![]() ワクチンとしてのキメラhiv融合タンパク質
专利摘要:
HIV抗原特異的な免疫応答を誘導する免疫原として有用なキメラ融合タンパク質は、第一ポリペプチド領域及び第二ポリペプチド領域を含む。第一ポリペプチド領域は、シュードモナス属外毒素A(PE)結合ドメイン及びPE転移ドメインを含む。第二ポリペプチド領域は、(i) gp120 C1ドメインの断片を含み且つ第二ペプチド領域のN末端に位置する第一ペプチドセグメントと、(ii) gp120 C5ドメインの断片を含み且つ第一ペプチドセグメントのC末端に位置する第二ペプチドセグメントと、 (iii) gp41の断片を含み且つ第二ペプチドセグメントのC末端に位置する第三ペプチドセグメントと、を含む。第二ポリペプチド領域は、HIVの1つのサブタイプに特異的な抗原決定基を含む。Gag24、Nef、Tat及びRev より選択される、Env以外のHIV抗原決定基を含む中間ポリペプチドが含まれる。 3 公开号:JP2011510988A 申请号:JP2010545064 申请日:2009-01-23 公开日:2011-04-07 发明作者:カン;チャン シュー;ウェイ;リアオ チャオ 申请人:ヘルスバンクス バイオテック カンパニー リミテッド;ヘルスバンクス ユーエスエー インコーポレイテッド; IPC主号:C07K19-00
专利说明:
[0001] 本発明は、一般的にはHIVワクチン、特に液性免疫応答及び細胞性免疫応答の誘導に有用なキメラHIV融合タンパク質に関するものである。] 背景技術 [0002] AIDSの世界的な流行が、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)に対するワクチンの緊急な必要性を生み出している。効果的なAIDSワクチンが、効率的に液性免疫応答及び細胞性免疫応答を生じさせる必要があるだろう。ウイルス中和抗体及び抗HIV細胞障害性(CD8+)T細胞(CTLs)を介する免疫が、HIVワクチンによって引き起こされる防御免疫応答に必要とされる主なものである。] [0003] HIVは、ウイルスタンパク質をコードする主要な遺伝子を幾つか有する。gag遺伝子は、ウイルスカプシドであるp24、ヌクレオカプシドタンパク質であるp6及びp7、そしてマトリクスタンパク質であるp17をコードする。pol遺伝子は、逆転写酵素、インテグラーゼ、並びにgag及びpol由来のタンパク質を切断し、機能的なタンパク質にするタンパク質分解酵素をコードする。env遺伝子は、gp120及びgp41の前駆体である、エンベロープタンパク質をコードする。エンベロープタンパク質は、ウイルスエンベロープに埋め込まれており、これによりウイルスは標的細胞に付着し融合することができる。tat、rev、nef、vif、vpu 遺伝子は、それぞれ同じ名前を持つ1つのタンパク質Tat、Rev、Nef、Vif、Vpr、Vpuをそれぞれコードする。] [0004] HIV-1感染の動物モデルにおいて、中和抗体がウイルス感染の予防に貢献していることが明らかになってきた。中和抗体を接近可能にする、HIV-1上のウイルス特異的な標的は、エンベロープ糖タンパク質である(Yang, X. et al. (2005) “Stoichiometry of Antibody Neutralization of Human Immunodeficiency Virus Type 1” Journal of Virology 79: 3500-3508)。HIV-1感染の一般的な経過期間中に、ウイルス中和抗体は、しばしば生産されるが、多くの場合その中和価は低い。ほとんどの中和抗体は、gp120 エンベロープ糖タンパク質に結合する。gp120 エンベロープ糖タンパク質は、ウイルスエンベロープ糖タンパク質三量体の主要な露出しているタンパク質である。HIV- I gp120糖タンパク質において、より保存された受容体結合面も、中和抗体の標的である。CD4結合部位(CD4BS)に対する抗体は、gp120領域における幾つかのセグメントから構成される立体的なエピトープを認識する。かかるエピトープは、CD4の結合部位と重複する。CD4誘導(CD4i)抗体は、高度に保存されたgp120要素と結合する。かかる要素は、gp120とケモカイン受容体との相互作用に重要である。CDBS及びCD4i抗体の受容体結合を干渉する能力が、中和性能に寄与する。] [0005] GP120は10個のドメイン(保存ドメイン1-5(C1-C5)及び可変ドメイン1-5(V1-V5)) を有する。C1及びC5ドメインは、それぞれgp120のN末端及びC末端に位置する。V3ループ(ケモカイン受容体の選択先を決定するもの)に対する直接的な抗体は、レセプターCCR5及び/又はCXCR4とgp120との結合を阻害できる。抗V3抗体による中和は、強力ではあるが、少数のHIV-1株に限られる。] [0006] Gp120は、非共有的にgp41と結合する。gp41サブユニットは、膜に係留され、そのN末端に非極性の融合ペプチドを有する。gp120-gp41複合体は、感染細胞の表面やビリオン(virions)上において多量体を形成する。gp120のCD4への結合が、gp41の膜融合活性の活性化をもたらし、ウイルスヌクレオカプシドの細胞内への侵入を引き起こすと考えられる。HIV感染した個体の血清中において、gp41エピトープに対する抗体は、ウイルス中和にとって重要な役割を担う可能性がある。gp41のN末端コイルドコイル構造と、gp120のN末端コア構造と相互作用するC末端残基とが、高度に保存されていることが、様々なHIVサブタイプのGp120-41複合体配列から明らかである。] [0007] 多重免疫エフェクター(Multiple immune effectors)は、HIV感染の予防、抑制そして排除に関与する。宿主標的細胞に対する感染を防ぐためには、抗体は必要である。最初の標的細胞がウイルスに感染した後は、細胞傷害性T細胞(CTLs)と抗体を有し、細胞から細胞への広がりを抑え、感染した細胞を殺すことが重要である。効果的なHIVワクチンは、ウイルスと結合でき且つ標的細胞へのウイルスの付着を防止できる抗体と、感染した細胞を排除できるCTLsとを誘起するだろう。] [0008] 効果的で安全な弱毒化した生ワクチンを構築すること、即ち組換え抗原の感染の際、又は適切な遺伝子又は抗原を有する複製又は非複製ベクターの感染の際に観察されるウイルスタンパク質の提示を模倣することはワクチン学者たちにとって、依然として困難な目標である。gp120のV3ドメインにおける数多くの変異が、HIVワクチンの標的としての有用性を制限する。可変ドメインにおける超可変性の傾向が、どのように展開していくのか、さらにどのくらいのドメインが、HIVの進化株において、全くもって不変なのかが、未だ明らかにされていない。] [0009] HIVワクチンの抗原生産において、とりわけ有用な抗原決定基ペプチドを提供することに関する欠陥や欠点に対処する技術には、依然として手付かずの要求が存在する。] [0010] 中和表現型の決定のために、gp120とgp41との相互作用の重要性が研究されてきた。本発明における1つの態様は、HIV抗原特異的な免疫応答を誘導する免疫原として有用なキメラ融合タンパク質に関連する。キメラは、(a)シュードモナス属外毒素A(PE)結合ドメイン及びPE転移ドメインを含み且つ融合タンパク質のN末端に位置する第一ポリペプチド領域と、(b)融合タンパク質のC末端に位置する第二ポリペプチド領域であって、(i) gp120 C1ドメインの断片を含み且つ第二ペプチド領域のN末端に位置する第一ペプチドセグメントと、(ii) gp120 C5ドメインの断片を含み且つ第一ペプチドセグメントのC末端に位置する第二ペプチドセグメントと、 (iii) gp41アミノ酸配列の断片を含み且つ第二ペプチドセグメントのC末端に位置する第三ペプチドセグメントと、を含む第二ポリペプチド領域を有する。第二ポリペプチド領域は、HIVの1つのサブタイプに特異的な抗原決定基を含む。HIVの1つのサブタイプは、HIVサブタイプ A、B、C、D、E、F、G、H、J及びKからなる集団より選択される少なくとも1つである。] [0011] 本発明における1つの実施形態において、融合タンパク質は、C末端に小胞体保持配列(例:アミノ酸配列KDEL)をさらに含む。本発明における他の実施形態において、キメラ融合タンパク質は、第一ポリペプチド領域と第二ポリペプチド領域の間に中間ポリペプチド領域をさらに含み、その中間ポリペプチド領域は、Env以外のHIV抗原決定基を含む。本発明における1つの実施形態において、中間ポリペプチド領域は、Gag24、Nef、Tat及びRevからなる集団より選択される少なくとも1つである。本発明における他の実施形態において、中間ポリペプチド領域は、Gag24アミノ酸配列又はその断片を含む。さらに本発明における他の実施形態において、中間ポリペプチド領域は、Gag24アミノ酸配列のN末端又はC末端を含む。本発明における1つの実施形態において、中間ポリペプチド領域は、配列番号151に記載するアミノ酸配列を含む。] [0012] 本発明における他の態様は、HIV抗原特異的な免疫応答を誘導する免疫原として有用なキメラHIV融合タンパク質に関するものであって、(a) PE結合ドメイン及びPE転移ドメインを含み且つ融合タンパク質のN末端に位置する第一ポリペプチド領域と、(b)HIVタンパク質又はその断片を含み且つ融合タンパク質のC末端に位置する第二ポリペプチド領域と、を含む。第二ポリペプチド領域は、HIVの1つのサブタイプに特異的な抗原決定基を含む。] [0013] 本発明における1つの実施形態において、第二ポリペプチド領域は、HIVEnvの断片を含む。本発明における他の実施形態において、第二ポリペプチド領域は、gp120 V3ドメインの断片を1以上含む。本発明における他の実施形態において、第二ポリペプチド領域は配列番号6に記載するアミノ酸配列を含む。本発明における1つの実施形態において、第二ポリペプチド領域は、Gag24、Nef、Tat 及び Revからなる集団より選択されるHIVタンパク質又はその断片を有する。] [0014] さらに本発明における他の実施形態おいて、第二ポリペプチド領域は、HIVGag24アミノ酸配列又はその断片を含む。さらに本発明における他の実施形態において、第二ポリペプチド領域は、キメラタンパク質であって、(i) gp120 C1ドメインの断片を含み且つ第二ペプチド領域のN末端に位置する第一ペプチドセグメントと(ii) gp120 C5ドメインの断片を含み且つ第一ペプチドセグメントのC末端に位置する第二ペプチドセグメントと(iii) gp41アミノ酸配列の断片を含み且つ第二ペプチドセグメントのC末端に位置する第三ペプチドセグメントと、を含むキメラタンパク質である。さらに本発明における他の実施形態において、第二ポリペプチド領域は配列番号7に記載するアミノ酸配列を有する。] [0015] さらに本発明における他の態様は、HIV抗原特異的な免疫応答を誘導する方法に関する。この方法は、予め決めてある生体内の部位に融合タンパク質を所定のアリコート(aliquot)で送達することに適した生体適合性のある分散媒で、上述したキメラ融合タンパク質を効果的な量で投与するステップを含む。] [0016] これら及び他の態様は、下記の図面と共に以下の好ましい実施形態の説明から明らかになるが、変形形態及び変更形態は本開示の新しい概念の精神と範囲を逸脱することなく実施可能である。] [0017] 添付図面は、本発明における1以上の実施形態を例示し、記載した説明文を伴って本発明の原理を説明することに役立つ。可能な限り、同じ参照番号は、実施形態の同一又は類似要素を参照するために、図面の全体にわたって使用される。] 図面の簡単な説明 [0018] キメラHIV融合タンパク質をコードするプラスミドマップである。 キメラHIV融合タンパク質をコードするプラスミドマップである。 キメラHIV融合タンパク質をコードするプラスミドマップである。 キメラHIV融合タンパク質をコードするプラスミドマップである。 キメラHIV融合タンパク質をコードするプラスミドマップである。 キメラHIV融合タンパク質をコードするプラスミドマップである。 種々のキメラHIVエンベロープ融合タンパク質で免疫された動物由来の血清試料のELISA力価を示すグラフである。血清試料は1:2,500で希釈。 種々のキメラHIVエンベロープ融合タンパク質で免疫された動物由来の血清試料のELISA力価を示すグラフである。血清試料は1:12,500で希釈。 HIV Env融合タンパク質ワクチンで免疫されたマウスにおいて誘導された、生ウイルスに対する中和抗体を示すグラフである。 pPE(ΔIII)-HIV gag24-K3の構築を示す流れ図である。 pPE(ΔIII)-HIV gag24-gp120-41-K3の構築を示す流れ図である。 HIV抗原決定基ペプチドとgp120 C1-C5-gp41との融合による、抗原決定ペプチドの細胞性免疫応答を高めるキメラの作製を示す概要図である。 pPE(ΔIII) -HIV nef-NC-K3の構築を示す流れ図である。] [0019] 発明の詳細な説明 定義 本明細書で使われる用語は、一般的には、本発明の文脈の範囲内での当該技術分野における通常の意味であり、各用語が使用される特定の文脈における通常の意味である。本発明を説明するために用いられる特定の用語は、以下又は明細書の他の場所で述べられ、追加のガイダンスを本発明の説明に関する実施者に与える。利便性のため、特定の用語は、例えばイタリック体及び/又は引用符で強調表示する。強調表示の使用は、用語の範囲や意味に影響を与えるものではなく、また用語の範囲や意味は、強調されているか否かに関わらず、同じ文脈の中では同一である。同じことが2通りの表現で表すことができることが理解されるであろう。その結果、ここで説明する1以上の用語は、代替用語や類義語の使用が可能である。このことは、ある用語がここで詳述又は説明されているかどうかは、特別な意図を含むものではない。特定の用語に対する類義語は提供される。1以上の類義語の詳説は、他の類義語の使用を排除しない。本明細書のいずれにおいても使用例(ここで説明する用語の用例を含む)は例示に過ぎず、本発明又は幾つか例示する用語の範囲や意味を制限するものではない。同様に、本発明は、明細書に記載する種々の実施形態に制限するものではない。] [0020] 他の方法で定義されない限り、ここで使用する全ての技術的及び科学的用語は、本発明に関する当業者によって普通に理解されているものと同じ意味を持つ。不一致の場合は、定義を含めて本書類により規定されるだろう。] [0021] ここで使用する、「大体」、「約」又は「およそ」は、一般的には、20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内の任意の値又は範囲を意味するものとする。ここにおける数値は、およそであり、特段の記述がなされない場合は、「大体」、「約」又は「およそ」の用語を推認できることを意味する。] [0022] ここで使用する「標的細胞の小胞体(ER) 膜に融合抗原を保持できるカルボキシル末端部分」の用語は、融合抗原がER膜に結合し、糖鎖修飾のためにER内腔に自身を保持し、むしろ自身を異種タンパク質のように見えさせることを可能にするペプチド断片を指す。本発明における1つの実施形態において、カルボキシル末端部分は、アミノ末端からカルボキシル末端の方向に向かうアミノ酸残基(R1-R2-R3-R4-(R5)n を有する。R1は、正電荷アミノ酸残基で、R2は、負電荷アミノ酸残基で、R3は 負電荷アミノ酸残基で、R4はLで、R5は正電荷アミノ酸残基で、nは0又は1である。] [0023] 好ましくは、カルボキシル末端部分は、KDELファミリータンパク質のメンバーである。ここで使用する「KDELファミリータンパク質」とは、細胞のER膜に結合できる類似したカルボキシル末端を有し、さらにそのようなタンパク質をER内腔に保持する能力を有するタンパク質集団を指す。一般的には、カルボキシル末端の長さは、4から16残基までの範囲である。米国特許第5,705,163号(その全体は参照によりここに組み込まれる)が説明する通り、KDELファミリータンパク質のカルボキシル末端におけるアミノ残基、特に最後の5アミノ酸、は重要である。様々な分子に存在し、特異的な生物学的機能を果たす類似の配列に関する研究が明らかにする通り、小胞体内において新しく形成されたタンパク質を保持する配列は、リジンアスパラギン酸グルタミン酸ロイシン(KDEL)である。これらの知見から、本発明による融合抗原のカルボキシル末端における配列は、融合抗原を細胞内区画からER内に転移することを補助し且つ融合抗原を内腔に保持するための認識配列の一種として機能することを示す。カルボキシル末端部分はKDEL配列を有する。例えば、カルボキシル末端部分は、KKDLRDELKDEL (配列番号: 250)、KKDELRDELKDEL (配列番号: 251)、KKDELRVELKDEL (配列番号: 252)又はKKDELRXELKDEL(RはD又はV)を有することができる。] [0024] 「PE(ΔIII)-HIVgp120」と「PE(ΔIII)-HIV gp120 V3-V3」の用語は、互いに置換可能である。] [0025] 「PE(ΔIII)-HIVgp120-41」と「PE(ΔIII)-HIV gp120 C1-C5-gp41」の用語は、互いに置換可能である。] [0026] 「HIVsubtype A gp120 C1-C5-gp41」と「chimera A」の用語は、互いに置換可能であり、「HIV subtype B gp120 C1-C5-gp41」と「chimera B」の用語は、互いに置換可能であり、「HIV subtype C gp120 C1-C5-gp41」と「chimera C」の用語は、互いに置換可能であり、その他についても互いに置換可能である。] [0027] 免疫原免疫原とは、ここで記述する融合タンパク質構築物と、予め決めてある生体内の部位に融合タンパク質構築物を所定のアリコートで送達することに適した生体適合性のある分散媒との混合物である製剤であれば良い。本発明を具体化する免疫原は、皮内、皮下、筋肉内、非経口、鼻腔内、膣内、直腸内、経口又は胃内投与のための任意で適切な担体で投与することが可能である。免疫原は、人体にとって抗原性に効果のある任意の方法で導入することが可能である。投与される用量は変化することもあり、レシピエント(recipient)の年齢、健康、そして体重に、そして、もしあれば併用療法の種類、治療の頻度、そして望ましい液性抗体応答の性質に依存する。免疫原を、皮内に、皮下に、筋肉内に、静脈内に又は非経口的に投与する場合は、免疫原は、無菌の形で、複数回又は単回投与の方式で調製され、そして投与剤として普通に使われる無菌の生理食塩水又は5%グルコース溶液のような分散媒に懸濁されるであろう。加えて、他の投与方法を、有利であるとして採用してもよい。] [0028] ワクチン調製されたワクチンとは、ここで記述する融合タンパク質構築物の所定量と、予め決めてある生体内の部位に融合タンパク質構築物を所定のアリコートで送達することに適した生体適合性のある分散媒と、そして分散媒に懸濁され又は融合タンパク質構築物にカップルされる少なくとも1つのアジュバント(adjuvant)組成物とを最低限有する製剤である。ワクチンは、定義によると、免疫原を包含し、免疫応答を促進又は刺激し且つインビボ(in-vivo)で抗体効果を長い時間持続させるための1以上のアジュバントを含む。有用なアジュバントの中で、慣習的に知られている物質は、食品医薬品局によって承認された組成物(全身免疫及び/又は粘膜免疫について審査済み又は審査中のもの)である。粘膜に投与されるワクチンとして好ましいものもあれば、胃内に投与されるワクチンとして好ましいものもある。] [0029] 投与方法複数回の接種方法、抗原又は免疫原を取り込む方法は、慣習的に知れ、使われている。全身性の又は非経口性の投与形式(投与又は灌流による取り込み)は、典型的な、腹腔内の、静脈内の、筋肉内の、皮下の、及び真皮下の接種を含む。反対に、粘膜への投与方法は、鼻腔内や胃内形式の取り込みだけでなく、経口、腟内及び直腸内の取り込みも含む。] [0030] 本発明の実施形態に従う、代表的な器具、装置、方法及びこれらに関連する結果は以下に示されるが、本発明の範囲を制限する意図はない。題名又は副題は、読み手の便宜のための例示として用いられているものであり、決して本発明の範囲を制限するものではない。さらには、特定の理論は、ここで提案及び開示されている。しかし、理論が正しかろうが間違っていようが、特定の理論又は行為の計画(scheme of action)を考慮せず、本発明に従って発明を実施する限り、本発明の範囲を制限するものではない。] [0031] I.HIV-1 gp120及びgp41融合タンパク質 実施例1 HIV Envタンパク質、gp120及びgp41由来の切断されたセグメントのセクション HIV gp120及びgp41のアミノ酸配列を、国立生物工学情報センター(NCBI、米国)のデータベースで検索し、ソフトウェアに入力して、標的タンパク質の抗原決定基(エピトープ)や評価プロットに表示された合成のための候補セグメントを評価した。合成する標的タンパク質の抗原決定基領域を、リバースジェネティックエンジニアリング(reverse genetic engineering)技術によって選択した。評価ソフトの結果に基づいて、幾つかのペプチドセグメントを標的ペプチドとして選択した。ソフトウェアDNA strider v1.0は、標的ペプチドのヌクレオチド配列に制限酵素部位が含まれているか否かを解析する目的で用いた。もし制限酵素部位がDNA配列中の不利な箇所に存在する場合は、アミノ酸配列が変化しないような適切なコドンに変更した。ソフトウェアを用いて新しく作られた配列を確認し、DNA配列の両端に、クローニングを促進するための制限部位を設計した。いくつかのアミノ酸残基(例:アルギニン、イソロイシン、グルタミン、プロリン)のコドンを変更し、大腸菌の発現システムにおけるタンパク質発現を増加させた。表1に、選択されたペプチドセグメントと、これらに対応するアミノ酸配列の一覧を表す。] [0032] 実施例2キメラ標的ポリペプチドgp120 V3-V3及びgp120 C1-C5-gp41の構築 2つの標的ペプチドgp 120 V3-V3及びgp120 C1-C5-gp41は、次に示す選択されたペプチドセグメントを用いて構築した。配列番号1(gp120 C1ドメイン由来)、配列番号2(gp120 C5ドメイン由来)及び配列番号5(gp120と結合するgp41 領域由来)のアミノ酸配列を有する、3つの切断されたペプチドセグメントを結合し、キメラ標的ペプチドgp120 C1-C5-gp41(gp120-41と称する)を形成した。配列番号3及び4(共にgp120 V3ドメイン由来)のアミノ酸配列を有する、2つの切断されたセグメントを融合し、ポリペプチドgp120 V3-V3(ga120と称する)を形成した。リンクする2つのペプチドセグメント間に、1以上の残基を挿入することができる。間に挿入された残基の数は、約1から15個のアミノ酸であった。この残基は、タンパク質の二次構造を変化させないアミノ酸残基(例:グリシン、アラニン、バリン及びロイシン)から選択することが可能である。配列番号2及び配列番号5におけるアミノ酸残基システインは、ジスルフィド結合を形成することが可能であり、それにより作製されたキメラ標的ペプチドは、三次元構造をとることができる。] [0033] ] [0034] 表2は、キメラ標的ペプチドgp120 V3-V3及びgp120 C1-C5-gp41のアミノ酸配列の一覧を表す。表2において、キメラペプチドgp120 V3-V3については、下線を引いた文字は制限部位を表し、太字の文字は、第一のV3ドメインセグメントを表し、太字でイタリック体の文字は、第二のV3ドメインセグメントを表す。表2において、キメラペプチドgp120 C1-C5-gp41については、太字の文字は、C1ドメインセグメントを表し、非太字(non-bold)の文字は、C5ドメインセグメントを表し、非太字でイタリック体の文字は、リンカーを表し、太字でイタリック体の文字は、gp41ドメインを表し、下線を引いた文字は、制限部位を表す。] [0035] ] [0036] キメラ標的ペプチドgp120 V3-V3 (配列番号6)は、gp120のV3ドメインの繰り返し構築物を基に設計され、キメラgp120 C1-C5-gp41(配列番号7)は、gp120と結合するgp41領域のシミュレーションに基づいた。キメラgp120 V3-V3 (配列番号6)は、配列番号3及び4(共にga120 V3ドメイン由来)のアミノ酸配列を有する。キメラgp120 C1-C5-gp41は、 配列番号1(ga120 C1ドメイン由来)、配列番号2(gp120 C5ドメイン由来)、及び配列番号5(gp120と結合するgp41領域)のアミノ酸配列を有する(表1)。ジスルフィド結合は、配列番号2(gp120のC5ドメイン由来)及び配列番号5(gp120と結合するgp41領域由来)にあるシステインで形成した。] [0037] 上述した方法と類似の方法を用いることにより、次に示すキメラ標的ペプチド、HIVサブタイプA gp120 C1-C5-gp41、 HIVサブタイプB gp120 C1-C5-gp41、HIVサブタイプC gp120 C1-C5-gp41、HIVサブタイプD gp120 C1-C5-gp41、HIV サブタイプE gp120 C1-C5-gp41、HIVサブタイプF gp120 C1-C5-gp41、HIVサブタイプG gp120 C1-C5-gp41、HIVサブタイプH gp120 C1-C5-gp41、HIVサブタイプJ gp120 C1-C5-gp41、及びHIVサブタイプK gp120 C1-C5-gp41 (それぞれを、キメラ標的ペプチドA、B、C、D、E、F、G、H、J、及びKと略す)を構築した。] [0038] これらキメラA、B、C、D、E、F、G、H、J及びKは、対応するHIV-1サブタイプ、A、B、C、D、E、F、G、H、J及びKから選択される3つのペプチドセグメントの組み合わせにより構築した。構築の基本的な概要は、各HIV-1サブタイプに対応する、gp120のC1及びC5ドメインより選択される2つのペプチドセグメントとgp41領域(gp120と結合する領域)とをリンクすることである。したがって、配列番号7のように、全てのキメラ標的ペプチドは、gp120-C1-C5-gp41様の構造をとる。] [0039] 表3は、これらキメラのアミノ酸配列の一覧を表す。表3において、非太字でイタリック体の文字は、HIVサブタイプA gp120タンパク質のC1ドメイン由来のセグメントを表し、太字の文字は、HIVサブタイプA gp120タンパク質のC5ドメイン由来のセグメントを表し、非太字で非イタリック体(non-italic)の文字であるGGGGGは、リンカーを表し、太文字でイタリック体の文字は、gp120と結合するHIVサブタイプA gp41領域由来のセグメントを表す。] [0040] ] [0041] 実施例3キメラ標的ポリペプチドgp120 V3-V3及びgp120 C1-C5- gp41をコードするDNA断片の合成 キメラ標的ペプチドgp120 V3-V3及びgp120 C1-C5- gp41をコードするDNA断片のヌクレオチド配列を変更し、エンコードされたタンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、転写効率を高めた。この方法は、台湾特許出願第092126644号において開示されており、この特許出願の全ての内容は参照によりここに取り込まれる。配列の変更により、エンコードされたペプチド又はタンパク質を大腸菌のpETプラスミド発現システムにおいて効率的に発現させることができた。表4は、キメラ標的ペプチドgp120 V3-V3及びgp120 C1-C5- gp41をコードするDNA断片の変更配列の一覧を表す。表4において、非イタリック体で大文字であるのはEcoR1、Nde1及び Sal1切断部位の制限酵素リンカーを表し、イタリック体で大文字であるのはXho1制限酵素部位を表す。] [0042] ] [0043] 表5は、キメラ標的ペプチドgp120 V3-V3 (配列番号8)及びgp120 C1-C5-gp41 (配列番号9)をコードするDNA断片に対する、PCR合成用のプライマー対の配列番号の一覧を表す。順方向及び逆方向プライマー対を連続的に用いることで非DNA鋳型PCR反応(Non-DNA-template PCR reactions)を実施し、DNA断片をPCR 合成した。1回目のPCRにおいては、第一の順方向プライマー(F1)の3'末端は、対となる逆方向プライマー(R1)と相補する約10から15個の塩基を有する。PCRプロファイルは、95℃で5分、94℃で1分、55℃で0.5分、72℃で1分を20回行い、そして72℃、1分である。1回目のPCRの次に、プライマー対(例:F2とR2、F3とR3、F4とR4、又はF5とR5)の3'末端は、鋳型DNAである前回のPCR産物と相補する約10から15個の塩基を有する。1回目のPCRの後は、0.01から1μlのPCR産物を、2回目のPCRのための鋳型DNAとして用いた。dNTP、試薬及びPfuポリメラーゼと共に、第二のプライマー対であるF2及びR2を適量加え、2回目のPCRを実施した。この手順に従い次々と他のプライマーを加えることで、伸長した最終DNA断片を合成した。各プライマー対とPCRの各ラウンドにより合成された全てのDNA断片について、ゲル電気泳動法により、そのサイズを解析した。個々のキメラ標的ペプチドをコードするDNA断片は、最終PCR産物が期待されるサイズ(例: gp120 V3-V3なら 264 bp)に伸長するまで、この手順で合成した。] [0044] HIVサブタイプA、B、C、D、E、F、G、H、J及びKに対する、個々のキメラ標的ペプチドgp120 C1-C5-gp41をコードするDNA断片(表6)は、表6に一覧を表すプライマー対を用いて、上述の方法と類似した手順で合成した。] [0045] ] [0046] 実施例4HIV融合タンパク質PE(ΔIII)-gp120 V3-V3及びPE(ΔIII)-gp120 C1-C5-gp41を発現するためのプラスミドの構築 上述したHIV-1 Envタンパク質の種々のキメラ標的ポリペプチドを、クローンし、そしてPE融合タンパク質として発現させた。簡潔に記載すると、細胞毒性ドメインIIIを有していない、シュードモナス属外毒素A由来のポリペプチド(即ちPE(ΔIII)) を、各キメラ標的ポリペプチドに融合させた。プラスミドpPE(ΔIII)は、シュードモナス属外毒素Aの結合ドメインI及び転移ドメインIIをコードするDNA断片をベクターpET15aに挿入することで構築した。アミノ酸配列KDEL(配列番号30)を有するカルボキシル末端ペプチドをコードするDNA配列を、PE(ΔIII)遺伝子のカルボキシル末端部分に結合し、プラスミドpPE(ΔIII)-KDEL3 (pPE(ΔIII)-K3と称する)を作製した。PCR反応で作製した単離DNA断片を、制限酵素EcoR I及びXho Iにより消化し、次にプラスミドpPE(ΔIII)-KDEL3のEcoR I、Xho I部位に結合し、これによって融合タンパク質としての標的タンパク質を発現するキメラ遺伝子を得た(Hung, C.F. et al (2001) “Cancer Immunotherapy Using a DNA Vaccine Encoding the Translocation Domain of a Bacterial Toxin Linked to a Tumor Antigen” Cancer Research 61:3698-3703)。] [0047] プラスミドpPE(ΔIII)-HIVgp120 (図1A)は、融合タンパク質PE(ΔIII)-HIV gp120 V3-V3 (PE(ΔIII)-HIV gp120と称する)をエンコードする。プラスミドpPE(ΔIII)-HIV gp120-K3 (図1B)は、融合タンパク質PE(ΔIII)-HIV gp120 V3-V3-K3 (PE(ΔIII)-HIV gp120-K3と称する)をエンコードする。プラスミドpPE(ΔIII)-HIV gp120-41 (図1C)は、融合タンパク質PE(ΔIII)-HIV gp120 C1-C5-gp41 (PE(ΔIII)-HIV gp120 -41と称する)をエンコードする。プラスミドpPE(ΔIII)-HIV gp120-41-K3 (図1D)は、融合タンパク質PE(ΔIII)-HIV gp120 C1-C5-gp41-K3 (PE(ΔIII)-HIV gp120 -41-K3と称する)をエンコードする。作製されたプラスミドを、それぞれ大腸菌Jam109に形質転換し、これによってクローンを取得して、大腸菌中にクローンを維持させた。Jam109株は、タンパク質の発現を行うことなく菌体内で安定してプラスミドを維持することが可能である。] [0048] ] [0049] 実施例5標的タンパク質の発現と解析 HIV-1 PE融合タンパク質を、対応する発現プラスミドを含む大腸菌BL21(DE3) plys培養物中(cultures)で発現させた。簡潔に記載すると、5mlの細菌種(A600 で 1.0±0.3 O.D.)を、500 μg/mlのアンピシリンと50 mlの10%グルコースを補充した250mlの液体ブロス(LB)に植菌した(37度、2から3時間、150rpmの回転式恒温器内で振盪)。O.D.600 nmの値が0.3±0.1に達すると、タンパク質発現のために、37度、2時間、150rpmで振盪する回転式恒温器内で、細菌の培養物を最終濃度0.1から2 mMのイソプロピルチオ-β-D-ガラクトシド(IPTG; Promega, 米国)で誘導した。] [0050] タンパク質の誘導が完了した後に、菌体をペレット化した。ペレットを凍結融解した後、室温、20分間の条件下で、10 mlの溶液(0.3 mg/mlリゾチーム, l mM フッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)及び0.06 mg/ml DNase I含有)を用いて菌体を溶解し、次に1 mlの10% Triton X-100を加えて、室温、10分間インキュベートした。溶解した細胞は、10分間、12,000 gで遠心し、ペレットは、1 M及び2 M尿素溶液で洗浄した。組換えタンパク質を含む不溶性の封入体を回収し、8 mlの8M 尿素溶液又は1から3M尿素を含むアルカリ溶液(pH 10から12)で溶解し、そして市販のpET His-Tag精製カラムシステムを用いて精製した。尿素溶液で溶解したタンパク質封入体(protein inclusion bodies)を、4 mlのNi2+-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)樹脂アフィニティーカラムにロードした。そして結合物を、1から6 M 尿素、0.1から0.3 M塩化ナトリウム、5から50 mMリン酸緩衝液、及び5から50 mMトリスを含む様々なpHの緩衝液(例:pH= 8.0、7.0、6.5、6.0、5.4、及び3.5)により溶出させた。] [0051] 溶出したタンパク質を、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により解析し、クマシーブルーにて染色した。ゲル中におけるバンドの光学濃度を、タンパク質の量を評価する濃度計で測定した。溶出試料中の融合タンパク質(例:PE(ΔIII)-HIVgp120 C1-C5-gp41-K3 (gp120-41-K3と称する)及びPE(ΔIII)-HIV gp120 V3-V3-K3 (gp120-K3と称する))の濃度は、およそ0.8 mg/mlであった。] [0052] 実施例6 抗体アッセイ 材料と方法 5つのPE-HIVエンベロープペプチド、(1) PE(ΔIII)-HIV gp120、(2) PE(ΔIII)-HIV gp120-KDEL、(3) PE(ΔIII)-HIV gp120-41、及び(4) PE(ΔIII)-HIV gp120-41-KDELを使用した。油性アジュバントISA206を各ペプチド免疫原と共に乳化をおこない、マウス投与のための製剤を作製した。] [0053] 動物BALB/cマウスはハーランラボラトリーズ(Harlan laboratories)で購入し、カンザス大学医療センターの実験動物資源施設(Laboratory animal Resources Facility of KUMC)で飼育した。全てのマウスは、国際実験動物管理公認協会(AAALAC)及びカンザス大学医療センター内動物実験委員会(KUMC Institutional Animal Care and Use Committee)の指針に従って、使用した。] [0054] PE-HIV-Env融合タンパク質ワクチンを用いての動物の免疫化4から6週齢のBALB/cマウスを、1つの集団に6匹のマウスが存在するように5つの集団に分けた。表7に示す免疫スケジュールに従い、集団1から5に属する動物に (1) PE(ΔIII)-HIV gp120、(2) PE(ΔIII)-HIV gp120-K3、(3) PE(ΔIII)-HIV gp120-41、(4) PE(ΔIII)-HIV gp120-41-K3、及び(5)PBS(対照集団)を、アジュバントと共に、それぞれ接種した。深麻酔の後に免疫されたマウスを失血させ、免疫アッセイのために血液と脾臓を回収した。] [0055] ] [0056] 血清抗体結合アッセイ市販のキットを用いたELISA試験で、結合抗体価を決定した。簡潔に記載すると、最後の免疫から2週目に、マウスに麻酔をかけ、屠殺し、そして脾臓及び血液試料を回収した。集団1から4に属する融合タンパク質で免疫された動物及びプラセボ集団に属する動物の血液試料より調製された血清は、それぞれを500倍、2500倍、12500倍、及び62500倍に段階的に希釈した。4つのペプチド集団により誘導された結合抗体価は、抗HIV抗体を検出するELISAキット(BioChain)を用いて解析した。プレートをHIV抗原でコーティングした。マウス血清を使えるように製造業者のプロトコールを変更(抗ヒト抗体の代わりに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で共役したヤギの抗マウス血清を使用)した。結果は、ブランクに対して450nmの吸光度で表した。図2A及び図2Bは、各融合タンパク質で免疫した動物由来の血清について試験した結果を表す。吸光度のデータは、血清試料中の抗体価の値を反映している。この結果から、動物に投与した後の各融合タンパク質ワクチンは、1: 2,500 (図2A)及び12,500 (図2B)で希釈した場合に良好な力価を有する、HIVに対する抗体を誘導できることが示された。] [0057] 実施例7 免疫されたマウス血清による弱毒化したHIV生ワクチンウイルスの中和 マリオンメレルダウ研究所(MMD Lab)において開発された、弱毒化した生SHIVワクチンウイルスに対して、マウス血清を用いた中和アッセイを実施した。プラーク減少アッセイ(plaque reduction assay)を用いたアッセイを、X4GHOST細胞において実施した。X4 GHOST細胞には、弱毒化したHIV生ワクチンウイルスを感染させた後でもHIVウイルスプラークを保持する能力があった。簡潔に記載すると、免疫されたマウスから回収した血清サンプルで、HIV特異的な中和抗体の容量(contents)を試験した。簡潔に記載すると、RPMI1640培地で段階的に2倍希釈した血清を4つ1組(quadruplicates)作製し、96ウェルプレートに調製した。20プラーク形成単位のウイルスを、2倍希釈した各免疫されたマウス由来の血清試料及び通常の血清試料と共に、37度、2時間でインキュベートした。懸濁液を、GFPにリンクしたHIVLTRが恒常的に発現しているX4 GHOST細胞の単層上に接種した。これらの培養物を、3日間インキュベートし、ウイルス感染が成功した事を表す蛍光スポットの数を測定する免疫蛍光法を用いて調べた。血清試料の中和価は、対照の非免疫血清なら誘導されるプラークの形成を50%に阻害する免疫血清試料の最大希釈を点数化した。生ワクチンウイルスに対する中和抗体が、マウスで生み出された(図3)。最も高い血清の中和価は、PE(ΔIII)- HIV gp120-41-KDELで免役されたマウス由来の血清から得られた。] [0058] 実施例8 免疫されたマウス血清による、サル/ヒト免疫不全ウイルス(SHIVKU2)の中和 動物の免疫化上述したものと類似するプロトコールを用いて、より多くのPE融合タンパク質ワクチンを投与してマウスを免疫した。簡潔に記載すると、1つの集団に6匹のマウスが存在する5つの集団(集団6から10)にマウスを分け、それぞれPE(ΔIII)-HIV gp120、PE(ΔIII)-HIV gp120-K3、PE(ΔIII)-HIV gp120-41、PE(ΔIII)-HIV gp120-41-K3、及びPBS(対照集団)を、アジュバントと共に、接種した。表8に免疫スケジュールを示す。] [0059] 3回目の免疫後の2週目に、各集団に属する動物から血液サンプルを回収し、それらを処理して抗体価アッセイ用の血清試料とした。ELISA抗体アッセイは、本実験における力価が実施例6の力価と近いことを明らかにした。] [0060] SHIVKU2を用いた中和アッセイを実施するため、各集団に属するマウスに病原性SHIVKU2ワクチン(Dr. Narayanにより構築された。カンザス大学医療センター、 米国特許第5,849,994号)を接種した。免疫された動物の4集団の全てが、SHIVKU2に対しておよそ1:20の中和抗体価を生み出した。表9に生存データを示す。PE(III) gp120-41が、6匹中5匹のマウスが中和抗体を生み出したことから、SHIVKU2に対する中和抗体を誘導する最も良好な抗原製剤であった。] [0061] ] [0062] ] [0063] 実施例9HIVGag24、Nef、Tat、及びRev融合タンパク質 材料と方法 4つのHIV融合タンパク質、 (I) HIV Gag24融合タンパク質ワクチン、PE(ΔIII)-HIV Gag24-K3及びPE(ΔIII)-HIV Gag24-gp120-41-K3、(II) PE(ΔIII)-HIV Nef-N-K3及びPE(ΔIII)-HIV Nef-C-K3を有するHIV Nef融合タンパク質ワクチン、(III) PE(ΔIII)-HIV tat-K3を有する HIV Tat融合タンパク質ワクチン、及び (IV) PE(ΔIII)-HIV Rev-K3有するHIV Rev融合タンパク質ワクチンの免疫原性を試験した。上記 (I) から (IV) HIV融合タンパク質は、実施例2から4において記述されているものと類似する方法を用いて構築した。簡潔に記載すると、種々のポリペプチドセグメント(表10)は、それぞれHIVタンパク質Gag24、Nef、Tat及びRevから選択されたものである。] [0064] ] [0065] 各ポリペプチドセグメントをコードするDNA断片(表11)は、前述したマルチラウンドPCR(multi-round PCR)合成法により、表11で一覧を示すプライマーを用いて合成した。ゲル電気泳動実験を実施し、DNA断片(例:410、412、414、416(図4))を合成するマルチラウンドPCR用の各プライマー対により作製したPCR産物を調べた。実施例4で述べた方法と類似の方法を用いて、PCRで合成したDNA断片を、PE断片と融合し、クローニングし、そして発現させた。PE断片とは、シュードモナス属外毒素A由来の結合ドメイン及び転移ドメインを含むが、細胞毒性ドメインを含まないPE (ΔIII)と呼ばれるポリペプチドである。例えば、PCRにより作製し且つgag24をコードするDNA断片を制限酵素EcoRI及びXho Iを用いて消化し、225bp断片(402)を単離した。単離した225bp断片を、EcoRI及びXho Iで消化したプラスミドpPE(ΔIII)-KDEL3(401)内のPE(ΔIII)断片に結合し、pPE(ΔIII)-HIV-gag24-K3(図4)を作製した。] [0066] Sal I及びPst Iで消化したpPE(ΔIII)-HIVgp120-41-K3(502)から単離した1.7Kbのgp120-41断片を、Pst I、Xho Iで消化したプラスミドpPE(ΔIII)-HIV gag24-K3 (501) 内の gag24遺伝子の下流又はC末端に挿入することによりgag24と融合し、プラスミドpPE(ΔIII)-HIV gag24-gp120-41-K3 (図5)を作製した。プラスミドpPE(ΔIII)-HIV nef-C-K3をSal I及びPst 1 で消化し、1.6Kbの断片(702)を単離した。次に、単離した1.6Kbの断片をPst I、Xho Iで消化したプラスミドpPE(ΔIII)-HIV nef-N-KDEL (701)内のnef-N断片に結合し、pPE(ΔIII)-HIV nef-NC-KDEL(図7)を作製した。] [0067] PCRにより作製し且つTat又はRevをコードするDNA断片を、制限酵素EcoRI及びXho Iを用いて消化し、断片を単離した。単離した断片を、EcoRI及びXho Iで消化したプラスミドpPE(ΔIII)-KDEL3内のPE(ΔIII)断片に結合した。DNA組換え法を採用し、プラスミドpPE(ΔIII)-HIVTat-K3 (図1F)、及びpPE(ΔIII)-HIV Rev-K3 (図1E)を作製した。] [0068] 配列KDEL3(即ち、K3)とは、キメラ融合タンパク質のカルボキシル末端部分に位置する小胞体(ER)保持ペプチドである。配列表には、PE(ΔIII)-HIVGag24-K3、PE(ΔIII)-HIV gag24-gp120-41-K3、PE-(ΔIII)-HIV nef-N-K3、pPE(ΔIII)-HIV nef-C-K3、pPE(ΔIII)- HIV-nef-NC-K3、pPE(III)-HIV rev-K3、pPE(ΔIII)-HIV-tat-K3のヌクレオチド配列を配列番号236、238、240、242、244、246及び248として表し、 そして、それぞれに対応するアミノ酸配列を配列番号237、239、241、243、245、247及び249として表した。臨床応用については、PE(ΔIII)とHIV標的ペプチドの間(例: EcoR1 とAatIIの間)のブリッジに、望まない配列(例:癌遺伝子)が存在する場合は、HIV標的抗原決定基に影響を与えない範囲内で削除することも可能である。] [0069] ] [0070] 融合タンパク質による動物の免疫化上述したキメラ融合タンパク質を、ワクチン接種のために発現させた。6から8週齢の雌のマウスC57BL/6Jは、国立台湾大学(台北、台湾) から購入し、国立台湾大学病院の動物センターで育てた。マウスを複数の集団に分け、ISA206を油性アジュバントとして、各融合タンパク質又はPBS(対照集団)をマウスに2週間間隔で3回投与した(表12)。最後の免疫から2週間後、深麻酔下でマウスを失血させ、免疫学的アッセイのために血液と膵臓を回収した。市販のキットを用いたELISA試験で、結合抗体価を決定した。] [0071] ] [0072] 血清抗体試験実施例5に記載の方法を用いて、マウスの血清を調製し、500倍、2500倍、12500倍、及び62500倍に段階的に希釈した。抗体価は、間接ELISA解析を用いて測定した。ELISAプレートは、表13及び表14中の対応するペプチドを用いて調製し、コーティングした。] [0073] サイトカイン放出アッセイ培養細胞の培地における脾細胞由来のサイトカインレベルをELISAにより調べ、サイトカインTNF-α、γ-IFN、IL-4、IL-10及びIL-12のレベルを測定した。簡潔に記載すると、脾臓を、マウスから無菌的に回収し、脾細胞を収集するために解離した。細胞をRPMIに再懸濁し、血球計を用いて単核細胞を数えた。脾細胞を最適密度になるように希釈し、6ウェルプレートの中で5 mlのRPMI、5x106 cells/wellで脾細胞を培養した。免疫原誘導物質ペプチド(例えば、Gag24-NやGag24-C等)を、それぞれ脾細胞に加えたものを3つ1組(triplicate)作製した。免疫原を追加した後の2日目に、上清を回収した。脾細胞のCD8+ T細胞よって生産されたTNF-α、γ-IFN、IL-4、IL-10及びIL-12の量を、製造業者のプロトコールを少し変更したものに従いクウォンティティブ(quantitative)ELISAアッセイキット(Invitrogen BioSource) を用いてアッセイした。] [0074] ] [0075] 脾臓リンパ系細胞増殖のCMIアッセイCMI反応のための細胞増殖ELISABrdU(比色)アッセイを実施した。脾細胞を培養するステップは、96ウェルプレートで細胞を培養した以外の点で、サイトカイン放出アッセイで使用したステップに類似している。簡潔に記載すると、免疫原又は抗原ペプチド(例えばGag24-N、Gag24-C等)を、2日目に細胞培養液に加え、細胞増殖を刺激した。陽性対照としてConA (10μg/ml) を加え、細胞(cell2s)を1日刺激した。3日目に、12から24時間、37度で、BrdUを用いて細胞をパルス標識した。増殖した細胞のみが、BrdUをDNAに組み込んだ。細胞は、フィクスディナット(FixDenat)溶液で固定した。フィクスディナット溶液によりゲノムDNAも変性させ、組み込まれたBrdUを露出させ、免疫検出をした。ペルオキシダーゼと共役された抗BrdU抗体(抗BrdU-POD)により、DNA中のBrdU標識を見つけた。ELISAプレートリーダを使用しOD650の吸光度を測定することにより、ペルオキシダーゼ基質TMBを用いて、結合した抗BrdU-PODを定量した。] [0076] ] [0077] 表15に、免疫されたマウス血清におけるGag24特異的な抗体価を示す。Gag24-N抗原決定基又はエピトープペプチドの方が、Gag24-Cエピトープペプチドよりも抗体反応をより強く誘導できることが抗体価アッセイから示された。しかし、Gag24-Nペプチドが融合タンパク質PE(ΔIII)-Gag24-K3中に存在する時は、Gag24-Nペプチドの抗体価を誘導する能力は弱い。Gag24-N抗原決定基ペプチドに、ポリペプチドgp120及びgp41アルファ-ヘリックスを含ませる変更をおこない、融合タンパク質PE(ΔIII)-Gag24-gp120-41-K3を形成すると、Gag24-N特異的なIgGを誘導する能力が著しく高まった。したがって、ペプチドGag24-Nは、Th2細胞依存性の抗原決定基(又はエピトープ)特異的な液性免疫応答を誘導することができた。] [0078] マウスに投与した後、融合タンパク質PE(ΔIII)-Gag24-K3及びPE(ΔIII)-Gag24-gp120-41-K3の両方は、Gag24抗原に対して細胞性免疫応答を誘導可能であることが細胞増殖CMIアッセイの結果から示された(表16)。しかし、融合タンパク質PE(ΔIII)-Gag24-K3においては、Gag24抗原が細胞性免疫応答を誘導する有効性は低い。Gag24とgp120 C1及びC5ドメイン及びgp41アルファ-ヘリックスとを融合する変更をおこない、PE(ΔIII)-Gag24-gp120 C1-C5-gp41-K3を形成すると、Gag24抗原の細胞性免疫応答誘導能力は、著しく高まる。したがって、PE(ΔIII)-Gag24-gp120 C1-C5-gp41-K3の方がPE(ΔIII)-Gag24-K3よりも、Gag24特異的な、細胞媒介応答(cell-mediated responses)及びサイトカイン放出をより強く誘導する。図6に示す通り、キメラポリペプチドHIVPE(ΔIII)-gp120 C1-C5-gp41 (600)は、他のHIV抗原決定基ペプチド(602)が接続する基礎単位(building unit)として機能することができ、それによって、挿入されたHIV抗原ペプチド(602) (例:Gag24)の細胞性免疫応答を著しく高めることができる。キメラポリペプチドHIV PE(ΔIII)-gp120 C1-C5-gp41 (600)は、PE(ΔIII) (604)、HIV gp120 C1-C5-gp41 (608)、小胞体保持配列(610)を含み、これらの間にはブリッジ又はリンカー(606)が挟まれている。弱いCMI応答のHIV抗原決定基ポリペプチド(602)とHIV gp120 C1-C5-gp41(608) との融合によって、抗原決定基(602)に特異的なCMI応答が高められたキメラPE-HIV融合タンパク質(620)となる。] [0079] ] [0080] ] [0081] マウスに投与した後のワクチンPE(ΔIII)-Gag24-K3及びPE(ΔIII)-Gag24-gp120-41-K3の両方は、検出可能なIL-4を誘導しないことが、サイトカイン誘導試験(表17)によるデータから明らかとなり、これらはHIVに対するより良好なワクチン候補であることが示された。2つの融合タンパク質ワクチンのうち、PE(ΔIII)-Gag24-gp120-41-K3 の方がPE(ΔIII)-Gag24-K3よりも、脾細胞に対して多量のIL-10及びIL-12の生産を誘導する効果がはるかに高かった。PE(ΔIII)-Gag24-K3ワクチン集団の中で、Gag24-Cペプチドの方がGag24-Nペプチドよりも、T細胞依存性エピトープとしてより強い効果を有することが、Gag24-NペプチドとGag24-Cペプチドのサイトカイン誘導効果の比較から明らかとなった。PE(ΔIII)-Gag24-gp120-41-K3ワクチン集団において、Gag24-N及びGag24-Cペプチドの両方とも、細胞性免疫応答を誘導することができ、サイトカイン放出を誘導する効果にも違いがなかった。融合タンパク質PE(ΔIII)-Gag24-K3は、Gag24特異的なサイトカイン放出を誘導する有効性は低いが、融合タンパク質PE(ΔIII)-Gag24-gp120-41-K3には、Gag24特異的な免疫応答を引き出す強い効果を有することがデータから示された。] [0082] ] [0083] Nef-C抗原決定基ペプチドにおけるC末端の最端部が最も強い抗体反応を有することが、免疫されたマウス血清ELISA試験のデータから示された (表18)。融合タンパク質ワクチンPE(ΔIII)-Nef-K3の抗体誘導反応に基づいて、ペプチドNef-C-Cが、Th2細胞依存性のHIV抗原決定基部位の1つであると結論づけた。] [0084] ] [0085] ] [0086] PE(ΔIII)-Nef-N-K3及びPE(ΔIII)-Nef-C-K3の両方も、Nef抗原特異的なCMI反応を示し、それらの中で、Nef-N-C及びNef-C-C抗原決定基部分がより強いCMI応答を誘導することが免疫されたマウスの細胞性免疫応答から示された(表19)。] [0087] Nef融合タンパク質は、検出可能なNef特異的なIL-4を誘導しないことが、サイトカイン誘導試験のデータから明らかとなり、Nef融合タンパク質がHIVに対するより良好なワクチン候補であることが示された。このデータから、融合タンパク質PE(ΔIII)-HIV-Nef-N-K3及びPE(ΔIII)-HIV Nef-Cを有するワクチン組成物が、脾細胞を刺激し、より多くのIL-10を生産できることが示された(表20)。] [0088] ] [0089] ] [0090] 血清抗体アッセイの結果が、HIV-1 Tatタンパク質のN末端部分は、顕著な抗体応答を誘導することができる、一方で、中間セグメント及びC末端部分は抗体応答の誘導が弱いことを示した。このように、 HIV Tatタンパク質のN末端部分は、Th2細胞依存性の抗原決定基特異的な液性免疫を引き起こすことができた(表21)。] [0091] 細胞性免疫応答の結果から、PE(ΔIII)-Tat-K3は、全てのTatタンパク質セグメントについて細胞性免疫応答を誘導することができ、その中で、Tatタンパク質のN末端の方が中間及びC末端セグメントよりも細胞性免疫応答がより強いことが示された(表22)。] [0092] ] [0093] ] [0094] HIVTat融合タンパク質は、Tat特異的なIL-4を検出可能なレベルまで誘導できないことが、サイトカイン放出アッセイの結果から示された。同様に、γ-IFN及びTNF-α 放出を誘導する効果も顕著ではなかった。しかし、融合タンパク質PE-(ΔIII)-Tat-K3は、脾細胞を刺激し、TatのN末端特異的なIL-12を生産することができた。したがって、PE-(ΔIII)-Tat-K3 は、TatのN末端部分に特異的な細胞性免疫応答を誘導する効果を依然として有しており、したがって、本発明のPE輸送システムで、TatのN末端は、Th1細胞依存性の抗原決定基特異的な細胞性免疫応答を誘起することができた(表23)。] [0095] HIV-Rev抗原決定基ペプチドに対する抗体応答では、Revタンパク質中のTh2細胞依存性抗原決定基の部位を確認するのに十分な強さを得られないことが、PE(III)-Rev-K3融合タンパク質で免疫されたマウスモデルの抗体データから示された(表24)。] [0096] ] [0097] ] [0098] PE(III)-Rev-K3融合タンパク質ワクチンでは、Rev抗原による細胞性免疫応答を誘導できないことが、表25に示す細胞性免疫応答のデータから示された。サイトカイン放出誘導試験もまた、同様の結果を示した。TNF-α及びγ-IFN放出を誘導する効果は顕著ではなかった(表26)。したがって、融合タンパク質ワクチンPE(ΔIII)-Rev-K3は、HIVワクチンとしての良い構成要素ではないだろう。しかし、PE輸送システムにおいて、gp120-41と融合している条件でRevがCMI応答を誘導することができるか否かは、未だ研究されていない。プラスミドpPE(ΔIII)-HIV-Rev-gp120-41-K3は、研究のために構築した。] [0099] ] [0100] 前述した本発明の典型的な実施形態の説明は、例示及び説明の目的のためにのみ提示したものであり、余すところなく述べることや開示される厳密な形態に本発明を限定することは意図していない。上述の教示を考慮した上で、多くの変更形態及び変形形態は可能である。] [0101] 実施形態や実施例は、本発明の原理を説明する目的で選択し説明したものであり、実際に応用することにより当業者は意図する特定の用途に適したやり方で、本発明及び種々の実施例及びその種々の変更形態を利用することができる。他の実施形態が、本発明の精神と範囲から逸脱しないことは、当業者にとって明らかであろう。従って、前述の説明やここで説明される典型的な実施形態よりも特許請求の範囲によって本発明の範囲は定義される。] 実施例 [0102] 特許、特許出願そして種々の刊行物を含む引用文献は、本発明の明細書で引用され説明されている。そのような引用文献の引用及び/又は説明は、本発明の説明を明らかにするためだけに提供したものであり、そのような引用文献は、ここで説明した発明に対する「先行技術」としての引用文献として了承するものではない。本願は、米国特許仮出願番号第61/025,094号(2008年1月31日出願)の優先権を主張し、その内容のすべてがここに組み込まれている。本明細書において引用され説明されるすべての引用文献は、それら全体を参照によりここへ組み込まれ、あたかも各引用文献を個々に参照することによって組み込むのと同じように組み込まれている。]
权利要求:
請求項1 HIV抗原特異的な免疫応答を誘導する免疫原として有用なキメラ融合タンパク質であって、a.シュードモナス属外毒素A (PE)結合ドメイン及びPE転移ドメインを含み且つ前記融合タンパク質のN末端に位置する第一ポリペプチド領域と、b. 前記融合タンパク質のC末端に位置する第二ポリペプチド領域と、を備え、第二ポリペプチドは、i. gp120 C1ドメインの断片を含み且つ第二ペプチド領域の N末端に位置する第一ペプチドセグメントと、ii. gp120 C5 ドメインの断片を含み且つ前記第一ペプチドセグメントのC 末端に位置する第二ペプチドセグメントと、iii. gp41アミノ酸配列の断片を含み且つ前記第二ペプチドセグメントの C 末端に位置する第三ペプチドセグメントと、を含み、前記第二ポリペプチド領域は、HIVの1つのサブタイプに特異的な抗原決定基を含むキメラ融合タンパク質。 請求項2 前記融合タンパク質の C末端に小胞体保持配列をさらに有する、請求項1の融合タンパク質。 請求項3 前記HIVの1つのサブタイプがHIV サブタイプA、B、C、D、E、F、G、H、J 及び Kからなる集団より選択される少なくとも1つである、請求項1の融合タンパク質。 請求項4 前記第一及び前記第二ポリペプチド領域の間に中間ポリペプチド領域をさらに有し、前記中間ポリペプチド領域が Env以外のHIV抗原決定基を含む、請求項1の融合タンパク質。 請求項5 前記中間ポリペプチド領域がGag24、Nef、Tat 及び Revからなる集団より選択される少なくとも1つであるHIVタンパク質又はその断片を有する、請求項4の融合タンパク質。 請求項6 前記中間ポリペプチド領域がGag 24アミノ酸配列又はその断片を有する、請求項4の融合タンパク質。 請求項7 前記中間ポリペプチド領域がGag24アミノ酸配列のN末端又はC 末端を有する、請求項6の融合タンパク質。 請求項8 前記中間ポリペプチド領域が配列番号151に記載するアミノ酸配列を有する、請求項4の融合タンパク質。 請求項9 HIV抗原特異的な免疫応答を誘導する免疫原として有用な融合タンパク質であって、a. PE結合ドメイン及びPE転移ドメインを含み且つ前記融合タンパク質のN末端に位置する第一ポリペプチド領域と、b. HIVタンパク質又はその断片を含み且つ前記融合タンパク質のC 末端に位置する第二ポリペプチド領域と、を有し、前記第二ポリペプチド領域がHIVの1つのサブタイプに特異的な抗原決定基を含む融合タンパク質。 請求項10 前記融合タンパク質のC末端に小胞体保持配列をさらに有する、請求項9の融合タンパク質。 請求項11 前記第二ポリペプチド領域がHIVEnvの断片を含む、請求項9の融合タンパク質。 請求項12 前記第二ポリペプチド領域が gp120 V3ドメインの断片を1以上含む、請求項9の融合タンパク質。 請求項13 前記第二ポリペプチド領域が配列番号6に記載するアミノ酸配列を含む、請求項12の融合タンパク質。 請求項14 前記第二ポリペプチド領域がGag24、Nef、Tat 及び Revからなる集団より選択される少なくとも1つであるHIVタンパク質又はその断片を有する、請求項9の融合タンパク質。 請求項15 前記第二ポリペプチド領域がHIVGag24アミノ酸配列又はその断片を有する、請求項14の融合タンパク質。 請求項16 前記第二ポリペプチド領域がキメラタンパク質であって、i.gp120 C1ドメインの断片を含み且つ第二ペプチド領域のN末端に位置する第一ペプチドセグメントと、ii.gp120 C5ドメインの断片を含み且つ前記第一ペプチドセグメントのC末端に位置する第二ペプチドセグメントと、iii.gp41アミノ酸配列の断片を含み且つ前記第二ペプチドセグメントのC末端に位置する第三ペプチドセグメントと、を有する、請求項9の融合タンパク質。 請求項17 前記融合タンパク質のC末端に小胞体保持配列をさらに有する、請求項16の融合タンパク質。 請求項18 前記第二ポリペプチド領域が配列番号7に記載するアミノ酸配列を有する、請求項16の融合タンパク質。 請求項19 前記第一又は前記第二ポリペプチド領域の間に中間ポリペプチド領域をさらに有し、前記中間ポリペプチド領域がEnv以外の抗原決定基を含む、請求項9の融合タンパク質。 請求項20 前記中間ポリペプチド領域がGag24、Nef、Tat 及び Revからなる集団より選択される少なくとも1つであるHIVタンパク質又はその断片を有する、請求項9の融合タンパク質。
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