专利摘要:
本発明は、固体状態の17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール、例えば、非晶質および結晶性形態ならびにその特定の多形形態を提供し、記載したものである。17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの無水物および溶媒和物としては、III型無水物およびI型溶媒和物が挙げられる。さらに、本発明は、本記載の固体状態形態の17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む固形および懸濁製剤、ならびに被検体またはヒト患者の前立腺癌または乳癌などの癌または前癌を処置するための該製剤の使用に関する。また、本発明は、17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの固体状態形態からの液状製剤の作製方法、および記載の病状の処置におけるかかる製剤の使用に関する。
公开号:JP2011511011A
申请号:JP2010545285
申请日:2009-02-05
公开日:2011-04-07
发明作者:ブレントン;エス. ウォルフェ,;エリン オルソン,;ドワイト スティックニー,;スティーブン;ケー. ホワイト,;キース;アール. ロリマー,
申请人:ハーバー バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド;
IPC主号:C07J1-00
专利说明:

[0001] 本発明は、17−エチニル−10R,13S−ジメチル−2,3,4,5S,6,7,8R,9S,10,11,12,13,14S,15,16,17−ヘキサデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]−フェナントレン−3S,17S−ジオールおよびその固体状態形態、例えば、結晶性、多形、偽多形(pseudopolymorph)および非晶質形態、ならびに該固体状態形態の調製方法に関する。さらに、本発明は、該固体状態形態を含む固形製剤、ならびに固形および液状の製剤の調製における該固体状態形態(例えば、多形形態および偽多形形態)の使用方法、ならびに癌(例えば、乳癌、前立腺癌などのホルモン感受性癌またはホルモン関連癌)の処置のため、および前癌および過形成(良性前立腺肥大症など)の処置のためのこのような製剤の使用に関する。該固形および液状の製剤のための単位投薬形態もまた含む。]
背景技術

[0002] 物質が1種類より多くの結晶性形態で存在し得る能力を一般的に多形性といい、このような異なる結晶性形態は、通常「多形」と称され、それらの粉末X線回折(XRPD)パターンなどの特定の分析による特性によって示され得る。一般に、多形性は、分子がそのコンホメーションを変えることができる能力、または異なる分子間相互作用および分子内相互作用を形成できる能力を反映している。これにより、異なる原子配列がもたらされ得、これが異なる多形の結晶格子に反映される。しかしながら、一部の分子は1種類以上の結晶形で存在し得るが、他の分子は1種類以上の結晶形で存在し得ないため、多形性は固体の普遍的な特徴ではない。したがって、所与の化合物に関する多形性の存在または程度は予測不可能である。]
[0003] 物質の異なる多形は異なる結晶格子エネルギーを有し、したがって、各多形は、典型的には、固体状態で示される1つ以上の物性、例えば、密度、融点、色、安定性、溶解速度、流動性、ミル処理との適合性、造粒および圧密化および/または分布の均一性などが異なる[例えば、非特許文献1参照]。任意の所与の化合物が1種類以上の結晶性形態で存在し得る可能性(すなわち、多形)は、任意の単一の結晶性形態の物性が予測不可能であるため、予測不可能である。多形形態の物性は、医薬製剤におけるその好適性に影響を及ぼし得る。該物性により、固体状態の製剤の安定性、溶解およびバイオアベイラビリティが影響を受けることがあり得、これにより、続いて疾患の処置におけるかかる製剤の好適性または有効性が影響を受ける。]
[0004] 1つ以上の所望の特性を有する個々の多形は、所望の特性(1つまたは複数)を有する医薬製剤の開発に適したものであり得る。所望でない特性を有する多形形態(1種類または複数種)を有する化合物の存在により、医薬用薬剤としての多形形態の開発が妨げられまたは妨害されることがあり得る。]
[0005] 1種類より多くの多形形態で存在する化学的物質の場合、熱力学的にあまり安定でない形態は、充分な期間後、所与の温度で、偶発的に熱力学的により安定な形態に変換されることがあり得る。この変換が急速でない場合、かかる熱力学的に不安定な形態は「準安定」形態と称される。ある場合では、安定な形態が最も高い融点、最も低い溶解度、および最も大きな化学的安定性を示す。他のある場合では、準安定形態が、商業用形態での使用が可能になる通常の保存条件下で充分な化学的および物理的安定性を示すことがあり得る。この場合、準安定形態は、熱力学的にはあまり安定ではないが、安定な形態のものよりも望ましい特性(向上した溶解度またはより良好な経口バイオアベイラビリティなど)を示すものであり得る。同様に、医薬活性成分の非晶質形態は、その結晶格子間力が小さいため(due)(これは、水性または非水性の液体中への溶解をもたらすためには、解決されるべきことである)、所与の結晶性物質と比べて異なる溶解度を有するものであり得る。]
先行技術

[0006] P.DiMartinoら,J.Thermal Anal.48:447−458(1997)]
課題を解決するための手段

[0007] 主要な実施形態において、本発明は、式1で表される17−エチニル−10R,13S−ジメチル−2,3,4,5S,6,7,8R,9S,10,11,12,13,14S,15,16,17−ヘキサデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]−フェナントレン−3S,17S−ジオールの新たな固体状態形態を提供する。この化合物は、過剰増殖状態、例えば、癌または前癌など、特に、ホルモン感受性癌もしくはホルモン関連癌、前癌または良性過形成、例えば、前立腺癌、乳癌、前立腺上皮内腫瘍もしくは良性前立腺肥大などの処置に適している。]
[0008] 式1の化合物(以下、本明細書において化合物1または17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールともいう)は非晶質形態および結晶性形態で調製され、特に、結晶性形態を、本明細書ではI型、III型、IV型、V型、VI型、VII型およびVIII型という。]
[0009] 本発明の一実施形態は、化合物1の他の結晶性または非晶質形態を実質的に含まない、または本質的に含まない化合物1の特定の結晶性形態(例えば、I型、III型、IV型、V型、VI型、VII型、VIII型)に関する。]
[0010] 特定の実施形態において、本発明は、化合物1の他の多形または偽多形形態を実質的に含まない、または本質的に含まない化合物1の特定の多形形態(例えば、III型)または偽多形形態(例えば、I型)に関する。]
[0011] 本発明の別の実施形態は、非晶質化合物1に関し、典型的には、該非晶質物質は結晶性化合物1を実質的に含まない、または本質的に含まない。]
[0012] 特定の実施形態において、本発明は、本発明の固体状態形態の作製、単離および/または特性評価方法を提供する。一部のこのような実施形態は、結晶性形態の化合物1の調製方法に関する。他の一部のかかる実施形態は、非晶質形態の化合物1の調製方法に関する。]
[0013] 一部の実施形態において、化合物1の固体状態形態は、粉末X線回折(XRPD)と1つ以上の熱量関連(thermal)法、例えば、示差熱分析(DTA)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)および融点測定を含む方法によって特性評価または同定される。]
[0014] 一部の実施形態において、化合物1の固体状態形態は、XRPDと振動分光法方法(ラマン分光法など)を含む方法によって特性評価または同定される。]
[0015] 一部の実施形態において、化合物1の固体状態形態は、単結晶X線回折を含む方法によって特性評価または同定される。]
[0016] 一部の実施形態において、化合物1の固体状態形態は、1H−NMR、元素分析、カール・フィッシャー滴定、熱重量分析またはその組合せを含む方法によって特性評価または同定される。]
[0017] 一部の実施形態において、化合物1の結晶性形態は、(1)参照結晶性形態の単位胞パラメータを得る工程;(2)同定または特性評価対象の結晶性形態の1つ以上の高分解能XRPDパターンを得、そのようにして得られた高分解能XRPDパターンをインデックス表示(index)する工程;(3)同定または特性評価対象の結晶性形態の単位胞パラメータをインデックス表示した高分解能XRPDパターン(1つまたは複数)から求める工程;および(4)参照結晶性形態と同定対象の結晶性形態で単位胞パラメータを比較する工程を含む方法によって同定または特性評価される。この方法の特定の実施形態において、参照結晶性形態の単位胞パラメータは、単結晶X線データから得られたものである。この方法の他の一部の実施形態では、参照結晶性形態の単位胞パラメータは、インデックス表示した高分解能XRPDパターン(1つまたは複数)から得られたものである。この方法のさらに他の実施形態において、同定または特性評価対象の結晶性形態は多形または偽多形であり、参照は、同定または特性評価対象の別の多形または偽多形である。このような方法の一部では、同定対象の結晶性形態が偽多形であり、参照が無水物(anhydrate)、好ましくは親近構造の(isostructural)無水物である。このような方法のさらに他の実施形態において、比較される単位胞パラメータは、親近構造の参照結晶性形態および特性評価対象の結晶性形態について導き出された結晶体積である。]
[0018] 本発明の他の実施形態は、化合物1の固体状態形態を含む固形製剤および該固形製剤の調製方法に関する。]
[0019] 特定の実施形態において、本発明は、最終薬物製品としての本発明の固体状態形態の使用を包含する。]
[0020] 本発明の他の実施形態は、化合物1の他の固体状態形態(化合物1の非晶質形態または他の結晶性形態など)を実質的に含まない、または本質的に含まない化合物1の特定の結晶性形態(例えば、I型、III型、IV型、V型、VI型、VII型、VIII型)を含む薬学的に許容され得る製剤、および該製剤の調製方法に関する。]
[0021] 本発明のさらに他の実施形態は、少なくとも1種類の化合物1の固体状態形態を、化合物1が充分な溶解度を有する液状賦形剤と、任意選択で別の賦形剤の存在下で、接触させるかまたは混合することにより調製される液状製剤、および該液状製剤の調製方法に関する。]
[0022] 本発明のまた別の実施形態は、癌または過剰増殖状態、例えば、被検体のホルモン関連癌またはホルモン感受性癌(卵巣癌、子宮内膜癌、前立腺癌または乳癌など)などを、化合物1の固体状態形態を含む固形製剤(化合物1の非晶質または結晶性形態など)で処置する方法に関する。]
[0023] 本発明のまた別の実施形態は、被検体のホルモン関連癌またはホルモン感受性癌(卵巣癌、子宮内膜癌、前立腺癌または乳癌など)を、化合物1の他の固体状態形態(非晶質形態および他の結晶性形態など)を実質的に含まない化合物1の特定の結晶性形態(例えば、I型、III型、IV型、V型、VI型、VII型、VIII型)を含む固形製剤で処置する方法に関する。]
[0024] 本発明の別の実施形態は、被検体の子宮内膜症または良性前立腺肥大症を、化合物1の固体状態形態(化合物1の非晶質または結晶性形態など)を含む固形製剤で処置する方法に関する。]
[0025] また、本発明の実施形態は、ホルモン関連もしくは感受性の癌、前癌または過形成(前立腺癌、乳癌、前立腺上皮内腫瘍または良性前立腺肥大など)の処置または予防のための医薬の調製のための非晶質または結晶性形態の化合物1の使用(use or)を含む。]
[0026] さらに他の実施形態は、化合物1の固体状態形態が使用された液状製剤の調製方法、およびホルモン関連癌またはホルモン感受性癌の処置のためのかかる製剤の使用に関する。]
[0027] 本発明の他の実施形態および利点は、本明細書(番号付けした実施形態および特許請求の範囲を含む)中の他の箇所に記載したとおりである。]
図面の簡単な説明

[0028] 図1は、バルク化合物1の調製で得られた合成生成物の低分解能粉末X線回折パターンを示す。
図2は、III型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の高分解能粉末X線回折パターンを示す。
図3は、III型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の示差走査熱量測定および熱重量分析サーモグラムを示す。
図4は、III型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料のプロトンNMR分光法スペクトルを示す。
図5は、広がった領域を有するIII型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料のラマン分光法スペクトルを示す。
図6は、倍率10倍におけるIII型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの結晶の顕微鏡写真を示す。
図7は、I型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の高分解能粉末X線回折パターンを示す。
図8は、I型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の示差走査熱量測定および熱重量分析サーモグラムを示す。
図9は、広がった領域を有するI型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料のラマンスペクトルを示す。
図10は、I型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの計算による粉末X線回折パターンと、実験により得られた粉末X線回折パターンの比較を示す。
図11は、単結晶X線結晶学から得られた結晶性I型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの単位胞のORTEP図である。
図12は、IV型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の低分解能粉末X線回折パターンを示す。
図13は、IV型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の示差熱分析および熱重量分析サーモグラムを示す。
図14は、倍率2倍および10倍におけるIV型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの結晶の顕微鏡写真を示す。
図15は、V型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の低分解能粉末X線回折パターンを示す。
図16は、VI型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の低分解能粉末X線回折パターンを示す。
図17は、VI型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の示差熱分析および熱重量分析サーモグラムを示す。
図18は、VII型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の低分解能粉末X線回折パターンを示す。
図19は、VIII型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の低分解能粉末X線回折パターンを示す。
図20は、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを実質的に含まない非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の低分解能粉末X線回折パターンを示す。
図21は、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを実質的に含まない非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む試料の熱重量分析サーモグラムおよび示差熱分析サーモグラムを示す。
図22は、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールから調製された製剤の、前立腺癌腫瘍モデルにおける腫瘍発生率に対する効果を示す(処置による腫瘍体積の推移と処置開始からの日数を示す)。
図23は、処置による腫瘍体積の推移と処置開始からの日数を示すことにより、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールから調製された製剤の、前立腺癌モデルにおいて確立された腫瘍に対する効果を示す。
図24は、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールから調製された製剤で処置後の、増殖中の前立腺癌細胞における細胞周期の阻害およびアポトーシスの誘導を示す。
図25は、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールから調製された製剤の、乳癌モデルにおける投薬初日から新たな腫瘍までの時間の分布に対する効果を示す。
図26は、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールから調製された製剤の、乳癌モデルにおける腫瘍負荷量(体積基準)に対する効果を示す。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18
[0029] 定義
本明細書で用いる場合、または特に記載のない限り、もしくは文脈から示唆されない限り、本明細書において定義する用語は、特定した意味を有する。記載した実施形態および実施例の説明は、本発明を例示するものであって、なんら限定することを意図しない。例えば相互の要素または選択肢によって、特に反対の内容の表示または示唆がない場合、本明細書の説明において、または本明細書全体を通して、用語「a」および「an」は、1つ以上を意味し、用語「または(もしくは)」は、および/またはを意味する。]
[0030] 特に明白な記載のない限り、または文脈から特定されない限り、割合の量は重量%(w/w)で示したものである。したがって、少なくとも約2%の化合物1を含む固形投薬製剤は、少なくとも約2%w/wの化合物1を含む固形投薬製剤または懸濁剤である。0.1%の水分を含む固体化合物1は、0.1%w/wの水分が該固体と会合していることを意味する。]
[0031] 「約」および「およそ」は、特定の固体形態を説明するために示した数値または値の範囲、例えば、特定の温度もしくは温度範囲(例えば、融解、脱水和、脱溶媒和もしくはガラス転移を示すものなど);質量変化(例えば、温度もしくは湿度の関数としての質量変化など);溶媒もしくは含水量(例えば、質量もしくはパーセントで);またはピーク位置(例えば、IRもしくはラマン分光法もしくはXRPDによる分析のものなど)に関して用いる場合、該値または値の範囲が、当業者に妥当とみなされる程度に逸脱することがあり得るが、依然として該特定の固体状態形態を示すものであることを示す。具体的には、用語「約」および「およそ」は、本文脈において用いる場合、該数値または値の範囲は、記載の値または値の範囲から20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%または0.01%逸脱してもよいが、依然として該特定の組成または固体状態形態を示すものであることを示す。]
[0032] 「固体状態」は、本明細書で用いる場合、化合物(17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール(すなわち、化合物1)など)または該化合物を含む組成物において、存在する該化合物の質量の少なくとも約2〜10%が固体で存在している物理的状態をいう。典型的には、化合物1の質量の大部分が固体状態形態である。より典型的には、化合物1の質量の少なくとも約80〜90%が固体形態である。固体状態形態としては、結晶性、不規則な結晶性、多結晶性、微晶質、ナノ結晶性、一部結晶性、非晶質および半固体形態またはその混合物が挙げられ、任意選択で、非固体または非結晶性の化合物1を包含する。さらに、化合物1の固体状態形態としては、多形、偽多形、水和物、溶媒和物、脱水水和物および脱溶媒溶媒和物ならびにその混合物が挙げられ、任意選択で、非固体または非結晶性の化合物1を包含する。したがって、化合物1の固体状態形態は、化合物1の単一の多形形態、化合物1の単一の偽多形形態、2種類以上、典型的には2種類もしくは3種類の化合物1の多形もしくは偽多形形態の混合物、またはこれらの固体状態形態の任意の1種類と、任意選択で化合物1の非固体または非結晶性との組合せ(ただし、化合物1の質量の少なくとも約2〜10%は固体形態であるものとする)を包含する。]
[0033] 本明細書で用いる用語「結晶性」および関連用語は、物質、成分または生成物を説明するために用いている場合、適当な方法、典型的にはX線回折によって測定したとき、該物質、成分または生成物が結晶性であることを意味する[例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,Mack Publishing,Easton Pa.,p173(1990);The United States Pharmacopeia,第23版,pp.1843−1844(1995)参照]。]
[0034] 本明細書における用語「結晶性形態」および関連用語は、所与の物質の種々の結晶性の変形型、例えば、限定されないが、多形、溶媒和物、水和物、混合型溶媒和物、共結晶および他の分子複合体をいう。また、結晶性形態は、所与の物質の種々の結晶性の変形型の混合物、例えば、偽多形形態もしくは多形形態の組合せ、1種類以上の多形形態と1種類以上の偽多形との組合せ、またはかかる形態と当該物質の非晶質もしくは非固体状態形態との組合せなどであってもよい。典型的な組合せは、多形形態と偽多形形態の混合物、または多形もしくは偽多形形態と非晶質物質の混合物のような2種類以上の多形または偽多形形態のものである(with be)。]
[0035] 物質の結晶性形態は、当該技術分野で知られたいくつかの方法によって得られ得る。かかる方法としては、限定されないが、溶融再結晶、溶融冷却、溶媒再結晶、限定空間内(例えば、ナノ細孔または毛細管内など)での再結晶、表面または鋳型上(例えば、ポリマー上など)での再結晶、添加剤(例えば、共結晶の対分子など)の存在下での再結晶、脱溶媒和、脱水和、急速エバポレーション、急速冷却、低速冷却、気相拡散、昇華、磨砕および溶媒滴下磨砕(solvent−drop grinding)が挙げられる。]
[0036] 「多形」は、本明細書で用いる場合、物質(化合物1など)の規定の結晶性形態をいう。多形は、典型的には、多形の格子内での分子秩序のため物性において異なる。また、多形の物性は、例えば、水和物、溶媒和物または多形の格子内に組み込まれた他の分子の存在のため安定性または流動特性が異なることがあり得る。]
[0037] 熱力学の観点から、多形性には2つの型が存在する。例えば、多形がモノトロピーの関係を有する場合、温度に対するこの関係にある種々の多形の自由エネルギーのプロットは、すべての多形が溶融する前では交差しない、すなわち、ある多形から別の多型へのいずれの転移も不可逆的である。モノトロピーの関係を有する多形は、モノトロープと称されることがある。エナンチオトロピー関係を有する多形では、温度に対するこの関係にある種々の多形の自由エネルギーのプロットは、種々の融点の前で交点を示し、したがって、加熱したり冷却したりすると、2つの多形間で可逆的な変換が可能であり得る。エナンチオトロピー関係を有する多形は、エナンチオトロープと称されることがある。]
[0038] 多形は、物性または医薬特性、例えば、吸湿性、溶解度、固有溶解速度、固体状態反応速度(すなわち、薬物物質もしくは薬物製品としての医薬成分の化学的安定性)、結晶性の安定性(すなわち、熱力学的により安定な結晶性形態に転移する傾向)、表面自由エネルギー、界面張力、機械的強度(例えば、硬度、脆性、塑性変形、従順性、可鍛性など)、引張強度、圧密性(すなわち、打錠)および加工性(例えば、取り扱い、流動、ブレンドなど)の1つ以上に差を示すことがあり得る。また、薬物物質の多形形態の物性および機械的特性の差は、規模拡大および研究室での手順からパイロットプラントを経、次いで充分な製造への移行に影響を及ぼすことがあり得る。また、設備の変更、加熱速度および冷却速度の変動ならびに攪拌手順の変動は、晶出に影響を及ぼすことがあり得、したがって、得られる結晶性形態に影響し得る。]
[0039] 水和物、溶媒和物または混合型溶媒和物として存在する多形は、一般的に偽多形と称され、無水であるか溶媒和物でない親近構造の多形形態に鑑みると異なる固体状態形態を表す。また、溶媒和物の実体または化学量論が異なる偽多形も、相互に鑑みると異なる固体状態形態とみなされる。例えば、一水和物として存在する化合物1は、その親近構造の二水和物に鑑みると、異なる固体状態形態である。また、化合物1のメタノール−水溶媒和物(すなわち、混合型溶媒和物)は、親近構造の水和物または無水物に鑑みると、異なる固体状態形態とみなされる。溶媒和物および水和物は、一般的に、その親近構造の無水物または脱溶媒和物と比較すると、異なる溶解度または異なる固有溶解速度を示す。例えば、溶媒和物は、所与の温度において、その親近構造の脱溶媒和物と比較すると、該溶媒和物を含む溶媒中において低い固有溶解速度が示されることがあり得る。したがって、水和物は一部の場合において、その親近構造の無水物と比較すると、水溶液中において低い固有溶解速度が示されることがあり得る。さらに、種々の温度および/または種々の水蒸気圧(例えば、相対湿度)もしくは有機溶媒の蒸気圧における水和物および溶媒和物の安定性プロフィールは、一部の場合において、親近構造の無水物または脱溶媒和物ものとは異なる。かかる違いは、種々の保存条件下において、薬物物質または薬物製品のいずれかとしての医薬活性成分(例えば、化合物1)の製剤、加工処理または安定性に影響を及ぼすことがあり得る。]
[0040] したがって、異なる結晶性形態または多形形態は、結晶格子内の分子の配列またはコンホメーションの結果として、異なる物性(例えば、融解温度、融解熱、溶解度および/または振動スペクトルなど)を有し得る(例えば、Byrn,S.R.,Pfeiffer,R.R.およびStowell,J.G.(1999)Solid−State Chemistry of Drugs,第2版,SSCI,Inc.:West Lafayette,Ind.参照)。多形および偽多形によって示される物性の違いは、バイオアベイラビリティにおいて重要な要素であり得る薬学的パラメータ、例えば、保存安定性、圧縮性および密度(製剤および製品の製造に重要)ならびに固有溶解速度などに影響を及ぼすことがあり得る。安定性の違いは、化学的反応性の変化(例えば、ある多形または偽多形で構成されている場合では、別の多形形態で構成されている場合よりも投薬形態がより急速に変色というような酸化の差)、または機械的変化(例えば、動力学的に好都合な多形が熱力学的により安定な多形に変換された場合の保存時の錠剤の崩壊)または両方(例えば、ある多形の錠剤が、高湿度において分解され易い)に起因し得る。溶解度/溶解の違いの結果、極端な場合では、一部の多形転移により効力の欠如がもたらされ得、あるいは、別の極端な場合では、毒性がもたらされ得る。また、結晶の物性は、加工処理において重要であり得、例えば、ある多形は、濾過および洗浄が困難であり得、不純物(すなわち、粒子形状および粒径分布が多形間で異なり得る)を含まない溶媒和物または水和物を形成し易いものであり得る。]
[0041] 典型的には、結晶性形態は、1つ以上の物性または分析による特性(溶解速度など)、赤外線およびラマン分光法、X線回折手法(単結晶および粉末回折手法など)、固体状態−NMR(SS−NMR)、熱量関連手法(融点、示差熱分析(DTA)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)など)および本明細書中の他の箇所に開示した他の方法によって互いに容易に識別される。偽多形を特性評価、または別の親近構造の多形、偽多形、脱溶媒和物または無水物と識別するためのさらなる方法としては、元素分析、カール・フィッシャー滴定、動的気相吸収分析、熱重量−赤外線分光分析(TG−IR)、残留溶媒ガスクロマトグラフィー、1H−NMRおよび本明細書中の他の箇所に開示した他の方法が挙げられる。]
[0042] 用語「親近構造の結晶性形態」は、本明細書で用いる場合、別の結晶性形態と類似性(例えば、ほぼ類似した結晶格子内の格子面間隔)を有する共通構造を有する物質の結晶形をいう[結晶格子のより詳細な説明は、Stout and Jensen,X−Ray Structure Determination:A Practical Guide,MacMillan Co.,New York(1968)の第2章および第3章に見られる]。したがって、親近構造の結晶性形態は、類似した分子充填モチーフを有するが、単位胞パラメータ(対称性翻訳)が異なる。共通構造の類似性のため、親近構造の結晶性形態は、典型的には、類似しているが必ずしも同一でない粉末X線回折パターンを有する。親近構造の結晶性形態は、中性分子または分子複合体である物質を主体とするものであり得る。親近構造の結晶性形態は、該物質の溶媒和物(水和物を含む)であってもよく、脱溶媒和された溶媒和物の結晶性形態であってもよい。多形の溶媒和物である親近構造の形態は、一部の場合において、非溶媒和多形に対して偽多形であると称される。溶媒和された結晶性形態は、典型的には、結晶格子内に1種類以上の溶媒(例えば、水)を含み、これは、該結晶性形態の調製で使用された晶出用溶媒(1種類または複数種)であってもよい。]
[0043] 「非晶質」は、本明細書で用いる場合、粉末X線回折(XRPD)で測定したとき、長周期規則性(long−range periodic)原子構造をもたない化合物(例えば、化合物1)の固体状態形態をいう。非晶質物質のXRPDパターンは、示差的なピークのない非晶性散乱(halo)として現れる。一部の化合物の非晶質物質は、当該技術分野で知られたいくつかの方法によって得られ得る。かかる方法としては、限定されないが、加熱、溶融冷却(melt cooling)、急速溶融冷却、溶媒エバポレーション、急速溶媒エバポレーション、脱溶媒和、昇華、磨砕、低温磨砕および凍結乾燥が挙げられる。]
[0044] 「製剤」または「薬学的に許容され得る製剤」は、本明細書で用いる場合、1種類以上の薬学的に許容され得る賦形剤に加えて、固体状態形態で存在する医薬活性成分(17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール(すなわち、化合物1)など)を含む組成物をいうか、または医薬活性成分の固体状態形態から調製される組成物をいい、ここで、該組成物はヒトへの投与に適したものである。製剤は、医薬活性成分の1種類、2種類またはそれ以上の結晶性形態(例えば、化合物1の単一の多形または偽多形形態、化合物1の2種類の多形形態の混合物、化合物1の多形形態と化合物1の偽多形形態との混合物、または化合物1の多形または偽多形形態と非晶質化合物1との混合物)から構成されたもの、または調製されたものであり得る。典型的には、該製剤は、化合物1の単一の結晶性形態(例えば、I型、III型、IV型、V型、VI型、VII型、VIII型)、非晶質化合物1、または好ましさは低いが、単一の多形または偽多形形態と非晶質化合物1との混合物から構成されたもの、もしくは調製されたものである。]
[0045] 「固体状態製剤」または「固形製剤」は、本明細書で用いる場合、化合物1の固体状態形態と1種類以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む製剤であって、当該固体状態製剤に必要とされる比率で賦形剤と混合した場合、該固体状態形態の質量の大部分が、周囲温度で少なくとも約6ヶ月、通常、周囲温度で少なくとも約12ヶ月または24ヶ月、固体状態形態のままである製剤をいう。固体状態製剤を含む投薬単位としては、錠剤、カプセル剤、キャプレット剤、ゲルカップ剤、アンプル、懸濁剤および処置の必要がある被検体への固体状態形態の医薬活性成分の非経口または経腸(経口)投与と典型的に関連する他の投薬単位が挙げられる。]
[0046] 「液状製剤」は、本明細書で用いる場合、化合物1の1種類以上の固体状態形態を1種類以上の賦形剤と混合または接触させた製剤であって、賦形剤の少なくとも1種類が、液状または非固体状態形態(すなわち、非固形賦形剤)であり、当該液状製剤に必要とされる比率で、化合物1の質量の大部分が非固形賦形剤中に溶解されているような製剤をいう。液状製剤を含む投薬単位としては、シロップ剤、ゲル剤、軟膏および処置の必要がある被検体への非固体状態形態の医薬活性成分の非経口または経腸投与と典型的に関連する他の投薬単位が挙げられる。]
[0047] 「実質的に含まない」は、本明細書で用いる場合、化合物(化合物1など)の約60重量%より多くが所与の固体状態形態で存在していることをいう。例えば、用語「非晶質物質を実質的に含まない結晶性化合物1」は、化合物1の約60%より多くが結晶性化合物1である化合物1の固体状態形態をいう。かかる組成物は、典型的には少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%の結晶性化合物1を含み、残余は非晶質または非結晶性化合物1として存在する。本明細書に記載の製剤は、典型的には、約94〜99%の単一の結晶性または非晶質形態の化合物1を含み、約97%、約98%または約99%が好ましい。別の例において、用語「結晶性形態を実質的に含まない非晶質化合物1」は、化合物1の約60%より多くが非晶質である化合物1の固体状態形態をいう。かかる組成物は、典型的には、少なくとも約80%、通常少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の非晶質化合物1を含み、残余は結晶性化合物1として存在する。また別の例において、用語「他の結晶性形態を実質的に含まないIII型」は、化合物1の約60%より多くがIII型としての結晶性形態で存在する固体状態組成物をいう。かかる組成物は、典型的には少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約97%のIII型としての化合物1を含み、化合物1の残余は、他の結晶性または非晶質形態またはその組合せとして存在する。]
[0048] 「実質的に純粋」は、本明細書で用いる場合、化合物1の固体状態形態に含まれる全不純物が約3%未満もしくは約2重量%未満であること、あるいはより好ましくは、含まれる水分が約1重量%未満および/または不純物(分解もしくは合成の副生成物あるいは化合物1の固体状態形態の溶媒和物の一部でない(例えば、偽多形の一部でない)または別の残留有機溶媒など)が約0.5重量%未満であることをいう。]
[0049] 「実質的に同一」は、本明細書で用いる場合、典型的には試料の配置もしくは取扱または計測図もしくは物理的特性を取得するために使用された計測器の実体と関連する差違により、あるいは実験室環境内もしくは分析計測器内もしくは両者間に通常見られる他の差異または変動により、ピーク位置および振幅または強度が同等である値またはデータ図において、測定された物理的特性が同等であることをいう。]
[0050] 「本質的に含まない」は、本明細書で用いる場合、ある成分が、その検出に使用される典型的な条件下で検出可能な量で存在しない、あるいは該成分がみられることがあり得る組成物または製剤の所望の特性に有害な影響を及ぼし得る量で存在しないと確認されたことをいう。例えば、「液状物を本質的に含まない」は、固体形態の組成物または製剤が、投与の必要がある被検体に固形投薬形態で投与するために使用される製剤または組成物の薬学的許容性に有害な影響を及ぼし得る量の水または液状形態の溶媒を含まないことを意味する。懸濁液は固形製剤とみなされ、かかる製剤では、懸濁製剤を構成する液状賦形剤(1種類または複数種)は、この定義に含まれない。「非晶質化合物1を本質的に含まないIII型多形」は、非晶質化合物1がXRPD分析で検出されない化合物1の特定の結晶性形態をいう。典型的には、結晶性形態中の非晶質物質の検出限界は約10%である。]
[0051] 「水和物」は、本明細書で用いる場合、固体状態形態全体を構成する一部分として水分子を含むと同定された化合物の固体状態形態をいい、バルク化合物に非特異的に結合された水をいうものではない。結晶性形態の化合物1の水和物は、孤立部位(isolated site)水和物またはチャネル(channel)水和物であり得る。孤立部位水和物の結晶構造では、水分子が該化合物1の分子によって他の水分子との直接接触から分離されているが、チャネル水和物では、水分子が、格子の一方向に沿って互いに隣接して存在している。水和物は、化合物1の1分子あたり化学量論量または非化学量論量の水分子を含むものであり得る。拡張型チャネル水和物は、高湿度に曝露されると水分をチャネル内に取り込み、比較的低湿度に曝露されると水分を放出することができる。かかる水和物の結晶格子は、水和物の形成または脱水和が進行するにつれて、単位胞の寸法を変化させ、拡張または収縮することができる。典型的には、水分は、化学量論的水和物中に、化合物1に対して0.25、0.5、1.0、1.5または2.0の比率で存在する。水和物は、通常、その脱水和温度より低い条件下で、その対応無水物よりも安定である。孤立部位水和物は、通常、チャネル水和物よりも比較的高い温度で脱水和される。孤立部位水和物の脱水和プロセスは、一部の場合において結晶構造に対して破壊的である。これは、格子からの水分子の逸出が可能になるので、一部の場合において単位胞内での分子の再配列が必要とされるためである。]
[0052] 「溶媒和物」は、本明細書で用いる場合、当該化合物の分子に明確な比で結合され、固体状態形態全体を構成する一部分である溶媒分子を含むと同定された化合物の固体状態形態をいい、バルク化合物に非特異的に結合された溶媒をいうものではない。溶媒分子が水である場合、かかる溶媒和物は水和物と称される。典型的には、溶媒は、溶媒和物中に、化合物1に対して0.25、0.5、1.0、1.5または2.0の比率で存在する。]
[0053] 「過剰増殖状態」または「癌」は、本明細書で用いる場合、周辺の正常組織の細胞分裂との協同性を欠き、例えば、最初に細胞分裂の変化を誘発したものであり得る刺激の消失後も持続する異常に高速または持続状態の細胞分裂を特徴とする状態をいう。この制御不能で進行性の細胞増殖状態により、良性、潜在的に悪性(前悪性)または率直に悪性である腫瘍がもたらされ得る。過剰増殖状態としては、過形成、形成異常、腺腫、肉腫、芽細胞腫、癌腫、リンパ腫、白血病もしくは乳頭腫と特性評価されるもの、または本明細書に記載の他の病状が挙げられる。]
[0054] 「ホルモン関連の癌、前癌もしくは良性過形成」または「ホルモン感受性の癌、前癌もしくは良性過形成」は、本明細書で用いる場合、ホルモン操作に対し、治療的意味においてマイナスもしくはプラスに応答する過剰増殖状態、またはその発生、存続、浸潤性、難治性、症状の重症性もしくは化学療法に対する応答性が一部もしくは全部において、ホルモンレベルに起因もしくは関連している状態をいう。ホルモン関連またはホルモン感受性癌としては、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚部癌、子宮癌、子宮内膜癌、腺癌、悪性黒色腫または本明細書に記載の他の病状が挙げられる。さらなるホルモン関連癌または関連する癌の一例は、Miller,A.B.Cancer Res.38:3985−3990(1978)に記載されている。]
[0055] 前癌は、通常、癌の発生リスク増大と関連している組織学的変化を示し、一部の場合において、癌を特徴付ける分子特性および表現型特性の全部ではないが一部を有する病変と定義される。ホルモン関連またはホルモン感受性の前癌としては、前立腺上皮内腫瘍(PIN)、特別高悪性度(particularly high−grade)PIN(HGPIN)、異型小型腺房増殖(ASAP)、子宮頚部形成異常および非湿潤性乳管癌が挙げられる。]
[0056] 過形成は、一般的に、通常見られるものを超え、器官の肉眼的膨大または良性の腫瘍の形成もしくは増殖がもたらされ得る器官または組織内での細胞の増殖をいう。ホルモン関連またはホルモン感受性の過形成としては、子宮内膜過形成(子宮内膜症)、良性前立腺過形成および腺管過形成が挙げられる。]
[0057] 「賦形剤」、「担体」、「薬学的に許容され得る担体」または類似用語は、賦形剤と混合したとき固体状態形態である化合物1を医薬活性成分として含む組成物または製剤中のその他の成分と適合性であるという意味において許容され得る1種類以上の成分または材料を意味する。このような賦形剤は、通常、組成物製剤が投与される被検体に対して過度に有害でない。本明細書で用いる場合、「賦形剤」としては、液状物、例えば、注射用水、安息香酸ベンジル、綿実油、N,N−ジメチルアセトアミド、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、グリセロール、ピーナッツ油、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ビタミンE、ケシ油、プロピレングリコール、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油および植物油などが挙げられる。また、賦形剤として、水にやや溶けにくいまたは不溶性である医薬活性成分に対して典型的に使用される溶解助剤も挙げられる。溶解助剤としては、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびCAPTISOLTM(スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン)など)ならびにPEGまたはPEG誘導体(CHREMOPHORTM(ポリエトキシル化ヒマシ油)など)が挙げられる。固形の賦形剤はいずれも、微粉末または造粒されたものであってもよい。賦形剤は、本明細書で用いる場合、任意選択で、1種類以上の賦形剤、例えば、クロロホルム、ジオキサン、植物油、DMSO、他の賦形剤またはこれらの任意の組合せが除外されることがあり得る。賦形剤としては、医薬製剤技術分野で典型的に使用されている1種類以上の成分、例えば、充填剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、保存剤、流動促進剤、界面活性剤および滑沢剤の1種類、2種類またはそれ以上が挙げられる。例示的な賦形剤としては、ポビドン、クロスポビドン、コーンスターチ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微晶質セルロース、アラビアゴム、ポリソルベート80、ブチルパラベン、プロピルパラベン、メチルパラベン、BHA、EDTA、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、二酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ヒマシ油、オリーブ油、植物油、緩衝剤(水酸化ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、三塩基性リン酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウムなど)、糖類(マンニトール、グルコース、フルクトース、スクロースまたはラクトースなど)(これらはいずれも圧縮可能であり得る、またはこれらはいずれも噴霧乾燥され得るものである)が挙げられる。]
[0058] 「被検体」は、ヒトまたは動物を意味する。通常、動物は、哺乳動物または脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類、イヌまたは齧歯類などである。被検体のサブセットとしては、種々の年齢の所与の種または種の群の被検体、例えば、幼若期のヒト(例えば、約1週齢〜約9歳)、青年期のヒト(例えば、約10〜19歳)、成人期のヒト(例えば、約20〜100歳)、および熟年期成人または高齢期のヒト(例えば、少なくとも約55歳、少なくとも約60歳、少なくとも約65歳もしくは約60〜100歳などの年齢範囲)が挙げられる。したがって、本明細書で用いる場合、疾患、病状または症状の予防または処置には、年齢によって群分けされた任意の被検体サブセットが包含または除外され得る。]
[0059] 用語「有効量」、「有効用量」などは、一般的に、所望の応答、例えば、投与対象の被検体における正常な生理学的状態の検出可能な回復(腫瘍負荷量の減少もしくは安定化など)、癌もしくは過剰増殖のバイオマーカー(これは、細胞表面バイオマーカーもしくは循環バイオマーカーであり得る)の検出可能な減少、癌もしくは過剰増殖バイオマーカーの増加速度の低下、または細胞パラメータもしくは臨床状態もしくは症状の検出可能なモジュレーションもしくは改善が誘発されるのに充分な化合物1の固体状態形態の量、または化合物1の固体状態形態で構成もしくはから調製された製剤中の化合物1の量を意味する。有効量は、化合物1の固体状態形態で構成またはから調製された製剤中の化合物1の1日で投与される単回用量または2つ以上の下位用量であってもよく、ある期間にわたって、例えば、2日間から約1、2、3、4または5年にわたって反復用量として投与されるものであってもよい。また、該有効量は、癌の処置のための細胞傷害剤の投与において典型的に行なわれるように、多数回の処置サイクルで投与されるものであってもよい。処置サイクルは、1日以上または数週間、典型的には1〜4週間、間隔をあけるのがよく、または過剰増殖状態の寛解が達成されている場合(この場合、該状態が再発したときに処置を再開する)では、より長い期間で間隔をあけるがよい。処置サイクルとしては、4週間または12週間の化合物1の毎日の投与が挙げられる。]
[0060] 病状または症状を「予防する」または「予防」は、本明細書で用いる場合、該病状または症状の開始が、一部の被検体において、少なくともある期間、少なくとも一部の処置被検体において、遅延されることを意味する。また、「予防する」または「予防」は、新たな病変の出現または転移の遅延によって測定されるような過剰増殖状態の検出可能な播種の遅延とみなすことができる。かかる効果は、被検体の有意な少数派(例えば、少なくとも約20%以上、典型的には少なくとも約40%)または被検体の大部分において現れるものであり得、処置によって疾患の寛解がもたらされ得、該寛解がある期間(例えば、約1〜3ヶ月、約4〜6ヶ月、約1年または約2〜5年)持続または存在し得る多くの臨床処置状況(例えば、癌の処置)において観察される。本明細書に記載の処置により、病状または症状を予防する、または予防と称される同様の効果がもたらされ得る。したがって、「予防する」または「予防」は、全被検体または全被検体の大部分において、ある事象の発生が絶対に起こらないようにすること、または事象が起こる可能性を除外することに限定されず、かかる結果が起こることがあり得る。]
[0061] 「〜を発症する被検体」は、本明細書で用いる場合、当該被検体が属する被検体集団から導かれた既に存在する健康状態、家族歴、行動、遺伝子マーカー(1種類もしくは複数種)または生化学的マーカー(1種類もしくは複数種)において予測されるリスクファクターに基づいて、特定される病状に当該被検体が苦しむ尤度をいう。したがって、過剰増殖状態を発症する対象となるヒトなどの被検体は、一般的に、ヒト被検体が過剰増殖状態の既知のリスクファクターの1つ以上を有する結果、過剰増殖状態を発症する尤度が統計学的に大きいと認められたヒト被検体をいう。前癌、例えば、子宮頚部形成異常または前立腺上皮内腫瘍と診断された個体は、子宮頚部癌または前立腺癌を発症する被検体とみなされる。]
[0062] 「表面活性剤」(界面活性剤)は、低濃度で、固体(不溶性またはやや溶けにくい)と液体の表面間で相互作用する物質を意味する。液体は、医薬活性成分の固体状態形態(化合物1の結晶性I型またはIII型など)、液状賦形剤、および懸濁性を改善する作用をする表面活性剤を含む懸濁製剤中に存在する該液状賦形剤であり得る。あるいはまた、表面活性剤を、化合物1の多形(例えば、結晶性I型もしくはIII型)、化合物1の非晶質形態またはその混合物、および表面活性剤を含む経口固形投薬形態中に存在させてもよく、該表面活性剤は、胃液中への医薬活性成分の溶解速度を改善する作用をする。表面活性剤は、同一分子内に極性(親水性)領域と非極性(疎水性)領域の両方を有する構造では両親媒性である。製剤技術分野で使用されている表面活性剤の例は、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology 第2版 TaylorおよびFrancis,2006,pp3583−3596のCorrigan,O.I.;Healy,A.M.“Surfactants in Pharmaceutical Products and Systems”に示されている。]
[0063] 「懸濁剤」は、本明細書で用いる場合、特に記載のない限り、または文脈から示唆されない限り、懸濁剤の投与前の時点において、化合物1の固体状態形態が、通常、微細化された(例えば、微粉化された)固体として液状担体(ビヒクル)中に懸濁されたものを意味する。懸濁剤は、使用の準備ができたもの、または使用直前に懸濁剤の投薬形態として再構成される乾燥粉末のいずれかであり得る。懸濁剤は、化合物1が所望の希釈剤またはビヒクル中に不溶性であるか、または溶解性が不充分な場合に使用される。懸濁剤には、典型的には、懸濁化剤または凝集剤、湿潤剤(既に存在させた懸濁化剤または凝集剤がまだこの目的を果たさない場合)、緩衝剤および保存料が含まれる。コロイド状懸濁剤では、化合物1の粒子は、典型的には約1μm未満の大きさである。粗懸濁剤では、該粒子は約1μmよりも大きい。粗懸濁剤中の個々の懸濁可能な化合物1の粒子の実用上の上限は、約50μm〜75μmであるが、懸濁剤の易注射針通過性によっては、一部の割合が粒子が200μmまでであるのが適当なこともあり得る。経口または非経口投与のための懸濁剤を開発するための設計考慮事項は、Akersら J.Parenteral Sci.Tech.1987 41:88−96;Encyclopedia of Pharmaceutical Technology 第2版 TaylorおよびFrancis,2006,pp3597−3610のNash,RA“Suspensions”(これは、引用により、本出願書類における特定性を伴って本明細書に組み込まれる)に示されている。]
[0064] 固体状態形態の特性評価および同定方法
モルホロジー−結晶モルホロジーは、結晶構造内の原子の規則的な内部配列により結晶面によって示される結晶内の対称性をいう。特定の結晶性形態の結晶モルホロジーは、典型的には、結晶性形態の結晶系、すなわち、三斜晶系、単斜晶系、斜方晶系、正方晶、六方晶系または等軸晶系によって示される。結晶モルホロジーは、例えば、通常の光または偏光を使用し、少なくとも約2倍、10倍または100倍の倍率での顕微鏡による評価による観察結果によって測定され得る。結晶学的に相違する軸を有する結晶は光と、入射光線の角度に対する結晶性の格子の方位に依存的である様式で相互作用し、異方性結晶と称される。したがって、光が非等価軸に進入すると、各々が互いに直角の向きの振動方向で偏光する2つの光線に屈折し、異なる速度で進む。この現象は複屈折と称され、すべての異方性結晶において示される(程度は大小である)。偏光が、偏向器の方向に平行な複屈折(bifringent)結晶の格子面内で振動していると、該分析装置内を通過する光による寄与はなく(光の振動の単一の方向が偏向器と平行であるため)、非常に暗くてほぼ不可視である(すなわち、減衰)結晶がもたらされる。したがって、複屈折結晶は、偏光下で回転させた場合、減衰を示す。結晶性形態の多くの有機化合物は複屈折性であるため、その結晶は、良好に形成されたもの(すなわち、広範に断片化されていない、あるいな形状が不揃いでない、または有意な数の結晶欠陥を含まないもの)であれば減衰を示す。したがって、交差偏光を用いた検査下で減衰を示さない化合物1の固体状態形態は、必ずしも該固体状態形態が結晶性でないことを意味するものではない。]
[0065] また、結晶モルホロジーは、実験によって単結晶X線データから、または本明細書に開示した方法による粉末X線回折データからコンピュータ処理によって測定することもできる。]
[0066] 粉末X線回折−粉末X線回折(XRPD)は、典型的には、結晶性化合物を特性評価または同定するために使用される(例えば,U.S.Pharmacopoeia,第23巻,1995,method 941,p1843−1845,U.S.P.Pharmacopeia Convention,Inc.,Rockville,Md.;Stoutら,X−Ray Structure Determination;A Practical Guide,MacMillan Co.,New York,N.Y. 1968参照)。X線光線が結晶性形態と相互作用すると、典型的には、結晶性形態の格子の特徴に依存する位置における強度極大のシーケンスを特徴とする回折パターンが得られる。したがって、XRPD線の位置および相対強度は、多くの場合で所与の結晶性形態に特異的である「フィンガープリント」をもたらす特定の結晶性形態を示すが、連続的な結晶バッチで得られる再現回折パターンにおいて、弱いまたは非常に弱い回折ピークが常に出現するとは限らない。これは、他の結晶性形態が試料中に適用可能な量で存在する場合、例えば、多形または偽多形形態が一部水和、脱水、脱溶媒和または加熱された状態となって、有意な量の別の多形または偽多形形態が得られた場合、特にそうである。]
[0067] さらに、特に小さいX線入射角度値(小2θ)におけるバンドの相対強度は、例えば、晶癖、粒径および他の測定条件の違いによって生じる優先方位効果のため、異なることがあり得る。したがって、回折ピークの相対強度によって、必ずしも対象の結晶形の結論的判断が得られるとは限らない。そうではなく、典型的には、化合物1の結晶性形態が本明細書に記載の形態の1つであることを判定するために、振幅とカップリングされピークの相対位置が着目される。広がったXRPDピーク(互いに近い位置に存在する2つ以上の個々のピークからなるものであり得る)は、非晶質成分、不規則な結晶性形態または主光線からの寄生散乱によってもたらされ得る。同じ固体状態形態の異なる試料での広がったピークは、一般的に、約0.3〜1度の2θ以内に存在する。同じ固体状態形態の異なる試料でのシャープで孤立したXRPDピークは、通常、標準の解像データでは約0.1度の2θ以内、または場合によっては、連続的XRPD分析において、同じ研究所内で再現可能な環境条件下、同じプロトコルに従って実施した場合、約0.2度の2θ以内に見られる。したがって、所与の位置のシャープで孤立したXRPDピークが、例えば約13.5または13.45に存在すると特定されている場合、これは、ピークが13.5±0.1または13.45±0.10に存在することを意味する。所与の位置の広がったXRPDピークがほぼ所与の角度2θ値に存在すると特定されている場合、これは、ピークが該角度2θ値±0.3に存在することを意味する。]
[0068] XRPDパターンを得るために、同じ計測器およびプロトコルを使用する再現可能な研究所内条件下で、同じ程度の結晶化度を有する同じ固体状態形態の異なる試料での連続的XRPD分析で得られるXRPDピーク位置および強度の差は、主に、試料調製物または試料の純度の違いによるものである。]
[0069] 通常、単一のバンドでも化合物1の所与の多形または偽多形形態の判断が行われ得るため、本明細書に開示する精製多形または偽多形試料において観察されるすべてのバンドに依存することは必要ではない。むしろ、同定は、典型的には、バンドの位置および全体的なパターンに着目され、特に、種々の多形および偽多形形態に特有のバンドの選択に着目される。典型的には、化合物1の個々の多形または偽多形形態は、XRPDピークの2、3もしくは4つの最も強度の大きい、または2、3もしくは4つの最も再現性のあるピークに対する参照を特徴とし、任意選択で、1種類または2種類の他の物性または分析による特性(融点など)、示差熱分析(DTA)および/または示差走査熱量測定(DSC)において観察される1回以上の熱転移、赤外線もしくはラマン分光法において観察される1ヶ所以上の吸収ピーク、および/または水性もしくは他の溶媒系における固有溶解速度(DR)データに対する参照を特徴とする。XRPD、DTA、DSC、DRなどのデータを得るための標準化された方法は、例えば、U.S.Pharmacopoeia,第23巻,1995,United States Pharmacopeial Convention,Inc.,Rockville,MD,pp2292−2296および2359−2765(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。]
[0070] 固体状態と思われる試料(例えば、既知の多形または偽多形形態を含む固体状態製剤)中の該既知の多形または偽多形形態を確認するための方法の一例は、該既知の多形または偽多形形態を含む試料(1つまたは複数)の1つ以上のXRPDパターンを得、次いで、これを該固体状態と思われる試料のXRPDパターンと比較すること(例えば、米国特許出願番号2004/0103130(引用により本明細書に組み込まれる、特に段落0067〜0078および段落0086〜0115(両端を含む))に記載のヒューリスティック・クラスタリング分析法を使用)を伴う。また、ヒューリスティック・クラスタリング分析は、結晶相の混合型(例えば、2種類以上の多形形態の混合物)または結晶性相と不規則相の混合型(例えば、多形形態と非晶質形態の混合物)のいずれかを含む試料の定量的分析にも使用され得る(例えば、米国特許出願番号2004/0103130(引用により本明細書に組み込まれる、特に段落0116〜0130(両端を含む))に記載)。]
[0071] また、XRPDパターンから誘導される原子のペアワイズ分布関数(PDF)の比較を用いても、固体状態と思われる試料(例えば、該既知の多形または偽多形形態を含む固体状態製剤など)中の既知の多形または偽多形が同定され得る。定義によると、PDFは、XRPD測定パターンから得られた実験的に測定された縮小構造因子のサインフーリエ変換であり、例えば、Petersonら“Improved measures of quality for the atomic pairwise distribution function”J.Acta Cryst.Vol.36,pp.53−64(2003)に示された手順に従って得られる。PDFは、PDFピーク位置およびピーク強度で示される特定の原子間距離を有する原子の数で示される原子間距離を得ることにより固体状態形態を示す原子密度相関関数である。したがって、2つの結晶性形態が同じ分子充填を有する同じ分子のものである場合、そのPDFは本質的に同じである。例えば、既知の多形形態または偽多形形態と、これらの結晶性形態を含むと思われる固体状態製剤から得られる2つのPDFが本質的に同一であるかどうかを調べるためには、PDFを、例えば、米国特許出願番号2007/0243620(引用により本明細書に組み込まれる)に記載の方法によって比較する。]
[0072] 本質的に純粋な多形または偽多形の高分解能XRPDパターン(1つまたは複数)が得られた場合、結晶性形態の単位胞パラメータ(単結晶X線分析のセクションに記載)が、例えば、米国特許出願番号2007/0270397(引用により本明細書に組み込まれる)の場合のようなインデックス表示法によって測定され得る。偽多形では、親近構造の結晶性形態(すなわち、参照結晶性形態)、例えば、親近構造の無水物(偽多形の脱水和および/または脱溶媒和によって得られ得る)が得られた場合、親近構造の結晶性形態の単位胞体積と、高分解能XRPDパターン(1つまたは複数)から求めた単位胞体積との比較により、偽多形の化学量論(すなわち、化合物1の1分子あたりの水または溶媒分子の数)の測定が可能となり得る。かかる適用では、参照親近構造の結晶性形態の単位胞パラメータは、単結晶X線分析から得られ得るか、またはこの参照形態の高分解能XRPDデータのインデックス表示により得られ得る。]
[0073] XRPDパターンは、典型的には1つだけのXRPDパターンを有する試料に対して行われ、試料で粉末平均の良好な推定値が得られるかどうかを評価するための他の手段が限定的であるため、「顕著なピーク」と記載される場合があり得る。顕著なピークは、観察されたピークから、大きな強度を有する、好ましくは重複していない小角度ピークを特定することにより選択される。]
[0074] 単結晶X線分析−単一X線結晶学により、3次元の寸法の反復によって結晶性形態を示す単位胞として知られる最小体積の構成要素が確認される。単位胞の寸法は、a、bおよびcの3つの軸ならびにそれぞれの間の角度α、βおよびγによって示される。一連の格子面からのX線反射角は、インデックスと称される3つの整数h、kおよびlを使用し、方位および該格子面の格子面間隔によって規定される。インデックス h、k、lを有する所与の組の格子面は、単位胞のa軸とhセクションで、b軸とkセクションで、およびc軸とlセクションで、交わる。インデックス(indicia)のゼロ値は、格子面が対応する軸と平行であることを意味する。]
[0075] 結晶性形態が特性評価される単結晶X線パラメータとしては、典型的には、結晶系、空間群、単位胞寸法、Z値(単位胞あたりの分子数)および単位胞体積が挙げられる。典型的には、密度計算値およびインデックスh、k、lの範囲も特性評価に使用される。単結晶データから求められる原子座標、空間群および単位胞パラメータを用いて、XRPDパターンを模擬作成し、次いで、これを実験により得られたXRPDパターンと比較し、単位胞の構造解析の正確性を確認してもよい。]
[0076] 振動分光法−化合物1の結晶性形態(多形または偽多形形態など)を特性評価するために任意選択で使用され得る判断手法としては、振動分光法手法(IRおよびラマンなど)が挙げられ、これは、入射エネルギーに応答して振動する試料の分子内における特定の化学結合の存在による固体状態試料に対する入射エネルギーの効果を調べるものである。異なる多形または偽多形形態内の分子は、コンホメーション的要素または環境的要素の振動により異なる分子間力を受けるため、該振動の乱れが生じ、これが、一部の振動様式の周波数および強度の差によるスペクトルの違いをもたらす。多形形態と偽多形形態は、互いに異なるIRおよびラマン特性を有し得るため、IRおよびラマンスペクトルにより相補的な情報が得られ、いずれかにより、特定の多形の同定のためのフィンガープリントが得られ得る[Anderton,C.European Pharmaceutical Review,9:68−74(2004)参照]。]
[0077] ラマンでは、複雑なマトリックス中の多形または偽多形の実体測定および/または定量を行なうことができ、非晶質形態と結晶性形態とが識別される、または化合物1の多重多形形態と偽多形形態とが差別化される[例えば、Pratiwia,D.ら“Quantitative analysis of polymorphic mixtures of ranitidine hydrochloride by Raman spectroscopy and principal components analysis”Eur.J.Pharm.Biopharm.54(3),337−341(2002)参照]。固形製剤(錠剤など)の多形または偽多形形態の確認では、化合物1のこのような純粋な結晶性形態と賦形剤との粉末試料を穏やかに圧密化し、ラマン顕微鏡法を用いてスキャンし、製剤成分のスペクトルのライブラリーを構築する。次いで、部分最小二乗(PLS)モデルおよび多変量分類を使用し、低API含有量(約0.5%w/w)を有する切断錠剤から得たラマンマッピングデータを解析する。多変量分類により、データで特定された化合物1の個々の顕微鏡でのピクセル上への多形の帰属を行なうことが可能になる。特定の各結晶性形態を含む個々の錠剤の組のデータを試験することにより、特定の形態認識が、約0.5%w/wで示され得る。結晶性形態の混合物を含む錠剤では、化合物1の多形または偽多形不純物を約10%認識可能である(約0.05%w/wの絶対検出限界を表す)。]
[0078] 上記の振動分光法方法を用いて固形製剤などの複雑なマトリックス内の化合物1の結晶性形態の多形または偽多形の実体測定または定量を行なうため、全反射減衰(ATF)の手法が、一部の場合において使用される(一例は、Salari,H.ら“Application of attenuated total reflectance FTIR spectroscopy to the analysis of mixtures of pharmaceutical polymorphs”International Journal of Pharmaceutics 163(1):157−166(1998)参照のこと]。]
[0079] 結晶性形態の同定または定量のための別の手法は、拡散反射率赤外線フーリエ変換分光分析(DRIFTS)である(一例については、Tantishaiyakul,V.ら“Use of DRIFTS andPLS for the Determination of Polymorphs of Piroxicam alone and in combination with pharmaceutical excipients:A Technical Note”AAPSPharmSciTech 9(1)95−99(2008)参照のこと]。大粒子は、エネルギーの散乱をもたらし、スペクトルベースラインのシフトおよびIRバンドの広がりをもたらすため、粒径が拡散反射率の測定に重要な可変量であることは、よく知られている。DRIFTSを行なうため、磨砕または篩に通すこと(準安定多形または偽多形形態から別の結晶性形態への変換の可能性が回避されるため、後者が好ましい)によって固体状態化合物1を含む試料を調製して、均一な粒子を得る。]
[0080] また別の手法では、近赤外線(NIR)分光法もまた、固体状態形態の混合物中の化合物1の結晶性形態(多形または偽多形形態(例えば、水和物)など)の同定または定量的分析、あるいは化合物1の多形または偽多形形態を含む固形製剤(例えば、錠剤)中の多形または偽多形形態の同定に使用され得る。]
[0081] 本明細書に記載の種々の振動分光法方法によって調べたとき、化合物1の異なる結晶性形態のIRまたはラマンバンドに広範囲の重複が、一部の場合において見られることがあり得るため、定量には、個々の各成分に関する情報を抽出するためのデコンボルーション法が必要とされる。かかるデコンボルーション法としては、部分最小二乗回帰、主成分分析または他の方法論が挙げられる[一例については、Reich,G.“Near−infrared spectroscopy and imaging:Basic principles and pharmaceutical applications”Adv.Drug Deliv.Rev.57:1109−43(2005)を参照のこと]。]
[0082] 固体状態核磁気共鳴(SS−NMR)−化合物1の多形を特性評価するために任意選択で使用され得る判断手法としては、固体状態NMR手法が挙げられる[一例については、Tishmack,P.A.ら“Solid−State Nuclear Magnetic ResonanceSpectroscopy:Pharmaceutical Applications,”J.Pharm.Sci.92(3):441−474(2003)を参照のこと]。この手法は、非破壊的で非侵襲であるという利点をもたらす。SS−NMR分光法は、ほとんどの医薬用賦形剤のNMR共鳴がNMRスペクトルの狭い範囲内で起こるため、一部の場合において、薬物製剤(化合物1を含むものなど)の試験に適している。したがって、典型的には、賦形剤のNMR共鳴と化合物1のNMR共鳴を識別することが容易である。さらに、スペクトルから存在する干渉性賦形剤ピークを排除するため、スペクトル減法を使用することもできる。 化合物1の特定の多形または偽多形形態の特性評価におけるSS−NMRの有用性は、これらの結晶性形態の単位胞内の結晶学的に非等価な部位の数が異なることによるもの、および結合長さ、結合角、隣接分子との相互作用におけるわずかな変化、または偽多形の場合は水和または溶媒和レベルが異なることが、溶液のスペクトルに対してSS−NMRシグナルに影響を及ぼし得る局所化学的環境における変化に対する感受性によるものである。]
[0083] 非晶質物質では、SS−NMR分光法が不規則性の程度を調べるために使用され得る。これは、種々のプロセス手法(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、溶融クエンチ、低温ミル処理)では、試料中の全体的な不規則性の程度が異なり得るため、または多形形態に変化がもたらされ得るためである。化合物1のあまり安定ではない(すなわち、準安定)多形または偽多形形態では、該結晶性形態の相対不安定性は、固体状態試料中の化合物1の分子の移動性が全体的に大きいことによって引き起こされ得る。]
[0084] 一部の場合において、異なるロットから得られた化合物の同じ多形形態または偽多形形態は、異なる物理化学的特性(安定性および溶解速度など)を示すことがあり得、これは、試料の結晶化度の程度によって引き起こされ得る。結晶化度の程度の低下をもたらす固体状態試料内の欠陥部位または少ない結晶性ドメインの存在は、一部の場合において、粉末X線回折において観察されないことがあり得る。これは、SS−NMR分光法においては、このような部位またはドメインは、固体状態試料のスピン状態の緩和プロセスのための別の手段を提供するため、多くの場合、そうではない。]
[0085] また、SS−NMRは、化合物1を含む固形製剤の解析に適用され得、したがって、賦形剤の存在下で化合物1の異なる固体状態形態の検出に有用であり得る。非晶質化合物1の検出では、SS−NMRの検出限界は、スペクトル内の非晶質および結晶性形態のピークの相対位置に応じて、一部の場合において約10〜20%である。なぜなら、非晶質ピークは、一般的に非常に広がっているためである。これは、XRPDとほぼ同じ検出限界である。]
[0086] SS−NMR分光法は、ほとんどの医薬用賦形剤のNMR共鳴がNMRスペクトルの狭い範囲内で起こるため、薬物製剤の試験に適している。したがって、典型的には、化合物1の特定の多形または偽多形形態を含む製剤中の化合物1と賦形剤のNMR共鳴の識別が可能である。スペクトル内に干渉性の賦形剤ピークが存在する場合、スペクトル減法もまた、この干渉を排除または低減するために使用され得る。]
[0087] 製剤内の化合物1の特定の結晶性形態の同定には、一部の場合において、SSNMRがXRPDよりも優れている。これは、化合物1に帰属するNMRピークが製剤の賦形剤由来のピークによって隠されずに見られ得るためである。XRPDでは、多くの回折線が重複することがあり得、したがって、化合物1の少量の多形または偽多形形態の検出が限定されるため、そうでない場合があり得る。回折線の干渉がないと、XRPDでは、多形または偽多形の化合物1に対して、約10%の検出限界、一部の場合では約5%までの検出限界が得られ得るが、SSNMRでは約0.5%までの検出限界が得られ得る。また、NMR分光法は、本質的に定量的手法(すなわち、シグナル強度がその特定の共鳴周波数の核部位の数に相対的である)であるため、SS−NMR分光法により、化合物1の結晶性形態の寄与、または結晶性および非晶質化合物1のかかる形態の混合物中における寄与が測定され得る。]
[0088] 熱量関連分析手順−化合物1の多形を特性評価するために任意選択で使用され得る判断手法としては、示差熱分析(DTA)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)および融点測定が挙げられる。]
[0089] DTAおよびDSCでは、結晶性形態が、その結晶構造が変化したとき、または融解したときに熱を吸収または放出する熱転移温度が測定される。TGAは、試料の加熱に伴う重量変化をモニタリングすることにより、熱安定性および試料の揮発成分の割合を測定するために使用される。偽多形のTGA分析中に発生放出される揮発成分に対して赤外線分光法を行なうと(TGA−IR)、多形の分子組成が識別され得る。したがって、この手法は、溶媒和物および/または水和物として存在する固体状態形態の特性評価に有用である。]
[0090] DTAは、化合物1の固体状態形態の試験試料および不活性参照を同一条件下で加熱しながら、試料と参照間に温度差があれば記録することを伴う。この温度差を温度に対してプロットし、したがって、熱の吸収または放出がもたらされる試験試料の変化が、不活性試料に相対して測定され得る。]
[0091] DSCでは、同一加熱条件(regime)に供したときに試料と不活性参照間にほぼゼロの温度差を確立するために必要とされるエネルギーが測定される。これに必要とされるエネルギーは、参照に対する試料におけるエンタルピーまたは熱容量変化の尺度である。]
[0092] 熱転移温度は、典型的には、10℃/分の温度スキャン速度を用いた連続解析において約2℃以内であり、使用される温度スキャン速度に応じて約1度以内である(低いスキャン速度(5℃/分または1℃/分など)ほど、高い精度がもたらされる)。化合物が所与の値でDTA転移を示すと記載している場合、これは、DTA転移が±2℃以内であることを意味する。多形または偽多形形態などの異なる結晶性形態は、少なくとも一部において、DTAサーモグラフの転移温度プロフィールの違いに基づいて同定され得る。]
[0093] 熱量関連分析は、通常、10℃/分の温度スキャン速度で行なわれる。温度転移の重複が疑われる場合は、低いスキャン速度(5℃/分または1℃/分など)が使用され得る。したがって、試料が完全に融解する前の異なる、より安定な多形への多形形態の変化による転移の疑いが、低いスキャン速度を用いて認識され得る。完全な融解前に、熱力学的により安定な多形への動力学的に形成された多形の熱量関連分析中の転移は、転移が起こる時間を許容しない高いスキャン速度を用いて回避され得る。]
[0094] 特性評価および同定方法のためのデータ取得
図、表および実施例に示したデータは、下記の方法および計測器を用いて得た。]
[0095] 粉末X線回折−XRPDパターンは、PANalytical X’Pert Pro回折計を用いて取得した。Optix社製の長焦点微小焦点線源(long,fine−focus source)を用いてCu Kα放射線の入射光線を生成させた。楕円形の段階的多層の鏡を使用し、線源のCu KαX線を、被検物を通して検出器上に集中させた。データを収集し、X’Pert Pro Data Collectorソフトウェア(v.2.2b)を用いて解析した。分析前、シリコン被検物(NIST SRM 640c)を分析して、Si 111ピーク位置を確認した。被検物を3μm厚のフィルム間にサンドイッチし、透過幾何学において分析し、回転させて方位統計値を最適化した。光線停止およびヘリウム雰囲気を使用し、空気散乱によって生じる磨砕戻りを最小限にした。軸方向の発散を最小限にするため、入射光線および回折光線には、ソーラスリットを使用した。回折パターンは、被検物から240mmに配置した走査位置感受性検出器(X’Celerator)を用いて収集した。]
[0096] XRPDパターンは、湾曲位置感受性検出器を備えたInel XRG−3000回折計を使用し、120°の2θ範囲で収集した。Cu Kα放射線(40kV,30mA)の入射光線を使用し、0.03°2θの分解能でデータをリアルタイムで収集した。分析前、シリコン標準(NIST SRM 640c)を分析し、Si 111ピーク位置を確認した。分析用の試料は、薄壁ガラスキャピラリー内に充填することにより調製した。各キャピラリーをゴニオメータ頭部に載せ、データ取得の間、回転させた。モノクロメータースリットを160μmずつ5mmに設定し、試料を5分間分析した。]
[0097] また、XRPDパターンを、Shimadzu WRD−6000粉末X線回折計でも、Cu Kα放射線を用いて取得した。分析用の固体状態試料は、アルミニウムホルダー内にシリコン挿入物を入れることにより調製した。計測器には、長焦点微小焦点X線チューブを取り付けた。チューブの電圧およびアンペア数は、それぞれ、40kVおよび40mAに設定した。発散および散乱スリットは1°に設定し、受光(receiving)スリットは0.15mmに設定した。分析前、シリコン標準(NIST SRM 640c)を分析してSi 111ピーク位置を確認した。回折放射線は、ヨウ化ナトリウムシンチレーション検出器によって検出した。3度/分(0.4秒/0.02度工程)で、2.5〜40度の2θのθ−2θ連続スキャンを使用した。]
[0098] 本明細書に示したX線回折パターンは、標識ピークおよびピークリストを示した表を伴う。報告したピークデータは、ほとんどの状況において、約30度の2θまでの範囲内である。上記のように、データは、計測器依存性であり、独立して調製された試料の異なる計測器での第3者による測定は、±0.1度の2θより大きい差異が生じることがあり得る。また、技術的理由により、異なる四捨五入アルゴリズムを使用し、データ収集に使用する計測器および/または固有ピーク分解能に応じて、各ピークを最も近い0.1度または0.01度の2θに四捨五入した。]
[0099] 図および表において報告したピークのx軸に沿った位置(角度2θ)は、PATTERNMATCHTM2.4.0ソフトウェアにより自動的に測定されたものであり、上記の基準に基づき、小数点以下、1桁または2桁の有意な桁まで四捨五入した。ピーク位置の差異は、United States Pharmacopeia,USP 31,NF 26,Vol.1,pg.374に示されたUSP discussion of variability in X−ray powder diffractionに概説された推奨に基づき、±0.1度の2θ以内で示す。d−空間リストでは、d−空間の計算に使用した波長を、Cu−Kα1波長とCu−Kα2波長の加重平均である1.541874Åとした[Phys.Rev.A56(6)4554−4568(1997)]。d−空間の推定に伴う変動を各d−空間において、USP推奨から計算し、それぞれのデータテーブルに示す。]
[0100] 示差走査熱量測定(DSC)−DSCは、TA Instruments Q2000示差走査熱量測定装置を用いて行なった。NIST追跡可能インジウム金属を使用し、温度較正を行なった。試料をアルミニウム製DSCパン内に入れ、重量を正確に記録した。このパンをレーザーピンホールを有する有孔蓋で覆い、この蓋を押し付けた。重量計測して蓋を押し付けたアルミニウム製パンをセルの参照側上に置いた。試料セルを25℃で平衡化し、窒素パージ下、10℃/分の速度で最終温度250℃まで加熱した。報告した温度は転移極大におけるものである。]
[0101] 示差熱分析(DTA)−DTAとTGAは、SeikoSSC 5200 TG/DTA計測器を用いて同時に行なった。NIST追跡可能インジウム金属を使用し、温度較正を行なった。試料をアルミニウム製パン内に入れ、緩く蓋をし、重量を正確に記録した。試料セルを25℃で平衡化し、次いで、窒素パージ下、10℃/分の速度で最終温度250℃まで加熱した。報告した温度は転移極大におけるものである。]
[0102] 熱重量分析(TGA)−TGAは、TA Instruments Q5000 IR熱重量分析装置を用いて行なった。ニッケルおよびALUMELTMを用いて温度較正を行なった。各試料をアルミニウム/または/白金製パン内に入れた。このパンを蓋で密封シールし、TG炉内に挿入する直前にパンチング機構を用いて開放した。炉を窒素下、10℃/分の速度で最終温度350℃まで加熱した。]
[0103] FT−ラマン分光法−ラマンスペクトルは、ヒ化ガリウムインジウム(InGaAs)検出器を備えたNexus 670 FT−IR分光光度計(Thermo Nicolet)とインターフェース接続されたNexus 670 FT−ラマンアクセサリーモジュールにおいて取得した。波長の確認は、イオウおよびシクロヘキサンを用いて行なった。分析用の各試料は、試料をガラスチューブ内に入れ、このチューブを金コーティングチューブホルダー内に配置することにより調製した。ほぼ0.5WのNd:YVO4レーザーパワー(1064nm励起波長)を用いて試料に照射した。各スペクトルは、4cm−1のスペクトル分解能で収集された256個の画像を結合した(co−added)スキャンを表す。]
[0104] カール・フィッシャー解析−水分測定のための電量分析によるカール・フィッシャー(KF)分析は、Mettler Toledo DL39 KF滴定装置を用いて行なった。分析前にブランク滴定を行なった。試料は、乾燥窒素雰囲気下で調製し、予備乾燥バイアル内のおよそ1mLの乾燥HYDRANAL−COULOMAT ADTMに溶解させた。全溶液をKF電量計内にセプタムを介して添加し、10秒間混合した。次いで、電気化学的酸化:2I−→I2+2e−によってヨウ素をもたらす発生電極により試料を滴定した。2連で得ることにより再現性を確認した。]
[0105] 製剤−医薬活性成分として化合物1を含む製剤は、1種類以上の固体状態形態、典型的には1種類または2種類の固体状態形態の化合物1を有意な割合で有する。例示的な製剤は、1種類の固体状態形態の化合物1を少なくとも約60%または、通常、少なくとも約90%含むものである。製剤は、通常、化合物1の1種類以上の所与の固体状態形態を含み、他の固体状態形態を実質的に含まず、1種類以上の、典型的には1、2、3または4種類の賦形剤または担体を含む。他の製剤は、1種類以上、典型的には1種類または2種類の固体状態形態の化合物1を含むものであり得る。他の製剤は、一般的に、化合物1の1種類以上の固体状態形態(化合物1の非晶質形態、化合物1の結晶性I型もしくは結晶性III型またはその混合物など)を含む固形物、析出物、ゲル状物、懸濁液およびコロイドである。ヒトでの使用のための好ましい経口投薬単位は、単位用量あたり約2mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは40mgの化合物1の固体状態形態を含む。]
[0106] 固体状態の化合物1は、純粋な化合物として被検体に投与することが可能であるが、通常は、液状物を本質的に含まない固形製剤として、または頻度は少ないが固形懸濁剤として提示される。製剤は、典型的には、経口、口腔内または舌下投与のための投薬単位、例えば、錠剤、カプセル剤またはロゼンジ剤を調製するために使用され、該投薬単位は、通常、化合物1の固体状態形態(非晶質化合物1、化合物1の結晶性I型または結晶性III型など)を含む製剤を約0.1〜500mg、典型的には約0.5〜100mg、または約1〜100mg(例えば、約0.1、約0.25、約0.5、約1、約5、約10、約20、約100mg)を含む。あるいはまた、ある実施形態は、非経口(例えば、皮下、真皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内またはエーロゾル)投与のための製品を含み、該製品は、化合物1の固体状態形態(非晶質化合物1、化合物1の結晶性I型または結晶性III型など)を、液状賦形剤(例えば、PEG100、PEG200、PEG300、PEG400、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールまたはエタノールの任意の1種類、2種類、3種類またはそれ以上)と接触させ、任意選択で、該溶液を滅菌し、任意選択で、該溶液を、バイアルまたはアンプル(典型的には褐色ガラス製)(単回使用であっても反復使用であってもよい)内に分配し、任意選択で、該製剤を低温(約0〜12℃、または約2〜10℃)で保存する方法によって作製される。かかる非経口投与のための製品は、典型的には、化合物1を約0.1〜100mg/mL、通常、約1〜100mg/mLまたは約10〜100mg/mLの濃度で含み、任意選択で、1種類以上の塩、バッファーまたは静菌剤または保存剤(例えば、NaCl、BHA、BHTもしくはEDTA)を含む。一部の場合において、表面活性剤が、懸濁剤に作用させるために使用されるか、または胃腸管への化合物1の固体状態形態の溶解を補助するために経口固形投薬形態中に組み込まれる。一般に、経口投与のための製剤が、ヒト治療適用用途に好ましい。]
[0107] 懸濁剤または液状賦形剤(1種類もしくは複数種)中の化合物1の固体形態に使用される表面活性剤としては、ノニオン系、カチオン系およびアニオン系界面活性剤が挙げられる。好ましい界面活性剤の例としては、限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート40およびポリソルベート80が挙げられる。]
[0108] 一実施形態において、ラウリル硫酸ナトリウムが表面活性剤として、本明細書に開示した病状の処置における経口投与のための錠剤またはカプセル剤などの単位投薬形態に使用され、ここで、製剤は、他の化合物1の固体状態形態を本質的に含まない化合物1の結晶性I型または結晶性III型と、表面活性剤を含み、任意選択で、1種類以上のさらなる賦形剤、典型的には1、2または3種類のさらなる賦形剤を含むものである。]
[0109] 化合物1の固体状態形態(例えば、結晶性I型または結晶性III型)を含む製剤の調製に使用される他の賦形剤の例は、例示であって限定されないが、Nema,S.らPDA J.Pharm.Sci.Tech.1997,51:166−171;Strickley,R.G.Pharm.Res.2004,21:201−230;Powell,M.F.らPDA J.Pharm.Sci.Tech 1998,52:238−311;Akers,M.J.in“Drug Delivery:Parenteral Route”Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,lnforma Healthcare,USA,2007,pp1266−1278に示されたものである。]
[0110] 微粉化−化合物1の少なくとも1種類の結晶性形態と1種類以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む固形投薬形態の製剤中の化合物1の結晶性形態の溶解速度を改善するため、または化合物1の結晶性形態と液状賦形剤(1種類もしくは複数種)を含む経口もしくは非経口投与のための懸濁剤の懸濁性に作用させるため、該結晶性形態を、約0.01〜200μm、または約0.1〜100μmまたは約3〜50μmの体積加重平均粒径(Dv,50)または平均直径にミル処理してもよい。したがって、ミル処理された結晶性化合物1の体積加重平均粒径(Dv,50)または平均直径は、比較的小さくてもよく(例えば、約0.03〜2.0μmまたは約0.1〜1.0μm)、いくぶん大きくてもよい(例えば、約3〜100μm、約5〜75μmまたは約10〜30μm)。ミル処理された結晶性化合物1は、被検体への経口または非経口投与が意図される固形製剤および懸濁製剤の調製に適している。体積加重平均粒径または平均直径としては、約0.01〜約500ミクロンの範囲で0.05ミクロンきざみまたは0.1ミクロンきざみ、例えば、約0.05、約0.1、約0.5、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約50、約60、約75、約85、約100、約120ミクロンなどの体積加重平均粒径または平均直径が挙げられる。好ましくは、体積加重平均粒径(Dv,50)または平均直径は約5、約10、約15または約20ミクロンである。該粒径(Dv,90)は、典型的には約5ミクロン、約10、約15、約20、約25または約30ミクロンである。好ましい粒(partricle)径は、≦10ミクロンの(Dv,90)または≦6.8ミクロンの約ミクロン(Dv,90)を有する。]
[0111] 本明細書で用いる場合、体積加重平均粒径または平均直径に対する言及は、当該物質、例えば、結晶性化合物1、賦形剤(1種類もしくは複数種)、または両者を含む組成物が、磨砕、ミル処理、篩い分け、あるいは特定の粒径を含むように処理されたものであることを意味する。一部の粒子は大きかったり小さかったりし得る(すなわち、粒径の分布が存在する)が、化合物1(例えば、結晶性I型または結晶性III型)の組成物または結晶性形態は、特定の粒径を有する、または特定の粒径の許容範囲内である当該物質を有意な割合でを含むことを理解されたい。微粉化方法としては、ボールミル、ピンミル、ジェットミル(例えば、流体エネルギージェットミル)によるミル処理、および磨砕、篩い分けならびに溶液からの化合物(1種類または複数種)の沈澱が挙げられ、例えば、米国特許第4919341号、同第5202129号、同第5271944号、同第5424077号および同第5455049号(これは、引用により具体的に本明細書に組み込まれる)を参照されたい。粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法、光学顕微鏡法、X線回折法および光散乱法またはコールターカウンター分析(例えば、“Characterization of Bulk Solids”D.McGlinchey編,Blackwell Publishing,2005参照)によって測定される。]
[0112] したがって、結晶性化合物1は、このような体積加重平均粒径または平均直径の粒径の1種類または2種類またはそれ以上を含む粉末を含むもの、または本質的に該粉末からなるものであり得、該粉末を固形賦形剤(1種類または複数種)(混合されたものであり得る)と接触させ、任意選択で圧縮または所望の形状に成形してもよい。あるいはまた、上記のようにして(a described above)粉末に形成された結晶性化合物1を、液状賦形剤(1種類または複数種)と接触させて液状製剤または液状組成物を調製し、これを固形製剤または懸濁剤に組み込む。したがって、好適な微粉化製剤としては、結晶性化合物1の水性または油性の懸濁剤が挙げられる。]
[0113] 過剰増殖状態−結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る過剰増殖状態としては、癌、前癌および他の過剰増殖状態が挙げられ、癌腫、肉腫、腺腫、形成異常、芽細胞腫、乳頭腫、母斑、前悪性腫瘍、良性腫瘍または悪性腫瘍、例えば、充実性腫瘍および播種性腫瘍(前立腺、肺、乳房、卵巣、皮膚、胃、腸、膵臓、頸部、喉頭、食道、咽喉、舌、唇、口腔、口腔粘膜、唾液腺、精巣、肝臓、耳下腺、胆道、結腸、直腸、頚部、子宮、膣、骨盤、子宮内膜、腎臓、膀胱、中枢神経系、グリア細胞、星状細胞、扁平上皮細胞、血液、骨髄、筋肉または甲状腺の細胞もしくは組織と関連しているもの、または該細胞もしくは組織から生じるものなど)が包含される。]
[0114] 良性腫瘍のカテゴリーの1つは、罹患組織に対して機能的効果を有することから命名された機能的腫瘍を包含するものである。例えば、内分泌組織の機能的腫瘍(腺腫と称される)は、ある種のホルモンを過剰生成する。]
[0115] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水塩の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る良性腫瘍の別のカテゴリーとしては、乳頭腫(これは、指のような葉状で外方増殖的に増殖する(外方に突出する)良性上皮性腫瘍をいう)、および母斑が挙げられる。乳頭腫としては、喉頭乳頭腫、脈絡叢乳頭腫、皮膚乳頭腫、扁平上皮細胞乳頭腫および移行上皮性乳頭腫(膀胱乳頭腫としても知られる)が挙げられる。]
[0116] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る他の良性腫瘍は、嚢胞腺腫(あるいは「嚢腫」)であり、これは、分泌物が保持され、嚢胞内に蓄積されている腺組織由来の嚢胞性腺腫の一種であり、粘液性嚢胞腺腫(卵巣上皮細胞から発生)、乳頭状嚢胞腺腫(乳頭状と嚢胞性の両方であるパターンをもたらす任意の腫瘍)、漿液性嚢胞腺腫および莢膜腫(これは、良性卵巣新生物であり、典型的にはエストロゲン生成性である)が挙げられる。]
[0117] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る皮膚の非悪性過剰増殖状態としては、脂漏性角化症、中毒性湿疹、アレルギー性湿疹、アトピー性皮膚炎、魚鱗癬、および乾癬が挙げられる。]
[0118] 良性前立腺肥大症(BPH)、動静脈奇形、異所性骨化、乳房の過形成、局所性上皮肥厚、脂腺過形成および先天性副腎過形成は、結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の多形形態、または非晶質化合物1)で処置され得る過形成である過剰増殖状態の一例である。好ましい処置はBPHに対するものである。]
[0119] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水塩の結晶性形態、または非晶質化合物1)を含むBPHに対する処置の選択肢としては、α1−アドレナリン作動性受容体拮抗薬(ドキサゾシン、テラゾシン、アルフゾシン、タムスロシンなど)ならびに5α−還元酵素阻害薬(フィナステリドおよびデュタステライドなど)が挙げられる。]
[0120] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水塩の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る前悪性状態または腫瘍としては、結腸ポリープ、光線性角化症、扁平上皮化生、白斑症、紅板症、バレット食道、子宮内膜過形成、頚部形成異常、真性一次性赤血球増加症および上皮内癌(CIS)が挙げられる。好ましく処置されるのは、子宮内膜過形成および頚部形成異常である。]
[0121] 前立腺間質性腫瘍(PIN)は、結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物)で処置され得る。PINは、高悪性度、中悪性度および低悪性度に分類され得る。]
[0122] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る形成異常(または異形成)は、組織内の細胞の成熟における異常をいい、骨髄異形成症候群または血液形成細胞の形成異常が挙げられる。]
[0123] 悪性腫瘍(癌)は、近隣組織に浸潤して崩壊させ、他の身体部分に拡延(転移)するという性質を有する。癌は、腫瘍と似ている細胞の型、したがって、腫瘍の起源であると推測される組織によって分類される。結晶性化合物1(例えば、III型などの無水塩の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る癌の一般的なカテゴリーの1つは、一般的な形態の乳房、前立腺、肺および結腸の癌ならびに基底細胞癌、悪性黒色腫、扁平上皮細胞癌腫(これは、扁平上皮の悪性腫瘍であり、唇、口、食道、膀胱、前立腺、肺、膣および頚部などの部位にも発生する)が含まれる癌腫を包含するものである。好ましい処置は、前立腺および乳癌に対するものである。また、肺および頚部の癌腫に対する処置も好ましい。]
[0124] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る腺癌は、癌腫のカテゴリーの1つであり、腺起源のものである(上記参照)。腺癌を分類されるために、細胞は、分泌特性を有するものであれば、必ずしも腺の一部である必要はない。腺癌は、一部の場合において、内臓の内側を覆い、腺様(分泌)特性を有する細胞に生じることがあり、したがって、数多くの組織(例えば、乳房、結腸、肺、前立腺、膵臓、胃、頚部および膣のもの)に生じ得る。]
[0125] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る癌腫としては、腎細胞癌腫、子宮内膜癌および肝細胞癌(HCC)(ヘパトームとも称される)が挙げられる。好ましい処置は、HCCおよび子宮内膜癌に対するものである。]
[0126] 同様に結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る悪性腫瘍の別のカテゴリーは、神経内分泌腫瘍(インスリノーマおよびグルカゴノーマが挙げられる)を包含するものである。]
[0127] 結晶性化合物1(例えば、III型などの無水物の結晶性形態、または非晶質化合物1)で処置され得る悪性腫瘍の別のカテゴリーは肉腫であり、リンパ腫、白血病、生殖細胞腫瘍および芽細胞腫(膠芽細胞腫および髄芽細胞腫、肝芽細胞腫、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、骨芽細胞腫および網膜芽細胞腫など)が挙げられる。好ましい処置は、骨芽細胞腫および骨芽細胞腫に対するものである。好ましい白血病およびリンパ腫の処置は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)およびホジキン病に対するものである。]
[0128] 本明細書に開示する化合物1の固体状態形態(例えば、III型などの無水結晶性形態)は、上記のような癌、前癌または他の過剰増殖状態の症状の1つ以上の処置、予防、進行の遅滞、または改善に有用である。]
[0129] 癌または過剰増殖状態の処置において、化合物1の固体状態形態を含む組成物または製剤により、癌または過剰増殖状態の予防、確立、維持または進行と関連する1種類以上の生体分子の発現またはレベルまたは活性は、検出可能にモジュレート(例えば、低減または増大)され得る。かかる生体分子としては、癌胎児抗原、前立腺特異的抗原、her2/neu、Bcl−XL、bcl−2、p53、IL−1α、IL−1β、IL−6、またはTNFα、GATA−3、COX−2、NFκB、IkB、IkBキナーゼ(例えば、IkBキナーゼ−α、IkBキナーゼ−βもしくはIkBキナーゼ−γ)、NFAT、カルシニューリン、カルモジュリン、rasタンパク質(H−rasもしくはK−rasなど)、サイクリンD、サイクリンE、キサンチンオキシダーゼもしくはそのアイソフォーム、ホモログあるいは変異型(これは、生物学的活性(1つもしくは複数)が低減もしくは増大したもののいずれかであって、検出可能に低減し得るものであり得る)の1種類以上が挙げられる。検出可能に増大し得る生体分子またはその活性(1つもしくは複数)としては、IL−2、IFNγ、IL−12、T−bet、O6−メチルグアニン−DNA−メチルトランスフェラーゼ、カルシニューリン、カルモジュリン、スーパーオキシドジスムターゼ(例えば、Mn、ZnもしくはCu)、腫瘍抑制因子タンパク質(網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)もしくはCDKN2A(p16)、BRCA1、BRCA2、MeCP2、MBD2、PTEN、NBR1、NBR2または任意の上記分子のアイソフォーム、ホモログもしくは変異型(これは、生物学的活性(1つもしくは複数)が減弱しているか、向上しているかのいずれかである)が挙げられる。これらの生体分子の1種類以上が、本明細書に記載の任意の癌または病状においてモジュレートされ得る。]
[0130] 一実施形態において、循環前立腺特異的抗原(PSA)の減少、またはPSA増加速度(例えば、血清PSAレベル上昇の倍加時間の縮小)の低減は、前立腺癌である過剰増殖状態を有する被検体における改善と整合する検出可能な変化である。]
[0131] 投与プロトコルまたは方法−本明細書に開示した任意の病状または症状の処置において、化合物1の結晶性形態を含む組成物または製剤は、該病状または症状に苦しんでいるか、または易罹患性である被検体に連続的に(毎日)投与してもよく、断続的に投与してもよい。化合物1の固体状態形態(例えば、結晶性I型または結晶性III型)を含む組成物または製剤での過剰増殖状態(前立腺癌、乳癌もしくは良性前立腺肥大症など、または本明細書に開示した他の病状)の処置において、断続的投与により、通常、不連続的な投与に伴う望ましくない側面の一部が回避または改善されることがあり得る。かかる望ましくない側面としては、患者または被検体が毎日投与するレジメンの厳守を怠ること、疾患が処置に対する耐性を獲得する傾向、または随伴する望ましくない副作用もしくは毒性のため、同時に投与される他の治療用薬剤の投薬量の低減が必要とされること、が挙げられる。また、タキフィラキシーが起こり、有害な応答を回避または最小限にするために投与スケジュールを調整する場合も、断続的投与が使用される。]
[0132] 本明細書に記載の任意の連続(毎日)もしくは断続的投与プロトコルにおいて、または本明細書に記載の任意の疾患、病状もしくは症状の処置において、化合物1の固体状態形態(例えば、結晶性I型または結晶性III型)を含む適切な組成物または製剤は、1種類以上の適当な経路、例えば、経口、口腔内、舌下、筋肉内(i.m.)、皮下(s.c.)、静脈内(i.v.)、皮内、別の非経口経路、あるいは、エーロゾル(この場合、医薬活性成分は化合物1の固体状態形態(例えば、結晶性I型または結晶性III型)である)によって投与することができる。かかる方法における日用量としては、約0.0025mg/kg/日〜約5.0mg/Kg/日が挙げられ得る。典型的には、かかる投与方法における日用量は、約0.01mg/kg/日〜約3mg/kg/日、または約0.1〜約1mg/kg/日(例えば、約0.3mg/kg/日〜0.5mg/kg/日)の固体状態形態の化合物1(例えば、結晶性I型または結晶性III型)を含むものである。また、より高い投薬量(例えば、約60mg/Kg/日まで)が一部の獣医学的適用において使用されることがあり得る。一部の実施形態において、化合物1の結晶性形態を含む本明細書に記載の懸濁製剤は、筋肉内(i.m.)または皮下(s.c.)投与される。好ましい単位用量は、典型的には毎日(q.d)、1日2回(b.i.d)、1日3回(t.i.d)または1日4回(q.i.d.)で投与される0.5〜100mgまたはそれ以上の化合物1の1種類以上の、典型的には1種類または2種類の固体状態形態を含むものであり、1日2回(b.i.d.)で投与される5、15、10または25mgの化合物1の単一の固体状態形態が特に好ましい。好ましい単位投薬形態としては、経口投与に適したもの(錠剤およびカプセル剤など)が挙げられる。]
[0133] ホルモン感受性またはホルモン関連癌の処置などの一部の実施形態において、化合物1の固体状態形態を含む組成物または製剤は、毎日(q.d.)または1日2回(b.i.d)で14〜180日間、典型的には30〜90日間、または処置対象の過剰増殖状態のバイオマーカーによって当該疾患の消退、進行の欠如(すなわち、安定化)もしくは寛解が示されるまで投与される。バイオマーカーによって疾患の復活または再発が示された場合は投与を再開する。かかる実施形態の一例において、癌は前立腺癌であり、バイオマーカーは循環前立腺特異的抗原である。かかる実施形態の別の一例では、癌が転移性の前立腺癌であり、バイオマーカーが骨への疾患の拡延(骨スキャンによって推定)である。別の実施形態では、癌が乳癌であり、バイオマーカーが腫瘍負荷量である。]
[0134] 本明細書に記載の経路によって、および他の標準的な治療用薬剤または処置との併用療法の使用によって投与される固体状態形態の化合物1の投薬量は、本明細書に開示した任意の疾患または病状に対して、本質的に上記のようにして適用され得る。したがって、固体状態形態の化合物1は、慢性の病状において予防的または治療的に投与され得るか、あるいは急性事象(処置対象の状態と関連する一時的な疼痛増強など)の時点またはその比較的直後に投与され得る。]
[0135] 固体状態形態の化合物1の投薬量、投与経路および他の標準的な治療用薬剤または処置との併用療法の使用は、本明細書に開示した癌または過剰増殖状態または他の病状に対して、本質的に上記のようにして適用され得る。したがって(This)、一部の実施形態において、化合物1の固体状態形態の使用は、任意選択で、癌または前癌(1つまたは複数)のための1種類以上のさらなる治療剤、例えば、本明細書に記載もしくは引用した参考文献に記載の抗アンドロゲンもしくは抗エストロゲン、抗新生物剤(アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、ニトロソ尿素、代謝拮抗物質もしくは細胞傷害剤など)、または鎮痛薬(プロポキシフェンナプシレート、アセトアミノフェンもしくはコデインなど)を使用する1種以上の外科処置および処置と組み合わされる。例示的な抗癌剤および補助剤としては、メトトレキサート、チオグアニン、メルカプトプリン、アドリアマイシン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シスプラチン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アロプリノール、エリスロポエチン、G−CSF、ビカルタミド、アナストロゾール、リン酸フルダラビンおよびドキソルビシンが挙げられる。かかる治療剤は、本質的に標準的なプロトコルに従って使用され得、化合物1の固体状態形態を用いる処置の前、本質的に同時に、および/または後に使用され得る。一部の実施形態において、かかるさらなる治療剤は、化合物1の固体状態形態の使用と同時に、あるいは化合物1の固体状態形態での少なくとも1回の処置ラウンドの終了の前または後、約1日〜約16週間以内に投与される。他の例示的な治療用薬剤およびその使用が詳細に報告されており、例えば、Physicians Desk Reference 第54版,2000,第303〜3250頁,ISBN 1−56363−330−2,Medical Economics Co.,Inc.,Montvale,NJを参照のこと。このような例示的な薬剤の1種類以上を、化合物1の固体状態形態と組み合せて、本明細書に記載の任意の適切な癌、前癌もしくは関連する病状、または任意のその症状の改善、確立もしくは進行の遅滞、予防または処置のために使用してもよい。]
[0136] 一実施形態において、処置対象の癌は前立腺癌であり、これは、アンドロゲン除去感受性であってもアンドロゲン除去非感受性であってもよい。この癌がアンドロゲン除去感受性である場合、化合物1の固体状態形態は、適切な製剤にて単独で、アンドロゲン受容体拮抗薬(CASODEXTM(ビカルタミドとしても知られる)など)と組み合せて、任意選択で、黄体化ホルモン放出ホルモンまたはリュープロレリン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬)と組み合せてのいずれかで、前立腺癌を有する被検体(精巣摘出を受けていても、受けていなくてもよい)に投与される。併用療法剤は、単一の投薬形態内に合わせて(例えば、化合物1とビカルタミドとの共製剤)、または別個の投薬形態(例えば、別個の経口投薬形態のビカルタミドもしくは懸濁製剤で非経口投与されるホルモン作動薬と経口投薬形態に製剤化された化合物1)のいずれかで、互いに同時期(0〜15分間離して)もしくは15分〜24時間以内、30分〜24時間離して、あるいは1〜24時間離して、または異なる投薬スケジュール(すなわち、異なる日に投与)を用いた投与のいずれかで、各治療成分との最適な付加的もしくは相乗的相互作用が可能なように、または治療成分の1種類以上の投薬量の低減による有害事象が最小限となるように共投与され得る。前立腺癌を有する被検体がアンドロゲン除去非感受性である場合(アンドロゲン非依存性、精巣摘出非依存性またはホルモン不応答性の前立腺癌が挙げられる)、適切な製剤での化合物1の固体状態形態が、細胞傷害剤(抗微小管剤など、例えば限定されないが、ドセタキセルまたはパクリタキセルなどのタキサン化合物)と組み合せて投与される。併用療法剤は、単一の投薬形態内に合わせて(すなわち、適宜共製剤化して)、または上記のような別個の投薬形態のいずれかで共投与され得る。この場合も、投与の量およびスケジュールは、最適な治療が提供されるように変更され得る。細胞傷害剤を使用する併用療法は、典型的には、被検体が転移性疾患について症候性となった後に開始される。]
[0137] 別の実施形態において、単独、乳癌の処置に一般的な1種類以上の他の治療用薬剤との組み合せのいずれかの適切な製剤での化合物1の固体状態形態の投与による処置対象の癌は乳癌である。一実施形態において、化合物1の固形投薬形態(from)は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬(リュープロリドなど)と組み合せて使用される。別の実施形態では、化合物1の固形投薬形態は、腫瘍のHer2/neu状態に応じてHERCEPTINTMと組み合せて使用され得る。別の実施形態では、化合物1の固形投薬形態は、アロマターゼ酵素と共有結合を形成する不可逆的アロマターゼ阻害薬(エキセメスタンなど)、または可逆的競合によってアロマターゼ酵素を阻害する阻害薬(アナストロゾールもしくはレトロゾールなど)と組み合せて使用される。別の実施形態では、化合物1の固形投薬形態は、腫瘍のエストロゲン受容体の状態に応じて、選択的エストロゲン受容体調節剤(タモキシフェンまたはラロキシフェンなど)と組み合わせて使用される。併用療法剤は、単一の投薬形態内に合わせて(すなわち、適宜共製剤化して)、または上記のような別個の投薬形態のいずれかで共投与され得る。この場合も、投与の量およびスケジュールは、最適な治療が提供されるように変更され得る。固体状態形態の化合物1は、典型的には、乳癌を有する被検体に単独でまたはホルモン操作と同時に投与される。ホルモン操作は、典型的には、TAMOXIFENTMおよびアロマターゼ阻害薬(ARIMIDEXTM(アナストロゾール)など)を用いて行なわれ、再発を予防するための最初の一次治療(これは、手術、化学療法、放射線またはその組合せであり得る)後に実施される。この状況における(is this setting)化合物1が、タモキシフェンの代わりに使用され得るか、またはTAMOXIFENTMに加えて投与され得る。化学療法剤と同時に使用される場合(これは、一部の場合において、末期段階の疾患において行なわれる)、化合物1は、次の化学療法の過程までの期間を延ばすためにタキサン化合物(ドセタキセルまたはパクリタキセルなど)と組み合せて投与されるか、または薬剤の副作用が軽減されるように投与対象の化学療法剤の量を減らすため、あるいは薬剤に対する耐性の出現を抑制もしくは遅滞するために使用される。]
[0138] 番号付けした実施形態。本発明のいくつかの態様および関連する主題としては、以下の番号付けした実施形態が挙げられる。]
[0139] 1. 17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの固体状態形態。]
[0140] 2. 17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの非晶質形態を実質的に含まない17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの1種類以上の結晶性形態である実施形態1の固体状態形態。]
[0141] 3. 17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの多形または偽多形であり、非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを本質的に含まない実施形態1の固体状態形態。]
[0142] 4. 17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの結晶性形態であり、17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの非晶質形態および他の結晶性形態を本質的に含まない実施形態1の固体状態形態。]
[0143] 5. (a)10.6、14.7、16.0±0.1の2θ値、ならびに任意選択で、12.3、14.3、15.9、16.4、17.5、20.3、24.0および27.2±0.1の1つ以上の2θ値を有する粉末X線パターン、ならびに(b)任意選択で、10℃/分の加熱速度で得られた約81℃が中心である広がった吸熱および約164℃に顕著な吸熱(約162℃で開始)を示す示差熱分析サーモグラム(DTA)を有することを特徴とするか、あるいは(a)と(b)を特徴とする実施形態4の固体状態形態。]
[0144] 6. さらに、10℃/分の加熱速度で得られた約40℃から約105℃で12wt%の重量減損を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを特徴とする実施形態5の固体状態形態。]
[0145] 7. さらに、約100℃に発熱を示すDTAサーモグラムを特徴とする実施形態5の固体状態形態。]
[0146] 8. (a)11.3、13.5、16.2および16.5±0.1の2θ値、ならびに任意選択で、9.3、9.9、16.0.17.4および19.0±0.10の1つ以上の2θ値を有する粉末X線パターン、ならびに(b)任意選択で、約164℃に顕著な吸熱(約162℃で開始)を示すDTAサーモグラム、および10℃/分の加熱速度で得られた約40℃から約105℃で無視できるwt%の重量減損を示すTGAサーモグラムを有することを特徴とするか、あるいは(a)と(b)を特徴とする実施形態4の固体状態形態。]
[0147] 9. さらに、図5と実質的に同一のラマンスペクトルを特徴とする実施形態8の固体状態形態。]
[0148] 10.図7の粉末X線回折パターンおよび図8のDSC−TGAサーモグラムと実質的に同一の粉末X線回折パターンおよび示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする実施形態4の固体状態形態。] 図7 図8
[0149] 11. さらに、図9と実質的に同一のラマンスペクトルを特徴とする実施形態10の固体状態形態。] 図9
[0150] 12.図1または図2の粉末X線回折パターンおよび図3のDSC−TGAサーモグラムと実質的に同一の粉末X線回折パターンおよびDSC−TGAサーモグラムを特徴とする実施形態4の固体状態形態。] 図1 図2 図3
[0151] 13. (a)9.8、13.0、14.7および17.0±0.1の2θ値、ならびに任意選択で、8.3、11.3、13.9、15.0、15.4、16.1、16.5、17.8、18.7、20.0、20.8、22.1および25.1±0.1の1つ以上の2θ値を有する粉末X線パターン、ならびに(b)任意選択で、約88℃が中心である広がった吸熱および約164℃に顕著な吸熱(約162℃で開始)を示すDTAサーモグラムを有することを特徴とする実施形態3の固体状態形態。]
[0152] 14. さらに、10℃/分の加熱速度で得られた約60℃から約105℃で約5〜6wt%の重量減損または約40℃から約160℃で約7wt%の重量減損を示すTGAサーモグラムを特徴とするか、あるいは(a)と(b)を特徴とする実施形態13の固体状態形態。]
[0153] 15. さらに、約106℃に発熱を示すDTAサーモグラムを特徴とする実施形態13の固体状態形態。]
[0154] 16.図12の粉末X線回折パターンおよび図13のDTA−TGAサーモグラムと実質的に同一の粉末X線回折パターンおよびDTA−TGAサーモグラムを特徴とする実施形態3の固体状態形態。] 図12 図13
[0155] 17. (a)5.8、9.5、11.5、15.2および18.9±0.1の2θ値、ならびに任意選択で、13.5、16.0、16.5、17.3、19.3、20.9、24.5および29.3±0.10の1つ以上の2θ値を有する粉末X線パターン、ならびに(b)任意選択で、10℃/分の加熱速度で得られた約164℃に顕著な吸熱(約162℃で開始)を示すDTAサーモグラム、および約40℃から約160℃で無視できる重量減損を示すTGAサーモグラムを有することを特徴とする実施形態3の固体状態形態。]
[0156] 18.図15のX線回折パターンと実質的に同一の粉末X線回折パターンを特徴とする実施形態3の固体状態形態。] 図15
[0157] 19. (a)9.8、13.3、15.0および18.7±0.1の2θ値、ならびに任意選択で、6.7、7.2、7.5、14.3、14.6、16.0、17.0、17.7、18.3、20.9および21.8±0.1の1つ以上の2θ値を有する粉末X線パターン、ならびに(b)任意選択で、約164℃に顕著な吸熱(約162℃で開始)を示すDTAサーモグラム、および10℃/分の加熱速度で得られた約40℃から約85℃で約5wt%の重量減損または約40℃〜約180℃で約12%の重量減損を示すTGAサーモグラムを有することを特徴とする実施形態3の固体状態形態。]
[0158] 20.図16のX線回折パターンと実質的に同一の粉末X線回折パターンおよび図17のDTA−TGAサーモグラムと実質的に同一のDTA−TGAサーモグラムを特徴とする実施形態3の固体状態形態。] 図16 図17
[0159] 21. (a)9.8、13.5、14.2、15.8、19.5±0.1の2θ値、ならびに任意選択で、5.9、8.3、11.4、11.9、17.8、21.4および26.9±0.10の1つ以上の2θ値を有する粉末X線パターン、ならびに(b)任意選択で、約164℃に顕著な吸熱(約162℃で開始)を示すDTAサーモグラム、および約40℃から約160℃で無視できる(negligle)wt%の重量減損を示すTGAサーモグラムを有することを特徴とする実施形態3の固体状態形態。]
[0160] 22.図18のX線回折パターンと実質的に同一の粉末X線回折パターンを特徴とする実施形態3の固体状態形態。] 図18
[0161] 23.(a)11.1、16.0、11.6、17.7および18.7±0.1の2θ値、ならびに任意選択で、9.4、10.1、19.1、23.7、24.3および28.4±0.10の1つ以上の2θ値を有する粉末X線パターン、ならびに(b)任意選択で、約164℃に顕著な吸熱(約162℃で開始)を示すDTAサーモグラム、および約40℃から約160℃で無視できるwt%の重量減損を示すTGAサーモグラムを有することを特徴とする実施形態3の固体状態形態。]
[0162] 24.図19のX線回折パターンと実質的に同一の粉末X線回折パターンを特徴とする実施形態3の固体状態形態。] 図19
[0163] 25. さらに、図20と実質的に同一のラマンスペクトルを特徴とする実施形態10の固体状態形態。] 図20
[0164] 26.結晶性形態の17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを実質的に含まない非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールである実施形態1の固体状態形態。]
[0165] 27.結晶性形態の17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを本質的に含まない非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールである実施形態1の固体状態形態。]
[0166] 28. 17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの固体状態形態と少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤を含む固形製剤。]
[0167] 29.固体状態形態が17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの1種類以上の結晶性形態である実施形態28の製剤。]
[0168] 30.結晶性形態の1つが17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの多形または偽多形形態であり、17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの非晶質形態を実質的に含まない実施形態29の製剤。]
[0169] 31.結晶性形態の1つが17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの多形または偽多形形態であり、非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを本質的に含まない実施形態29の製剤。]
[0170] 32.固体状態形態が17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの結晶性形態であり、17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの非晶質形態および他の結晶性形態を本質的に含まない実施形態28の製剤。]
[0171] 33.結晶性形態が、任意選択で結晶性のIII型、V型、VII型およびVIII型からなる群より選択される無水物である実施形態32の製剤。]
[0172] 34.結晶性形態が、任意選択で結晶性I型およびIV型からなる群より選択される溶媒和物である実施形態32の製剤。]
[0173] 35.結晶性形態がI型である実施形態32の製剤。]
[0174] 36.結晶性形態がIII型である実施形態32の製剤。]
[0175] 37.結晶性形態がIV型である実施形態32の製剤。]
[0176] 38.結晶性形態がV型である実施形態32の製剤。]
[0177] 39.結晶性形態がVII型である実施形態32の製剤。]
[0178] 40.結晶性形態がVIII型である実施形態32の製剤。]
[0179] 41.固体状態形態が非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールである実施形態28の製剤。]
[0180] 42. 非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールが結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを実質的に含まない実施形態41の製剤。]
[0181] 43. 製剤が経口投与のためのカプセル剤または錠剤であって、薬学的に許容され得る賦形剤が、30分後に周囲温度の水中に製剤の90%溶解がもたらされるのに充分な量の表面活性剤である実施形態28〜42のいずれか1つの製剤。]
[0182] 44.表面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである実施形態43の製剤。]
[0183] 45.薬学的に許容され得る賦形剤がラウリル硫酸ナトリウム、微晶質セルロースおよびステアリン酸マグネシウムで構成された実施形態28〜42のいずれか1つの製剤。]
权利要求:

請求項1
結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項2
非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを実質的に含まない、請求項1に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項3
17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの結晶性形態が無水物であるか、または約40℃から約105℃の間で加熱したとき重量減損が約0.5%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項4
前記無水物が、III型、V型、VII型もしくはVIII型の17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールまたはその混合物である、請求項3に記載の結晶性無水物。
請求項5
前記III型が他の無水物を実質的に含まず、かつ、9.85、11.33、15.96、16.48および18.95±0.10度の2θのピーク位置を有し、任意選択で、9.30、11.33、13.45、16.16および17.42±0.10度の2θからなる群より選択される1つ、2つまたは3つのピーク位置を有する粉末X線回折パターンを特徴とするか、または有する、請求項4に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項6
前記III型が他の無水物を実質的に含まず、かつ、温度傾斜10℃/分を用いて約40℃からおよそその融解温度まで加熱したとき、重量減損が無視でき、任意選択で加熱減量が約0.5重量%以下である熱重量分析サーモグラムを特徴とするか、または有する、請求項4に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項7
前記III型が他の無水物を実質的に含まず、かつ、温度傾斜10℃/分を用いて得られた約164℃に顕著な吸熱を示す示差走査熱量測定サーモグラムを特徴とするか、または有する、請求項4に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項8
前記III型が他の無水物を実質的に含まず、かつ、約1236、1190および490cm−1にピーク位置を有し、任意選択で、約1458、1435、619、604、526、237および206cm−1からなる群より選択される1つ、2つまたは3つのピーク位置を有するか、または図5Aもしくは図5Aが図5Bで表わされる場合は該領域内のものと実質的に同一のIR−ラマン分光法スペクトルを有する、請求項4に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項9
V型、VII型またはVIII型の17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを実質的に含まないIII型結晶であって、任意選択で、該III型結晶は、存在している全ての結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの少なくとも約90%w/wを構成している、請求項4に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項10
溶媒和物である、請求項2に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項11
I型、IV型またはVI型であり、該I型、IV型またはVI型の17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールがその他の結晶形の17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを実質的に含まない、請求項10に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項12
結晶性形態が、10.59、12.33、14.72および16.04±0.10度の2θにピーク位置を有し、任意選択で、14.29、15.91、16.41、17.49、20.27、24.04および27.21±0.10度の2θに1つ、2つまたは3つのピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とするか、または有するI型である、請求項11に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項13
前記I型が、P212121(No.19)およびZ値4の単結晶X線結晶学空間群ならびに(a)a=7.4893(4)Å、b=11.0586(8)Å、c=25.5095(15)Å、α=90.00°、β=90.00°、γ=90.00°の単位胞パラメータまたは(b)1.15g/cm3の密度を特徴とするか、または有する、請求項11に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項14
前記I型が、温度傾斜10℃/分を用いて得られた約164℃に顕著な吸熱を示すか、または温度傾斜10℃/分を用いて得られた約60℃から約105℃に加熱したとき約10〜14%の熱重量分析重量減損を有し、約88℃における吸熱および約116℃における吸熱を示す示差走査熱量測定サーモグラムを特徴とするか、または有する、請求項11に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項15
前記I型が、約1026、1170および831cm−1にピーク位置を有し、任意選択で、約1456、1439、1253、1230、1026、615、602、528、231および148cm−1からなる群より選択される1つ、2つまたは3つのピーク位置を有するIR−ラマン分光法スペクトル、図9Aのものと実質的に同一、または図9Bで表わされる図9Aの領域において実質的に同一のラマン分光法スペクトルを特徴とするか、または有する、請求項11に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項16
前記IV型が、(1)13.02、13.86、17.01±0.10度の2θにピークを有し、任意選択で、8.31、9.84、11.28、14.73、15.00、16.14、16.63、17.76、18.72、20.04、20.76、22.14および25.14±0.01度の2θからなる群より選択される1つ、2つまたは3つのピークを有する粉末X線回折パターン;(2)温度傾斜10℃/分を用いて約60℃から約105℃に加熱したとき約5%の重量減損、または約40℃からおよそその融解温度まで加熱したとき約7%の重量減損を示す熱重量分析サーモグラム;(3)温度傾斜10℃/分を用いて得られた、約163℃に顕著な吸熱を示し、任意選択で、約88℃が中心である広がった吸熱および約106℃に発熱を示す示差熱分析サーモグラム;あるいは(4)(1)と(2)または(1)と(3)に記載の特性の組合せを特徴とするか、または有する、請求項11に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項17
前記VI型が、(1)13.26、14.25および18.69±0.10度の2θにピークを有し、任意選択で、9.78、14.61、15.00、15.99、17.04、17.67、18.27、20.91および21.78±0.10度の2θからなる群より選択される1つ、2つまたは3つを有する粉末X線回折パターン(2)温度傾斜10℃/分を用いて得られた約40℃から約85℃に加熱したとき約5%の重量減損、または約85℃からおよそその融解温度まで加熱したとき約7%の重量減損を示す熱重量分析サーモグラム;(3)温度傾斜10℃/分を用いて得られた約164℃に顕著な吸熱を示し、任意選択で、約70℃に吸熱を示す示差熱分析サーモグラム;(4)(1)と(2)または(1)と(3)に記載の特性の組合せ;あるいは(5)約δ=3.6ppm(CDCl3)に顕著なピークを有するプロトンNMR分光法スペクトルを特徴とするか、または有する、請求項11に記載の結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項18
非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項19
結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを実質的に含まないか、または含まれる結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールが約10%w/w未満である、請求項18に記載の非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項20
(1)約16度の2θに広がったピークを有する粉末X線回折パターン、または実質的に図20に示された粉末X線回折パターン(2)温度傾斜10℃/分を用いて得られた約40℃から約105℃に加熱したとき約7%の重量減損を示す熱重量分析サーモグラム;(3)温度傾斜10℃/分を用いて得られた約163℃に顕著な吸熱を示し、任意選択で、約81℃が中心である広がった吸熱および約120℃が中心である広がった吸熱を示す示差熱分析サーモグラム;あるいは(4)(1)と(2)または(1)と(3)に記載の特性の組合せを特徴とするか、または有する、請求項13に記載の非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール。
請求項21
I型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールメタノール−水溶媒和物を、約50℃±5°に加熱時、乾燥物質または加熱物質が約0.5重量%未満の加熱減量を示すまで、周囲温度(約22〜27℃)で真空下で充分に乾燥させること、または周囲温度より上の温度(1つもしくは複数)で最高約75℃まで充分に加熱することを含み、任意選択で、加熱が(a)真空下および/または(b)約45℃もしくは約50℃である、結晶性の無水のIII型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの作製方法。
請求項22
出発材料のI型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールメタノール−水溶媒和物が、17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの他の固体形態を本質的に含まず、任意選択で(a)出発材料のI型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールメタノール−水溶媒和物が少なくとも約95%純粋である、または(b)I型17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール無水物生成物が少なくとも約95%純粋である、請求項21に記載の方法。
請求項23
1種類以上の賦形剤および結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む製剤。
請求項24
固形であって、任意選択で、錠剤、カプセル剤または経口投与に適した別の単位投薬形態である、請求項23に記載の製剤。
請求項25
非晶質または結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−トリオールを1種類、2種類、3種類、4種類またはそれ以上の賦形剤と接触、混合するおよび/またはブレンドして混合物を得る工程、ならびに該混合物を加工処理して製剤を得る工程を含む製剤の調製方法であって、任意選択で、該製剤が、ヒトへの経口投与に適した投薬単位、任意選択で錠剤、キャプレット剤またはカプセル剤を含む、製剤の調製方法。
請求項26
前記結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールが水和物である、請求項25に記載の方法。
請求項27
前記結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールが無水物、任意選択でIII型である、請求項26に記載の方法。
請求項28
前記賦形剤の少なくとも1種類が表面活性剤、任意選択でラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート−80であり、任意選択で、前記結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールがIII型である、請求項25に記載の方法。
請求項29
結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールおよび少なくとも1種類以上の賦形剤を含む製剤、または結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールと1種類、2種類、3種類、4種類またはそれ以上の賦形剤から調製される製剤の有効量を被検体に投与すること、または被検体の組織に送達することを含む、処置の必要がある被検体の癌または前癌を処置するための方法。
請求項30
前記癌が前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚部癌、子宮内膜癌または良性前立腺肥大であり、任意選択で、前記結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールが無水物、任意選択でIII型である、請求項29に記載の方法。
請求項31
前記前癌が、前立腺間質性腫瘍、子宮頚部形成異常または非湿潤性乳管癌である、請求項30に記載の方法。
請求項32
医薬の調製のための、結晶性または非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの使用、または1種類以上の薬学的に許容され得る賦形剤と結晶性または非晶質17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む組成物の使用。
請求項33
癌または前癌の処置または予防のための医薬の調製のための、結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールの使用、または1種類以上の賦形剤および結晶性17α−エチニル−5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオールを含む組成物の使用であって、任意選択で、該癌または前癌が前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、肺癌、膵臓癌または良性前立腺肥大である、使用。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
US10723730B2|2020-07-28|Solid forms of a selective CDK4/6 inhibitor
US10584122B2|2020-03-10|Solid forms of a compound modulating kinases
US10590104B2|2020-03-17|Polymorphic forms of 3-|-piperidine-2,6-dione
US10137118B2|2018-11-27|Crystalline polymorphs of the free base of 2-hydroxy-6-|pyridin-3-yl)methoxy)benzaldehyde
US9012464B2|2015-04-21|Salts and polymorphic forms of Afatinib
JP2020125317A|2020-08-20|Preparation, use and solid form of obeticholic acid
KR101068779B1|2011-09-30|할로겐화된 선택적 안드로겐 수용체 모듈레이터 및 그의사용방법
JP2018515569A|2018-06-14|キナーゼを調節するための化合物の固体形態
AU2008287388B2|2014-11-06|Novel forms of CDDO methyl ester
Zajc et al.2005|Physical properties and dissolution behaviour of nifedipine/mannitol solid dispersions prepared by hot melt method
Vigh et al.2013|Polymer-free and polyvinylpirrolidone-based electrospun solid dosage forms for drug dissolution enhancement
KR101954322B1|2019-03-05|C-met 조절제를 사용하는 방법
EP2621481B1|2019-08-14|Dual inhibitors of met and vegf for the treatment of castration-resistant prostate cancer and osteoblastic bone metastases
CN110267958A|2019-09-20|制备吡唑并[1,5-a]嘧啶及其盐的方法
US8673912B2|2014-03-18|Crystalline Forms on N-[3-fluoro-4-|-7-[|oxy]-quinolin-4-yl}oxy)phenyl]-N′-|cyclopropane-1,1-dicarboxamide
CN103261161B|2016-04-27|凝血因子Xa抑制剂的结晶形式
AU2001245417B2|2005-10-06|Pharmaceutical compositions of conjugated estrogens and methods of analyzing mixtures containing estrogenic compounds
US6844334B2|2005-01-18|| and | substitued estrogenic compounds
KR20150038085A|2015-04-08|선택적 안드로겐 수용체 조절자|를 이용한 안드로겐 수용체| 양성 유방암의 치료 방법
KR20120113285A|2012-10-12|다사티닙 다결정체 및 그의 제조방법과 약물 조성물
JP2019163337A|2019-09-26|Crystalline solid form of N- {4-[| oxy] phenyl} -N ′-| cyclopropane-1,1-dicarboxamide, manufacturing process, And usage
KR20040086452A|2004-10-08|항암 화합물 zd1839의 신규한 결정질 형태
US7749989B2|2010-07-06|Estrogenic compounds, methods of using and methods of administering the same
EP2639234B1|2019-07-03|Crystalline 6,7-unsaturated-7-carbamoyl morphinane derivative, and method for producing same
JP2006516286A|2006-06-29|Sarmによる女性のアンドロゲン減少に関連する病気の治療
同族专利:
公开号 | 公开日
US20090291932A1|2009-11-26|
EP2249838A1|2010-11-17|
CN101939009B|2013-07-17|
US9314471B2|2016-04-19|
CN101939009A|2011-01-05|
EA018974B1|2013-12-30|
AU2009212314B2|2013-11-21|
US8518922B2|2013-08-27|
CA2712005C|2014-04-15|
EA201070713A1|2011-08-30|
EA018974B9|2014-04-30|
CN103467554A|2013-12-25|
US20130345455A1|2013-12-26|
EP2249838A4|2012-05-02|
KR20100113602A|2010-10-21|
AU2009212314A1|2009-08-13|
HK1147695A1|2011-08-19|
WO2009100258A1|2009-08-13|
US20130345184A1|2013-12-26|
US20130338125A1|2013-12-19|
IL207378D0|2010-12-30|
AU2009212314C1|2014-05-08|
CA2712005A1|2009-08-13|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
US5567830A|1994-02-14|1996-10-22|Cocensys, Inc.|Process for synthesis of acetylenic carbinols|
US20080021006A1|1999-09-30|2008-01-24|Hollis-Eden Pharmaceuticals, Inc.|Pharmaceutical Compositions|JP2016535791A|2013-11-12|2016-11-17|バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッドVertex Pharmaceuticals Incorporated|Cftr媒介性疾患の処置のための医薬組成物を調製する方法|
US10308676B2|2015-09-25|2019-06-04|Context Biopharma Inc.|Methods of making onapristone intermediates|
US10548905B2|2015-12-15|2020-02-04|Context Biopharma Inc.|Amorphous onapristone compositions and methods of making the same|
US10786461B2|2014-11-17|2020-09-29|Context Biopharma Inc.|Onapristone extended-release compositions and methods|DE681869C|1935-11-22|1939-10-03|Schering Ag|Verfahren zur Darstellung von tertiaeren Alkoholen der Cyclopentanopolyhydrophenanthrenreihe|
CH202847A|1937-06-26|1939-02-15|Chem Ind Basel|Verfahren zur Darstellung von Acetylen-Derivaten der Cyclopentanopolyhydrophenanthren-Reihe.|
DE69325253T2|1992-08-28|1999-12-02|Bone Care Int Inc|1alpha,24-dihydroxy vitamin d2, seine synthese und verwendung|
JP3989554B2|1996-03-29|2007-10-10|デユフアー・インターナシヨナル・リサーチ・ベー・ブイ|ピペラジンおよびピペリジン化合物|
ZA9806614B|1997-07-25|1999-01-27|Gilead Sciences|Nucleotide analog composition|
US7045513B1|1999-03-18|2006-05-16|Genelabs Technologies, Inc.|DHEA composition and method|
US6777399B2|2000-08-05|2004-08-17|Smithkline Beecham Corporation|Anti-inflammatory androstane derivative compositions|
AT307591T|2000-12-14|2005-11-15|Ortho Mcneil Pharm Inc|Zubereitungen enthaltend ein steroidhormon und ein stabilisierungsmittel in nicht-kristalliner form|
AR034206A1|2001-02-16|2004-02-04|Solvay Pharm Bv|Un procedimiento para la preparacion de mesilatos de derivados de piperazina y dichos mesilatos|
DE10314610A1|2003-04-01|2004-11-04|Aventis Pharma Deutschland Gmbh|Neues Diphenylazetidinon mit verbesserten physiologischen Eigenschaften, Verfahren zu dessen Herstellung, diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel und dessen Verwendung|
US7540016B2|2004-07-21|2009-05-26|Beachhead Solutions, Inc.|System and method for lost data destruction of electronic data stored on a portable electronic device which communicates with servers that are inside of and outside of a firewall|
US7964604B2|2005-02-18|2011-06-21|Solvay Pharmaceuticals B.V.|Bifeprunox mesylate maintenance dose compositions and methods for using the same|
TW200730505A|2005-12-07|2007-08-16|Merck & Co Inc|Polymorphs of an androgen receptor modulator|
TWI305979B|2006-03-24|2009-02-01|Hon Hai Prec Ind Co Ltd|Wireless transceiving system|
AU2007300404B2|2006-04-22|2009-12-17|Neurmedix, Inc.|Drugs and uses|
DE102007054497B3|2007-11-13|2009-07-23|Sanofi-Aventis Deutschland Gmbh|Neue kristalline Diphenylazetidinonhydrate und Verfahren zu deren Herstellung|US20110129423A1|2009-11-30|2011-06-02|Frincke James M|Anticancer compounds and screening method|
US20140148348A1|2010-01-13|2014-05-29|Christine Kuslich|Dectection of gastrointestinal disorders|
US9128101B2|2010-03-01|2015-09-08|Caris Life Sciences Switzerland Holdings Gmbh|Biomarkers for theranostics|
JP2013526852A|2010-04-06|2013-06-27|カリスライフサイエンシズルクセンブルクホールディングス|疾患に対する循環バイオマーカー|
AU2011343599A1|2010-12-17|2013-05-09|Harbor Biosciences, Inc.|Steroid tetrol solid state forms|
CN104173353B|2013-05-22|2018-08-21|中国医药工业研究总院|不含表面活性剂的固体制剂及其制备方法|
CN105434444A|2014-09-29|2016-03-30|上海奥奇医药科技有限公司|一种A-失碳-5α雄甾烷化合物的口服制剂|
RU2668526C1|2017-08-18|2018-10-01|Федеральное государственное бюджетное учреждение "Информационно-методический центр по экспертизе, учету и анализу обращения средств медицинского применения" Федеральной службы по надзору в сфере здравоохранения|Способ идентификации и последующего количественного определения основных компонентов в инъекционных лекарственных средствах|
法律状态:
2012-02-03| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120202 |
2012-02-03| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120202 |
2012-04-21| A711| Notification of change in applicant|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20120420 |
2013-01-11| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130110 |
2013-08-14| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130813 |
2013-11-13| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20131112 |
2013-11-20| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20131119 |
2013-12-13| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20131212 |
2013-12-20| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20131219 |
2014-01-11| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140110 |
2014-01-21| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140120 |
2014-02-14| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140213 |
2014-03-25| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140324 |
2014-08-20| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140819 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]