专利摘要:
本発明は、水を含有する瀝青質バインダーをベースとする冷、温、または半温瀝青質混合物において、当該瀝青質混合物の温度を上げるための、少なくとも(i)酸性無水物または酸性塩と少なくとも(ii)塩基性無水物または塩基性塩との発熱混合物の使用に関する。本発明はさらに、発熱性混合物を使用して瀝青質混合物を製造するプロセス、このプロセスによって得ることができる瀝青質混合物、および路面の製造のためのそれらの使用に関する。本発明はさらに、骨材を乾燥させるための、発熱性混合物の使用、およびこの混合物を含有する骨材に関する。最後に、本発明は、瀝青乳剤における発熱性混合物の使用に関する。
公开号:JP2011511187A
申请号:JP2010544715
申请日:2009-01-30
公开日:2011-04-07
发明作者:フレデリック デルフォッセ;ジーン−バレリー マーティン;ディディエ レスール
申请人:イノフォス インコーポレイティッド;ユーロビア;
IPC主号:E01C7-22
专利说明:

[0001] 本発明は、道路用材料、特にアスファルトコンクリートの組成物において使用される添加剤の混合物の使用、およびこの混合物を使用するためのプロセスに関する。そのような配合物におけるこの混合物の使用により、水との接触においてアスファルトコンクリートの温度を上げることが可能となる。この温度上昇は、道路用材料の実行および施工のための条件を著しく改善し、それらの機械的特性も向上させる。]
背景技術

[0002] アスファルトコンクリートは、少なくとも骨材と瀝青質バインダーとの混合物である。通常は、非制限的に、1〜15質量部の残存アスファルトを得るのに十分な量のバインダーを、85〜99質量部の骨材(乾燥重量により)と混合する。当該組成、特に骨材骨格に応じて、連続または不連続の、厚い、薄い、非常に薄い、さらには極薄の、隙間のある(多孔質または排水性の)、粒状の、準粒状の、緻密なまたは準緻密な、場合によっては貯蔵可能などの、当業者に周知のアスファルトコンクリートが一般的に規格化されており、例えば、union des syndicats des industries routieres de France(French Road Industry Union、USIRF)およびRevue Generale des Routes etAerodromes(General Review of Roadsand Airfields)により合同で出版された2巻の文献「Asphalt Concretes」(Paris,2001)(非特許文献1)に記載されている。添加剤は、バインダー、骨材、またはアスファルトコンクリートのいずれかに添加され得る。アスファルトコンクリートの製造、すなわち、構成材料の混合の仕方は、様々な方法において達成され得る。一般的には、「熱」プロセスと「冷」プロセスの2種類のプロセスがある。より最近では、「温」「半温」と呼ばれるプロセスが、これらの中間として導入されている。プロセスの区別は、本質的には骨材温度に依存している。]
[0003] 熱プロセスにおいて、骨材は、乾燥機と呼ばれる装置で加熱乾燥され、これにより、アスファルトを骨材に十分に接着させることが可能となる。アスファルトもまた、その粘性を下げて骨材を良好にコーティングするために、約160℃の温度まで加熱される。このようにして形成されたアスファルトコンクリートは、熱いまま(通常、150℃より高い温度で)道路上に施工され、次いで、熱いうちに締固められ、すなわち、初期の高温が加工性を保証している。次に、材料は、冷えて堅くなる。]
[0004] 冷プロセスでは、骨材は、乾燥させず、すなわち、それらの自然な湿度および周囲温度のままで混合される。アスファルトは、様々な形態を有することができ、最も一般的なのは、それほど粘質性でなく、したがって周囲温度でそれを扱うことができる産物を提供するアスファルト乳剤である。乳剤は、場合によっては、約50℃の温度まで軽く加熱される。まだ一般的ではないが、使用が増えている別の方法は、熱アスファルト(通常160℃)を、好適な方法で直接アスファルト内に注入された少量の水に接触させて発泡させ、この泡沫自然な湿度を有する骨材と混合する工程から成る。泡沫の特性、詳細にはその安定性および体積を変更するために、アスファルトおよび/または注入される水に添加剤を添加してもよい。]
[0005] 温または半温と呼ばれるプロセスは、まだ一般的には使用されてはおらず、場合によって別の呼ばれ方をされるが(半熱など)、当業者であれば、それらのプロセスが、骨材を完全に乾かすほどではない程度にわずかに再加熱する工程、または100℃のすぐ上の温度で骨材を乾燥させる工程のいずれかから成ることを明確に認識するであろう。いくつかのプロセスが存在し、例えば、冷アスファルトコンクリートの場合と同じ形態(アスファルト乳剤または泡沫)でバインダーを導入することができる。さらに、特に、ヒュームの放出を抑制するために、熱アスファルトコンクリートの製造温度および施工温度を下げることが目的の場合、アスファルトコンクリートが、通常使用されるより低い温度で使用に適合する加工性を維持するためには、添加剤または元来のプロセスを使用することが必要な場合もある。]
[0006] 熱コーティングは、骨材の均一なコーティングおよび急速な冷却により、最終的なアスファルトにおいて強力でほとんど瞬時の接着が保証されるという利点を有するために、明らかに大部分を占めるが、しかしながら、いくつかかの問題を有している。事実上、それを用いるのに必要な温度は、非常に多くのエネルギーを消費し、このことが、アスファルトコンクリートの最終コストに対してかなりの経済的影響を及ぼしている。さらに、これらの高温は、これらの材料を取り巻く環境および作業者にとって有害な揮発性有機化合物(VOC)、粉塵、およびヒュームの放出を増加させる。最終使用の前に熱アスファルトを保存および輸送する必要から、別の制限が生じる。最後に、混合中の高温は、アスファルトの劣化を加速させる原因となり、これにより、耐用年数が抑制され、道路がより亀裂現象を受け易くなる。]
[0007] 他のプロセスである温および半温は、これらの欠点を減少させるのに役立つが、この意味において最も効果的であるのは、論理的に冷プロセスである。しかしながらそれらは、特に、一般的に硬化と呼ばれる時間とともに変化する機械的特性において、制限を有する場合がある。]
[0008] したがって、アスファルト乳剤による冷アスファルトコンクリートの場合、これらの変化が原因で、乳剤が崩壊する、すなわち、アスファルトが微小な液滴の形態で水相中に分散されている初期状態(乳剤)から、骨材をコーティングする被膜をアスファルトが構成する最終状態へと移行する。これは、熱アスファルトコンクリートの場合と同程度に締固めを有効に妨げる除去されるべき水の存在だけでなく、乳剤と骨材の間の複雑な相互作用からも生じる。]
[0009] アスファルト泡沫による冷アスファルトコンクリートの場合、これらの変化は、よく理解されておらず、おそらくは、熱アスファルトコンクリートの場合と同程度に締固めを有効に妨げる除去すべき水の存在から一部生じていると考えられる。これらの問題は、冷アスファルトコンクリートに対して、時間が経つにつれて変化する機械的特性(硬化と呼ばれる)を与え、その結果、それらは、場合によって、材料を固まって交通が再開されるまで非常に長い期間を必要とし得、このことが使用者の不便を増している。これらの効果は、周囲温度が低ければ低いほどおよび湿度が高ければ高いほど、さらに顕著となり、通常は10℃以下の低温でそのような材料の適用が困難となり、または技術的に危険性が高くなる。]
[0010] 現在、これらの問題を軽減するために温および半温アスファルトコンクリートが探求されているが、それらは、エネルギー消費量が明らかに冷アスファルトコンクリートよりも高いままであるという代償を払う。]
[0011] WO2005/028756(特許文献1)の著者は、冷アスファルトコンクリートを施工する場合、その温度を機械的に30℃から65℃へと上げることによって、これらの問題の解決を試みている(赤外線、紫外線、高周波波動、マイクロ波、または高温空気と接触させることによって加熱する)。しかしながら、このさらなる工程は、特別な加熱装置の使用を必要とするため、冷アスファルトコンクリートを施工または製造するための現在の装置を修正する必要がある。その上、この工程は、加熱のためにエネルギーを必要とする。したがって、先行技術の問題に対して、より煩雑性が少なく、よりエネルギー消費の少ない解決方法を見出すことは有用であろう。]
[0012] したがって、驚いたことに発明者らは、特定の添加剤の混合物を冷アスファルトコンクリートに混ぜると、水との発熱反応により温度が上昇し得ることを発見した。その結果、あらかじめ骨材またはバインダーのいずれかを加熱せずに、およびアスファルトコンクリートのための特別な加熱装置を使用することなく、温度を上昇させることが可能であり、したがって、かなりのエネルギー節約が可能となる。この温度上昇の利点は、
−瀝青質バインダーの粘度を下げ、それによって、施工工程および締固め工程の後の所定の位置での締固めを高めることによって、アスファルトコンクリートの加工性を改善する
−表面の硬化を加速するためにアスファルトコンクリートの固化の密着度および速度を向上させ、その結果、通常の冷アスファルトコンクリート表面の抵抗力の感度の問題を抑制する
−アスファルトコンクリートの残存水の含有量を減らすことにより、硬化速度を増加させ、それによって、その表面上を交通することができるまでの時間を減らす
−アスファルトコンクリートの最終的な機械強度を高める
−水の影響および表面損傷に対する、アスファルトコンクリートの良好な抵抗力のために重要な、骨材コーティング品質を改善する
ことである。]
[0013] WO2005/028756]
先行技術

[0014] union des syndicats des industries routieres de France(French Road Industry Union、USIRF)およびRevue Generale des Routes etAerodromes(General Review of Roadsand Airfields),「Asphalt Concretes」(Paris,2001)]
[0015] したがって、本発明は、冷、温、または半温アスファルトコンクリート、特に、アスファルト乳剤もしくは泡沫によるアスファルトコンクリートであり得る、水を含有するアスファルトコンクリートにおいて、アスファルトコンクリートの温度を上昇させるための、少なくとも(i)1種類の酸性無水物または酸性塩と少なくとも(ii)1種類の塩基性無水物または塩基性塩との発熱混合物の使用に関する。]
[0016] 発明をより良く理解するために、次の定義を示すことが有用であると考えられる:
・アスファルトは、道路用アスファルト、あるいは通常95質量%を超えるアスファルトと、場合によっては1種類以上のポリマーおよび/または1種類以上の酸もしくは塩基および/または1種類以上の乳化剤および/または1種類以上の増粘剤および/または1種類以上の融剤および/または1種類以上の可塑剤および/または組成物の特性の調整を可能にする任意の添加剤とを実質的に含有する任意の組成物を意味する。例えば、道路用アスファルト、純粋なアスファルト、溶解または流動化されたアスファルト、ポリマーによって改質されたアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルトによって部分的に改質されたアスファルト、およびこれらのアスファルトのすべての組み合わせである。ポリマーによって改質されたアスファルトは、規格NF EN 125291および文献Laboratoire Central des Ponts et Chaussees(Central Laboratory of Bridges and Roadway、LCPC)によって出版された「Technical Guide: use of modified binders,special asphalts and asphalts with additives in roadwork」(ISSN 1151−1516 ISBN 2−7208−7140−4)によって定義される。アスファルトの改質に使用可能なポリマーとしては、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ターポリマー、例えば、アスファルト/ポリマー混合物の良好な安定性を確実にするブチルアクリレートおよびメチルグリシジルアクリレート官能基を有するエチレン鎖の化合物など、並びにクラッキングおよびわだち掘れを大いに改善するエラストマーおよびプラストマーが挙げられる。ひいては、黒色を有さないでアスファルトの特性を再生するための、したがって非黒色アスファルトコンクリートを提供する非アスファルト合成バインダーも意味し得る。
・瀝青質バインダーとは、アスファルトと、場合によっては1種類以上の添加剤および/または1種類以上の乳化剤および/または1種類以上の増粘剤および/または1種類以上の融剤および/または1種類以上の可塑剤および/または特性の調整を可能にする任意の添加剤とを含有する任意の組成物を意味する。例えば、アスファルト、ポリマーによって改質されたアスファルト、アスファルト乳剤、およびアスファルト泡沫が挙げられる。
・アスファルトコンクリートは、場合によっては1種類以上の添加剤、例えば、有機または無機繊維、場合によってはリサイクルされたタイヤに由来するゴム粉末、様々な廃棄物(ケーブル、ポリオレフィンなど)、およびすべての割合におけるそれらの混合物を含有し得る、骨材および瀝青質バインダーによる調整された混合物を意味する。好ましい用途の分野は、道路建設であるが、構造物またはダムの密封にも使用され得る。
・骨材は、様々な道路用骨材であり、採石場または砂利採取坑から得られる骨材、古いアスファルトコンクリートの粉砕から得られる骨材などのリサイクル製品、工場の不合格品、リサイクルされた建築材料(解体されたコンクリートなど)、スラグ、頁岩、すべての供給源、特に都市ごみ焼却炉(MSWI:municipal solid waste incinerator)のボトムアッシュに由来する人工骨材、およびあらゆる割合におけるそれらの混合物が挙げられる。骨材は、一般的に、0/Dmaxの範囲内から選択される粒径を有し、Dmaxは、例えば規格XP P 18−540に従って定義されているように、骨材の最大直径であり、一般的に4〜31.5mmの範囲である。当該骨材は、一般的に、0.063mmのスクリーンを通過し得る骨材として定義される、天然のまたは導入された微細鉱物粒子、例えば石灰石(炭酸カルシウム)微粉、セメント、または水和石灰などのを含有する。]
[0017] 本発明により添加剤として機能する化合物(i)および(ii)の発熱性混合物は、特に、米国特許第6,248,257号に記載されている。]
[0018] 本発明による発熱性混合物に使用可能な酸性無水物(化合物(i))の例としては、五酸化リン(P2O5);一リン酸ナトリウム;ポリリン酸などの部分的に水和された酸性無水物;B2O3やBOなどの他の非金属酸化物;カルボン酸無水物、例えば、酢酸無水物、ギ酸無水物、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、イソ酪酸無水物、吉草酸無水物、イソ吉草酸無水物、ピバリン酸無水物、カプロン酸無水物、カプリル酸無水物、カプリン酸無水物、ラウリン酸無水物、マロン酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物、ピメリン酸無水物、フタル酸無水物、およびマレイン酸無水物など、およびこれらの混合物が挙げられる。五酸化リンおよび一リン酸ナトリウムあるいはそれらの混合物は、本発明の範囲において特に有利である。五酸化リンは、さらに特に有利である。]
[0019] 本発明による発熱性混合物において使用可能な塩基性無水物(化合物(ii))の例としては、部分的に水和された塩基性酸化物、例えば、酸化カルシウムまたは石灰(CaO)などが挙げられ、これらは、ある一定の水酸化カルシウムを含有することが先行技術において周知である。塩基性無水物の他の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、ストロンチウム、およびバリウムの中から選択される金属の酸化物が挙げられる。したがって、これらの酸化物は、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、MgO(マグネシア)、CaO(石灰)、SrO、およびBaOを含む。石灰(CaO)およびマグネシア(MgO)あるいはそれらの混合物は、本発明の範囲において特に有利である。石灰(CaO)は、さらに特に有利である。]
[0020] 本発明の範囲において、「酸性塩」なる用語は、水で希釈された後に水溶液のpHを7未満に下げる塩を意味し、「塩基性塩」なる用語は、水に溶解した後に水溶液のpHを7より大きくする塩を意味する。]
[0021] したがって、本発明による発熱性混合物において使用可能な酸性塩(化合物(i))の例としては、塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化亜鉛(ZnCl2)、四塩化チタン(TiCl4)、塩化第1鉄(FeCl2)、塩化第2鉄(FeCl3)、および硝酸第2鉄(Fe(NO3)3)が挙げられる。塩化アルミニウムは、高い熱を発生させるため、好ましい酸性塩である。]
[0022] 本発明による発熱性混合物において使用することができる塩基性塩(化合物(ii))は、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、およびアスコルビン酸カリウムである。酢酸ナトリウムは、好ましい塩基性塩である。]
[0023] 本発明の範囲において有利な発熱混合物は、以下の特性:(1)水との反応の際に重量に対して比較的大きな熱を発生する、(2)物質および調製物の分類に関して、特にヨーロッパ(指示1967/548/ECおよび1988/379/ECおよびその後の更新)並びにアメリカにおいて、事実上、法律の下で危険として分類されていない反応生成物を形成する、の1つ以上を有するものである。
有利には、化合物(i)は酸性無水物であり、化合物(ii)は塩基性無水物である。特に、反応生成物は、アスファルトコンクリートの1種類以上の構成材料の1つ以上の物理化学的特性の劣化の原因となってはならず、または実際の規制において毒性または環境毒性に分類されてはならない。]
[0024] 五酸化リンと石灰との発熱性混合物または一リン酸ナトリウムとマグネシアとの発熱性混合物または五酸化リンとマグネシアとの発熱性混合物は、本発明の範囲において特に有利である。]
[0025] 五酸化リンと石灰との発熱性混合物は、水和反応および中和反応から熱を実質的に発生させるため、本発明の範囲においてさらに特に有利である。]
[0026] 実際に、本発明の範囲において、熱は、少なくとも1種類の酸性無水物、酸性塩、塩基性無水物、または塩基性塩の水和反応により発生される。得られた酸性または塩基性水和反応生成物を中和することによってもさらなる熱が発生する。有利には、熱を発生させる連続的な反応またはその後の反応により、4〜10の間に含まれるpH、有利には6〜8の間に含まれるpHを有する最終生成物が得られる。]
[0027] 本発明による発熱性混合物の組成の例を、下記の表1に示す(水の重量は表に含まれない)。]
[0028] ]
[0029] 有利には、本発明による発熱性混合物、すなわち、発熱性混合物の化合物(i)および(ii)、ひいては無水物および塩は、周囲温度において固体または液体形態であり、有利には固体形態である。実際、この特徴により、発熱性混合物の容易な取り扱いが可能となる。]
[0030] 本発明による発熱性混合物における(酸性無水物または酸性塩)と(塩基性無水物または塩基性塩)の質量比は、大いに変わり得る。当該化合物のこの質量比は、一般的に、熱の発生を増加させ、かつ中性の反応生成物が得られるように選択される。したがって、発熱性混合物の化合物(i)または(ii)のどちらかの過剰な重量が、反応を得るために必要であり得る。]
[0031] 有利には、酸性化合物と塩基性化合物のそれぞれについて1/99〜99/1の間に含まれる質量比が用いられる。有利には、この比率は、70/30〜30/70の間に含まれ、さらに有利には、55/45〜45/55の間に含まれる。]
[0032] 本発明による熱を発生する発熱性混合物の特定の化合物の選択も、特定の用途に所望される熱の量に応じて変わる。有利には、本発明の範囲において、当初のアスファルトコンクリートの温度にかかわらず、1〜100℃、有利には5〜20℃のアスファルトコンクリートの温度上昇を得るために有用である。一般的に、当該温度は、アスファルトコンクリートを施工する時の温度を制御するために高められる。]
[0033] アスファルトコンクリートの施工温度は、敷均しまたは締固めの際のアスファルトコンクリート温度を意味する。温度増加を選択する場合、アスファルトコンクリートがその施工に必要な温度を有するように輸送についても考慮する。]
[0034] 本発明による発熱性混合物は、アスファルトコンクリートに含有される水と接触することにより活性化されるが、この水は、例えば、骨材の自然の湿度、アスファルトコンクリートまたはアスファルト乳剤の製造中に取り込まれた水分、および/または骨材中の水分に由来し得る。発熱性混合物による熱の発生を調節するため、通常は遅延させるために、発熱性混合物中に遅延剤を含めてもよい。したがって、そのような遅延剤は、発熱反応、特に熱の発生速度を制御する。遅延剤は、配合の構成材料の1つに、想到される配合を構成する他の反応物が、接近するのを抑制する(水の拡散を抑制したり、1種類以上の構成材料の溶解性を下げるなど)。そのような遅延剤はまた、以下の一覧の中から有利に選択される:
−ホウ砂、ホウ酸、またはオルトホウ酸、あるいはより一般的にはホウ酸塩ベースの化合物の多く
−塩化ナトリウム
−酒石酸およびその塩
−アジピン酸およびその塩
−クエン酸およびその塩
−グルタル酸およびその塩
−ステアリン酸およびその塩
−シュウ酸およびその塩
−アセトヒドロキサム酸
−フッ化物およびケイフッ化物
−リン酸塩およびポリリン酸塩のアルカリ塩またはアルカリ土類塩、例えば、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、またはヘキサメタリン酸塩など、
−市販の製品、例えば、Rohm and Haas社のAcumer(登録商標)1000、またはAshland社のMillsperse(登録商標)956またはDrewgard(登録商標)4006など。]
[0035] 本発明による発熱性混合物に含まれる遅延剤の量は、特に発熱性混合物の化合物に対して所望される熱量、および所望の遅延効果に応じて変わり得る。有利には、遅延剤は、本発明による発熱性混合物の約1〜50重量%であり、より有利には発熱性混合物の1〜20重量%、さらにより有利には発熱性混合物の5〜14重量%である。有利には、遅延剤は、熱の発生を数分〜数時間(例えば、2時間)遅延させることを可能にする。]
図面の簡単な説明

[0036] 本発明は、以下の図および実施例を参照することにより、より良く理解されるであろう。]
[0037] 骨材(200g)および水(20g)の組成物中に存在する本発明の発熱性混合物(一リン酸ナトリウム/マグネシア:60/40)の量(乾燥骨材の総重量に対する重量%)に対して得られる最大温度上昇(℃)を示す。
組成物中に存在するマグネシアの総重量に対する重量%で表された、組成物中に存在する遅延剤(ホウ酸)の量に対する、セメントの硬化時間(分)、すなわち、100gの本発明の発熱性混合物(一リン酸ナトリウム/マグネシア:60/40)が80gの水と反応するのに必要な時間を示す。
200gの道路用骨材、20gの水、および乾燥骨材の総重量に対して1または2重量%の本発明の発熱性混合物(MgO/P2O5)を含有する組成物における、マグネシア/五酸化リン(Mg/P)のモル比に対する最大温度上昇(DT)(℃)を示す。
18℃および55%相対湿度での硬化時間(日)に対する、試験された冷コンクリートアスファルトの3種類の配合の標準複合モジュラス(15℃および10HzにおけるMPa)を表しており、配合1(F1)は本発明の発熱性混合物を含有しておらず、配合2(F2)は乾燥骨材の総重量に対して1重量%のポルトランドセメントを含有し、配合3(F3)は乾燥骨材の総重量に対して1重量%の本発明による発熱性組成物(またはリン酸−マグネシアセメント=マグネシアおよび一リン酸ナトリウムの混合物)を含有する。
冷注入アスファルトコンクリート(CPA)と周囲温度との間の温度偏差(T−Tamb)(℃)を表しており、CPA参照配合1は本発明の発熱性混合物を含有せず、CPA配合2は乾燥骨材の総重量に対して2重量%の本発明の発熱性混合物(生石灰/五酸化リン:77/23)を含有する。]
[0038] 本発明の特定の一態様において、本発明による発熱性混合物は、アスファルトコンクリートの乾燥骨材の総重量に対して0.1〜10重量%の間に含まれる量において、有利にはアスファルトコンクリートの乾燥骨材の総重量に対して0.5〜6重量%の間に含まれる量において、より有利にはアスファルトコンクリートの乾燥骨材の総重量に対して1〜2重量%の間に含まれる量において使用される。]
[0039] 本発明はさらに、有利には乳剤またはアスファルト泡沫の形態における、水を含有するアスファルトバインダーを含む骨材のコーティングによる、路面用の冷、温、半温アスファルトコンクリートの製造プロセスであって、有利には5〜20℃の間に含まれるアスファルトコンクリートの温度上昇を得るため、本発明による発熱性混合物が、骨材および/または水を含有する骨材/瀝青質バインダーの混合物に添加されることを特徴とする、製造プロセスに関する。したがって、本発明による発熱性混合物は、例えば、特に10℃未満の外部温度で、より詳細には−10℃〜10℃の間の温度で、冷アスファルトコンクリートの施工期間を延ばすことを可能にする。同様に、温または半温アスファルトコンクリートの当初の機械的特性、すなわち施工の際の機械的特性、あるいは最終的な機械的特性、すなわち所定位置に施工された後の機械的特性、を調節するためにも使用することができる。]
[0040] したがって、本発明によるプロセスは、すべてのタイプの冷、温、または半温アスファルトコンクリートの製造に対して、有利にはアスファルト乳剤または泡沫の形態において瀝青質バインダーを含有するアスファルトコンクリートの製造に対して、使用することができる。]
[0041] 本発明によるプロセスにおいて使用される骨材は、前述において定義されたすべてのタイプの骨材であり得る。]
[0042] 有利な一態様において、本発明による発熱性混合物は、水を含有する瀝青質バインダーによるコーティングの前に、骨材および/または微粉に添加される。]
[0043] 別の有利な態様において、本発明による発熱性混合物は、水を含有する瀝青質バインダーによる骨材のコーティングの際に、すなわち、骨材と水を含有する瀝青質バインダーとを混合する際に、添加される。]
[0044] 第三の有利な態様において、本発明による発熱性混合物は、その施工の後で、有利にはそれが敷均された後の締固められる前または後に、アスファルトコンクリートに添加される。]
[0045] これらの3つの態様のそれぞれにおいて、遅延剤が必要である場合には、発熱性混合物と同じ時に添加される。]
[0046] 他の有利な態様により、本発明による発熱性混合物の化合物(i)および(ii)は、一緒に混合されたときに発熱反応が誘発されるように、アスファルトコンクリートの他の化合物(骨材および水を含有する瀝青質バインダー)の1つとは別々に組み入れられる。例えば、バインダーと骨材が混合された時に発熱反応が生じるように、化合物(i)を骨材と混合し、化合物(ii)は水を含有する瀝青バインダーと混合してもよい。遅延剤が使用される場合、遅延剤も、一方および/または他方の反応物に組み入れることができる。]
[0047] したがって、本発明による発熱性混合物は、骨材または骨材の所定の一部分(鉱物微粉、砂、砂利など)のいずれかに添加してもよく、あるいはアスファルトコンクリートが製造されるとき、それが施工されるとき(敷均しの際、締固めの際、またはそれらの工程のうちの1つの直前または直後に)、またはそれが施工された後に、直接アスファルトコンクリートに添加してもよい。アスファルトコンクリートは、一般的に、道路上への敷均し工程および締固め工程により施工される。一般的に、コーティング後、得られたアスファルトコンクリートを貯蔵してもよく、コーティングが現場でなされない場合には現場に輸送してもよい。したがって、冷アスファルトコンクリートは、敷均しの前、すなわちコーティング後および(貯蔵段階の有無を問わず)該当する場合は施工場所への輸送の前または後に、および/または敷均し中、および/または敷均し後の締固めの際に、本発明による発熱性混合物と、場合によっては遅延剤とを添加することによって加熱することができる。]
[0048] 本発明による発熱性混合物による温度上昇により、バインダーとアスファルトコンクリート中に存在する水の温度が著しく上昇する。バインダーの温度上昇は、その粘性を著しく変え、その結果、コーティングの品質とアスファルトコンクリートの加工性、例えばその締固め性、を向上させると考えられる。]
[0049] 本発明はさらに、本発明によるプロセスによって得ることができるアスファルトコンクリートに関する。有利には、このアスファルトコンクリートは、本発明による発熱性混合物の化合物(i)および(ii)の間の反応の生成物を含む。この反応生成物も、本発明によるアスファルトコンクリートに有利な特性を提供する。実際に、それは、慣習的に使用される微粉よりもアスファルトを堅くし、アスファルトコンクリートの耐水性を向上させる。これは、反応生成物がハイドロキシアパタイト(石灰および無水リン酸の発熱性混合物と水との反応によって得られるリン酸三カルシウム)である場合に、特に当てはまる。]
[0050] したがって、本発明による発熱性混合物により、過剰なエネルギーコストを避けながら本発明によるアスファルトコンクリートの施工および硬化を改善することが可能なだけでなく、改善された機械的特性およびより良好な耐水性を有するアスファルトコンクリートを得ることが可能となり、かつ反応生成物によって良好な剛性を有するアスファルトを得ることが可能である。]
[0051] 有利には、本発明によるアスファルトコンクリートは、骨材の重量に対して、5〜12重量%、好ましくは7〜10重量%のバインダーを含む。]
[0052] 本発明によるアスファルトコンクリートは、例えば、乳剤状の砂利もしくは泡沫状の砂利、冷アスファルトコンクリート、高密度もしくは多孔性冷アスファルトコンクリート、冷注入アスファルトコンクリート、または古い道路の現場でのリサイクルもしくは集約的リサイクルに由来するアスファルトコンクリートであり得る。]
[0053] 有利には、本発明によるアスファルトコンクリートの瀝青質バインダーは、道路アスファルト、純粋なアスファルト、溶解または流動化されたアスファルト、ポリマーによって改質されたアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルトによって部分的に改質されたアスファルト、および/またはそれらの混合物の中から選択され、それ自体で、または乳剤において、または泡沫の形態において使用される。]
[0054] 本発明によるアスファルトコンクリート(冷アスファルトコンクリートまたは温もしくは半温プロセスから得られるアスファルトコンクリート)は、特に施工期間および硬化期間に関して、改善された機械的特性を有する。]
[0055] 本発明はさらに、路面の製造のための本発明によるアスファルトコンクリートの使用にも関する。]
[0056] 本発明はさらに、アスファルト乳剤における本発明による発熱性混合物の直接の使用に関する。この乳剤は、乳剤のためのすべての用途、例えば、接着層、表面コーティング、シーリング、または硬化など、において、例えば単独で使用することができ、さらにはアスファルトコンクリート中において骨材の存在下で使用することができる。次いで、本発明による発熱性混合物は、例えば、乳剤が、スプレッダー、傾斜路、ノズルなどによって適用されるときあるいは任意の手段が使用されるときに導入される。]
[0057] 本発明はさらに、本発明による発熱性混合物を含有することを特徴とする、水を含有する瀝青質バインダーをベースとする冷、温、半温アスファルトコンクリート用の骨材にも関する。]
[0058] 有利には、当該骨材はさらに、遅延剤、有利にはホウ酸またはトリポリリン酸塩から選択される遅延剤を含む。]
[0059] 最後に、本発明は、路面用の骨材および/または微粉を乾燥させるための、本発明による発熱性混合物の使用に関する。]
[0060] 有利には、これらの骨材および/または微粉は、乳剤における瀝青質バインダーをベースとする冷、温、または半温アスファルトコンクリートに使用されることが意図される。]
[0061] 実際に、本発明による発熱性混合物は、水の含有量を変更するために、天然の(土、砂利など)または再構成された骨材混合物のみと共に、すなわち、瀝青質バインダーの不在下において、使用することができる。]
[0062] 以下の実施例によって本発明を説明する。]
[0063] 実施例1:発熱反応の実証
本発明による発熱性混合物の可能性を実証するために、道路工事用に考えられるものに近い割合において、Pt.Pierre採石場からの道路用骨材と水とを含む組成物に、様々な量の本発明による発熱性混合物を添加する。この実施例で使用される本発明による発熱性混合物は、それぞれ60%および40%の質量比の一リン酸ナトリウムとマグネシアとの混合物である。構成材料は、最初に、20℃で少なくとも一晩放置する。]
[0064] 発熱反応は、発熱性混合物を含まない参照と、骨材、水、および徐々に増量した本発明による発熱性混合物を含有する組成物との間において測定される温度上昇によって定量化される。測定は、Dewarフラスコにおいて、組成物の中心部に没入させた熱電対を使用して実施する。このようにして測定した温度偏差を図1に示す。]
[0065] 組成物の質量組成:
骨材:200g
・40% 0/4
・18% 4/6
・42% 6/10
水:20g
本発明による発熱性混合物(一リン酸ナトリウム/マグネシア(60/40)):0〜90g]
[0066] 本発明による発熱性混合物は、十分な量において導入される場合、瀝青質組成物用に考えられるものに近い割合において、骨材/水組成物の温度を10℃以上高める熱放出を生じると考えられる。]
[0067] 実施例2:本発明による発熱性混合物と水の間の反応(セメント硬化と呼ばれる)への遅延剤添加の影響
この実施例において、本発明による発熱性混合物は、一リン酸ナトリウムとマグネシアとの混合物である。使用される遅延剤はホウ酸である。発熱混合物と水との反応によって形成されたリン酸−マグネシアセメントの固化は、発熱反応の強さに依存する。セメント製造において使用されている規格NF P15−413に従ってVicat針入度計試験による固化測定により、固化を定量化することができる。このようにして測定された固化時間を図2に示す。]
[0068] 組成物の質量組成:
水:80 g
発熱性混合物(一リン酸ナトリウム/マグネシア(60/40)):100g
H3BO3遅延剤:0〜16g]
[0069] 好適な遅延剤は水と本発明による発熱性混合物との反応時間を遅らせると考えられ、それは、例えば、数分から2時間に及ぶ固化時間に反映される。]
[0070] 実施例3:本発明による発熱性混合物の別の実施例
本発明による発熱性混合物の可能性を実証するために、実施例1のPt.Pierre採石場からの道路用骨材を使用し、道路工事用に考えられるものに近い割合において、水と様々な量の本発明による他の発熱性混合物とを含有する他の組成物を作製する。]
[0071] この実施例において、本発明による発熱性混合物は、様々なモル比(0.5〜2)のマグネシア(MgO)および五酸化リン(P2O5)の混合物である。構成材料は、最初に、20℃で少なくとも一晩放置する。]
[0072] 発熱反応は、発熱性混合物を含まない参照温度と、乾燥骨材の総重量に対して1〜2質量%の本発明による混合物を含有する組成物の温度との間において測定された最大温度上昇によって定量化される。測定は、Dewarフラスコにおいて、組成物の中心部に没入させた熱電対を使用して実施する。このようにして測定した温度偏差を図3に示す。]
[0073] 組成物の質量組成:
骨材:200g
・40% 0/4
・18% 4/6
・42% 6/10
水:10g
様々なモル比のMgO/P2O5の発熱性混合物:乾燥骨材の総重量に対して1または2質量%]
[0074] MgOと一リン酸ナトリウムとをベースとする発熱性混合物と同様に、マグネシアと無水リン酸とを含有する混合物は、少量でかなりの発熱反応を生じる。]
[0075] 実施例4:冷アスファルトコンクリートの配合における本発明による発熱性混合物の使用
下記に記載されたいくつかの冷アスファルトコンクリート配合(CAC)の構成材料を、SR Consulting社のSRC 50/1ミキサーで混合し、得られたアスファルトコンクリートを圧縮して、空隙率17%の直径160mmおよび高さ約150mmの円柱形供試体を得る。供試体は、18℃および相対湿度55%で数週間保存し、それらの標準複合モジュラスを、保存期間に対して、MTS液圧プレス機において15℃および10Hzで測定する(図4)。]
[0076] この実施例において使用される本発明による発熱性混合物は、60質量%のマグネシアと40質量%の一リン酸ナトリウムとを混合して得られたリン酸−マグネシアセメントである。]
[0077] 使用される瀝青質乳剤は、60%のECL−60アスファルト(規格NF T65 011に従って)を含有する、Eurovia社によって製造された低速崩壊型カチオン性乳剤である。]
[0078] 組成
参照配合F1(質量部):
ECL−60瀝青質乳剤:9
水の総量:7
0/10Pt.de Pierre骨材:100]
[0079] 参照配合F2(質量部):
ECL−60瀝青質乳剤:9
水の総量:7
ポルトランドセメント:1
0/10Pt.de Pierre骨材:100]
[0080] 本発明による配合F3(質量部):
ECL−60瀝青質乳剤:9
水の総量:7
リン酸−マグネシアセメント:1
0/10Pt.de Pierre骨材:100]
[0081] CACのような冷アスファルトコンクリートに添加された本発明による発熱性混合物は、特に硬化期間において機械的特性を向上させ、少なくとも6日間の硬化の後でより高いモジュラスが得られるようである。]
[0082] 実施例5:冷注入アスファルトコンクリートの配合における本発明による発熱性混合物の使用
事前に気候室に5℃で一晩貯蔵した、下記において説明するいくつかの冷注入アスファルトコンクリート(CPA)の構成材料を、ホーローのボウルにおいて手で混合し、得られたCPAを約1cmの厚さのウェハー中に敷均す。当該ウェハーは約1kgの重量を有し、その中に熱電対を差し込み、時間に対して温度を測定する(図5)。参照CPA(CPA1)、すなわち、本発明による発熱性混合物を含まないCPAの温度は、ウェハーが約20℃の周囲温度の実験室におけるベンチの上に置かれているため、外部との熱交換により時間とともに上昇する。したがって、参照CPA曲線と、本発明による発熱性混合物を含有するCPA曲線との差により、本発明による混合物とCPAとによって提供される発熱反応を定量化することが可能となる。]
[0083] この実施例において使用される本発明による発熱性混合物は、ペレット状に作製し予め粉砕した、生石灰および五酸化リンの混合物(質量比77/23)である。それは、CPAの配合の様々な成分を混合する際に、一番最後に、すなわちウェハーを調製する直前に導入される構成材料である。]
[0084] 一般的に、CPA配合は、本明細書において「CPA固化遅延剤」と呼ばれるカチオン性界面活性剤を10〜15質量%含有することが指定されるべきである。この溶液は、例えば、実施例2において説明されているような、本発明による可能な遅延剤と混同されるべきではない。この実施例において、それは、Probisa社によって提供されるADP5混合物である。]
[0085] 使用されるアスファルト乳剤は、「Pliego de Prescripciones Tecnicas Generales para Obras de Carreteras y Puentes」(PG3)(Specifications of the General Techniques for Bridge and Roadway Construction)(2nd Ed.,Madrid:Liteam,2001)に記載されているスペインの仕様に従って60%ECL−2dアスファルトを含有する低速崩壊型カチオン性乳剤であり、Probisa社により製造される。]
[0086] 組成
CPA参照配合F1(質量部):
Montorio骨材0/6:100
ECL−2d乳剤:11.7
水の総量:10.8
ポルトランドセメント:0.5
CPA固化遅延剤:0.45]
[0087] 本発明によるCPA配合F2(質量部):
Montorio骨材0/6:100
ECL−2d乳剤:11.7
水の総量:10.8
発熱混合物:2
CPA固化遅延剤:0.45]
[0088] 本発明による発熱性混合物は、CPAなどの冷アスファルトコンクリート配合に添加される場合、最初は5℃であるCPAの温度を、それを含まないCPAより8℃以上高める発熱反応を生じると思われる。]
[0089] 実施例6:本発明による発熱性混合物と水との反応の生成物による硬化効果
本発明による発熱性混合物の1つと水との反応の生成物をシミュレートするために、33質量%のハイドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2(Innophos社によって提供されるリン酸三カルシウム)を、実施例5による石灰および無水リン酸と水との反応によって得られるであろう70/100レプソル(repsol)道路用アスファルトに添加した。]
[0090] 比較のため、同量の、道路工事において一般的に使用される様々な鉱物微粉:石灰石骨材から得られる天然の微粉、一般的なポルトランドセメント、および炭酸カルシウム、を添加した。]
[0091] このようにして改質したアスファルトの機械的特性は、規格NF EN 1427に従って、その軟化温度の上昇により評価した。得られた結果をまとめて下記の表2に示す。]
[0092] ]
[0093] 水と本発明による発熱性混合物との反応の生成物は、当業界において通常使用される微粉よりはるかに効果的にアスファルトを堅くする能力を有していると思われる。]
[0094] 実施例7:本発明による発熱性混合物と水との反応の生成物の存在によるアスファルトコンクリートの耐水性の向上
前述の実施例と同様にして、水と本発明による発熱性混合物の1つとの反応の生成物をアスファルトコンクリートに導入した。]
[0095] このアスファルトコンクリートの配合は、「Pliego de Prescripciones Tecnicas Generales para Obras de Carreteras y Puentes」(PG3)(Specifications of the General Techniques for Bridge and Roadway Construction) (2nd Ed., Madrid: Liteam, 2001)に記載されているスペインの仕様に従って、準高密度アスファルトコンクリートS20に相当する。当該配合は、以下の成分を含有する。]
[0096] アスファルト40/50 Cepsa−Proa:乾燥骨材100部あたり4.5部(4.5%)
0/6砂: 35%
6/12小砂利: 32%
12/20砂利: 33%]
[0097] このアスファルトコンクリートに、炭酸カルシウムあるいは前述の実施例6の材料と同じ炭酸カルシウム(1.25%)およびハイドロキシアパタイト(2.25%)の混合物であり得る3.5%の微粉を加える。]
[0098] 試料は、乾燥供試片(R)と水に浸積後の供試片(r)の単一の圧縮強度を測定するスペインの規格NLT−162に従い、水浸圧縮試験によって評価した。r/R比は材料の耐水性を示す。]
[0099] 得られた結果を下記の表3に示す。]
[0100] ]
実施例

[0101] 水と本発明による発熱性混合物との反応の生成物の存在は、アスファルトコンクリートの耐水性を向上させる能力を有すると考えられる。]
权利要求:

請求項1
水を含有する瀝青質バインダーをベースとする冷、温、または半温アスファルトコンクリートにおいて、該アスファルトコンクリートの温度を高めるための、少なくとも(i)1種類の酸性無水物または酸性塩と少なくとも(ii)1種類の塩基性無水物または塩基性塩との発熱性混合物の使用。
請求項2
水を含有する瀝青質バインダーが、乳剤またはアスファルト泡沫の瀝青質バインダーであることを特徴とする、請求項1記載の使用。
請求項3
水を含有する瀝青質バインダーで骨材をコーティングすることによる路面用の冷、温、半温アスファルトコンクリートの製造プロセスであって、有利には5〜20℃の間に含まれるアスファルトコンクリートの温度上昇を得るために、少なくとも(i)1種類の酸性無水物または酸性塩と少なくとも(ii)1種類の塩基性無水物または塩基性塩との発熱性混合物を、骨材および/または骨材と水を含有する瀝青質バインダーとの混合物に添加することを特徴とする、製造プロセス。
請求項4
水を含有する瀝青質バインダーが、乳剤またはアスファルト泡沫の瀝青質バインダーであることを特徴とする、請求項3記載のプロセス。
請求項5
水を含有する瀝青質バインダーによるコーティングの前に、発熱性混合物が骨材および/または微粉中に添加されることを特徴とする、請求項3または4記載のプロセス。
請求項6
水を含有する瀝青質バインダーによる骨材のコーティングの間に発熱性混合物が添加されることを特徴とする、請求項3または4記載のプロセス。
請求項7
アスファルトコンクリートの施工の後に、有利には敷均された後の締固められる前または後に、アスファルトコンクリートに発熱性混合物が添加されることを特徴とする、請求項3または4記載のプロセス。
請求項8
ホウ酸またはトリポリリン酸塩の中から有利に選択される遅延剤が、発熱混合物と同時に添加されることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか一項記載のプロセス。
請求項9
酸性無水物が、五酸化リン、一リン酸ナトリウム、およびそれらの混合物の中から選択されることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか一項記載のプロセス。
請求項10
塩基性無水物が、石灰、マグネシア、およびそれらの混合物の中から選択されることを特徴とする、請求項3〜9のいずれか一項記載のプロセス。
請求項11
発熱混合物が、五酸化リンおよび石灰から作製されることを特徴とする、請求項3〜10のいずれか一項記載のプロセス。
請求項12
発熱性混合物の量が、アスファルトコンクリートの乾燥骨材の総重量に対して0.1〜10重量%の間、有利にはアスファルトコンクリートの乾燥骨材の総重量に対して0.5〜6重量%の間に含まれることを特徴とする、請求項3〜11のいずれか一項記載のプロセス。
請求項13
酸性無水物または酸性塩/塩基性無水物または塩基性塩の質量比が、70/30〜30/70の間、有利には55/45〜45/55の間に含まれることを特徴とする、請求項3〜12のいずれか一項記載のプロセス。
請求項14
水を含有する瀝青質バインダーをベースとする冷、温、または半温アスファルトコンクリート用の骨材であって、少なくとも(i)1種類の酸性無水物または酸性塩と少なくとも(ii)1種類の塩基性無水物または塩基性塩との発熱性混合物を含有することを特徴とする、骨材。
請求項15
ホウ酸またはトリポリリン酸塩の中から有利に選択される遅延剤も含むことを特徴とする、請求項14記載の骨材。
請求項16
路面用の骨材および/または微粉を乾燥させるための、少なくとも(i)1種類の酸性無水物または酸性塩と少なくとも(ii)1種類の塩基性無水物または塩基性塩との発熱性混合物の使用。
請求項17
前記骨材および/または微粉を、水を含有する瀝青質バインダーをベースとする冷、温、または半温アスファルトコンクリートにおいて使用することが意図されることを特徴とする、請求項16記載の使用。
請求項18
請求項3〜13のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることができるアスファルトコンクリート。
請求項19
(i)1種類の酸性無水物または酸性塩と(ii)1種類の塩基性無水物または塩基性塩との反応生成物を含有することを特徴とする、請求項18記載のアスファルトコンクリート。
請求項20
骨材の重量に対して5〜12重量%、好ましくは7〜10重量%の瀝青質バインダーを含むことを特徴とする、請求項18または19記載のアスファルトコンクリート。
請求項21
瀝青質バインダーが、道路アスファルト、純粋なアスファルト、溶解または流動化されたアスファルト、ポリマーによって改質されたアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルトによって部分的に改質されたアスファルト、および/またはそれらの混合物の中から選択されることを特徴とする、請求項18〜20のいずれか一項記載のアスファルトコンクリート。
請求項22
路面の製造のための、請求項18〜21のいずれか一項記載のアスファルトコンクリートの使用。
請求項23
アスファルト乳剤における、少なくとも(i)1種類の酸性無水物または酸性塩と少なくとも(ii)1種類の塩基性無水物または塩基性塩との発熱性混合物の使用。
請求項24
接着層、表面コーティング、またはシーリングもしくは硬化コーティングとしての請求項23記載の乳剤の使用。
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