专利摘要:
本発明は、一般式(I)の新規なキナゾリン−2,4−ジオン誘導体又はその薬学的に許容される塩、及び一般式(I)の化合物を有効成分として含む脳神経系疾患の予防及び治療用の医薬組成物に関するものである。
公开号:JP2011510978A
申请号:JP2010544881
申请日:2009-01-08
公开日:2011-04-07
发明作者:カン・シンチョル;キム・ウォンソク;チョ・イルファン;リー・ウィンバン;リー・チュルキュ
申请人:シン・プーン・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッドShin Poong Pharmaceutical Co., Ltd.;
IPC主号:C07D239-96
专利说明:

[0001] 本発明は、下記一般式(I)の新規なキナゾリン−2,4−ジオン誘導体、又はその薬学的に許容される塩、及び下記一般式(I)の化合物を有効成分として含む脳神経系疾患の予防又は治療用医薬組成物に関するものである。]
[0002] ]
[0003] 式中の、
R1は、水素又はアルキルであり;
R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、アルキル、−COR6、−SO2R7、又は置換されていてもよいフェニル若しくはベンジル(ここで、R6は、それぞれがハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ又はニトロで置換されていてもよいアルキル、アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ若しくはベンジルオキシであり、R7は置換されていてもよい低級アルキル又はアリールである)から選ばれ;
Aは、−(CH2)n−又は−CH2CH=CHCH2−(ここで、nは2〜4の整数である)であり;
R4は水素であり、R5は水素又はベンゼン環が一つ又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ又はニトロで置換されていてもよいベンゾイルであるか、又は
R4及びR5がNと共に環を形成する場合、R4及びR5は、]
[0004] ]
[0005] (ここで、R8は水素又はアルキルである)の2価の部分を形成し;
l及びmはそれぞれ独立して、2〜4の整数であり;そして
pは0又は1の整数である。]
背景技術

[0006] 脳神経系疾患は、短期間又は長期間に亘る神経細胞の死滅によって進行するものであり、致命的な脳機能の損失につながる。脳卒中は、最も頻繁に発生する脳血管疾患の一つである。精力的に活動する40〜50代の年齢層の患者に脳神経系疾患が大きく増えているので、個人的だけでなく国家的な問題として指摘されている。]
[0007] 脳卒中は、大きく脳梗塞と脳出血との2つに分類される。脳梗塞は、血栓などの原因により脳組織への血液供給が遮断され、脳組織が壊死されることから発生するものであり、これに比べて脳出血は、脳血管の破裂などにより血液が血管の外に流出することから発生するものである。脳梗塞と脳出血の発生機構は互いに異なるが、その症状は類似している場合が多い。]
[0008] 現在、脳梗塞の急性期の治療として広く公認されている方法は、血栓溶解法(thrombolysis)である。脳梗塞治療では、発症後、治療を開始するまでの期間が非常に重要であり、脳梗塞発症3時間以内に血栓溶解剤が投与される場合、患者の機能状態を改善できると知られている。]
[0009] 現在までに、多くの研究者らにより虚血による脳細胞壊死の原因が明らかにされており、主な経路は、過度な神経伝達物質による興奮性毒性、ストレスによる酸化毒性、亜鉛毒性、アポトーシスなどが提示されている。]
[0010] 興奮性毒性物質中、中枢神経系の興奮性神経伝達物質であるグルタメートは、NMDA(N−メチル−D−アスパラテート)受容体と作用しており、虚血等により過度に産生されると、神経細胞の死滅を誘導するようになる。このような興奮性毒性がてんかんと同様に虚血性脳卒中などによる神経細胞死滅の主な機構であり得ることが最近報告された。虚血後、神経組織への酸素−ブドウ糖の供給が減れば、興奮性神経伝達物質であるグルタメートがニューロン間連接部位に蓄積され、これにより、主にNMDAグルタミン酸受容体の過度活性化による神経細胞の死滅が生じるようになる。従って、NMDAグルタミン酸受容体の拮抗剤を用いると、虚血性脳卒中による神経細胞の死滅を抑制することができる。]
[0011] また、遊離基も神経細胞死滅の主な機構の一つである。虚血などによる脳細胞内の遊離基の増加は、脂質過酸化による細胞膜脂質破壊、酸素ラジカルによる核酸損傷及びタンパク質変性などを誘発して、これにより細胞の生存に必須な因子への致命的損傷をもたらす。多くの研究者らによって、虚血が起こると、脳内活性酸素が増加し、またパーキンソン病、ハンチントン病、及びアルツハイマー病における活性酸素の増加、カタラーゼ(ラジカル除去酵素)の増加、Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性の増加及びFe2+増加が誘導されると報告されている。]
[0012] 以上のように、脳神経系疾患を治療するために多くの機構が明らかにされたにもかかわらず、有効性及び毒性の問題によって新しい薬剤の開発は遅れているのが実状である。]
[0013] 本発明者らは、東洋において長い間民間療法として使用されてきたミミズに対する研究を持続的に遂行してきており、生きているミミズ(Eisenia Andrei及びEisenia fetida)を電気刺激に露出させると、ミミズから外部に天然物質の放出がなされていることが分かり、この天然物質の中の特定化合物が有意な脳神経保護を示すことを見出した。この発見に基づいて、天然産物から単離された新規な化合物を含む多くの誘導体化合物を合成した。一般式(I)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体化合物及びその塩が、神経細胞の活性を保護する優れた効果があることを見出して、本発明を完成させた。]
発明が解決しようとする課題

[0014] 本発明の目的は、前記一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び前記化合物を有効成分として含む脳神経系疾患の予防又は治療用医薬組成物を提供することである。]
課題を解決するための手段

[0015] 本発明は、下記一般式(I)の新規なキナゾリン−2,4−ジオン誘導体又はその薬学的に許容される塩を提供する。]
[0016] ]
[0017] 式中の、
R1は、水素又はアルキルであり;
R2及びR3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、−COR6、−SO2R7又は置換されていてもよいフェニル若しくはベンジル(ここで、R6はそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ又はニトロで置換されていてもよいアルキル、アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ若しくはベンジルオキシであり、R7は置換されていてもよい低級アルキル又はアリールである)から選ばれ;
Aは、−(CH2)n−又は−CH2CH=CHCH2−(ここで、nは2〜4の整数である)であり;
R4は水素であり、R5は、水素、又はベンゼン環が一つ又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ又はニトロで置換されていてもよいベンゾイルであるか、又は
R4及びR5がNと共に環を形成する場合、R4及びR5は、]
[0018] ]
[0019] (ここで、R8は水素又はアルキルである)の2価の部分を形成し;
l及びmはそれぞれ独立して、2〜4の整数であり;そして
pは0又は1の整数である。]
[0020] 本明細書に用いられる用語「アルキル」とは、炭素数1〜6個の炭素原子を有するアルキルを示し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−メチルペンチル、ヘキシル及びシクロヘキシルのような直鎖、分枝鎖又は環状形態の脂肪族炭化水素鎖を示す。
用語「低級アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を示す。]
[0021] 用語「アルコキシ」は、−O−アルキルを示し、ここで「アルキル」は1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を示す。]
[0022] 一般式(I)の化合物は、それらの薬学的に許容される塩の形態で使用できて、薬学的に許容される塩は、当該技術分野で従来から公知の酸付加塩、又はアルカリ金属塩を含む。]
[0023] 本発明に係る一般式(I)の代表的な例は下記通りである:
3−{3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アセトアミド;
N−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド;
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸エチルエステル;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]メチルアミノ}ブチル)アセトアミド;
3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
N−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−4−ヒドロキシベンズアミド;
3−{3−[4−({N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ベンジル}アミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}ベンズアミド;]
[0024] [3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}メタンスルホンアミド;
N−(4−{ベンジル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド;
(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸エチルエステル;
3−{[3−(4−{N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ベンジルアミノ}ブチル)−N−ベンジルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]エトキシカルボニルアミノ}ブチル)カルバミン酸エチルエステル;
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]メタンスルホニルアミノ}ブチル)メタンスルホンアミド;
N−[3−(アセチル−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アミノ)プロピル]−4−ヒドロキシベンズアミド;
N−[3−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチルアミノ)プロピル]−4−ヒドロキシベンズアミド;]
[0025] N−{3−[アセチル−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]プロピル}−4−ヒドロキシベンズアミド;
N−[4−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)ブチル]−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド;
3−(2−{3−[2−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)エチルアミノ]プロピルアミノ}エチル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
3−(3−{3−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]プロピルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]−2−ブテニルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル;
1−メチル−3−(3−{4−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
3−(3−{4−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
3−(3−{2−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]エチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘキシルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル;]
[0026] 3−[3−(4−{N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ヘキシルアミノ}ブチルアミノ)プロピル]−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル;
1−ヘキシル−3−(3−{4−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘプタノイルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル;
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}ヘプタン酸アミド;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4-[[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(2,2,2−トリフルオロアセチル)アミノ]ブチル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−2−メトキシアセトアミド;
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸ベンジルエステル;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−4−メチルベンゼンスルホンアミド;
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−4−メチルベンゼンスルホニルアミノ}ブチル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド;又は
3−(3−{4−[3−(2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン。]
[0027] 一般式(I)の化合物は、下記反応式(I)〜(III)に示されるように反応させることによって製造することができる。従って、このような製造方法を提供することが本発明の別の目的である。
しかし、下記反応式は、本発明の最も一般的な製造方法を説明している。本発明に係る一般式(I)の化合物の製造方法は、下記に説明する反応式に限定されるものではない。一般式(I)の化合物は、当該技術分野で公知の様々な方法によって製造することができる。]
[0028] ]
[0029] 2−位にアルコキシカルボニルアミノ置換基を有する安息香酸誘導体化合物(IV)を、溶媒の存在下又は非存在下で、環を形成するためにAが適切に選択されているアミン化合物(V)と反応させることによって、キナゾリン−2,4−ジオンの骨格構造を有する第1級アミン化合物(IX)(ここでR4及びR5は水素である)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体を得ることができる。或いは、化合物(IV)の化学量論量を増加することにより、R4及びR5がN原子とともに、キナゾリン−2,4−ジオン環を形成している化合物(IX)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体を得ることができる。溶媒の非存在下での環縮合反応は、二つの反応物を溶解するのに十分な温度で実施されなければならない。]
[0030] 上記反応式中、A、l、m、及びpは前記定義と同義であり、R4及びR5は水素を表すか、又はR4及びR5がNと共に環を形成する場合には、R4及びR5は]
[0031] ]
[0032] の2価の部分を形成し、Alkはアルキル基を表す。Lは離脱基を表し、好ましくは、ヒドロキシ、アルコキシ、又はハロゲンである。]
[0033] ]
[0034] 化合物(VI)を、R4及びR5の置換基を有する化合物(VII)又は(VIII)と反応させることによって、末端の第1級アミンにR4及びR5が適切に導入されている化合物(IX)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体を得ることができる。ここで反応は溶媒の存在下で実施してもよく、融合反応は溶媒の非存在下で実施してもよく、又はXがヒドロキシの場合、縮合反応を実施してもよい。]
[0035] 縮合反応は、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)又はEDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド)を利用して実施してもよい。或いは、化合物(IX)は、カルボキシル基をまず、酸無水物や酸塩化物のような反応性の基に変換した後、化合物(VI)と反応させて得ることもできる。]
[0036] 上記反応式中、A、R4、R5、l、m、及びpは前記定義と同義であり、R5はHではなく、Xは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ又は−OR5を表し、Y及びY’はそれぞれヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシであるか、又はYとY’が環を形成する場合にはYとY’は、−O−を形成する。]
[0037] ]
[0038] 式(IX)の化合物の少なくとも1つの水素をR2及び/又はR3で置換することによって、アミン位置にR2及びR3が適切に導入されていて、R1が水素であり、R2及びR3の少なくとも一つが水素ではない化合物(I)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体を得ることができる。もしR2とR3が同じ置換基である化合物を得る場合には、R2及びR3の置換基を同時に導入することができる。]
[0039] R2とR3が異なる置換基である化合物を得る場合には、まず、化合物(IX)にR2の置換基を導入して、R1及びR3が水素である化合物(I)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体を得た後、これを有機溶媒と塩基の存在下で、R3の置換基を導入することができる。これとは反対に、化合物(IX)にR3の置換基をまず導入した後、R2の置換基をR3置換化合物に導入して、R2及びR3で適切に置換されてR1が水素である化合物(I)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体を得ることができる。]
[0040] また、化合物(IX)の第2級アミン位置に、所望の置換基を導入した後、塩基存在下でアルキル化剤でキナゾリン環の1位をアルキル化するか、又はアルキル化後、脱保護化をさらに実施することにより、所望の置換基が導入されたR1がアルキルである化合物(I)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体を得ることができる。前記アルキル化剤としては、ハロゲン化アルキル、ジアルキルスルホン酸塩又はスルホン酸アルキルを用いることができる。]
[0041] 前記反応式で、A、R1、R2、R3、R4、R5、l、m、及びpは前記定義と同義であり、R5はHではない。より具体的な反応条件は、下記実施例1〜42に記載されている。]
[0042] 一方、上記方法により製造された本発明に係る一般式(I)の化合物は、従来の後処理方法によってさらに単離及び精製することができるか、又は従来法によって相応する薬学的に許容される塩として製造することができる。この塩は、一般に当業者に公知であり、毒性がなく薬学的に許容される塩でなければならない。本発明の化合物、及び毒性がなく薬学的に許容されるそれらの塩を、製造するために様々な塩が使用可能である。]
[0043] 本発明に係る化合物の薬学的に許容される塩は、酸付加塩又はアルカリ金属塩を含む。そのような酸付加塩は、これに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸、硝酸、ギ酸、プロピオン酸、コハク酸、グルコール酸、乳酸、リンゴ酸、オロチン酸、ニコチン酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、カムシル酸又はカルボン酸との塩でよく、そのようなアルカリ金属塩は、これに限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム又はカルシウムの塩でよい。]
[0044] また、本発明は、一般式(I)のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体化合物及び薬学的に許容されるその塩を薬学的に許容される担体と組合わせることにより、前述したように脳神経系疾患の予防又は治療に有用な医薬組成物を提供する。]
[0045] 本発明に係る一般式(I)の化合物は、下記実験例の結果から立証されるように、脳神経系の正常な又は異常な退化に起因する疾患の治療に、又はそれによる神経細胞の保護に有用である。]
[0046] 本発明は、脳神経系障害、脳神経変性疾患、又は神経系機能不全を予防又は治療するための、活性成分として一般式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を薬学的に許容される担体とともに含有している医薬組成物を提供する。より具体的には、本発明に係る医薬組成物は、神経系機能障害、記憶力減退、脳血管不全、局所脳損傷、局所性頭部外傷、びまん性頭部外傷、脊髄損傷、脳虚血、脳出血、虚血性脳卒中、出血性脳卒中、認知症、脳梗塞、塞栓性閉塞、血栓性閉塞、急性虚血後の再潅流、一過性脳虚血発作、周産期低酸素性−虚血損傷、心停止、頭蓋内出血、くも膜下出血、脳動脈瘤、ウィリス動脈瘤、急性小児片麻痺、むち打ち、揺さぶられっ子症候群、アルツハイマー病、ピック病、びまん性レヴィー小体病、進行性核上麻痺(スティール・リチャードソン症候群)、多系統変性(シャイ・ドレーガー症候群)、神経変性に関連する慢性てんかん症状、運動ニューロン疾患、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、変性性運動失調、皮質基底変性、亜急性硬化性汎脳炎、ハンチントン病、パーキンソン病、シヌクレイン病(synucleinopathies)、原発性進行性失語症、脊髄性筋萎縮症及び球脊髄性筋萎縮症(ケネディ病)、多発性硬化症、テイ・サックス病、痙性対麻痺、プリオン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、てんかん、神経叢障害、又は神経障害から選ばれる病気を予防又は治療するために、及び記憶力改善のために有用である。]
[0047] 本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を固体又は液体の形態の薬学的に許容される不活性担体と組み合わせることによって製造でき、投与に適した薬学的に許容される製剤の形態に製剤化できる。前記製剤は、当業者に周知の即効性又は徐放性の形態に製造できる。医薬組成物は、経口、静脈内又は非経口投与のための錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、シロップ剤、エルキシル剤、液剤、乳剤又は注射剤に製剤化できる。医薬組成物は、直腸投与のための錠剤、カプセル剤、散剤、微粒剤、殺菌液剤又は懸濁剤に、又は坐剤の形態に製剤化できる。]
[0048] 前記の薬学的に許容される担体は、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱物油を含むことができる。また前記の薬学的に許容される担体は、希釈剤、又は充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤等の添加剤を含むことができる。]
[0049] 経口投与用固形製剤は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などの形態であってもよく、少なくとも一つ以上の添加剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、ショ糖、乳糖及びゼラチン、又はステアリン酸マグネシウム、タルク等のような潤滑剤を含んでいてもよい。経口投与用液状製剤は、懸濁液、溶液、乳液、シロップ等の形態であってもよく、水、流動パラフィン等のような希釈剤、湿潤剤、甘味剤、芳香剤又は保存剤を含むことができる。非経口投与用製剤は、滅菌溶液、非水性溶媒、懸濁液、乳液、凍結乾燥製剤、坐剤の形態であってもよい。非水性溶媒及び懸濁液は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物性油、オレイン酸エチルのような注射用エステル類などを含む。坐剤の担体としては、ウィテプゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチン等を用いることができる。]
[0050] 本発明の医薬組成物に含有される一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の適切な用量は、対象の症状、体重、年齢及び性別、疾患の重篤度、剤形、並びに投与経路及び期間によって異なり、当業者は適宜選択できる。例えば、一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、この範囲に限定されないが、1日当たり体重に付き0.01〜500mg/kg、好ましくは0.1〜100mg/kgの範囲の量で投与するのが一般に望ましい。単回投与で投与してもよく、又はそれを一日若しくは1週間につき数回に分けて投与してもよい。]
[0051] また、本発明の医薬組成物は、この範囲に限定されないが、組成物全重量に対して、一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の0.001〜50重量%、好ましくは0.1〜50重量%を含むことができる。]
発明の効果

[0052] 本発明のキナゾリン−2,4−ジオン誘導体、その薬学的に許容される塩、及びキナゾリン−2,4−ジオン誘導体及びその薬学的に許容される塩を含有する組成物は、脳における細胞死の抑制、神経細胞の保護、抗酸化、抗痙攣及び血管弛緩に効果を有する。従って、記憶力増進だけでなく、例えば、脳卒中、アルツハイマー病及びてんかんなどをはじめとする、前述の様々な疾患の予防及び治療に有用である。]
図面の簡単な説明

[0053] 図1は、中大脳動脈閉塞(MCAO)モデルにおける化合物3の抗脳卒中効果を示す。赤色は正常脳部位を表し、白色は梗塞部位を表し、化合物3及びシチコリン(citicoline)を脳卒中誘発1時間前と直前に、それぞれ100mg/kg及び2000mg/kgの量で投与した(各実験群に8匹のマウスを用いた)。
図2は、マウス脳細胞のNMDAで誘発された酸化ストレスを抑制する化合物3の効果を示す。「正常対照群」は何ら処置をしていない正常細胞群であり、「陰性対照群」は300μMのNMDAで処置した脳細胞である。化合物3の125μg/mLと250μg/mLを投与した。#、*、及び**はANOVA及びスチューデントt−検定を使用した場合において、相応する対照と比較して、P<0.05の有意差を示すことを意味している(#;正常対照群を陰性対照群と比較:*及び**;化合物処置群を陰性対照群と比較)。] 図1 図2
[0054] 本発明は下記実施例を参照してより詳細に説明される。これらの実施例は、本発明を説明する目的のためのものであり、限定しようとするものではない。]
[0055] 実施例1
3−{3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(化合物1)
1)2−エトキシカルボニルアミノ安息香酸エチルの製造:
2−アミノ安息香酸エチル(20g、0.12mol)をキシレン(140mL)に溶かし、クロロギ酸エチル(13.8mL、0.15mol)を加えた。3時間還流反応させた後、溶媒を減圧蒸留にて除去した。残渣に石油エーテル(30mL)を加えて、冷却した。生成した固体をろ過収集して、ろ液を濃縮結晶化して、白色固体の表題化合物(26g、90.5%)を得た。]
[0056] ]
[0057] 2)3−{3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオンの製造:
2−エトキシカルボニルアミノ安息香酸エチル(8.0g、33.7mmol)とN,N’−ビス−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン(8.87g、43.8mmol)を加温して溶融した。125〜135℃で4時間撹拌後、イソプロピルアルコールを加え、濃塩酸を加えて固体を生成した。
ろ過して得られた固体を水に溶解した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水を減圧蒸留にて除去した後、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、油状形態の表題化合物(5.0g、43%)を得た。]
[0058] ]
[0059] 実施例2
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(化合物2)
(方法1)
2−エトキシカルボニルアミノ安息香酸エチル(4.9g、20.6mmol)とN,N’−ビス−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン(2.1g、10.3mmol)を加温して溶融した。125〜135℃で5時間撹拌後、イソプロピルアルコール(25mL)を加えて固体を生成した。ろ過後、減圧乾燥して白色固体の表題化合物(3.3g、64%)を得た。]
[0060] ]
[0061] (方法2)
3−{3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(2.1g、6.0mmol)と2−エトキシカルボニルアミノ安息香酸エチル(1.6g、6.6mmol)を125〜135℃で溶融した。5時間後、イソプロピルアルコール(20mL)を加えて固体を生成した。ろ過後、減圧乾燥して、方法1で得た化合物と同様の白色固体の表題化合物(2.2g、74%)を得た。]
[0062] 実施例3
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アセトアミドの塩酸塩(化合物3)
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(3g、6.1mmol)をピリジン(60mL)に溶かした後、無水酢酸(0.7mL、7.3mmol)を加えた。2時間後、ピリジンを減圧蒸留で除去した。残渣にジクロロメタンと水を加えた。生成した固体をろ過して除去し、溶液中で層分離した。水層に濃塩酸を加え、pH2〜3に調整し、水を減圧蒸留にて除去して、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、表題化合物(1.1g、32%)を得た。]
[0063] ]
[0064] 上記の実施例3の化合物(1.0g)をイオン交換樹脂で処理して、塩基形態の化合物、N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アセトアミド(0.65g)を得た。]
[0065] ]
[0066] 実施例4
N−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド(化合物4)
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(2g、4.1mmol)をピリジン(50mL)に溶かした後、無水酢酸(1.0mL、10.2mmol)を加えた。2時間後、ピリジンを減圧蒸留で除去し、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、表題化合物(2.1g、90%)を得た。]
[0067] ]
[0068] 実施例5
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸エチルエステルの塩酸塩(化合物5)
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(2g、4.1mmol)をヘキサメチルリン酸アミド(20mL)に加温して溶かした。冷却してクロロギ酸エチル(0.4mL、4.1mmol)を加えた。2時間後、反応混合物にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、黄色固体の表題化合物(0.48g、20%)を得た。]
[0069] ]
[0070] 実施例6
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]メチルアミノ}ブチル)アセトアミド(化合物6)
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アセトアミドの塩酸塩(2g、3.5mmol)をジクロロメタン(80mL)とメタノール(10mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.45g、4.5mmol)とパラホルムアルデヒド(0.14g、4.5mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を濃縮した後、メタノール40(mL)と水素化ホウ素ナトリウム(0.76g、20.2mmol)を加え、15時間撹拌した。メタノールを減圧蒸留にて除去し、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、白色固体の表題化合物(1.2g、62%)を得た。]
[0071] ]
[0072] 実施例7
3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(化合物7)
2−エトキシカルボニルアミノ安息香酸エチル(7g、29.5mmol)とN−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン(2.1g、14.8mmol)を140℃で溶融した。3時間後、イソプロピルアルコール(50mL)を加え、固体を生成した。ろ過後、減圧乾燥して、黄色固体の表題化合物(3.2g、50%)を得た。]
[0073] ]
[0074] 実施例8
N−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−4−ヒドロキシベンズアミドの二塩酸塩(化合物8)
ジメチルスルホキシド(20mL)に、4−ヒドロキシ安息香酸(1.13g、8.2mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.27g、9.4mmol)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.94g、9.4mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(1.64mL、9.4mmol)を加え、15分撹拌した。3−{3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(2.18g、6.3mmol)をジメチルスルホキシド(10mL)に溶解して加え、50℃に加熱撹拌した。5時間後、ジメチルスルホキシドを除去し、残渣溶液を濃塩酸と共にメタノールに溶かした。メタノールを除去した後、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、白色固体の表題化合物(1.6g、47%)を得た。]
[0075] ]
[0076] 実施例9
3−{3−[4−({N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ベンジル}アミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(化合物9)
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(2g、4.1mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)と水酸化ナトリウム(0.3g、8.1mol)水溶液(60mL)に溶かし、冷却した。臭化ベンジル(0.48mL、4.1mmol)を滴下した。15時間後、生成した固体をろ過した。ろ液を減圧蒸留した。残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、白色固体の表題化合物(0.28g、12%)を得た。]
[0077] ]
[0078] 実施例10
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}ベンズアミドの塩酸塩(化合物10)
前記実施例5のクロロギ酸エチルの代わりに塩化ベンゾイル(0.69g、4.9mmol)を用いた。前記実施例5と同様にして、白色固体の表題化合物(0.2g、7.8%)を得た。]
[0079] ]
[0080] 実施例11
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物11)
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(2g、4.1mmol)をピリジン(20mL)に溶かし、冷却した。二炭酸ジ−tert−ブチル(0.93g、4.3mmol)を加えた。3時間後、ピリジンを減圧蒸留にて除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、黄色固体の表題化合物(0.25g、10.4%)を得た。]
[0081] ]
[0082] 実施例12
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}メタンスルホンアミドの塩酸塩(化合物12)
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(2g、4.1mmol)をヘキサメチルリン酸アミド(10mL)に加温して溶かした。ジクロロメタン(30mL)を加え、冷却した後、メタンスルホニルクロリド(0.5g、4.3mmol)を加えた。2時間後、ジクロロメタンを減圧蒸留にて除去し、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、白色固体の表題化合物(0.67g、27%)を得た。]
[0083] ]
[0084] 実施例13
N−(4−{ベンジル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド(化合物13)
3−3−[4−({N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ベンジル}アミノ)ブチルアミノ]プロピル−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(0.28g、0.48mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶かした。トリエチルアミン(0.13mL、0.96mmol)と無水酢酸(0.06mL、0.58mmol)を加え、1時間撹拌した。水を加えて有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、濃縮し、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、油状形態の表題化合物(0.12g、40%)を得た。]
[0085] ]
[0086] 実施例14
(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸エチルエステル(化合物14)
前記実施例4の3−(3−4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノプロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオンと無水酢酸の代わりに、N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アセトアミドの塩酸塩(3g、5.3mmol)とクロロギ酸エチル(0.6mL、6.3mmol)を用いた。ピリジンとジクロロメタンの混合溶媒中で前記実施例4と同様にして、白色固体の表題化合物(1.1g、34%)を得た。]
[0087] ]
[0088] 実施例15
3−[3−(4−{N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ベンジルアミノ}ブチル)−N−ベンジルアミノ]プロピル−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(化合物15)
前記実施例9で、15時間の反応により生成した白色固体をろ過して、表題化合物(0.4g、15%)を得た。]
[0089] ]
[0090] 実施例16
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]エトキシカルボニルアミノ}ブチル)カルバミン酸エチルエステル(化合物16)
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(2g、4.1mmol)をピリジン(40mL)に溶かして、クロロギ酸エチル(0.46mL、4.9mmol)を加えた。2時間後、ピリジンを減圧蒸留にて除去し、残渣にジクロロメタンと水を加えた。層分離し、ジクロロメタンを除去した後、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、黄色固体の表題化合物(0.61g、24%)を得た。]
[0091] ]
[0092] 実施例17
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物17)
前記実施例11で、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの別の画分を採取して、白色固体の表題化合物(0.3g、11%)を得た。]
[0093] ]
[0094] 実施例18
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]メタンスルホニルアミノ}ブチル)メタンスルホンアミド(化合物18)
前記実施例12で、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの別の画分を採取して、白色固体の表題化合物(0.24g、9.1%)を得た。]
[0095] ]
[0096] 実施例19
N−[3−(アセチル−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アミノ)プロピル]−4−ヒドロキシベンズアミド(化合物19)
N−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−4−ヒドロキシベンズアミド(1.27g,2.72mmol)をピリジン(10mL)に溶かした後、無水酢酸(0.4mL、4.07mmol)を加えた。2時間後、ピリジンを減圧蒸留にて除去し、ジクロロメタンと水を加え、有機層を分離して、除去し、減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及びイオン交換樹脂で処理して、油状形態の表題化合物(0.06g、4.3%)を得た。]
[0097] ]
[0098] 実施例20
N−[3−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチルアミノ)プロピル]−4−ヒドロキシベンズアミド(化合物20)
前記実施例19で、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの別の画分を採取し、これをCG−50イオン交換樹脂で処理して、油状形態の表題化合物(0.06g、4.0%)を得た。]
[0099] ]
[0100] 実施例21
N−{3−[アセチル−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]プロピル}−4−ヒドロキシベンズアミド(化合物21)
前記実施例19で、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの別の画分を採取して、白色固体の表題化合物(0.53g、35.4%)を得た。]
[0101] ]
[0102] 実施例22
N−[4−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)ブチル]−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド(化合物22)
前記実施例4の3−(3−4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノプロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオンの代わりに、3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(1g、2.3mmol)を用いた。ピリジンとジクロロメタンの混合溶媒中で前記実施例4と同様にして、白色固体の表題化合物(0.89g、81%)を得た。]
[0103] ]
[0104] 実施例23
3−(2−{3−[2−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)エチルアミノ]プロピルアミノ}エチル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(化合物23)
前記実施例7のN−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンの代わりに、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(2.4g、14.8mmol)を用いた。前記実施例7と同様にして、黄色固体の表題化合物(3.7g、55%)を得た。]
[0105] ]
[0106] 実施例24
3−(3−{3−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]プロピルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(化合物24)
前記実施例7のN−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンの代わりに、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン(2.8g、14.8mmol)を用いた。前記実施例7と同様にして、白色固体の表題化合物(2.9g、41%)を得た。]
[0107] ]
[0108] 実施例25
3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]−2−ブテニルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(化合物25)
前記実施例7のN−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンの代わりに、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−2−ブテン−1,4−ジアミン(2.96g、14.8mmol)を用いた。前記実施例7と同様にして、白色固体の表題化合物(4.5g、62%)を得た。]
[0109] ]
[0110] 実施例26
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物26)
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g、2.9mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)とジクロロメタン(10mL)に溶かし、冷却した。水素化ナトリウム(0.2g、8.3mmol)とヨウ化メチル(0.6mL、9.6mmol)を加え、2時間撹拌した。溶媒を減圧濃縮した後、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、油状形態の表題化合物(1.9g、91%)を得た。]
[0111] ]
[0112] 実施例27
1−メチル−3−(3−{4−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオンの二塩酸塩(化合物27)
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.8g、2.5mmol)をメタノール(20mL)に溶かし、濃塩酸を加えて撹拌した。メタノールを濃縮後、結晶化して、白色固体の表題化合物(1.3g、88%)を得た。]
[0113] ]
[0114] 実施例28
3−(3−{4−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオンの二塩酸塩(化合物28)
3−{3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン(1.06g、3.1mmol)とフタル酸ジエチル(0.68g、3.1mmol)を125〜130℃で加熱撹拌した。3時間後、イソプロピルアルコール(25mL)と濃塩酸を加え、固体を生成した。固体をろ過し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、白色固体の表題化合物(0.25g、15%)を得た。]
[0115] ]
[0116] 実施例29
3−(3−{2−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]エチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオンの二塩酸塩(化合物29)
前記実施例7のN−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンの代わりに、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン(2.5g、14.3mmol)を用いた。前記実施例7と同様にして固体を生成した後、メタノール中濃塩酸で処理して、白色固体の表題化合物(1.5g、9.5%)を得た。]
[0117] ]
[0118] 実施例30
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘキシルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物30)
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g、3.4mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶かし、水素化ナトリウム(0.16g、6.7mmol)と1−ブロモヘキサン(0.67g、4.0mmol)を加え、還流撹拌した。溶媒を減圧濃縮した後、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、白色固体の表題化合物(0.52g、23%)を得た。]
[0119] ]
[0120] 実施例31
3−[3−(4−{N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ヘキシルアミノ}ブチルアミノ)プロピル]−1H−キナゾリン−2,4−ジオンの二塩酸塩(化合物31)
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘキシルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.4g、0.6mmol)を、前記実施例27と同様にして脱保護化した後、クロマトグラフィーで分離して、白色固体の表題化合物(0.1g、26%)を得た。]
[0121] ]
[0122] 実施例32
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物32)
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(3g、4.3mmol)をアセトニトリル120mLに溶かし、炭酸カリウム(3.45g、25.0mmol)と1−ブロモヘキサン(3.5g、21.1mmol)を加え、3時間還流撹拌した。溶媒を減圧濃縮した後、残渣にシリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施して、無色油状形態の表題化合物(3.7g、99%)を得た。]
[0123] ]
[0124] 実施例33
1−ヘキシル−3−(3−{4−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオンの二塩酸塩(化合物33)
(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g、2.3mmol)を前記実施例27と同様にして脱保護化し、エタノールで結晶化して、白色固体の表題化合物(1.07g、63%)を得た。]
[0125] ]
[0126] 実施例34
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘプタノイルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物34)
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.4g、0.7mmol)を前記実施例4の無水酢酸の代わりに、ヘプタン酸無水物(0.2g、0.8mmol)と反応させ、前記実施例4と同様にして、白色固体の表題化合物(0.37g、88%)を得た。]
[0127] ]
[0128] 実施例35
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}ヘプタン酸アミドの塩酸塩(化合物35)
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘプタノイルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.36g、0.5mmol)を用い、前記実施例31と同様にして、白色固体の表題化合物(0.2g、61%)を得た。]
[0129] ]
[0130] 実施例36
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの塩酸塩(化合物36)
前記実施例3の無水酢酸の代わりにトリフルオロ酢酸無水物(1.5g、7.3mmol)を用いた。前記実施例3と同様にして、黄色固体の表題化合物(0.6g、15.8%)を得た。]
[0131] ]
[0132] 実施例37
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4-[[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(2,2,2−トリフルオロアセチル)アミノ]ブチル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(化合物37)
前記実施例36で生成された固体とシリカゲルカラムクロマトグラフィーの別の画分を採取して、白色固体の表題化合物(1.1g、26.4%)を得た。]
[0133] ]
[0134] 実施例38
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−2−メトキシアセトアミドの塩酸塩(化合物38)
前記実施例5の、出発物質(0.5g、1.0mmol)と、クロロギ酸エチルの代わりにメトキシアセチルクロリド(0.12g、1.1mmol)を用いた。前記実施例5と同様にして、白色固体の表題化合物(0.1g、16.4%)を得た。]
[0135] ]
[0136] 実施例39
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸ベンジルエステルの塩酸塩(化合物39)
前記実施例3の無水酢酸の代わりにクロロギ酸ベンジル(1.05g、6.1mmol)を用いた。前記実施例3と同様にして、黄色固体の表題化合物(0.34g、8.4%)を得た。]
[0137] ]
[0138] 実施例40
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−4−メチルベンゼンスルホンアミド(化合物40)
前記実施例12のメタンスルホニルクロリドの代わりに、p−トルエンスルホニルクロリド(1.4g、7.3mmol)を用いた。メタノール中で前記実施例12と同様の手順を実施した後、これをCG−50イオン交換樹脂で処理して、白色固体の表題化合物(0.3g、8%)を得た。]
[0139] ]
[0140] 実施例41
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−4−メチルベンゼンスルホニルアミノ}ブチル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(化合物41)
前記実施例40で、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで別の画分を採取して、白色固体の表題化合物(1.27g、26%)を得た。]
[0141] ]
[0142] 実施例42
3−(3−{4−[3−(2,5−ジオキソ−ピロリジン-1−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオンの二塩酸塩(化合物42)
前記実施例28の、出発物質(1.5g、4.3mmol)を用いて、フタル酸ジエチルの代わりに無水コハク酸(0.43g、4.33mmol)を用いた。前記実施例28と同様にして、黄色固体の表題化合物(0.23g、11%)を得た。]
[0143] ]
[0144] 前記実施例により製造した化合物を用いる以下の実験例によって、本発明に係る前記式(I)の化合物が神経保護剤として優れた効果を有していることが詳細に説明されている。
但し、下記の実験例は、本発明の理解に役立つように示されるものであって、添付の特許請求の範囲に示される本発明を限定するものとは決して解釈されるべきではない。]
[0145] 実験例1:中大脳動脈閉塞(MCAO)モデルでの抗脳卒中効果の実験
実験動物として、体重290〜300gのSD種雄性ラットを、及び、各実験群に8匹のラットを用いた。手術はNagasawa等の方法により行った(Nagasawa, H. and Gogure, K. 1989, Stroke, 20:1037-1043)。]
[0146] ラットをケタミンで麻酔し、サーモプレート(thermoplate)を使用して体温を保持しながら手術を施行した。まず、首の正中線に沿って脳部位を切開し、迷走神経に損傷を与えないように注意しながら左側総頸動脈、内頸動脈、及び外頸動脈を分離した。総頸動脈と外頸動脈を結紮し、内及び外頸動脈の分枝点から内頸動脈内にプローブを挿入した後、挿入部位の真上側を結紮することで、中大脳動脈の基底部を閉塞した。4−0ナイロン手術縫合糸(Dafilon, B. Braun, Germany)の端部を加熱してプローブを作り、30mmに切断した。プローブの端部7〜9mmをシリコン(Xantopren VL plus, Heraeus Kulzer, Germany)と硬化剤(Optosyl-Xantopren VL plus, Heraeus Kulzer, Germany)との混合物でコーティングし、厚さが0.3〜0.4mmになるようにした。プローブ挿入手術後、動物が麻酔から覚めたら、神経学的欠損症状(右方向旋回)が観察される個体を虚血群とした。
虚血の3時間後、挿入したプローブを除去し、血行を再潅流させた。24時間後に脳を摘出して、組織学的染色を施行した。]
[0147] 化合物3は、プローブ挿入前又は後の計画された時間に経口又は静脈内投与した。虚血による脳組織の損傷を評価するために、TTC(2,3,5−トリフェニルテトラゾリウムクロライド)染色を実施した。摘出した脳の前脳を、ブレーンマトリックス(brain matrix, ASI instrument, Warren,MI, USA)を利用して、2mm厚さの連続的切片に切断した。切片を2%TTC溶液に入れ、37℃で60分間培養して染色した。TTCで染色した脳切片を10%ホルマリン緩衝液に固定した後、各切片の前面をデジタルカメラで撮影した。得られたそれぞれの画像から深紅色に染色していない梗塞部位の面積(cm2)を画像分析装置を使用して測定し、切片の厚さを乗じて梗塞総容積(cm3)を算出した。]
[0148] その結果、化合物3の経口投与(100mg/kg)が、脳卒中誘発の1時間前と直前に実施した経口投与について、陰性対照群と比較して、脳梗塞容積率がそれぞれ22.3と69.8%となる阻害効果を示した。陽性対照として投与したシチコリン(2g/kg)では、それぞれ51.1と37.8%と観測された(表1及び図1)。] 図1
[0149] 実験では、脳卒中誘発後プローブを除去して血行を再潅流させた。次いで、化合物3を分割時間に5mg/kg用量で静脈内投与した。再潅流後12時間に投与しても、62.7%の壊死容積なる阻害効果が観察された。その一方で、陽性対照として投与したMK−801は、再潅流の後30分に最大効果を示した(表2)。従って、化合物3は脳卒中の予防及び治療に明確な効果を有し、脳卒中発症後、治療が遅れた患者にも適用できる。]
[0150] ]
[0151] ]
[0152] 実験例2.神経細胞−グリア細胞混合培養での興奮性神経毒性の阻害効果
神経細胞の分離及び培養はチョイの方法(Choi, D. W. 1985, Neurosci. Lett., 58: 293-297)で実施した。即ち、妊娠14日目のICRマウスの胎児より大脳皮質(cortex)を分離した後、ピペットを利用して組織から単一細胞を得た。予め3週以上5%CO2で37℃に保持される培養器中で培養した大脳皮質グリア細胞が育っている24ウェルプレート(Falcon)に2×105/ウェルの密度で細胞を分注した。培養液はMEM(最小必須培地, Sigma)に2mMのグルタミン、21mMのグルコース、26.5mMの重炭酸塩、10%ウシ胎仔血清(FBS)で補完した。分注後3〜5日目に、神経グリア細胞の増殖を抑制するために、10μMのAra−C(cytosine arabinoside)で処理した。分注後12〜15日目に、興奮性毒性による神経細胞の死滅を誘導するために、100μMのNMDAと1μg/mL又は2μg/mLのそれぞれの試料(化合物)とで20分間処理した。神経細胞の死滅により、死滅細胞の数に比例して乳酸脱水素酵素(LDH)が培養液内に蓄積される。薬剤処理の24時間後に、細胞外に放出される脱水素酵素(LDH)の量をLDH測定キット(CytoTox 96, Promega)を用いて測定した。反応完了後、LDH量による吸光度の変化をマイクロプレート分光光度計で測定した。
陰性対照と比較した細胞死における阻害効果が表3に示され、有意な効果を示した。]
[0153] ]
[0154] 実験例3.SH−SY5Y細胞におけるH2O2介在性細胞毒性の阻害効果
ヒト由来の神経細胞株に配向されているSH−SY5Y細胞を96ウェルプレートに3×104の細胞濃度で培養して、試料を処理した。30分後、200μMの過酸化水素で24時間処理して、毒性を誘発した。反応完了後、MTTアッセイを通して細胞生存率を測定した。
その結果、SH−SY5Y細胞の生存率が化合物4の濃度と陽性に相関することを確認しており、100μg/mL濃度で約35%の細胞保護効果を示した(表4)。]
[0155] ]
[0156] 実験例4.SH−SY5Y細胞におけるZnSO4介在性細胞毒性の阻害効果
SH−SY5Y細胞を96ウェルプレートに3×104の細胞濃度で培養して、化合物(50μg/mL)を処理した。30分後、600μMの硫酸亜鉛で24時間処理して、毒性を誘発して、MTTアッセイを通して細胞生存率を測定した。
その結果、9.1〜21.7%の毒性阻害効果を示した(表5)。]
[0157] ]
[0158] 実験例5.脳細胞におけるROS生成の阻害効果
脳細胞で活性酸素種(ROS)生成の阻害効果を試験するために、蛍光プローブであるDCF−DAを利用して、酸化ストレスを測定した。脳細胞をマウスの大脳皮質から得て、細胞液を2×106細胞/mLに調製した。各脳細胞を11μMのDCF−DAで処理した後、37℃、5%CO2培養器で1時間反応させた。2回洗浄後、125μg/mL及び250μg/mLの濃度の化合物3で処理した。同時に、300μMのNMDAで処理し、37℃、5%CO2培養器で24時間培養した。反応完了後、反応溶液内の活性酸素を示す蛍光発光を蛍光分光光度計(励起480nm/発光535nm)を利用して測定した。
その結果、化合物3はNMDAで誘発された神経細胞の酸化ストレスを容量依存的に抑制した(図2)。] 図2
[0159] また、化合物のROS阻害効果を、対照と比較して活性酸素の生成を50%抑制する量(ID50、μg/mL)で表した。活性酸素生成に重要な役割を担う酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性の増大が観察され、対照と比較した増加率を表した。スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性はシグマ社から購入したキットを利用して測定した。
その結果、大部分の化合物が、陽性対照であるMK−801に比べて、より低いID50量を示した。それらが、MK−801より少ない量で優れた効果を有することが示された。]
[0160] ]
[0161] ]
[0162] 実験例2〜5で試験された化合物のNMDA受容体における拮抗剤としての効果は、本発明の化合物が、虚血性脳卒中治療剤として使用できるだけでなく、この受容体と関連する退行性脳疾患、例えば、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病と、外傷性脳損傷又は脊髄損傷の予防及び治療剤としても使用でき、また記憶力の改善にも使用できることを明らかにした。]
[0163] 実験例6.抗痙攣効果の実験
実験をアリらの方法(Ali, A. et al. 2006, Pharmacological Reports, 58: 242-245)によって実施した。10mg/kg用量の化合物を腹腔内投与して抗痙攣効果を確認して、その効果を観察した(表8)。抗痙攣薬剤の開発途中、活性の過程検索をNIHのAnti-epileptic Drug Development Program(ADD)によって実施した。このプログラムの第1段階の抗痙攣活性の評価項目の一つがペンチレンテトラゾール(PTZ)テストである。試験薬剤投与後、80mg/kg用量のPTZを皮下投与して、少なくとも30分間観察した。10mg/kgの試験薬剤を投与した後、痙攣開始時間、痙攣が完全に消えるまでの持続時間及び死亡率を算出して評価を行った。PTZの投与後、実験動物4匹中少なくとも1匹に5秒以上の間代性痙攣の発症が1度も見られない場合に、抗痙攣効果を有すると評価した。]
[0164] ]
[0165] 実験例7.ラットにおける胸部大動脈の弛緩効果
雄性SD種ラット(250−300g)をエーテル吸入で麻酔した後、胸部大動脈を摘出し、Krebs緩衝液(mM;NaCl 118、NaHCO3 27.3、KCl 4.8、MgSO4 1.2、KH2PO4 1.0、CaCl2 1.25、グルコース11.1)に入れた。解剖顕微鏡下で2mmの大動脈輪をつくり、血管の張力を測定するために、オーガンバス(organ bath)に入れて培養した。オーガンバスにKrebs緩衝液を充填し、95%O2、5%CO2で飽和して、溶存酸素と生理的pHを保持した。張力の変化は張力計(Hugo-sachs, model K30)で測定し、生理的レコーダ(Coulbourn polygraph)で記録した。基底張力を1.0gとするために、血管の長さを90分間段階的に増大した。平衡化した血管をフェニレフリン(0.5μM)で収縮させた。収縮溝が平衡に達したときに、化合物を添加して弛緩応答を観察した。]
[0166] 化合物3を50μg/mL、100μg/mL、及び200μg/mLの用量で添加した結果を表9に示した。化合物3はフェニレフリンにより収縮したラットの胸部大動脈を用量依存的に弛緩した(表9)。各化合物を67μg/mLの用量で投与した結果を表10に示した。この結果により、生体内の血管拡張による血流の増大によって、細胞の死滅が遅れ、死滅細胞の再生を誘導することが推定できる。]
[0167] ]
[0168] ]
実施例

[0169] ほとんどの化合物で、対照群と比べて、優れた血管筋の弛緩効果が観察された。]
[0170] 実施例に上記するように、本発明に係る化合物は、抗脳卒中効果、NMDA受容体に対する拮抗効果、神経細胞でのH2O2毒性及びZnSO4毒性の阻害効果、神経細胞での抗酸化効果、抗痙攣効果及び大動脈の弛緩効果を示す。従って、脳卒中、神経系機能障害、記憶喪失、脳血管機能不全、脳及び脊髄損傷、脳虚血、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかんのような、前述の様々な疾患の予防及び治療剤として利用することができる。]
权利要求:

請求項1
下記一般式(I)のキナゾリン−2,4−ジオン化合物又はその薬学的に許容される塩:[式中、R1は、水素又はアルキルであり;R2及びR3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、−COR6、−SO2R7、又は置換されていてもよいフェニル若しくはベンジル(ここで、R6はそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ又はニトロで置換されていてもよいアルキル、アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ若しくはベンジルオキシであり、R7は置換されていてもよい低級アルキル又はアリールである)から選ばれ;Aは、−(CH2)n−又は−CH2CH=CHCH2−(ここで、nは2〜4の整数である)であり;R4は水素であり、そしてR5は水素又はベンゼン環が一つ又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ又はニトロで置換されていてもよいベンゾイルであるか、又はR4及びR5がNとともに環を形成する場合、R4及びR5は、(ここで、R8は水素又はアルキルである)の2価の部分を形成し;l及びmは、それぞれ独立して、2〜4の整数であり;そしてpは0又は1の整数である。]
請求項2
R1が水素であり;R2及びR3がそれぞれ独立して、水素、C1−6アルキル、−COR6、−SO2R7、又は置換されていてもよいフェニル若しくはベンジル(ここで、R6はそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ又はニトロで置換されていてもよいアルキル、アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ若しくはベンジルオキシであり、R7は置換されていてもよい低級アルキル又はアリールである)から選ばれ;Aが、−(CH2)n−又は−CH2CH=CHCH2−(ここで、nは2〜4の整数である)であり;R4が水素であって、R5が、水素、又はベンゼン環が一つ又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ又はニトロで置換されていてもよいベンゾイルであるか、又はR4及びR5がNと共に環を形成する場合、R4及びR5が(ここで、R8は水素又はアルキルである)の2価の部分を形成し;l及びmがそれぞれ独立して、2〜4の整数であり;そしてpが0又は1の整数である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項3
(3−3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピル−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;)3−{3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アセトアミド;N−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド;[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸エチルエステル;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]メチルアミノ}ブチル)アセトアミド;3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;N−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−4−ヒドロキシベンズアミド;3−{3−[4−({N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ベンジル}アミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}ベンズアミド;[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}メタンスルホンアミド;N−(4−{ベンジル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド;(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸エチルエステル;3−{[3−(4−{N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ベンジルアミノ}ブチル)−N−ベンジルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]エトキシカルボニルアミノ}ブチル)カルバミン酸エチルエステル;(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]メタンスルホニルアミノ}ブチル)メタンスルホンアミド;N−[3−(アセチル−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アミノ)プロピル]−4−ヒドロキシベンズアミド;N−[3−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチルアミノ)プロピル]−4−ヒドロキシベンズアミド;N−{3−[アセチル−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)アミノ]プロピル}−4−ヒドロキシベンズアミド;N−[4−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)ブチル]−N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アセトアミド;3−(2−{3−[2−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)エチルアミノ]プロピルアミノ}エチル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;3−(3−{3−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]プロピルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;3−(3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]−2−ブテニルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル;1−メチル−3−(3−{4−[3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;3−(3−{4−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;3−(3−{2−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]エチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘキシルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル;3−[3−(4−{N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ヘキシルアミノ}ブチルアミノ)プロピル]−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;(4−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチル)−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステル;1−ヘキシル−3−(3−{4−[3−(1−ヘキシル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘプタノイルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル;[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}ヘプタン酸アミド;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4-[[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(2,2,2−トリフルオロアセチル)アミノ]ブチル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−2−メトキシアセトアミド;[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸ベンジルエステル;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−4−メチルベンゼンスルホンアミド;N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−4−メチルベンゼンスルホニルアミノ}ブチル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド;及び3−(3−{4−[3−(2,5−ジオキソ−ピロリジン-1−イル)プロピルアミノ]ブチルアミノ}プロピル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオン;よりなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項4
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アセトアミドである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項5
3−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオンである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項6
3−{3−[4−({N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−ベンジル}アミノ)ブチルアミノ]プロピル}−1H−キナゾリン−2,4−ジオンである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項7
N−[3−(アセチル−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}アミノ)プロピル]−4−ヒドロキシベンズアミドである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項8
N−[3−(4−{アセチル−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]アミノ}ブチルアミノ)プロピル]−4−ヒドロキシベンズアミドである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項9
3−(2−{3−[2−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)エチルアミノ]プロピルアミノ}エチル)−1H−キナゾリン−2,4−ジオンである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項10
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−(4−{[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]ヘキシルアミノ}ブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステルである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項11
[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}カルバミン酸ベンジルエステルである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項12
N−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピル]−N−{4−[3−(2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)プロピルアミノ]ブチル}−4−メチルベンゼンスルホンアミドである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
請求項13
一般式(IV)の化合物を、一般式(V)のアミン化合物と溶媒の存在下又は非存在下で反応させて一般式(IX)の化合物を得る工程を含んでなる、一般式(IX)の化合物を製造する方法:(式中、A、l、m、及びpは請求項1で定義したものと同義であり;R4及びR5は水素を表すか、又はR4及びR5がNと共に環を形成する場合には、R4及びR5はの2価の部分を形成し;Alkはアルキル基を表し;そしてLは離脱基を表す)。
請求項14
一般式(IV)の化合物が、一般式(II)の2−アミノ安息香酸エチルと一般式(III)のクロロギ酸エチルを有機溶媒中で反応させて得られる2−エトキシカルボニルアミノ安息香酸エチルである、請求項13に記載の一般式(IX)の化合物を製造する方法。
請求項15
一般式(VI)の第1級アミン化合物を一般式(VII)の化合物又は一般式(VIII)の化合物と溶媒の存在下又は非存在下で反応させて、一般式(IX)の化合物を得る工程を含んでなる、一般式(IX)の化合物を製造する方法:(式中、A、R4、R5、l、m、及びpは請求項1で定義したものと同意であり;R5は水素ではなく;Xはヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ又は−OR5を表し;Y及びY’はそれぞれヒドロキシ、ハロゲン若しくはアルコキシであるか、又はYとY’が環を形成する場合には、YとY’は−O−を形成する)。
請求項16
一般式(IX)の第2級アミン化合物の少なくとも1つの水素を、R2、R3、又はR2及びR3で置換して、R2及びR3の少なくとも一つが水素でない、一般式(Ia)の化合物を得る工程を含んでなる、一般式(Ia)の化合物を製造する方法:(式中、R2、R3、R4、R5、A、l、m及びpは請求項1で定義したものと同義であるが、但し、R5は水素ではない。)
請求項17
一般式(Ia)の化合物を、アルキル化剤と反応させて、必要に応じて、保護基を除去して、R1がアルキルである一般式(I)の化合物を製造する工程を含んでなる、R1がアルキルである一般式(I)の化合物を製造する方法:(式中、R1、R2、R3、R4、R5、A、l、m及びpは請求項1で定義したものと同義であるが、但し、R1及びR5は水素ではない)。
請求項18
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有してなる、神経細胞の保護、又は脳神経系疾患の予防若しくは治療用の医薬組成物。
請求項19
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有してなる、退行性脳神経系疾患の予防又は治療用の医薬組成物。
請求項20
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有してなる、神経系機能障害、記憶力減退、脳血管不全、局所脳損傷、局所性頭部外傷、びまん性頭部外傷、脊髄損傷、脳虚血、脳出血、虚血性脳卒中、出血性脳卒中、認知症、脳梗塞、塞栓性閉塞、血栓性閉塞、急性虚血後の再潅流、一過性脳虚血発作、周産期低酸素性−虚血損傷、心停止、頭蓋内出血、くも膜下出血、脳動脈瘤、ウィリス動脈瘤、急性小児片麻痺、むち打ち、揺さぶられっ子症候群、アルツハイマー病、ピック病、びまん性レヴィー小体病、進行性核上麻痺(スティール・リチャードソン症候群)、多系統変性(シャイ・ドレーガー症候群)、神経変性に関連する慢性てんかん症状、運動ニューロン疾患、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、変性性運動失調、皮質基底変性、亜急性硬化性汎脳炎、ハンチントン病、パーキンソン病、シヌクレイン病(synucleinopathies)、原発性進行性失語症、脊髄性筋萎縮症及び球脊髄性筋萎縮症(ケネディ病)、多発性硬化症、テイ・サックス病、痙性対麻痺、プリオン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、てんかん、神経叢障害、及び神経障害よりなる群から選択される疾患の予防又は治療用の医薬組成物。
請求項21
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有してなる、脳卒中の予防又は治療用の医薬組成物。
請求項22
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有してなる、アルツハイマー病の予防又は治療用の医薬組成物。
請求項23
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有してなる、てんかんの予防又は治療用の医薬組成物。
請求項24
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有してなる、記憶力の改善用の医薬組成物。
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