、例示的な血液脳関門横断速度における低下としては、水溶性オリゴマーに結合されない小分子薬物の血液脳関門横断速度と比較した場合、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の低下が挙げられる。複合体にとって好ましい血液脳関門横断速度における低下は、少なくとも約20%である。] [0063] 上述のように、本発明の化合物は、抗コリン剤の残基を含む。所与の化合物が(化合物が、複合形態であるかどうかに関わらず)ムスカリン受容体を遮断するかどうかを判定するための検定法を下述する。] [0064] 場合によっては、抗コリン剤は、商業的供給源から入手することができる。加えて、抗コリン剤は、化学合成により得ることができる。抗コリン剤を調製するための合成手法は、文献に記載されている。] [0065] これらの(および他の)抗コリン剤のそれぞれは、(直接または1つ以上の原子を通じてのいずれかで)水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合させることができる。] [0066] 抗コリン剤は、小分子薬物であり、概して1000Da未満の分子量を有する。小分子薬物の例示的な分子量には、約950未満、約900未満、約850未満、約800未満、約750未満、約700未満、約650未満、約600未満、約550未満、約500未満、約450未満、約400未満、約350未満、および約300未満の分子量が挙げられる。] [0067] 小分子薬物は、本発明の目的のために、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、および約1000ダルトン未満の分子量を有する他の生体分子を含む。また、「小分子薬物」の用語には、ペプチド、タンパク質、または抗体のあらゆる断片も包含され、上述の分子量の範囲内にある天然配列および変位形を含む。しかしながら、1つ以上の実施形態において、小分子薬物が、オリゴペプチドではない、オリゴヌクレオチドではない、抗体ではない、および前述のうちのいずれかの断片ではない、のうちの1つ以上を満たすことが好ましい。] [0068] キラルの場合、本発明に使用される小分子薬物は、ラセミ混合物、または単一の光学活性エナンチオマー等の光学活性形態、あるいはエナンチオマーのあらゆる組み合わせまたは比率(すなわち、スケールミック混合物)であり得る。加えて、小分子薬物は、1つ以上の幾何異性体を有し得る。幾何異性体に関して、組成物は、単一の幾何異性体、または2つ以上の幾何異性体の混合物を含むことができる。本発明に使用する小分子薬物は、その慣習的な活性形態とすることができ、またはある程度の修飾があってもよい。例えば、小分子薬物は、オリゴマーの共有結合の前または後に、標的薬剤、タグ、またはそれに結合させた輸送体を有し得る。代替的に、小分子薬物は、リン脂質(例えば、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、すなわち「DSPE」、またはジパルミトイルジホスファチジルエタノールアミン、すなわち「DPPE」等)、または小脂肪酸等の、それに結合させた親油性部分を有し得る。しかしながら、場合によっては、小分子薬物部分は、親油性部分への結合を含まないことが好ましい。] [0069] 水溶性非ペプチドオリゴマーに結合させるための抗コリン剤は、オリゴマーへの共有結合に好適な遊離ヒドロキシル、カルボキシル、チオ、アミノ基等(すなわち、「ハンドル」)を有する。加えて、抗コリン剤は、反応基の導入によって、好ましくはその既存の官能基のうちの1つを、オリゴマーと薬物との間に安定した共有結合を形成するのに好適な官能基に変換することによって、修飾することができる。] [0070] したがって、各オリゴマーは、エチレンオキシドまたは酸化プロピレン等のアルキレンオキシド、ビニルアルコール、1−プロペノールまたは2−プロペノールオレフィンアルコール等のオレフィンアルコール、ビニルピロリドン、好ましくはアルキルがメチルであるヒドロキシアルキルメタクリルアミドまたはメタクリル酸ヒドロキシアルキル、乳酸またはグリコール酸等のα−ヒドロキシ酸、ホスファゼン、オキサゾリン、アミノ酸、単糖類、糖類、またはマンニトール等の炭水化物、およびN−アクリロイルモルホリンから成る群より選択される、最高で3つの異なるモノマー型で構成される。好適なモノマー型には、アルキレンオキシド、オレフィンアルコール、ヒドロキシアルキルメタクリルアミドまたはメタクリレート、N−アクリロイルモルホリン、およびα−ヒドロキシ酸が挙げられる。各オリゴマーは、独立して、この群から選択される2つのモノマー型のコオリゴマーであることが好ましく、または、この群から選択される1つのモノマー型のホモオリゴマーであることがより好ましい。] [0071] コオリゴマーにおける2つのモノマー型は、同じモノマー型であり得、例えば、エチレンオキシドおよび酸化プロピレン等の2つのアルキレンオキシドであり得る。オリゴマーは、エチレンオキシドのホモオリゴマーであることが好ましい。通常、必ずではないが、小分子に共有結合されていないオリゴマーの末端(または複数の末端)は、それを不活性にするように封止される。代替的に、末端は、反応基を含み得る。末端が反応基である時、反応基は、最終的なオリゴマーの形成条件下で、またはオリゴマーの小分子薬物への共有結合中に不活性となるように、または必要に応じて保護されるように選択される。1つのよく使用される末端官能基は、特にオリゴエチレン酸化物に対して、ヒドロキシルまたは−OHである。] [0072] コオリゴマーにおける2つのモノマー型は、同じモノマー型であり得、例えば、エチレンオキシドおよび酸化プロピレン等の2つのアルキレンオキシドであり得る。オリゴマーは、エチレンオキシドのホモオリゴマーであることが好ましい。通常、必ずではないが、小分子に共有結合されていないオリゴマーの末端(または複数の末端)は、それを不活性にするように封止される。代替的に、末端は、反応基を含み得る。末端が反応基である時、反応基は、最終的なオリゴマーの形成条件下で、またはオリゴマーの小分子薬物への共有結合中に不活性となるように、または必要に応じて保護されるように選択される。1つのよく使用される末端官能基は、特にオリゴエチレン酸化物に対して、ヒドロキシルまたは−OHである。] [0073] 水溶性非ペプチドオリゴマー(例えば、本願明細書に提供される種々の構造おける「POLY」)は、多くの異なる形状のうちのいずれをも有することができる。例えば、それ直線形、分岐、または叉状であり得る。最も典型的には、水溶性非ペプチドオリゴマーは、直線または、例えば1つの分岐点を有する分岐である。本願明細書における考察の多くが、例示的なオリゴマーとしてポリ(エチレンオキシド)に注目しているが、本願明細書に示される考察および構造は、上述した水溶性非ペプチドオリゴマーのうちのいずれをも包含するように、容易に拡張することができる。] [0074] リンカー部分を除く水溶性非ペプチドオリゴマーの分子量は、概して、比較的に低い。水溶性高分子の分子量の例示的な値には、約1500未満、約1450未満、約1400未満、約1350未満、約1300未満、約1250未満、約1200未満、約1150未満、約1100未満、約1050未満、約1000未満、約950未満、約900未満、約850未満、約800未満、約750未満、約700未満、約650未満、約600未満、約550未満、約500未満、約450未満、約400未満、約350未満、約300未満、約250未満、約200、および約100ダルトン未満が挙げられる。] [0075] 水溶性非ペプチドオリゴマー(リンカー以外)の分子量の例示的な範囲には、約100〜約1400ダルトン、約100〜約1200ダルトン、約100〜約800ダルトン、約100〜約500ダルトン、約100〜約400ダルトン、約200〜約500ダルトン、約200〜約400ダルトン、約75〜1000ダルトン、および約75〜約750ダルトンが挙げられる。] [0076] 水溶性非ペプチドオリゴマー中のモノマーの数は、約1〜約30(1および30を含む)の間、約1〜約25の間、約1〜約20の間、約1〜約15の間、約1〜約12の間、約1〜約10の間のうちの1つ以上の範囲内にあることが好ましい。ある場合には、オリゴマー(および対応する複合体)中の連続するモノマーの数は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、または8個のうちの1つである。追加的な実施形態において、オリゴマー(および対応する複合体)は、連続する9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個のモノマーを含む。さらなる実施形態において、オリゴマー(および対応する複合体)は、連続する21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、または30個のモノマーを有する。したがって、例えば、水溶性非ペプチドポリマーが、CH3−(OCH2CH2)n−を含む時には、「n」を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30とすることができ、また、約1〜約25の間、約1〜約20の間、約1〜約15の間、約1〜約12の間、約1〜約10の間のうちの1つ以上の範囲内とすることができる整数である。] [0077] 水溶性非ペプチドオリゴマーが1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のモノマーを有する時には、これらの値は、それぞれ、約75、119、163、207、251、295、339、383、427、および471ダルトンの分子量を有する、メトキシで末端封止されたオリゴ(エチレンオキシド)に対応する。オリゴマーが11個、12個、13個、14個、または15個のモノマーを有する時には、これらの値は、それぞれ、約515、559、603、647、および691ダルトンに対応する分子量を有する、メトキシで末端封止されたオリゴ(エチレンオキシド)に対応する。] [0078] 水溶性非ペプチドオリゴマーが、(小分子抗コリン剤上へ有効にオリゴマーを「成長させる」ように、1つ以上のモノマーを段階的に付加するのとは対照的に)小分子抗コリン剤に結合される時には、水溶性非ペプチドオリゴマーの活性形態を含む組成物が単分散であることが好ましい。しかしながら、それらの場合においては、二峰性の組成物を用いた場合に、該組成物は、上述した数のモノマーのうちのいずれか2つを中心とする二峰性分布を有することになる。理想的には、二峰性分布内の各ピークの多分散指数、Mw/Mnは、1.01以下であり、より好ましくは1.001以下であり、より好ましくは1.0005以下である。各ピークが、1.0000のMW/Mn値を有することが最も好ましい。例えば、二峰性オリゴマーは、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7、1−8、1−9、1−10等、2−3、2−4、2−5、2−6、2−7、2−8、2−9、2−10等、3−4、3−5、3−6、3−7、3−8、3−9、3−10等、4−5、4−6、4−7、4−8、4−9、4−10等、5−6、5−7、5−8、5−9、5−10等、6−7、6−8、6−9、6−10等、7−8、7−9、7−10等、および8−9、8−10等の、モノマー副単位の例示的な組み合わせのうちのいずれをも有し得る。] [0079] 場合によっては、水溶性非ペプチドオリゴマーの活性形態を含む組成物は、三峰性、あるいは四峰性でもあり、上述のようなモノマー単位の範囲を有する。オリゴマーの明確な混合物を有するオリゴマー組成物は(すなわち、二峰性、三峰性、四峰性等)は、所望のプロファイルのオリゴマー(モノマーの数だけが異なる2つのオリゴマーの混合物は、二峰性であり、モノマーの数だけが異なる3つのオリゴマーの混合物は、三峰性であり、モノマーの数だけが異なる4つのオリゴマーの混合物は、四峰性である)を得るように、精製された単分散オリゴマーを混合することによって得ることができ、または代替的に、所望の定義された分子量範囲にあるオリゴマーの混合物を得るように、「センターカット」を復元することによって、多分散オリゴマーのカラムクロマトグラフィーから得ることができる。] [0080] 水溶性非ペプチドオリゴマーは、好ましくは単分子または単分散である組成物から得られることが好ましい。すなわち、組成物中のオリゴマーは、分子量の分布ではなく、同じ個別の分子量値を有する。いくつかの単分散オリゴマーは、Sigma−Aldrich社から入手できるもの等の商業的供給源から購入することができ、または、代替的に、Sigma−Aldrich社等の市販の出発材料から直接調製することができる。水溶性非ペプチドオリゴマーは、Chen Y.,Baker,G.L.J.Org.Chem.、6870−6873(1999)、国際特許第WO 02/098949号、および米国特許出願公報第2005/0136031号に記載されているように調製することができる。] [0081] 存在する場合、スペーサ部分(水溶性非ペプチドポリマーが通って抗コリン剤に結合される)は、酸素原子もしくは硫黄原子等の、単結合、単一原子、2個の原子、または多数の原子であり得る。スペーサ部分は、必ずではないが、典型的には、直線である。スペーサ部分「X」は、加水分解的に安定しており、酵素的にも安定していることが好ましい。好ましくは、スペーサ部分「X」は、約12個未満の原子鎖長、好ましくは約10個未満の原子鎖長、より好ましくは約8個未満の原子鎖長、さらに好ましくは約5個未満の原子鎖長を有するものであり、ここで、長さは、置換基を数に入れない、単一の鎖内の原子数を意味する。例えば、このRoligomer−NH−(C=O)−NH−R′drug等の尿素結合は、3つの原子(−NH−C(O)−NH−)の鎖長を有すると見なされる。選択された実施形態においては、結合は、さらなるスペーサ基を含まない。] [0082] 場合によっては、スペーサ部分「X」は、エーテル、アミド、ウレタン、アミン、チオエーテル、尿素、または炭素−炭素結合を含む。以下に論じられ、実施例に示されている官能基が、典型的に、結合の形成に使用される。スペーサ部分はまた、以下にさらに記載するように、それほど好ましくはないが、スペーサ基を含む(または、隣接する、あるいは側面に位置する)場合がある。スペーサは、複合体の生物活性が、オリゴマーの親薬物上の位置のために大幅に低下する場合に、最も有用である。] [0083] より具体的には、選択された実施形態において、スペーサ部分、Xは、「−」(すなわち、安定または分解性であり得る、小分子抗コリン剤の残基と、水溶性非ペプチドオリゴマーとの間の共有結合)、−O−、−NH−、−S−、−C(O)−、C(O)−NH、NH−C(O)−NH、O−C(O)−NH、−C(S)−、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−、−O−CH2−、−CH2−O−、−O−CH2−CH2−、−CH2−O−CH2−、−CH2−CH2−O−、−O−CH2−CH2−CH2−、−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−、−CH2−CH2−CH2−O−、−O−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−O−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−O−、−C(O)−NH−CH2−、C(O)−NH−CH2−CH2−、−CH2−C(O)−NH−CH2−、−CH2−CH2−C(O)−NH−、−C(O)−NH−CH2−CH2−CH2−、−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−、−CH2−CH2−C(O)−NH−CH2−、−CH2−CH2−CH2−C(O)−NH−、−C(O)−NH−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−C(O)−NH−CH2−、−CH2−CH2−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−C(O)−NH−、−NH−C(O)−CH2−、−CH2−NH−C(O)−CH2−、−CH2−CH2−NH−C(O)−CH2−、−NH−C(O)−CH2−CH2−、−CH2−NH−C(O)−CH2−CH2、−CH2−CH2−NH−C(O)−CH2−CH2、−C(O)−NH−CH2−、−C(O)−NH−CH2−CH2−、−O−C(O)−NH−CH2−、−O−C(O)−NH−CH2−CH2−、−NH−CH2−、−NH−CH2−CH2−、−CH2−NH−CH2−、−CH2−CH2−NH−CH2−、−C(O)−CH2−、−C(O)−CH2−CH2−、−CH2−C(O)−CH2−、−CH2−CH2−C(O)−CH2−、−CH2−CH2−C(O)−CH2−CH2−、−CH2−CH2−C(O)−、−CH2−CH2−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−NH−、−CH2−CH2−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−NHC(O)−、−CH2−CH2−CH2−C(O)−NH−CH2−CH2−NHC(O)−CH2−、二価シクロアルキル基、R6が、H、またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、および置換アリールからなる群より選択される有機基部である‐N(R6)‐、のうちのいずれかであり得る。] [0084] しかしながら、本発明の目的のために、一連の原子は、一連の原子がオリゴマーセグメントに直接隣接している時にはスペーサ部分とは見なされず、その一連の原子は、提案される結合が単にオリゴマー鎖の拡張を表すように、別のモノマーに過ぎない。] [0085] 水溶性非ペプチドオリゴマーと小分子との間のスペーサ部分「X」は、典型的に、オリゴマーの末端上の官能基(または、抗コリン剤上へオリゴマーを「成長させる」ことが望まれる時には、1つ以上のモノマー)と、抗コリン剤の対応する官能基との反応によって形成される。以下、例示的な反応を簡潔に説明する。例えば、オリゴマー上のアミノ基は、アミド結合を生成するように、小分子上のカルボン酸または活性カルボン酸誘導体と反応させる、またはその逆に反応させることができる。代替的に、オリゴマー上のアミンと、薬物上の活性炭酸塩(例えば、スクシンイミジルまたは炭酸ベンゾトリアジル)、またはその逆の反応は、カルバメート結合を形成する。オリゴマー上のアミンと、薬物上のイソシアネート(R−N=C=O)、またはその逆の反応は、尿素結合(R−NH(C=O)−NH−R′)を形成する。さらに、オリゴマー上のアルコール(アルコキシド)基と、薬物内のハロゲン化アルキル、またはハロゲン化基、またはその逆の反応は、エーテル結合を形成する。さらに別の結合手法においては、アルデヒド機能を有する小分子は、還元的アミノ化によってオリゴマーアミノ基に結合し、オリゴマーと小分子との間の第2級アミン結合の形成をもたらす。] [0086] 特に好適な水溶性非ペプチドオリゴマーは、アルデヒド官能基を担持するオリゴマーである。この点に関して、オリゴマーは、構造CH3O−(CH2−CH2−O)n−(CH2)p−C(O)Hを有す。式中、(n)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10のうちの1つであり、(p)は、1、2、3、4、5、6、および7のうちの1つである。好適な(n)の値は、3、5、および7を含み、好適な(p)の値は、2、3、および4である。加えて、−C(O)H部分に対する炭素原子αは、任意選択でアルキルによって置換することができる。] [0087] 典型的に、官能基を担持していない水溶性非ペプチドオリゴマーの末端は、それを不活性にするように封止される。オリゴマーが、複合体の形成を目的としたもの以外の、さらなる官能基を末端に含む時には、その基は、スペーサ部分「X」の形成条件下で不活性であるか、またはスペーサ部分「X」の形成中に保護されるかのいずれかであるように選択される。] [0088] 上述のように、水溶性非ペプチドオリゴマーは、複合化の前に少なくとも1つの官能基を含む。官能基は、一般的に、小分子内に含有する、または小分子内へ導入される反応基に基づいて、小分子への共有結合のための求電子または求核基を含む。オリゴマーまたは小分子内に存在し得る求核基の例には、ヒドロキシル、アミン、ヒドラジン(−NHNH2)、ヒドラジド(−C(O)NHNH2)、およびチオールが挙げられる。好適な求核剤には、アミン、ヒドラジン、ヒドラジド、およびチオール、特にアミンが挙げられる。オリゴマーへの共有結合のための大部分の小分子薬物は、遊離ヒドロキシル、アミノ、チオ、アルデヒド、ケトン、またはカルボキシル基を有する。] [0089] オリゴマーまたは小分子内に存在し得る求電子官能基の例には、カルボン酸、カルボン酸エステル、特にイミドエステル、オルトエステル、炭酸塩、イソシアネート、イソチオシアネート、アルデヒド、ケトン、チオン、アルケニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、スルホン、マレイミド、ジスルフィド、ヨード、エポキシ、スルホネート、チオスルホネート、シラン、アルコキシシラン、およびハロゲノシランが挙げられる。これらの基のより具体的な例には、スクシンイミジルエステルまたは炭酸塩、イミダゾイルエステルまたは炭酸塩、ベンゾトリアゾールエステルまたは炭酸塩、ビニルスルホン、クロロエチルスルホン、ビニルピリジン、ピリジルジスルフィド、ヨードアセトアミド、グリオキサール、ジオン、メシラート、トシラート、およびトレシレート(2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート)が挙げられる。] [0090] また、チオン、チオン水和物、チオケタール、2−チアゾリジンチオン等、ならびに上述の部分のうちのいずれかの水和物または保護誘導体(例えば、アルデヒド水和物、ヘミアセタール、アセタール、ケトン水和物、ヘミケタール、ケタール、チオケタール、チオアセタール)も挙げられる。] [0091] カルボン酸の「活性誘導体」とは、概して、非誘導体化カルボン酸よりも極めて容易に、求核原子と容易に反応するカルボン酸誘導体を指す。活性カルボン酸には、例えば、酸性ハロゲン化物(酸塩化物等)、無水物、炭酸塩、およびエステルが挙げられる。このようなエステルには、一般的な形態が−(CO)O−N[(CO)−]2であるイミドエステル、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステルまたはN−ヒドロキシフタルイミジルエステルが挙げられる。また、イミダゾリルエステルおよびベンゾトリアゾールエステルも好ましい。共同所有の米国特許第5,672,662号に記載されている、活性プロピオン酸またはブタン酸エステルが特に好ましい。これらは、−(CH2)2−3C(=O)O−Qの形態の基を含み、Qは、N−スクシンイミド、N−スルホスクシンイミド、N−フタルイミド、N−グルタルイミド、N−テトラヒドロフタルイミド、N−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、ベンゾトリアゾール、7−アザベンゾトリアゾール、およびイミダゾールから選択されることが好ましい。] [0092] 他の好適な求電子基には、スクシンイミジル炭酸塩、マレイミド、ベンゾトリアゾール炭酸塩、グリシジルエーテル、イミダゾイル炭酸塩、p−ニトロフェニル炭酸塩、アクリレート、トレシレート、アルデヒド、およびオルトピリジルジスルフィドが挙げられる。] [0093] これらの求電子基は、例えばヒドロキシ、チオ、アミノ基等の求核原子との反応を受けて、種々の結合型を生成する。本発明には、加水分解的に安定した結合を形成し易い反応が好ましい。例えば、オルトエステル、スクシンイミジルエステル、イミダゾリルエステル、およびベンゾトリアゾールエステルを含むカルボン酸およびその活性誘導体は、上述した型の求核原子と反応して、それぞれエステル、チオエステル、およびアミドを形成し、そのうちのアミドが最も加水分解的に安定している。スクシンイミジル、イミダゾリル、およびベンゾトリアゾール炭酸塩を含む炭酸塩は、アミノ基と反応してカルバメートを形成する。イソシアネート(R−N=C=O)は、ヒドロキシルまたはアミノ基と反応して、それぞれ、カルバメート(RNH−C(O)−OR′)または尿素(RNH−C(O)−NHR′)結合を形成する。アルデヒド、ケトン、グリオキサール、ジオン、およびそれらの水和物またはアルコール付加物(すなわち、アルデヒド水和物、ヘミアセタール、アセタール、ケトン水和物、ヘミケタール、およびケタール)は、アミンと反応することが好ましく、その後に、結果として生じるイミンの還元を行い、必要に応じて、アミン結合(還元的アミノ化)を提供する。] [0094] 求電子官能基のうちのいくつかは、例えばチオエーテル結合を形成するように、チオール等の求核基を添加することができる求電子二重結合を含む。これらの基には、マレイミド、ビニルスルホン、ビニルピリジン、アクリレート、メタクリレート、およびアクリルアミドが挙げられる。他の基は、求核原子によって置き換えることができる離脱基を含み、これらには、クロロエチルスルホン、ピリジルジスルフィド(開裂可能なS−S結合を含む)、ヨードアセトアミド、メシラート、トシラート、チオスルホネート、およびトレシレートが挙げられる。エポキシドは、求核原子による開環によって反応して、例えばエーテルまたはアミン結合を形成する。オリゴマーおよび小分子上に上述したような相補的な反応基を伴う反応を利用して、本発明の複合体を調製する。] [0095] 場合によっては、抗コリン剤は、複合化に適した官能基を持たなくてもよいことがある。この場合、所望の抗コリン剤を有するように、「元々の」抗コリン剤を修飾することが可能である。例えば、抗コリン剤がアミド基を有するが、アミン基が望まれる場合は、Hofmann転位、Curtius転位(アミドが1回アジドに変換される)、またはLossen転位(アミドが1度ヒドロキシアミドに変換され、その後に、トルエン−2−スルホニルクロリド/塩基による処理が続く)を経て、アミド基をアミン基に修飾することが可能である。] [0096] 小分子抗コリン剤をオリゴマーに共有結合させるアミド基を有する複合体を提供するように、カルボキシル基を担持する小分子抗コリン剤が、アミノ末端オリゴマエチレングリコールに結合されるカルボキシル基を担持する、小分子抗コリン剤の複合体を調製することが可能である。これは、例えば、無水の有機溶剤中で、結合試薬(ジシクロヘキシルカルボジイミド、すなわち「DCC」)の存在下で、カルボキシル基を担持する小分子抗コリン剤を、アミノ末端オリゴマエチレングリコールと結合させることによって行うことができる。] [0097] さらに、エーテル(−O−)結合の小分子複合体をもたらすように、ヒドロキシル基を担持する小分子抗コリン剤が、オリゴマエチレングリコールに結合されるヒドロキシル基を担持する、小分子抗コリン剤の複合体を調製することが可能である。これは、例えば、水素化ナトリウムを使用してヒドロキシル基を脱プロトン化し、その後に、ハロゲン化末端のオリゴマエチレングリコールと反応させることによって行うことができる。] [0098] 他の実施例においては、対応するヒドロキシル基を形成するように、最初にケトン基を減少させることによって、ケトン基を担持する小分子抗コリン剤の複合体を調製することが可能である。その後、その段階でヒドロキシル基を担持するようになった小分子抗コリン剤を、本願明細書に記載されているように結合することができる。] [0099] さらに他の事例においては、アミン基を担持する小分子抗コリン剤の複合体を調製することが可能である。一手法においては、アミン基を担持する小分子抗コリン剤、およびアルデヒドを担持するオリゴマーを、好適な緩衝液中に溶解し、その後に、好適な還元剤(例えば、NaCNBH3)を添加する。還元後、結果として形成されるのは、アミン基含有小分子抗コリン剤のアミン基と、アルデヒドを担持するオリゴマーのカルボニル炭素との間のアミン結合である。] [0100] アミン基を担持する小分子抗コリン剤の複合体を調製するための別の手法においては、カルボン酸を担持するオリゴマーと、アミン基を担持する小分子抗コリン剤とを、典型的には結合試薬(例えば、DCC)の存在下で、結合させる。その結果、アミン基含有小分子抗コリン剤のアミン基と、カルボン酸を担持するオリゴマーのカルボニルとの間にアミド結合が形成される。] [0101] 化学式Iの抗コリン剤の例示的な複合体は、以下の構造を有するものを含み、] [0102] 式中、R1、R2、R3、L2、R5、および任意選択の第4級アミンのそれぞれは、化学式Iについて既に定義した通りであり、Xはスペーサ部分であり、POLYは水溶性非ペプチドオリゴマーである。化学式I−Caに関して、好適な「POLY」としては、(CH2CH2O)nCH3が挙げられ、式中、(n)は1〜20である。また、化学式I−Caに関して、好適なXは、安定した共有結合(すなわち、「−」)である。] [0103] 抗コリン剤のさらなる例示的な複合体は、以下の構造を有するもの含み、] [0104] 式中、R1、R2、R3、L、R5、および任意選択の第4級アミンのそれぞれは、化学式Iについて既に定義した通りであり、Xはスペーサ部分であり、POLYは水溶性非ペプチドオリゴマーである。化学式I−Cbに関して、好適な「POLY」としては、(CH2CH2O)nCH3が挙げられ、式中、(n)は1〜20である。また、式I−Cbに関して、好適なXは、安定した共有結合(すなわち、「−」)である。] [0105] 本発明の複合体は、低下した血液脳関門横断速度を呈し得る。さらに、複合体は、無修飾の親小分子薬物の生物活性の少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%以上を維持する。] [0106] 最適なサイズのオリゴマーの選択は、以下の通り決定され得る。] [0107] まず、単分散または二峰性の水溶性オリゴマーから得られたオリゴマーが、小分子薬物に複合化される。該薬物は、好ましくは、経口で生物学的に利用可能であり、それ自体では、血液脳関門横断速度を呈する。次に、複合体の血液脳関門を横断する能力は、適切なモデルを使用し、無修飾の親薬物のものと比較して、判定される。結果が好ましければ、つまり、例えば横断速度が大幅に低下した場合、複合体の生物活性をさらに評価する。1つ以上の実施形態において、複合形態の薬物は、生物的に活性であり得、親薬物に対して有意な程度の生物活性、すなわち、親薬物の生物活性の約30%を超えて維持することが好ましく、さらに好ましくは親薬物の生物活性の約50%を超えて維持する。] [0108] そして、同一モノマー型であるが、異なる数の副単位を有するオリゴマーを使用して、上記のステップを繰り返す。] [0109] 血液脳関門を横断する能力が、非複合化小分子薬物と比較して低下する個々の複合体に関して、その経口生物学的利用能を評価する。これらの結果に基づき、つまり、異なるモノマーの数を増加させて、小分子内の所与の位置または場所における所与の小分子への該モノマーの連続添加に基づき、生物学的膜横断の低下、経口生物学的利用能、および生物活性の間の最適な均衡を有する複合体の提供において最も有効なオリゴマーの大きさを決定することができる。オリゴマーが小さいので、そのようなスクリーニングが可能になり、結果として生じた複合体の特性を効果的に調製することが可能になる。オリゴマー大きさを少しずつ、斬新的に変化させ、実験計画法を利用することにより、生物学的膜横断速度の低下、生物活性、および経口生物学的利用能の間の好ましい均衡を有する複合体を、効果的に識別することができる。場合によっては、本願明細書に記載されるオリゴマーの結合が、薬物の生物学的利用能を実際に高めるために有効である。] [0110] 例えば、日常的に実験を使用する当業者は、最初に、異なる重量および官能基を有する一連のオリゴマーを調製し、次いで、患者に複合体を投与し、定期的な血液および/または尿の試料採取を行うことによって必要なクリアランスプロファイルを得て、経口生物学的利用能の改善に最適な分子の大きさおよび結合を決定することができる。試験を行った複合体ごとに、一連のクリアランスプロファイルが得られると、好適な複合体を識別することができる。] [0111] また、動物モデル(例えば齧歯類およびイヌ)を使用して、経口薬輸送を研究することができる。加えて、非体内方法には、齧歯類反転腸切除組織、およびCaco−2細胞単層組織培養モデルが挙げられる。加えて、実験の項は、経口薬輸送を試験するためのさらなる手法を提供する。これらのモデルは、経口薬の生物学的利用能の予測において有用である。] [0112] 化学式Iの抗コリン剤、または抗コリン剤と水溶性の非ペプチドポリマーとの複合体が、ムスカリン受容体に対する結合活性を有するか、および/または抗ムスカリン受容体拮抗薬活性を有するかどうかを判定するために、そのような化合物を試験することが可能である。例えば、ムスカリン受容体親和性は、組換えヒトムスカリン受容体を発現する、チャイニーズハムスター卵巣細胞からの細胞膜調製を利用する、体外受容体結合検定により判定することができる。手短に述べると、放射性リガンド結合研究において、Hegde et al.(1997)Br.J.Pharmacol.,120:1409−1418に記載される方法の修正形態を使用して、化合物の抑制活性を判定することができる。本手法において、組換えヒトムスカリン受容体を発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞からの細胞膜を使用することができる。検定は、0.25mLの最終容量のトリス−クレブス緩衝液中の放射性リガンド[3H]N‐メチルスコポラミン(0.4nM、比放射能84Ci/mmol−1)を用いて行われる。非特異的結合は、1μMのアトロピンで定義される。] [0113] 別の試験では、ラットにおける容量誘発性収縮の抑制を判定することが可能である。手短に述べると、Hegde et al.(1996)Proceedings of the 26th Annual Meeting of the International Continence Society (August 27th 30th),Abstract 126に記載される方法の修正形態を使用して、ラットにおける体内ムスカリン受容体抑制活性を判定することができる。雌のSprague−Dawleyラットをウレタンで麻酔し、薬物の静脈内投与、および場合によっては、動脈圧、心拍、および膀胱内圧の測定用の機器を装着することができる。容量誘発性膀胱収縮に対する試験化合物の効果を、個別の動物群で判定することができる。容量誘発性の反射性膀胱収縮は、膀胱を生理食塩水で満たすことにより誘発することができる。試験化合物を、10分間隔の累加様式で、静脈内投与することができる。陽性対照として、試験の最後にアトロピン(0.3mg/kg、iv)を投与することができる。] [0114] 本発明はまた、医薬品賦形剤と組み合わせた、本願明細書において提供される複合体を含む医薬品も含む。概して、複合体自体は、固体の形態(例えば、沈殿物)となり、固体または液体のいずれかの形態となり得る好適な医薬品賦形剤と組み合わせることができる。] [0115] 例示的な賦形剤には、炭水化物、無機塩、抗菌剤、酸化防止剤、界面活性剤、緩衝液、酸、塩基およびそれらの組み合わせから成る群より選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。] [0116] 糖、アルジトール等の誘導体化糖、アルドン酸、エステル化糖、および/または糖ポリマー等の炭水化物が、賦形剤として存在し得る。具体的な炭水化物賦形剤には、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、ブドウ糖、D−マンノース、ソルボース等の単糖類、乳糖、ショ糖、トレハロース、セロビオース等の二糖類、ラフィノース、メレチトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプン等の多糖類、およびマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、ミオイノシトール等のアルジトールが挙げられる。] [0117] 賦形剤には、クエン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせ等の、無機塩または緩衝液も挙げられる。] [0118] 製剤は、微生物成長を妨げる、または阻止するための抗菌剤を含み得る。本発明に好適な抗菌剤の非限定的な例には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。] [0119] 酸化防止剤は、調製時に存在させることもできる。酸化防止剤は、酸化の防止に使用され、それによって、複合体または製剤の他の成分の劣化を防止する。本発明に使用する好適な酸化防止剤には、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、プロピルガレート、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。] [0120] 界面活性剤が、賦形剤として存在し得る。例示的な界面活性剤には、「Tween20」および「Tween80」等のポリソルベート、およびF68およびF88(どちらも、BASF,Mount Olive,New Jerseyから入手することができる)等のプルロニック、ソルビタンエステル、レシチンおよび他のホスファチジルコリン等のリン脂質、ホスファチジルエタノールアミン(しかし、好ましくは、リポソーム形態ではない)、脂肪酸、および脂肪酸エステル等の脂質、コレステロール等のステロイド、およびEDTA、亜鉛、および他のこのような好適なカチオン等のキレート薬が挙げられる。] [0121] 薬剤として許容される酸または塩基が、製剤中に賦形剤として存在し得る。使用できる酸の非限定的な例には、塩酸、酢酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、硫酸、フマル酸、およびそれらの組み合わせから成る群より選択されるものが挙げられる。好適な塩基の例には、水酸化ナトリウム、ナトリウム酢酸塩、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、フマル酸カリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される塩基が挙げられるが、これらに限定されない。] [0122] 組成物中の複合体の量は、多数の要因に応じて変化するが、組成物が単位用量容器内に貯蔵される際に治療上有効用量であることが最適である。治療上有効用量は、どの量が臨床的に所望の終了点を実現するのかを決定するために、複合体の量を増加させて繰り返し投与することによって実験的に決定することができる。] [0123] 組成物中のあらゆる個々の賦形剤の量は、賦形剤の活性および組成物の特定の必要性に応じて変化する。一般的に、あらゆる個々の賦形剤の最適な量は、日常的実験を通じて、すなわち、種々の量の賦形剤(少量から多量まで)を含有する組成物を準備し、安定性および他のパラメータを検査し、次いで、いかなる重大な悪影響も生じずに最適な性能が得られる範囲を決定することによって決定される。] [0124] しかしながら、概して、賦形剤は、約1〜約99重量%、好ましくは約5〜98重量%、より好ましくは約15〜95重量%の量、最も好ましくは30重量%未満の濃度の賦形剤として、組成物中に存在する。] [0125] 他の賦形剤と共に、これらの上述の医薬品賦形剤、および医薬品に関する一般的な教示は、「Remington:The Science & Practice of Pharmacy」,19th ed.,Williams & Williams(1995)、「Physician’s Desk Reference」,52nd ed.,Medical Economics,Montvale、NJ(1998)、およびKibbe,A.H.,Pharmaceutical Excipients,3rd Edition,American Pharmaceutical Association,Washington,D.C.,2000に記載されている。] [0126] 医薬組成物は複数の形態を取ることができ、本発明は、この点に関して制限されない。例示的な製剤は、錠剤、カプレット、カプセル、ゲルキャップ、トローチ、分散体、懸濁液、溶液、エリキシル、シロップ、菓子錠剤(lozenge)、経皮的パッチ、スプレー、坐剤、および粉末等の、経口投与に好適な形態であることが最も好ましい。] [0127] 経口投与形態は、経口で有効な複合体に好適であり、錠剤、カプレット、カプセル、ゲルキャップ、懸濁液、溶液、エリキシル、およびシロップが挙げられ、また、任意選択でカプセル化された、複数の顆粒、ビーズ、粉末、またはペレットを含むこともできる。このような投薬形態は、医薬製剤の分野で知られている、および関連する文書に記載されている従来の方法を使用して調製される。] [0128] 錠剤およびカプレットは、例えば、標準的な錠剤処理手順および装置を使用して製造することができる。本願明細書に記載される複合体を含む錠剤またはカプレットを調製する時には、直接圧縮および粒状化技術が好ましい。複合体に加えて、錠剤およびカプレットは、概して、結合剤、潤滑液、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、着色剤等の、不活性の薬剤として許容される担体材料を含有する。結合剤は、粘着性を錠剤に与え、したがって、錠剤がそのままの状態を保つように使用される。好適な結合剤材料には、デンプン(トウモロコシデンプンおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(ショ糖、ブドウ糖、右旋糖、および乳糖を含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、および天然および合成ガム、例えば、アカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロースポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を含む)、およびVeegumが挙げられるが、これらに限定されない。錠剤製造を容易にし、粉末の流れを促進して、圧力が減じられた時の粒子の冠着を防止するために、滑剤が使用される。有用な滑材は、ステアリン酸マグネシウム、カルシウムステアリン酸塩、およびステアリン酸である。錠剤の崩壊を容易にするために崩壊剤が使用され、概して、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン、ガムまたは架橋ポリマーである。充填剤には、例えば、二酸化シリコン、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末セルロース、および微結晶性セルロース等の材料、ならびにマンニトール、尿素、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、塩化ナトリウム、およびソルビトール等の可溶性材料が挙げられる。当技術分野において既知であるように、一例として、酸化的反応を含む薬物分解反応を抑制または妨害するために、安定剤が使用される。] [0129] カプセルは、好適な経口投与形態でもあり、その場合、複合体含有組成物は、液体またはゲル(例えば、ゲルキャップの場合)、または固体(顆粒、ビーズ、粉末、またはペレット等の粒状物を含む)の形態にカプセル化することができる。好適なカプセルには、硬質および軟質カプセルが挙げられ、概して、ゼラチン、デンプン、またはセルロース材料で作製される。ツーピースの硬質ゼラチンカプセルは、ゼラチン帯等で封止されることが好ましい。] [0130] 実質的に乾燥形態の非経口製剤(一般的に、粉末またはケーキの形態とすることができる、凍結乾燥物または沈殿物として)、および一般的に、液体であり、乾燥形態の非経口製剤を再構成するステップを必要とする、注射用に調製された製剤が挙げられる。注射の前に固体組成物を再構成するための好適な希釈剤の例には、注射用静菌水、5%ブドウ糖水、リン酸緩衝食塩水、リンガー溶液、生理食塩水、無菌水、脱イオン水、およびそれらの組み合わせが挙げられる。] [0131] 場合によっては、非経口投与を対象とする組成物は、一般的にそれぞれ無菌である、非水溶液、懸濁液、または乳濁液の形態を取ることができる。非水性溶媒または媒体の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油またはコーン油等の植物油、ゼラチン、およびオレイン酸エチル等の、注射可能な有機エステルが挙げられる。] [0132] 本願明細書に記載されている非経口製剤はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤等の補助剤を含有することもできる。製剤は、滅菌剤、細菌保持フィルタによる濾過、照射、または熱の導入によって無菌化される。] [0133] 複合体はまた、従来の経皮的パッチまたは他の経皮的送達系を使用して、皮膚を通じて投与することもでき、複合体は、皮膚に固定される薬物送達装置として機能する積層構造内に含有される。このような構造においては、複合体は、上部支持体層の下側にある層、すなわち「貯蔵器」内に収容される。積層構造は、単一の貯蔵器を収容することができ、または複数の貯蔵器を収容することができる。] [0134] 複合体はまた、直腸投与用の坐剤に処方することもできる。坐剤に関して、複合体は、コカバター(カカオ脂)、ポリエチレングリコール、グリセリン処理したゼラチン、脂肪酸、およびそれらの組み合わせ等の(例えば、室温では固体であるが、体温で軟化、融解、または溶解する賦形剤)坐剤基剤材料と混合される。坐剤は、例えば、坐剤基剤材料を融解させて融解物を形成するステップと、複合体を(坐剤基剤材料の融解前または後に)導入するステップと、溶解物を金型に注入するステップと、融解物を冷却し(例えば、融解物含有金型を室温環境中に置く)、それによって坐剤を形成するステップと、金型から坐剤を取り出すステップと、を行うことによって調製することができる(必ずしも示された順序である必要はない)。] [0135] 本発明はまた、本願明細書において提供される複合体を、複合体による治療に応答する状態にある患者に投与するための方法も提供する。本方法は、概して、経口的に、治療上有効量の複合体(医薬品の一部として提供されることが好ましい)を投与するステップを含む。また、肺、鼻腔、口腔、直腸、舌下、経皮、非経口等の、他の投与様式も意図している。本願明細書で使用する場合、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、動脈内、腹膜内、心臓内、髄腔内、および筋肉内注射、ならびに注入注射を含む。] [0136] 非経口投与が利用される事例においては、上述したものよりも幾分大きい、分子量が約500〜30Kダルトンの(例えば、分子量が、500、1000、2000、2500、3000、5000、7500、10000、15000、20000、25000、30000、またはそれ以上である)オリゴマーを用いることが必要となり得る。] [0137] 本投与方法を使用して、特定の複合体の投与によって治す、または防止することができるあらゆる状態を治療することができる。当業者は、どの状態を特定の複合体が効果的に治療することができるのかを認識している。実際の用量は、対象の年齢、体重、および全般の状態、ならびに治療されている疾患の深刻さ、医療関係者の判断、および投与されている複合体に基づいて変化する。治療上有効量は、当業者に知られており、および/または関連する参考文書および文献に記載されている。概して、治療上有効量は、約0.001mg〜1000mg、好ましくは0.01mg/日〜750mg/日の用量、より好ましくは0.10mg/日〜500mg/日の用量の範囲である。] [0138] あらゆる所与の複合体(同じく、医薬品の一部として提供されることが好ましい)の単位投与量は、臨床医の判断、患者の要求等に応じて、種々の投薬スケジュールで投与することができる。特定の投薬スケジュールは、当業者に知られており、または日常的方法を使用して実験的に決定することができる。例示的な投薬スケジュールには、1日5回、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、週3回、週2回、週1回、月2回、月1回、およびあらゆるそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。臨床的な終了点が達成されると、組成物の投薬は停止される。] [0139] 本願明細書に引用される全ての記事、本、特許、特許公報、および他の刊行物は、参照することによりその全体が組み込まれる。本願明細書の教示と参照することにより組み込まれた教示との間に矛盾が生じた場合には、本願明細書の教示の意味が優先される。] [0140] 実験 本発明は、ある種の好適な特定の実施形態に関して記載されているが、上述の説明およびそれに続く実施例は、例示することを意図したものであり、本発明の範囲を制限するものではないことを理解されたい。本発明の範囲内の他の態様、利点、および修正物が、本発明に関係する当業者には明らかとなるであろう。] [0141] 別途明記しない限り、添付の実施例内に引用される全ての化学試薬は、市販のものである。PEG−merの調製は、例えば、米国特許出願広報第2005/0136031号に記載されている。] [0142] 全ての1H NMR(核磁気共鳴)データは、Brukerにより製造されたNMRスペクトロメータにより作成された(MHz≧300)。] [0143] PEG−オキシブチニンの合成 PEG−オキシブチニンを調製した。概略的に、本実施例に適用された手法を以下に示す。] [0144] 4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イン−1−オール(2)の合成 ジクロロメタン(30mL)中の3,4−ジヒドロ−2H−ピロン(18.3mL、0.196mol)を、0℃のDCM(250mL)中の2−ブチン−1,4−ジ−オール(16.832g、0.194mol)およびp−TsOH(2.236g、11.58mmol)の撹拌溶液に30分かけて滴下した。添加後、室温で4時間混合物を撹拌した。重炭酸ナトリウム(858mg)を添加した。さらに1時間混合物を撹拌した。水(10mL)を添加し、その後、飽和水性炭酸カリウム(150mL)を添加した。有機相を分離し、食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した(温度25℃未満)。5〜25%のEtOAc/ヘキサンを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を分離し、12.05gの二保護化副生成物と共に、12.88gの生成物(収率:39%)を得た。1H−NMR(CDCl3):δ4.78(t,J=3.0−3.3Hz、1H)、4.37−4.21(m,4H)、3.86−3.78(m,1H)、3.55−3.50(m,1H)、1.83−1.64(m,6H)。] [0145] 4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニルメシラート(3)の合成(x=Ms)] [0146] ℃のDCM(40mL)中の4‐(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イン−1−オール(1.9232g、11.30mmol)およびTEA(2.5mL、17.85mmol)の撹拌溶液に、塩化メタンスルホニル(1.0mL、12.80mmol)を5分かけて滴下した。その後、結果として生じた混合物を、室温で5.5時間撹拌した。水(20mL)を添加し、その後、飽和NaCl水溶液(70mL)を添加した。有機相を分離し、再び食塩水(60mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。5〜25%のEtOAc/ヘキサンを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を分離し、400mgのジ−4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニルエーテル(収率22%)と共に、1.542gの生成物(収率55%、油)を得た。1H−NMR(CDCl3):δ4.88(t,J=1.8Hz,2H)、4.76(t,J=3.0−3.3Hz,1H)、4.37−4.24(m,2H)、3.80−3.76(m,1H)、3.54−3.50(m,1H)、3.11(s,3H)、1.78−1.51(m,6H)。] [0147] ヨウ化4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニル(3)の合成(x=I)] [0148] 窒素下で室温の無水ジクロロメタン(20mL)中のトリフェニルホスフィン(1.4154g、5.34mmol)の撹拌溶液に、イミダゾール(360mg、5.24mmol)、次いでヨウ化物(1.2688g、4.95mmol)を添加した。混合物を3分間撹拌し、ジクロロメタン中の4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イン−1−オール(708.6mg、4.16mmol)の溶液を、バネを介して滴下した。結果として生じた混合物を、1.5時間継続して撹拌した。セライトのパッドを通して、混合物を濾過した。そして、ジクロロメタンで固体を洗浄した。合わせた有機濾液を減圧下で濃縮した。0〜20%のEtOAc/ヘキサンを使用して、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を分離し、654mgの生成物を56%の収率で得た。1H−NMR(CDCl3):δ4.77(t,J=3.0Hz,1H)、4.33−4.18(m,2H)、3.85−3.77(m,1H)、3.70(t,J=2.1Hz,2H)、3.56−3.49(m,1H)、1.85−1.62(m,6H)。] [0149] mPEG5−OMs(5)(n=5)の合成] [0150] 0℃のジクロロメタン(50mL)中のmPEG5−OH(5.30g、21mmol)およびTEA(6mL、42.8mmol)の撹拌溶液に、MsCl(2.5mL、32mmol)を滴下した。添加後、結果として生じた溶液を、室温で22時間撹拌した。水(10mL)を添加して反応を停止させ、いくらかの飽和NaCl溶液(約40mL)を添加した。有機溶液を分離し、食塩水(2×45mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を高真空下で乾燥させ、油として定量的収率の生成物を得た。1H−NMR(CDCl3):δ4.38−4.35(m,2H)、3.76−3.73(m,2H)、3.66−3.60(m,14H)、3.55−3.51(m,2H)、3.36(s,3H)、3.06(s,3H)。] [0151] 同一の手順に従い、他のmPEGn−OMs(n=3、4、6〜20)を、対応するmPEGn−OHから合成した、および/または合成することができる。] [0152] mPEG4−NHEt(6)の合成(n=4)] [0153] 0℃の水(10mL)中のmPEG4−OMs(2.75g、9.6mmol)およびK2CO3(6.72g、48.16mmol)の撹拌溶液に、エチルアミン(水中70重量%の溶液)(8mL、98.9mmol)を添加した。臭化テトラブチルアンモニウム(268mg、0.82mmol)を添加した。結果として生じた混合物を、室温で67時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機溶液を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、生成物(2.373g、1H−NMRに基づき90.6%の純度)を95%の収率で得た。1H−NMR(CDCl3):δ3.64−3.51(m,14H)、3.36(s,3H)、2.76(t,J=5.1−5.4Hz,2H)、2.63(q,J=7.2H,2H)、1.09(t,J=7.2Hz,3H)。] [0154] 同一の手順に従い、他のmPEGn−NHEtを、対応するmPEGn−Omsから合成することができる。] [0155] エチル−mPEG3−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニル]アミン(7)の合成(n=3)] [0156] 重炭酸ナトリウム(131mg、1.56mmol)存在下のTHF(3mL)中のヨウ化4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニル(153mg、0.55mmol)、mPEG3−NHEt(124mg、0.58mmol、90%純粋)の混合物を、24.5時間室温で撹拌した。水を添加して反応を停止させた。混合物を減圧下で濃縮し、有機溶剤を除去した。残りの水溶液を、EtOAcで抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。0〜9%のMeOH/ジクロロメタンを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製し、生成物(85mg、45%の収率)を得た。1H−NMR(CDCl3):δ4.77(t,J=3.0Hz,1H)、4.30−4.16(m,2H)、3.83−3.75(m,1H)、3.63−3.45(m,13H)、3.33(s,3H)、2.66(t,J=6.0Hz,2H)、2.53(q,J=7.2Hz,2H)、1.82−1.47(m,6H)、1.01(t,J=7.2Hz,3H)。] [0157] エチル−mPEG6−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニル]アミン(7)の合成(n=6)] [0158] 重炭酸ナトリウム(345mg、4.11mmol)存在下のTHF(5mL)中のヨウ化4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニル(376mg、1.34mmol)、mPEG6−NHEt(528mg、1.52mmol、93%純粋)の混合物を、25時間室温で撹拌した。水を添加して反応を停止させた。混合物を減圧下で濃縮し、有機溶剤を除去した。残る水溶液を、飽和炭酸カリウム水溶液(10mL)と混合し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機溶液を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。0〜9%のMeOH/ジクロロメタンを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製し、生成物(293mg、46%の収率)を得た。1H−NMR(CDCl3):δ4.80(t,J=3.0Hz,1H)、4.33−4.20(m,2H)、3.86−3.78(m,1H)、3.64−3.48(m,25H)、3.36(s,3H)、2.69(t,J=6.0Hz,2H)、2.56(q,J=7.2Hz,2H)、1.85−1.62(m,6H)、1.04(t,J=7.2Hz,3H)。] [0159] エチル−mPEG9−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニル]アミン(7)の合成(n=9)] [0160] 重炭酸ナトリウム(642mg、7.64mmol)存在下のTHF(5mL)中のヨウ化4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニル(587mg、2.10mmol)、mPEG9−NHEt(1.143g、2.38mmol、95%純粋)の混合物を、26時間室温で撹拌した。水を添加して反応を停止させた。混合物を減圧下で濃縮し、有機溶剤を除去した。残る水溶液を、飽和炭酸カリウム水溶液(10mL)と混合し、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機溶液を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。0〜5%のMeOH/ジクロロメタンを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製し、生成物(683mg、54%の収率)を得た。1H−NMR(CDCl3):δ4.80(t,J=3.0Hz,1H)、4.32−4.21(m,2H)、3.83(m,1H)、3.64−3.48(m,37H)、3.36(s,3H)、2.69(t,J=6.0Hz,2H)、2.58(q,J=7.2Hz,2H)、1.85−1.62(m,6H)、1.04(t,J=7.2Hz,3H)。] [0161] 4−(mPEG6エチルアミノ)−ブト−2−イン−1−オール(8)の合成(n=6)] [0162] エチル−mPEG6−4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−ブト−2−イニル]アミン(292mg、0.61mmol)を、室温の1NのHClエチルエーテル(6mL)中で1時間撹拌した。混合物は2層であるように見えた。少量のジクロロメタンを添加した。結果として生じた均質な溶液を、室温で17時間撹拌した。5%の重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)を添加して、反応を停止させた。混合物をジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせた有機溶液を食塩水(2×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage、0〜5%のメタノール/ジクロロメタンおよび5%のメタノール//ジクロロメタン)で精製し、81mgの生成物を34%の収率で得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ4.23(t,J=2.0Hz,2H)、3.62−3.56(m,20H)、3.52−3.50(m,2H)、3.47(t,J=2.0Hz,2H)、3.34(s,3H)、2.70(t,J=6.0Hz,2HおよびOH)、2.56(q,J=7.0Hz,2H)、1.03(t,J=7.0Hz,3H)。] [0163] シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル酢酸(11)の合成] [0164] 250mLの丸底フラスコを室温の無水THF(120mL)で満たし、次いで、水/アイス浴で0℃に冷却した。シクロヘキシルマグネシウムクロリド溶液(エチルエーテル中2.0M)(56mL、112mmol)を添加した。THF(20mL)中のベンゾイルぎ酸エチル(14.89g、79.41mmol)の溶液を、30分かけて滴下した。さらにTHF(10mL)を添加し、添加漏斗を洗浄した。結果として生じた混合物を0℃で15分間、次いで室温で3時間撹拌した。反応混合物を飽和水性塩化アンモニウム(150mL)に注いだ。水(15mL)を添加した。混合物を濃縮し、有機溶剤を除去した。残りの溶液を、EtOAc(2×100mL)で抽出した。抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、わずかに緑色の残渣を得た。0〜8%のEtOAc/ヘキサン(20CV、40Mカラム、biotage)を使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、14.955gの生成物を72%の収率で得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3)。] [0165] 2−シクロヘキシル−2−フェニルグリコール酸(12)の合成] [0166] メタノール(20mL)中のシクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル酢酸(1.04g、3.96mmol)の溶液に、1NのNaOH(8mL)を添加した。反応混合物を80℃に加温させ、3.5時間撹拌した。室温に冷却後、エチルエーテルで混合物を抽出した。合わせた有機溶液を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮し、白色固体として粗製生成物を得た。固体をヘキサンおよびジクロロメタンで再結晶化させ、900mgの2−シクロヘキシル−2−フェニルグリコール酸を97%の収率で得た。1H−NMR(CDCl3)。] [0167] mPEG6−オキシブチニン(16)の合成(n=6)] [0168] 室温の無水DMF(2mL)中の、2−シクロヘキシル−2−フェニルグリコール酸(12)(35.5mg、0.15mmol)および4−(mPEG6エチルアミノ)−ブト−2−イン−1−オール(8)(n=6)(45mg、0.12mmol)の撹拌溶液に、N−メチルモルフィノン(40μL、0.36mmol)を添加した。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(28.4mg、0.21mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(32.5mg、0.16mmol)を添加した。結果として生じた混合物を、室温で20時間撹拌した。水を添加して反応を停止させた。混合物をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機溶液を食塩水(2×30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。0〜10%のMeOH/ジクロロメタンを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製し、生成物(16)(n=6)(25mg)を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ7.65−7.63(m,2H)、7.35−7.32(m,2H)、7.27−7.25(m,1H)、4.84−4.70(m,2H)、3.65−3.58(m,18H)、3.55−3.52(m,4H)、3.47(m,2H)、3.37(s,3H)、2.63(t,J=6.0Hz,2H)、2.49(q,J=7.0Hz,2H)、2.25(m,1H)、2.04(br,s,1H)、1.79−1.77(m,1H)、1.64(m,1H)、1.54−1.52(m,2H)、1.46−1.38(m,1H)、1.35−1.26(m,1H)、1.20−1.06(m,4H)、1.02(t,J=7.0Hz,3H)。LC−MS:608.3(MH+)。] [0169] シクロヘキシルヒドロキシフェニル酢酸4−ヒドロキシブト−2−イニルエステル(20)の合成] [0170] 方法I 無水DMF(7.0mL)中の2−シクロヘキシル−2−フェニルグリコール酸12(240mg、1.0mmol)および2−ブチン−1,4−ジオール(87mg、1.0mmol)の撹拌溶液に、HOBt(135.7mg、1.0mmol)を添加し、0℃に冷却した。N−メチルモルフィノン(0.25mL、2.26mmol)を添加した。結果として生じた混合物を、0℃で30分間撹拌した。DCC(216.5mg、1.05mmol)を添加した。結果として生じた混合物を0℃で30分間、次いで室温で21.5時間撹拌した。EtOAc(20mL)を添加し、白色沈殿物を濾過により除去した。有機溶液を分離し、水溶液をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機溶液を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。0〜20%のEtOAc/ヘキサンを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を分離し、シクロヘキシルフェニル酢酸4−(2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシ)−ブト−2−イニルエステル(26)(99mg、37%の収率)(以下の構造に示すように)と共に、生成物(20)(50mg、17%収率)を得た。] [0171] 化合物(20)についての1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ7.66−7.64(m,2H)、7.37−7.34(m,2H)、7.30−7.27(m,1H)、4.87−4.72(m,2H)、4.29−4.27(m,2H)、3.57(s,1H)、2.29−2.23(m,1H)、1.82−1.79(m,1H)、1.66−1.64(m,2H)、1.54−1.51(m,1H)、1.47−1.39(m,1H)、1.37−1.29(m,1H)、1.22−1.07(m,4H)。LC−MS:325.1(M+Na+)。] [0172] 副生成物、シクロヘキシルフェニル酢酸4−(2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシ)−ブト−2−イニルエステル(26)についての1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ7.64−7.62(m,4H)、7.36−7.3(m,4H)、7.30−7.26(m,2H)、4.84−4.68(m,4H)、3.543(s,1H)、3.535(s,1H)、2.24(m,2H)、1.82−1.79(m,2H)、1.66−1.65(m,4H)、1.52−1.47(m,2H)、1.44−1.38(m,2H)、1.22−1.07(m,8H)。LC−MS:541.2(M+Na+)。] [0173] 方法II 2−シクロヘキシル−2−フェニルグリコール酸(12)(579mg、2.47mmol)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(462mg、2.85mmol)の溶液を、50℃で5時間撹拌し、室温に冷却した。該溶液を、−70℃(イソプロパノール/ドライアイス)の無水DMF(15mL)中の2−ブチン−1,4−ジオール(1)(1.0085g、11.60mmol)およびトリエチルアミン(2.0mL、14.28mmol)の撹拌溶液に、5分かけて添加した。結果として生じた混合物を、−70℃で1時間撹拌した。冷却浴を除去し、反応混合物を放置して室温まで温め、室温で18時間継続して撹拌した。水を添加して反応を停止させた。混合物を、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機溶液を食塩水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。ジクロロメタン中0〜5%のメタノールを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を分離し、副生成物、シクロヘキシルフェニル酢酸4−(2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトキシ)−ブト−2−イニルエステル(26)(129mg、20%の収率)と共に、生成物(20)(509mg)を68%の収率で得た。] [0174] シクロヘキシルヒドロキシフェニル酢酸4−メタンスルホニルオキシブト−2−イニルエステル(21)の合成(X=OMs)] [0175] シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−酢酸4−ヒドロキシブト−2−イニルエステル(20)(277mg、0.92mmol)をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.2mL、1.43mmol)を添加した。塩化メタンスルホニル(75μL、0.96mmol)を注射器で滴下した。結果として生じた混合物を0℃で40分間、室温で19時間撹拌した。水を添加して反応を停止させた。少量の飽和塩化ナトリウム(10mL)を添加した。有機相を分離し、水相をジクロロメタン(15mL)で抽出した。合わせた有機溶液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。ヘキサン中5〜50%の酢酸エチルを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を分離し、副生成物、シクロへキシ−ヒドロキシフェニル酢酸4−[4−(2−シクロへキシ−2−ヒドロキシ−2−フェニル−アセトキシ)−ブト−2−イニルエステル27(117mg、43%の収率)(以下の構造に示すように)と共に、28%の収率の生成物(21)(98mg)を得た。] [0176] 化合物20についての1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ7.63−7.61(m,2H)、7.36−7.33(m,2H)、7.30−7.26(m,1H)、4.86−4.76(m,4H)、3.54(s,1H)、2.99(s,3H)、2.27−2.22(m,1H)、1.82−1.79(m,1H)、1.66−1.64(m,2H)、1.50−1.39(m,2H)、1.37−1.27(m,1H)、1.21−1.06(m,4H)。LC−MS:398.1(M++18)、403(M+Na+)。] [0177] 副生成物27についての1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ7.66−7.64(m,4H)、7.37−7.34(m,4H)、7.30−7.26(m,2H)、4.89−4.72(m,4H)、4.13(t,J=2.0Hz,4H)、3.58(s,2H)、2.30−2.24(m,2H)、1.83−1.80(m,2H)、1.66−1.65(m,4H)、1.54−1.52(m,2H)、1.48−1.40(m,2H)、1.38−1.29(m,2H)、1.22−1.08(m,8H)。] [0178] mPEG4−オキシブチニン(16)の合成(n=4)] [0179] アセトニトリル(3mL)中のメシラート(21)(X=OMs)(98mg、0.26mmol)およびmPEG4‐NHEt(6)(n=4)(純度:90.6%)(97mg、0.38mmol)および炭酸カリウム(113.8mg、0.82mmol)の混合物を、室温で65時間撹拌した。反応混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。溶液を減圧下で濃縮した。ジクロロメタン中0〜10%のメタノールを使用して、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製し、油として77%の収率の生成物(104mg)を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ7.65−7.64(m,2H)、7.35−7.32(m,2H)、7.28−7.25(m,1H)、4.84−4.70(m,2H)、3.66−3.59(m,11H)、3.56−3.53(m,4H)、3.46(m,2H)、3.38(s,3H)、2.62(t,J=6.0Hz,2H)、2.49(q,J=7.0Hz,2H)、2.28−2.23(m,1H)、1.80−1.77(m,1H)、1.64(m,1H)、1.55−1.52(m,2H)、1.47−1.38(m,1H)、1.35−1.26(m,1H)、1.20−1.06(m,4H)、1.02(t,J=7.0Hz,3H)。LC−MS:520.2(MH+)。] 実施例 [0180] 同一手法を使用するが、異なる大きさを有するオリゴマーに置き換えて、種々のオリゴマーの大きさをを有する構造(16)を調製することができる。]
权利要求:
請求項1 安定したまたは分解性結合を介して水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した抗コリン剤の残基を含む、化合物。 請求項2 以下の構造を有し、式中、R1は、H、OH、および有機基部から成る群より選択され、(i)R2は、H、OH、および有機基部から成る群より選択され、かつR3は、H、OH、および有機基部から成る群より選択されるか、または(ii)R2およびR3は、組み合わされて環を形成するかのいずれかであり、但し、R1およびR3のうちの少なくとも1つは、芳香族含有有機基部であることを条件とし、L2は、C2−4含有炭化水素リンカー、ヘテロシクロリンカー、およびビヘテロシクロリンカーから成る群より選択され、R5は、有機基部であり、Xは、スペーサ部分であり、POLYは、水溶性非ペプチドオリゴマーである、請求項1に記載の化合物、ならびに前記化合物の荷電種。 請求項3 R5は、‐CH3および‐CH2CH3から成る群より選択される、請求項2に記載の化合物。 請求項4 R1は、シクロヘキシルであり、R2は、‐OHであり、R3は、フェニルである、請求項2に記載の化合物。 請求項5 L2は、‐CH2‐C≡C‐CH2‐である、請求項2に記載の化合物。 請求項6 以下の構造を有し、式中、R1は、H、OH、および有機基部から成る群より選択され、R3は、H、OH、および有機基部から成る群より選択され、但し、R1およびR3のうちの少なくとも1つは、芳香族含有有機基部であることを条件とし、L2は、C2−4含有炭化水素リンカー、ヘテロシクロリンカー、およびビヘテロシクロリンカーから成る群より選択され、R4は、有機基部であり、R5は、有機基部であり、Xは、スペーサ部分であり、POLYは、水溶性非ペプチドオリゴマーである、請求項1に記載の化合物、ならびに前記化合物の荷電種。 請求項7 R4は、‐CH3および‐CH2CH3から成る群より選択され、R5は、‐CH3および‐CH2CH3から成る群より選択される、請求項6に記載の化合物。 請求項8 R1は、シクロヘキシルであり、R3は、フェニルである、請求項6に記載の化合物。 請求項9 L2は、‐CH2‐C≡C‐CH2‐である、請求項6に記載の化合物。 請求項10 前記抗コリン剤は、以下の化学式を有し、式中、 R1は、H、OH、および有機基部から成る群より選択され、 (i)R2は、H、OH、および有機基部から成る群より選択され、かつR3は、H、OH、および有機基部から成る群より選択されるか、または(ii)R2およびR3は、組み合わされて環を形成するかのいずれかであり、 但し、R1およびR3のうちの少なくとも1つは、芳香族含有有機基部であることを条件とし、 L1は、‐O‐、‐C(O)O‐、‐OC(O)‐、‐C(O)‐であり、L2は、C2−4含有炭化水素リンカー、ヘテロシクロリンカー、およびビヘテロシクロリンカーから成る群より選択され、R4は、有機基部であり、R5は、有機基部であり、Xは、スペーサ部分であり、POLYは、水溶性非ペプチドオリゴマーである、請求項1に記載の化合物、ならびに前記化合物の荷電種。 請求項11 前記抗コリン剤は、オキシブチニン、ジサイクロミン、オキシフェンサイクリミン、フラボキサート、クリンジウム(clindium)、シクロペントラート、オイカトロピン、グリコピロレート、メペンゾラート、メタンテリン、スコポラミン、アトロピン、およびプロパンテリンから成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。 請求項12 前記抗コリン剤は、オキシブチニンである、請求項1に記載の化合物。 請求項13 前記水溶性非ペプチドオリゴマーは、ポリ(アルキレンオキシド)である、請求項1、2、および6のうちのいずれか1項に記載の化合物。 請求項14 前記ポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ(エチレンオキシド)である、請求項13に記載の化合物。 請求項15 前記スペーサ部分は、共有結合である、請求項2に記載の化合物。 請求項16 前記スペーサ部分は、‐O‐である、請求項6に記載の化合物。 請求項17 前記水溶性非ペプチドオリゴマーは、1〜30個のモノマーを有する、請求項1に記載の化合物。 請求項18 前記水溶性非ペプチドオリゴマーは、1〜10個のモノマーを有する、請求項17に記載の化合物。 請求項19 前記ポリ(アルキレンオキシド)は、アルコキシまたはヒドロキシの末端封止部分を含む、請求項13に記載の化合物。 請求項20 前記抗コリン剤の前記残基は、安定した結合を介して共有結合される、請求項1に記載の化合物。 請求項21 前記結合は、エーテル結合である、請求項1に記載の化合物。 請求項22 前記結合は、エステル結合である、請求項1に記載の化合物。 請求項23 前記結合は、アミン結合である、請求項1に記載の化合物。 請求項24 安定したまたは分解性結合を介して水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む化合物と、任意選択で薬剤として許容される賦形剤と、を含む、組成物。 請求項25 安定したまたは分解性結合を介して水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む化合物を含む組成物であって、前記化合物が投薬形態で存在する、組成物。 請求項26 水溶性非ペプチドオリゴマーを、抗コリン剤に共有結合させるステップを含む、方法。 請求項27 安定したまたは分解性結合を介して水溶性非ペプチドオリゴマーに共有結合した、抗コリン剤の残基を含む化合物を投与するステップを含む、方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题 US20190099363A1|2019-04-04|Chemically modified small molecules US7858749B2|2010-12-28|Polymer-factor VIII moiety conjugates ES2569262T3|2016-05-09|Conjugados poliméricos de antagonistas de opioides KR101022577B1|2011-03-16|항원성이 감소한 중합체 콘쥬게이트, 이의 제조방법 및용도 US9320808B2|2016-04-26|Acid salt forms of polymer-drug conjugates and alkoxylation methods US9173953B2|2015-11-03|Prodrugs containing an aromatic amine connected by an amido bond to a linker JP4824404B2|2011-11-30|脂肪族生物分解性リンカーに基づく放出可能なポリマー複合体 AU2007339238B2|2013-06-20|Factor IX moiety-polymer conjugates having a releasable linkage EP2905033B1|2020-09-02|Monodisperse PEGylated naloxol compositions US8563726B2|2013-10-22|Stereoselective reduction of a morphinone US20120114742A1|2012-05-10|Polymer Conjugates with Decreased Antigenicity, Methods of Preparation and Uses Thereof JP5405746B2|2014-02-05|脂肪族生物分解性リンカーに基づく放出可能なポリマー複合体 JP5048332B2|2012-10-17|特定の原子配置を有するポリマー誘導体 US9925182B2|2018-03-27|Compositions, dosage forms, and co-administration of an opioid agonist compound and an analgesic compound US20030143185A1|2003-07-31|Polymer conjugates of protein kinase C inhibitors US10143690B2|2018-12-04|Oligomer-opioid agonist conjugates US8703907B2|2014-04-22|Controlled drug release from dendrimers US9084828B2|2015-07-21|Oligomer-protein tyrosine kinase inhibitor conjugates BRPI0414017B1|2019-04-09|Pró-fármaco polimérico de múltiplos braços, composição farmacêutica e método para a preparação de um pró-fármaco polimérico de múltiplos braços. CN102159249A|2011-08-17|具有低滥用潜在性的聚乙二醇化阿片样物质 US20130023553A1|2013-01-24|Pegylated opioids with low potential for abuse and side effects CA2854361C|2020-08-11|Subcutaneous delivery of polymer conjugates of therapeutic agents JP2012067100A|2012-04-05|Il−21の誘導体 US9107956B2|2015-08-18|Oligomer-protease inhibitor conjugates CN101631569B|2012-11-14|低聚物-抗组胺剂偶联物
同族专利:
公开号 | 公开日 JP5877553B2|2016-03-08| WO2008112261A1|2008-09-18| US8389759B2|2013-03-05| US9126926B2|2015-09-08| US20130150441A1|2013-06-13| US20100168232A1|2010-07-01| EP2134370A1|2009-12-23| EP2134370B1|2013-04-17|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题 JP2002517464A|1998-06-08|2002-06-18|アドバンスドメディスンインコーポレーテッド|ムスカリン性レセプターアンタゴニスト| JP2007514761A|2003-12-16|2007-06-07|ネクターセラピューティクスアラバマ,コーポレイション|化学修飾された小分子化合物| JP2010521465A|2007-03-12|2010-06-24|ネクターセラピューティックス|複合体のデノボ合成| JP2010522142A|2007-03-12|2010-07-01|ネクターセラピューティックス|オリゴマー−プロテアーゼ阻害剤複合体|JP2015529686A|2012-09-17|2015-10-08|ネクター セラピューティクス|オリゴマー含有ベンズアミド系化合物|DE69120141T2|1990-03-28|1996-11-28|Nippon Oils & Fats Co Ltd|Polymerkombiniertes Arzneimittel zur Magenbehandlung und Verfahren zu dessen Herstellung| US5912268A|1995-05-22|1999-06-15|Alza Corporation|Dosage form and method for treating incontinence| US5672662A|1995-07-07|1997-09-30|Shearwater Polymers, Inc.|Poly and related polymers monosubstituted with propionic or butanoic acids and functional derivatives thereof for biotechnical applications| US6835802B2|2001-06-04|2004-12-28|Nobex Corporation|Methods of synthesizing substantially monodispersed mixtures of polymers having polyethylene glycol moieties| US20060182692A1|2003-12-16|2006-08-17|Fishburn C S|Chemically modified small molecules| US8389759B2|2007-03-12|2013-03-05|Nektar Therapeutics|Oligomer-anticholinergic agent conjugates|US8389759B2|2007-03-12|2013-03-05|Nektar Therapeutics|Oligomer-anticholinergic agent conjugates| KR101539797B1|2007-11-28|2015-07-27|넥타르 테라퓨틱스|올리고머-삼환계 콘쥬게이트|
法律状态:
2012-02-07| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120206 | 2013-05-10| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130509 | 2013-08-09| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20130808 | 2013-08-10| A711| Notification of change in applicant|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20130809 | 2013-08-16| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20130815 | 2013-09-07| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20130906 | 2013-09-17| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20130913 | 2013-10-09| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20131008 | 2013-10-17| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20131016 | 2013-11-08| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131107 | 2013-11-26| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20131107 | 2014-05-23| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140522 | 2014-09-23| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140922 | 2014-10-07| A911| Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20141006 | 2015-11-19| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151119 | 2015-12-28| A711| Notification of change in applicant|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20151228 | 2016-01-28| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160121 | 2016-02-05| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5877553 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 | 2019-02-05| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2020-01-31| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2021-01-29| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2022-01-31| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
优先权:
[返回顶部]
申请号 | 申请日 | 专利标题 相关专利
Sulfonates, polymers, resist compositions and patterning process
Washing machine
Washing machine
Device for fixture finishing and tension adjusting of membrane
Structure for Equipping Band in a Plane Cathode Ray Tube
Process for preparation of 7 alpha-carboxyl 9, 11-epoxy steroids and intermediates useful therein an
国家/地区
|