![]() イミダゾリウム及びイミダゾリニウム化合物で線維症及び癌を治療する方法
专利摘要:
ここに、抗線維症剤又は抗癌剤を細胞に送達する方法が提供される。本方法は、イミダゾリウム及びイミダゾリニウム塩を含む、本明細書に記載のイミダゾリウム及びイミダゾリニウム化合物の有効量と細胞を接触させることを含む。a 公开号:JP2011510979A 申请号:JP2010544928 申请日:2009-01-30 公开日:2011-04-07 发明作者:ジャッキー;ワイ. イン,;ツィーヤン ケ,;ベガン ゴパラン,;チュンヤン ツァン,;ユゲン ツァン,;ラン ツォウ,;ツァオビン ディン, 申请人:エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ; IPC主号:A61K31-4164
专利说明:
[0001] [0001]本出願は、その内容が参照により完全に本明細書に組み込まれる、2008年1月30日に出願の米国特許仮出願第61/006769号の利益及び優先権を主張する。] 技術分野 [0002] [0002]本発明は、線維症疾患又は癌を治療する方法を含む、細胞に抗線維症剤又は抗癌剤を送達する方法に関する。] 背景技術 [0003] [0003]肝星状細胞(HSC)は肝線維形成で重要な役割を演じ、治療的介入の主要な細胞標的とみなされる。しかし、承認された抗線維症薬剤は現在市場に出ていない。] [0004] [0004]肝臓の線維形成は、酸化的ストレス、化学毒性又はウイルス感染から生じる傷害の結果として起こることができる。したがって、細胞及び組織の線維症を含む線維症疾患は、酸化的ストレスを原因とする生理障害の1つである。例えば、ROSの代謝的生成から生じる酸化的ストレスは、HSC活性化及び肝臓線維症に関連付けられた(Brittonら1994、Tsukamotoら1995、Galliら2005)。脂質過酸化生成物は、HSCによるコラーゲン合成の増加をもたらすことが示されている(Casiniら1997及びParolaら1996)。] [0005] [0005]活性酸素種(ROS)は、過酸化物及び酸素誘導体などのフリーラジカル及び非ラジカル反応性分子を含む酸素誘導体である。これらの分子の生成と除去又は中和との間のアンバランスによるROSの過剰量があるときに、酸化的ストレスが起こる。ROSの過剰量は細胞の脂質、タンパク質及びDNAに傷害を与えることができ、正常な細胞機能の阻害又は異常な細胞行動の発達をもたらし、それらは次に、影響を受ける細胞に従い様々な疾患及び状態をもたらすことができる。ROSは、多くの生理障害、並びにいくつかの疾患の発症及び発達に関連付けられた。] [0006] [0006]いくつかの抗酸化剤が、肝臓線維症の潜在的阻害剤として探究されてきた(Kawadaら1998)。茶カテキンの主活性成分(−)−エピガロカテキンガレート(EGCG)は、形質転換成長因子β(TGF−β)シグナル伝達を通してインビトロでHSC活性化を阻害することが示されている(Chenら2002、Nakanutaら2005、Fuら2006)。臨床試験では、ビタミンE及びCの組合せが、非アルコール性脂肪性肝炎患者で線維症スコアを低下させることが示されたが、肝臓の炎症に影響しなかった(Harrisonら2003)。抗酸化剤として臨床的に用いられているグルタチオン(GSH)の合成前駆体N−アセチル−L−システイン(NAC)は、同様にTGF−βシグナル伝達の抑制を通して抗線維形成特性を示した(Meurerら2005)。] [0007] [0007]酸化的ストレスは、癌の発症及び進行にも関連付けられた。抗酸化酵素活性の低下によって示される酸化的ストレスが、臨床患者での一次発癌及び転移の発達に関連すると報告されている(Valiら2008)。ROSはDNA損傷を引き起こし、DNA突然変異の危険、したがって癌の発達を増加させることが見出された(Hussainら2005)。茶ポリフェノールは抗酸化剤であり、皮膚、肺、結腸、肝臓及び膵臓癌の動物モデルにおいて発癌物質誘導性のDNA損傷を阻害することが示された(Freiら2003)。さらに、抗酸化剤PBN及びNXY−059は、肝細胞癌で抗癌活性を証明した。(Floyd 2006)。しかし、調査した抗酸化剤の有効性は、不明のままである(Valkoら、2004)。] [0008] [0008]炎症性応答は感染又は損傷への免疫系応答であり、他の細胞をさらに活性化して感染を退けるか損傷を修復する免疫反応のカスケードをもたらす、サイトカインなどの媒介物質を生成する免疫系の細胞の活性化を含む。酸化的ストレスと同様に、炎症性ストレスは線維症疾患及び癌に関連付けられている(Rakoff−Nahoum 2006、Tsukamotoら1999、Bachemら1992、Vasiliouら2000)。例えば、肝臓線維症の発達において、HSCは重大な役割を演ずる。肝臓損傷に応答して、HSCは「活性化」及び筋線維芽細胞様細胞へのトランス分化と呼ばれる過程を経る。この過程は、細胞増殖、平滑筋アクチン−α(SMAA)の過剰発現、並びにコラーゲンαI型(I)(col1a1)及びフィブロネクチンを含む細胞外マトリックス(ECM)タンパク質の沈着を含む、表現型変化を特徴とする。] [0009] [0009]炎症性サイトカインは、HSC活性化の主要な媒介物質を表す。それらの間で、形質転換成長因子βI(TGF−β1)及びインターロイキン6(IL−6)は、主にECMタンパク質を誘導する役割を担う線維形成促進サイトカインに分類されている(Tsukamoto 1999)。HSCは、肝臓損傷の間クッパー細胞及び内皮細胞から分泌されるTGF−β1に、並びにオートクリン作用を通してそれら自身に応答し、HSC活性化及び肝臓線維症をもたらす(Bachemら1992)。さらに、HSCの活性化は炎症誘導性サイトカインIL−6の分泌を通す慢性肝臓炎症に帰することもでき、それは、肝硬変(Vasiliouら2000)及び肝細胞癌(Nauglerら、2007)をもたらす。転写因子核因子κB(NF−κB)は炎症性サイトカインの分泌の重要な調節因子であり、そのサブユニットNF−κB p65は肝臓線維症を媒介することが報告された(Vasiliouら2000)。] [0010] [0010]炎症性応答が酸化的ストレスを誘導すること及びその逆も可能なので、線維症疾患及び癌との共通する関連性を共有することを越えて、酸化的ストレス及び炎症性ストレスの生成及び調節は相互関連するようである。] [0011] [0011]例えば、肝臓の線維形成では、ROS及び炎症誘導性サイトカインの両方が、肝線維形成の発達における中心的事象であるHSCの活性化に関与することが示された。TGF−βはHSC活性化の主要な媒介物質であり、TGF−βシグナル伝達は酸化的ストレス及び炎症性応答の誘導の両方の影響を受ける(Tsukamotoら1999、Bachemら1992、Chenら2002、Nakanutaら2005、Fuら2006、Meurerら2005)。線維症の発達における別の重要な分子は、炎症性サイトカインの分泌の重要な調節因子であるが、酸化的ストレスに感受性であることも知られているNF−κBである。NF−κBを活性化するほとんどの剤は、ROS又はオキシダント自身によって調節される。抗酸化剤レズベラトロル(Chavezら2007)又はビタミンE(Liuら1995)による治療が、四塩化炭素による実験的線維症齧歯動物で誘導されたNF−κB上昇を軽減させたことが報告されている。] [0012] [0012]酸化的ストレス及び炎症性応答は、癌の病因において互いに関係することも見出されている。酸化的ストレスはDNA突然変異を引き起こすことができ、そのいくつかは癌細胞の形成をもたらす。しかし、他の突然変異は細胞死をもたらし、炎症性応答を刺激する。次に、炎症性応答は癌細胞に生存シグナル及び増殖シグナルを提供するだけでなく、ROSの生成を誘導することもできる(Rakoff−Nahoum 2006)。] [0013] [0013]動物モデル及びヒトにおいて過剰の酸化的ストレスを軽減する一般手法として、食事からの抗酸化剤が広く使われている。例えば、レズベラトロルは様々な種の生存期間を延長すること、並びに高カロリー食を摂取するマウスの健康及び生存の改善に有効であることが示された(Baurら2006)。] [0014] [0014]今まで、天然又は合成の抗酸化剤を用いる、酸化的ストレス及び酸化的ストレスに関連する特定の疾患の有効な治療法の開発には、問題があった。天然の抗酸化剤の効力のためのストリンジェントな科学的証拠は、確立されていない(Drogeら2001)。治療薬として天然の抗酸化剤を用いることの注目すべき限界のいくつかには、低効力及び代謝の間の速いターンオーバーが含まれる。対照的に、合成抗酸化剤の開発は、安全性への懸念によって阻害されてきた。しかし、この方向での多少の進捗が見られる。効力を高めるために、天然の抗酸化剤の改変を行った(Keumら2007)。さらに、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)及びカタラーゼの合成模倣剤が、虚血性疾患及びパーキンソン病の齧歯動物モデルで有効であることが示された(Pengら2005)。さらに心強いことに、ニトロン系のフリーラジカルトラップ剤のクラス、α−フェニル−N−tert−ブチル−ニトロン(PBN)及び二ナトリウム2,4−ジスルホフェニル−N−tert−ブチルニトロン(NXY−059)は強力な神経保護剤であることが示され(Maplesら2004)、その抗炎症特性を通して肝細胞癌で抗癌活性を証明した(Floyd 2006)。] [0015] [0015]本明細書で記載されるように、抗線維症剤又は抗癌剤を細胞に送達する方法であって、イミダゾリウム及びイミダゾリニウム塩を含むイミダゾリウム及びイミダゾリニウム化合物の有効量と、細胞を接触させることを含む方法が現在提供される。] [0016] [0016]一態様では、一般式Iの化合物又はそのオリゴマー若しくはポリマー、又は薬学的に許容されるその塩の有効量と、細胞を接触させることを含む、抗線維症剤又は抗癌剤を細胞に送達する方法が提供される。] [0017] 式中、破線は不在であるか、R1及びR3が結合する炭素とR2及びR4が結合する炭素との間で第2の結合を形成する結合として存在し、 R1及びR2は、 (i)各々独立にH、直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、C6〜C10アリールであるか、 (ii)それらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成するか、 (iii)R1及びR5がそれらの環原子と一緒に、又はR2及びR6がそれらの環原子と一緒に、5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、R1及びR2の他のものが前記(i)で定義される通りであるか、又は、 (iv)R1及びR5がそれらの環原子と一緒に、並びにR2及びR6がそれらの環原子と一緒に各々5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、 R3及びR4の両方がHであるか、又は、R1及びR2がそれらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合芳香環系を形成する場合、若しくは破線が結合として存在する場合、R3及びR4が不在であり、 R5又はR6は、 (i)R1及びR2について上で定義される通りであるか、又は (ii)各々独立に直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、C6〜C10アリール−C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール−C2〜C6アルケニル若しくはC6〜C10アリール−C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキル−C6〜C10アリール、C2〜C6アルケニル−C6〜C10アリール若しくはC2〜C6アルキニル−C6〜C10アリールであり、 R7は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、置換されたC1〜C6アルキル又はハロであり、 その際、該当する場合、R1〜R7のいずれかは、1つ又は複数の炭素原子が、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子で任意選択で置き換えられ、且つ直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、フルオロ、トリフルオロメチル、シアナト、イソシアナート、カルボキシル、C1〜C6アシロキシ、C1〜C6アシル、カルボニル、アミノ、アセチル、アセトキシ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルカルボキシ、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケノキシ、C2〜C6アルキノキシの1つ又は複数によって任意選択で置換され、 R1及びR5が結合する環炭素原子並びにR2及びR6が結合する環炭素の1つが窒素原子によって任意選択で置換される。] [0018] [0017]一実施形態では、化合物はイミダゾリウム又はイミダゾリウム塩である。別の実施形態では、化合物はイミダゾリニウム又はイミダゾリニウム塩である。] [0019] [0018]一実施形態では、R5はR6と同じである。別の実施形態では、R5及びR6は炭化水素である。] [0020] [0019]特定の実施形態では、一般式Iの薬学的に許容される塩は、塩化物、臭化物、テトラフルオロホウ酸塩又はヘキサフルオロリン酸塩であってもよい。] [0021] [0020]様々な実施形態において、化合物は1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ビスベンジルイミダゾリウム(又は1,3−ジベンジルイミダゾリウム)、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリウム、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ジアリルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−アダマンチル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウム、2−ベンジルイミダゾ[1,5−a]キノリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)−ベンゾイミダゾリウム、1,3−ジシクロヘキシルベンゾイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリニウムテトラフルオロボレート、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、2−メシチル−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、2−メシチル−2,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−4−イウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリニウム、1−ブチル−3−(2−ピリジニルメチル)−1H−イミダゾリウム、6,7−ジヒドロ−2−ペンタフルオロフェニル−5H−ピロロ[2,1−c]−1,2,4−トリゾリウム、1−メチル−3−(2−ヒドロキシルエチル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−イソシアナトベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−カルボキシルベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−カルボキシルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−2−メチル−イミダゾリウム、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−5−フェニルイミダゾリウム、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、1−ベンジル−3−(2−プロピン−1−イル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3−ヒドロキシル−プロピル)−イミダゾリウム、1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾリウム、1,3,5−トリス−(4−メチル−イミダゾリウム)−linkedシクロファン、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1−ベンジル−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−シアナトベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−カルボキシベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、又は1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0022] [0021]一実施形態では、化合物は一般式Iの構造を有する化合物の二量体である。例えば、化合物は1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン又は2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0023] [0022]別の実施形態では、化合物は一般式Iの構造を有する化合物の三量体である。例えば、化合物は1,3,5−トリス(4−メチル−イミダゾリウム)に連結しているシクロファン又は薬学的に許容されるその塩である。] [0024] [0023]本方法の一実施形態では、細胞はインビトロであってもよい。] [0025] [0024]別の実施形態では、細胞はインビボであってもよい。例えば、本方法は、線維症疾患の治療又は癌の治療のために対象に剤を投与することを含むことができる。特定の一実施形態では、線維症疾患は肝線維症であってもよく、化合物は、例えば3−ジイソプロピルイミダゾリウム又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。他の実施形態では、癌は肝細胞癌、肺癌、乳癌、胃癌又は神経膠腫であってもよく、又は、化合物は、例えば3−ビスベンジルイミダゾリウム、3−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム又は1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0026] [0025]別の態様では、インビボで細胞に抗線維症剤又は抗癌剤を送達するための、一般式Iの構造を有する化合物又はそのオリゴマー若しくはポリマーの使用が提供される。] [0027] [0026]別の態様では、インビボで細胞に抗線維症剤又は抗癌剤を送達するための医薬の製造における、一般式Iの構造を有する化合物又はそのオリゴマー若しくはポリマーの使用が提供される。] [0028] [0027]本明細書で記載される使用の一実施形態では、化合物はイミダゾリウム又はイミダゾリウム塩である。別の実施形態では、化合物はイミダゾリニウム又はイミダゾリニウム塩である。] [0029] [0028]他の実施形態では、R5はR6と同じである。別の実施形態では、R5及びR6は炭化水素である。] [0030] [0029]特定の実施形態では、一般式Iの薬学的に許容される塩は、塩化物、臭化物、テトラフルオロホウ酸又はヘキサフルオロリン酸塩であってもよい。] [0031] [0030]本使用の様々な実施形態では、化合物は1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ビスベンジルイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリウム、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ジアリルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−アダマンチル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウム、2−ベンジルイミダゾ[1,5−a]キノリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)−ベンゾイミダゾリウム、1,3−ジシクロヘキシルベンゾイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリニウムテトラフルオロボレート、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、2−メシチル−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、2−メシチル−2,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−4−イウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリニウム、1−ブチル−3−(2−ピリジニルメチル)−1H−イミダゾリウム、6,7−ジヒドロ−2−ペンタフルオロフネイル−5H−ピロロ[2,1−c]−1,2,4−トリゾリウム、1−メチル−3−(2−ヒドロキシルエチル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−イソシアナトベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−カルボキシルベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−カルボキシルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−2−メチル−イミダゾリウム、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−5−フェニルイミダゾリウム、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、1−ベンジル−3−(2−プロピン−1−イル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3−ヒドロキシル−プロピル)−イミダゾリウム、1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾリウム、1,3,5−トリス−(4−メチル−イミダゾリウム)−linkedシクロファン、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1−ベンジル−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−シアナトベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−カルボキシベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、又は1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0032] [0031]一実施形態では、化合物は一般式Iの構造を有する化合物の二量体である。例えば、化合物は1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン又は2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0033] [0032]別の実施形態では、化合物は一般式Iの構造を有する化合物の三量体である。例えば、化合物は1,3,5−トリス(4−メチル−イミダゾリウム)に連結しているシクロファン又は薬学的に許容されるその塩である。] [0034] [0033]本使用の一実施形態では、抗線維症剤は線維症疾患の治療のために送達される。特定の実施形態では、線維症疾患は肝線維症であってもよく、化合物は、例えば1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0035] [0034]本使用の別の実施形態では、抗癌剤は癌の治療のために送達される。様々な実施形態で、癌は肝細胞癌、肺癌、乳癌、胃癌又は神経膠腫であってもよく、化合物は、例えば3−ビスベンジルイミダゾリウム、3−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム又は1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0036] [0035]別の態様では、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−(2−ヒドロキシルエチル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−イソシアナトベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−カルボキシルベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−カルボキシルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−2−メチル−イミダゾリウム、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−5−フェニルイミダゾリウム、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、1−ベンジル−3−(2−プロピン−1−イル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3−ヒドロキシル−プロピル)−イミダゾリウム、1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾリウム、1,3,5−トリス−(4−メチル−イミダゾリウム)−linkedシクロファン、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1−ベンジル−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−シアナトベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−カルボキシベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、又は1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩であるイミダゾリウム又はイミダゾリニウムである化合物が提供される。] [0037] [0036]本発明の他の態様及び特徴は、付随する図面と合わせて本発明の具体的な実施形態の以下の記載の精査により、当分野の技術者に明らかになる。] 図面の簡単な説明 [0038] 本発明の実施形態を例としてだけ例示する図面。 DBZIMの細胞毒性。HSC T6細胞を96ウェルプレートに1ウェルにつき5000個の細胞の密度で播種し、10%FBSDMEMで18〜24時間培養した後に、アッセイの前に48時間の増殖のために10%FBS DMEM中の様々な化合物(0〜400μM)を添加した。シグナルは、媒体対照処理(0μMの化合物)に対して正規化した。データは4つの独立した実験から得、平均値及び標準誤差又は平均値(SEM)で示した、*a P<0.05、*b P<0.01及び*c P<0.005。 TDBZIMの細胞毒性。 DBZIMは細胞ROSレベルを減弱させた。HSC T6細胞をDBZIM(10、50、100及び300μM)、TDBZIM(10、50及び100μM)、NAC(1mM)及びEGCG(25μM)と48時間インキュベートした後に、細胞ROSレベルについて試験した。データは、媒体対照に対する正規化の後に、相対値として示した。データは、媒体対照と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*b P<0.01、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 TDBZIMは細胞ROSレベルを減弱させた。 GSHの量に対するDBZIM及びTDBZIMの効果。DBZIMは総細胞GSH量を減弱させた。HSC−T6細胞を様々な濃度の化合物と48時間インキュベートし、GSH及びGSSGの総量について試験した。GSH/GSSG比は、(GSH−GSSG)/GSSGとして計算した。GSH及びGSSGの量を、総タンパクに対して正規化した。DBZIMはDMSOに溶解し、TDBZIMはH2Oに溶解した点に注意する。データは、媒体対照と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*a P<0.05、*b P<0.01、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 TDBZIMは総GSHを変化させなかった。 DBZIMは、細胞のGSSG(GSHの酸化生成物)を抑制した。 TDBZIMは、細胞のGSSG(GSHの酸化生成物)を抑制した。 DBZIMは、GSH/GSSG比を高めた。 TDBZIMは、GSH/GSSG比を高めた。 GPx、CAT、SOD及びGSTに対するDBZIM及びTDBZIMの効果。DBZIMは、GPx活性に用量依存的に影響を及ぼした。HSC T6細胞を様々な濃度の化合物で48時間処理し、GPx、GST及びCATアッセイについてはPBS(pH7.4、1mMのEDTA)中で、又はSODアッセイについては1mMのEGTA、210mMのマンニトール及び70mMのショ糖を含有する20mMのHEPES緩衝液(pH7.2)中で、超音波処理(60%の周波数で30秒間)によってホモジナイズした。酵素活性は、総タンパクに対して正規化した。DBZIMはDMSOに溶解し、TDBZIMはH2Oに溶解した。データは、媒体対照と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*a P<0.05、*b P<0.01、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 TDBZIMは、GPx活性を抑制した。 DBZIMは、CAT活性に用量依存的に影響を及ぼした。 TDBZIMは、CAT活性を抑制した。 DBZIMは、SOD活性にほとんど影響を及ぼさなかった。 TDBZIMは、SOD活性にほとんど影響を及ぼさなかった。 DBZIMは、GST活性を誘導した。 DBZIM及びTDBZIMは、0.2%(v/v)のDMSOによって誘導された酸化的ストレスから一次HSC細胞を保護した。IMSで26及び93時間処理した細胞の光学像。スケールバー=60μm。 0.2%(v/v)のDMSOは、総GSHレベルを減少させることによって、酸化的ストレスを誘導した。データは、未処理試料と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 0.2%(v/v)のDMSOは、GSSGレベルを誘導することによって、酸化的ストレスを誘導した。 0.2%(v/v)のDMSOは、GSH/GSSG比を低下させることによって、酸化的ストレスを誘導した。 0.2%(v/v)のDMSOは、GPX活性レベルを誘導することによって、酸化的ストレスを誘導した。 0.2%(v/v)のDMSOは、CAT活性レベルを誘導することによって、酸化的ストレスを誘導した。 0.2%(v/v)のDMSOは、SOD活性レベルを誘導することによって、酸化的ストレスを誘導した。 DBZIMは、HSC活性化マーカー(GFAP及びSMAA)及び線維症エンドポイント(col1a1及びフィブロネクチン)のmRNA発現を用量依存的に抑制した。HSC T6細胞をDBZIM(1、10、100及び300μM)及びTDBZIM(1、10及び100μM)で48時間処理した。正規化遺伝子としてβ−アクチンを用いた。その発現レベルは、実験条件下で一定であった。媒体対照試料をキャリブレータとして、ΔΔCt法を相対的な定量化のために用いた。データは、媒体対照と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*a P<0.05、*b P<0.01、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 TDBZIMは、HSC活性化マーカー(GFAP及びSMAA)及び線維症エンドポイント(col1a1及びフィブロネクチン)のmRNA発現を用量依存的に抑制した。 DBZIM(100μM)及びTDBZIM(100μM)は、GFAPのmRNA発現を時間依存的に抑制した。HSC T6細胞をDBZIM及びTDBZIMで処理し、8、24及び48時間の後に試験した。TDBZIMについて、SMAA発現の一時的上昇が24時間後に観察された。β−アクチンハウスキーピング遺伝子及び媒体対照試料に正規化することによってΔΔCt法を用いてmRNA発現を計算し、媒体対照と比較した平均値及びSEMにより相対的な定量データで示した、N=6、*a P<0.05、*b P<0.01、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 DBZIM(100μM)及びTDBZIM(100μM)は、SMAAのmRNA発現を時間依存的に抑制した。 DBZIM(100μM)及びTDBZIM(100μM)は、col1a1のmRNA発現を時間依存的に抑制した。 DBZIM(100μM)及びTDBZIM(100μM)は、フィブロネクチンのmRNA発現を時間依存的に抑制した。 DBZIM(100μM)及びTDBZIM(50μM)で48時間処理したHSC T6細胞におけるcol1a1、フィブロネクチン、GFAP及びSMAAタンパク質発現のウェスタンブロット法。col1a1及びフィブロネクチンについては3〜8%のトリス−アセテートゲルに、GFAP及びSMAAについては4〜12%勾配のPAGE−SDSゲルに15μgの総タンパクを溶解した。標的タンパク質をそれぞれの抗体によって認識して、ECL法によって視覚化した。膜を剥離し、負荷対照としてα−チューブリンを再精査した。 DBZIM及びTDBZIMは、TGF−β1mRNAを抑制した。HSC T6細胞を、用量依存性試験についてはDBZIM(1、10、100及び300μM)と48時間インキュベートした。TGF−β1 mRNAの発現レベルを、リアルタイムRT−PCRで定量した。データは、媒体対照と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*a P<0.05、*b P<0.01、*c P<0.005。 HSC T6細胞を、用量依存性試験についてはTDBZIM(1、10及び100μM)と48時間インキュベートした。 HSC T6細胞を、時間依存性試験についてはDBZIM(100μM)及びTDBZIM(100μM)と8、24及び48時間インキュベートした。 DBZIM及びTDBZIMは、IL−6 mRNAを抑制した。HSC T6細胞を、用量依存性試験についてはDBZIM(1、10、100及び300μM)と48時間インキュベートした。IL−6 mRNAの発現レベルを、リアルタイムRT−PCRで定量した。データは、媒体対照と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*b P<0.01、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 HSC T6細胞を、用量依存性試験についてはTDBZIM(1、10及び100μM)と48時間インキュベートした。 HSC T6細胞を、時間依存性試験についてはDBZIM(100μM)及びTDBZIM(100μM)と8、24及び48時間インキュベートした。 DBZIM(100μM)及びTDBZIM(50μM)で48時間処理したHSC T6細胞におけるNF−κB及びAP−1(c−Fos、JunD及びFra−1)タンパク質発現のウェスタンブロット法。15μgの核タンパク質を、4〜12%勾配のPAGE−SDSゲルに溶解した。標的タンパク質をそれぞれの抗体によって認識して、ECL法によって視覚化した。膜を剥離し、負荷対照として用いたTata結合性タンパク質TBPを精査した。 β−ガラクトシダーゼ活性によって報告されるように、DBZIMはGFAP−LacZ導入遺伝子を減弱させた。安定してトランスフェクトされたT6 GFAP−LacZ細胞を1〜300μM濃度の化合物で処理し、24時間及び48時間後に試験した。β−ガラクトシダーゼ活性を総タンパクに正規化し、媒体対照と比較した後に相対値として示した。データは、媒体対照と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 β−ガラクトシダーゼ活性によって報告されるように、TDBZIMはGFAP−LacZ導入遺伝子を減弱させた。 様々なIMSで48時間処理したHSC T6細胞におけるSMAA、col1a1、フィブロネクチン、TGF−β1、TGFβRIタンパク質発現のウェスタンブロット法。DBIM(1mM)、AMIM(50μM)、TMPHIM(50μM)、DPPHIM(10μM)及びDBZBIM(100μM)を、0.2%(v/v)の最終DMSO濃度でDMSOに溶解した。DPIM(2mM)、EGCG(25μM)及びDBZIM(100μM)は、H2Oに溶解した。αチューブリンを、負荷対照として用いた。タンパク質バンド強度の濃度測定は、それぞれの媒体対照に対して正規化した。 タンパク質バンド強度の相対的な濃度測定定量化。媒体処理試料を、1に正規化した。 様々なIMSで48時間処理したHSC T6細胞におけるGFAPのmRNA発現のリアルタイムPCR定量。DBIM(1mM)、AMIM(50μM)、TMPHIM(50μM)、DPPHIM(10μM)及びDBZBIM(100μM)を、0.2%(v/v)の最終DMSO濃度でDMSOに溶解した。DPIM(2mM)、EGCG(25μM)及びDBZIM(100μM)は、H2Oに溶解した。正規化遺伝子としてβ−アクチンを用いた。その発現は、実験条件下で一定であった。相対的定量を、それぞれの媒体対照に対して正規化した。データは、媒体対照と比較した平均値及びSEMで示した、N=6、*a P<0.05、*c P<0.005及び*d P<0.0005。 様々なIMSで48時間処理したHSC T6細胞におけるSMAAのmRNA発現のリアルタイムPCR定量。 様々なIMSで48時間処理したHSC T6細胞におけるフィブロネクチンのmRNA発現のリアルタイムPCR定量。 様々なIMSで48時間処理したHSC T6細胞におけるcol1a1のmRNA発現のリアルタイムPCR定量。 マウスの肝臓線維症に対するDBZIM及びDPIMの効果。肝臓毒素チオアセタミド(TAA)によって誘導したマウスで、DBZIMを試験した。DBZIMはTAAモデル(500mg/L、12週間)及びBDLモデル(10mg/L、4週間)において線維症を減弱させたが、DPIMはBDLモデルにおいて1g/L(4週間)でその効果を示した。 胆管結紮(BDL)によって誘導したマウスで、DBZIMを試験した。 DPIMは、TAA(データ示さず)又は胆管結紮(BDL)によって誘導したマウスでも試験した。 異なるDPIM化合物で処理された群のマウスからの肝臓切片におけるシリウスレッド染色像の代表。群に1匹のマウスだけが含まれた500mg/l処理群を除いて、各処理群には6〜8匹のマウスが含まれた。赤色染色領域は、コラーゲン沈着を表す。(A)疑似手術、(B)疑似手術+DPIM 1g/l 4週間、(C)BDL 4週間、(D)BDL 4週間+500mg/l DPIM処理、(E)BDL 4週間+750mg/l DPIM処理、(F)BDL 4週間+1g/l DPIM処理。 シリウスレッド染色領域の割合。異なる処理群マウスからのシリウスレッド染色領域は画像Jソフトウェアで定量化し、各マウスの肝臓の左葉及び中央葉からの少なくとも6つの異なる領域が含まれた。*P<0.05、BDL対DPIM処理群、#P<0.05、750mg/l対1g/lの処理群。 異なる処理群の肝臓重量。各群は、手術処置の開始時に10〜12週齢であった6〜8匹のマウスからなった。*P<0.05、疑似手術対照群対BDL 4週間、**P<0.05、DPIM化合物処理群対BDL週群、#P<0.05、750mg/l DPIM処理群対1g/l DPIM処理群。 肝臓切片のH&E染色の代表的な像。(A)対照群、(B)BDL 4週間群、及び(C)BDL 4週間+DPIM 1g/l処理群。 コラーゲン1a1 mRNAの定量リアルタイムPCR。DPIMは、コラーゲン1a1 mRNAを減少させた。 DBZIMはHLE細胞の細胞増殖を阻害し、細胞周期を破壊した。DBZIMはHLE細胞の細胞増殖を阻害し、細胞周期を破壊した。DBZIMは、HCC細胞増殖を阻害した。HLE細胞を96ウェルプレートに1ウェルにつき5000個の細胞の密度で播種し、10%FBS DMEMで18〜24時間培養した後に、アッセイの前に48時間の増殖のために10%FBS DMEM中の様々な化合物(0〜1.25mM)を添加した。細胞数はヘキスト色素染色に基づいて計算し、BrdU取込みは抗体染色の総蛍光強度に基づいた。 DBZIMは、G0/G1期のHCC細胞を停止した。HLE細胞をDBZIM(0、1、3mM)と24時間インキュベートした後に、DNA含量(2N対4N)の判定のために固定及びDAPI染色した。 DBZIMはHLE細胞でカスパーゼ3/7活性を誘導した。HLE又はHepG2細胞を様々な濃度のDBZIMと6時間インキュベートし、カスパーゼ3/7活性及びLDH放出(毒性割合で表した)を試験した。散布図及びヒストグラムは細胞集団分布に関する代表的な情報を与えたが、棒グラフはヒストグラムからアポトーシス細胞の割合を定量化した。HLE及びHepG2細胞を様々な濃度のDBZIMによって24時間処理した後に、アネキシンV染色及びフローサイトメトリー分析のために収集した。 DBZIMはHLEでLDH放出を引き起こさなかった。 DBZIMはHepG2でカスパーゼ3/7活性を誘導した。 DBZIMはHepG2でLDH放出を引き起こさなかった。 HLEでフローサイトメータを用いてアネキシンV染色によって特徴づけられたように、DBZIMはアポトーシスを誘導した。 HepG2でフローサイトメータを用いてアネキシンV染色によって特徴づけられたように、DBZIMはアポトーシスを誘導した。 DBZIMはHLE細胞でカスパーゼ8活性を変化させず、カスパーゼ9及び3活性を誘導した。HLE細胞をT75フラスコ中で増殖させ、DBZIMで24時間処理した。次に細胞を溶解し、Biovisionからのキットを用いてカスパーゼ8、9及び3を試験するために細胞質タンパク質を収集した。データを、媒体対照に対して正規化した。 DBZIMは、ミトコンドリアからサイトゾルへのチトクロームcの放出を引き起こさなかった。HLE細胞を1.5mMのDBZIMによって24時間処理した。サイトゾル及びミトコンドリアのタンパク質分画を、Biovisionからのキットを用いて収集した。15μgの各タンパク質を、4〜12%勾配のPAGE−SDSゲルに溶解した。標的タンパク質をチトクロームCの抗体によって認識して、ECL法によって視覚化した。膜を剥離し、サイトゾル分画については負荷対照としてα−チューブリンを、ミトコンドリア分画についてはCox4を精査した。 DBZIMは、Bcl−2及びIAPタンパク質発現に影響を及ぼした。HepG2細胞をDBZIM(0、0.5、1.0、1.5及び2.0mM)で24時間処理した。総タンパクは、RIPA緩衝剤を用いて収集した。15μgの総タンパク質を、4〜12%勾配のPAGE−SDSゲルに溶解した。標的タンパク質をそれぞれの抗体によって認識して、ECL法によって視覚化した。膜を剥離し、負荷対照としてα−チューブリンを精査した。 DBZIMは、サバイビン(survivin)タンパク質の核から細胞質への転位を誘導した。DBZIM(0及び1.0mM)によって24時間処理されたHLE細胞の代表的な免疫細胞染色像。矢印は、それぞれ対照及びDBZIM処理細胞の核におけるサバイビンの蓄積及び消滅を示す。像は、ArrayScanVTI HCSリーダー(Thermal Scientific、PA、USA)及びTarget Activation BioApplicationソフトウェアを用いて獲得し、分析した。 転位事象の定量化。細胞を96ウェルプレートで増殖させ、様々な濃度のDBZIMによって24時間処理した後、サバイビンのための固定及び免疫細胞染色を行った。「細胞質−核差」のより低い値は、細胞質サバイビンのより低い量を示した。 DBZIMは、細胞質から核へのAIFの転位を誘導した。DBZIMは、AIFを細胞質から核に転位させた。HepG2細胞をDBZIMによって24時間処理した。Pierceからのキットを用いて、細胞質及び核のタンパク質を分画した。15μgのタンパク質を、4〜12%勾配のPAGE−SDSゲルに溶解した。標的タンパク質をAIFの抗体によって認識し、ECL法によって視覚化した。膜を剥離し、細胞質分画につては負荷対照としてα−チューブリンを、核タンパク質についてはTata結合性タンパク質TBPを再精査した。 HLE細胞を96ウェルプレートで増殖させ、DBZIMで24時間処理した。次に細胞を固定し、AIFの抗体によって染色した。像は、ArrayScan VTI HCSリーダー(Thermal Scientific、PA、USA)及びTarget Activation BioApplicationソフトウェアを用いて獲得し、分析した。矢印は、それぞれ対照及びDBZIMにおけるAIF染色の細胞質及び核の位置を示す。 異なる細胞下区画におけるAIF染色の定量化。「細胞質−核差」のより高い値は、より高い核AIFを示した。 高用量DBZIMは、HLE細胞でROS生成を誘導した。HLE細胞を96−ウェルプレートで増殖させ、DBZIMで24時間処理した。次に細胞を固定し、ROS生成の定量化のためにDHEによって染色した。像は、ArrayScan VTI HCSリーダー(Thermal Scientific、PA、USA)及びTarget Activation BioApplicationソフトウェアを用いて獲得し、分析した。 DBZIMは、HepG2細胞でAP−1発現の上方制御を誘導した。HepG2細胞をDBZIMで24時間処理した。Pierceからのキットを用いて、細胞質及び核のタンパク質を分画した。15μgの核タンパク質を、4〜12%勾配のPAGE−SDSゲルに溶解した。標的タンパク質をそれらのそれぞれの抗体によって認識し、ECL法によって視覚化した。膜を剥離し、負荷対照としてTata結合性タンパク質TBPを再精査した。 DMZIMは、アポトーシスを誘導した。位相差顕微鏡法からの画像は、DBZIMに72時間曝露させた後の、胃癌細胞AGSのアポトーシス形態を示す。曝露時間の延長は、細胞培養でのアポトーシス細胞による集密度の喪失の増加を引き起こした。 位相差顕微鏡法からの画像は、DBZIMに72時間曝露させた後の、肺癌細胞H1299のアポトーシス形態を示す。 DBZIMは、グリオーマ細胞株C6で細胞増殖を阻害した。増殖アッセイのためにC6又はU87細胞を様々な濃度のDBZIMと48時間、カスパーゼ3/7活性化アッセイのために6時間インキュベートした。PromegaからのMTSキットを用いて増殖を測定し、対照群を1に正規化して相対的な細胞増殖で表した。Promegaからのキットを用いてカスパーゼ3/7活性を定量化し、同様に対照群に対する処理群の相対的カスパーゼ3/7活性で表した。 DBZIMは、C6でカスパーゼ3/7活性を誘導した。 DBZIMは、U87 MGで細胞増殖を阻害した。 DBZIMは、U87 MGでカスパーゼ3/7活性を誘導した。 DBZIMは、アポトーシスの指標として、カスパーゼ−3、カスパーゼ−9及びPARPの切断を誘導する。p53野生型胃癌細胞AGSにおける、カスパーゼ−3、カスパーゼ−9及びPARPの切断に及ぼすDBZIMの影響のウェスタンブロット分析。50μMのDBZIMへの72時間の曝露の後の細胞で実行されたウェスタンブロット分析。 p53野生型乳癌細胞株MCF−7における、カスパーゼ−3、カスパーゼ−9及びPARPの切断に及ぼすDBZIMの影響のウェスタンブロット分析。50μMのDBZIMへの72時間の曝露の後の細胞で実行されたウェスタンブロット分析。 DBZIMは、Aktのリン酸化を阻害する。AGS、MKN28、H1299及びMCF−7細胞をそれらの対応するIC50濃度のDBZIMで処理したとき、Aktのセリン473におけるリン酸化は、p53野生型癌細胞株AGS(A)、p53突然変異体胃癌細胞MKN 28(B)、p53ヌル肺癌細胞H1299(C)及びp53野生型乳癌細胞MCF−7(D)で下方制御された。リン酸化AKTの経時的阻害を、ウェスタンブロットによって示した。内部負荷対照として、β−アクチンを用いた。 DBZIMは、インビボでHCC腫瘍を減少させた。植え付け後3週間における、対照群及び処理群のHCC異種移植マウスの腫瘍を示す。 腫瘍増殖曲線を示す。*P<0.01。 体重チャートを示す。*P<0.01。 p53の内因性発現。Hep3B(p53ヌル)、Hep G2(野生型)、Hle及びPlc(p53突然変異体)からの細胞溶解物を、p53(DO−1)及びアクチン抗体を用いてウェスタンブロット法にかけた。 IMSに曝露させた細胞の位相差顕微鏡検査。位相差顕微鏡検査からの画像は、IMS(IBN 15、IBn 19、IBN 24、IBN 25及びIBN 32)への72時間の曝露の後の細胞培養をそれぞれ示す。曝露時間の延長は、細胞培養での集密度の喪失の増加を引き起こした。 IMSは、肝癌細胞でアポトーシスを誘導する。細胞を媒体並びにIBN 15、IBN 19、IBN 24、IBN 25及びIBN 32で72時間処理し、アポトーシスは、アネキシンV−FITC/PI染色と後に続くフローサイトメトリー分析を用いて定量化した。試料ごとに10,000個の細胞が検出された。生細胞は、左下四分の一(FITC−及びPI−)にあり、初期アポトーシス細胞は右下四分の一(FITC+及びPI−)に、後期アポトーシス細胞は右上四分の一(アポトーシス性FITC+及びPI+)にある。 異なるIMSに関するアポトーシス細胞の割合。 IMSは、肝癌細胞を停止する。細胞を媒体並びにIBN 15、IBN 19、IBN 24、IBN 25及びIBN 32で72時間処理し、細胞周期分布はフローサイトメトリーによって調査した。ヨウ化プロピジウム染色対照細胞及びIMSでそれぞれ処理した細胞の例示的FACSプロフィール。 細胞周期相における細胞の割合(%)。各値は、3つの判定の平均±S.D.である。 G0下集団の細胞の割合(%)。各値は、3つの判定の平均±S.D.である。 IMSは、カスパーゼ−3、カスパーゼ−9及びPARPの切断を誘導する。指示された用量のIMSへの72時間の曝露の後のHLE細胞における、カスパーゼ−3、カスパーゼ−9及びPARPの切断に及ぼすIBN 15、IBN 19、IBN 24、IBN 25、IBN 32の影響のウェスタンブロット分析。 IMS誘導性アポトーシスには、核内のp53の蓄積が付随した。HLE細胞を、指示された用量のIBN 19及びIBN 24で48時間処理した。処理細胞を4%ホルムアルデヒドで固定し、抗p53(緑色蛍光)及びDAPI(青色蛍光)で免疫染色し、共焦鏡検によって分析した。 p53のIMS誘導性蓄積並びにp53突然変異体HLE細胞のセリン15、20、46及び392上でのp53リン酸化。(A)肝癌細胞HLEを指示された濃度のIBN 15、IBN 19、IBN 24、IBN 25及びIBN 32で72時間処理した。p53タンパク質並びにSer−15、Ser−20、Ser−46及びSer−392のリン酸化のレベルを、ウェスタンブロット法で測定した。負荷対照としてβ−アクチンを用いた。 ミトコンドリア経路の開始を通してのIMS誘導性アポトーシス。細胞を様々なIMSで処理し、Bcl−2及びBAXのレベルをウェスタンブロットアッセイによって評価した。 p53シグナル伝達経路関連の遺伝子発現のリアルタイムPCRアレイ分析。抗アポトーシス遺伝子。遺伝子発現の相対レベルを、ハウスキーピング遺伝子GAPDHで正規化した。値を、平均±標準偏差で表す。 増殖阻害遺伝子SESN2。 細胞周期チェックポイント遺伝子。 細胞増殖遺伝子。 DNA修復遺伝子ATM。 肺癌及び胃癌細胞に対する化合物C(DBZMIM)及び化合物9(MABZMIM)の効果。処理の120時間後に、化合物C(DBZMIM)及び化合物9(MABZMIM)は、肺癌細胞MDAMB 231(A)及び胃癌細胞MKN 28(B)で形態学的変化及びアポトーシスを誘導した。 HCC異種移植のマウスに対する化合物9の効果。植え付け後3週間における、対照群及び処理群のHCC異種移植マウスの腫瘍を示した。 腫瘍増殖曲線を示す。*P<0.01。 体重チャートを示す。*P<0.01。 IMSの名称及び構造を示す表1。 IMSの名称及び構造を示す表1続き。 IMSの名称及び構造を示す表1続き。 IMSの名称及び構造を示す表1続き。 IMSの名称及び構造を示す表1続き。 IMSの名称及び構造を示す表1続き。 IMSの名称及び構造を示す表1続き。 IMSの名称及び構造を示す表1続き。 IMSのIC50値を示す表2。 IMSのIC50値を示す表2続き。 IMSのIC50値を示す表2続き。 IMSのIC50値を示す表2続き。 IMSのIC50値を示す表2続き。 IMSのIC50値を示す表2続き。 様々な癌細胞株におけるDBZIMのIC50値を示す表3。 HLE細胞におけるIBN−15、19、24、25及び32のIC50値を示す表4。 胃癌細胞におけるDBZMIM及び化合物9のIC50値を示す表5。 乳癌細胞におけるDBZMIM及び化合物9のIC50値を示す表6。 正常な乳房細胞におけるDBZMIM及び化合物9のIC50値を示す表7。] 実施例 [0039] [0089]本明細書で記載の方法は、本明細書で記載される、イミダゾリウム及びイミダゾリニウム塩の形態を含むイミダゾリウム及びイミダゾリニウム化合物(総称で「IMS」)を、抗線維症剤及び抗癌剤として、又は線維症疾患若しくは癌を治療するために用いることができるという発見に関する。発明者らは、本明細書で記載される方法で用いることができる新規IMSを合成した。] [0040] [0090]イミダゾリウム及びイミダゾリニウムの両方はイミダゾール環に基づき、両方ともN,N’−置換されている。イミダゾリウムは、N,N’−置換イミダゾールであり、イミダゾリニウムはN,N’−置換イミダゾリンであって、イミダゾールに存在するC4及びC5位置の間の炭素間二重結合を有しない。イミダゾール自体は多くの生体分子に組み込まれており、合成されたC置換イミダゾールは多くの医薬の重要な部分になっている(Olmosら1999)(Casanovasら2000)。] [0041] [0091]合成化学でIMSを用いることの1つの魅力的な特徴は、それらが提供する構造融通性である。IMSの電子構造及び安定性、したがって治療上の安全性及び有効性は、分子のN−置換基(中心環の窒素原子上の置換基)及び中心環を変更することによって微調整することができる。IMSの「中心環」は、様々な置換基が結合して異なるIMS分子を生成することができる2つの窒素原子を含む5員環(イミダゾール又はイミダゾリン環)を指すことが理解されよう。IMSは、新規治療法の開発のために、安価で化学的に調整可能なビルディングブロックを提供する。] [0042] [0092]一部のIMSは、N−複素環式カルベン(NHC)の前駆体である。NHCは、中心環のC2位置に水素原子を有し、中心環の両窒素原子上に置換基、すなわち2つのN−置換基を有するIMSから、容易に生成することができる。NHCは、適当な条件下でのIMSの脱プロトン化によって、これらのIMSから生成される。IMSの脱プロトン化は、塩基条件下で、又は中性条件下の希釈溶液中で実施することができる。] [0043] [0093]中心環のC2位置の水素原子以外の置換基で、IMSからNHCを生成するのは困難である。しかし、N−置換基を切断することによってこれらのIMSからラジカル種を形成することができる。] [0044] [0094]発明者らは、本明細書で記載のIMSを抗線維症剤若しくは抗癌剤として用いることができること、又は線維症疾患若しくは癌を治療するために用いることができることを発見した。いかなる特定の理論にも限定されることなく、本明細書で記載のIMSは、抗酸化性及び抗炎症性の特性を示すことができる。線維症疾患及び癌の両方は、酸化的ストレス応答に関連付けられた。次に、線維症疾患及び癌において、酸化的ストレスは炎症性応答と緊密に関連することが示されている。] [0045] [0095]抗線維症剤又は抗癌剤として用いることができるIMSは、一般式Iの構造を有する化合物である。] [0046] ] [0047] [0096]式Iにおいて、破線は不在であるか、R1及びR3が結合する炭素とR2及びR4が結合する炭素との間で第2の結合を形成する結合として存在する。したがって、R1及びR3が結合する炭素とR2及びR4が結合する炭素を、単結合又は二重結合で連結することができる。] [0048] [0097]R1及びR2は、(i)各々独立にH、直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、C6〜C10アリールであるか、又は(ii)それらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成するか、又は(iii)R1及びR5はそれらの環原子と一緒に、又はR2及びR6はそれらの環原子と一緒に、5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、R1及びR2の他のものは上の(i)で定義される通りであるか、又は(iv)R1及びR5はそれらの環原子と一緒に、並びにR2及びR6はそれらの環原子と一緒に5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成する。] [0049] [0098]R3及びR4の両方はHであるか、又は、R1及びR2がそれらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合芳香環系を形成する場合、若しくは破線が結合として存在する場合、R3及びR4は不在である。] [0050] [0099]上記のようにR5又はR6がそれぞれR1又はR2と縮合していない場合、R5及びR6は各々独立に直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、C6〜C10アリール−C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール−C2〜C6アルケニル若しくはC6〜C10アリール−C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキル−C6〜C10アリール、C2〜C6アルケニル−C6〜C10アリール若しくはC2〜C6アルキニル−C6〜C10アリールである。] [0051] [00100]R7は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、置換されたC1〜C6アルキル又はハロである。] [0052] [00101]該当する場合、上記の置換基R1〜R7のいずれかは、1つ又は複数の炭素原子が、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子で任意選択で置き換えることができる。同様に、該当する場合、上記の置換基R1〜R7のいずれかは、直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、フルオロ、トリフルオロメチル、シアナト、イソシアナート、カルボキシル、C1〜C6アシロキシ、C1〜C6アシル、カルボニル、アミノ、アセチル、アセトキシ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルカルボキシ、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケノキシ、C2〜C6アルキノキシの1つ又は複数によって任意選択で置換されてもよい。] [0053] [00102]R1及びR5が結合する環炭素原子並びにR2及びR6が結合する環炭素の1つは、窒素原子によって任意選択で置換されてもよい。] [0054] [00103]上記の化合物は、塩の形態で存在してもよい。したがって、本方法で用いることができるIMSには、式Iの化合物の薬学的に許容される塩並びにそのような塩のオリゴマー及びポリマーが含まれる。そのような塩は、一般式IIの構造を有する。] [0055] ] [0056] [00104]一般式IIは一般式Iについて上で定義される通りであり、対イオンXのさらなる特徴を有する。Xは薬学的に許容されるアニオンであり、例えば、それらに限定されないが、塩化物、臭化物、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸塩が含まれる。] [0057] [00105]環構造に関して本明細書で用いる場合、用語「縮合した」は、環構造の間で少なくとも2つの原子を共有することを指す。2つの環原子(そのいずれかはC又はNであってよい)が縮合環系に含まれる場合、環系は中心イミダゾリウム又はイミダゾリニウム環と縮合される。] [0058] [00106]特定の実施形態では、破線は不在でもよく、又はR1及びR3が結合する炭素とR2及びR4が結合する炭素との間で第2の結合を形成する結合として存在し、R1及びR2は両方ともHであるか、又はそれらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合芳香環系を形成し、R3及びR4は両方ともHであるか無であり、R5及びR6は各々独立に直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、C6〜C10アリール−C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール−C2〜C6アルケニル又はC6〜C10アリール−C2〜C6アルキニルであり、R7はHであり、該当する場合、置換基R1〜R7のいずれかは、1つ又は複数の炭素原子が、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子で置き換えることができ、そのいずれかは、直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、フルオロ、トリフルオロメチル、シアナト、カルボキシル、カルボニル、アミノ、アセチル、オキソ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケノキシ、C2〜C6アルキノキシの1つ又は複数で任意選択で置換されてもよい。] [0059] [00107]例えば、様々な実施形態では、化合物は、R1及びR2が結合する2つの環原子の間の二重結合を有する、イミダゾリウム塩であってもよい。様々な他の実施形態では、化合物は、R3及びR4が水素であり、それらの環炭素の間に単結合だけがあるイミダゾリニウム塩であってもよい。さらに他の実施形態では、R3及びR4は無であり、R1及びR2はそれらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合芳香環系を形成する。] [0060] [00108]R5及びR6を含む置換基が異なってもよい。例えば、一部の実施形態では、本方法のIMSは、R5及びR6が同じである化合物であってもよい。異なる実施形態では、R5又はR6は、縮合環系を含むアラルキル、分枝状アルキル又はシクロアルキルであってもよい。他の実施形態では、R5又はR6は、フェナルキル(phenalkyl)基を含むことができる。他の実施形態では、R5及びR6の1つ又は両方は、アダマンタニル基を含むことができる。] [0061] [00109]本方法で用いることができるIMSには、一般式Iの化合物から形成されるオリゴマー又はポリマーも含まれる。したがって、本明細書で用いる「オリゴマー」は、下記の方法で連結される、例えば2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、50個以上、100個以上、150個以上の一般式Iの化合物を指す。したがって、オリゴマーには二量体及び三量体が含まれる。本明細書で用いる「ポリマー」は、下記の方法で連結される、例えば100個以上、150個以上、200個以上、250個以上、500個以上、1000個以上の一般式Iの化合物を指す。] [0062] [00110]本明細書で用いるオリゴマー又はポリマーでは、一般式Iの化合物は互いに連結されて巨大分子構造を形成し、それは環化されてもよい。] [0063] [00111]例えば、本明細書で記載される三量体には、1,3,5−トリス(4−メチル−イミダゾリウム)に連結しているシクロファン又は薬学的に許容されるその塩(TDBZIM)が含まれる。] [0064] [00112]巨大分子構造では、存在するあらゆる一般式Iの化合物のオリゴマー又はポリマーに存在する関連置換基を有するよりも、一般式Iの2つの化合物は、1つ又は複数のR1、R2、R5、R6又はR7置換基が二価であり、したがって2つの化合物で共有されるように連結されてもよい。例えば、そのような二量体では、2つの化合物は共有二価R1置換基によって連結されてもよく、したがって完全な二量体では、一般式Iの2つの化合物のためにR1置換基が1つだけ出現する。] [0065] [00113]したがって、一般式Iの化合物は、R1、R2、R5、R6又はR7などの二価置換基を通して、互いに連結されてもよい。例えば、2つの化合物が共有R5置換基を通して連結されるように、一般式Iの1つの化合物の上のR5置換基は、一般式Iの第2の化合物の上のR5であることもできる。同様にオリゴマー又はポリマーは、共有されるR1、R2、R5、R6又はR7置換基を通して化合物を連結することによって形成することができる。例えば、本記載の二量体には、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウムブロミド)−ピリジン又は薬学的に許容されるその塩(IBN−22)が含まれる。] [0066] [00114]上に述べたような置換基の共有には、それらの環炭素と一緒に縮合環系を形成する2つの置換基の共有を含めることができる。したがって、例えば、R1及びR2がそれらの環炭素と一緒に式Iの第1の化合物の上で環系を形成する場合、環の中の追加の炭素は、一般式Iの第2の化合物からの環炭素になる。例えば、本記載の二量体には、ベンゾ(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ジ−ブロミド又は薬学的に許容されるその塩(IBN−29)が含まれる。] [0067] [00115]或いは、2つの化合物を連結してオリゴマー又はポリマーを形成するために、R1、R2、R5、R6又はR7の1つ又は複数などの置換基を第2の化合物の上の別のそのような置換基に結合することができ、したがって、オリゴマー又はポリマー中の一般式Iの各化合物について、関連する連結置換基が1つ出現する。1つ又は複数の共有される二価R1、R2、R5、R6又はR7置換基によって、一般式Iに入る複数の化合物をこの方法で結合すること(オリゴマー形成)ができる。例えば、そのような二量体には、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウムブロミド)−1,1’−ビナフタレン又は薬学的に許容されるその塩(IBN−23)が含まれる。] [0068] [00116]さらに、一般式Iの2つの化合物は、一般式IのR7が結合するそれぞれの炭素原子の間の単結合又は二重結合によって結合して、二量体を形成することができる。これらの分子には、例えば、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール又は薬学的に許容されるその塩(化合物H)が含まれる。] [0069] [00117]オリゴマー化又はポリマー化化合物は、一般式Iのすべての置換基が各オリゴマー化又はポリマー化化合物において同じであるように同じ化合物であるか、又は、化合物の間で1つ又は複数の置換基が異なるように異なってもよいが、但し、共有される二価置換基(複数可)は、二価置換基が共有される化合物においては明らかに同じである。] [0070] [00118]表1は、本明細書で記載されるIMSの特定の例の名称及び構造を含む。] [0071] [00119]特定の実施形態では、本発明の化合物は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ビスベンジルイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリウム、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ジアリルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−アダマンチル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウム、2−ベンジルイミダゾ[1,5−a]キノリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)−ベンゾイミダゾリウム、1,3−ジシクロヘキシルベンゾイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリニウムテトラフルオロボレート、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、2−メシチル−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、2−メシチル−2,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−4−イウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリニウム、1−ブチル−3−(2−ピリジニルメチル)−1H−イミダゾリウム、6,7−ジヒドロ−2−ペンタフルオロフネイル−5H−ピロロ[2,1−c]−1,2,4−トリゾリウム、又は薬学的に許容されるその任意の塩であってもよい。] [0072] [00120]特定の実施形態では、本発明の化合物は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1,3−ビスベンジルイミダゾリウムブロミド(DBZIM)、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(DPIM)、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリニウムテトラフルオロボレート(DBIM)、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリウムテトラフルオロボレート(AMIM)、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウムクロリド(TMPHIM)、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−イミダゾリニウムクロリド(DPPHIM)、1,3−ジアリルイミダゾリウムブロミド(化合物D)、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムブロミド(化合物E)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(化合物G)、1−(1−アダマンチル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウムクロリド(化合物S1)、2−ベンジルイミダゾ[1,5−a]キノリニウムクロリド(化合物S2)、1,3−ビス(1−アダマンチル)−ベンゾイミダゾリウムクロリド(化合物S3)、1,3−ジシクロヘキシルベンゾイミダゾリウムクロリド(化合物S6)、1,3−ジイソプロピルイミダゾリニウムテトラフルオロボレート(化合物S7)、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムクロリド(化合物S8)、2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウムヘキサフルオロホスフェート(化合物S9)、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウムクロリド(化合物S10)、2−メシチル−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウムクロリド(化合物S11)、2−メシチル−2,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−4−イウムクロリド(化合物S12)、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリニウムテトラフルオロボレート(化合物S13)、1−ブチル−3−(2−ピリジニルメチル)−1H−イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(化合物S14)、6,7−ジヒドロ−2−ペンタフルオロフネイル−5H−ピロロ[2,1−c]−1,2,4−トリゾリウムテトラフルオロボレート(化合物S15)であってもよい。] [0073] [00121]一般式Iの化合物には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−(2−ヒドロキシルエチル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−イソシアナトベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−カルボキシルベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−カルボキシルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−2−メチル−イミダゾリウム、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−5−フェニルイミダゾリウム、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、1−ベンジル−3−(2−プロピン−1−イル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3−ヒドロキシル−プロピル)−イミダゾリウム、1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾリウム、1,3,5−トリス−(4−メチル−イミダゾリウム)−linkedシクロファン、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1−ベンジル−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−シアナトベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−カルボキシベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、及び1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその任意の塩を含む新規化合物が含まれる。] [0074] [00122]一般式Iの化合物には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−メチル−3−(2−ヒドロキシルエチル)−イミダゾリウムブロミド(IBN−2)、1−メチル−3−(4−イソシアナトベンジル)−イミダゾリウムクロリド(IBN−3)、1−メチル−3−(4−カルボキシルベンジル)−イミダゾリウムブロミド(IBN−4)、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウムクロリド(IBN−6)、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウムブロミド(IBN−8)、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウムクロリド(IBN−9)、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウムブロミド(IBN−15)、1−ベンジル−3−(4−カルボキシルベンジル)−2−メチルイミダゾリウムクロリド(IBN−17)、1−ベンジル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−メチルイミダゾリウムクロリド(IBN−18)、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウムクロリド(IBN−19)、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−2−メチル−イミダゾリウムクロリド(IBN−20)、1−ベンジル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−2−メチル−イミダゾリウムブロミド(IBN−21)、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウムブロミド)−ピリジン(IBN−22)、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウムブロミド)−1,1’−ビナフタレン(IBN−23)、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウムクロリド(IBN−24)、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウムクロリド(IBN−25)、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウムブロミド(IBN−26)、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウムブロミド(IBN−27)、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−5−フェニルイミダゾリウムクロリド(IBN−28)、ベンゾ(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−,ジ−ブロミド(IBN−29)、1−ベンジル−3−(2−プロピン−1−イル)−イミダゾリウムブロミド(IBN−30)、1−ベンジル−3−(3−ヒドロキシル−プロピル)−イミダゾリウムブロミド(IBN−31)、1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウムブロミド(IBN−32)、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−イミダゾリウムクロリド(IBN−33)、1−ベンジル−3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾリウムブロミド(IBN−34)、1,3,5−トリス−(4−メチル−イミダゾリウム)−linkedシクロファン・3Br(TDBZIM)、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール(化合物H)、1−ベンジル−3−メチル−イミダゾリウムブロミド(化合物12)、1−(4−シアナトベンジル)−3−メチル−イミダゾリウムクロリド、1−(4−カルボキシベンジル)−3−メチル−イミダゾリウムブロミド、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウムクロリド、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウムブロミド、及び1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウムクロリドを含む新規化合物が含まれる。] [0075] [00123]一般式Iの化合物並びにそのオリゴマー及びポリマーは、市販されているか、下に示す実施例に記載のように通常の化学変化を用いて合成することができる。合成方法は、Harlowら1996、Zhangら2007、Chianese及びCratree2005並びにBoydstonら2005にも記載されている。] [0076] [00124]したがって、抗線維症剤又は抗癌剤を細胞に送達する方法であって、一般式Iの化合物、薬学的に許容されるその塩又はそのオリゴマー若しくはポリマーの有効量と、細胞を接触させることを含む方法が現在提供される。] [0077] [00125]本明細書で用いる場合、抗線維症剤又は抗癌剤を細胞に「送達する」ことは、その剤が細胞に対してその抗線維症効果又は抗癌効果を発揮することができるように、細胞に十分近接して剤を提供することを指す。例えばインビトロでは、剤を細胞培地に加えることによって剤を細胞に送達することができる。例えばインビボでは、剤を医薬組成物として対象に投与することによって剤を送達することができる。] [0078] [00126]本明細書で用いる場合、細胞を「接触させる」ことは、細胞との直接的及び間接的な接触を指す。直接的接触とは、剤と細胞との間の直接相互作用を指す。対照的に、間接的接触は、他の分子又は化合物との相互作用を通して「細胞を接触させる」ことを含む。例えば、剤は分子と相互作用して、それに細胞と相互作用させるか、又は別の分子と相互作用させ、それが次に細胞と相互作用して効果を発揮させる、その分子内の変化に影響を及ぼすことができる。間接的接触は、細胞に対する影響をもたらす一連の分子相互作用を含むことができる。] [0079] [00127]本明細書で用いる抗線維症剤は、線維症疾患に関連する分子、機構又は影響を変化させるか、減少させるか、阻害する化合物を指す。例えば、剤は抗炎症剤又は抗酸化剤であってもよく、アポトーシスを誘導すること、TGF−β、NF−κB若しくはIL−6などの線維形成性媒介物質の活性を変化させるか、減少させるか、阻害すること、又は細胞の増殖性、線維形成性、収縮性若しくは炎症誘発性の応答を中和することができる。いかなる特定の理論にも限定されることなく、抗線維症剤は、以下のことによって線維症疾患を減少させるか阻害することができる。(a)星状細胞などの線維症疾患に関与する細胞の活性化の刺激を回避するために炎症を減らすこと、(b)線維症疾患に関与する細胞の活性化を直接に下方制御すること、(c)線維症疾患に関与する細胞の増殖性、線維形成性、収縮性又は炎症誘発性の応答を中和すること、(d)例えばBcl−xL又はFasなどの、アポトーシスを誘導すること、又は(e)ECM分解を誘導すること。] [0080] [00128]本明細書で用いる抗癌剤は、癌に関連する分子、機構又は影響を変化させるか、減少させるか、阻害する化合物を指す。例えば、剤は抗炎症剤又は抗酸化剤あってもよく、アポトーシスを誘導すること、異常な細胞増殖を阻害すること、細胞増殖を阻害すること、DNA突然変異を阻害すること又は、サバイビン、カスパーゼ9、カスパーゼ3、Bcl−XL、Bak、BAX、ATM、p53、Cdc25A、Cdc2、SESN2及びAP−1などの癌に関連する分子の活性又は活性のレベルを改変することができる。] [0081] [00129]抗線維症剤又は抗癌剤が提供されるべき細胞は、インビトロの細胞、培養細胞又は対象内のインビボ細胞を含む任意の細胞であってもよい。本明細書で用いる用語「細胞」は、特に明記しない限り、状況次第で単一の細胞、複数の細胞又は細胞集団を指し、且つそれらを含む。細胞は、対象から外植される細胞を含むインビトロの細胞であってもよく、又は、それは対象内のインビボ細胞であってもよい。同様に、「細胞」への言及は、特に明記しない限り、状況次第で単一の細胞への言及も含む。] [0082] [00130]細胞は、任意の生物体、例えば昆虫、細菌を含む微生物、又はヒトを含む哺乳動物を含む動物に由来してもよい。] [0083] [00131]本方法の細胞は、線維症疾患若しくは癌を有する対象内、線維症疾患若しくは癌の治療を必要とする対象内、又は線維症疾患若しくは癌の予防が望まれる対象内にあってもよい。一部の実施形態では、対象はヒト対象である。] [0084] [00132]線維症疾患は、過剰な線維組織の発達又は器官若しくは組織の細胞外マトリックスの過剰生産によって特徴づけることができるかそれによって引き起こされることがある状態を指すものと当分野の技術者によって理解され、それには、例えば肝臓線維症、腎臓線維症、肺線維症、骨線維症、全身性硬化症、混合性結合組織を含めることができる。線維症疾患のさらなる例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2007/0043016号で提供される。] [0085] [00133]本方法の一実施形態では、抗線維症剤は、肝臓線維症を有する対象の細胞に送達されてもよい。化合物は、例えば1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0086] [00134]熟練者は、細胞が異常な細胞増殖及び近くの組織に侵入する能力を示す疾患クラスを癌が包含することを理解する。癌の一部の形態では、異常な細胞は、体の他の場所に広がることもできる。異なる型の癌には、例えば、乳癌、結腸直腸癌、脳癌、前立腺癌、子宮頸癌、卵巣癌、骨癌、皮膚癌、肺癌、膵臓癌、膀胱癌、胆嚢癌、腎臓癌、食道癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、喉頭癌、白血病、多発性骨髄腫、口内癌、胸膜中皮腫、小腸癌、精巣癌、子宮癌、甲状腺癌及び胃癌が含まれる。] [0087] [00135]本方法の一実施形態では、抗癌剤は、肝細胞癌、肺癌、乳癌、胃癌又は膠腫を有する対象の細胞に送達されてもよい。化合物は、例えば1,3−ビスベンジルイミダゾリウム、1,3,−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウム,1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム又は1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩であってもよい。] [0088] [00136]本明細書で用いる用語「有効量」は、所望の結果を達成するのに、例えば線維症疾患又は癌を治療するのに必要な投薬量及び期間の、有効な量を意味する。投与されるIMSの総量は、障害の程度及びタイプ、投与様式並びに対象の年齢及び健康を含むいくつかの因子によって異なる。線維症疾患又は癌を治療するための特定のIMSの有効量を決定する方法は、当分野の技術者に容易に明らかとなる。] [0089] [00137]線維症疾患又は癌を「治療すること」は、臨床上の結果を含む有益であるか所望の結果を得るための手法を指す。有益であるか所望の臨床上の結果には、1つ又は複数の症状若しくは状態の緩和又は改善、障害若しくは疾患の程度の縮小、疾患の状態の安定化、障害若しくは疾患の発達の予防、障害若しくは疾患の広がりの予防、障害若しくは疾患の進行の遅延又は緩徐化、障害若しくは疾患の開始の遅延又は緩徐化、障害若しくは疾患の状態の改善又は緩和、及び寛解(部分的又は全体的)を含めることができるが、これらに限定されない。「治療すること」は、治療不在下で予想されるものを越えて対象の生存期間を長くすることを意味することもできる。「治療すること」は、障害若しくは疾患の進行を阻害すること、障害若しくは疾患の進行を一時的に遅くすることを意味することもできるが、より好ましくは、それは障害若しくは疾患の進行を恒久的に停止させることを含む。] [0090] [00138]投与を助けるために、IMSを医薬組成物の成分として製剤化してもよい。組成物は、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、防腐剤及び様々な適合する担体又は希釈剤を含むことができる。] [0091] [00139]薬学的に許容される担体の割合及び素性は、選択される投与経路、IMS分子との適合性及び標準の製薬業務を含む様々な因子に依存する。一般に、医薬組成物は、IMSの生物特性をあまり損なわない成分で製剤化される。] [0092] [00140]適する媒体及び希釈剤は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、PA.、2006)に記載されている。適する医薬組成物の調製方法は、当分野の技術者に分かるであろう。] [0093] [00141]当分野の技術者によって理解されるように、医薬組成物は、選択される投与経路によって様々な形態で対象に投与することができる。本発明の組成物は、例えば経口投与によって、外科的に、又は所望部位への注射によって投与することができる。] [0094] [00142]異なる実施形態では、組成物は、所望の部位、例えば治療すべき線維症疾患又は癌の近くにおける直接的注射(皮下、静脈内、筋内など)によって投与される。] [0095] [00143]用いられる医薬組成物の用量は、治療される特定の線維症疾患又は癌障害、状態の重症度、年齢、身体状態、サイズ及び重量を含む個々の患者のパラメータ、治療期間、併用療法(ある場合)の性質、特定の投与経路、及び医療臨床医の知識及び専門知識の範囲内である他の類似した因子によって決まる。これらの因子は当業者に公知であり、最小限の通常の実験で対処することができる。] [0096] [00144]医薬組成物を様々な剤形で提供することができ、したがって、異なる実施形態において、IMSを例えばピル、錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、粉末及び注射を含む異なる剤形で投与することができることが理解されよう。異なる剤形を調製し、投与するための従来の手順及び成分は、当業者に分かるであろうし、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences(Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、PA.、2006)に記載されている。] [0097] [00145]インビボで細胞に抗線維症剤又は抗癌剤を送達するための、及びインビボで細胞に抗線維症剤又は抗癌剤を送達するための医薬の調製における、一般式Iの構造を有する化合物、薬学的に許容されるその塩、又はそのオリゴマー若しくはポリマーを含む本明細書で記載のIMSの使用も企図される。] [0098] [00146]本方法のIMSは、多数の分子機構を通して機能することができる抗酸化特性の結果として、それらの抗線維症効果及び抗癌効果を発揮することができる。一般に抗酸化剤は、主に下記3つの異なる経路によってそれらの効果を発揮する。(1)代謝及び免疫応答の間に生成される細胞のフリーラジカルROSの中和、(2)内因性抗酸化酵素活性の誘導、及び(3)ヒドロキシル基の生成を触媒する鉄又は銅イオンのキレート化。いかなる特定の理論にも限定されることなく、IMSの抗酸化特性は、少なくとも一部、ラジカルスカベンジャーとしてのそれらの活性のために生じるようである。IMSによるフリーラジカルの中和は、(1)好ましくは塩基性条件下でのIMSからNHCへの自然発生の変換、(2)中間体活性ラジカルの形成及びフリーラジカルの中和をもたらす、NHCの炭素2位置でのROSなどのフリーラジカルとの相互作用を含む一連の化学反応の後に起こることができるようである。] [0099] [00147]本発明者らは、本明細書で記載されるIMSが抗炎症特性も示すことを発見した。いかなる特定の理論にも限定されることなく、IMSの二重の抗酸化特性及び抗炎症特性は、少なくとも一部、酸化的ストレスと炎症との間の相互作用に帰することができる。例えば、肝臓線維症の治療では、本明細書で定義されるIMS化合物の抗炎症効果は、HSC活性化を、したがってそれから生じる炎症誘発性サイトカインの生成を阻害するIMSの抗酸化特性に帰することができると仮定される。同様に、いかなる特定の理論にも限定されることなく、IMSによる炎症媒介物質IL−6の阻害は、炎症性サイトカインの分泌の重要な調節因子である転写因子NF−κBの活性化を抑制する、IMSの抗酸化特性に一部帰することができる。] [0100] [00148]それらの抗酸化特性及び抗炎症特性に加えて、IMSは線維症疾患及び癌の治療で有用である他の効果を示すことができる。抗酸化剤は、アポトーシスを誘導する特性も有することが見出されている。例えば緑茶抽出物EGCGは、培養細胞株及び異種移植モデルでヒト肝細胞癌のアポトーシスを誘導する(Nishikawaら2006)ことを示し、天然の抗酸化剤であるニンニク抽出物も、酸化的ストレスを誘導することによってヒトグリア芽細胞腫細胞(Dasら2007)及び結腸癌細胞(Jakubilovaら2006)でアポトーシスを誘導することが示されている。] [0101] [00149]いかなる特定の理論にも限定されることなく、IMSはアポトーシスの誘導及び細胞周期の停止を通しての細胞増殖の阻害によって、癌の治療で有効であることができるようである。例えば、IMSは、例えばサバイビン、カスパーゼ9、カスパーゼ3、Bcl−XL、Bak、BAX、ATM、p53、Cdc25A、Cdc2、SESN2及びAP−1を含む、アポトーシス及び細胞周期に関与する分子の活性及び発現を増加又は減少させることによって、アポトーシス及び細胞周期停止を誘発することができる。] [0102] [00150]本方法及び化合物を、以下の非限定的実施例を通してさらに例示する。] [0103] [00151] [実施例] [00152]材料及び方法 [00153]IMSの抗酸化、抗炎症及び抗線維症特性] [0104] [00154]IMSの合成及び特性評価 [00155]DBZIM、TDBZIM及びDBZBIMは、社内で合成した。DPIM、DBIM、AMIM、TMPHIM及びDPPHIMは、Sigma Chemicals(USA)から購入した。DBZIM(1,3−ビスベンジルイミダゾリウムブロミド)、DBZBIM(1,3−ビスベンジル−ベンゾイミダゾリウムブロミド又は1,3−ジベンジル−ベンゾイミダゾリウムブロミド)及びTDBZIM(1,3,5−トリス(4−メチル−イミダゾリウム)に連結したシクロファン・3Br)の化学構造を、表1に例示する。DBZIM及びDBZBIMは、文献(Harlowら1996)に開示の方法を用いて合成した。TDBZIMは、反応バイアル内の200mlのN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)中で4−メチルイミダゾール(123mg、1,5mmol)及び2,4,6−トリス(ブロモメチル)メシチレン(400mg、1mmol)を混合することによって合成した。反応混合液を、2日間100℃に加熱した。TDBZIMの無色結晶を沈殿させ、40%の収率(160mg)で収集した。核磁気共鳴を行い、以下の結果を得た。1H核磁気共鳴(NMR)(400MHz、CD3OD):δ7.77(s、1H)、5.53(s、2H)、5.41(s、2H)、4.60(s、1H)、2.55(s、3H)、2.19(s、6H);13C NMR(100MHz、CD3OD):δ143.49、136.27、131.73、131.54、123.45、67.06、16.35、9.57。TDBZIM(C36H45Br3N6)の元素分析は、以下の結果を与えた。C、53.21;H、5.88;N、10.12(計算値C、53.95;H、5.66;N、10.49)。] [0105] [00156]一次HSC単離及びHSC−T6株 [00157]ウィスターラット肝臓からの一次HSCの単離を、主に過去の報告書(Weiskirchenら2005)で提供されている方法に従って実施した。簡潔には、肝細胞除去の後の細胞懸濁液の上清を洗浄し、9.5mlのGeyの均衡塩溶液(GBSS)で再懸濁し、GBSS中の8mlの28.7%(w/v)Histodenzと混合した。6mlのGBSSの下に細胞懸濁液を置くことによって勾配を調製し、Histodenz勾配において1400×gで20分間遠心分離した。星状細胞は、Histodenz溶液及び水性緩衝液の界面の直上のファジーバンドに分離した。星状細胞バンドを収集、洗浄し、1ウェルにつき1×106個の細胞を6ウェル培養プレートの10%ウシ胎児血清(FBS)を加えたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に播種した。HSCの生存度はトリパンブルー排除染色による判定で>95%であり、HSCの純度は計数した200個を超える細胞でのグリア原線維酸性タンパク質(GFAP)ポジティブ染色による調査で>90%であった。一次HSCは37℃の加湿CO2インキュベータ内で、10%FBSを含有するDMEMで通常の方法によって培養し、それらが集密まで増殖したときにトリプシン処理(0.05%トリプシン/0.53mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA))によって1:4の比に分割した。HSC−T6細胞株は、Mount Sinai School of Medicine、New YorkのScott Friedman博士が快く提供された。既報(Maubachら2006)のように、安定したT6/GFAP−LacZクローン細胞株が確立された。HSC−T6及びT6/GFAP−LacZ細胞は、一次HSCと同じ条件で培養した。] [0106] [00158]IMSによる細胞処理 [00159]IMSの保存溶液を、それらの溶解性によってジメチルスルホキシド(DMSO)又はH2Oで調製した。培地中の最終DMSO濃度は、0.2%(v/v)以下に維持した。NACはMerck KGaA(Germany)から得、EGCGはSigmaから購入し、さらなる精製なしで直接用いた。先ず細胞を細胞培養プレート又はフラスコ内の10%FBSを加えたDMEMに18〜24時間播種し、その後、様々な濃度の化合物を異なる時間加えた。各処理の詳細を、図の凡例で見ることができる。] [0107] [00160]細胞のROS判定 [00161]処理されたHSC−T6細胞のROSレベルは、ジクロロフルオレセイン(DCF)標識法(Molecular Probes Inc.、OR、USA)を用いて判定した。培養した細胞をトリプシン処理によって収集し、無フェノールレッドDMEM(Invitrogen)に再懸濁した。次に細胞をDMEM中の10μg/mlの2’,7’−ジクロロ−フルオレセイン二酢酸(DCFH−DA)と15分間インキュベートし、その後アッセイのためにDMEMに再懸濁した。細胞溶液を黒壁の96ウェルプレートに3反復で注入し、Tecan Safire IIプレートリーダーによりEx=485nm及びEm=530nmで蛍光を読み取った。蛍光単位は、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTTアッセイ、Promega、WI、USA)を用いて測定した、生存細胞数に対して正規化した。細胞のROSレベルは、対照試料と比較して表した。] [0108] [00162]グルタチオン(GSH)及びGSH/グルタチオンジスルフィド二量体(GSSG)アッセイ [00163]総細胞GSH及びGSSGレベルは、Cayman Chemical(Ann Arbor、MI、USA)からのアッセイキットを、製造業者の指示に従って用いて測定した。簡潔には、DBZIM、TDBZIM、NAC又はEGCGで処理したHSC−T6細胞を剥離し、60%周波数の超音波処理によってリン酸緩衝食塩水(PBS)で30秒間ホモジナイズし、4℃で10分間の16,000×gによる遠心分離の後上清を収集した。試料のタンパク含有量は、ビシンコニン酸(BCA)アッセイで測定した。] [0109] [00164]GSHアッセイのために、タンパク質試料をメタリン酸(Aldrich、カタログNo.23927−5)によって脱タンパクし、マニュアルに従ってpHをトリエタノールアミン(Aldrich、カタログNo.T5830−0)で調節した。試料は、還元形態及び酸化形態の両方を含む総GSHの分析の準備ができた。最初にGSHを2−ビニルピリジンで誘導体化し、別々に分析することによって、GSHを除くGSSGの定量化を実施した。Tecan Safire IIプレートリーダーを用いて、比色シグナルを405nmで記録した。GSH又はGSSGのレベルは、nmol/μgのタンパク質として測定した。] [0110] [00165]グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、カタラーゼ(CAT)及びスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)アッセイ [00166]3つの抗酸化酵素、GPx、CAT及びSODの活性レベルを、Cayman Chemicalからのアッセイキットを用いて測定した。GPx及びCAT活性を試験するために、1mMのEDTAを含む氷冷PBSにタンパク質試料を収集した。SOD活性を試験するために、1mMのエチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、210mMのマンニトール及び70mMのショ糖を含む、20mMのN−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液でタンパク質試料を調製した。タンパク含有量は、BCAアッセイで測定した。] [0111] [00167]GPx活性は、GSHレダクターゼによる共役反応によって間接に測定した。GPxによるH2O2の還元後に生成される酸化されたGSHは、グルタチオンレダクターゼ(GR)及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)によってその還元状態に再循環される。NAPDHの酸化はGPx活性に比例し、340nmにおける吸光度の低下として測定することができる。GPx活性は、nmol/分/mgのタンパク質として表した。] [0112] [00168]CAT活性は、H2O2存在下での酵素とメタノールとの反応に基づいて測定した。生成したホルムアルデヒドは、色素原としてPurpaldを用いて540nmで分光測光法により測定した。CAT活性は、nmol/分/mgのタンパク質として表した。] [0113] [00169]全3種類のSOD(Cu/Zn−、Mn−及びFe−SOD)を含む総SODは、キサンチンオキシダーゼ及びハイポサンチン(hyposanthine)によって生成されたスーパーオキシドラジカルを検出するためにテトラゾリウム塩を用いて定量した。1単位のSODは、スーパーオキシドラジカルの50%のジスムテーションを示すために必要とされる酵素の量と定義された。SOD活性は、U/mgのタンパク質として表した。] [0114] [00170]グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)アッセイ [00171]第II相抗酸化酵素GSTの活性は、Cayman Chemicalからのキットを用いて分析した。1mMのEDTAを含むPBS緩衝液でタンパク質試料を収集し、タンパク質濃度をBCAアッセイで測定した。総GST(サイトゾル及びミクロソーム)活性は、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン(CDNB)と還元型GSHとのコンジュゲーションを測定することによって分析し、340nmにおける吸光度の増加によって監視した。GST活性は、nmol/分/mgのタンパク質として表した。] [0115] [00172]総RNAの単離及びリアルタイムRT−PCR [00173]総RNAはNucleoSpin RNAII単離キット(Nacherey & Nagel、Germany)を用いて単離し、ND−100分光光度計(Nanodrop Technologies、DE、USA)によって定量した。リアルタイムRT−PCRの詳細は、他で報告された(Zhangら2006)。簡潔には、Taqman化学を用いる二段階リアルタイムRT−PCRであった。総RNAは、先ずcDNAに逆転写し、リアルタイムPCRを実行し、ABI7500高速リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems、CA、USA)で検出した。ラットGFAP、SMAA、コラーゲンIa1、フィブロネクチン、TGF−β1、TGF−β受容体I(TGFβRI)及びIL−6のためのプライマー及びプローブは、Taqmanのアッセイ−オン−デマンドデータベースに注文した。ラットβ−アクチンを正規化遺伝子として用い、その発現レベルは、この試験の実験設定を通じて一定であった(CT差は<±0.5であった)。標的mRNAの相対的定量化は、比較閾値サイクル法(ΔΔCT)をUser Bulletin#2(ABI Prism 7700 Sequence Detection System)に記載のように用いて計算した。相対的定量化は、対照と比較して処理下での標的遺伝子の上方制御又は下方制御を表す、2−ΔΔCTによって与えられた。] [0116] [00174] ウェスタンブロット法 [00175]タンパク質抽出物は、GFAPのためには沸騰させた10容量の1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(90〜95℃)中で細胞ペレットを10分間溶解することによって、又は核タンパク質のためのPierce(IL、USA)からのNE−PER核及び細胞質抽出試薬若しくはSMAA、フィブロネクチン、コラーゲンαI(I)、TGF−β1及びTGFβRIのためのRIPA(Pierce、IL、USA)を用いることによって調製した。タンパク含有量は、BCAキット(Pierce、IL、USA)を用いて定量した。15μgの総タンパクを4〜12%勾配SDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)ゲルに溶解し、ニトロセルロース膜に移した。次に膜を、GFAP(Dako、Denmark)、SMAA(Sigma、USA)、プロコラーゲンαI(I)、フィブロネクチン、c−Jun、c−Fos、JunB、JunD、Fra−1、Fra−2(Santa Cruz Biotechnology、CA、USA)、NF−κB P65、TGF−β1及びTGFβ RI(Abcam、UK)に対する一次抗体で精査し、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体(Santa Cruz Biotechnology、CA、USA)によって検出した。フィブロネクチン及びcol1a1のブロッティングのために、タンパク質抽出物を3〜8%トリス−アセテートゲルで分離した。タンパク質バンドは、ECL化学発光試薬(Amersham Biosciences、NJ、USA)と反応させることによって、X線フィルムに記録した。αチューブリン(Abcam、UK)を総タンパクのための負荷対照として用い、Tata結合性タンパク質(TBP)(Abcam、UK)を核タンパク質のための負荷対照として用いた。] [0117] [00176]β−ガラクトシダーゼ活性の定量化 [00177]DBZIM又はTDBZIMによって処理されたT6/GFAP−lacZ細胞からの抽出物中のβ−ガラクトシダーゼ活性は、96ウェルプレートフォーマットで化学発光アッセイキット(Roche、Mannheim、Germany)を製造業者の指示通りに用いて測定した。簡潔には、細胞を氷冷1×PBS(pH7.4)で2回洗浄し、溶解緩衝液中で、室温で30分間溶解した。Tecan Safire IIプレートリーダーによるアッセイのために、上清を収集した。タンパク質濃度は、BCAタンパク質アッセイキット(Pierce、IL、USA)で測定した。特異的β−ガラクトシダーゼ活性は、総細胞タンパク含有量に対して正規化することによって得られた。] [0118] [00178]マウスにおけるIMSの一般毒性 [00179]IMS(DPIM及びDBZIM)を生理食塩水に溶解し、フレンドウイルスB型(FVB)マウス(約25〜30g重)に2週間の間隔日、腹腔内投与した。投薬量は、DPIMについては0、200、300、350、400及び500mg/kg、DBZIMについては0、10、30、35、40及び55mg/kgであった。注射容量は、100〜160μlに維持した。処理の後、マウスの死亡率を評価した。動物実験プロトコルは、Biopolis、SingaporeにあるBiological Resource Center(BRC)のInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)に承認された。] [0119] [00180]統計分析 [00181]すべての定量結果を、平均値及び平均値の標準誤差(SEM)で示した。実験データは、不均等な分散を仮定してスチューデントの両側t検定を用いて分析した。≦0.05のP値は、統計的に有意であるとみなした。] [0120] [00182]マウスの肝臓線維症に対するIMSの効果 [00183]肝臓毒素チオアセタミド(TAA)モデルについては、マウスで肝臓線維症を誘導するために、TAAを体重1kgにつき200mgの腹腔内注射によって週3回、12週間与えた。胆管結紮モデル(BDL)については、ケタミン(150mg/kg)/キシラジン(10mg/kg)による腹腔内注射を通して成体マウスに麻酔をかけた。中央線の開腹手術を行って総胆管を曝露させ、次にそれを5−0の絹糸縫合により結紮した。対照動物では、胆管を曝露させるが、結紮しない。DBZIM又はDPIMは、1〜1000mg/リットルの濃度で飲料水に含ませてマウスに与えた。線維症肝臓のコラーゲン含有量は、肝臓組織切片のシリウスレッド染色によって調査した。] [0121] [00184]BDLによって誘導された肝臓線維症に対するDPIMの効果に関して、追加の研究を実施した。DPIMは、Sigma Chemicals(St.Louis、MO、USA)から購入した。] [0122] [00185]マウス及び化合物投与 [00186]12時間の明暗周期で、特定病原体未感染(SFP)設備で飼育され、水及び食事を自由摂取させた雄FVB/Nマウス(8〜10週齢)を試験で用いた。動物実験プロトコルは、SingaporeのBiomedical Research Council(BMRC)のInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)に承認された。] [0123] [00187]胆汁うっ滞線維症を、BDLによって誘導した。簡潔には、マウスをケタミン(150mg/kg)及びキシラジン(10mg/kg)の腹腔内注射によって麻酔をかけ、中央線開腹の後、総胆管を5−0の絹糸縫合で2回結紮した。胆管を二重結紮しなかったことを除き、疑似手術を同様に実施した。実験マウスを4群に分けた。1)対照のみ(疑似手術をしたがBDLはなし)、2)対照+DPIM、3)BDLだけ、4)BDL+DPIM。各群は、6〜8匹のマウスからなる。処理のためのDPIM化合物は、それぞれ500mg/l、750mg/l、1g/lの3つの濃度で飲料水に入れて与えた。DPIMを含有する飲料水は、毎週交換した。平均して、各マウス(正常であるか手術された)は、約3〜4mlの真水又はDPIMを含有する水を毎日飲んだことが観察された。NMR分析による試験も実施し、DPIMが室温条件で少なくとも2週間、水中で安定であることが確認された。化合物による処理は、動物がBDL処置から回復した後の3日目に開始した。4週間後に、肝臓をマウスから取り出し、10%ホルマリンで固定し、その後パラフィンで包埋した。] [0124] [00188]肝酵素の測定 [00189]血清を眼窩後法によって収集し、Cobase c 111(Roche diagnostic)による自動手順で血清アラニントランスアミナーゼ(ALT)活性を測定した。] [0125] [00190]シリウスレッドによるコラーゲン染色 [00191]コンシステンシーについては、コラーゲン量を視覚化するために、左及び中央の葉から調製したパラフィン切片をシリウスレッドで染色した。簡潔には、ワックス除去、再水和、自然乾燥の後、切片を0.1%シリウスレッド溶液で1時間染色し、0.5%酢酸で2回洗浄し、次にエタノールを3回交換して脱水し、最後に切片をキシレンで透明にし、Histomount(National diagnostics、Georgia、USA)でマウントした。それぞれ左及び中央の各葉について、コラーゲンの染色領域を低倍率(4×)の下で少なくとも6つの独立視野で測定し、Image Jソフトウェアで定量化した。] [0126] [00192]統計分析 [00193]特に明記しない限り、全表示画像は、6〜8匹のマウスを代表する。すべての定量データは、平均値±SEで表し、異なる処理群の間の差は、対応のないスチューデントの両側t検定によって分析し、0.05未満のP値は、統計的に有意であるとみなした。] [0127] [00194]肝細胞癌及び他の腫瘍細胞に対するDBZIMの効果 [00195]DBZIM(1,3−ビスベンジルイミダゾリウムブロミド)は、公開された方法(Harlowら1996)に基づいて合成した。] [0128] [00196]細胞培養及び化合物による処理 [00197]ヒト肝細胞癌細胞株。HLE(未分化細胞株)及びHepG2(分化細胞株)は、JCRB(Japanese Collection of Research Bioresources)から購入した。ヒト胃癌細胞株AGS及びMKN28、肺癌細胞株H1299、乳癌細胞株MCF−7、グリオーマ細胞株U87 MG及びC6のすべては、ATCCから購入した。細胞株は、37℃の加湿CO2インキュベータ内で、10%FBSを含有するDMEMで通常の方法によって培養し、それらが集密まで増殖したときにトリプシン処理(0.05%トリプシン/0.53mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA))によって1:4の比に分割した。 [00198]DBZIMの保存溶液は、水で調製した。先ず細胞を細胞培養プレート又はフラスコ内の10%FBSを加えたDMEMに18〜24時間播種し、その後、様々な濃度の化合物を異なる時間加えた。各処理の詳細を、図の凡例で見ることができる。] [0129] [00199]DNA含量分析 [00200]96ウェルプレートで増殖させたHLE細胞を、6反復により化合物で24時間処理した。次に細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、DAPIで染色した。細胞は、ArrayScanVTI HCSリーダー(Thermal Scientific、PA、USA)で分析、画像化し、DNA含量(2N対4N)は、DAPI染色に基づいて測定した。] [0130] [00201]細胞増殖アッセイ [00202]HLE細胞を増殖させ、96ウェルプレートにおいて6反復により化合物で48時間処理した。次に細胞を4%パラホルムアルデヒドによって固定し、Hitkit(Thermo Scientific、IL、USA)を用いてDAPI及びBrdU抗体で染色した。細胞は、ArrayScanVTI HCSリーダー(Thermal Scientific、PA、USA)で画像化、分析した。核染色に基づいて細胞数を計数し、BrdUの取込みを測定して、陽染性細胞の割合で表した。] [0131] [00203]グリオーマ細胞株の増殖。DBZIM処理下のU87 MG及びC6を、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)に基づく増殖アッセイキット(Promega、WI、USA)を用いて調べた。対照及び処理細胞(48時間後)に直接MTS試薬を加え、Tecan Safire IIプレートリーダーを用いて吸光度シグナルを490nmで読み取った。胃癌細胞株AGS、肺癌細胞株H1299及び乳癌細胞株MCF−7についても同様に増殖を実施したが、IC50値は48時間の代わりに72時間時に測定した。] [0132] [00204]細胞ベースのカスパーゼ3/7及びLDHアッセイ [00205]カプスパーゼ(Capspase)3/7活性及び乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の放出は、蛍光定量アッセイ(Promega Corp.、WI、USA)によって測定した。HCC細胞を96ウェルプレートで培養し、様々な濃度のDBZIMによって6時間処理した後アッセイにかけた。カスパーゼ3/7アッセイについては、培地を除去し、基質緩衝液を加えて細胞を溶解し、カスパーゼ3/7と反応させ、蛍光シグナルを発生させ、それを1時間のインキュベーションの後、Tecan Safire IIプレートリーダーによりEx=485nm及びEm=530nmで読み取った。化合物処理による試料細胞のカスパーゼ3/7活性は、対照細胞への正規化の後の相対的な倍率変化で表した。LDHアッセイ(膜統合性を示す)は、Promega Corpからのキットを製造業者の指示に従って用いて実施した。] [0133] [00206]タンパク質抽出物に基づくカスパーゼ3/8/9比色アッセイ [00207]カプスパーゼ3/8/9活性は、出発物質として総タンパク抽出物を用いて測定した(Biovision Inc.、CA、USA)。HLE細胞をT75フラスコ中で培養し、様々な濃度のDBZIMで処理した。サイトゾルタンパク質抽出物は、細胞をペレット化、溶解し、遠心分離によって破片を除去することによって収集した。カプスパーゼ3、8及び9の活性は、同じタンパク質抽出物を用いたが、それぞれの基質を加えて分析した。吸光度は、Tecan Safire IIプレートリーダーを用いて、405nmで読み取った。結果は、化合物処理のない対照細胞に正規化することによって、相対カスパーゼ活性で表した。] [0134] [00208]アネキシンV染色及びサイトメトリーによる分析 [00209]HLE及びHepG2細胞を様々な濃度のDBZIM又はTRAIL(100ng/ml)で24時間処理し、収集し、アネキシンV−FITC(BioVision、CA、USA)で標識した。標識細胞は、フローサイトメトリーFACSCalibur(Beckman−Dickson、NJ、USA)及びCellQuestソフトウェアによって分析した。原形質膜の緑色の染色を示す細胞は、アポトーシス細胞とみなした。] [0135] [00210]AIF/サバイビン転位アッセイ [00211]96ウェルプレートで培養したHLE細胞をDBZIMで24時間処理した後、染色及び画像化を実施した。次に細胞を固定し、アポトーシス誘導性タンパク質(AIF)及びサバイビン(Lab Vision Corp.CA、USA)に対する抗体、並びにHitkit(Thermo Scientific、IL、USA)からの緩衝試薬で染色した。細胞を、ArrayScanVTI HCSリーダー(Thermal Scientific、PA、USA)で画像化し、分析した。細胞質から核への転位を表示するために、細胞質及び核領域の蛍光強度をプロットした。] [0136] [00212]SDS−PAGE及びウェスタンブロット [00213]タンパク質抽出物は、細胞ペレットを、総タンパク抽出のためにはRIPA緩衝液(Pierce、IL、USA)で、又は核及び細胞質分画のためにはPierce(Pierce、IL、USA)からのNE−PER試薬で、又はミトコンドリア及びサイトゾル分画のためにはBioVision(CA、USA)からのキットで溶解することによって調製した。BCA Kit(Pierce、IL、USA)を用いて、タンパク含有量を定量した。15マイクログラムのタンパク質を4〜12%勾配SDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)ゲルに溶解し、ニトロ細胞(nitrocellular)膜に移した。次に膜をそれぞれBcl−XL、Bak、Bcl−2α、Bax(Lab Vision Corp.、CA、USA)、サバイビン、xIAP、cIAP(R&D systems Inc.、MN、USA)、c−Jun、c−Fos、JunB、JunD、Fra−1、Fra−2(Santa Cruz Biotechnology、CA、USA)に対する一次抗体で精査し、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体(Santa Cruz Biotechnology、CA、USA)によって検出した。タンパク質バンドは、ECL化学発光試薬(Amersham Biosciences、NJ、USA)と反応させることによって、X線フィルムに記録した。αチューブリン(Abcam、UK)を総タンパクのための負荷対照として用い、Tata結合性タンパク質(TBP)(Abcam、UK)を核タンパク質のための負荷対照として用い、Cox4(Abcam、UK)をミトコンドリアタンパク質のための負荷対照として用いた。] [0137] [00214]ROS測定 [00215]酸化的ストレスは、Cellomic HitKit(Thermo Scientific、IL、USA)を用いて測定した。HLE細胞をDBZIMで24時間処理し、固定し、ROS生成の定量化のためにはジヒドロエチジウムプローブで、核染色のためにはヘキスト色素で標識した。結果を、Target Activation BioApplicationソフトウェアによって分析した。ROS量の指標として、陽性応答細胞の割合をプロットした。] [0138] [00216]細胞毒性及びアポトーシスのための高含有量分析 [00217]Hitkit:追加のIMSの細胞毒性及びアポトーシスプロフィールを調べるために、多パラメータ細胞毒性1及び多パラメターアポトーシス1アッセイキット(Thermal Scientific、PA、USA)を用いた。細胞を96−ウェルプレートで24時間培養、処理した後に検査した。細胞は、基本的に製造業者の指示に従って固定、染色した。画像は、それぞれ、ArrayScanVTI HCSリーダー(Thermal Scientific、PA、USA)によってとり、Cell Viability and Cell Health Profiling BioApplicationソフトウェアを用いて分析した。] [0139] [00218]HCC異種移植モデル及び投薬 [00219]5〜6週齢のBalb/cヌードマウスを、0.2ml容量のマトリゲル/DMEMミックス中の1×107個のHuh7細胞で接種した。HCC細胞の植え付け後にすべてのマウスが腫瘍を発達させたわけではないので、可視的腫瘍(植え付け後約8週間)を有するものだけを以降の実験のために用いた。担癌マウスは、それぞれ対照及び処理群(n=3)にランダムに分割した。処理群のマウスはDBZIM(2グラム/リットル)を含有する飲料水だけを自由摂取させ、対照群のマウスは水だけを自由摂取させた。化合物処理は、3週間続いた。腫瘍サイズは毎週測定し、腫瘍容量は、式0.52×幅2×長さを用いて計算した。] [0140] [00220]追加のIMSの抗癌活性 [00221]IMSの合成及び特性評価 [00222]特に明記しない限り、すべての溶媒及び化学物質は、民間納入業者から得たまま用いた。遠心分離は、Eppendorf Centrifuge5810R(4000rpm、10分間)で実施された。1H及び13CNMRスペクトルは、Bruker AV−400(400MHz)装置に記録した。1H及び13C NMRのデータは、化学シフト(δppm)及び多重度(s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項)で記録した。GC−MSは、Shimadzu GCMS QP2010で実施した。気液クロマトグラフィー(GLC)は、分割モード毛細管注入系及び炎イオン化検出器を備えたAgilent 6890Nガスクロマトグラフで実施した。] [0141] [00223]置換されたイミダゾールを調製するために、NaH(油中に60%、420mg、10.5mmol)を0℃のイミダゾール(A1)(680mg、10mmol)のDMF溶液に加え、生じた懸濁液を室温で2時間撹拌した。ベンジルブロミド(1.71g、10mmol)を、残留物に加えた。生じた溶液を、室温でさらに4時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。生成物をジクロロメタン(DCM)で抽出し、溶媒を除去した後にB1を定量的な収量で得た。B2〜B4は、イミダゾール出発物質でA2〜A4と同じプロトコルで合成した。生成物は、MS及びNMRによって確認した。] [0142] ] [0143] [00224]DBZIM、DBZBIM、1,3−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウムブロミド(DBZMIM、化合物C)、IBN−2、3、4、6、8、9(化合物)、12、13、15、17、18、19、20、21、24、25、26、27、28、30、31、32、33、34は、1mlのDMF中で1mmolの置換されたイミダゾール(B1〜B4など)及び1mmolの置換された臭化(塩化)ベンジル又は臭化(塩化)アルキルを混合することによって合成した。混合液を100℃で16時間撹拌した。反応混合液を室温に冷却し、エーテル(10ml)を加えて生成物を沈殿させた。粉状又はゲル状沈殿物をイミダゾリウム生成物として収集し、再結晶又はクロマトグラフ法によって精製し、NMRによって特性を決定した。] [0144] [00225]IBN−22、23、29は、文献の方法に基づいて調製した(Zhangら2007、Chianese and Cratree 2005、Boydstonら2005)。] [0145] [00226]表2に記載の残りのIMSは、Sigmaから購入した。] [0146] [00227]一般的に、IMSの100mMの保存溶液をDMSOで調製した。保存溶液の一定量を、使用時まで−20℃で保存した。] [0147] [00228]細胞株及び細胞培養 [00229]ヒト肝細胞癌細胞株HLE(p53突然変異体)及びヒト胃癌細胞株MKN 28は、Japan Health Sciences Foundation(大阪、日本)から得た。ヒト乳癌細胞株MDAMB231(突然変異体p53)及び乳房上皮細胞MCF−10A(野生型p53)は、ATCCから得た。これらの細胞株は、5%CO2の雰囲気で37℃でインキュベートした、10%ウシ胎児血清並びにペニシリン及びストレプトマイシンの混合物1%を加えたDMEM培地(MDAMB231についてはRPMI1640)で維持した。] [0148] [00230]増殖阻害アッセイ [00231]増殖阻害率は、生存細胞を測定するためにMTTアッセイを用いて判定した。MTTアッセイのために、1ウェルにつき1×103個の細胞を96ウェルプレートで培養し、0〜100μMの各種のIMSで72時間処理した。加湿インキュベータ内で37℃で指定時間のインキュベーションの後、10μLのMTT試薬(5mg/mL)で置換した100μLの培地を含む培地を各ウェルに加え、さらに4時間インキュベートした。100μLのDMSOを加えることによって、反応を停止させた。吸光度は、マイクロプレートリーダー(SpectroMax 190、Molecular Devices)により570nmで測定した。データは3つの別々の実験から提供され、IMSによって誘導された細胞増殖阻害の割合を判定し、そこではDMSO処理細胞(対照)を100%とした。] [0149] [00232]細胞周期分析 [00233]細胞周期分布分析を実施するために、4×105個の細胞を10cm培養皿に平板培養した。細胞(70%集密度)を24時間血清不足にして、それらを細胞周期のG0期に同期させた。24時間のインキュベーションの後、細胞を新しい10%DMEM培地に置換し、次に60μMのIBN−15、90μMのIBN−19、90μMのIBN−24、30μMのIBN−24及び20μMのIBN−32、並びに対照として0.045%DMSOで72時間処理した。浮遊性及びトリプシン処理をした接着性細胞を収集し、PBSで洗浄した。細胞ペレットを1mlのPBSに再懸濁し、70%氷冷エタノールの添加によって固定し、−20℃で保存した。24時間のインキュベーションの後、遠心分離によって細胞を再ペレット化し、細胞をPBSで1度洗浄し、100μg/mlのRNアーゼを含む0.1mLのPBSで再懸濁し、次に37℃で15分間インキュベートした。最後に、0.5mlのPI溶液(PBS中に100μg/mL)で細胞を30分間染色した。細胞周期分布は、BDFACSアレイフローサイトメータ(Becton Dickinson)によって検出した。G0未満のDNAを有する細胞は、アポトーシス細胞と分類した。] [0150] [00234]アポトーシスアッセイ [00235]アポトーシス分析を判定するために、4×105個の細胞を10cm培養皿に平板培養した。次に、細胞を60μMのIBN−15、90μMのIBN−19、90μMのIBN−24、30μMのIBN−25及び20μMのIBN−32、並びに対照として0.045%DMSOで72時間処理した。浮遊性の及びトリプシン処理をした接着性細胞を収集し、アネキシンV−FITC試薬(BD Biosciences Pharmingen)及びPI(Invitrogen)を製造業者のプロトコルに従って用いてアポトーシスを定量化した。簡潔には、細胞を冷たいPBSで2回洗浄し、次に、10μlのアネキシンV−FITC(BD−Pharminagen)及び100μg/mlのストックからの2μlのPIを含む100μlの等倍結合緩衝液に細胞を再懸濁した。細胞を穏やかに撹拌し、暗所において室温で15分間インキュベートした。その後、400μlの1×結合緩衝液を各チューブに加え、FACScanフローサイトメータ(Becton Dickinson)によって試料を直ちに分析した。アネキシン−Vコンジュゲート及びPIの蛍光シグナルは、蛍光強度FL1及びFL2(ソフトウェアBDを含むBD LSR II)のチャネルで検出した。] [0151] [00236]SDS−PAGE及びウェスタンブロット法 [00237]HLE細胞を、10cm培養皿に4×105の密度で播種した。24時間のインキュベーションの後、細胞を新しい10%DMEM培地に置換し、次に60μMのIBN−15、90μMのIBN−19、90μMのIBN−24、30μMのIBN−25及び20μMのIBN−32、並びに対照として0.045%DMSOで72時間処理した。3日目に溶解緩衝液[125mMトリス(pH7.4)、2%ドデシル硫酸ナトリウム、10%グリセロール、6M尿素及びプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma)並びに0.02%ブロモフェノールブルー]で全細胞溶解物を調製した。溶解物を30秒間超音波処理し、次に沸点で5分間加熱した。溶解物を13000rpmで10分間遠心分離し、BCAタンパク質アッセイを用いて各試料のタンパク質濃度を推定した。次に溶解物を5%の2−メルカプトエタノールと混合し、−80℃で保存した。ウェスタンブロット法のために、50μgの総細胞溶解物を含む試料を、SDS−PAGEにロードし、電気泳動にかけた。タンパク質をニトロセルロース膜に移し、次に、0.1%Tween20を含むトリス緩衝生理食塩水中の5%脱脂粉乳により、37℃で60分間ブロックした。5%ウシ血清アルブミンを含むTBSTで、4℃で一晩膜を一次抗体で精査した。次に、膜を西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗ウサギ又は抗マウス二次抗体(GE Health care、Chalfont St Giles、UK)とインキュベートした。検出は、製造業者のプロトコルに従って、増強化学発光(ECL)試薬(Amersham Arlington Heights、IL)で実施した。ウサギポリクローナルホスホ−p53(Ser15、20、46、392)、抗カスパーゼ−9、抗カスパーゼ−3、抗PARP抗体は、Cell Signaling Technology、Inc.(Beverly、MA、USA)から購入した。p53及びp21に対する抗体は、Santa Cruz Biotechnology(Santa Cruz、CA、USA)から購入した。マウス抗βアクチンモノクローナル抗体(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)で膜を精査することによって、同等のタンパク質負荷が証明された。] [0152] [00238]免疫染色及び共焦鏡検 [00239]免疫染色のために、8ウェルチャンバスライドに1×104の密度でHLE細胞を播種した。24時間のインキュベーションの後、細胞を200μlの新しい10%DMEM培地に置換し、次に60μMのIBN−15、90μMのIBN−19、90μMのIBN−24、30μMのIBN−25及び20μMのIBN−32、並びに対照として0.045%DMSOで24時間及び48時間処理した。洗浄後、4%ホルムアルデヒドで細胞を15分間固定し、PBS中の0.5%トリトンX−100で10分間透過性化した。次に、3%ウシ血清アルブミンを含むPBSで細胞を60分間ブロックし、次に、ヌクレオリンに対するマウス抗体と1時間インキュベートした(MS−3、Santa Cruz、ブロック緩衝液中で1:100)。PBSで長時間洗浄した後、次に、暗所において室温で1時間、細胞をマウスIgG(1:20希釈)に対するFITC結合抗体とインキュベートした。スライドは、DAPIを含むVectaShield培地(Vector Laboratories、Burlingame、CA)でマウントした。鏡検は、Zeiss LSM510 Meta(直立スタンド)共焦点顕微鏡で実施した。] [0153] [00240]リアルタイム定量RT−PCR分析 [00241]細胞を、10cm培養皿に1皿につき4×105細胞数の密度で播種した。翌日、細胞を90μMのIBN−19、90μMのIBN−24、40μMのIBN−25、及び対照として0.045%のDMSO(ジメチルスルホキシド)に曝露させた。48時間後、Nucleospin RNA IIキットを製造業者の指示に従って用いて、細胞から総RNAを抽出した。RNAの質及び収量は、分光光度測定の後評価した。] [0154] [00242]製造業者の指示(Super Array Bioscience)に従ってヒトアポトーシスPCRアレイ(RT2 Profiler)を用い、96ウェルフォーマットでアポトーシスに関与する84個の重要な遺伝子のmRNAレベルを分析した。第1鎖のcDNAは、PCRアレイ第1鎖−合成キット(C−03、Super array Bioscience)を用いて、1μgのRNAで合成した。このキットは、逆転写酵素(Power Script、Super array Bioscience)及びランダムプライマーとオリゴdTプライマーとの組合せを用いる。反応の総容量は、100μLに希釈した20μLであった。リアルタイムPCR(RT2リアルタイムSYBR Green PCRマスターミックスPA−012を有する79s00HT96ウェルブロック、Applied Biosystems Instruments7500)を用いて、PCR反応を実施した。PCR反応の総容量は、25μlであった。1μgのRNAの同等量を、PCR反応に加えた。サーモサイクラーパラメータは、95℃で10分間、その後、95℃で15秒間及び60℃で1分間を40サイクルであった。遺伝子発現の相対変化は、ΔΔCt(周期閾値)法を用いて計算した。5個のハウスキーピング遺伝子、GAPDH、アクチン−β、β2m、Hprt1及びRpl13dのサイクル数の平均を用いて、試料間の発現を正規化した。発現データは、調節倍率で示す。データを正規化する内部対照として、GAPDH遺伝子発現レベルを利用した。記録された発現の変化倍率は、対照値に対する処理値の比である。] [0155] [00243]化合物9によるHCCマウスの処理 [00244]5〜6週齢のBalb/cヌードマウスを、0.2ml容量のマトリゲル/DMEMミックス中の1×107個のHuh7細胞で接種した。HCC細胞の植え付け後にすべてのマウスが腫瘍を発達させたわけではないので、可視的腫瘍(植え付け後約8週間)を有するものだけを以降の実験のために用いた。担癌マウスは、それぞれ対照及び処理群(n=3)にランダムに分割した。処理群のマウスは0.6g/l又は1.5g/lの化合物9(IBN−9)を含有する飲料水だけを自由摂取させ、対照群のマウスは水だけを自由摂取させた。化合物処理は、3週間続いた。腫瘍サイズは毎週測定し、腫瘍容量は、式0.52×幅2×長さを用いて計算した。] [0156] [00245]統計分析 [00246]すべてのデータは、平均値±SDで示す。群間の有意差は、対応のないスチューデントのt検定を用いて判定した。有意水準は、以下の通りに定義した:p<0.05(*)、p<0.01(**)及びp<0.001(***)。] [0157] [00247]結果 [00248]IMSの抗酸化、抗炎症及び抗線維症特性] [0158] [00249]培養HSC T6細胞及びFVBマウスに対するIMSの毒性の判定 [00250]先ず、培養HSC−T6細胞に対するDBZIM及びTDBZIMの毒性を、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)に基づく増殖アッセイキット(Promega、WI、USA)を用いて調べた。図1a及び1bは、10%FBSを含むDMEMで培養したT6細胞の増殖に対するDBZIM(0〜400μM)及びTDBZIM(0〜200μM)の効果を示す。250〜400μMの高い濃度で、DBZIMは細胞増殖を統計的に有意に3.5〜8.9%阻害した。125〜200μMの高い濃度で、TDBZIMは対照と比較して13〜19%のより強い阻害を証明した。] 図1a [0159] [00251]予備毒性試験では、FVB近交系マウスでのインビボ試験のために、2つの形態のIMSを選択した。DBZIMについては、致死投薬量は50mg/kgであり、LD50は30〜40mg/kgと推定された。DPIMについては、致死投薬量は500mg/kg、LD50は約300〜400mg/kgであった。] [0160] [00252]DBZIM及びTDBZIMは細胞のROSレベルを減弱させ、GSH/GSSG比を高めた。 [00253]IMSで処理したHSC T6細胞の細胞内酸化的ストレスレベルを測定するために、完全血清培地でDBZIM(10、50、100及び300μM)又はTDBZIM(10、50及び100μM)と48時間培養した細胞を、ROS、GSH及びGSSGについて試験した。NAC(1又は5mM)及びEGCG(25μM)で処理した細胞を、参照として含めた。IMS処理は、有意に減弱された細胞ROSレベルをもたらした。図2aに示すように、ROSはDBZIMによって投薬量依存的に抑制された(50μMで25%(P<0.005)、300μMで34%(P<0.0005))。DBZIMの三量体を含むTDBZIMは、10μMで細胞のROSレベルを19%(P<0.01)、100μMで36%(P<0.00001)実質的に抑制した(図2b)。比較では、EGCGは25μMでROSを14%(P<0.005)減弱させることができたが、NACは1mMでさえROSレベルに対する明らかな阻害を示さなかった。] 図2a 図2b
权利要求:
請求項1 一般式Iの化合物又はそのオリゴマー若しくはポリマー、又は薬学的に許容されるその塩の有効量と、細胞を接触させることを含む、抗線維症剤又は抗癌剤を細胞に送達する方法。[式中、破線は不在であるか、R1及びR3が結合する炭素とR2及びR4が結合する炭素との間で第2の結合を形成する結合として存在し、R1及びR2は、(i)各々独立にH、直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、C6〜C10アリールであるか、(ii)それらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成するか、(iii)R1及びR5がそれらの環原子と一緒に、又はR2及びR6がそれらの環原子と一緒に、5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、R1及びR2の他のものが前記(i)で定義される通りであるか、又は、(iv)R1及びR5がそれらの環原子と一緒に、並びにR2及びR6がそれらの環原子と一緒に各々5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、R3及びR4の両方がHであるか、又は、R1及びR2がそれらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合芳香環系を形成する場合、若しくは破線が結合として存在する場合、R3及びR4が不在であり、R5又はR6は、(i)R1及びR2について上で定義される通りであるか、又は(ii)各々独立に直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、C6〜C10アリール−C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール−C2〜C6アルケニル若しくはC6〜C10アリール−C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキル−C6〜C10アリール、C2〜C6アルケニル−C6〜C10アリール若しくはC2〜C6アルキニル−C6〜C10アリールであり、R7は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、置換されたC1〜C6アルキル又はハロであり、その際、該当する場合、R1〜R7のいずれかは、1つ又は複数の炭素原子が、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子で任意選択で置き換えられ、且つ直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、フルオロ、トリフルオロメチル、シアナト、イソシアナート、カルボキシル、C1〜C6アシロキシ、C1〜C6アシル、カルボニル、アミノ、アセチル、アセトキシ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルカルボキシ、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケノキシ、C2〜C6アルキノキシの1つ又は複数によって任意選択で置換され、R1及びR5が結合する環炭素原子並びにR2及びR6が結合する環炭素の1つが窒素原子によって任意選択で置換される。] 請求項2 前記化合物がイミダゾリウム又はイミダゾリウム塩である、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記化合物がイミダゾリニウム又はイミダゾリニウム塩である、請求項1に記載の方法。 請求項4 R5がR6と同じである、請求項1に記載の方法。 請求項5 R5及びR6が炭化水素である、請求項1に記載の方法。 請求項6 薬学的に許容される前記塩が、塩化物、臭化物、テトラフルオロホウ酸又はヘキサフルオロリン酸塩である、請求項1に記載の方法。 請求項7 前記化合物が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ビスベンジルイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリウム、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ジアリルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−アダマンチル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウム、2−ベンジルイミダゾ[1,5−a]キノリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)−ベンゾイミダゾリウム、1,3−ジシクロヘキシルベンゾイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリニウムテトラフルオロボレート、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、2−メシチル−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、2−メシチル−2,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−4−イウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリニウム、1−ブチル−3−(2−ピリジニルメチル)−1H−イミダゾリウム、6,7−ジヒドロ−2−ペンタフルオロフネイル−5H−ピロロ[2,1−c]−1,2,4−トリゾリウム、1−メチル−3−(2−ヒドロキシルエチル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−イソシアナトベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−カルボキシルベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−カルボキシルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−2−メチル−イミダゾリウム、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−5−フェニルイミダゾリウム、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、1−ベンジル−3−(2−プロピン−1−イル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3−ヒドロキシル−プロピル)−イミダゾリウム、1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾリウム、1,3,5−トリス−(4−メチル−イミダゾリウム)−linkedシクロファン、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1−ベンジル−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−シアナトベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−カルボキシベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、又は1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩である、請求項1に記載の方法。 請求項8 前記化合物が、一般式Iの構造を有する化合物の二量体である、請求項1に記載の方法。 請求項9 前記化合物が、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン又は2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、又は薬学的に許容されるその塩である、請求項8に記載の方法。 請求項10 前記化合物が、一般式Iの構造を有する化合物の三量体である、請求項1に記載の方法。 請求項11 前記化合物が、1,3,5−トリス(4−メチル−イミダゾリウム)に連結しているシクロファン又は薬学的に許容されるその塩である、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記細胞がインビトロである、請求項1に記載の方法。 請求項13 前記細胞がインビボである、請求項1に記載の方法。 請求項14 線維症疾患の治療のために対象に前記剤を投与することを含む、請求項13に記載の方法。 請求項15 前記線維症疾患が肝線維症である、請求項14に記載の方法。 請求項16 前記化合物が1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム又は薬学的に許容されるその塩である、請求項15に記載の方法。 請求項17 癌の治療のために対象に剤を投与することを含む、請求項13に記載の方法。 請求項18 前記癌が肝細胞癌、肺癌、乳癌、胃癌又は神経膠腫である、請求項17に記載の方法。 請求項19 前記化合物が、1,3−ビスベンジルイミダゾリウム、1,3,−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウム,1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム又は1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩である、請求項18に記載の方法。 請求項20 一般式Iの構造を有する化合物又はそのオリゴマー若しくはポリマー、又はその薬学的に許容される塩の、インビボで細胞に抗線維症剤又は抗癌剤を送達するための使用。[式中、破線は不在であるか、R1及びR3が結合する炭素とR2及びR4が結合する炭素との間で第2の結合を形成する結合として存在し、R1及びR2は、(i)各々独立にH、直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、C6〜C10アリールであるか、(ii)それらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成するか、(iii)R1及びR5はそれらの環原子と一緒に、又はR2及びR6はそれらの環原子と一緒に、5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、R1及びR2の他のものは前記(i)で定義される通りであるか、又は、(iv)R1及びR5はそれらの環原子と一緒に、並びにR2及びR6はそれらの環原子と一緒に各々5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、R3及びR4の両方がHであるか、又は、R1及びR2がそれらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合芳香環系を形成する場合、若しくは破線が結合として存在する場合、R3及びR4は不在であり、R5又はR6は、(i)R1及びR2について上で定義される通りであるか、又は(ii)各々独立に直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、C6〜C10アリール−C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール−C2〜C6アルケニル若しくはC6〜C10アリール−C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキル−C6〜C10アリール、C2〜C6アルケニル−C6〜C10アリール若しくはC2〜C6アルキニル−C6〜C10アリールであり、R7は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、置換されたC1〜C6アルキル又はハロであり、その際、該当する場合、R1〜R7のいずれかは、1つ又は複数の炭素原子が、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子で任意選択で置き換えられ、且つ直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、フルオロ、トリフルオロメチル、シアナト、イソシアナート、カルボキシル、C1〜C6アシロキシ、C1〜C6アシル、カルボニル、アミノ、アセチル、アセトキシ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルカルボキシ、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケノキシ、C2〜C6アルキノキシの1つ又は複数によって任意選択で置換され、R1及びR5が結合する環炭素原子並びにR2及びR6が結合する環炭素の1つが窒素原子によって任意選択で置換される。] 請求項21 一般式Iの構造を有する化合物又はそのオリゴマー若しくはポリマー、又はその薬学的に許容される塩の、インビボで細胞に抗線維症剤又は抗癌剤を送達するための医薬の製造における使用。[式中、破線は不在であるか、R1及びR3が結合する炭素とR2及びR4が結合する炭素との間で第2の結合を形成する結合として存在し、R1及びR2は、(i)各々独立にH、直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、C6〜C10アリールであるか、(ii)それらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成するか、(iii)R1及びR5はそれらの環原子と一緒に、又はR2及びR6はそれらの環原子と一緒に、5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、R1及びR2の他のものは上の(i)で定義される通りであるか、又は、(iv)R1及びR5がそれらの環原子と一緒に、並びにR2及びR6がそれらの環原子と一緒に各々5〜10員環の縮合した飽和、不飽和若しくは芳香族の環系を形成し、R3及びR4の両方がHであるか、又は、R1及びR2がそれらの環原子と一緒に6〜10員環の縮合芳香環系を形成する場合、若しくは破線が結合として存在する場合、R3及びR4が不在であり、R5又はR6は、(i)R1及びR2について上で定義される通りであるか、又は、(ii)各々独立に直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、C6〜C10アリール−C1〜C6アルキル、C6〜C10アリール−C2〜C6アルケニル若しくはC6〜C10アリール−C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキル−C6〜C10アリール、C2〜C6アルケニル−C6〜C10アリール若しくはC2〜C6アルキニル−C6〜C10アリールであり、R7は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、置換されたC1〜C6アルキル又はハロであり、その際、該当する場合、R1〜R7のいずれかは、1つ又は複数の炭素原子が、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子で任意選択で置き換えられ、且つ直鎖若しくは分枝状のC1〜C6アルキル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルケニル、直鎖若しくは分枝状のC2〜C6アルキニル、縮合シクロアルキル環系を含むC3〜C18シクロアルキル、C6〜C10アリール、フルオロ、トリフルオロメチル、シアナト、イソシアナート、カルボキシル、C1〜C6アシロキシ、C1〜C6アシル、カルボニル、アミノ、アセチル、アセトキシ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキルカルボキシ、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケノキシ、C2〜C6アルキノキシの1つ又は複数によって任意選択で置換され、R1及びR5が結合する環炭素原子並びにR2及びR6が結合する環炭素の1つは窒素原子によって任意選択で置換される。] 請求項22 前記化合物がイミダゾリウム又はイミダゾリウム塩である、請求項20又は21に記載の使用。 請求項23 前記化合物がイミダゾリニウム又はイミダゾリニウム塩である、請求項20又は21に記載の使用。 請求項24 R5がR6と同じである、請求項20〜23のいずれか一項に記載の使用。 請求項25 R5及びR6が炭化水素である、請求項20〜23のいずれか一項に記載の使用。 請求項26 薬学的に許容される前記塩が、塩化物、臭化物、テトラフルオロホウ酸又はヘキサフルオロリン酸塩である、請求項20〜23のいずれか一項に記載の使用。 請求項27 前記化合物が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ビスベンジルイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリウム、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−イミダゾリニウム、1,3−ジアリルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−アダマンチル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウム、2−ベンジルイミダゾ[1,5−a]キノリニウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)−ベンゾイミダゾリウム、1,3−ジシクロヘキシルベンゾイミダゾリウム、1,3−ジイソプロピルイミダゾリニウムテトラフルオロボレート、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム、2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾリニウム、2−メシチル−5−メチルイミダゾ[1,5−a]ピリジニウム、2−メシチル−2,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール−4−イウム、1,3−ビス(1−アダマンチル)イミダゾリニウム、1−ブチル−3−(2−ピリジニルメチル)−1H−イミダゾリウム、6,7−ジヒドロ−2−ペンタフルオロフネイル−5H−ピロロ[2,1−c]−1,2,4−トリゾリウム、1−メチル−3−(2−ヒドロキシルエチル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−イソシアナトベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−カルボキシルベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−カルボキシルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−2−メチル−イミダゾリウム、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−5−フェニルイミダゾリウム、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、1−ベンジル−3−(2−プロピン−1−イル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3−ヒドロキシル−プロピル)−イミダゾリウム、1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾリウム、1,3,5−トリス−(4−メチル−イミダゾリウム)−linkedシクロファン、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1−ベンジル−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−シアナトベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−カルボキシベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、又は1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩である、請求項20又は21に記載の使用。 請求項28 前記化合物が、一般式Iの構造を有する化合物の二量体である、請求項20又は21に記載の使用。 請求項29 前記化合物が、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン又は2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、又は薬学的に許容されるその塩である、請求項28に記載の使用。 請求項30 前記化合物が、一般式Iの構造を有する化合物の三量体である、請求項20又は21に記載の使用。 請求項31 前記化合物が、1,3,5−トリス(4−メチル−イミダゾリウム)に連結しているシクロファン又は薬学的に許容されるその塩である、請求項30に記載の使用。 請求項32 前記抗線維症剤が線維症疾患の治療のために送達される、請求項20〜31のいずれか一項に記載の使用。 請求項33 前記線維症疾患が肝線維症である、請求項32に記載の使用。 請求項34 前記化合物が1,3−ジイソプロピルイミダゾリウム又は薬学的に許容されるその塩である、請求項33に記載の使用。 請求項35 前記抗癌剤が癌の治療のために送達される、請求項20〜31のいずれか一項に記載の使用。 請求項36 前記癌が肝細胞癌、肺癌、乳癌、胃癌又は神経膠腫である、請求項35に記載の使用。 請求項37 前記化合物が、1,3−ビスベンジルイミダゾリウム、1,3,−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム又は1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩である、請求項36に記載の使用。 請求項38 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−(2−ヒドロキシルエチル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−イソシアナトベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−カルボキシルベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1,3−ジベンジル−5−フェニルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−カルボキシルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテート−ベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−2−メチル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−2−メチル−イミダゾリウム、2,6−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−ピリジン、2,2’−ジ−(3−ベンジル−イミダゾリウム)−1,1’−ビナフタレン、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(2−トリフルオロメチルベンジル)−2−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルカルボキシレートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−5−フェニル−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−メチルベンジル)−5−フェニルイミダゾリウム、(1,2−4,5−ジイミダゾリウム)−N,N’,N’’,N’’’−テトラベンジル−ベンゼン、1−ベンジル−3−(2−プロピン−1−イル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(3−ヒドロキシル−プロピル)−イミダゾリウム、1,3−ジ(2−フェニルエチル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(4−アセテートベンジル)−イミダゾリウム、1−ベンジル−3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾリウム、1,3,5−トリス−(4−メチル−イミダゾリウム)−linkedシクロファン、1,3−ジベンジル−2−(1,3−ジベンジル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1−ベンジル−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−シアナトベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−(4−カルボキシベンジル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−メチル−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、1−メチル−3−(2,2−ジメトキシエチル)−イミダゾリウム、又は1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−3−(4−アセテート−ベンジル)−イミダゾリウム、又は薬学的に許容されるその塩であるイミダゾリウム又はイミダゾリニウムである化合物。
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