![]() ニガウリから抽出された化合物の、糖尿病および肥満の予防および治療用の薬剤の調製における用途
专利摘要:
本発明は、ウリ科(Cucurbitaceae)ニガウリ属のニガウリ(Momordica charantia L.)から分離して得られた、下記一般式に示されるククルビタン型トリテルペン化合物の糖尿病および肥満の予防および治療用の薬剤の調製における医薬用途に関する。前記ククルビタン型トリテルペン化合物は、グルコース取込み促進剤、グルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行のアゴニスト、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化剤であるので、糖尿病および肥満を予防および治療することができる。 なし 公开号:JP2011510934A 申请号:JP2010544563 申请日:2009-01-14 公开日:2011-04-07 发明作者:ジミン イエ,;ヤン イェ,;グレゴリー;ジェイ クーニー,;エドワード;ダブリュ クラエゲン,;チャンキン ケ,;デェイヴィッド;イー ジェームス,;ミンジア タン,;トン チェン,;キキアン リ, 申请人:ザ ガーヴァン インスティチュート オブ メディカル リサーチ, オーストラリア;中国科学院上海薬物研究所; IPC主号:A61K36-42
专利说明:
[0001] 本発明は、薬化学分野に属し、より詳しくは、ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物およびその薬剤組成物の、糖尿病および肥満の予防および治療における用途に関する。] 背景技術 [0002] 現在、全世界における糖尿病の患者は、すでに1.5億人を超えており、2025年まで3億人に達すると予測されている。その患者の大部分はII型糖尿病患者(T2D)である。II型糖尿病の主な代謝異常はインスリン抵抗性であるので、インスリン抵抗性を改善することにより糖尿病を治療するためのインスリン抵抗性改善薬は、今の糖尿病治療薬研究の重点の一つである。ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPARs)またはAMPKという2つの薬理学ルートを通じて、インスリン抵抗性を改善することができる。今よく使われる2種類の薬剤は、チアゾリジンジオン系(TZDs)とビグアニド系薬剤である。チアゾリジンジオン系薬剤は、幅広く使用されているが、例えば肥満、体液貯留や心不全などのような不良反応を起こしている。ビグアニド系のメトホルミンは、肥満を引き起こさないが、筋肉に作用せず、主として肝臓に作用しているので、糖尿病の治療において好ましくない。より好ましいインスリン抵抗性改善薬を探すことが、現在の糖尿病治療薬研究の重点の一つである。] [0003] 現在、世界における10億を超える成人が過体重であり、その中の3億人は肥満患者で、その数も急激な上昇傾向にあると同時に、肥満と関連する疾病(例えばII型糖尿病、心臓病、脳卒中や高血圧など)の発症率の増加を伴っている。過体重と肥満を引き起こす主な原因は、高カロリー高脂肪食、運動不足や都市化の加速である。現在、発売されかつ長期にわたり使用できるダイエット薬は2つだけあり、1つは特異性の胃消化管リパーゼ阻害剤としてのオーリスタットであるが、一般的に胃腸の副作用を有している。もう1つはモノアミン再取り込み阻害剤としてのシブトラミンであるが、血圧上昇と心拍数増加を引き起こしている。したがって、安全かつ有効なダイエット薬を探すことが強く望まれていた。] [0004] ニガウリ(Momordica charantia L.)は、ウリ科ニガウリ属植物である。長い間、我が国では、ニガウリを解熱、解毒、視力回復、胃の活性化、口渇の軽減、下痢止め薬として、または殺寄生虫薬として広く民間で用いられてきた。ニガウリ中の化学成分としては、トリテルペノイドサポニン、セレブロシド、タンパク質などが挙げられる。ニガウリの血糖低下作用に関する文献は非常に多い。しかし、ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物の活性に関する文献は少なく、2006年にLiva Harinantenainaらにより、ニガウリから抽出された2つのトリテルペンである5β,19−エポキシ−3β,25−ジヒドロキシククルビタ−6,23(E)−ジエンと3β,7β,25−トリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルが、400mg/kgの投与量でアロキサン誘発糖尿病マウスに対し血糖低下作用を示すことが報告されているにすぎない(Chem. Pharm. Bull., 2006, 54, 1017−1021;非特許文献1)。しかし、その報告において用いられた糖尿病モデルも信頼できるものではない。その他、これらの化合物が、筋肉細胞と脂肪細胞へのグルコース取り込みを促進し、グルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行を促進し、かつアデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性を増加させることにより、糖尿病および肥満を予防および治療できることはいずれの文献にも開示されていない。] 先行技術 [0005] Chem. Pharm. Bull., 2006, 54, 1017−1021] 発明が解決しようとする課題 [0006] したがって、本発明の目的は、以下の構造を持つ、ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物およびその薬剤組成物の糖尿病および肥満の予防および治療用の薬剤の調製における用途を提供することである。特に、これらの化合物は、筋肉細胞と脂肪細胞へのグルコース取り込みを刺激し、グルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行を促進し、かつアデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性を増大させる作用を有するため、糖尿病および肥満の予防および治療をすることが可能である。したがって、前記ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物およびその薬剤組成物は、筋肉細胞と脂肪細胞へのグルコース取込み促進剤、グルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行のアゴニスト、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化剤である。] [0007] 本発明に係る糖尿病および肥満に対し予防および治療活性を有する、ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物は、下記一般式に示された構造を持っている。] [0008] ] [0009] このうち、R1は、β−D−グルコピラノシル(1→6)−β−D−グルコピラノシルで、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置であり; あるいは、R1はβ−D−キシロピラノシル(1→4)−[β−D−グルコピラノシル(1→6)]−β−D−グルコピラノシルで、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置であり; あるいは、R2、R6はヒドロキシル基で、R1、R3、R4とR5は水素原子で、R7はアルデヒド基であり、かつC5とC6、C23とC24は二重結合を形成し; あるいは、R1、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置である。] [0010] 本発明に係る糖尿病および肥満に対し予防および治療活性を有する薬剤組成物は、治療有効量の、ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物中の1種類または多種類、およびその薬学的に許容し得る補助剤を含むことを特徴としている。前記薬学的に許容し得る補助剤は、当業者に知られた充填剤、賦形剤などを含むが、それらに限定されない。] 図面の簡単な説明 [0011] 図1は、化合物モモルジコシド(momordicoside)AのL6筋肉細胞へのグルコース取り込みに対する影響を示す図である。 図2は、各化合物のグルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行に対する影響を示す図である。 図3は、化合物としてのトリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンの、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性に対する影響を示す図である。 図4は、化合物22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンの、3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行とAMPKリン酸化に対する用量依存関係の測定を示す図である。 図5は、インスリンシグナル伝達経路を抑制する条件下で、化合物22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンの、グルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行に対する影響を示す図である。 図6は、化合物としてのトリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンの、プロテインキナーゼB(Akt)の活性に対する影響を示す図である。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 [0012] 以下、図面と具体的な実施例を参照しながら本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。] [0013] I.概要 本発明は、ニガウリから抽出して得られたククルビタン型トリテルペン化合物およびその薬剤組成物の、糖尿病および肥満の予防および治療用薬剤の調製における用途に関する。] [0014] 本発明における前記糖尿病および肥満の予防および治療活性とは、筋肉細胞と脂肪細胞へのグルコース取り込みを刺激し、グルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行を促進し、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性を増加させることである。] [0015] II.化合物 本発明に係る糖尿病および肥満の予防および治療活性を有する、ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物は、下記一般式に示された構造を有する。] [0016] ] [0017] このうち、R1は、β−D−グルコピラノシル(1→6)−β−D−グルコピラノシルで、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置であり; あるいは、R1はβ−D−キシロピラノシル(1→4)−[β−D−グルコピラノシル(1→6)]−β−D−グルコピラノシルで、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置であり; あるいは、R2、R6はヒドロキシル基で、R1、R3、R4とR5は水素原子で、R7はアルデヒド基であり、かつC5とC6、C23とC24は二重結合を形成しており; あるいは、R1、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置である。] [0018] 具体的に、モモルジコシドA、モモルジコシドB、トリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンであり、その一般式は、それぞれ以下の通りである。] [0019] ] [0020] 薄層クロマトグラフィー(TLC)用シリカゲル板およびカラムクロマトグラフィー用シリカゲル(200〜300メッシュ)は、青島海洋化学工場により生産され、硫酸−バニリンエタノール溶液を使って、薄層クロマトグラフィーのスポットをスプレーして発色させた。] [0021] 本明細書において、特に説明したところ以外は、溶媒の比率はすべて体積比である。] [0022] [実施例1] 化合物の調製 新鮮なニガウリ850kgを取り、低温で冷凍乾燥した後、重量測定した結果、85kgであった。それを粉砕し、常温下で90%(体積比)エタノール水溶液でそれぞれ3日間計3回浸漬した。エタノール水溶液の使用量は原料重量の10倍であった。3回で得られたエタノール溶液を混合した後、減圧蒸留して濃縮し、エタノールの全抽出物を得た。エタノールの全抽出物を水(50L)で希釈した後、ジクロロメタン(20L)と分液操作を行い、ジクロロメタン部分と水溶液を得た。さらに、その水溶液をn−ブタノール(20L)と分液操作を行い、n−ブタノール部分を800g得た。800gのn−ブタノール部分を、500gのAB−8型多孔質樹脂(天津骨▲交▼工場製)と混合し、サンプルを混合した樹脂を、3kgのAB−8樹脂を充填したクロマトカラムに添加した。12L純水、30%エタノール(体積比)および95%エタノール(体積比)でそれぞれ溶出し、それぞれの部分であるKG6を600g、KG7を60g、KG8を80g得た。] [0023] 80gの活性部分抽出物KG8に対し、100〜200メッシュのシリカゲル2kgでカラムクロマトグラフィーを行い、体積比が40:3:1、20:3:1、10:3:1および65:35:10のクロロホルム:メタノール:水の下層液体10Lで順次溶出し、500ml毎に1つの画分に濃縮し、TLC板により測定した。展開溶媒は、体積比が10:1、6:1、4:1であるクロロホルム:メタノールまたは体積比が10:3:1、65:35:10であるクロロホルム:メタノール:水の下層液体であり、5%硫酸−バニリンで発色させ、TLC板の発色により、類似成分を混合して濃縮し、Rf値が0.3〜0.4(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=9:1)である成分を合計することにより、成分1を得た。Rf値が0.3〜0.4(展開溶媒;クロロホルム:メタノール:水=10:3:1下層)である成分を合計することにより、成分8を得た。] [0024] 前記成分1に対し、クロロホルム:メタノール(20:1)1000mlでシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、20ml毎に1つの画分に濃縮し、TLC板により測定し、展開溶媒はクロロホルム:メタノール=10:1であり、5%硫酸−バニリンで発色させ、TLC板でのRf値が約0.4であるスポットの溶出液を合計して濃縮することにより、化合物トリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルを120mg得た。] [0025] 前記成分8に対しMCIカラムクロマトグラフィーを行い、溶離液として30〜70%メタノール水溶液各1000mlで勾配溶出して、得られた40%成分に対し、さらにRP−18カラムクロマトグラフィーを行い、30〜60%メタノール水溶液500mlで勾配溶出して、20ml毎に1つの画分に濃縮し、TLC板により測定した。展開溶媒はクロロホルム:メタノール:水=8:3:1(下層液体)であり、5%硫酸−バニリンで発色させ、TLC板でのRf値が約0.4、0.3であるスポットの溶出液を合計して濃縮することにより、化合物としての250mgモモルジコシドAと300mgモモルジコシドBを得た。] [0026] 40mgモモルジコシドAを、37℃下で0.1M酢酸水溶液の中に7日間放置し、得られた生成物に対しさらに薄層クロマトグラフィーを行った。展開溶媒はクロロホルム:メタノール=5:1であり、Rf値が0.5〜0.6である箇所を合計して22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンを10mg得た。] [0027] [実験実施例1] 化合物モモルジコシドAのL6筋肉細胞へのグルコース取り込みに対する影響の測定(図1) L6筋肉細胞を筋管に完全に分化した後、0.5%BSAを含む無血清DMEM培地の中に16時間培養し、次に化合物モモルジコシドA(最終濃度50μM)を入れて1時間20分間処理した。ブランク対照群に対し等体積のDMSOを入れた。37℃に保温された1×PBSで細胞を2回洗浄し、インスリンを含まないか、または含む(最終濃度100nM)0.5%BSAのKrebs緩衝液(NaCl 140mM、KCl 5mM、MgSO4 2.5mM、CaCl2 1mM、HEPES20mM、pH7.4)を添加し、37℃で40分間培養した後、2−[1,2−3H(N)]−デオキシ−D−グルコース溶液(最終濃度0.5μCi/ml)を入れ、37℃で10分間作用させ、氷浴させた1×PBSで3回洗浄し、反応を終了させた後、0.15mlの0.1% Tritonを入れて細胞を分解させ、液体シンチレーション計数法で計数し、タンパク質の量でCPM値を校正した後、L6細胞のグルコース取り込み量を算出した。] 図1 [0028] 結果から、モモルジコシドAを10μMの投与量でL6細胞に対し2時間作用させた後、その基礎レベルとインスリン刺激下でのグルコース取り込み量は明らかに増加することが示された(図1)。データを平均値±標準誤差(X±SE)で示した(n=3)。*相応の条件下でブランク対照群と比較したところ、p<0.05であった。] 図1 [0029] [実験実施例2] 各化合物のグルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行に対する活性測定(図2) L6細胞を筋管に完全に分化した後、測定対象化合物であるトリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アル、22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エン、モモルジコシドAとモモルジコシドB(最終濃度各10μM)を添加し、細胞を2時間処理し、100nMインスリンを陽性対照とした。データを平均値±標準誤差(X±SE)で示した(n=3−4)。***溶媒対照群と比較したところ、p<0.001であった。実験結果から、化合物であるトリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンは、グルコース輸送体4(GLUT4)の細胞膜移行を促進することにより、グルコースを細胞内に取り込ませることが示された。] 図2 [0030] [実験実施例3] 化合物のトリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンの、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)に対する活性測定(図3) 10μMの化合物と2mMの5−アミノ−4−イミダゾールカルボキサミドヌクレオチド(AIC、陽性対照)またはDMSO溶媒の対照条件下で、3T3−L1脂肪細胞を60分間培養し、100nMインスリンで2分間または25分間処理した後、相応の抗体により細胞分解液中のタンパク質pACCとpAMPKを測定した。14−3−3タンパク質の総量でサンプル量を調節した。結果から、化合物であるトリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンは、AMPKのシグナル伝達経路を明らかに活性化し、さらに糖尿病および肥満の治療作用を有することが示された。] 図3 [0031] [実験実施例4] 22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンの、3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行とAMPKリン酸化に対する用量依存関係の測定(図4) 実験実施例2および3の方法に基づき、異なる濃度(10-10、10-7、10-6、10-5M)下で、22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンに対し測定を行い、実験結果を図4に示した。その中で、Aはグルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行に対する用量依存曲線であり、Bは異なる濃度下で3T3−L1脂肪細胞における、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性に対する影響を示し、Cは異なる濃度下で3T3−L1脂肪細胞における、リン酸化AMPK(pAMPK)と総AMPK(tAMPK)の比例の定量図である。結果から、化合物22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンのグルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行に対する作用と、AMPKリン酸化に対する効果(すなわち、AMPKのシグナル伝達経路の活性化)とは強い相関があり、また、濃度が10-6 Mである場合、最大の効果に達することが示された。] 図4 [0032] [実験実施例5] 化合物22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンの、3T3−L1脂肪細胞とL6筋肉細胞におけるインスリンシグナル伝達経路[すなわち、ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ/プロテインキナーゼB(PI−3K/Akt)経路]に対する影響の測定 〔A〕分化した3T3−L1脂肪細胞において、DMSOを溶媒として(DMSOの最終濃度は0.2%である)、ワートマニン(wortmanin、ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼの阻害剤)を入れるか、または入れない条件下で、10μM化合物である22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンまたは100nMインスリン(陽性対照)を添加し、実験実施例2に記載した方法と同様に、グルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行活性を測定した。データを平均値±標準誤差(X±SE)で示した。*p<0.05、**p<0.01は、溶媒対照群と比較したものである。実験結果から、ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼの阻害剤であるワートマニンは、化合物22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンがグルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行活性に影響を与えず、すなわち、化合物22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンのGLUT4の膜移行活性に対する影響は、インスリンシグナル伝達経路に依存しないことが示された(図5)。] 図5 [0033] 〔B〕10μM化合物のトリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エン、100nMインスリン(陽性対照)またはDMSO溶媒の対照条件下で、3T3−L1脂肪細胞とL6筋肉細胞を30分間培養した後、相応の抗体によりリン酸化のプロテインキナーゼB[Akt (S473)]、総プロテインキナーゼB (14−3−3)を測定した。*p<0.05、**p<0.01は、溶媒対照群と比較したものである。実験結果から、化合物トリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンは、プロテインキナーゼBのリン酸化を促進することができず、化合物トリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルと22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンは、インスリンシグナル伝達経路に影響を与えないことが示された(図6)。] 図6 実施例 [0034] インスリンシグナル伝達経路とAMPKシグナル伝達経路は、グルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行とグルコース取り込みを調節する2つの主なシグナル伝達経路であるため、図5と図6における結果は、図3と図4から得られた結果と一致しており、すなわち、前記化合物は、AMPKシグナル伝達経路によりグルコース輸送体4(GLUT4)の膜移行とグルコース取り込みを調節することが示された。] 図3 図4 図5 図6
权利要求:
請求項1 下記一般式に示された構造を持つ、ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物の、糖尿病および肥満の予防および治療用の薬剤の調製における用途:このうち、R1は、β−D−グルコピラノシル(1→6)−β−D−グルコピラノシルで、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置であり;あるいは、R1はβ−D−キシロピラノシル(1→4)−[β−D−グルコピラノシル(1→6)]−β−D−グルコピラノシルで、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置であり;あるいは、R2、R6はヒドロキシル基で、R1、R3、R4とR5は水素原子で、R7はアルデヒド基であり、かつC5とC6、C23とC24は二重結合を形成しており;あるいは、R1、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置である。 請求項2 前記化合物がモモルジコシドAであり、下記一般式に示されることを特徴とする請求項1に記載の用途。 請求項3 前記化合物がモモルジコシドBであり、下記一般式に示されることを特徴とする請求項1に記載の用途。 請求項4 前記化合物がトリヒドロキシククルビタ−5,23(E)−ジエン−19−アルであり、下記一般式に示されることを特徴とする請求項1に記載の用途。 請求項5 前記化合物が22(S),23(R),24(R),25−テトラヒドロキシククルビタ−5−エンであり、下記一般式に示されることを特徴とする請求項1に記載の用途。 請求項6 前記ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物が、グルコース取込み促進剤、グルコース輸送体4の膜移行のアゴニスト、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼの活性化剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の用途。 請求項7 糖尿病および肥満の予防および治療活性を有する薬剤組成物であって、前記組成物が、下記一般式に示される、ニガウリから抽出されたククルビタン型トリテルペン化合物の1種類または多種類を治療有効量で含み、かつ、その薬学的に許容し得る補助剤を含むことを特徴とする薬剤組成物:このうち、R1は、β−D−グルコピラノシル(1→6)−β−D−グルコピラノシルで、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置であり;あるいは、R1はβ−D−キシロピラノシル(1→4)−[β−D−グルコピラノシル(1→6)]−β−D−グルコピラノシルで、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置であり;あるいは、R2、R6はヒドロキシル基で、R1、R3、R4とR5は水素原子で、R7はアルデヒド基であり、かつC5とC6、C23とC24は二重結合を形成し;あるいは、R1、R2は水素原子で、R3、R4、R5とR6はヒドロキシル基で、R7はメチル基であり、かつC5とC6は二重結合を形成し、C22、C23、C24のキラリティーは、それぞれS、S、R立体配置である。
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