专利摘要:
再構成プロセスにおいてスキャナイメージフィールドのなかの患者の周囲の特徴が補助的な情報として使用される、画像再構成方法が説明される。この方法によると、放射線量を低減し、スキャン時間、スキャン数を低減し、および/または再構成画像の画質を向上させることができる。
公开号:JP2011510757A
申请号:JP2010545234
申请日:2009-01-30
公开日:2011-04-07
发明作者:ファヒミアン、ベンジャミン、プーヤ;ミアオ、ジアンウェイ
申请人:ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ カリフォルニアThe Regents Of The University Of California;
IPC主号:A61B6-03
专利说明:

[0001] 関連出願へのクロスリファレンス
本願は、2008年1月30日に提出された米国仮出願(番号61/024762)の優先権の利益を享受する。その仮出願の全ては本明細書において参照により開示される。]
[0002] 本願は、2008年2月7日に公開された国際公開(WO2008/017076A2)と関連する。その国際公開の全ては本明細書において参照により開示される。]
[0003] 連邦によって後援された研究または開発に関する宣言
該当無し。]
[0004] コンパクトディスクで提出されるものの参照による援用
該当無し。]
[0005] 本発明は主にトモグラフィに関し、特に放射線量を低減し画質を向上するために画像の再構成において対象の周囲をパラメータとして使用する方法に関する。]
背景技術

[0006] 医療用のX線CTやCATスキャナなどのトモグラフィ画像化システムは、多くの異なる方向や角度から撮られた投影を数学的に再構成することで、対象の内部構造の2次元または3次元画像を生成する。典型的なトモグラフィ装置は例えば、放射源と、診察台の面と直交するように伸びる軸の周りに回転される検出器と、を含む。通常、スキャナのアイソセンタに対する放射源の角度がひとつの投影から次の投影で決まった角度で変わるように、患者または対象の投影は等角度間隔で行われる。関心物の2次元または3次元断面画像を生成するために開発された多くの再構成アルゴリズムのうちのひとつを使用するコンピュータによって、投影は数学的に再構成される。これらのアルゴリズムは、正確さと計算時間および計算リソースの使用とのバランスを取っている。X線およびその他のエネルギの光子、電子、陽子、中性子、音波などを含む異なるいくつかのビーム源から画像が生成されている。]
[0007] 投影データからの2次元または3次元画像再構成における画質は利用可能な投影回数に強く依存する。投影回数があるレベルより少ない場合、低コントラストの構造や再構成の一般的な幾何学的忠実性は失われる。これは伝統的にはナイキスト基準およびシャノンサンプリング定理によって定量化される。しかしながら、得られうる投影回数は、患者への放射線量や画像化システムの実用的な限界や一時的な制限などのファクタによって制限を受ける。トモグラフィ画像化において生じる重大な課題は、画像化手順の結果として患者または生物的試料に与えられる放射線量である。放射線量はなされる投影回数に比例するため、また、その性質上トモグラフィ画像化は適切な再構成のために多くの投影を必要とするので、X線CTなどの通常の画像化手段は患者に重大な量の放射線量を与え、その結果その画像化手段には潜在的な発癌性が存在する。さらに、医療用X線CTや蛍光透視画像化手段が普及するにつれ、患者をそのようなイオン化放射に曝すことの長期的な影響、特に小児患者に対する影響が懸念されている。]
[0008] 画像再構成プロセスは、ボクセル値を未定定数とし異なる位置および角度における患者の投影を方程式とした線形方程式系を解くことと似ている。未知のボクセルの数が多いほど、適切な画質の画像を生成するために必要な投影回数も多くなる。今日、臨床用途の通常のトモグラフィ画像化システムは、典型的にはベッドや周囲の空気や周囲のモジュールなどの対象の周囲の領域を含むスキャナの視野の全空間内にある全てのボクセル値について解くコンピュータプログラムを使用する。]
[0009] 現行の商用的な臨床再構成アルゴリズムでは、再構成プロセスにおいて患者の/対象の周囲は使用されない。それぞれの具体的なスキャン設定に対して周囲についてのそのような情報をいかに決定するか、または、再構成プロセスにおいてこの情報をいかに使用するか、は明らかではないからである。さらに、患者の大きさや形状は非常にまちまちであり、また、スキャナモジュールの位置決めもまたスライス位置およびスキャンパラメータの関数として大きく変わる。全視野を再構成しかつ周囲の情報を使用しないので、従来の方法では、十分なクオリティで対象を再構成するためには多くの投影が必要とされる。投影回数は対象に対する放射線量と関連しているので、そのような方法では患者/対象への放射線量は望まれるよりも多くなる。]
発明が解決しようとする課題

[0010] 潜在的に害があるまたは破壊的である放射への対象の暴露を制限し、同時に、正確で信頼性が高くコンピュータ的に現実的なトモグラフィ画像化システムおよび方法が必要とされている。本方法はこれらのニーズを他のニーズと同様に充足するものであり、広くは従来技術に対する改良である。]
課題を解決するための手段

[0011] 医療用画像化コミュニティは成長段階にある数十億ドル規模の産業である。より高い解像度およびより高い画質を実現する方法へのニーズは非常に高い。さらに、X線CTや蛍光透過手法の急速な普及により、患者に与える放射線量について非常に懸念されている。放射は発癌要因のひとつであるからである。本発明は、診断および介入の医療用画像化過程において放射線量を大きく低減するための方法を提供する。加えて、本発明はスキャン時間を低減する方法を提供する。これは心臓などの器官の高速画像化を使用するアプリケーションにおいて重要である。]
[0012] 本発明は、その投影から対象を再構成する任意のトモグラフィ画像化システムで使用されるシステムおよび方法を提供する。例示であって限定でない形で、本発明のある実施の形態は、画像再構成プロセスにおいて患者の周囲を補助的な情報として使用することを通じて、トモグラフィ画像化システムにおいて患者に与えられる放射線量を低減するための方法ならびに画質を向上させるため(すなわち、解像度やコントラストや信号対雑音比などの画質パラメータの向上)およびスキャン取得時間を低減するための方法を提供する。これらの方法の主なアプリケーションは、医療用のX線コンピュータトモグラフィ(CT/CAT)スキャナにおいて放射線量を低減することである。しかしながら、それらの方法は、透過型CT(蛍光透視法、電子断層撮影法/電子顕微鏡法、超高電圧CT(Megavoltage CT)、マイクロCT(MicroCT)、陽子CT(Proton CT))の変形物や放射型トモグラフィ(ポジトロンCT(PET)、シングルフォトエミッションCT(SPECT))の変形物や超音波などの他のモダリティなどの任意のトモグラフィ画像化システムに適用されうる。]
[0013] 現行のトモグラフィ画像化スキャナアルゴリズムは、スキャナの視野内の全ての物を再構成するが、患者の周囲についての動的な情報を、再構成プロセスにおいての助けとするために十分に使用しているわけではない。患者の周囲の物は例えば、ベッド、スキャナモジュール、人為的に配置されたモジュール、および患者の周りの動的に変化する空気(または気体)空間である。現行ではそのような情報が使用されていないひとつの理由に、ボクセル値は画像化モダリティおよび個々のスキャンにおける具体的なビームパラメータに依存するため、患者の周囲をいかに動的に決定するかが明らかではないことがある。さらに、再構成アルゴリズムによってこの情報がいかに有効に使用されうるかについても明らかではない。]
[0014] 本発明は、再構成プロセスにおいて患者の周囲を補助的な情報とし、もって放射線量を低減しかつ再構成された画像の画質を向上しかつ計算リソースを節約する画像再構成方法を提供する。透過型CTのようなシステムでは投影回数は患者の放射線量および/またはスキャン時間と比例するので、本発明を使用することで放射線量を低減しおよび/またはスキャン時間を減らすことができる。]
[0015] 本発明の別の態様によると、患者の/対象の周囲を動的に決定してその患者の/対象の周囲を再構成プロセスにおける助けとして使用する方法が提供される。]
[0016] 本発明の別の態様は、放射線量を低減する方法を提供することである。]
[0017] 本発明の別の態様は、画質向上を提供することである。]
[0018] 本発明の別の態様は、所与の画質を得るために必要な投影回数またはフラックスを低減することによるスキャンスピードの向上を提供することである。]
[0019] 本発明の別の態様では、患者の周囲の期待値を決定し、それらの値を再構成プロセスにおける助けとして使用する方法。]
[0020] 透過型CTのようなシステムでは投影回数は患者の放射線量および/またはスキャン時間と比例するので、本発明を使用することで放射線量を低減しおよび/またはスキャン時間を減らすことができる。さらに、本明細書で説明される全ての方法は、全ての形態の透過型CT(X線CT、蛍光透視法、電子顕微鏡法など)および全ての形態の放射型CT(SPECT、PETなど)を含むがそれらに限定されない任意のコンピュータ化されたトモグラフィ画像化システムにおいて使用されうることが理解されるであろう。ある実施の形態では、MRIやX線CTスキャンなどの別の画像化モダリティから得られる解剖的情報を使用して患者の境界が決定される。]
[0021] 本発明の別の態様によると、
(a)再構成の各スライスについて、視野のなかで、患者および/または放射線源に対応しない複数の領域を決定するステップと、
(b)これらの領域のボクセル値を患者の周囲の気体の適切な値に対応する値またはゼロ活動に対応する値へ近づけるような方法によってこの情報を使用するステップと、を含む方法が提供される。]
[0022] 本発明のさらに別の態様では、
(a)光学的モダリティ、赤外モダリティ、レーザモダリティ、無線周波数モダリティ、X線モダリティ、ガンマ線モダリティ、従来の患者追跡システム、磁気共鳴モダリティ、および他の放射ビームを使用する他の画像化システムならびに身体計測などの別の画像化モダリティからの解剖的情報を使用して患者の境界を決定することと、
(b)患者および任意の既知の放射線源の外のボクセル位置を決定することと、
(c)これらの位置にゼロ活動に対応する期待値を割り当てることと、
(d)最終的な再構成において、その割り当てられた値を助けとして使用することと、を含む方法が提供される。あるいはまた、ステップ(b)で決定された領域にゼロ活動に対応する値を割り当てる代わりに、ゼロ活動に対応する値に近いランダム値がその位置に割り当てられてもよい。さらに、解剖的情報は、
(a)PET/CT、PET/MRI、SPECT/CT、SPECT/MRIシステムの場合と同じシステムを使用することによって、または
(b)別体の画像化システムからの画像をコレジスタすることによって、または
(c)患者の身体計測によって、または
(d)視覚的な画像化法を通じて、得られてもよい。]
[0023] 本発明の別の実施の形態によると、関心対象の期待されるボクセル値および位置についての補助的な情報を使用してスキャンから患者の画像を再構成する方法のひとつの実施の形態は、反復的再構成アルゴリズムの使用を含む。その再構成アルゴリズムのいくつかまたは全ての反復段階において、関心対象(周囲の領域と称される)のボクセル値は、当該変換の後のボクセル値の大部分が上記割り当てられた期待されるボクセル値に数値的に近く(近さは、変換されたボクセルと変換される前のボクセルとの差の絶対値によって定義される)なるように、数学的に変換される。反復的な再構成アルゴリズムは、代数的再構成法(ART)およびその変形物、期待値最大化法(EM)およびその変形物、最大事後確率法(MAP)およびその変形物、最尤推定−期待値最大化法(ML−EM)、反復フィルタ逆投影法(iterative filtered back projection methods)、反復順投影および逆投影法(iterative forward- and back- projection methods)、直接反復フーリエ法(direct iterative Fourier methods)およびそれらの順序付けられた部分集合を含み得る。しかしながら、等勾配トモグラフィ法(equally sloped tomography method)が好適である。]
[0024] 本発明の別の実施の形態は、所与のボクセル位置における数学的な変換を提供する。この変換は、所与の繰り返し段階におけるボクセル値と期待されるボクセル値とがユーザ定義の所定の割合で異なる場合、割り当てられた期待されるボクセル値が乗算されたスカラーの項と、現在のボクセル値が乗算された別のスカラーの項と、過去のボクセル値が乗算された別のスカラーの項と、他の過去のボクセル値が乗算された他のスカラーの項と、の和によって定義される加重和である。これらのスカラーは一般に互いに独立しており、負、ゼロまたは正であってよい。]
[0025] 別の実施の形態では、所与の繰り返し段階におけるボクセル値と期待されるボクセル値とがユーザ定義の所定の割合で異なる場合、所与のボクセル位置における数学的変換は、前記所与の繰り返し段階におけるボクセル値を期待されるボクセル値で置き換えることである。別の実施の形態では、所与の繰り返し段階におけるボクセル値と期待されるボクセル値とがユーザ定義の所定の割合で異なる場合、所与のボクセル位置における数学的変換は、期待されるボクセル値、ひとつまたはいくつかの過去および現在のボクセル値の幾何平均である項をいくつか含む加重和である。]
[0026] 本発明のさらなる態様が明細書の以下の部分に表れるであろう。そこでの詳細な説明は、本発明の好適な実施の形態を、それに制限を課することなく十分に説明するためのものである。]
図面の簡単な説明

[0027] 例示のみを目的とする以下の図を参照することによって本発明はより十分に理解されるであろう。]
[0028] 本発明のひとつの実施の形態に係る、周囲の物を使用して放射線量を低減し画質を向上させる方法のフロー図である。]
[0029] 本発明の代替的な実施の形態に係る、周囲の物を使用して放射線量を低減し画質を向上させる方法のフロー図である。]
[0030] トモグラフィ画像化モダリティからの画像を未定値を有する一組のボクセルとして示す図である。]
[0031] 本発明に係る画像再構成解法を説明する図である。その解法では、患者の周囲についての情報は知られている。]
[0032] 図5Aおよび図5Bは、周囲の情報の束縛として使用できる周囲のモジュールおよび空気領域を、代表的なX線マイクロCTスキャナにおけるマウスの再構成を使用して示す図である。] 図5A 図5B
実施例

[0033] より具体的に図面を参照すると、例示を目的として本発明は例えば、主に図1から図5Bに示される方法およびその方法を実行するのに使用される関連デバイスに具現化される。本明細書で開示される基本的な概念から離れることなく、装置は構成および部材の詳細について変更されてもよく、方法は特定のステップおよびシーケンスについて変更されてもよいことは理解されるであろう。] 図1 図5B
[0034] 本発明は、対象の断面をその投影から数学的に再構成する改良されたCT画像化システムに関する。患者の周囲の期待値を決定し再構成プロセスにおいてその値を助けとして使用することで、投影回数およびX線などのイオン化放射への対象の暴露が低減される。]
[0035] 本明細書において「患者」という用語は、画像化される任意の所望の対象を示すものとして使用され、人間、動物、または無生物であってもよい。「対象(subject)」という用語は、選択されたスキャナのなかに配置された任意の患者、動物または無生物を示すものとして使用される。「ボクセル」という用語および「ピクセル」という用語は互換的に使用される。]
[0036] 図1を参照すると、透過型CTスキャンなどのスキャンで使用される本発明のひとつの実施の形態が例として示されている。図1のブロック12において、スキャナ、対象、周囲のプロファイルが生成される。このプロファイルは、スキャナのタイプ、スキャンパラメータおよびスキャンされている対象の特性を説明するであろう。例えば、通常のスキャナは、光子、電子、陽子、イオン、中性子および音波を含むいくつかの異なるタイプのビーム源のうちのひとつを有しうる。] 図1
[0037] 加えて、再構成のボクセル値は多くのファクタに依存する。これらの多くのファクタは、放射ビームのエネルギスペクトル、ビームのろ過、スキャンパラメータ、対象を透過したビームの物理的な振る舞い、画像化モダリティ、およびデータの前処理または後処理を含む。例えば、X線CTでは、(ハウンズフィールド単位に換算する前の)再構成された画像のボクセル値は、そのボクセル位置における物質の減衰係数を表す。この減衰係数は、ソースのエネルギスペクトルに依存する。放射場のスペクトルが所与の画像化システムにおける異なる複数のプロトコルのそれぞれによって変化することは、複雑化の要因のひとつである。例えば、X線CTでは、X線管の電圧は定期的に(例えばkVpパラメータを調整することで)変えられる。その結果、ソースの平均エネルギおよびエネルギスペクトルの形状が変化する。加えて、アルミニウムのスラブなどのフィルタが、スペクトルを変えるために追加されうる。さらには、対象を通過する放射のスペクトルは散乱によってたたみ込まれうる。]
[0038] 典型的なスキャナはまた、ベッドや周囲の空気空間やサポートモジュールなどの対象の背景的な周囲を含むスキャナの全視野を解像しようと試みるであろう。このプロセスのため、十分な再構成を得るために、よりも多くの数の投影が必要とされる。ここで示される実施の形態ではそれに代えて、いくつかまたは全ての可能なスキャンプロトコルおよびスキャナ構成について、スキャナおよびその周囲の特性が決定され、カテゴリに分けられ、3次元空間内で位置決めされる。このプロファイル情報は、CTプログラミングでのアクセスおよび使用のためにブロック16のデータ記憶部に記憶されてもよい。]
[0039] ブロック14において、対象の周囲(の物)の期待されるボクセル値が決定される。多くの場合、患者の周囲に対応する期待されるボクセル値は具体的な画像化システムおよびスキャンプロトコルに対して決定され、その値は画像再構成プロセスにおける助けとして使用される。この値はいくつかの異なる方法によって決定されうる。]
[0040] ひとつの好適な実施の形態では、ブロック14において、患者の周囲の期待されるボクセル値は、多くの異なるスキャンパラメータおよびスキャナ構成を使用した、スキャナ内に患者がいない状態での一組のスキャンを行うことによって決定される。その結果、スキャンおよびスキャナ構成のタイプのそれぞれについての近似ボクセル値を有する参照データセットが生成される。再構成プロセス中、患者の周囲の位置および性質が初期再構成によって決定され、一組のボクセルが束縛として指定され、この指定されたボクセルの期待値が参照スキャンから決定され、この期待値がブロック18での対象スキャンのブロック20での再構成において助けとして使用される。]
[0041] スキャナに患者がいない状態での各スキャナの取得されるスキャンは、次のブロック18での患者スキャンのものと同じ近似ソーススペクトル形状(フルエンスに依らなくなるよう規格化されることが好ましい)を生じさせる設定を使用することが好ましい。しかしながら、投影回数、ソースのフルエンス、および取得時間は、ブロック18での対応する患者スキャンのものから変わりうる。大抵の場合、対象がいない状態での準備スキャンは最も高い質のものであることが望ましく、したがって、その準備スキャンではより多くの投影およびフルエンスが使用されうる。所望の処理(例えば、ビームハードニングや散乱補正)および再構成の後、スキャナの再構成された画像はブロック16に記憶される。全ての可能なソース設定の全てまたは部分集合について、または全ての可能な「スキャナベッド(scanner bed)」構成の全てまたは部分集合について、または全てのタイプの追加的なスキャナモジュールの全ての可能な構成の全てまたは部分集合について、この方法が繰り返されうることは理解されるであろう。]
[0042] 別の実施の形態では、物理的なモデリングおよび患者の周囲の性質についての知識を使用して、ブロック14において指定された領域の近似ボクセル値を決定する。例えば、準備スキャンの初期再構成から、患者の周囲に対応するボクセルの位置が決定される。そしてスキャン設定および画像化モダリティの知識を使用して、指定された周囲の期待されるボクセル値が物理法則に基づいて理論的に決定される。例えば、医療用のX線CT/CATスキャンでは、ボクセル値は、具体的なスキャンパラメータに対するそのボクセルのなかの物質の減衰係数に対応することが知られている。そこで例えば、患者の周囲の気体(すなわち、空気)の組成の知識を通じて、空気の減衰係数の公表値から、具体的なビームエネルギおよびスペクトルに対する空気の減衰係数を決定することができる。反復再構成アルゴリズムにおいては、再構成された値を既知の値へ近づけるためにこの値を使用できる。別の例では、患者ベッドの組成の知識が同様な形で使用されうる。代替的な方法は、モンテカルロ法などのコンピュータシミュレーションを通じた物理的なモデリングを含む。]
[0043] さらに別の実施の形態では、ブロック12における対象の周囲の位置の決定およびブロック14におけるボクセル値の決定は、対象の初期スキャンを生成することまたは対象がない状態でベッド構成をスキャンすること以外の他の方法によって実行されてもよい。例えば、患者とその周囲との境界の位置は身体計測を通じて決定され、スキャナフィールドの所定の部分にのみ対象が存在すると指定されてもよい。そして再構成においては、患者の外側の部分(例えば、周囲の空気)の位置は、一組のボクセルによってカバーされる所定の領域内にあると見積もることができる。ブロック20での再構成プロセスにおいては、この位置についてボクセルの期待値が使用されうる。]
[0044] あるいはまた、ブロック12においては、対象の位置とその周囲の位置との境界は、患者の可視画像、ビデオ撮影や多くの他の公知の患者動作追跡システムをスキャナで使用して決定されうる。そしてブロック14において周囲のボクセル値が割り当てられうる。例示的な患者追跡システムは、放射線治療の分野などにおける患者の局在診断および監視のための一般的な装置を含み、例えばレーザ、赤外(シンクロニー(Synchrony))センサや無線周波数(カリプソ(Calypso))センサなどの患者の関心位置に配置される放射性または反射性放射線センサ、呼吸器の追跡システム、および患者の表面または内部に配置された放射線源を含む。そのような追跡システムは、スキャナモジュールまたは人為的に導入されたモジュールの位置を追跡するのにも使用されうる。]
[0045] ブロック12およびブロック14においては、患者および/またはモジュールの境界および位置を決めるために任意のそのような既存のまたは将来の患者監視システムから得られる情報が使用されてもよく、ブロック16においてその情報が記憶されてもよい。この情報を使用して、患者とその周囲との境界が位置決めされ、スキャナフィールドの所定の部分にのみ対象が存在すると指定され、他の部分にモジュールおよび周囲の物が存在すると指定される。このプロファイルを使用して、デジタル再構成画像における一組のボクセルを表す領域Pに患者が入っていると決定することができる。また、対象の周囲の複数の領域の和集合を表す一組のボクセルに、周囲のモジュールおよび例えば空気が入っていると決定することができる。その和集合は以下の式によって表される。



反復的再構成アルゴリズムを使用する上で、後述のように、本発明の種々の実施の形態から導出される周囲の期待値がアルゴリズムに導入される。周囲に関するこの種の情報を導入することにより、トモグラフィ再構成問題における未定定数の数を低減することができ、再構成における投影回数を減らすことができ、または、画質を向上させることができる。したがって、フルセットの投影を行う代わりに、より少ない回数の投影を行えばよくなる。周囲の情報の導入によって得られる知識を使用することで、解くべきミッシングデータが低減されるからである。その結果、患者に与えられる放射線量は取得される投影回数に比例するので、本発明のひとつの実施の形態を使用すればトータルの放射線量を低減できる。]
[0046] 他の実施の形態では、患者の領域Pおよび周囲の領域Sは、患者のスキャンから利用可能なデータの準備的な再構成を使用してユーザまたはコンピュータによって決定される。例えば、ブロック18においてスキャナに患者がいる状態で取得された投影を使用して、準備的な再構成がフィルタ逆投影法(FBP)などの既存の再構成アルゴリズムのうちのひとつを使用して生成される。そしてある実施の形態では、前記準備的な再構成を目で検証することおよび/またはコンピュータアルゴリズムの助けを借りることによって、ユーザは領域Pおよび領域Sを指定する。このプロセスにおいて助けとなりうるコンピュータアルゴリズムは、ボクセル値の変化を解析することでデジタル画像中のオブジェクト間の境界を識別することができる既存のしきい値化および画像分割のホストを含む。そのようなアルゴリズムは、ユーザからの入力なしに自動的に背景または患者の領域を検出するために使用されてもよい。]
[0047] 例えば、ある実施の形態では、コンピュータはスキャナまたはユーザから伝送された信号に基づき、患者のベッドは所定のレベルより下に位置する、または患者のベッドは再構成画像の所定の位置にあることを決定し、かつ、視野内にはベッド以外のモジュールは存在しないことを決定する。理論的および物理的考察に基づき、患者の周囲の空気に対応するボクセル値はあるしきい値より低くなければならないことが知られている。すると、単純な「ファインド(find)」コマンドによって、患者に対応する領域を見つけることができる。このコマンドは、空気について期待されるボクセル値よりも所定の決められた割合だけ大きなボクセル値を有するボクセルを探す。この際、ベッドまたはモジュールとして知られている領域は例外とされる。このファインドファンクションの結果として領域Pが表れ、周囲SはP以外のボクセル領域として決定される。これが知られたものとなると、説明されるように、本発明の他の部分によって決定される期待値がこれらの領域に使用されうる。本実施の形態から得られる情報は、患者追跡システムからの情報などの本明細書で説明される他の実施の形態からの情報と組み合わせ可能であることは理解されうる。]
[0048] 図1の実施の形態において説明されるように、所望の関心対象(ベッド、モジュール、気体空間など)の位置を見出し、ブロック16に全ての可能な平面上の位置、全ての可能な軸上の位置、全ての可能なソースパラメータ、全ての可能なモジュール構成、および全ての可能なスキャンプロトコルの全てまたは部分集合に対するボクセル値を記憶するために、方法が使用されうる。さらに、スキャナモジュールの想定される形状を平面上の位置、軸上の位置、ソースパラメータ、およびモジュール構成の関数として抽出するために、方法が使用されうる。患者がスキャナのなかにいる場合の画像化システム(スキャナの任意の部分としてまたはスキャナの生成物によって定義され、例えばビーム、モジュール、周囲などである)の変化をモデル化するために、スキャナに対象がいる状態でスキャンが実行されうる。対象は例えば患者と等価なファントムであってもよい。目的を持ってモジュールが追加され、準備的なスキャンを使用してそのモジュールがスキャンされうる。この追加されたモジュールは患者スキャンにも追加されうる。] 図1
[0049] スキャナモジュールの形状および位置からの情報は、モジュール領域に近似的な理論値を付与するために使用されうる。理論値は、計算、テーブル、数式、またはシミュレーションから導出されうる。]
[0050] 所定の状況下では、スキャナに患者が存在すると、モジュールに変形が起こり、または、関心対象の形状が患者がいない場合の元の形状と対応しなくなることが起こりうることは理解されるであろう。したがって、ある実施の形態では、再構成された患者画像の位置が保持され、上述の方法のうちの任意のひとつから近似または補間された値が使用される。]
[0051] 加えて、本発明のある実施の形態では、クランプや頭部固定具や固定化ユニットなどの患者に(スキャンのために)取り付けられるモジュールが使用され識別される。スキャナモジュールについて上述された手法と同じ手法によって、ブロック14においてそのモジュールにボクセル値が割り当てられる。期待値は理論値に基づくことができ、または同等のまたは等価なモジュールについての上述の特定のスキャンから求められてもよい。]
[0052] スキャナプロファイルおよび期待されるボクセル値の決定および他の情報は、ブロック18における対象スキャンの処理およびブロック20における再構成においてさらに使用できるように、ブロック16に記憶されてもよい。記憶デバイスは、任意の種類の記憶媒体を備えるコンピュータであることが好ましい。この記憶媒体は、直接的にまたは媒体の移送を通じてスキャナからスキャン結果を受け取り、ブロック20に示されるように、導出されたプロファイルおよびボクセル情報を使用してスキャン画像を再構成できるプログラミングを有する。]
[0053] 図18を参照すると、対象患者のスキャンが行われる。ブロック18におけるスキャンは、スキャン取得条件がおよそ同じとなるように、空のスキャナでの準備的なスキャンと同じ設定で行われることが好ましい。図1に示される動作シーケンスが好ましいが、対象のスキャンは説明で示されるものとは異なるイベントシーケンス上のポイントで行われうる。例えば、ある実施の形態では、方法は、
(a)患者をスキャンすることと、
(b)そのスキャンから画像を再構成することと、
(c)患者の周囲の関心対象の位置を決めることと、
(d)本発明の方法を使用して関心対象の期待値を決めることと、
(e)再構成プロセスにおいて、この関心対象の位置および期待値についての情報を使用すること、とを含む。] 図1
[0054] ブロック20において、ブロック18において取得された対象のスキャンは、対象およびスキャナの周囲のエリアについての収集された情報を使用して、ブロック20において再構成される。多くの再構成アルゴリズムは、患者の周囲の既知のボクセル値を導入して使用することができる。これにより、より正確に画像について解くことができ、所定の画質を得るのに必要な投影回数を減らすことができる。しかしながら、プロファイル、ボクセル、および他の情報は、反復的再構成アルゴリズムによって最も容易に組み入れられ得る。後述の反復的アルゴリズムの使用は必要とされるわけではなく、本方法のある実施の形態の説明のために使用される。]
[0055] 一般に、大抵の反復的アルゴリズムは以下のプロセスに集約されうる。すなわち、n番目の繰り返しにおけるボクセルiの値が

で与えられるとき、反復的アルゴリズムは

をある形で使用して

で示される新しい一組のボクセル値を生成する。これは単純化された数学的な表現において

と記載されうる。ここでTは反復的アルゴリズムの全ての演算および追加的な入力を記号で表すものである。この式は、



への変換を導く。]
[0056] 代数的再構成法(ART)およびその変形物、期待値最大化法(EM)およびその変形物、最大事後確率法(MAP)およびその変形物、最尤推定−期待値最大化法(ML−EM)、反復フィルタ逆投影法、反復順投影および逆投影法、直接反復フーリエ法およびそれらの順序付けられた部分集合などの反復的アルゴリズムの大部分は上記数式によって記述可能である。]
[0057] 本発明の方法を説明するため、Pは患者領域を表し、Sは患者の周囲の領域を表すとする。上述のタイプの任意の反復的アルゴリズムへ周囲の情報を組み入れるための一般的な方法は、



である。ここで、Hi,nは、患者の周囲のボクセル値の値を、それより以前に決定または割り当てられたそのボクセルの期待値に合わせる本発明の一組の演算を記号で表すものである。

は、ブロック14において決定された期待値を表す。下付き文字のiとnは、Hi,nがボクセル位置および繰り返し番号の両方の関数でありうることを示す。Hi,nは、異なる複数の方法で実装されうる。本発明は大まかに言えば、対象の周囲の領域のボクセル値のいくつかまたは全てを期待値へ近づけるためのHi,nの使用および

のいくつかまたは全ての使用として表現されうる。最も単純な実装では、関数Hi,nは、n番目の繰り返しにおける周囲の領域Sの計算値をその期待値

で置き換える。加えて、本発明は、Hi,nとTの順番が周囲の領域において以下のように可換である実施の形態を含む。]
[0058] さらに、関連する実施の形態では、全ての数学的な変換は、所与の繰り返し段階におけるボクセル値と期待されるボクセル値とがユーザ定義の所定の割合で異なる場合そのような変換が所与のピクセル位置に対してのみ適用されるという追加的な条件の下で使用されてもよい。]
[0059] 別の実施の形態では、計算値が期待値の所定の割合のなかにない場合にのみ、計算値が期待値で置き換えられる。他の実施の形態では、各繰り返し段階でHi,nが計算値を期待値に向けて「押す(pushes)」。ひとつのそのような式は、



である。ここでα、β、γは規格化された定数である。例えば、α=0、β=0、γ=1の場合、アルゴリズムは周囲のボクセルをその期待値で置き換える。同様に、α=0.1、β=0、γ=(1−α)=0.9またはα=0、β=0.1、γ=(1−β)=0.9の場合、値は期待値の値へ向けて「押し(pushed)」込まれる。乗算的な変形例もまた可能である。例えば、



またはより一般的に、



がある。ここで、Fi,nは、

が乗算された場合に一般に計算値よりも

により近い値を生成する一般的な関数である。これらの条件は、異なるボクセルに対して異なる態様で適用されうる。また、これらの条件は所定の繰り返し段階において適用されなくてもよい。このプロセスは、最終的な画像が正確に知られている期待値に準拠することを強制し、かつ、未定定数の数を減らして残りのボクセル値について解くのを助ける。]
[0060] 図2を参照すると、放射型CTスキャンなどの放射型の設定で使用される、本発明の代替的な実施の形態が示される。(シングルフォトエミッションCT(SPECT)やポジトロンCT(PET)やそれらの変形物などの)放射型のトモグラフィ画像化システムでは、典型的には放射源は患者の内部に存在し、ボクセル値はその位置から生じていると認識される活動と関連付けられる。患者の周囲の所定の領域で活動が見られない場合、そのボクセル値はゼロであるかまたはいくらかのオフセットを有することが期待される。画像再構成プロセスにおいてそのような情報を使用するアプリケーションは複雑である。そのような画像化モダリティでは解剖的境界を明確には見いだせないからである。] 図2
[0061] したがって、方法のある実施の形態は、
(a)準備的なスキャンまたは他の画像化手段を使用して患者の境界の位置を決めることと、
(b)患者および任意の既知の放射源の外部のボクセルの位置を決めることと、
(c)この位置にゼロ活動に対応する期待値を割り当てることと
(d)割り当てられた値を、スキャンされた対象の最終的な再構成において助けとして使用することと、を含む。あるいはまた、ステップ(b)によって決定された領域にゼロ活動に対応する値を割り当てる代わりに、ゼロ活動に対応する値に近いランダム値がその位置に割り当てられ得る。]
[0062] 図2のブロック22において、再構成の各スライスについてスキャナの視野内の領域であって患者および/または放射源に対応しない領域が識別されうるように、スキャン対象の解剖的特性および特徴が決定される。例えば、解剖的情報は、
(a)PET/CT、PET/MRI、SPECT/CT、SPECT/MRIシステムの場合と同じシステムを使用することによって、または
(b)別体の画像化システムからの画像をコレジスタすることによって、または
(c)患者の身体計測によって、または
(d)視覚的な画像化法を通じて、得られてもよい。] 図2
[0063] ブロック24において、導出された対象境界の外側の空間に対して、ボクセル値が決定され割り当てられる。例えば、ゼロ活動に対応するエリアには期待値が割り当てられ、その値がブロック26での対象スキャンのブロック28での再構成において使用されうる。ある実施の形態では、方法は、「外部」として識別された領域のボクセル値をゼロ活動に対応する値へと押す。]
[0064] ブロック28において、ブロック26でのスキャンからの画像の再構成において、ブロック22で決められブロック24で割り当てられた情報が使用される。画像再構成は、図1のブロック20で説明されたものと同様である。] 図1
[0065] 以上より、本発明によると、所望の画質の再構成画像を得るのに必要な投影回数を低減することによって、トモグラフィ画像化システムにおいて放射線量を低減することができることが分かる。そのような投影回数の低減は、スキャンについて患者に与える放射線量を直接的に低減するであろう。あるモードでは、ひとつのソースまたは複数のソースによって放射または透過された放射のフルエンスであってより低い放射のフルエンスを使用して所望の画質の再構成画像を得るために、これらの方法が使用されうる。そのようなフルエンスの低減は、スキャンについて放射線量を直接的に低減するであろう。別のモードでは、所与の画質パラメータ(解像度、コントラスト、信号対雑音比など)を向上させるためにこれらの方法が使用されうる。]
[0066] さらに、これらの方法によると、投影回数を減らすことでスキャン時間を減らすことができる。各投影の取得には時間が必要なので、投影回数のそのような低減は、多くの画像化システムについてトータルのスキャン時間を直接的に低減するであろう。さらには、これらの方法によると、トータルのソースフラックスを低減することによってスキャン時間を低減できる。一般にソースがより高いフラックスを生成するのにはより長い時間が必要なので、トータルのフラックスのそのような低減は、多くの画像化システムについてトータルのスキャン時間を直接的に低減するであろう。]
[0067] 本発明は添付の例示を参照するとより良く理解されうる。この例示は説明のみを目的としており、いかなる意味においても添付の請求項により定められる本発明の技術的範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。]
[0068] 例1]
[0069] トモグラフィスキャン再構成において患者の周囲を使用することの背後にある一般的な原理を説明するために、単純な一組のボクセルが使用される。図3を参照すると、典型的なトモグラフィ画像化モダリティからの画像が、未定値を有する16のボクセルからなる組として示される。各行および各列の破線矢印30および32は、実験的に得られた垂直および水平投影をそれぞれ示す。多くのモダリティにおいて投影30、32は、数学的にはラドン変換またはトランスレートされた(translated)ボクセルの数学的な和であると考えられうる。図3に示されるように、画像再構成プロセスは投影によって提供される8個の式を用いて16のボクセルについて解くことであると考えられうる。] 図3
[0070] 数学的には、たった8個の式で16のボクセルについて解くことは不可能である。したがって、システムを解くためには、ボクセル同士を関連付ける式、すなわち投影がもっと必要である。投影回数を増やさなければならず、これによって患者への放射線量は増大し、スキャン時間は長くなる。]
[0071] しかしながら、図4に示される通り、周囲の空気34(最初の3つの行においてゼロで示される)や患者のベッド36(4番目の行において「2」で示される)などの患者の周囲についての情報がいくらか知られている場合、元の2つの投影からの情報だけでシステムを解くことができる。これは、本発明によると対象が従来方法よりも少ない投影回数で再構成されうる(したがって、一般に、患者への放射線量が低減され、スキャン時間が低減される)ことを説明する。] 図4
[0072] 例2]
[0073] 図5Aおよび図5Bを参照すると、本発明の実施の形態を説明するためにマウスのマイクロCTスキャンが使用される。図5Aおよび図5Bは、従来の方法によるマイクロCTスキャナにおけるマウスの再構成を示す。図5Aに示される画像は、再構成の冠状断像であり、図5Bに示される画像は、同じマウスの典型的な再構成のひとつの横断スライスである。これらのスキャンでは、マウスはプラットフォーム42上の円筒状ケース40に入れられた。マウスは当然空気44によって囲まれており、その空気44は画像中黒い領域として可視化されている。] 図5A 図5B
[0074] 従来の方法は、スキャンが行われる度に、スキャナのケースおよび空気などの視野内の全てのオブジェクトを再構成する。投影回数および放射線量は解かれるボクセル数と関連するので、スキャナのなかの全てのオブジェクトを再構成するためには、多くの投影回数(およびしたがって放射線量)が必要となる。これと対照的に、本発明は対象の周囲から得られうる情報を使用して未定定数の数を減らし、もって投影回数、放射線量、スキャン時間を低減し、かつ、画質を向上させる。]
[0075] 本発明のある実施の形態では、マウスの周囲の領域であって空気およびモジュールに対応する領域がまず指定される。その指定は、しきい値法(thresholding methods)を用いたアルゴリズムによって、または、ユーザによって手作業で、またはそのような方法の組み合わせによって、なされうる。ある実施の形態では、マウスに対応する領域がユーザによって指定され、次に、空気およびケースのだいたいの減衰係数を知ることによって、空気44およびケース40に対応する領域が、そのボクセル値が所与の範囲にあるボクセルの位置を見つけるためのファインドファンクション(find function)を使用するアルゴリズムによって見出される。空気44およびケース40に対応するボクセルの位置が決められて記憶されると、空気およびモジュールの期待される減衰係数が種々の方法によって決定されうる。]
[0076] そのような方法のひとつは、スキャンエネルギに対応する減衰値のテーブルを使用するなどの、周囲の期待されるボクセル値を決めるための理論的な計算またはシミュレーションの使用を含む。本発明の別の方法は、ある複数のスキャン構成について周囲のボクセル値に対応するルックアップテーブルを形成するために、スキャナにマウスがいない状態で一組のスキャンを行うことを含む。この方法は、非一様なモジュールの正確なマップを提供するので好適である。マウスの周囲のボクセル値をその期待値へと押すことによって画像再構成問題を解くために、期待値が反復的アルゴリズムによって使用される。このプロセスは図1のブロック20で詳述される。] 図1
[0077] 既に説明されたように、再構成画像について解くために多くの反復的アルゴリズムが使用されうる。ある実施の形態では、各繰り返し段階において、指定された周囲の領域にあるボクセルは、そのボクセル値がその期待値と所定の指定された割合で異なる場合は単に所与の繰り返し段階からのそのボクセル値をその期待値で置き換えることによって、その期待値に向けて押される。そのような手順によると、周囲の情報および取得された投影データの両方と矛盾がない最終的な再構成画像が生成される。方法は、周囲のボクセルを、(例えば、スキャナに対象がない状態で高サンプルレートのスキャンを行うことによって)対象に放射線量を与えることなく正確に決定されうる値で置き換えることによって、未定定数の数を低減する。]
[0078] その結果、従来方法と同じ投影回数が使用された場合、解像度、コントラスト、および/または信号対雑音比などの画質パラメータがより高い、より正確な再構成を生成できる。あるいはまた、取得される投影の回数を低減して放射線量を低減できる。方法は一般的により正確な再構成を生成するので、より少ない投影回数で所与の質の再構成を生成できることが実験的に示された。その結果、マウスへの放射線量を低減した上で所与の質の再構成を生成できる。]
[0079] 加えて、本例のものを含むいくつかのモダリティではスキャン取得時間は投影回数に比例するので、取得時間が低減される。より少ない回数の投影が取得されるからである。この方法のひとつのアプリケーションは、心臓などの動いている対象の高速画像化にある。そこでは、動きによるアーチファクトを減らすためにスキャンをより少ない時間で取得することが重要である。さらに、本方法によってより高い信号対雑音比を実現できるので、各投影の放射フラックスを低減することによって放射線量を低減することが可能である。]
[0080] 本方法は、コンピュータシミュレーションおよびマイクロCTスキャナを使用した予備実験によってテストされた。]
[0081] 上述の説明は多くの詳細を含むが、これらは本発明の技術的範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本発明の現段階における好適な実施の形態のいくつかについての説明を単に提供するに過ぎないのである。したがって、本発明の技術的範囲は当業者には明白でありうる他の実施の形態もまた当然に包含することは理解されるであろう。添付の請求の範囲では、要素の単数形は明示されている場合を除き「ひとつかつひとつのみ」を意味することを意図しておらずむしろ「ひとつ以上」を意味することを意図している。上述の好適な実施の形態の要素に対する、当業者に知られている全ての構造的、化学的、機能的等価物は明白に本明細書に参照により援用され、本開示によって包含されることを意図されている。さらに、本開示によって包含されるためには、デバイスまたは方法が本発明によって解決されるべき個々全ての課題を指向する必要はない。さらに、この開示中のいかなる要素、部品、方法ステップも、その要素、部品または方法ステップが請求の範囲において明確に使われていようといないとに係わらず、公衆に捧げることを意図されていない。本願の請求項のいずれの要素も、その要素が「means for」の句を用いて明確に引用されていない限り、合衆国法典第35巻第112章第6段落の条項の下で解釈されるべきではない。]
权利要求:

請求項1
スキャナイメージングフィールドを有するスキャナのスキャナプロファイルを生成することと、前記イメージングフィールドの期待されるボクセル値を決定することと、前記スキャナで被検査物をスキャンすることと、再構成プロセスにおいて、前記スキャナプロファイルと、イメージングフィールドおよびイメージングフィールドのなかにありかつ被検査物の周囲にある任意の関心対象の期待されるボクセル値と、を使用することで、スキャンから前記被検査物の画像を再構成することと、を含む、画像再構成方法。
請求項2
前記患者のスキャンで使用されるものと同じ近似ソーススペクトルの形であってフルエンスに依らなくなるよう規格化された近似ソーススペクトルの形を生じせしめるスキャナ設定を使用して、スキャナに対象がない状態で一組の参照スキャンを行い、それに対応する再構成を保持することと、前記一組の参照スキャンおよび前記スキャナプロファイルを使用して前記イメージングフィールドの前記期待されるボクセル値を決定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記一組の参照スキャンは、スキャナに対象がある状態での対応するスキャンのものよりも多い回数の投影および高いフルエンスを使用して、スキャナに対象がある状態での対応するスキャンのものよりも高い質で行われる、請求項2に記載の方法。
請求項4
イメージングフィールドおよびイメージングフィールドのなかにある任意の関心対象の期待されるボクセル値は、理論的および物理的データに基づいて割り当てられる、請求項1に記載の方法。
請求項5
複数のスキャンパラメータおよび複数のスキャナ構成ごとにスキャナに患者がいない状態で一組の参照スキャンを行い、スキャンおよびスキャナ構成の各タイプについての近似ボクセル値を有する参照データセットを生成することと、対応する再構成から参照データセットを保持することと、最初の対象スキャンの初期再構成によって、前記スキャンされた対象の周囲の位置および性質を決定することと、一組のボクセルを束縛として指定することと、指定されたボクセルの期待値を参照スキャンから決定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項6
対象の画像の前記再構成は、前記スキャンされる対象の主部の周囲のイメージングフィールドの取得されたボクセル値を、その変換の後のボクセル値の大部分が前記割り当てられた期待されるボクセル値に数値的により近くなるように数学的に変換することを含んで繰り返し行われる再構成をさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項7
所与のボクセル位置における前記数学的な変換は、所与の繰り返し段階におけるボクセル値と期待されるボクセル値とがユーザ定義の所定の割合で異なる場合、割り当てられた期待されるボクセル値が乗算されたスカラーの項と、現在のボクセル値が乗算された別のスカラーの項と、過去のボクセル値が乗算された別のスカラーの項と、他の過去のボクセル値が乗算された他のスカラーの項と、の和によって定義される加重和を含む、請求項6に記載の方法。
請求項8
前記反復的な再構成は、代数的再構成法(ART)、期待値最大化法(EM)、最大事後確率法(MAP)、最尤推定−期待値最大化法(ML−EM)、反復フィルタ逆投影法(iterative filtered back projection)、反復順投影および逆投影法(iterative forward- and back- projection)、等勾配トモグラフィ(equally sloped tomography)、および直接反復フーリエ法(direct iterative Fourier method)からなるアルゴリズムのグループから選択されたひとつの反復再構成アルゴリズムを含む、請求項6に記載の方法。
請求項9
前記対象スキャンの回数、スキャン時間および対象スキャンのそれぞれのフルエンスを低減することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
請求項10
スキャナイメージングフィールドを有するスキャナのスキャナプロファイルを生成することと、放射源を含む対象の解剖的情報を使用して、前記イメージングフィールドのなかに配置された対象の境界を決めることと、前記対象の境界を囲むボクセルの位置および前記対象のなかにある任意の既知の放射源の位置を決めることと、適切な期待されるボクセル値をそれらの囲む位置に割り当てることと、前記対象を複数回スキャンすることと、再構成プロセスにおいて、前記補助的なスキャナプロファイルと、位置についての解剖的情報と、割り当てられた期待されるボクセル値と、を使用することで、スキャンから対象の画像を再構成することと、を含む、画像再構成方法。
請求項11
前記解剖的情報は、前記スキャナとは異なる画像化モダリティによって得られる、請求項10に記載の方法。
請求項12
前記画像化モダリティは、それぞれが対象の境界を決めるためのものである、光学的な画像化、赤外線画像化、無線周波数画像化、レーザ画像化、磁気共鳴画像化、発光画像化、および透過画像化、または身体計測からなるモダリティのグループから選択される、請求項11に記載の方法。
請求項13
前記周囲の前記ボクセル値には、ゼロ活動に対応する期待値が割り当てられる、請求項10に記載の方法。
請求項14
前記患者のスキャンで使用されるものと同じ近似ソーススペクトルの形であってフルエンスに依らなくなるよう規格化された近似ソーススペクトルの形を生じせしめるスキャナ設定を使用して、スキャナに対象がない状態で一組の参照スキャンを行い、それに対応する再構成を保持することと、前記一組の参照スキャンおよび前記スキャナプロファイルを使用して前記イメージングフィールドの前記期待されるボクセル値を決定することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
請求項15
前記一組の参照スキャンは、スキャナに対象がある状態での対応するスキャンのものよりも多い回数の投影および高いフルエンスを使用して、スキャナに対象がある状態での対応するスキャンのものよりも高い質で行われる、請求項14に記載の方法。
請求項16
複数のスキャンパラメータおよび複数のスキャナ構成ごとにスキャナに患者がいない状態で一組の参照スキャンを行い、スキャンおよびスキャナ構成の各タイプについての近似ボクセル値を有する参照データセットを生成することと、対応する再構成から参照データセットを保持することと、最初の対象スキャンの初期再構成によって、前記スキャンされた対象の周囲の位置および性質を決定することと、一組のボクセルを束縛として指定することと、指定されたボクセルの期待値を参照スキャンから決定することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
請求項17
対象の画像の前記再構成は、前記スキャンされる対象の主部の周囲のイメージングフィールドの取得されたボクセル値を、その変換の後のボクセル値の大部分が前記割り当てられた期待されるボクセル値に数値的により近くなるように数学的に変換することを含んで繰り返し行われる再構成をさらに含む、請求項10に記載の方法
請求項18
その投影から画像を再構成する方法であって、複数のスキャンパラメータおよび複数のスキャナ構成ごとにスキャナに患者がいない状態で、スキャナの一組の参照スキャンを行い、スキャンおよびスキャナ構成の各タイプについての近似ボクセル値を有する参照データセットを生成することと、スキャナイメージングフィールドのなかにいる患者の周りの関心対象の位置を決めることと、関心対象の期待されるボクセル値を決めることと、対応する再構成から参照データセットを保持することと、スキャナで患者をスキャンすることと、前記患者スキャンの再構成において、関心対象の位置および期待されるボクセル値についての補助的な情報を使用することで、スキャンから患者の画像を再構成することと、を含む方法。
請求項19
患者の解剖的情報を使用して前記イメージングフィールドのなかに配置された対象の境界を決めることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
請求項20
前記解剖的情報は、前記スキャナとは異なる画像化システムからの画像をコレジスタすることによって得られる、請求項19に記載の方法。
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