专利摘要:
本発明は、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、培地で酵母菌株を独立して増殖させるステップと、酵母菌株を、培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、前記フィード溶液からキシリトール分離するステップと、を含む方法を提供する。
公开号:JP2011512866A
申请号:JP2010550333
申请日:2009-01-09
公开日:2011-04-28
发明作者:クマール;ダービー アショク;ケー.ブイ.サティヤナーラーヤナ;ジャイン マニッシュ
申请人:タタ ケミカルズ リミテッド;
IPC主号:C12P7-18
专利说明:

[0001] 本発明は、キシリトールの製造に関する。より詳細には、本発明は、キシロースの微生物変換による、水中でのキシリトールの製造に関する。]
背景技術

[0002] キシリトールは、医療および商業上の重要な用途を有する5炭素糖アルコールであり、また、代替低カロリー甘味料として広く利用されている。キシリトールは、多くの果物や野菜中に天然に産生し、また、ヒトおよび他の動物のグルコース代謝ならびに数種の植物や微生物の代謝において、天然の中間生成物としても天然に産生する。]
[0003] キシリトールは、ショ糖と同じ甘味を有するが、カロリーが3分の1で、かつ不快な後味がないという点を含めて、多くの利点がある。さらに、溶解熱が負のために、口腔内で、清涼感および爽快感が付与され、これにより、キシリトールは、キャンディーおよび菓子類に人気のある甘味料になっている。また、キシリトールは、人体においてインシュリン非依存性で代謝されるので、糖尿病患者に好都合である。キシリトールは、また治療的特性をも有することが示されており、免疫力をつけ、慢性退行性疾患に抵抗性があり、老化防止作用を有し、既知の毒性レベルはないと報告されている。]
[0004] 食品、医薬品、および口腔衛生製品への使用に加えて、キシリトールは、ベニア合板産業界で商業的に応用されており、その粘着特性のために、フェノール樹脂の代わりになることができる。]
[0005] 様々な産業における、キシリトール、およびその用途の重要性により、この糖アルコールの製造を効率的に最大化する方法が必要とされる。キシリトールは、野菜や果物中に低濃度で存在するため、これらの供給源からキシリトールを抽出するのは非経済的である。商業的なキシリトールは、木材、稲藁、雑穀などに存在するヘミセルロースの加水分解物である、キシロースを化学的に還元することによって製造される。この方法の一例は、特許文献1に記載されており、商業規模でのキシリトールの製造は、木材、トウモロコシの穂軸、わら、ぬか、および綿実のもみ殻などのペントサン含有原材料の、酸加水分解によって実施される。キシロースの加水分解は、通常、ラネーニッケル触媒(Ni/Al2O3)を用いて、高温高圧で実施される。この化学的方法の1つの制約は、ヘミセルロース画分から誘導される別の高分子糖類の加水分解物からのキシロースまたはキシリトールの分離、精製が困難なことである。純粋なキシリトールを得るには、機械的ろ過やクロマトグラフィーを含めた多段階分離技術が必要とされる。これらの工程は、50〜60%の範囲の収率で製造するには、コストに不利な影響を及ぼす。さらに、このような工程には、高温、高圧に伴うリスクがある。酸またはアルカリの使用に起因する廃棄物処理は、キシリトールの化学的製造に関連する別の重大な問題である。これらの要因が、キシリトールを日常的に製造する化学的方法を困難で、高価で、および非効率的にしている。]
[0006] 一方、生物工学的方法は、高収率で選択的な変換であり、副生成物は低毒性/無毒性であるという利点があり、この場合、キシロースは、NAD(P)H依存性キシロースリダクターゼ(XR)を使用して微生物によりキシリトールに変換される。]
[0007] キシロースからキシリトールを製造するための微生物を利用する生物学的方法がいくつか知られている。ピチア属(Pichia)、カンジダ属(Candida)、ハンセヌラ属(Hansenula)、およびクルイウェロマイセス属(Kluyveromyces)の種のものを含むいくつかの酵母は、キシロースの代謝/生物変換において最初の段階としてキシロースをキシリトールへ還元することができる。微生物を使用したキシリトールの製造は、回分法(batch)、流加法(fed batch)、および細胞リサイクル法(cell recycling)により実施されている。]
[0008] キシリトールの微生物製造のコストは、発酵培地、発酵状態の維持のコスト、および発酵培地からキシリトールを回収するコストを含めた多くの要因で決まる。キシリトールの製造に、現在のところ利用できる微生物法では、細胞増殖を促進する栄養素と共にキシロースを含んだ培地が使用される。添加される栄養素は、ペプトン、酵母抽出液などのような複雑な有機化合物、または化学的化合物のいずれかである。]
[0009] これらの栄養素は、高価なので、製造コストを増加させる。さらに、このような培地を使用することによって、発酵培地から、副生物、培地成分、および微生物由来の物質を、効果的かつ選択的に除去して、キシリトールを回収するのは困難である。さらに、これは、キシリトールの製造コストを増加させる。]
先行技術

[0010] 米国特許第4,008,285号明細書]
発明が解決しようとする課題

[0011] キシリトールの製造で直面するこのような難点を鑑みると、容易で、費用効率よく、環境に優しいキシリトール製造方法を開発する必要がある。]
課題を解決するための手段

[0012] 本発明は、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、培地で酵母菌株を独立して増殖させるステップと、酵母菌株を、培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、前記フィード溶液からキシリトールを分離するステップと、を含む方法に関する。]
[0013] 本発明は、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、培地で酵母菌株を独立して増殖させるステップと、酵母菌株を、培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、前記フィード溶液からキシリトールを回収するステップと、酵母菌株を少なくとも1回リサイクルするステップであって、リサイクルは、酵母菌株を、水にキシロースを含む別のフィード溶液に移すことを含む、ステップと、を含む方法に関する。]
[0014] 本発明は、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、キシロースを含む培地で酵母菌株を増殖させて、キシリトールを得るステップと、キシリトールを培地から回収し、酵母菌株を、培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、前記フィード溶液からキシリトールを分離するステップと、を含む方法に関する。]
[0015] 本発明は、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、キシロースを含む培地で酵母菌株を増殖させてキシリトールを得るステップと、キシリトールを培地から回収し、酵母菌株を、培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、フィード溶液からキシリトールを回収するステップと、酵母菌株を少なくとも1回リサイクルするステップであって、リサイクルは、酵母菌株を、水にキシロースを含む別のフィード溶液に移すことを含む、ステップと、を含む方法に関する。]
図面の簡単な説明

[0016] 添付した図面は、本発明の好ましい実施形態を例示し、以下の詳細な記述と共に本発明の原理を説明するものである。
カンジダトロピカリス(C.tropicalis)ATCC13803を用い、30℃、250rpm、およびpH6.0で行った、キシリトール製造の震とうフラスコ実験結果を示す図である。
カンジダトロピカリスATCC13803を用いて、30℃、250rpm、およびpH6.0で行った、キシリトール製造(%)の実験結果を示す図である。
カンジダトロピカリスATCC13803を用いて、30℃、215rpmで行った、キシロース(100g/L)からキシリトールを製造する、細胞リサイクル実験の実験結果を示す図である。
カンジダトロピカリスATCC13803を用いて、30℃、215rpmで行った、キシロース(150g/L)からキシリトールを製造する細胞リサイクル実験を示す図である。]
実施例

[0017] 本発明の原理の理解を促すために、図面に例示した実施形態が参照され、それを説明するために、特定の用語が使用されるであろう。それにもかかわらず、これにより、本発明の範囲を制限する意図はなく、記載された方法に関するそのような変更およびさらなる改変、ならびに本明細書中に例示された本発明の原理のそのようなさらなる応用は、本発明に関係する当業者には通常想起される通りであることが企図される。]
[0018] 前述の一般的説明および以下の詳細な説明は、本発明の例示および説明的なものであり、本発明を限定する意図がないことは、当業者に理解されるであろう。]
[0019] 本発明は、キシロースの水溶液からキシリトールを微生物製造する方法を提供する。より詳細には、本発明は、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースの水溶液からキシリトールを製造する方法に関する。]
[0020] 本発明は、酵母菌株をキシロースの水溶液に接種して、キシリトールを生成させる、キシロースの水溶液からキシリトールを製造する方法に関する。]
[0021] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法が開示される。本方法は、培地で酵母菌株を独立して増殖させること、および酵母菌株を、培地からフィード溶液に移すことを含む。フィード溶液は、水にキシロースを含む。フィード溶液中で生成したキシリトールを回収する。]
[0022] 酵母菌株は、富栄養培地で独立して増殖させ、これは、必要な細胞塊に到達するまで、富栄養成長培地で酵母菌株を増殖させることを含む。こうして増殖させた酵母細胞を成長培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に移す。]
[0023] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法が開示される。本方法は、培地で酵母菌株を独立して増殖させること、および酵母菌株を培地からフィード溶液に移すことを含む。フィード溶液は、水にキシロースを含む。フィード溶液中で生成したキシリトールは回収し、酵母菌株は少なくとも1回リサイクルする。リサイクルは、酵母菌株を、水にキシロースを含む別のフィード溶液に移すことを含む。]
[0024] 酵母菌株は、富栄養培地で独立して増殖させ、これは、必要な細胞塊に到達するまで、富栄養成長培地で、酵母菌株を増殖させることを含む。こうして増殖させた酵母細胞は、成長培地から分離し、水にキシロースを含むフィード溶液に移す。生成したキシリトールをフィード溶液から回収し、キシロース水溶液を含む別のフィード溶液に酵母菌株を導入することによって、酵母菌株を少なくとも1回リサイクルする。]
[0025] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、キシロースを含む培地で酵母菌株を増殖させることを含む方法が開示される。生成したキシリトールを培地から回収し、酵母菌株は培地からフィード溶液に移す。フィード溶液はキシロース水溶液からなる。生成したキシリトールをフィード溶液から回収する。]
[0026] 酵母菌株は、キシロースを含む富栄養培地で独立して増殖させ、これは、必要な細胞塊に到達するまで、キシロースを含む富栄養成長培地で、酵母菌株を増殖させることを含む。こうして増殖させた酵母細胞を、成長培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に移す。キシリトールを両方の培地から回収する。]
[0027] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、キシロースを含む培地で酵母菌株を増殖させることを含む方法が開示される。本方法は、キシロースを含む培地で、酵母菌株を増殖させること、および酵母菌株を培地からフィード溶液に移すことを含む。生成したキシリトールを培地から回収する。フィード溶液はキシロース水溶液からなる。フィード溶液中で生成したキシリトールを回収し、酵母菌株は少なくとも1回リサイクルする。リサイクルは、酵母菌株を、水にキシロースを含む別のフィード溶液に移すことを含む。]
[0028] 酵母菌株は、キシロースを含む富栄養培地で増殖させ、これは、必要な細胞塊に到達し、かつキシリトールが生成するまで、富栄養成長培地で酵母菌株を増殖させることを含む。こうして増殖させた酵母細胞を培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に移す。生成したキシリトールをフィード溶液から回収し、酵母菌株は、キシロースの水溶液を含む培地に、酵母菌株を導入することによって、少なくとも1回リサイクルする。]
[0029] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法が開示される。本方法は、栄養素が漸次添加される培地で、酵母菌株を独立して増殖させること、および酵母菌株を培地からフィード溶液に移すことを含む。フィード溶液は、水にキシロースを含む。フィード溶液中で生成したキシリトールを回収する。]
[0030] 酵母菌株は、栄養素が漸次添加される富栄養培地で独立して増殖され、これは、栄養素が漸次補給される成長培地で、必要な細胞塊に到達するまで酵母菌株を増殖させることを含む。こうして増殖させた酵母細胞を成長培地から分離され、キシロースのフィード水溶液に移す。]
[0031] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法が開示される。本方法は、栄養素が漸次添加される培地で、酵母菌株を独立して増殖させること、および酵母菌株を、培地からフィード溶液に移すことを含む。フィード溶液は、水にキシロースを含む。フィード溶液中で生成したキシリトールを回収し、酵母菌株は少なくとも1回リサイクルする。リサイクルは、酵母菌株を、キシロースの水溶液からなる別のフィード溶液に移すことを含む。]
[0032] 酵母菌株は、栄養素が漸次添加される富栄養培地で独立して増殖させ、これは、栄養素が漸次補給される成長培地で、必要な細胞塊に到達するまで酵母菌株を増殖させることを含む。こうして増殖させた酵母細胞を成長培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に移す。生成したキシリトールをフィード溶液から回収し、酵母菌株は、水にキシロースを含む別のフィード溶液に酵母菌株を導入することによって、少なくとも1回リサイクルする。]
[0033] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、キシロースを含み、栄養素およびキシロースが漸次添加される培地で、酵母菌株を増殖させることを含む方法が開示される。生成したキシリトールを培地から回収し、酵母菌株は、培地からフィード溶液に移す。フィード溶液は、水にキシロースを含む。生成したキシリトールをフィード溶液から回収する。]
[0034] 酵母菌株は、栄養素およびキシロースが漸次添加される富栄養培地で増殖され、これは、栄養素およびキシロースが漸次補給される成長培地で、必要な細胞塊に到達するまで酵母菌株を増殖させることを含む。こうして増殖させた酵母細胞を培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に移す。キシリトールを両方の培地から回収する。]
[0035] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、キシロースを含み、栄養素およびキシロースが漸次添加される培地で酵母菌株を増殖させることを含む方法が開示される。本方法は、キシロースを含む培地で、酵母菌株を増殖させること、および酵母菌株を、培地からフィード溶液に移すことを含む。生成したキシリトールを培地から回収する。フィード溶液は、水にキシロースを含む。フィード溶液中で生成したキシリトールを回収し、酵母菌株は少なくとも1回リサイクルする。リサイクルは、酵母菌株を、水にキシロースを含む別のフィード溶液に移すことを含む。]
[0036] 酵母菌株は、栄養素およびキシロースが漸次添加される富栄養培地で増殖させ、これは、栄養素およびキシロースが漸次補給される成長培地で、必要な細胞塊に到達し、かつキシリトールが生成するまで酵母菌株を増殖させることを含む。生成したキシリトールを培地から回収する。こうして増殖させた酵母細胞を培地から分離され、キシロースのフィード水溶液に移す。生成したキシリトールをフィード溶液から回収し、酵母菌株は、キシロースの水溶液を含む培地に酵母菌株を導入することによって、少なくとも1回リサイクルする。]
[0037] 使用される富栄養培地は、酵母菌株の細胞増殖の最大化を促進するものが好ましい。本発明の実施形態によれば、細胞増殖に使用される培地は、複合体であってもよく、化学的に規定されているものであってもよい。細胞増殖に使用される培地はまた、細胞の増殖過程に、キシリトールが生成するように、キシロースを含んでもよい。]
[0038] 成長培地は、窒素源としてペプトンおよび酵母抽出液を含むがこれらに限定されるものではない複雑な有機化合物を含有する複合培地であってもよい。グルコース、キシリトール、またはその他の任意の炭素源を、個別に使用してもよく、または互いに併用して使用してもよい。グルコースおよびキシロースは、別々に加圧滅菌して、培地に加えてもよい。]
[0039] 一態様によれば、培地のpHは、好ましくは6.0に維持され、細胞濃度は、好ましくは、600nmで比濁分析(turbidometrically)によりモニターされる。]
[0040] 培地またはフィード溶液からの酵母細胞の分離は、ろ過および遠心分離を含むがそれらに限定されない任意の分離法により実施してよい。キシリトールは、培地またはフィード溶液から、一般的な精製法によって回収することができる。]
[0041] キシリトール製造に使用される酵母菌株は、キシロースをキシリトールに変換する能力を有するべきである。好ましい実施形態によれば、酵母は、カンジダ属のものであってよい。より好ましくは、菌株の属は、カンジダトロピカリス、またはその変異体であってよい。最も好ましくは、菌株はカンジダトロピカリスATCC13803であってよい。]
[0042] 一実施形態によれば、富栄養培地で独立して増殖させた、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、水中でキシロースを変換させることによりキシリトールが生成する、キシリトールの製造方法が記載される。酵母菌株を、成長培地を含有する寒天プレート上に接種し、コロニーが発達するまで増殖させる。次に、酵母菌株のコロニーをプレートから採取して、接種培地上に接種し、必要な接種期間、増殖させる。必要量の接種材料を富栄養培地に加え、必要な細胞塊に到達するまで酵母菌株を増殖させる。次いで、酵母菌株を富栄養培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に移し、キシリトールの製造に必要なインキュベーション期間、インキュベートする。キシリトールは、一般的な精製法によって、フィード溶液から回収する。]
[0043] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株は、富栄養培地で独立して増殖させ、キシロースのフィード水溶液中にリサイクルする、キシリトールの製造方法が記載される。酵母を、成長培地を含有する寒天プレート上に接種し、コロニーが発達するまで増殖させる。酵母のコロニーをプレートから採取して、接種培地上に接種し、必要なインキュベーション期間、増殖させる。必要量の接種材料を、富栄養成長培地に加え、必要な細胞塊に到達するまでインキュベートする。酵母菌株を富栄養成長培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に添加し、必要なインキュベーション期間、インキュベートする。酵母菌株を再度分離し、フィード溶液に再導入し、必要なインキュベーション期間、インキュベートする。これらの工程は少なくとも1回繰り返される。各細胞リサイクル段階からのフィード溶液を集め、キシリトールを一般的な精製法によって回収する。]
[0044] 一実施形態によれば、キシロースを含む富栄養培地で独立して増殖させた、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、水中でキシロースを変換させることによってキシリトールを生成する、キシリトールの製造方法が記載される。酵母菌株を、成長培地を含有する寒天プレート上に接種し、コロニーが発達するまで増殖させる。次に、酵母菌株のコロニーをプレートから採取して、接種培地上に接種し、必要な接種期間、増殖させる。必要量の接種材料を、キシロースを含有する富栄養培地に加え、必要な細胞塊に到達するまで酵母菌株を増殖させる。キシリトールを培地から回収する。次に、酵母菌株を富栄養培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に移し、キシリトールの製造に必要なインキュベーション期間、インキュベートする。キシリトールを一般的な精製法によってフィード溶液から回収する。]
[0045] 一実施形態によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株を、キシロースを含む成長培地で増殖させ、キシロースの水溶液中にリサイクルする、キシリトールの製造方法が記載される。酵母を、成長培地を含有する寒天プレート上に接種し、コロニーが発達するまで増殖させる。酵母のコロニーをプレートから採取して、接種培地上に接種し、増殖させる。必要量の接種材料を、キシロースを含む富栄養成長培地に加え、必要な細胞塊に到達し、キシロースがキシリトールに変換されるまで、インキュベートする。酵母菌株を培地から分離し、キシロール水溶液であるフィード溶液に加え、必要なインキュベーション期間、インキュベートする。キシリトールを培地から回収する。必要なインキュベーション期間後、酵母菌株は再度分離し、キシロース水溶液であるフィード溶液に再導入し、必要なインキュベーション期間、インキュベートする。これらの工程を少なくとも1回繰り返す。各段階の細胞リサイクルからのフィード溶液を集め、キシリトールを、一般的な精製法によって回収する。]
[0046] 一実施形態によれば、栄養素が漸次添加される培地で独立して増殖させたキシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、水中で、キシロースを変換させることによってキシリトールを生成する、キシリトールの製造方法が記載される。酵母菌株を、成長培地を含有する寒天プレート上に接種して、コロニーが発達するまで増殖させる。次いで、酵母のコロニーを採取して、接種培地上に接種し、増殖させる。必要量の接種材料を、栄養素が漸次補給される成長培地に加える。酵母菌株を、必要な細胞塊が得られるまで増殖させる。次いで、酵母菌株を成長培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に添加して、必要な滞留時間反応させる。キシリトールをフィード溶液から一般的な精製法によって回収する。]
[0047] 一態様によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株を、栄養素が漸次補給される培地で独立して増殖させ、キシロースの水溶液中にリサイクルする、キシリトールの製造方法が記載される。酵母細胞を、成長培地を含有する寒天プレート上に接種し、コロニーが発達するまで増殖させる。次に、酵母のコロニーを採取して、接種培地上に接種し、増殖させた。必要量の接種材料を、栄養素が漸次補給される成長培地に加える。酵母菌株を、必要な細胞塊が得られるまで、増殖させる。酵母菌株を成長培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に添加し、必要なインキュベーション期間、インキュベートする。必要な時間後、酵母菌株を再度分離し、キシロースのフィード水溶液に再導入し、インキュベートする。これらの工程は少なくとも1回繰り返す。各段階の細胞リサイクルからのフィード溶液を集め、キシリトールを一般的な精製法によって回収する。]
[0048] 一実施形態によれば、栄養素およびキシロースが漸次添加される培地で増殖させた、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、水中で、キシロースを変換させることによってキシリトールを生成する、キシリトールの製造方法が記載される。酵母菌株を、成長培地を含有する寒天プレート上に接種し、コロニーが発達するまで増殖させる。次いで、酵母のコロニーを採取して、接種培地上に接種し、増殖させる。必要量の接種材料を、栄養素およびキシロースが漸次補給される成長培地に加える。酵母菌株を、必要な細胞塊が得られ、かつキシロースがキシリトールに変換されるまで増殖させる。キシリトールを成長培地から回収する。酵母菌株を成長培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に添加し、必要なインキュベーション期間、インキュベートする。キシリトールを一般的な精製法によってフィード溶液から回収する。]
[0049] 一実施形態によれば、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株を、栄養素およびキシロースが漸次補給される成長培地で増殖させ、キシロースの水溶液にリサイクルする、キシリトールの製造方法が記載される。酵母菌株を、成長培地を含有する寒天プレート上に接種し、コロニーが発達するまで増殖させる。次いで、酵母のコロニーを採取して、接種培地上に接種し、増殖させた。必要量の接種材料を、栄養素およびキシロースが漸次補給される成長培地に加える。酵母菌株を、必要な細胞塊が得られ、かつキシロースがキシリトールに変換されるまで、増殖させる。次に、酵母菌株を成長培地から分離し、キシロースのフィード水溶液に添加して、必要な滞留時間反応させる。キシリトールを成長培地から回収する。必要な時間後、細胞を再度分離し、キシロースの水溶液に再導入し、インキュベートする。これらの工程は少なくとも1回繰り返す。各段階の細胞リサイクルからのフィード溶液を集め、キシリトールを一般的な精製法によって回収する。]
[0050] キシリトール製造の温度は、好ましくは、26から30℃の範囲であり、30℃が好ましい温度である。]
[0051] 実施形態の一態様によれば、キシリトールの生成過程では、酵母菌株は、150から250rpmの速度範囲で攪拌され、215rpmが好ましい速度である。]
[0052] 一実施形態によれば、細胞のリサイクル工程は、少なくとも1回、好ましくは少なくとも2回、最も好ましくは3回、連続して実施される。]
[0053] 水中のキシロースの濃度は、100g/Lから200g/Lの範囲であり、好ましいキシロースの濃度は、150g/Lである。]
[0054] 一実施形態の一態様によれば、細胞増殖段階では、細胞は26から30℃の温度範囲でインキュベートし、好ましい温度は30℃である。培養物は、150から250rpmの速度範囲で攪拌し、好ましい速度は、250rpmである。]
[0055] キシリトールは、一般的な精製法によってフィード溶液から回収する。]
[0056] 以下の例は、本発明の方法の、ある好ましい実施形態を説明、かつ例示するために提供される。]
[0057] [実施例1]
50g/Lキシロース、10g/L酵母抽出液、20g/Lバクトペプトン、および15g/L寒天を含有するYPX寒天プレート上にカンジダトロピカリスATCC13803を接種した。次に、25g/Lキシロース、10g/L酵母抽出液、20g/Lバクトペプトン、および25g/Lグルコースを含有するpH6.0の接種培地に、酵母菌株を接種した。5%の接種材料を成長培地に加えた。酵母菌株の増殖は、100g/Lキシロース、10g/L酵母抽出液、20g/Lバクトペプトン、および30g/Lグルコースを含有し、pH6.0に調節した培地中、30℃、250rpmで実施した。グルコースおよびキシロースを個別に加圧滅菌し、培地に加えた。基質および生成物は、Phenomenex RNM Carbohydrate Column(50×7.80mm、8ミクロン)、およびRID検出器を備えたHPLCにより測定した。細胞濃度は、600nmで比濁分析によりモニターした。キシリトールの生成は、72時間の終了時点で、47.3g/L(キシロース1gあたり、0.5gのキシリトール収率)であった(図1および図2)。] 図1 図2
[0058] [実施例2]
50g/Lキシロース、10g/L酵母抽出液、20g/Lバクトペプトン、および15g/L寒天を含有するYPX寒天プレート上に、カンジダトロピカリスATCC13803を接種した。次に、25g/Lキシロース、10g/L酵母抽出液、20g/Lバクトペプトン、および25g/Lグルコースを含有するpH6.0の接種培地に酵母細胞を接種した。5%の接種材料を成長培地に加えた。0時間時、72時間後、および144時間後に100g/Lのキシロースを、0時間時に30g/L、24時間後に10g/L、72時間後および144時間後に5g/Lのグルコースを、それぞれ成長培地に供給した。成長培地は、キシロースおよびグルコースの他に、10g/Lの酵母抽出液、20g/Lのバクトペプトンを含有し、培地のpHは、6.0に調節した。発酵は、30℃、250rpmで実施した。基質および生成物は、Phenomenex RNM Carbohydrate Column(50×7.80mm、8ミクロン)、およびRID検出器を備えたHPLCにより測定した。細胞濃度は、600nmで比濁分析によりモニターした。196時間後のキシリトールへの転化率は50%であった。]
[0059] [実施例3]
回分培養または流加培養した酵母菌株を含有する成長培地を、10,000rpm、4℃で15分間遠心分離した。遠心分離後、上澄み液をデカンテーションすることにより、培地から菌株を分離した。菌株を、キシロース水溶液(100〜200g/L)が入ったフラスコにリサイクルして戻し、所望の温度(26〜30℃)およびrpm(150〜250)で、シェーカーを用いてインキュベートした。この手順を、4回繰り返し、各サイクルで収集した上澄み液を、キシリトールの分析および精製に使用した。キシロース(150g/L)からキシリトールへの変換結果には、一貫性が認められた(50〜60%)(図3、図4、および表1)。] 図3 図4
[0060] ]
[0061] (表1)異なるキシロース濃度での細胞リサイクル実験で得られた結果のまとめ。]
权利要求:

請求項1
キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、培地で前記酵母菌株を独立して増殖させるステップと、前記酵母菌株を、前記培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、前記フィード溶液からキシリトールを分離するステップと、を含むことを特徴とする方法。
請求項2
キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、培地で前記酵母菌株を独立して増殖させるステップと、前記酵母菌株を、前記培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、前記フィード溶液からキシリトールを回収するステップと、前記酵母菌株を少なくとも1回リサイクルするステップであって、前記リサイクルは、前記酵母菌株を、水にキシロースを含む別のフィード溶液に移すことを含む、ステップと、を含むことを特徴とする方法。
請求項3
キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、キシロースを含む培地で前記酵母菌株を増殖させて、キシリトールを得るステップと、培地からキシリトールを回収し、前記酵母菌株を、前記培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、前記フィード溶液からキシリトールを分離するステップと、を含むことを特徴とする方法。
請求項4
キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造する方法であって、キシロースを含む培地で、前記酵母菌株を増殖させてキシリトールを得るステップと、培地からキシリトールを回収し、前記酵母菌株を、前記培地から、水にキシロースを含むフィード溶液に移すステップと、前記フィード溶液からキシリトールを回収するステップと、酵母菌株を少なくとも1回リサイクルするステップであって、前記リサイクルは、前記酵母菌株を、水にキシロースを含む別のフィード溶液に移すことを含む、ステップと、を含むことを特徴とする方法。
請求項5
前記リサイクルステップは、好ましくは2回、最も好ましくは3回、連続して実施することを特徴とする請求項2または4のいずれかに記載の、キシロースからキシリトールを製造する方法。
請求項6
酵母菌株は、カンジダ種であることを特徴とする前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
請求項7
酵母菌株は、好ましくは、カンジダトロピカリスまたはその変異体であり、最も好ましくは、カンジダトロピカリスATCC13803であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
請求項8
酵母菌株は、流加培養法によって増殖させることを特徴とする前記請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
請求項9
キシロースは、培地に漸次添加されることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
請求項10
水中のキシロース濃度は、100g/Lから200g/Lの範囲であり、好ましくは、水中のキシロース濃度は、150g/Lであることを特徴とする前記請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
請求項11
培地は、複合培地または化学的培地であることを特徴とする前記請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
請求項12
培地のpHは、好ましくは6に維持されることを特徴とする前記請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13
温度は、好ましくは26から30℃の範囲に維持されることを特徴とする前記請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項14
実質的に本明細書に記載されている、キシロースをキシリトールに変換する能力がある酵母菌株によって、キシロースからキシリトールを製造することを特徴とする方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
US8034925B2|2011-10-11|Glucosamine and method of making glucosamine from microbial biomass
Singh et al.2007|Biotechnological production of gluconic acid: future implications
Wang et al.2010|Efficient production of L-lactic acid from cassava powder by Lactobacillus rhamnosus
Chi et al.2001|Trehalose accumulation from soluble starch by Saccharomycopsis fibuligera sdu
CA1336584C|1995-08-08|Process and apparatus for manufacturing ethanol, glycerol, succinic acid and distiller's dry grain and solubles
John et al.2007|Fermentative production of lactic acid from biomass: an overview on process developments and future perspectives
EP1504109B1|2007-06-20|Method for the production of lactic acid or a salt thereof by simultaneous saccharification and fermentation of starch
Song et al.2009|Recent advances in the biological production of mannitol
JP4359349B2|2009-11-04|バニリンの製造法
Mazutti et al.2007|Production of inulinase by solid-state fermentation: effect of process parameters on production and preliminary characterization of enzyme preparations
JP3041539B2|2000-05-15|キシリトールおよびエタノールの同時生産方法
US7344876B2|2008-03-18|Kluyveromyces strains metabolizing cellulosic and hemicellulosic materials
Bai et al.2008|Enhanced L-|-lactic acid production by an adapted strain of Rhizopus oryzae using corncob hydrolysate
Rymowicz et al.2009|High-yield production of erythritol from raw glycerol in fed-batch cultures of Yarrowia lipolytica
Nguyen et al.2012|Production of L-lactic acid from a green microalga, Hydrodictyon reticulum, by Lactobacillus paracasei LA104 isolated from the traditional Korean food, makgeolli
Onishi et al.1969|Microbial production of xylitol from glucose
Saha et al.2011|Biotechnological production of mannitol and its applications
EP1306442A2|2003-05-02|A process for the simultaneous production of xylitol and ethanol
JP2011103903A|2011-06-02|再生可能な供給原料からのポリ乳酸(pla)の生産のためのプロセス
KR101108789B1|2012-03-13|열대과일 바이오매스 부산물로부터 제조된 자일로스와아라비노스를 포함하는 가수분해 당화액을 이용한자일리톨의 제조방법
Huang et al.2011|Efficient production of butyric acid from Jerusalem artichoke by immobilized Clostridium tyrobutyricum in a fibrous-bed bioreactor
EP0421882B1|1994-11-30|Procédé de fabrication de xylitol et de produits riches en xylitol
US5081026A|1992-01-14|Method for the production of xylitol
CHEN et al.1985|Fermentation of sugarcane bagasse hemicellulose hydrolysate to xylitol by a hydrolysate‐acclimatized yeast
DE602004008875T2|2008-06-19|Herstellung von milchsäure aus einem pentose-enthaltenden substrat
同族专利:
公开号 | 公开日
WO2009116066A3|2010-01-14|
EP2255008A2|2010-12-01|
US20110003356A1|2011-01-06|
WO2009116066A2|2009-09-24|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-01-20| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20120119 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]