专利摘要:
近接非接触方式で眼を観察、検査、治療および/または診断するための眼科機器および方法。該機器の構成は眼底カメラあるいは検眼鏡を基としている。機器は、1つの第1の照射源(BQ)から発して眼に至る、1つの有孔ミラー(LS)および1つの結像光学系(AO)が使用に供されている1つの照射ビームパスと、眼から発して該結像光学系(AO)を介して、該有孔ミラー(LS)を通り1つの検出器(D)に至る、1つの観察ビームパスとにより構成される。さらに、この機器は、1つの第2の照射源(BQ)から発して眼に至る、該結像光学系(AO)と並んで1つのスキャンユニット(SE)、1つの対物レンズ(O)および1つのビームスプリッタ(ST)が使用に供されている、1つのスキャン照射用のビームパスを利用できるようになっている。該スキャン照射用のビームパス内に配置される該スキャンユニット(SE)は、静電駆動型または/および電流駆動型の、1つの双方向チルトミラー(KS)または複数の一方向チルトミラー(KS)として構成される。
公开号:JP2011512916A
申请号:JP2010548014
申请日:2009-02-25
公开日:2011-04-28
发明作者:ビアナート、デトレフ;ブブリッツ、ダニエル;ブローズヒェルム、アンドレアス;モール、トーマス;リヒター、シュテファン
申请人:カール ツァイス メディテック アクチエンゲゼルシャフトCarl Zeiss Meditec AG;
IPC主号:A61B3-12
专利说明:

[0001] 本発明は近接非接触方式で、眼を観察、検査、治療および/または診断するための眼科機器および方法に関する。この機器の構成は眼底カメラあるいは検眼鏡を基としている。
眼底部(網膜または眼底)のトポロジの撮像は、多くの眼の疾患を診断するための重要な手段である。網膜の多くの疾患は、診断用レーザをピンポイントで使用することでより精密に検査することができ、または治療用レーザをピンポイントで照射することで治療することができる。]
背景技術

[0002] 眼の観察、診断および治療のために、現在の技術水準によると数多くの、さまざまな解決策が知られている。このために必要となる画像は、例えば手持ち検眼鏡、スリットランプ、眼底カメラで、またはレーザ走査検眼鏡を使用して作成される。]
[0003] この場合に、眼底カメラは眼科における最も重要な診断器具の1つである。眼底カメラの助けで、眼底部の広視野像を撮影しこれから診断を導くことができる。
アールエフスパイデ(R.F.Spaide)は、スパイデR.F.(Spaide,R.F.),“Fundus autofluorescence and age−related macular degeneration”,Ophthalmology 110(2),Februar 2003,p.392−399において特殊な実施形態について説明しているが、これらの実施形態により、なんとRGB画像(赤−緑−青)の純粋な判定を超えた機能診断方式を適用することが可能になる。]
[0004] 例えば、米国登録特許第7134754号明細書には、異なった波長を持つ2つのレーザ光源が使用されるようになっている網膜機能カメラが記載されている。そこでは、酸素過濃な血液の場合は第1波長帯域の吸光能が、脱酸素化血の場合は第2波長帯域の吸光能がより大きくなるように波長帯域を選択することによって、相応の画像が作成されて、これらを評価できるようにしている。これにより、加齢のために光受容細胞および網膜色素上皮の死滅を来たすと共に、細部を認識するために使われる中心視野の欠損を徐々にもたらす黄斑萎縮(変性)の診断を既に早期の段階で下すことが可能になる。]
[0005] また、この記載されている解決策をもって、脈絡膜新生血管の発生も早期段階で認識することもできる。この小さな新しい異常血管は脈絡膜層から成長増殖し、血液が網膜内または網膜下に蓄積すると、急性の視力損失を引き起こす。この記載された解決策をもって可視化される罹患箇所は、光凝固術または光線力学療法により治療することができる。]
[0006] 同じく異なった波長を持つ2つのレーザ光源が使用されるようになっている眼底カメラが米国登録特許第7198367号明細書に記載されている。しかしながら、この場合は、眼底の蛍光画像を可視域でもまた赤外域でも撮影して評価できるように波長帯域が選択されている。]
[0007] しかし、眼底カメラに関してこれまでに知られている機能診断方式は、依然として広視野照射の原理に基づくものである。しかしながら、網膜上の個々の点で行われるより複雑な診断、例えば視野測定、光干渉断層撮影、または凝固によるピンポイント治療は、このシステムでは不可能である。]
[0008] さらに、眼科では同じくレーザ走査検眼鏡も定着している。ここではレーザ光線が、大抵は共焦点方式で、1つの機械的スキャナ、例えば1つのガルバノスキャナまたは1つのポリゴンミラーを介して、網膜上に結像されるようになっている。網膜のこの結像点から拡散反射された光は、機器内にある1つのセンサにより検知される。網膜のトポグラフィについてのこの情報はスキャナを利用したラスター走査によって得られる。レーザ走査検眼鏡では、網膜上でピンポイントで治療または診断を実施することが可能である。在来のレーザ走査検眼鏡では、レーザは画像作成のための光源としても、また診断および/または治療のための光源としても利用される。]
[0009] しかしながら、患者の眼球は、観察中に検眼鏡に対して相対的に移動することがあるため、眼底部のトポグラフィを絶え間なく観察する必要がある。この理由から、全ての公知のレーザ走査検眼鏡で、網膜を連続的にラスター走査する、共振モードで動作されるスキャナが使用される。ピンポイント治療または診断は、レーザ・ポイントにより網膜上の所望のポイントが正確に走査されるように、スキャナの向きが正確に調整されているときにのみ実施することが可能である。したがって、スキャナと、治療用または診断用レーザとの間の手の込んだ同期化が必要である。]
[0010] 処置の際に最大許容インパルスエネルギーを超えることがないように、ラスター走査するレーザ光線の滞留時間を、複雑な位置決め装置と強度監視により、レーザ光線の強度に従属して管理することが必要である。例えば、国際特許出願公開第2004043234号には最適化されたレーザ走査検眼鏡が記載されており、そこでは網膜の同じ1点上で観察と処置が同時にできるように、1つの共焦点式レーザ走査検眼鏡と複数の外部レーザ源が組み合わされている。]
[0011] これに加えて、欧州特許出願公開第1308124号明細書にはレーザ走査検眼鏡で使用するための対物レンズ系が記載されている。記載されている対物レンズ系は非常に広い広視野を実現していて、この結果、レーザ走査検眼鏡で眼の通常は到達不可能な領域も検査することができる。]
[0012] さらに別のレーザ走査検眼鏡が米国再審査特許第6337920号に記載されている。レーザ光線を生成する1つのレーザ光源と、ある1つの第1の方向へ偏向された発振光線を発生するための1つの第1のスキャン手段と、ある1つの第2の方向へ偏向された発振光線を発生するための1つの第2のスキャン手段とからなるレーザ走査検眼鏡(LSC)は、さらに眼からの反射光を検出するための検出手段を利用できるようになっている。]
[0013] 網膜の初回のスキャンによって作成された眼底像から、眼底の複数のサブ領域を選択し、2回目のスキャンがこれらのサブ領域に限定されるようにする、特に精密化されるようにするとよい。加えて、個々のスキャン手段は、1つの制御ユニットにより制御可能な複数の駆動モータを利用して、相互に独立して傾動可能である。]
[0014] 独国特許発明第3836860号明細書は、レーザ光線走査システムを有する眼科機器を説明している。この解決策も2つの波長を使用している。一方のレーザ光線を眼底の凝固/刺激のために使用する一方で、他方のレーザ光線は眼底のスキャン撮像のために利用し、この場合、両レーザ光線は平行にかつ同時に利用される。この解決策でレーザ光線走査システムを有する眼科機器が提供され、この機器でモニター上の眼底の特定箇所にマーキングを施し、またこの箇所の満足できる画像を作成することができる。]
[0015] 眼底部を同時に撮像し、また網膜上への治療用レーザを照射するための第三の可能性はスリットランプの使用にある。しかし、これをピンポイントで位置決めできるようにするためには、眼球を固定することが必要である。通常固定はコンタクトレンズにより達成される。さらに、このコンタクトレンズは、眼の屈折力の補償にも利用される。]
[0016] この場合、スリットランプを用いたレーザ凝固は、コンタクトレンズを必要とする点とその再現性が極めて低い点が不利に作用する。
加えて、網膜上のレーザ・スポットの位置決め精度は操作者によって著しく左右されるが、これは、ピンポイント治療または診断は、レーザ・ポイントにより網膜上の所望のポイントが正確に走査されるようにスキャナの向きが正確に調整されているときにしか実施できないためである。そのためには、スキャナと、治療用または診断用レーザとの間の手の込んだ同期化が絶対必要不可欠である。処置の際に最大許容インパルスエネルギーを超えないようにするためには、ラスター走査するレーザ光線の興味深いポイント上の滞留時間を、複雑な位置決め装置と強度監視により、レーザ光線の強度に従属して管理することが必要である。]
[0017] 国際特許出願公開第2007/035855号に記載された方法ならびに対応する機器はスリットランプの原理に基づくものであるが、これは、患者の眼の網膜でパターン支援によるレーザ凝固を実施するためのスキャンユニットを追加することで拡張されている。しかしながら、このためには、眼の屈折力を補償するために、もしくは凝固のためのレーザのビーム形成を実行するために利用されるコンタクトレンズを患者の眼球上で位置決めすることを必要とする。さらに眼底カメラと比較して観察領域が非常に小さいため、網膜の局所治療しか行えない。これはスリットランプの基本的な構成が原因である。網膜のより大きな領域を治療するためには、患者の眼球を動かすか、または特殊なコンタクトレンズを使用しなければならない。]
[0018] さらに、眼底像を基にした凝固レーザの位置決めを行うこと、ならびに設定された凝固点をドキュメント化することは不可能である。視野測定、蛍光イメージング、スペクトル分析または光干渉断層撮影のような診断方法も同じく不可能である。]
発明が解決しようとする課題

[0019] 本発明の課題は、近接非接触方式で眼を観察、検査、診断および/または治療するための眼科機器および方法を開発することである。この際に、好ましくはその構成が眼底カメラあるいは検眼鏡を基とするこの機器で、診断および/または治療に関係なく、観察あるいは画像捕捉が可能になるべきである。特に、この開発対象である解決策では、高い再現性と、検査から診断を経て治療の経過までの自動ドキュメンテーションが可能になるべきである。]
課題を解決するための手段

[0020] 本発明ではこの課題はそれぞれの独立請求項の各特徴により解決される。好ましい発展形態および実施形態が従属請求項の対象である。
眼の観察、検査、診断および/または治療のための本発明に従った眼科機器は、1つの第1の照射源から発して眼に至る、1つの有孔ミラーおよび1つの結像光学系が使用に供されている1つの照射ビームパスと、眼から発して結像光学系を介して有孔ミラーを通り検出器に至る、1つの観察ビームパスとにより構成される。さらに、この眼科機器は、1つの第2の照射源から発して眼に至る、結像光学系と並んで1つのスキャンユニット、1つの対物レンズおよび1つのビームスプリッタが使用に供されている、1つのスキャン照射用のビームパスを利用できるようになっている。そこでは結像光学系も、またビームパス全体も、内部反射がない仕様となっている。スキャン照射用のビームパス内に配置されたスキャンユニットは1つの静電駆動型または/および電流駆動型の双方向チルトミラーとして形成されているか、または2つの静電駆動型または/および電流駆動型の一方向チルトミラーとして形成されている。静電駆動型または/および電流駆動型の一方向チルトミラーを2つ使用する場合は、両ミラーの中間像の形成が相前後して行われることが好ましい。]
[0021] 本発明に従った眼の観察、検査、診断および/または治療のための方法では、眼は、観察と検査のために第1の照射源によって、また診断および/または治療のために第2の照射源で、相互に独立して照射される。眼から発する、第1の照射源により起こされた光も、また第2の照射源により起こされた光も、結像光学系を介し、有孔ミラーを通って検出器上に結像され、記録され、演算処理され、評価され、ドキュメント化され、また記憶される。]
[0022] 在来のレーザ走査検眼鏡ではレーザは例えば画像作成のためにも、また診断/治療のためにも光源として使われる。そのために網膜上の映像領域は、共振モードで動作されるスキャナ(ガルバノスキャナ、ポリゴン)を介してレーザによりラスター走査される。これとは対照的にわれわれが請求する解決策では、画像撮影は広視野照射と1つのカメラによって行われ、これによりカメラの時間分解能の範囲内で、全ての画像情報を利用することができる。]
[0023] 本発明に従った解決策では画像撮影は広視野照射と1つのカメラによって行われ、この結果、カメラの時間分解能の範囲内で、全ての画像情報を利用することができる。したがって画像作成は、診断および/または治療から切り離される。]
[0024] これは、画像作成のためのラスター内のレーザ・スポットが治療対象あるいは診断対象である位置に到達している場合は、診断および/または治療を、離散した時点だけに限らず、ありとあらゆる任意の時点で行うことが可能であることを意味する。]
[0025] レーザスキャナの調整時間面での制約は、ミラーの慣性モーメント、ならびに静電駆動または/および電流駆動による作動力および機械的な作動力によるものだけに限られる。レーザ光源とスキャンユニットとの手の込んだ同期化を放棄できることから、潜在的な故障源がなくなる。]
[0026] 提案される解決策によって解決される課題は、眼底部の撮像を、治療用レーザあるいは診断用レーザのピンポイント照射と組み合わせることにある。診断用レーザあるいは治療用レーザの照射地点を決定し、照射中は監視しなければならないため、これは必要不可欠である。そのほかに、眼底部のトポロジの検査中になおも、綿密なピンポイント診断が可能であることは、例えば腫瘍性の組織を念入りに検査するために、有意義でありえる。]
[0027] この診断あるいは治療の可能性はこの場合眼球を固定することなく行われる。非接触式作業によって、感染の特別なリスクは低減する。網膜上の治療あるいは診断ポイントの位置を監視するために、この位置を示す1つの標的光線が使用されるとよい。]
[0028] さらに、治療用レーザおよび診断用レーザと1つの眼底カメラを組み合わせた適用例においては、全ての既存のツールと設定補助、例えば眼底カメラ位置決め補助、焦点合わせ補助および固定補助が、容易で速やかな使用のために準備されていることが重要である。]
[0029] 眼底カメラの光学的な構成が原因で、レーザスキャナを眼底カメラのビームパス内に問題なく簡単にカップリングさせることは不可能である。網膜の全ての領域への診断用レーザあるいは治療用レーザの均一な結像を保証するために、レーザスキャナは光軸上でカップリングされなければならない。しかしながら、この場合は、使用されるレンズの中央での反射が不可避であるという問題が生じる。網膜から拡散反射される信号が低強度であることから、網膜信号はこの反射の陰にかなり隠れてしまうことになる。]
[0030] 本発明は、近接非接触方式で眼を観察、検査、診断および/または治療するための眼科機器および方法の態様で解決策を具現するものである。好ましくは、その構成が眼底カメラあるいは検眼鏡を基とするこの機器で、診断および/または治療に関係なく、観察あるいは画像捕捉が可能となる。したがって、同じ1つの眼で、多数の検査、診断、さらにはなんと治療までをも、1つの機器だけにより実行する可能性がもたらされることになる。加えて、高い再現性と、検査から診断を経て治療の経過までの自動ドキュメンテーションの可能性により、複数の別体の単独機器に対して、実質的な長所がもたらされることになる。]
[0031] 本発明の解決策を以下に例示的実施形態を参照にして詳細に説明する。]
図面の簡単な説明

[0032] 従来の技術による眼底カメラの概略的構成図。
スキャン照射用のビームパス内に1つのチルトミラーを持つ本発明に従った眼科機器の概略的構成図。
スキャン照射用のビームパス内に2つのチルトミラーを持つ本発明に従った眼科機器の概略的構成図。
2つのレーザ源をスキャン照射用のビームパス内に入射するための変形例を示す図。]
実施例

[0033] 提案される技術的な解決策をより良く具体的に説明するために、まずもう一度周知の従来技術に触れる。そのために図1には公知の眼底カメラの概略的構成が示されている。
この従来の技術の眼底カメラでは、1つの照射源BQから発する照射光BLは1つの有孔ミラーLSおよび1つの結像光学系AOを介し、瞳孔Pを通って眼の網膜R上に結像される。眼の網膜Rから反射された光は画像作成のために眼の瞳孔Pを通り、結像光学系AOを介して有孔ミラーLSを通って1つの検出器D上に結像される。この場合、網膜Rの結像から、結像光学系AOおよび有孔ミラーLSの間に1つの中間像Zが作成されて、有孔ミラーLSの開口を通して、CCDカメラの形の検出器D上に結像される。] 図1
[0034] この場合、照射源は白色または赤外照射光BLを発生する。白色光は、この場合、一方では例えば白熱電球またはハロゲンランプのような在来の光源の連続スペクトルとして放射されるようにしてもよいし、または他方では放射スペクトルが異なる(例えば赤、緑、青)複数の光源(例えば複数のLED)から加法混色されるようにしてもよい。この場合、照射は水晶体までは環状であり、この結果、角膜の中心には非照射領域が残り、この領域を介して観察が行われる。]
[0035] 既に述べたように、眼底カメラは眼科における最も重要な診断器具の1つである。その助けで眼底部の広視野像を撮影し、これから診断を導くことが可能ではあるが、凝固による治療はこのシステムでは不可能である。]
[0036] 眼の観察、検査、診断および/または治療のための本発明したがった眼科機器は、1つの第1の照射源から発して眼に至る、1つの有孔ミラーおよび1つの結像光学系が使用に供されている1つの照射ビームパスと、眼から発して結像光学系を介して有孔ミラーを通り検出器に至る、1つの観察ビームパスとにより構成される。さらにこの眼科機器は、1つの第2の照射源から発して眼に至る、結像光学系と並んで1つのスキャンユニット、1つの対物レンズおよび1つのビームスプリッタが使用に供されている、1つのスキャン照射用のビームパスを利用できるようになっている。そこでは結像光学系も、またビームパス全体も、内部反射がない仕様となっている。スキャン照射用のビームパス内に配置されたスキャンユニットは、1つの静電駆動型または/および電流駆動型の双方向チルトミラーとして形成されているか、または2つの静電駆動型または/および電流駆動型の一方向チルトミラーとして形成されている。静電駆動型または/および電流駆動型の一方向チルトミラーを2つ使用する場合は、ミラーの中間像の形成が相前後して行われることが好ましい。]
[0037] ビームパス全体、および特に結像光学系の上述の無反射仕様は、そうでない場合はカメラ上での画像作成のために使用される照射が結像対物レンズ内で反射されたレーザ光の陰に隠れてしまうために、提案される技術的解決策が機能するための重要な前提条件である。]
[0038] 第1の有利な実施形態ではスキャンユニットはMEMS技術で実施され、準静的モードで使用される。この場合、スキャンユニットはレーザ光源あるいは結像光学系の横収差を補償することができる。この補償はこの場合、さまざまな波長に対して連続して実施されることが好ましい。これにより網膜上のレーザ・スポットの位置を、レーザ波長が異なる場合でも、特に光学収差がある場合でも、高い再現性で保証することができる。結像光学系の横収差を補正し、これにより波長が異なるレーザ・スポットの網膜上の位置を補正するさらにもう1つの可能性は、前以て色補正されたスキャン対物レンズの使用である。]
[0039] 第2の有利な実施形態では眼の非正視の補償のために、少なくとも1つの光学構成ユニットが変位可能であるように配置されている。光学構成ユニットは、スキャン照射用のビームパス内に配置された対物レンズであるか、またはスキャンユニットへのレーザのコリメート用に備えられたコリメーション光学系であるとよい。この際に複数のレーザを使用する場合は、1つまたは複数のコリメーション光学系が変位可能であるとよい。]
[0040] この場合には、非正視があるにもかかわらず網膜上のレーザ・スポットのピンポイント結像が行われることが保証される。そのためには非正視を、球面異常、およびオプションとして円柱面異常、あるいはより高次の異常を表わす数値を用いて、眼底カメラのような眼科機器によって自動的に算出し、レーザを網膜上に結像する際にこれに配慮することが好ましい。]
[0041] 別の好ましい実施形態では、眼科機器がマーキングを表示するための手段、ならびに、マーキングを形、波長、強度ならびにインパルスの継続時間および順序に関して変更するための手段を利用できるようになっている。照射光源から放出された光は、既存の制御ユニットによって、形、波長、強度ならびにインパルスの継続時間および順序に関して変更され、その閾値が監視される。]
[0042] この閾値に達した場合、あるいは他の予測不能な事象の場合は、制御ユニットがさまざまな安全性に関連するアッセンブリを介してレーザ源をオフにすることで、診断あるいは治療が中断されるとよい。そのために、可能性のある誤りを、ほとんどゼロになるくらいのある1つの最小値に減少させるために、制御ユニットにより網膜上のレーザ・スポットの位置管理も行われるようになっている。]
[0043] この場合、既存の安全機構は、エラーの場合に特に標的光線および治療光線のレーザエネルギーを危険のない最小値に減少するような精度と速度で作動しなければならない。この他に既存の安全機構は相互に独立して、また、ユーザによる可能性のある誤操作からも独立して作動しなければならない。]
[0044] さらにもう1つの本発明の主要特徴はスキャン照射のカップリングに見出せる。そのためにスキャン照射用のビームパス内に備えられる、ダイクロイック・ビームスプリッタ、または偏光依存型ビームスプリッタとして実施されるビームスプリッタは、第2の照射源がスキャンユニットと対物レンズを介して瞳孔内の中央に結像されるように配置されている。]
[0045] これについて図2は眼のスキャン照射用のビームパスを備える本発明の眼科機器の概略的構成図を示す。ここでも照射源BQから発する照射光BLは、1つの有孔ミラーLSおよび1つの結像光学系AOを介し瞳孔Pを通って眼の網膜R上に結像され、また眼の網膜Rから反射された光は、画像作成のために眼の瞳孔Pを通り、結像光学系AOを介して、中間像Zを形成しながら、有孔ミラーLSの開口を通して検出器D上に結像される。検出器Dとしては通常CCDカメラまたはCMOSカメラが使用される。] 図2
[0046] 眼の観察、検査、診断および/または治療のための本発明に従った眼科機器は、この公知の機器にさらに追加して、1つのスキャン照射用のビームパスを利用できるようになっている。レーザ源LQのレーザ光LLは、1つのコリメーション光学系KO、単独の静電駆動型または/および電流駆動型の双方向チルトミラーKSを備えるスキャンユニットSE、対物レンズOおよび1つのビームスプリッタSTを介して眼の網膜R上に結像される。この場合、ダイクロイック・ビームスプリッタ、または偏光依存型ビームスプリッタとして実施されるビームスプリッタSTは、レーザ光源LQのレーザ光LLが眼の瞳孔P内の中央に結像するように配置されている。]
[0047] スキャンユニットSEの運動およびこれに結びつくレーザLLの偏向角の変化は、眼の瞳孔P内のレーザ光LLの角度変化、ひいては網膜R上のレーザ・スポットの位置の変更に該当する。この場合、レーザが眼に入る条件、例えば角膜上の光線直径および開口数は、網膜の治療手術が実施されることになる、スリットランプのコンタクトレンズの出口条件に相当する。しかしながら、これとは異なり、眼の屈折力を補償するためのコンタクトレンズが使用されることはない。]
[0048] レーザを診断用あるいは治療用に使用することは、到達可能なスキャン領域内で網膜R上のレーザ・スポットの位置を自由に決め得ることを必要とする。眼の瞳孔P内へのスキャンユニットSEの結像のために、1つのスキャンミラーが単独で使用されると有利である。MEMS(微小電子機械システム)技術で実施される、静電駆動型または/および電流駆動型の双方向チルトミラーは、準静的モードで1つの旋回点を中心に2軸方向に傾動可能であるという利点を持っている。]
[0049] 代替として、図3に示されているように、2つの一方向チルトミラーをスキャンユニットSEとして使用することもできる。この場合、第1のチルトミラーを中間光学系を使用して第2のチルトミラー上に結像させると有利であることが判明している。さもなければ、これに続くスキャンユニットSEの結像を最適な形で行うことができるのは、せいぜいこれらのミラーの内のいずれか一方だけとなってしまうからである。] 図3
[0050] 既に述べた(図2に示される)機器に加えて、レーザ光源LQのレーザ光LLは、コリメーション光学系KO、2つの静電駆動型または/および電流駆動型の一方向チルトミラーKS1およびKS2を持つスキャンユニットSE、および対物レンズOおよび1つのビームスプリッタSTを介して眼の網膜R上に結像される。この場合、ダイクロイック・ビームスプリッタ、または偏光依存型ビームスプリッタとして実施されるビームスプリッタSTは、レーザ光源LQのレーザ光LLが眼の瞳孔P内の中央に結像するように配置されている。第1のチルトミラーKS1を第2のチルトミラーKS2上に結像させるために、両チルトミラーKS1およびKS2の間に1つの中間光学系ZOが配置されている。ここでも対物レンズOが、ビームスプリッタSTおよび結像光学系AOと共に、眼の瞳孔P内へのスキャンユニットSEの結像を保証する。] 図2
[0051] これらのチルトミラーは、静電駆動部に直流Uが印加された場合、これに比例した角度θ分だけ傾動し、またこの位置を直流Uの値が変化するまで維持するという特性を備えている。これにより、偏向されたレーザの明確に定義された静的位置決めが可能になる。電流駆動による場合は、ミラーは、ミラーに接続されたコイルに流れる直流Iによって、その電流に比例した角度θ分だけ静的に偏向される。]
[0052] さらに、本発明に従ったこの機器により、第2の照射源の複数の単独光束を同時に、走査しながら眼上に投影することが可能である。そのために第2の照射源は、複数のレーザ光源の形の複数の単独光源、ならびに、いずれもスキャン照射用のビームパス内のスキャンユニットの手前側に備えられる、個々の光線の同時カップリングを実現するために必要なビームスプリッタおよびコリメーション光学系からなる。]
[0053] これについて図4は2つのレーザ源をスキャン照射用のビームパス内にカップリングするための1つの変形例を示す。レーザ光源LQはそこでは2つのレーザ源LQ1およびLQ2からなり、各レーザ源のコリメートされたレーザ光束LL1およびLL2は、それぞれのコリメーション光学系KO1およびKO2ならびにビームスプリッタST1を介して、スキャンユニットSEと対物レンズOの前でスキャン照射用のビームパス内にカップリングされる。この場合に、対物レンズOはビームスプリッタSTおよび結像光学系AOと共同で、スキャンユニットSEの結像、すなわち、そこに同時に結像される全てのレーザ光束LLが、眼の瞳孔P内へ結像されることを保証する。] 図4
[0054] この場合、レーザ光源LQは2つ以上のレーザ源LQからなり得、それらのレーザ光束LLは、コリメーション光学系KOおよびビームスプリッタST1を介して、スキャンユニットSEの前でスキャン照射用のビームパス内にカップリングされる。]
[0055] 例えば機器のこの変形例は、治療光線または刺激光線と並んで蛍光検査またはその類の目的で、さらにもう1つの可視スペクトル域の標的光線を眼中に投影するために使用することができる。]
[0056] 両照射光源の光束が眼の光学的境界面のところで拡幅され、この結果、検出器の方向への反射が網膜上のレーザ・スポットの結像と比較して低強度を持つことは有利に作用する。したがって、レーザの高い放射強度にもかかわらず、標的レーザおよび治療用レーザを、これらが反射光の陰に隠れたりすることなく、電子的に観察することが可能になることが保証される。場合によっては、この際に検出器の前でフィルタによる減衰が実行されると有利である。]
[0057] 別の有利な実施形態は、画像処理および画像評価のための手段、ならびに画像と患者データのドキュメンテーションと記憶のための手段を備えている。この場合に、眼科機器は眼をオンラインで観察するための接眼レンズおよび/またはモニターあるいはディスプレイを利用できるようになっている。]
[0058] このために、カルテや治療計画の作成に際してもユーザを支援する、計算ユニットを備えることが好ましい。さらに、この計算ユニットは全ての動作制御データの算出、および全ての照射工程の監視に使用される。]
[0059] 診断および/または治療を実行するために、スキャン照射用のビームパス内にあるスキャンユニットSEは、制御ユニットによって、第2の照射源BQの光が眼の瞳孔Pを通り網膜Rの問題とされる領域上に結像されるように制御される。]
[0060] 網膜上に集束されたレーザ光によって、例えば組織から拡散反射された光(後方散乱、自己蛍光)、または注入した蛍光造影剤に基づいて、説得力のある診断を下すことができる。他方では網膜上に集束されたレーザ光は、エネルギー密度が十分に高い場合には、例えば網膜の機械的固定または代謝工程への影響付与などの治療目的でも利用することができる。]
[0061] そのためには、第2の照射源の強度を弱めることができるようにすると有利であり、この結果、光凝固と並んで他の各種レーザ治療、例えば網膜のさまざまな領域を局所的に暖めることによるバイオスティミュレーションが可能になる。]
[0062] この場合、広視野照射を使用すると有利であるが、これは診断/治療を画像作成から切り離すことで診断および/または治療過程のオンライン監視が可能になるからである。それにより、診断および治療中に網膜上のレーザ・スポットの位置の永続的な管理を行うことができる。したがって、ほかにも、活性化されたレーザ・スポットの網膜上での光学反応を監視し、これに付属する測定値を算出し、前以て定められた閾値に達した場合には照射光源のスイッチオフが誘発されるようにすることも可能である。]
[0063] 別の好ましい実施形態では、光をマーキングの態様で眼中に投影するために、第2の照射源を使用できるようになっている。これによって、眼球の辺縁領域を検査するために、このマーキングに眼球を固定することで、患者の視線を狙い通りの向きに合わせることが可能となる。]
[0064] 別の有利な実施形態は、第2の照射源から時間と場所が変化する光マークおよび/または光フィールドを眼球内に投影し、患者が、これを知覚できるか否かについて、適切な手段を利用して応答することから生じる。これにより本発明に従った眼科機器は、なんと視野測定検査、すなわち患者の網膜上の映像領域の決定にも利用することができる。このために時間と場所が変化する光マークおよび/または光フィールドのデータ、ならびに知覚力に関する患者の肯定応答/否定応答がドキュメント化されて記憶される。]
[0065] このためには広視野照射(第1照射源)において、X−Y偏向が可変であるマーキング(第2照射源)が網膜上に投影される。これらのスポットは、その際には有利なことにも、さまざまな強度(数μWからレーザクラス1の限界値まで)ならびに時間変調(例えば、さまざまなパルス幅と周波数で点滅)で、さまざまな幾何形状、例えば十字状、環状、点状またはその類を有するようになっている。]
[0066] 例えばボタンを押すことによる、知覚力に関する患者からの主観的な返答は、記録され、ドキュメント化されて、評価される。
ここでもまた広視野照射の利用により、視野測定検査中の網膜上のマーキングの位置の永続的な管理が可能である。したがって操作者によるオンライン監視によって、知覚力に関する患者の返答の妥当性を容易に検査することができる。]
[0067] 別の有利な実施形態では、本発明に従った機器を眼の蛍光イメージングのために利用することができる。眼の蛍光励起は第2の照射源によって行われ、第2の照射源はこのために紫外、可視または赤外スペクトルを放出する。眼球内でトリガされた蛍光信号は、続いて1つの波長選択性の検出器により記録されることが好ましい。]
[0068] この場合は、超短パルスを放出するレーザをスキャン照射用の照射源として使用すると、非常に有利に作用する。眼球内の蛍光励起はここでもまた紫外、可視または赤外スペクトルで行われ、この場合パルス持続時間はns、psまたはfsの領域にある。この場合は、しかしながら、眼球内でトリガされた蛍光信号を記録するために時間分解能が高い1つの検出器、例えばTCSPC(time correlated single photon counting:時間相関単一光子計数法)原理で作動する検出器が使用される。本発明に従った機器のこの特別な実施形態により、眼の蛍光寿命イメージングを実施することが可能である。]
[0069] 眼の観察、検査、診断および/または治療のための眼科機器の別の有利な実施形態として、1つには、標的レーザを使用し、処置(診断または治療)の間に治療用レーザ光がこの標的レーザに追従することが提案される。これにより処置工程のより簡単な観察が可能になる。他方ではアイ・トラッカを使用して網膜の運動を監視し、この結果、眼球の動きによる処置ミスを回避することができる。1つのアイ・トラッカで眼球の位置も、またその配向(視線)も監視することができる。]
[0070] 本発明に従った眼の観察、検査、診断および/または治療のための方法においては、眼は観察と検査のために、1つの第1の照射源により、1つの既存の有孔ミラーおよび1つの結像光学系を介して照射され、眼から出る光は結像光学系を介し、有孔ミラーを通り1つの検出器上に結像される。付加的に眼は診断および/または治療のために第2の照射源により1つのスキャンユニット、1つの対物レンズおよびビームスプリッタ、および結像光学系を介して照射され、この場合、スキャンユニットは1つまたは複数のチルトミラーの形で、双方向に静電駆動または/および電流駆動される。この場合、結像光学系もまたビームパス全体も内部反射が生じないような仕様としている。]
[0071] ビームパス全体、および特に結像光学系のこの無反射仕様は、そうでない場合はカメラ上での画像作成のために使用される照射が結像対物レンズ内で反射されたレーザ光の陰に隠れてしまうために、提案された技術的な解決策が機能するための重要な前提条件である。]
[0072] この場合、診断および/または治療のために、スキャンユニットが、MEMS技術で実施される、静電駆動型または/および電流駆動型の1つの双方向性チルトミラー、または2つの一方向性チルトミラーの態様で実施され、準静的モードで動作されると非常に有利である。これによってスキャンユニットはレーザ光源あるいは結像光学系の横収差を補償することができる。この補償はこの場合さまざまな波長に対して連続して実施されることが好ましい。結像光学系の横収差を補正し、それにより異なるレーザ波長のレーザ・スポットの網膜上の位置を補正するさらにもう1つの可能性は、前以て色補正されたスキャン対物レンズの使用である。これにより網膜上のレーザ・スポットの位置を、異なるレーザ波長の場合、特に光学収差がある場合でも、高い再現性で保証することができる。]
[0073] さらに眼に非正視がある場合は、スキャン照射の際に、スキャン照射用のビームパス内に少なくとも1つの光学構成ユニットが変位可能であるように配置されていることで、この非正視を補正することができる。この光学構成ユニットは、スキャン照射用のビームパス内に配置された対物レンズであるか、またはスキャンユニットへのレーザのコリメート用に備えられたコリメーション光学系であるとよい。この際に複数のレーザを使用する場合は1つまたは複数のコリメーション光学系が変位可能であるとよい。これにより、非正視があるにもかかわらず網膜上のレーザ・スポットのピンポイント結像が行われることが保証される。そのためには非正視を、球面異常、およびオプションとして円柱面異常、あるいはより高次の異常を表わす数値を用いて、眼底カメラのような眼科機器によって自動的に算出し、レーザを網膜上に結像する際にこれに配慮することが好ましい。]
[0074] 第2の照射光源を、眼の観察ならびに検査あるいは診断および/または治療処置の際のさまざまな課題に対して最適化できるようにするために、第2の照射光源は網膜上に、形、波長、強度ならびにインパルスの継続時間および順序に関して可変であり、その閾値が監視されるようになっているスポットまたはほかにもマーキングを結像できるようになっている。]
[0075] この閾値に達した場合、あるいは他の予測不能な事象の場合に、制御ユニットがさまざまな安全性に関連するアッセンブリを介してレーザ源をオフにすることで、診断あるいは治療が中断されるとよい。そのために、可能性のある誤りを、ほとんどゼロになるくらいのある1つの最小値に減少させるために、制御ユニットにより網膜上のレーザ・スポットの位置管理も行われるようになっている。]
[0076] この場合、既存の安全機構は、エラーの場合に特に標的光線および治療光線のレーザエネルギーを危険のない最小値に減少するような精度と速度で作動しなければならない。この他に既存の安全機構は相互に独立して、また、ユーザによる可能性のある誤操作からも独立して作用しなければならない。]
[0077] 本発明にとり重要なこの方法のさらにもう1つの工程は、スキャン照射のカップリングである。そのためにスキャン照射用のビームパス内に備えられる、ダイクロイック・ビームスプリッタ、または偏光依存型ビームスプリッタとして実施されるビームスプリッタは、第2の照射源がスキャンユニットと対物レンズを介して瞳孔内の中央に結像されるように配置されている。]
[0078] 前述のように本発明に従った眼科学の方法では、第1の照射源から発する光は1つの有孔ミラーおよび1つの結像光学系を介して瞳孔を通って眼の網膜上に結像され、また眼の網膜から反射された光は画像作成のために眼の瞳孔を通り、結像光学系を介して、中間像を形成しながら、有孔ミラーの開口を通して1つの検出器上に結像される。検出器としては通常CCDカメラまたはCMOSカメラが使用される。この公知の手順に加えて、眼の診断および/または治療のために、1つのスキャン照射用のビームパスを利用して、1つの第2の照射源の光が、1つのスキャンユニット、1つの対物レンズおよび1つのビームスプリッタを介して眼の網膜上に結像される。この場合、ダイクロイック型ビームスプリッタまたは偏光依存型ビームスプリッタとして実施されるこのビームスプリッタは、第2の照射源の光が眼の瞳孔内の中央に結像されるように配置されている。この場合、第2の照射源は、少なくとも1つ、しかし好ましくは複数のレーザ源からなり、そのコリメートされた光線は、ビームスプリッタを介して、スキャンユニットおよび対物レンズの前で、スキャン照射用のビームパス内にカップリングされる。]
[0079] スキャンユニットの運動およびこれに結びつく光の偏向角の変化は、眼の瞳孔内の光の角度変化、ひいては網膜上の光スポットの位置の変更に該当する。この場合、レーザが眼に入る際の条件、例えば網膜上の光線直径および開口数は、網膜の治療手術が実施されることになる、スリットランプのコンタクトレンズ出口条件に相当する。しかしながら、これとは異なり、眼の屈折力を補償するためにコンタクトレンズが使用されることはない。]
[0080] レーザを診断用あるいは治療用に使用することは、到達可能なスキャン領域内で網膜上のレーザ・スポットの位置を自由に決め得ることを必要とする。眼の瞳孔内へのスキャンユニットの結像のために、1つのスキャンミラーが単独で使用されると有利である。MEMS技術で実施された、静電駆動型または/および電流駆動型の双方向チルトミラーは、準静的モードで1つの旋回点を中心に2軸方向に傾動可能であるという利点を持っている。代替として、2つの一方向チルトミラーをスキャンユニットとして使用することもできる。この場合、第1のチルトミラーを中間光学系を使用して第2のチルトミラー上に結像すると有利であることが判明している。さもなければ、これに続くスキャンユニットの結像を最適な形で行うことができるのは、せいぜいこれらのミラーの内のいずれか一方だけとなってしまうからである。これらのチルトミラーは、静電駆動部に直流Uが印加された場合、これに比例した角度θ分だけ傾動し、またこの位置を直流Uの値が変化するまで維持するという特性を備えている。電流駆動による場合は、ミラーは、ミラーに接続されたコイルに流れる直流Iによって、その電流に比例した角度θ分だけ静的に偏向される。これにより、偏向されたレーザの明確に定義された静的位置決めが可能になる。]
[0081] さらに本発明に従った方法により、第2の照射源の複数の単独光束を同時に、走査しながら眼上に投影することが可能である。そのために第2の照射源は、複数のレーザ光源の形の複数の単独光源からなり、その個々の光線を、ビームスプリッタおよびコリメーション光学系を介してスキャン照射用のビームパス内にカップリングして、これらを同時にスキャンユニットを介して眼球内に投影できるようになっている。]
[0082] この場合に、スキャンユニットの結像、すなわち、そこに同時に結像される全てのレーザ光束が、眼の瞳孔内へ走査投影されることが保証される。
例えば機器のこの変形例は、治療光線または刺激光線と並んで蛍光検査またはその類の目的で、さらにもう1つの可視スペクトル域の標的光線を眼中に投影するために使用することができる。]
[0083] 両照射光源の光束が眼の光学的境界面のところで拡幅され、この結果、検出器の方向への反射が網膜上のレーザ・スポットの結像と比較して低強度を持つことは有利に作用する。したがってレーザの高い放射強度にもかかわらず、標的レーザおよび治療用レーザを、これらが反射光の陰に隠れたりすることなく、電子的に観察することが可能になることが保証される。]
[0084] 観察および検査のためにも、また治療のためにも、検出器によって記録された画像が処理され、評価され、ドキュメント化されて、患者データと共に記憶されると好適である。このために、診断および治療計画の作成に際してもユーザを支援する計算ユニットを使用することが好ましい。さらにこの計算ユニットは全ての動作制御データの算出、および全ての照射工程の監視に使用される。この計算ユニットと並んで、眼のオンライン観察のための接眼レンズおよび/またはモニターあるいはディスプレイを備えている。]
[0085] 診断および/または治療を実行するために、スキャン照射用のビームパス内に備えられたスキャンユニットは、制御ユニットによって、第2の照射源の光が眼の瞳孔を通り網膜の問題とされる領域上に結像されるように制御される。]
[0086] 網膜上に集束されたレーザ光によって、例えば組織から拡散反射された光(後方散乱、自己蛍光)、または注入した蛍光造影剤に基づいて、説得力のある診断を下すことができる。他方では網膜上に集束されたレーザ光は、エネルギー密度が十分に高い場合には、例えば網膜の機械的固定または代謝工程へ影響付与などの治療の目的でも利用することができる。]
[0087] そのためには、第2の照射源の強度を弱めることができるようにすると有利であり、この結果、光凝固と並んで他の各種レーザ治療、例えば網膜のさまざまな領域を局所的に暖めることによるバイオスティミュレーションが可能になる。]
[0088] この場合、広視野照射を使用すると有利であるが、これは診断/治療を画像作成から切り離すことで診断および/または治療過程のオンライン監視が可能になるからである。それにより、診断および治療中に網膜上のレーザ・スポットの位置の永続的な管理を行うことができる。したがって、ほかにも、活性化されたレーザ・スポットの網膜上での光学反応を監視し、これに付属する測定値を算出し、前以て定められた閾値に達した場合には照射光源のスイッチオフが誘発されるようにすることも可能である。]
[0089] 本発明に従った方法は、第2の照射源から光が、患者がその視線の向きを合わせるために利用するマーキングの態様で眼球内に投影される場合は、患者の視線を狙い通りの向きに合わせるためにも使用することができる。このマーキングに眼球を固定することで、眼の辺縁領域を検査することが可能になる。]
[0090] 本発明にとり重要なさらにもう1つの実施形態は、第2の照射源から時間と場所が変化する光マークおよび/または光フィールドを眼球内へ投影し、患者が、これを知覚できるか否かについて、適切な手段を利用して応答した場合に生じる。これにより本発明に従った眼科的方法は、なんと視野測定検査、すなわち患者の網膜上の映像領域の決定にも利用することができる。このためには時間と場所が変化する光マークおよび/または光フィールドのデータ、ならびに知覚力に関する患者の肯定応答/否定応答が、ドキュメント化されて記憶される。]
[0091] このためには、広視野照射(第1照射源)において、X−Y偏向が可変であるマーキング(第2照射源)が網膜上に投影される。これらのスポットは、その際には有利なことにも、さまざまな強度(数μWからレーザクラス1の限界値まで)ならびに時間変調(例えば、さまざまなパルス幅と周波数で点滅)、およびさまざまな波長(紫外、可視または赤外光)で、さまざまな幾何形状、例えば十字状、環状、点状またはその類を有するようになっている。]
[0092] オプションとして眼底を特別な波長を持つ広視野照射(第1光源)でくまなく照射することができる。
別の有利な実施形態は、例えば眼の辺縁領域を検査するための、内部固定標的による患者の視線誘導である。]
[0093] 例えばボタンを押すことによる、知覚力に関する患者からの主観的な返答は、記録され、ドキュメント化されて、評価される。
ここでもまた広視野照射の利用により、視野測定検査中の網膜上のマーキングの位置の永続的な管理が可能である。したがって、操作者によるオンライン監視によって、知覚力に関する患者の返答の妥当性を容易に検査することができ、また必要である場合は幾何形状、強度、波長ならびに時間変調に関してこの刺激の適合化が行われる。]
[0094] 眼の観察、検査、診断および/または治療のための眼科機器の別の有利な実施形態として、1つには、標的レーザを使用し、これを処置(診断または治療)の間に治療用レーザ光が追従することが提案される。これにより治療工程のより簡単な観察が可能となる。他方ではアイ・トラッカを使用して網膜の運動を監視し、この結果、眼球が動くことによる処置ミスを回避することができる。1つのアイ・トラッカで眼の位置も、またその配向(視線)も監視することができる。]
[0095] 以下の説明では、本発明に従った眼の観察、検査、診断および/または治療のための方法を簡潔に具体例を示しながら説明すると同時に、バリエーションの多彩性およびその幅広い用途について明らかにする。]
[0096] この方法の開始時に、検査するおよび/または処置する眼球を定義された位置に動かした後、できるだけ正確な診断をするために、さまざまな照射条件で1つあるいは複数の眼底写真が撮影される。既に説明したように、診断をするためにオプションとして、それ以前の時点に撮影された、別の眼科機器に由来するものであってもかまわない、機器内に記憶されている複数の既存の眼底写真を使用することもできる。]
[0097] これに続いて、すなわち眼底写真の評価後、得られた診断を基に治療計画を作成する。ここでは特に照射すべきである網膜上のレーザ・スポットの位置、および治療用レーザのための各種パラメータ、例えば波長、エネルギー、インパルス継続時間、インパルス順序、スポット輪郭形状およびスポット直径を決定する。]
[0098] 複数のレーザ・スポットを、それらの面全体を覆うように照射する場合は、処置対象領域にマーキングを施し、各レーザ・スポットの処置パターンを自動的に生成させることが可能である。さらに、照射対象であるレーザ・スポットが多数の場合、それぞれのチルトミラーの調整時間が最小限となるように、位置決めの順序を最適化することができる。]
[0099] 治療用レーザのためのこれらの位置およびパラメータの決定結果を基に、MEMSミラー、観察工程および画像作成工程のためのさまざまな動作制御データ、ならびに安全装置のためのデータが発生される。標的光線を使用すべきである場合は、このためのデータも作成される。その際には有利なことにも、処置をする眼の非正視にも配慮できるようにしている。]
[0100] 治療開始後は、処置工程の間中、全ての有意な治療データのオンラインで監視およびドキュメンテーションを行うことによって、設定された治療目標と処置結果の間に偏差がある場合は、中断措置を直ちに開始できるようにしている。治療完了後、全ての治療データ、特に網膜上のスポットの位置とこれに付属するレーザデータがドキュメント化される。]
[0101] 本発明に従った解決策をもって、眼の観察および検査と並んで診断および/または治療も可能とする眼科機器および方法が提供される。
別の有利な実施形態では、本発明に従った機器を眼の蛍光イメージングのために利用することができる。眼球内の蛍光励起は第2の照射源によって行われ、第2の照射源はこのために紫外、可視または赤外スペクトルを放出する。眼球内でトリガされた蛍光信号は、続いて1つの波長選択性の検出器により記録されることが好ましい。]
[0102] この場合は、超短パルスを放出するレーザをスキャン照射用の照射源として使用すると、非常に有利に作用する。眼球内の蛍光励起はここでもまた紫外、可視または赤外スペクトルで行われ、この場合パルス持続時間はns、psまたはfsの領域にある。この場合は、しかしながら、眼球内でトリガされた蛍光信号を記録するために時間分解能が高い1つの検出器、例えばTCSPC(correlated single photon counting:時間相関単一光子計数法)原理で作動する検出器が使用される。本発明に従った機器のこの特別な実施形態により、眼の蛍光寿命イメージング実施することが可能である。]
[0103] 加えて提案される解決策により、治療経過のオンライン監視およびドキュメンテーションの可能性がもたらされ、この結果、治療の成果の評価が改善され、また簡易化される。
特に有利であるのは、コンタクトレンズまたは類似物による感染のリスクがもはや存在しないために、完全に近接非接触方式の作業方法である。]
[0104] 従来の技術に比べて提案される解決策は、医師に、1つにはオンライン監視により、また特にオンライン網膜像によって、処置を直接適合させる可能性が与えられるという利点を提供する。したがって、視野測定検査の際には、マーキングの知覚力に関する患者の応答の妥当性をチェックすることができる。マーキングを適応させることで、網膜の医学的に特異な領域に狙いを定めたマイクロ視野測定検査が可能となり、この際に医師はあらゆる時点でマーキングを点検および/または変更することができる。視野測定検査をさらに改善するために、医師によってマーキングの強度、幾何形状または波長が適応方式で適合化されるとよい。]
[0105] 加えて、眼の観察、検査、診断および/または治療のためのこの眼科機器は、特にどのような時点においても診断を下し治療計画を作成することができることから、任意の診断方法および治療方法を組み合わせる可能性を提供する。そのために、以前の診断および治療データを閲覧することも、また新しい眼底写真を撮影することもできるようにしている。]
[0106] したがって、回折分光計あるいは屈折分光計、ならびに適した検出器(フォトダイオード、CCDカメラ)または干渉計と組み合わせることで、眼底から拡散反射された光のスペクトル分析を行うことができる。そのためには分光計、検出器また干渉計も、既存の観察ビームパスを介しても、またスキャンユニットを介しても、前述のビームパス内に組み込まれるようにするとよい。]
[0107] さらに、このような構成により、網膜の組織について深みのある情報を得るために、光干渉断層撮影を実施することができる。レーザ偏光計を用いて眼底部の周期的に並んだ組織構造(例えば神経線維など)の厚さを算出することができる。このためには第2の光源として1つのレーザが、定義された偏光面を用い、スキャンユニットを介してビームパス内にカップリングされる。]
[0108] 網膜内あるいは網膜上の規則的な組織構造により、レーザ光の複屈折が引き起こされる。したがって、その際に生じるこの2つの屈折成分の位相ずれが、規則的に並んだ組織構造の厚さを表わす尺度である。この複屈折を補償することで、患者一人一人について、網膜の規則的な組織構造に関するプライバシー・ステートメントを取得することができる。この場合、利点は、医師による(網膜像に基づく)永続的な監視ならびにレーザ・スポットの場所の変化が非常に早いということにあり、これにより、網膜の医学的に特異な領域の個々の変化を直接決定することができる。]
[0109] さまざまな適応型光学素子(メンブレン・ミラー、空間光変調器)と組み合わせることで、個々の眼の異常を決定して矯正することができるか、あるいは一般的な光学的異常については観察ビームパス中で矯正することができる。]
[0110] MEMS技術で実施される、準静的モードで動作される、静電駆動型または/および電流駆動型の1つの単独双方向チルトミラーの態様で使用されるスキャンユニットの利点は、光線の偏向が同一平面内でx軸およびy軸方向に好ましくは同時に行われ、これによりビームパスが正確に光学系開口中に、すなわち人の虹彩内に結像されるという点にある。]
[0111] R…網膜、P…瞳孔、AO…結像光学系、Z…中間像、LS…有孔ミラー、D…検出器、BG…照射源、BL…照射光、LQ…レーザ光源、LL…レーザ光、KO…コリメーション光学系、SE…スキャンユニット、KS…チルトミラー、O…対物レンズ、ST…ビームスプリッタ]
权利要求:

請求項1
眼の観察、検査、診断および/または治療のための眼科機器であって、1つの第1の照射源(BQ)から発して眼に至る、1つの有孔ミラー(LS)および1つの結像光学系(AO)が使用に供されている1つの照射ビームパスと、眼の網膜(R)から発して、結像光学系(AO)を介して有孔ミラー(LS)を通り検出器(D)に至る1つの観察ビームパスとにより構成される眼科機器において、1つの第2の照射源(BQ)から発して眼の網膜(R)に至る、該結像光学系(AO)と並んで1つのスキャンユニット(SE)、1つの対物レンズ(O)および1つのビームスプリッタ(ST)が使用に供されている、1つのスキャン照射用のビームパスが備えられること、該結像光学系(AO)も、また該ビームパス全体も、内部反射がない仕様となっており、また該スキャンユニット(SE)が、単独の静電駆動型または/および電流駆動型の双方向チルトミラー(KS)として、または複数の静電駆動型または/および電流駆動型の一方向チルトミラー(KS)の態様で構成されていることを特徴とする眼科機器。
請求項2
静電駆動型または/および電流駆動型の一方向または双方向チルトミラー(KS)として実施されている前記スキャンユニット(SE)が、MEMS技術で実施され、準静的モードで使用されることを特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項3
MEMS技術で実施されている前記スキャンユニット(SE)が、前記レーザ源(LQ)の横収差を補償できることを特徴とする請求項1および2に記載の機器。
請求項4
前記スキャン照射用のビームパス内に配置された前記対物レンズ(O)および/または前記スキャンユニット(SE)への前記レーザ光源(LQ)の前記レーザ光(LL)のコリメート用に備えられた前記コリメーション光学系(KO)が、眼の非正視を補償するために変位可能であるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項5
マーキングを表示するための手段、ならびに該マーキングを形、波長、強度ならびにインパルスの継続時間および順序に関して変更するための手段が備えられること特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項6
前記照射光線源(BQ)から放出された光を、形、波長、強度ならびにインパルスの継続時間および順序に関して変更すると共に、その閾値を監視するための1つの制御ユニットが備えられること特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項7
前記第2の照射源(BQ)が、複数のレーザ光源(LQ)の形の複数の単独光源からなり、前記スキャンユニット(SE)の手前側で前記スキャン照射用のビームパス内へのレーザ光(LL)の同時カップリングを実現するために、ビームスプリッタ(ST)およびコリメーション光学系(KO)が備えられること特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項8
前記第2の照射源(BQ)が、眼球内の蛍光励起のために1つの紫外、可視または赤外スペクトルを有しており、また相関関係にある眼の蛍光信号を記録するために、1つの波長選択性の検出器(D)が備えられること特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項9
スキャン照射のための前記第2の照射源(BQ)が、超短パルスを放出する1つのレーザであり、また前記相関関係にある眼の蛍光信号を記録するために、時間分解能が高い1つの検出器(D)が備えられること特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項10
前記スキャン照射用のビームパス内に備えられる、ダイクロイック・ビームスプリッタ、または偏光依存型ビームスプリッタとして実施される前記ビームスプリッタ(ST)が、前記第2の照射源(BQ)が前記スキャンユニット(SE)および前記対物レンズ(O)を介して眼の瞳孔(P)内の中央に結像されるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項11
画像処理および画像評価のための手段、ならびに画像および患者データのドキュメンテーションおよび保存のための手段が備えられることを特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項12
眼のオンライン観察のための手段として、接眼レンズおよび/またはモニターあるいはディスプレイが備えられることを特徴とする請求項1に記載の機器。
請求項13
診断および/または治療のために、前記スキャン照射用のビームパス内に備えられる前記スキャンユニット(SE)が、前記制御ユニットによって、前記第2の照射源(BQ)の光が眼の瞳孔(P)を通り、網膜(R)の問題とされる領域上に結像されるように制御されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の機器。
請求項14
前記第2の照射源(BQ)から1つのマーキングの形で眼球内に投影された光が、眼球をこのマーキングに固定することによって、視線を狙い通りの向きに合わせるために使用されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の機器。
請求項15
患者が、前記第2の照射源から時間と場所が変化する光マークおよび/または光フィールドの形で眼球内に投影された光を知覚できるか否かについて応答するために利用する、患者の視野を決定するためのさまざまなデータをドキュメント化して記憶する手段が備えられることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の機器。
請求項16
眼の観察、検査、診断および/または治療のための方法であって、観察および検査のために、1つの第1の照射源(BQ)により、1つの既存の有孔ミラー(LS)および1つの結像光学系(AO)を介して目を照射し、眼から発する光を該結像光学系(AO)を介し、該有孔ミラー(LS)を通り1つの検出器(D)上に結像する工程を備える方法において、診断および/または治療のために、1つの第2の照射源(BQ)により、1つのスキャンユニット(SE)、1つの対物レンズ(O)、1つのビームスプリッタ(ST)および該結像光学系(AO)を介して目を照射する工程、該結像光学系(AO)も、また該ビームパス全体も、内部反射が生じないような仕様であること、1つのチルトミラー(KS)の態様をとる該スキャンユニット(SE)を、双方向に静電駆動または/および電流駆動するか、または複数のチルトミラー(KS)の態様をとる該スキャンユニット(SE)を、一方向に静電駆動または/および電流駆動する工程を特徴とする方法。
請求項17
前記スキャンユニット(SE)が、1つの双方向性、または複数の一方向性の、静電駆動型または/および電流駆動型のチルトミラー(KS)の形で、MEMS技術で実施されており、前記スキャンユニット(SE)を準静的モードで動作させる工程を特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項18
前記MEMS技術で実施されるスキャンユニット(SE)により、前記レーザ源(LQ)の横収差を補償可能であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項19
前記スキャン照射用のビームパス内に配置された前記対物レンズ(O)および/または前記スキャンユニット(SE)への前記レーザ光源(LQ)の前記レーザ光(LL)のコリメート用に備えられた前記コリメーション光学系(KO)を、眼の非正視を補償するために変位させる工程を特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項20
少なくとも1つのレーザ光源(LQ)を持つ前記第2の照射源(BQ)から放出されるマーキングを表示するためのレーザ光(LL)が、その形、波長、強度ならびにインパルスの継続時間および順序に関して変化可能であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項21
1つの制御ユニットによって、前記照射源(BQ)から放出された光を、形、波長、強度ならびにインパルスの継続時間および順序に関して変更して、その閾値を監視する工程を特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項22
前記第2の照射源(BQ)が、複数のレーザ光源(LQ)の形の複数の単独光源からなり、それらのレーザ光(LL)を、ビームスプリッタ(ST)およびコリメーション光学系(KO)を介して前記スキャン照射用のビームパス内にカップリングして、前記スキャンユニット(SE)を介して眼球内に同時に投影可能であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項23
前記第2の照射源(BQ)が眼球内の蛍光励起のために1つの紫外、可視または赤外スペクトルを放射し、また相関関係にある眼の蛍光信号を1つの波長選択性の検出器(D)により記録する工程を特徴とする請求項15に記載の方法。
請求項24
前記スキャン照射用の前記第2の照射源(BQ)により超短パルスを放出し、また前記相関関係にある眼の蛍光信号を時間分解能が高い1つの検出器(D)により記録する工程を特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項25
前記スキャン照射用のビームパス内の結像光学系(AO)と有孔ミラー(LS)と間に備えられる前記ビームスプリッタ(ST)が、ダイクロイック・ビームスプリッタ、または偏光依存型ビームスプリッタとして作用し、前記第2の照射源(BQ)が前記スキャンユニット(SE)および前記対物レンズ(O)を介して眼の瞳孔(P)内の中央に結像する工程を特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項26
前記検出器(D)により記録された画像を演算処理し、評価し、ドキュメント化して、患者データと共に記憶する工程を特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項27
接眼レンズおよび/またはモニターあるいはディスプレイを介して眼のオンライン観察が行う工程を特徴とする請求項16に記載の方法。
請求項28
前記制御ユニットが、診断および/または治療のために、前記スキャン照射用のビームパス内に備えられた前記スキャンユニット(SE)を、前記第2の照射源(BQ)の光が眼の瞳孔(P)を通り、網膜(R)の問題とされる領域上に結像されるように制御する工程を特徴とする請求項16乃至27のいずれか1項に記載の方法。
請求項29
前記第2の照射源(BQ)によりマーキングの形で眼球内へ投影される光を使用して、眼球をこのマーキングに固定することにより視線を狙い通りの向きに合わせる工程を特徴とする請求項16乃至28のいずれか1項に記載の方法。
請求項30
前記第2の照射源(BQ)により光を時間と場所が変化する光マークおよび/または光フィールドの形で眼球内に投影する工程、患者がそれを知覚できるか否かについて応答する工程、および患者の視野を決定するためのさまざまなデータをドキュメント化して記憶する工程を特徴とする請求項16乃至29のいずれか1項に記載の方法。
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