![]() ヘリコバクター・ピロリ菌のリボソームタンパク質l1由来の新しい抗生ペプチド及びその使用
专利摘要:
本発明は、ヘリコバクター・ピロリ菌のリボソームタンパク質L1(RPL1)由来の新しい抗生ペプチド及びその用途に関するもので、詳細には、ヘリコバクター・ピロリ菌のリボソームタンパク質L1由来の配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドから1番と8番位置のフェニルアラニンをアラニンに転換したり、そこに追加的に13番位置のアスパラギンをリジンに転換したりすることで製造されたペプチドは、既存の抗生ペプチドと比較して細胞毒性は低く維持しながら抗菌活性はさらに高く示すので、人体に安全な抗生剤として有用に使用できる。 公开号:JP2011510977A 申请号:JP2010544878 申请日:2008-11-25 公开日:2011-04-07 发明作者:ジョン−グク イ;ソン−チョル パク;ユンキョン パク;キョン−ス ハム 申请人:インダストリー−アカデミック コーオペレイション ファウンデーション, チョソン ユニヴァーシティー; IPC主号:C07K7-08
专利说明:
[0001] 本発明は、ヘリコバクター・ピロリ菌のリボソームタンパク質L1由来の新しい抗生ペプチド及びその用途に関するもので、具体的に配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドから1番と8番位置のフェニルアラニンをアラニンに転換することで製造された配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチド、及び前記抗生ペプチドから13番位置のアスパラギンをリジンに転換することで製造された配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチド、及び前記抗生ペプチドを含む抗生剤に関するものである。] 背景技術 [0002] 細菌の感染は、ヒトの疾病の中で最も起きやすく致命的な原因の一つであるが、不幸にも抗生剤の濫用によって細菌の抗生剤抵抗性が惹起された。実際、細菌が新しい抗生剤に抵抗性を示す速度は、新しい抗生剤の類似体が開発される速度よりずっと早い。例えば、生命に脅威を与え得るエンテロコッカス・フェカリス、結核菌及び緑膿菌などの細菌種は、今まで知られたすべての抗生剤に対する抵抗力を育ててきた(Stuart B.Levy,Scientific American,1998年,P.46−53)。] [0003] 抗生剤に対する耐性は、抗生剤に対する抵抗性とは区別される現象であるが、1970年代に肺炎球菌で最初に発見され、ペニシリンの作用機序に対する重要な手がかりを提供した(Tomasz等,Nature,1970年,第227巻,p.138−140)。耐性を示す種は、一般的な濃度の抗生剤存在のもとでは成長が止まるが結果的には死なない。耐性は、抗生剤が細胞壁合成酵素を阻害するオートリシンのような細菌の自己分解酵素の活性が起きないために生じるのだが、ペニシリンの場合において内因性加水分解酵素を活性化することで細菌を殺すのであるが、細菌がこの酵素の活性を抑制して抗生剤治療時にも生存する結果を示すようになる。] [0004] 細菌が抗生剤に対する耐性を有することは臨床的に非常に重要であり、それは耐性細菌を撲滅することが不可能になれば、臨床的な感染によって抗生剤治療の効用が下がるからである(Handwerger and Tomasz,Rev.Infec.Dis.,1985年,第7巻,p.368−386)。同時に、耐性は、抗生剤に対する細菌の抵抗性が発生する先行条件であると見なされるが、これは抗生剤治療によっても生き残る菌株が生しるからである。このような菌株は、抗生剤に抵抗性を有する新しい遺伝要素を獲得し、抗生剤の存在下でも継続して成長するようになる。実際に抗生剤に対する抵抗性を示すすべての細菌は、その抗生剤に対する耐性もあることが知られているので(Liu and Tomasz,J.Infect.Dis.,1985年,第152巻,p.365−372)、抗生剤抵抗性を有する細菌を殺すことができる新規な抗生剤の開発が必要である。] [0005] 作用機序の面で、耐性は大きく二つに区分され、一番目はすべての細菌において成長速度が減少する時起きる外形的耐性で(Tuomanen E., Revs.Infect.Dis.,1986年,第3巻,p.S279−S291)、二番目は特定細菌で起きる突然変異による遺伝的な耐性である。二つの場合の両方において基本的な現象は、オートリシン酵素の活性を減少させる調節が起きることであるが、このような調節は、外部刺激に対する外形的な耐性の場合には一時的であるが、細胞溶血を調節する経路の変化を引き起こす突然変異が起きた遺伝的な耐性の場合には、永久的である。明らかに、最も簡単な遺伝的な耐性の場合は、オートリシン酵素の欠損にしたがって生じた場合であるが、確かではないさまざまな理由によって、このような自己分解酵素の欠損によって耐性を有する菌株が臨床的に発見された例はなく、むしろ臨床で発見される耐性は、オートリシン酵素の活性を外形的に調節する過程で成り立つ(Tuomanen等,J.infect.Dis.,1988年,第158巻,p.36−43)。] [0006] 前記で詳しくみたように、抗生剤に対する抵抗性を示す細菌を除去するために新しい抗生剤の開発が必要であり、オートリシン酵素の活性とは独立的に作用する新しい抗生剤の開発が必要である。] [0007] 一方、細菌は、バクテリオシンというペプチドや小さな有機物分子を合成して隣り合う細菌を殺すことができるが、このようなバクテリオシンは、構造的特徴によって三種類に区分される。一番目は、ランチビオティクスで、二番目は非ランチビオティクスで、三番目はシグナルペプチドによって分泌されるものなどである(Cintas等,J.Bad.,1998年,第180巻,p.1988−1994)。昆虫を含む動物もペプチド抗生剤を自主的に生産することができるが(Bevins等,Ann.Rev.Biochem.,1990年,第59巻,p.395−414)、構造によって三つのグループに分けることができる。一番目はシステインリッチβ−シートペプチドで、二番目はα−へリックス型の両親媒性ペプチド分子であり、三番目はプロリンリッチペプチドである(Mayasaki等,Int.J.Antimicrob.Agents,1998年,第9巻,p.269−280)。これら抗菌ペプチドは、宿主防御及び先天的免疫系において重要な役割を担当することが知られている(Boman,H.G.,Cell,1991年,第65巻,P.205;Boman,H.G.,Annu.Rev.Microbiol.,1995年,第13巻,p.61)。また、前記抗菌ペプチドは、アミノ酸配列によって多様な構造を有し、これら構造の中で最もよく見られるのは昆虫から発見された抗菌ペプチドであるセクロピンのようにシステイン残基がなくて両親媒性αへリックス形を形成する構造である。] [0008] 消化性潰瘍がストレスと胃酸過多生成にしたがって発生するという仮説がさられてきたが、最近このような消化性潰瘍がヘリコバクター・ピロリ菌によるものであると解明され(Blaser,MJ.,TrendsMicrobiol.,1991年,第1巻,p.255−260)ヘリコバクター・ピロリ菌に対する関心が高まっている。ヘリコバクター・ピロリ菌は、グラム陰性菌に属するが、成長速度が非常に遅くて螺旋形の体と鞭毛を有する嫌気性微生物である。ヘリコバクター・ピロリ菌が生産する多くのタンパク質の中でRPL1というタンパク質は、230個のアミノ酸で構成されていて、前記タンパク質のアミノ末端部位がセクロピンと類似の構造を有することが明らかにされたが、特に8個のアミノ酸がセクロピンと同じであることが知られている。ヘリコバクター・ピロリ菌のRPL1アミノ末端部位は、完璧な両親媒性螺旋形状構造を有するが(Putsep, K.等,Nature,1999年,第398巻,p.671−672)、このような両親媒性ペプチドは、細胞膜の脂質成分と類似の構造を有するので、微生物の細胞膜脂質と結合して微生物の細胞膜を破壊したり、細胞膜の電位を変化させて微生物を破壊したりするという作用機序が報告されている。その外にもヘリコバクター・ピロリ菌のRPL1タンパク質のアミノ末端部位は、やはり抗菌活性を有するという報告がある(Putsep K.等,Nature,1999年,第398巻,p.671−672)。] [0009] したがって、両親媒性ペプチドの抗菌活性に対して多くの研究が成立し、それを用いて細菌に対する抗生剤を開発しようとする研究が多く試みられた。今まで報告された両親媒性ペプチドとしては、HP(2−20)ペプチド及びメリチンペプチドなどがある。] [0010] ヘリコバクター・ピロリ由来RPL1タンパク質のアミノ末端部位の中で、両親媒性活性を有して抗生活性を示すペプチドであるHP(2−20)ペプチドは、細胞毒性はないが、抗菌活性とともに抗真菌効果があると報告された(Biochem.Biophys.Res.Commun.,2002年,第291巻,p.1006−1013,Biochim.Biophys.Acta.2002年,第1958巻,p.185−194)。] [0011] また、メリチンペプチドは、蜂の毒の成分中で固形分の50%以上を占めるペプチドであり、カルボキシ末端がアミノ化していて、真核細胞に対して細胞毒性が非常に高くて高等動物細胞を低い濃度でもよく破壊し、微生物であるグラム陰性菌及びグラム陽性菌に対しても抗菌活性が高いと報告された(Habermann,E.,Science,1972年,第177巻,p.314;Steiner,H.,等,Nature,1981年,第292巻,p.246;Tosteson,M.T.,等,Biochemistry,1987年,第228巻,p.337)。] [0012] その外に、HP(2−20)と類似のアミノ酸配列を有するセクロピン系列の両親媒性ペプチドは、ショウジョウバエから初めて発見され、その後カイコのさなぎ及び豚の小腸でも発見されたが、この中でセクロピンA(CA)は、抗菌活性は高いが抗真菌及び抗癌活性は微々であるとが報告された(Boman,H.G.and Hultmark,D.,Annu.Rev.Microbiol.,1987年,第41巻,p.103)。] [0013] また、前記両親媒性ペプチドの活性に関する研究とともに、それらが有するアミノ酸配列及びタンパク質構造などの特性を詳しくみると、その配列上の特性が抗菌活性と非常に密接な関連があることを確認することができる。したがって、前記両親媒性ペプチドのアミノ酸配列を用いてその配列の特定部位で類似のアミノ酸に転換したり、一部配列を組換えしたりして接合ペプチドを製造し、ペプチド配列の一部機能部位を互いに倒置させることによって、抗菌、抗真菌または抗癌活性が卓越したな新しい合成ペプチドを製造することができる(Chan,H.C.,等,FEBSLett.,1989年,第259巻,p.103;Wade,D.,等,Int.J.Pept.Prot.Res.,1992年,第40巻,p.429)。] [0014] 実際に、前記両親媒性ペプチドを応用して抗癌効果がある合成ペプチドmag A及びmag Gなどが製造され、その効能が報告されたことがある(Ohsaki,等,Cancer Res.,1992年,第52巻,p.3534)。また、マガイニン2及びメリチンペプチドの両親媒性部位、柔軟性部位及び疎水性部位などのアミノ酸を相互結合させて抗真菌活性を示す合成ペプチドが開発され、これらは特にバクテリア及びカビ属の菌株に作用することが特許登録されたことがある(韓国特許登録第0204501号)。また、本発明者等は、既存のHP(2−20)ペプチドの特定アミノ酸をトリプトファンに転換して疎水性を増加(配列番号2)させることで抗生効果が増進されることを確認して、抗生ペプチドとして特許登録されたことがある(韓国特許登録第0459808号)。また、本発明者等は、一直線状の螺旋構造で構成された抗生ペプチドから解除構造を切断することで、ペプチドの螺旋構造のみ残して陽イオン性質を増加させた抗生ペプチドを合成し、前記ペプチドの抗菌及び抗真菌効果が高くて細胞毒性がないことを確認して、それを特許出願したことがある(韓国特許出願第10−2007−0088127号)。] [0015] 最近には、既存の抗生ペプチドより抗菌活性がさらに高く、細胞毒性はさらに低い優秀な抗生ペプチド開発のために多くの研究が行なわれている。] [0016] それで、本発明者等は、既存の抗生ペプチドを用いてより優秀な抗生ペプチド開発に努力する中、既存に知られた配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドから1番と8番位置のフェニルアラニンをアラニンに転換することで製造された配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する新規なペプチド、及び前記ペプチドから13番位置のアスパラギンをリジンに転換することで製造された配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有する新規なペプチドが、配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドと比較して細胞毒性はさらに低いにもかかわらず抗菌活性は類似かさらに高く示すことを確認して本発明を完成した。] [0017] 韓国特許登録第0204501号 韓国特許登録第0459808号 韓国特許出願第10−2007−0088127号] 先行技術 [0018] Stuart B.Levy,Scientific American,1998年,P.46−53 Tomasz等,Nature,1970年,第227巻,p.138−140 Handwerger and Tomasz,Rev.Infec.Dis.,1985年,第7巻,p.368−386 Liu and Tomasz,J.Infect.Dis.,1985年,第152巻,p.365−372 Tuomanen E., Revs.Infect.Dis.,1986年,第3巻,p.S279−S291 Tuomanen等,J.infect.Dis.,1988年,第158巻,p.36−43 Cintas等,J.Bad.,1998年,第180巻,p.1988−1994 Bevins等,Ann.Rev.Biochem.,1990年,第59巻,p.395−414 Mayasaki等,Int.J.Antimicrob.Agents,1998年,第9巻,p.269−280 Boman,H.G.,Cell,1991年,第65巻,P.205 Boman,H.G.,Annu.Rev.Microbiol.,1995年,第13巻,p.61 Blaser,MJ.,TrendsMicrobiol.,1991年,第1巻,p.255−260 Putsep, K.等,Nature,1999年,第398巻,p.671−672 Biochem.Biophys.Res.Commun.,2002年,第291巻,p.1006−1013 Biochim.Biophys.Acta.2002年,第1958巻,p.185−194 Habermann,E.,Science,1972年,第177巻,p.314 Steiner,H.,等,Nature,1981年,第292巻,p.246 Tosteson,M.T.,等,Biochemistry,1987年,第228巻,p.337 Boman,H.G.and Hultmark,D.,Annu.Rev.Microbiol.,1987年,第41巻,p.103 Chan,H.C.,等,FEBSLett.,1989年,第259巻,p.103 Wade,D.,等,Int.J.Pept.Prot.Res.,1992年,第40巻,p.429 Ohsaki,等,Cancer Res.,1992年,第52巻,p.3534] 発明が解決しようとする課題 [0019] 本発明の目的は、抗菌活性が優秀で細胞毒性がない新規な抗生ペプチド、及び前記ペプチドを含む抗生剤及び食品補助剤を提供することである。] 課題を解決するための手段 [0020] 前記目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドで1番及び8番位置のフェニルアラニン(F)がアラニン(A)に置換された細胞毒性が減少した抗生ペプチドを提供する。] [0021] また、本発明は、配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドで13番位置のアスパラギン(N)が正電荷アミノ酸に置換された細胞毒性が減少して抗菌活性が増加した抗生ペプチドを提供する。] [0022] また、本発明は、前記抗生ペプチドを有効成分として含む抗生剤を提供する。] [0023] また、本発明は、薬学的に有効な量の前記抗生剤を個体に投与する工程を含む病原性細菌疾患予防または治療方法を提供する。] [0024] また、本発明は、前記抗生ペプチドを抗生剤の製造に用いる用途を提供する。] [0025] また、本発明は、前記抗生ペプチドを有効成分として含む食品補助剤または食品添加剤を提供する。] [0026] 同時に、本発明は、前記抗生ペプチドを食品補助剤または食品添加剤の製造に用いる用途を提供する。] [0027] 以下、本発明を詳しく説明する。] [0028] 本発明は、配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドで1番及び8番位置のフェニルアラニン(F)がアラニン(A)に置換された細胞毒性が減少した抗生ペプチドを提供する。] [0029] 前記抗生ペプチドは、配列番号2で表わされるものが好ましいが、これに限定されない。] [0030] 本発明のペプチドは、当業界系に知られた通常のペプチド合成方法にしたがって製造が可能であり、製造方法は特別に限定されない。] [0031] 本発明では、前記抗生ペプチドを韓国特許出願10−2007−0088127号で製造したHPA3NT3ペプチドのアミノ酸配列で、1番と8番位置のフェニルアラニンをアラニンに転換することにより製造した。] [0032] 既存に知られた配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する母体ペプチドであるHPA3NT3の螺旋状ホイールダイヤグラムにおいて、疎水性部分である1番及び8番位置に二つのフェニルアラニンが並んで存在するが、このフェニルアラニンの構造でフェニル基が並んで付いていると正常細胞に細胞毒性が起きる。それで、並んで存在する二つのフェニルアラニンをフェニル基がないアラニンに転換して配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有するNT3−F1AF8Aペプチドをデザインした(表1参照)。] [0033] 前記抗生ペプチドは、既存のHPA3NT3と比較して細胞毒性が顕著に減少し、いくつかの菌株で抗菌活性が少し減少したが有意性ある範囲ではなかった。したがって、本発明の抗生ペプチドは、細胞毒性は母体ペプチドであるHPA3NT3より顕著に低く維持しながら抗菌活性は類似であることを特徴とする。] [0034] 本発明の抗生ペプチドは、グラム陰性菌及び/またはグラム陽性菌に対して抗菌活性を有することを特徴とする。] [0035] 前記グラム陰性菌は、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、P.ブルガリス(Proteus vulgaris)及びネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)からなる群から選択されたいずれか一つ以上で、前記グラム陽性菌は、S.アウレウス(Staphylococcus aureus)、L.モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、S.エピデルミデイス(Staphylococcus epidermidis)及びB.サブチリス(Bacillus subtilis)からなる群から選択されたいずれか一つ以上であることが好ましいが、これに限定されるのではない。] [0036] 本発明では、前記抗生ペプチドであるNT3−F1AF8Aが抗菌活性を示すかどうかを調べるため、多様なバクテリア菌株に対する生育最小阻害濃度(以下、MIC)を測定した。その結果、本発明の抗生ペプチド(NT3−F1AF8A)は、母体ペプチド(HPA3NT3)と比較して類似か一部菌株に対して減少したが、前記減少の範囲は抗菌活性効能を示すのに有意性のない範囲である。したがって、本発明のペプチドは既存の抗生ペプチドと類似の抗菌活性効果を示すことが分かる(表2参照)。] [0037] 本発明の抗生ペプチドは、細胞毒性がほとんどないことを特徴とする。] [0038] 本発明では、前記抗生ペプチドであるNT3−F1AF8Aの細胞毒性を調べるため、正常なヒトの血液を使用して抗生ペプチドに対する赤血球溶血活性を測定した。その結果、本発明の抗生ペプチド(NT3−F1AF8A)は、200μMの濃度まで溶血現象が全く起きない一方、母体ペプチド(HPA3NT3)は同じ濃度で37.23%の溶血現象が起きた。したがって、本発明の抗生ペプチドは、細胞毒性をほとんど示さないことが分かる(表3参照)。] [0039] 本発明では、本発明の抗生ペプチドであるNT3−F1AF8Aの正常細胞株での細胞毒性を調べるため、ヒトの角質形成細胞株(HaCaT cell line)及びマウス線維芽細胞株(NIH3T3 cell line)にそれぞれ抗生ペプチドを処理した後、細胞生存程度を確認した。その結果、本発明の抗生ペプチド(NT3−F1AF8A)は、前記二つの細胞株で細胞毒性をほとんど示さない一方、母体ペプチドであるHPA3NT3は高い毒性を示した。したがって、本発明の抗生ペプチドは、正常細胞株で細胞毒性をほとんど示さないことが分かる(図1及び図2参照)。] 図1 図2 [0040] また、本発明は、配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドで13番位置のアスパラギン(N)が正電荷アミノ酸に置換された、細胞毒性が減少して抗菌活性が増加しれた抗生ペプチドを提供する。] [0041] 前記正電荷アミノ酸は、リジン(K)、アルギニン(R)及びヒスチジン(H)からなる群から選択されたいずれかひとつであることが好ましく、リジンであることがさらに好ましいがこれに限定されない。] [0042] 前記抗生ペプチドは、配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有することが好ましいが、これに限定されない。] [0043] 本発明のペプチドは、当業界に知られた通常のペプチド合成方法にしたがって製造が可能であり、製造方法は特別に限定されない。] [0044] 既存に知られた配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する母体ペプチドであるHPA3NT3において、並んで存在する二つのフェニルアラニンをフェニル基がないアラニンに転換して配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有するNT3−F1AF8Aペプチドをデザインしたが、これは細胞毒性がHPA3NT3に比較して顕著に減少し、いくつかの菌株で抗菌活性が減少した。したがって、本発明では、前記NT3−F1AF8Aペプチドの陽イオン電荷を増加させるために、13番位置の負電荷アミノ酸であるアスパラギンを正電荷アミノ酸であるリジンに転換して配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有するNT3−F1AF8A−A2ペプチドをデザインした。その結果、細胞毒性は母体ペプチドであるHPA3NT3より著しく低く維持しながら抗菌活性はさらに良くなることを確認した(表1参照)。] [0045] 本発明の抗生ペプチドは、グラム陰性菌及び/またはグラム陽性菌に対して抗菌活性を有することを特徴とする。] [0046] 前記グラム陰性菌は、大腸菌、緑膿菌、P.ブルガリス及びS.ネズミチフス菌からなる群から選択されたいずれか一つ以上で、前記グラム陽性菌は、黄色ブドウ球菌、L.モノサイトゲネス、表皮ブドウ球菌及び枯草菌からなる群から選択されたいずれか一つ以上であることが好ましいが、これに限定されるのではない。] [0047] 本発明では、前記抗生ペプチドであるNT3−F1AF8A−A2が抗菌活性を示すのかどうかを調べるため、多様なバクテリア菌株に対する生育最小阻害濃度(MIC)を測定した。その結果、本発明の抗生ペプチド(NT3−F1AF8A−A2)は、母体ペプチド(HPA3NT3)及びT3−F1AF8Aペプチドと比較して、類似か2倍以上高い抗菌活性を示すことを確認した。したがって、本発明のペプチドは、既存の抗生ペプチドと比較して顕著な抗菌活性効果を示すことが分かる(表2参照)。] [0048] 本発明の抗生ペプチドは、細胞毒性がほとんどないことを特徴とする。] [0049] 本発明では、前記抗生ペプチドであるNT3−F1AF8A−A2の細胞毒性を調べるため、正常のヒトの血液を用いて抗生ペプチドに対する赤血球溶血活性を測定した。その結果、本発明の抗生ペプチド(NT3−F1AF8A−A2)は、200μMの濃度まで溶血現象が全く起きない一方、母体ペプチド(HPA3NT3)は同じ濃度で37.23%の溶血現象が起きた。したがって、本発明の抗生ペプチドは、細胞毒性をほとんど示さないことが分かる(表3参照)。] [0050] 本発明では、本発明の抗生ペプチドであるNT3−F1AF8A−A2の正常細胞株での細胞毒性を調べるため、ヒトの角質形成細胞株(HaCaT cell line)及びマウス線維芽細胞株(NIH3T3 cell line)にそれぞれ抗生ペプチドを処理した後、細胞生存程度を確認した。その結果、本発明の抗生ペプチド(NT3−F1AF8A−A2)は、前記二つの細胞株全て細胞毒性をほとんど示さない一方、母体ペプチドであるHPA3NT3は高い毒性を示した。したがって、本発明の抗生ペプチドは、正常細胞株で細胞毒性をほとんど示さないことが分かる(図1及び図2参照)。] 図1 図2 [0051] また、本発明は、前記配列番号2で表わされるアミノ酸配列の中で1番及び8番位置にアラニンが保存され、前記配列と90%以上の相同性を有する抗生ペプチドを提供する。] [0052] 本発明の配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する合成ペプチドでそれぞれのアミノ酸を、構造が類似の他のアミノ酸に転換したり、アミノ末端のアミノ基またはカルボキシ末端のカルボキシル基を他の機能基に置換したりした抗菌性ペプチドを含むことができる。] [0053] また、本発明は、配列番号3で表わされるアミノ酸配列の中で1番及び8番位置にアラニンが保存され、13番位置にリジンが保存されて、前記配列と90%以上の相同性を有する抗生ペプチドを提供する。] [0054] 本発明の配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有する合成ペプチドでそれぞれのアミノ酸を構造が類似の他のアミノ酸に転換したり、アミノ末端のアミノ基またはカルボキシ末端のカルボキシル基を他の機能基に置換させたりした抗菌性ペプチドを含むことができる。] [0055] また、本発明は、本発明の抗生ペプチドの中でいずれか一つ以上を有効成分として含む抗生剤を提供する。] [0056] 前記配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチド、前記配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチド、及びその誘導体は、多様なバクテリア菌株に対して既存の抗生ペプチドより類似か高い抗菌活性効能を有し、高い濃度でも細胞毒性がほとんどないので、抗生剤の有効成分として用いることができる。] [0057] 前記抗生剤は、前記配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチド、前記配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチド、または前記配列と90%以上の相同性を有するペプチドを有効成分として含むことが好ましいが、これに限定されない。] [0058] 前記抗生剤は、グラム陰性菌及び/またはグラム陽性菌に対して抗菌活性を有することを特徴とする。] [0059] 前記グラム陰性菌は、大腸菌、緑膿菌、P.ブルガリス及びネズミチフス菌からなる群から選択されたいずれか一つ以上で、前記グラム陽性菌は、S.アウレウス、L.モノサイトゲネス、S.エピデルミデイス及びB.サブチリスからなる群から選択されたいずれか一つ以上であることが好ましいが、これに限定されるのではない。] [0060] 本発明の抗生剤は、臨床投与時に非経口で投与が可能で一般的な医薬品製剤の形態で使用することができる。] [0061] 本発明の抗生ペプチドを医薬品で使用する場合、追加で同一または類似の機能を示す有効成分を1種以上含むことができる。] [0062] すなわち、本発明の抗生ペプチドは、実際に非経口の様々な剤形で投与することができ、製剤の場合には、普通に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調剤される。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤では、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレイン酸のような注射可能なエステルなどを使用することができ、坐剤の基剤では、ハードファット、マクロゴ−ル、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどを使用することができる。] [0063] また、本発明の抗生ペプチドは、生理食塩水または有機溶媒のように薬剤に許容された多くの伝達体と混合して使用することができ、安定性や吸水性を増加させるために、グルコース、スクロースまたはデキストランのようなカーボハイドレート、アスコルビン酸またはグルタチオンのような抗酸化剤、キレート化剤、低分子タンパク質または他の安定化剤等を薬剤に使用することができる。] [0064] また、本発明は、薬学的に有効な量の前記抗生剤を病原性細菌疾患にかかった個体に投与する工程を含む病原性細菌疾患治療方法を提供する。] [0065] また、本発明は、薬学的に有効な量の前記抗生剤を個体に投与する工程を含む病原性細菌疾患予防方法を提供する。] [0066] 前記抗生剤は、非経口で投与が可能で一般的な医薬品製剤の形態で使用することができる。] [0067] 前記抗生剤の投与量は、抗生ペプチドの量を基準に1〜2mg/kgで、好ましくは0.5〜1mg/kgであり、一日に1〜3回に分けて投与することができる。] [0068] 前記抗生剤の有効投与量は、ボーラス(bolus)形態あるいは相対的に短期間の拡散などによって単一投与量で患者に投与することができ、多重投与量は、長期間投与される分割治療方法にしたがって投与することができる。] [0069] 前記抗生剤の濃度は、薬の投与経路及び治療回数だけではなく患者の年齢及び健康状態など多様な要因を考慮して患者の有効投与量が決定されるので、このような点を考慮する時、この分野の一般的な知識を有した者なら前記ペプチドの薬学的組成物としての特定の用途による適切な有効投与量を決定することができるであろう。] [0070] また、本発明は、前記抗生ペプチドを抗生剤の製造に利用する用途を提供する。] [0071] 前記配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有する合成ペプチド及びその誘導体は、多様なバクテリア菌株に対して既存の抗生ペプチドより顕著な抗菌活性効能を有し、高い濃度でも細胞毒性がほとんどないので、抗生剤の有効成分として用いることができる。] [0072] また、本発明は、前記抗生ペプチドを有効成分として含む食品補助剤または食品添加剤を提供する。] [0073] 同時に、本発明は、前記抗生ペプチドを食品補助剤または食品添加剤の製造に用いる用途を提供する。] [0074] 本発明の抗生ペプチドを食品添加物として使用する場合、前記抗生ペプチドをそのまま添加したり他の食品成分とともに使用したりすることができ、一般的方法にしたがって適切に使用することができる。有効成分の混合量は、その使用目的にしたがって相応しく決定することができる。一般的に、本発明の抗生ペプチドは、原料に対して15重量部以下、好ましくは10重量部以下の量で添加される。しかし、長期間の摂取の場合には、前記量は前記範囲以下であり得、安全性面で何らの問題がないので、有効成分は前記範囲以上の量でも使用することができる。] [0075] 前記食品の種類には、特別な制限はない。前記物質を添加することができる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンデー類、スナック類、お菓子類、ピザ、ラーメン、その他麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料水、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、一般的意味での食品をすべて含む。] 発明の効果 [0076] 本発明の抗生ペプチドは、既存の抗生ペプチドと比較してグラム陽性菌及びグラム陰性菌の両方で顕著な抗菌活性を示し、細胞毒性を示さないので人体に安全な抗生剤として有用に使用することができる。] 図面の簡単な説明 [0077] ヒトの角質形成細胞株(HaCaT cell line)から本発明で製造した抗生ペプチド(比較群、実験群1及び実験群2)の細胞毒性を示すグラフ:●:配列番号3、▲:配列番号2、◆:配列番号1。 マウス線維芽細胞株(NIH3T3 cell line)から本発明で製造した抗生ペプチド(比較群、実験群1及び実験群2)の細胞毒性を示すグラフ:●:配列番号3、▲:配列番号2、◆:配列番号1。] 実施例 [0078] 以下、本発明を実施例及び製剤例にしたがって詳しく説明する。] [0079] 但し、下記の実施例及び製剤例は、本発明を具体的に例示するだけのものであり、本発明の内容が実施例及び製剤例によって限定されるのではない。] [0080] <実施例1>ペプチドの合成及び分離精製 本発明者等は、メリフィールドの液状固相法(Merrifield,RB.,J.Am.Chem.Soc.,1963年,第85巻,p.2149)にしたがって、母体ペプチドである配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有するHPA3NT3(比較群)から疎水性部分である1番と8番位置に二つのフェニルアラニンをフェニル基がないアラニンに転換して、NT3−F1AF8Aペプチド(配列番号2)(実験群1)を合成し、前記NT3−F1AF8Aペプチドから陽イオン電荷を増加させるために13番位置の負電荷アミノ酸であるアスパラギンを正電荷アミノ酸であるリジンに転換してNT3−F1AF8A−A2ペプチド(配列番号3)(実験群2)を合成した(表1)。] [0081] 具体的に、本発明で設計したペプチドのカルボキシル末端が−NH2形態であるペプチドは、Rink Amide MBHA−Resinを出発物質に使用し、カルボキシル末端が−OH形態のペプチドは、Fmoc−アミノ酸−Wang Resinを出発物質に使用した。Fmoc−アミノ酸のカップリングによるペプチド鎖の延長は、DCC(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)−ジシクロ−ヘキシカルボジイミド)法にしたがって実施した。各ペプチドのアミノ末端のFmoc−アミノ酸をカップリングさせた後、NMP(20%ピペリジン/N−メチルピロリドン)溶液でFmoc基を除去して、NMP及びDCM(ジクロロメタン)で数回洗った後、窒素ガスで乾燥させた。そこに、TFA(トリフロロ酢酸)−フェノール−チアニゾール−H2O−トリイソプロピルシラン(85:5:5:2.5:2.5,vol./vol.)溶液を加えて2〜3時間反応させて保護基の除去及びレジンからペプチドを分離させた後、ジエチルエーテルでペプチドを沈澱させた。前記方法で得たクルド(crude)ペプチドは、0.05%TFAが含まれたアセトニトリル濃度勾配で精製型逆相(RP)−HPLCカラム(Delta Pak,C18 300Å,15,19.0mm×30cm,Waters,米国)を用いて精製した。合成ペプチドを6N HClで110℃で加水分解した後、残渣を減圧濃縮して、0.02N HClに溶解してアミノ酸分析機(日立8500A)でアミノ酸組成を測定した。前記方法で組成されたペプチドの純度を確認した結果、95%以上の純度を示し、MALDI質量分析法(Hill等,Rapid Commun.Mass Spectrometry,1991年,第5巻,p.395)を用いて分子量をアミノ酸配列から計算して得た分子量と比較した結果、その値が一致することを確認した。] [0082] ] [0083] <実施例2>抗菌活性測定 本発明者等は、前記<実施例1>の方法で製造されたペプチドの抗菌活性を比較するために、菌体が分裂しないペプチドの最小濃度である生育最小阻害濃度(MIC)値を測定した。] [0084] 具体的に、グラム陰性菌として大腸菌、緑膿菌、P.ブルガリス及びネズミチフス菌を、前記グラム陽性菌としては、S.アウレウス、L.モノサイトゲネス、S.エピデルミデイス及びB.サブチリスを使用し、 大腸菌(ATCC25922)、L.モノサイトゲネス(ATCC19115)、及び S.アウレウス(ATCC25923)は、「American Type Culture Collection」から分譲受け、B.サブチリス(KCTC1918)、S.エピデルミデイス(KCTC3096)、緑膿菌 (KCTC1637)及びP.ブルガリス(KCTC2433)は、「Korean Collection for Type Cultures」から分譲受けて、各菌株をLB培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイースト抽出物、1%塩化ナトリウム;Sigma,米国)から中間−ログ相(mid−log phase)まで培養した後、1%バクトペプトン培地(Difco,米国)で1×104細胞/100μlの菌体濃度に希釈してマイクロタイトレートプレート(Nunc,米国)に接種した。前記<実施例1>で合成した本願発明のペプチド(実験群1及び2)及び母体ペプチド(比較群)をそれぞれ25μM/ウェルから1/2倍ずつ希釈してプレートに添加した後、37℃で6時間培養し、マイクロタイトレートプレートリダー機(Merck Elisa reader,ドイツ)を用いて、620nmの波長で吸光度を測定して各菌株のMIC値を決定し、その結果を下記表2に示した。] [0085] ] [0086] その結果、前記表2に見られるように、本発明の配列番号3で表わされるペプチド(NT3−F1AF8A−A2)(実験群2)は、配列番号1で表わされるペプチド(HPA3NT3)(比較群1)と比較して類似か2倍以上高い抗菌活性を示し、配列番号2で表わされるNT3−F1AF8Aペプチド(実験群1)と比較して配列番号1で表わされるペプチド(HPA3NT3)(比較群)に比較して、類似か一部菌株で低い抗菌活性を示した。しかし、前記実験群1の比較群に対する抗菌活性の減少した程度はとても低い。] [0087] したがって、本発明のペプチドは、グラム陽性菌及びグラム陰性菌の両方で既存の抗生ペプチドと比較して類似かさらに高い抗菌活性を示すことが分かる(表2)。] [0088] <実施例3>溶血活性測定 本発明者等は、前記<実施例1>の方法で製造されたペプチドの細胞毒性を比較するために、ペプチドの赤血球溶血活性を測定した。] [0089] まず、ヒトの赤血球を8%の濃度になるようにリン酸塩緩衝溶液(PBS,pH7.0)に希釈し、そこに12.5μM/ウェルから1/2の濃度で表1に配列番号1〜3で記載されたペプチドをそれぞれ連続的に希釈して、37℃で1時間反応させた。以後、1,000gで遠心分離してその上澄み液中に含まれたヘモグロビン量を、414nm波長で吸光度を測定して調査した。細胞破壊程度を比較調査するために、1%トリトンX−100(sigma,米国)をヒト赤血球細胞に添加してその上澄み液吸光度を測定した。前記1%トリトンX−100の細胞破壊能を100%にして、下記[数式1]にしたがって本発明のペプチド(実験群1及び2)及び母体ペプチド(比較群)の赤血球破壊能を計算し、その結果を下記の表3に示した。] [0090] ] [0091] 赤血球破壊能(%)={(吸光度A−吸光度B)/(吸光度C−吸光度B)}×100 式中、吸光度Aは414nm波長でのペプチド溶液の吸光度、吸光度Bは414nm波長でのPBSの吸光度、そして吸光度Cは414nm波長での1%トリトンX−100の吸光度を示す。] [0092] ] [0093] その結果、前記表3に見られように、配列番号1で表わされるペプチド(HPA3NT3)(比較群)は、200μMで37.23%の溶血現象が起きる一方、本発明の配列番号3で表わされるペプチド(NT3−F1AF8A−A2)(実験群2)及び配列番号2で表わされるNT3−F1AF8Aペプチド(実験群1)は、同じ濃度で溶血現象が全く起きなかった。] [0094] したがって、本発明の抗生ペプチドは細胞毒性をほとんど示さないことが分かる(表3)。] [0095] <実施例4>正常細胞株で細胞毒性確認 本発明者等は、前記<実施例1>の方法で製造されたペプチドの正常細胞株での細胞毒性を確認するため、ヒトの角質形成細胞株(HaCaT cell line,Dr.NE.Fusenig,Heidelberg,Germany)及びマウス線維芽細胞株(NIH3T3 cell line,ATCC(CRL−1658TM))を用いて毒性を測定した。] [0096] 具体的に、10%FBSを含有したDMEM培地で培養されたヒトの角質形成細胞株(HaCaT cell line)及びマウス線維芽細胞株(NIH3T3 cell line)を、それぞれ3×103ずつ96ウェルプレートに注入して、24時間培養した後、前記<実施例1>で製造したペプチドをそれぞれ濃度別に処理して24時間5%CO2インキュベーターで反応させた。培養後、5mg/ml濃度でリン酸緩衝液生理食塩水(PBS)に溶解したMTT(Thiazolyl Blue Tetrazolium Bromide)溶液20μlを各ウェルに入れて4時間反応させた。上澄み液を除去して、200μlのDMSOを入れて形成されたMTTクリスタルを溶解して、560nmで結果を確認した。] [0097] その結果、図1及び図2に見られるように、二つの細胞株両方で配列番号1で表わされるペプチド(HPA3NT3)(比較群)は高い毒性を示す一方、本発明の配列番号3で表わされるペプチド(NT3−F1AF8A−A2)(実験群2)及び配列番号2で表わされるNT3−F1AF8Aペプチド(実験群1)は、細胞毒性をほとんど示さなかった。] 図1 図2 [0098] したがって、本発明の抗生ペプチドは、細胞毒性をほとんど示さないことが分かる(図1及び図2)。] 図1 図2 [0099] 下記に本発明の抗生ペプチドを含有するいくつかの製剤化方法を例示したが、本発明がこれに限定されるのではない。] [0100] <製剤例1>錠剤(直接加圧) 抗生ペプチド5.0mgを篩にかけた後、ラクトース14.1mg、クロスポビドンUSNF0.8mg及びステアリン酸マグネシウム0.1mgを混合して加圧して錠剤に製造した。] [0101] <製剤例2>錠剤(湿式組立て) 抗生ペプチド5.0mgを篩にかけた後、ラクトース16.0mgと澱粉4.0mgを混ぜた。ポリソルベート800.3mgを純粋な水に溶解した後、この溶液の適量を添加した後、微粒化した。乾燥後に微粒を篩にかけた後、コロイダルシリコンジオキサイド2.7mg及びステアリン酸マグネシウム2.0mgと混合しぜた。微粒を加圧して錠剤に製造した。] [0102] <製剤例3>粉末とカプセル剤 抗生ペプチド5.0mgを篩にかけた後、ラクトース14.8mg、ポリビニルピロリドン10.0mg、ステアリン酸マグネシウム0.2mgとともに混合した。前記混合物を適当な装置を用いて堅いNo.5ゼラチンカプセルに充填した。] [0103] <製剤例4>注射剤 抗生ペプチド100mgを含有させ、その外にもマンニトール180mg、Na2HPO412H2O 26mg及び蒸留水2974mgを含有して注射剤を製造した。] [0104] 本発明の抗生ペプチドは、優秀な抗菌活性を有しかつ細胞毒性がないので、抗菌用薬学製剤、食品添加剤及び化粧品などの成分に有用に利用することができる。] [0105] 配列番号1:HPA3NT3ペプチド 配列番号2:NT3−F1AF8Aペプチド 配列番号3:NT3−F1AF8A−A2ペプチド]
权利要求:
請求項1 配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドの1番及び8番位置のフェニルアラニン(Phenylalanine、F)がアラニン(alanine、A)に置換された細胞毒性が減少された抗生ペプチド。 請求項2 前記抗生ペプチドが、配列番号2で表わされることを特徴とする、請求項1記載の抗生ペプチド。 請求項3 配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する抗生ペプチドの13番位置のアスパラギン(Asparagine、N)が、正電荷アミノ酸に置換された抗生ペプチド。 請求項4 前記抗生ペプチドが、配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有することを特徴とする、請求項3記載の抗生ペプチド。 請求項5 前記正電荷アミノ酸が、リジン(lysine,K)、アルギニン(arginine,R)及びヒスチジン(histidine,H)からなる群から選択されたいずれかひとつであることを特徴とする、請求項3記載の抗生ペプチド。 請求項6 前記正電荷アミノ酸が、リジンであることを特徴とする、請求項5記載の抗生ペプチド。 請求項7 請求項1または請求項3の抗生ペプチドを有効成分として含む抗生剤。 請求項8 前記抗生剤が、グラム陰性菌またはグラム陽性菌に大海抗菌活性を有することを特徴とする、請求項7記載の抗生剤。 請求項9 前記グラム陰性菌が、大腸菌(Escherichiacoli)、緑膿菌(Pseudomonasaeruginosa)、P.ブルガリス(Proteusvulgaris)及びネズミチフス菌(Salmonellatyphimurium)からなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項8記載の抗生剤。 請求項10 前記グラム陽性菌が、S.アウレウス(Staphylococcusaureus)、L.モノサイトゲネス(Listeriamonocytogenes)、S.エピデルミデイス(Staphylococcusepidermidis)及びB.サブチリス(Bacillussubtilis)からなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項8記載の抗生剤。 請求項11 薬学的に有効な量の請求項7の抗生剤を病原性細菌疾患にかかった個体に投与する工程を含む病原性細菌疾患治療方法。 請求項12 薬学的に有効な量の請求項7の抗生剤を個体に投与する工程を含む病原性細菌疾患予防方法。 請求項13 請求項1または請求項3の抗生ペプチドの抗生剤の製造における使用。 請求項14 請求項1または請求項3の抗生ペプチドを有効成分として含む食品補助剤または食品添加剤。 請求項15 請求項1または請求項3の抗生ペプチドの食品補助剤または食品添加剤の製造における使用。
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