专利摘要:
血管の長さ内から複数のサンプルを採取するカテーテルおよび関連した方法。カテーテルは、血管に挿入され、血管の中央領域に沿って配置される細長い中心部を含む。血管の中央領域においてサンプルを採取する細長い中心部に沿って複数の採取領域が規定される。複数のミキサが細長い中心部の半径方向外側に向けて備えられ、血管壁の境界層から細長い中心部へと血液の流れを生成するように配置される。これにより、境界層からのサンプルを採取領域が採取できる。
公开号:JP2011509730A
申请号:JP2010542678
申请日:2009-01-16
公开日:2011-03-31
发明作者:ウールマンド、ヤニック、ピエール、ルイス;オーウェン、リチャード、ハーレイ、グレンヴィル;コリガン、ジョセフ、ピーター;スクダモア、アンドリュー、ピーター;ニューディック、トーマス;ブラッチャー、ステファン
申请人:プラークテック リミテッド;
IPC主号:A61B10-02
专利说明:

[0001] 本発明はカテーテル、特に血管の長さ内から複数のサンプルを採取するカテーテルに関する。本発明はさらに関連した方法、特に、血管の壁から生じる1つ以上のバイオマーカに対するデータプロファイルを生成する方法、血管壁の病理学的あるいは生理学的状態を決定するために血管の長さ方向のプリファイリングを行う方法、および、生体内で血管から血液サンプルを採取する方法に関する。]
[0002] 血管の長さに沿って複数の血液サンプルを採取することは、国際公開第2006/126002号パンフレットにより知られている。血管壁付近からサンプルを採取および分析して、そこに存在するバイオマーカの濃度を決定することができる。従って、カテーテルのサンプル採取部の長さに沿って、血管に沿った不安定プラーク等の位置を決定することができる。]
[0003] そうした以前からの設備は非常に有用で効果的だが、カテーテルの形状および被試験血管の位置および/またはサイズによっては困難を伴う。例えば、変化する血管形状やカテーテルの位置調整における制限のため、カテーテルのサンプル採取領域を血管壁近傍の位置へと動かすことが常に現実的なわけではない。本出願は、これらの困難を取り除くこと、結果の一貫性を改善すること、およびバイオマーカ源の実際の位置とそれらのバイオマーカが最初に採取された位置との間に、より密接な相関を得ることに努めている。これは、以下に詳細に述べるように、境界層からサンプル採取領域に向けた流れを誘発することにより達成される。]
[0004] 本発明の第1の側面に従うと、血管の長さ内から複数のサンプルを採取するカテーテルであって、血管に挿入され、血管に沿って配置される細長い中心部と、細長い中心部に沿って規定され、血管の中央領域でサンプルを採取する少なくとも1つの採取領域と、細長い中心部の外側に半径方向に備えられ、血管の壁の境界層から細長い中心部へ血液の流れを生成するように配置され、少なくとも1つの採取領域が境界層からのサンプルを採取できるようにする少なくとも1つのミキサとを備えるカテーテルを提供する。]
[0005] 少なくとも1つのミキサが、カテーテルの採取領域へ向かう血液の流れを生成することが好ましく、これにより、カテーテルと血管内壁との間の容積を規定する360度の半径方向断面中に存在した液体物質の代表となるサンプルを、少なくとも1つの採取領域が採取することができる。]
[0006] 採取されたサンプルは、血管内における血液の全断面積、すなわち、細長い中心部の中心から血管壁までを代表するものである。]
[0007] 少なくとも1つのミキサがあることにより、血管の壁および隣接する境界層ほども遠く離れた所から生じるバイオマーカのような成分を、カテーテルの細長い中心部に沿った採取領域へと迅速に運び、サンプルとして採取できる。その結果、(血流中に予め設置されていた)カテーテルから採取されたサンプルは、バイオマーカ等の成分源の実際の位置を、より正確に反映することができる。また、より迅速に少なくとも1つの採取領域へ流れを運ぶ結果、および実際のバイオマーカ源とバイオマーカのサンプル採取場所との間の長さ方向のオフセットをより短くできる結果、より正確で精密に、かつ良好な感度で検出ができるようになる。さらに、長さ方向のオフセットがより安定となり、これによって適切な補正ができる。]
[0008] 速度境界層および拡散境界層の両者を含む、全てのタイプの境界層を含むように、境界層という用語を使用している。]
[0009] 血管から抽出された血液サンプルはバイオマーカを含んでよい。バイオマーカは、治療による介入に対する通常の生物学的または病理学的過程、あるいは薬理学的反応の指標として、客観的に測定および評価される任意の特性として定義される。その特性としては、全血、組織、細胞成分、化学物質、および脂質、タンパク質、核酸および代謝産物等の分子等が含まれる。]
[0010] 例えば、ブラシ、スポンジ、発泡体、フラップ、羽根、パドル、らせん形の断面等、様々なタイプのミキサを使用することができる。しかし、ミキサのうち少なくとも1つはスタティックミキサであることが好ましい。]
[0011] スタティックミキサは、移動部を持つ必要が無く、層流から乱流まで広い範囲の流れの条件にわたって、バイオマーカ(あるいは任意の血液成分)の拡散速度を増加させることができるので有利である。通常、動脈流は層流で、拡散は非常に遅い。スタティックミキサを使用してバイオマーカの拡散を増大させることができる。これは、例えば流れを2つに分け、その結果生じる液体の要素を互いに反対の方向に90°回転させ、そして再結合すると、液体の要素は互いに対して物理的回転を受けることになるためである。そのような分離、回転、および再結合プロセスは、流れの中のバイオマーカを、採取領域に一歩近付ける。プロセスを繰り返すことによって、バイオマーカはさらに近付き、液体の均一性に及ぼす拡散の効果が増大する。]
[0012] 断面が比較的小さく、それ故通常の状態で血管内の位置に移動することのできるミキサを提供できるが、少なくとも1つのミキサは、血管内に挿入されるべく、少なくとも1つのミキサが細長い中心部近傍に位置する不活性状態から、少なくとも1つのミキサが細長い中心部から離れて血管の境界層と干渉する複数の活性状態へと展開できることが好ましい。]
[0013] このようにして、不活性状態においては、カテーテルは全体として小さな断面積を持ち、血管中への挿入、および血管に沿った挿入を容易にする。次いでミキサが活性状態へと展開し、血管内の血液をよりよく撹拌する。]
[0014] (その地点における血管の内径に応じて)動脈の壁にミキサが係合および適合してもよい。これは、例えばシースから、いかなる他の抑制力も無い場合に、展開したミキサの直径を制御するように機能し得る。]
[0015] 境界層との干渉が最良となるように、細長い中心部から適切な程度にミキサが展開できることが好ましい。境界層は、(動脈のような)血管の壁に沿い、異質な生物学的活動のある位置にて予期されるように、(血液の自由流あるいは大きな流れに対して)様々な濃度をした、壁から生じるバイオマーカあるいは壁に吸収されるバイオマーカを潜在的に含んでいる。つまり、ある直径の血管に対しては、ミキサが伸びて血管の壁と出会うが、一方で、より大きな直径の血管に対しては、ミキサは血管壁近傍の位置に移動するだけということを意味している。]
[0016] 実施形態では、少なくとも1つのミキサが、細長い中心部の一方の側で伸びることができる。ミキサの性質に応じて、細長い中心部の反対側で伸びる少なくとも1つの他のミキサを含むことが望ましい。しかし、少なくとも1つのミキサは、細長い中心部のまわりの略全ての半径方向に伸びることが好ましい。このようにして、血管周辺部のあらゆる位置からの血液を、ミキサが効果的に撹拌できる。従って、血管の周辺部全体の境界層から、少なくとも1つのミキサが血液の流れを生成できることが好ましい。]
[0017] ミキサを単一の構成部品として実装することができるが、少なくとも1つのミキサはそれぞれ、細長い中心部から半径方向に伸びる複数の撹拌素子を有することができる。]
[0018] 少なくとも1つのミキサの複数の撹拌素子を合わせて、細長い中心部の外周において略全ての半径方向に広がりを形成することができる。]
[0019] それぞれの撹拌素子は、細長い中心部に対して固定することができる。また一方、それぞれの撹拌素子を旋回ができるように細長い中心部に取り付けてもよく、細長い中心部の長手方向において、細長い中心部に近付いたり離れたりするように旋回する。言い換えると、長手方向に垂直な軸、あるいは長手方向に対して少なくとも角度の付いた軸の周りで、それぞれの撹拌素子が旋回する。]
[0020] このようにして、細長い中心部の外表面に寄りかかった、あるいは外表面近傍の不活性状態へと、それぞれの撹拌素子を実質的に折り畳むことができる。あるいはその代わりに、それぞれの撹拌素子は、細長い中心部から離れた活性状態へと旋回することができる。撹拌素子が旋回して細長い中心部から離れる程度は、細長い中心部を挿入する血管の直径または内部の広がりに応じて変化することができる。]
[0021] それぞれの撹拌素子を、細長い中心部と離れた個別の部品から形成し、任意の適切な旋回機構によって細長い中心部に取り付けることができる。あるいはその代わりに、撹拌素子を細長い中心部に取り付ける位置では、撹拌素子の少なくとも一部を適切な弾性物質で作ってもよい。]
[0022] また、それぞれの撹拌素子は、細長い中心部に対して半径方向および接線方向に伸びるパドル形状を有してもよい。]
[0023] パドルは、細長い中心部の長さ方向の表面から外側に向かって伸びるフィンまたはフラップとみなすことができ、血管中の血流を乱して撹拌を引き起こす。従って、撹拌素子は、細長い中心部に対して少なくとも一部が半径方向に伸びる、長さ方向の広がりを持つ。一方、撹拌素子の横方向の広がりは、細長い中心部の外表面からの接線と平行な方向に伸びる。]
[0024] 細長い中心部の長さ方向の軸に対してそれぞれの撹拌素子に角度を持たせ、撹拌素子がプロペラの羽根形状を取り、角度の方向に従って所定の外周またはらせんの方向に血流を向けることができる。]
[0025] また撹拌素子は、細長い中心部に沿った連続的な位置に配置されてよく、細長い中心部の長さに沿った縦方向に間隔をあけてもよい。撹拌素子は、細長い中心部に沿った連続的な位置において、対応する連続的な角度で細長い中心部のまわりに配置されてよい。]
[0026] このようにして、細長い中心部に沿った第1の位置にある撹拌素子が血流を外周方向に変える場合、細長い中心部の長さに沿った次の撹拌素子は異なる半径方向の位置に配置され、細長い中心部のまわりにおける血管断面の異なる部分と干渉する。特に、1つの撹拌素子からの方向を変えられた流れが、細長い中心部の次の位置に配置された撹拌素子へと流れ込むことができる。]
[0027] また、細長い中心部に沿って隣接した位置にある撹拌素子間における、細長い中心部まわりの相対角度は略90°であってもよい。]
[0028] 従って、それぞれの撹拌素子が、血管に沿った血流を分割した後または血流の方向を変えた後、血管断面の90°オフセットされた場所を迂回するために、次の撹拌素子が略90°オフセットされる。この配置は、略90°の半径方向の広がりを有する撹拌素子を用いることで、特に良好に機能する。より小さな半径方向の広がりを持つ撹拌素子に対しては、連続する撹拌素子間の相対的な位置は、より小さな半径方向の角度であってよい。軸方向に見た場合に連続する撹拌素子にいくらかの重なりが生じるように、撹拌素子の半径方向の広がりが、それらの間で半径方向の角度をわずかに超えることが好ましい。]
[0029] 撹拌素子は対で配置されてもよい。撹拌素子のそれぞれの対は、細長い中心部に沿ってそれぞれの位置に配置される。1対の撹拌素子のうちそれぞれの撹拌素子は、細長い中心部の反対側にそれぞれ位置する。言い換えると、1対の撹拌素子は、細長い中心部の上側に伸びる1つの撹拌素子と、細長い中心部の下側に伸びる別の撹拌素子とを含んでよい。連続する撹拌素子が対応する連続的な角度にある場合、撹拌素子の次の対は、細長い中心部の一方の側に伸びる1つの撹拌素子と、反対側に伸びる他の撹拌素子とを有してよい。]
[0030] ただ1対の撹拌素子を使用することができる。しかし、少なくとも1つのミキサが、そのような撹拌素子を少なくとも2対含んでもよい。]
[0031] これは、過剰な数の撹拌素子を備えることと、十分な撹拌を与えることとの間の良い妥協点を提供する。]
[0032] 撹拌の質をさらに高めるため、付加的な撹拌素子の対を備えることができる。3、4、または6対を用いて、確かに良好な結果を達成できる。]
[0033] ミキサを不活性状態にするために、それぞれの撹拌素子を曲げて、細長い中心部の外表面に対して略平面となるようにすることができる。このように撹拌素子が曲げられた場合に、撹拌素子の形状および間隔は、細長い中心部に沿って隣接した位置にある撹拌素子が実質的に重ならないようにすることが好ましい。この配置によってカテーテルの外形は最小となる。従って、目的位置へのカテーテルの移動が改善される。]
[0034] 撹拌素子の外側の部分は、隣接する撹拌素子の重なりが半径方向の深さを過度に占めないような形状にすること、あるいは薄くすることができる。]
[0035] サンプル採取のための任意の既知または適切な方法で、採取領域を配置することができる。しかし、少なくとも1つの採取領域は、少なくとも1つの採取ポートを含む。少なくとも1つの採取ポートは、細長い中心部に沿ったそれぞれの位置に設置され、その位置においてそれぞれのサンプルを採取する。もちろんその位置で採取されたサンプルは、実質的には、撹拌前の境界層から採取されたサンプルである。]
[0036] 様々な異なる配列のミキサおよび採取領域を有するカテーテルを提供できる。例えば、それぞれのミキサに複数の採取領域を備えることができる。同様に、それぞれの採取領域は、複数の採取ポートを含むことができる。しかし好ましい実施形態においては、隣接するミキサ間に単一の採取ポートを備える。分析して規格化に用いるための撹拌されていない血液サンプルを提供するために、すべての撹拌よりも上流側の位置に採取ポートを備えてよい。]
[0037] 例えば、任意に吸収物質を含むサンプリングポケットへと続くような任意の既知または適切な方法で、採取ポートがサンプル採取用のポートを備えてよい。しかし1つの実施形態においては、細長い中心部は少なくとも1つのルーメンを含む。ルーメンは、細長い中心部に沿って内部に伸び、少なくとも1つの採取ポートと接続する。]
[0038] ルーメンは、個々の採取ポートから血液サンプルが流れ込む容積を形成する。ルーメンは、生理食塩水またはその相当物で予め満たすことができる。自然な血圧を利用して、サンプルがルーメンに集まるようにしてよい。あるいはルーメンの反対側の端部に低圧を加えて、個々の採取ポートを通して血液を引き寄せてもよい。例えばヘパリン、ホスホリルコリン等の抗凝血物質でルーメンを覆ってもよい。]
[0039] また、細長い中心部に沿って内部に伸びそれぞれの採取ポートと接続する複数のルーメンを、細長い中心部が含んでもよい。このようにして、例えば各ミキサの間で1つのサンプルといったように、同時に複数のサンプルを採取できる。]
[0040] ミキサに対する撹拌の要件を低減するために、細長い中心部のまわりで全断面にわたって血液を撹拌することを必要とせずに、単に境界層から細長い中心部へ血液の流れを生成するだけのミキサを使用することができる。これは、血管の一方の側にある境界層からの血流が、細長い中心部の同じ側へと送られるだけでよいことを意味している。この血流からサンプルを確実に採取するために、細長い中心部の周囲に複数の採取ポートを備えることができる。また一方、1つの実施形態においては、少なくとも1つの採取領域において、外側および内側を向いた表面を有する外壁と、少なくとも1つの採取ポートが規定される内部体とを細長い中心部が含む。内側を向いた外壁の表面と内部体とは、そららの間に周囲の隙間を規定する。内側を向いた表面と外側を向いた表面との間で外壁を通り抜けるように、周囲に配列されたスルーホールが規定される。周囲の隙間は、複数の半径方向から少なくとも1つの採取ポートへ供給を行うマニホールドを形成することができる。]
[0041] 言い換えると、血管周辺部のまわりで任意の位置にある境界層からの血液の流れが、細長い中心部へと供給される。細長い中心部の周辺部全体に間隔をおいて配置されるスルーホールを備えることにより、これらのスルーホールの少なくとも1つによって、カテーテルまわりの360度の円弧部分を代表するサンプルを含むような血流のサンプルを採取することが常に可能となる。]
[0042] マニホールドによって全てのスルーホールが採取ポートに接続されている。そのため、たとえ細長い中心部に対して採取ポートとは反対側に境界層からの血流が供給されたとしても、採取ポートが適切なサンプルを採取することができる。]
[0043] また、カテーテルがスリーブを備えてもよい。スリーブは、細長い中心部および少なくとも1つのミキサを内部に格納できる。スリーブを引っ張ることにより、少なくとも1つのミキサおよび少なくとも1つの採取領域を露出することができる。]
[0044] 1つの実施形態においては、少なくとも1つのミキサを露出することで、そのミキサが格納不活性状態から展開活性状態へと移ることができる。スリーブを細長い中心部上に逆戻りさせることによって、ミキサが格納不活性状態に戻れることが好ましい。]
[0045] 本発明の第2の側面に従うと、血管の壁から生じる1つ以上のバイオマーカのデータプロファイルを生成し、血管の半径方向の広がり略全体にわたって撹拌されて、血管の壁の境界層に存在する血液を含む血流からの複数の血液サンプルを分析する分析工程を備え、血液サンプルは血管の長さに沿ったそれぞれの位置において採取される方法であって、分析工程は、それぞれの血液サンプル中のバイオマーカの濃度レベルを測定する段階と、異なる血液サンプル間のサンプル体積の差および希釈度の差を補正するための、それぞれの血液サンプルに対する第1濃度補正係数を決定する段階と、血流内の全身循環中に存在するバイオマーカに対して測定されたバックグラウンド濃度レベルを補正するための第2濃度補正係数を決定する段階と、それぞれの血液サンプルに対し、それぞれの血液サンプル中の測定されたバイオマーカの濃度レベルにそれぞれの第1濃度補正係数および第2濃度補正係数を適用して、バイオマーカの補正された濃度レベルを決定する段階と、血管の長さに沿ったバイオマーカに対して補正された濃度レベルのデータプロファイルを生成する段階とを備える方法を提供する。]
[0046] またこの方法は、上流位置から採取された少なくとも1つの血液サンプルを分析し、測定されたバイオマーカの濃度レベルに適用するべき第2濃度補正係数を決定する段階をさらに備えてもよい。]
[0047] また、血液サンプルを分析して、血流内の全身循環中において既知または測定された濃度を有する基準マーカの濃度を測定し、これにより、それぞれの血液サンプルに対してそれぞれの第1補正係数を計算して、血液サンプル中の測定された基準マーカの濃度と全身循環中の基準マーカの濃度との間の差を補正してもよい。]
[0048] また、血液サンプルは、冠状動脈内から採取された複数の血液サンプルおよび大動脈弓から採取された少なくとも1つの血液サンプルであってもよい。]
[0049] 本発明の第3の側面に従うと、血管壁の病理学的状態または生理学的状態を決定するために血管の長さに沿ってプロファイリングする方法であって、血管の長さに沿ってサンプルを採取する複数の血液採取ポートを備える本体部を含んだフレキシブル血管カテーテルを血管に挿入する段階と、少なくとも1つのミキサをカテーテル本体部の半径方向外側に向けて展開して、血管壁の境界層に存在する血液を含むように血管の半径方向の広がり略全体にわたってミキサが血液を撹拌する段階と、少なくとも1つのミキサの下流にある血液採取ポートにおいて血液を採取する段階と、カテーテルの血液採取ポートによって採取された血液を分析して、血管の長さに沿った1つ以上のバイオマーカの濃度レベルのデータプロファイルを決定する段階とを備える方法を提供する。]
[0050] 本発明の第4の側面に従うと、生体内で血管から血液をサンプル採取する方法であって、カテーテルの長さに沿ってサンプルを採取する複数の血液採取ポートを備える本体部を含んだフレキシブルカテーテルを血管に挿入する段階と、少なくとも1つのミキサをカテーテル本体部の半径方向外側に向けて展開して、血管の半径方向の広がり略全体にわたってミキサが血管中を流れる血液を撹拌する段階と、ミキサの下流に位置する1つ以上の血液採取ポートにおいて分析のための血液を採取する段階とを備える方法を提供する。]
図面の簡単な説明

[0051] 本発明は、単に例示目的で与えられる以下の記載、および付随する図面を参照することにより、より明瞭に理解されるであろう。]
[0052] 本発明の1つの実施形態を概略的に示す。]
[0053] 他の実施形態を概略的に示す。]
[0054] 他の実施形態を概略的に示す。]
[0055] 他の実施形態を概略的に示す。
他の実施形態を概略的に示す。]
[0056] 本発明の好ましい実施形態を示す。]
[0057] 図5に類似した実施形態の断面図を示す。] 図5
[0058] 本発明で使用する撹拌素子を概略的に示す。]
[0059] 本発明で使用する他の撹拌素子を概略的に示す。]
[0060] 本発明で使用する他の撹拌素子を概略的に示す。]
[0061] 格納位置に折り畳まれた撹拌素子を概略的に示す。]
[0062] 互いに隣接して格納された撹拌素子を概略的に示す。]
[0063] 一緒に折り畳まれた2つの撹拌素子を概略的に示す。]
[0064] 本発明で使用するワイヤ構造を折り畳む様子を示す。]
[0065] 図13に示すワイヤ構造を折り畳む様子を異なる視野から示す。] 図13
[0066] ミキサを構成する例を概略的に示す。]
[0067] 撹拌素子を適合させる例を概略的に示す。]
[0068] 撹拌素子を固定する他の例を概略的に示す。]
[0069] マルチルーメンチューブを概略的に示す。]
[0070] 本発明の実施形態での使用に適したマルチルーメンチューブの断面を示す。
本発明の実施形態での使用に適したマルチルーメンチューブの断面を示す。
本発明の実施形態での使用に適したマルチルーメンチューブの断面を示す。
本発明の実施形態での使用に適したマルチルーメンチューブの断面を示す。
本発明の実施形態での使用に適したマルチルーメンチューブの断面を示す。]
[0071] 本発明の別の実施形態での使用に適した他のマルチルーメンチューブの断面を示す。]
[0072] 本発明の好ましい実施形態で使用されるマニホールドを概略的に示す。]
[0073] マニホールドを密封するためのシースを概略的に示す。]
[0074] カテーテルの隆起した部分を密封するためのシースを概略的に示す。]
[0075] 同一の長さの血管に対し、異なるプラーク進行段階に関連した分子またはバイオマーカについて、3つの異なる個々の/グループの、あるいはその他の組み合わせをそれぞれ示す。]
[0076] プラークから生じて血管の中央領域に存在するバイオマーカの濃度を、血管内でほとんど、または全く撹拌が起きていない場合について示す。]
[0077] プラークから生じて血管の中央領域に存在するバイオマーカの濃度を、血管内で撹拌が使用された場合について示す。]
実施例

[0078] 本発明は、血管内でサンプルを採取するためのカテーテルに、少なくとも1つのミキサを提供することに関する。少なくとも1つのミキサは、血管の外寄りの部分から、カテーテルがサンプルを採取する血管の内部中央領域へと、血液の流れを生成するためのものである。例えば、冠状動脈等の血管の長さに沿って複数のサンプルが採取されてよく、それらのサンプルを分析してバイオマーカを検出し、それによって不安定プラークや、血管の血流中にバイオマーカを放出するその他の現象を特定する。そのような現象は、損傷を受けた上皮組織、治癒した上皮組織、および一般的な任意の局部プロセスであってよい。そこでは、例えばステント留置術に対する組織の反応、薬剤放出型ステントからの薬剤摂取の程度、バルーン血管形成術、ステント移植、および局部組織反応を引き起こすその他の任意の自然過程あるいは介入手順に対する組織の反応等の生物学的あるいは薬理学的プロセスが進行している。特に、血管壁にある境界層から血管の中央領域への流れを生成することが望ましい。このようにして、血管内でのカテーテルの半径方向位置に関係なく、血管壁のプラークから生じるバイオマーカを、カテーテルによってサンプル採取および検出できる。]
[0079] 図1は、カテーテル10が挿入された血管2の長さ方向を概略的にを示す。カテーテル10は、長さ方向に沿って複数の採取領域14を有する細長い中心部12を含む。図示されたこの実施形態においては、それぞれの採取領域14が、個別のサンプルを採取するための採取ポート16をそれぞれ含んでいる。しかしその代わりに、他の既知のサンプル採取法により採取領域14を実施してよく、また実際には、個々のサンプルを採取するための採取ポートを2つ以上含んでもよい。] 図1
[0080] 図示するように、カテーテル10の長さに沿って、複数のミキサ18もまた備えられる。特に、細長い中心部12から半径方向外側に向かってミキサが備えられる。血管2の外壁およびその外壁にある境界層に少なくとも近い血管2の領域にミキサ18が伸びる。]
[0081] 複数の採取領域14の上流側に、ただ1つのミキサ18があれば十分である。しかし、ミキサをそれぞれ追加する毎に、血管2中での血液の撹拌が改善され、血管の中央領域でのサンプル採取結果も改善される。従って、複数のミキサ18を備えることが望ましい。一連の採取領域のそれぞれが、よりよく撹拌された量の血液をサンプル採取するように、隣接する採取領域間で交互にミキサを配置することが最も有利となる。]
[0082] 図1は、例えば血管2の壁にあるプラークに由来するバイオマーカ放出経路4を示す。もし撹乱されない場合は、境界層へと放出されたバイオマーカはその境界層にとどまろうとする傾向があり、血管2の中央領域に採取領域を有するカテーテルでは、最適なサンプル採取を行うことが困難になり得る。] 図1
[0083] (例えばガイドワイヤ上の)カテーテルを偏心させることができる。以下に明らかにされるように、(例えば、ガイドワイヤのあらゆる偏心力に対抗して作用する、ミキサ固有の復元力/剛性によって)ミキサは、カテーテルを血管の中心へと偏らせる第2の機能を持つことができる。]
[0084] 図1に示されるような、複数の一連のミキサ18を備える構造を用いれば、それぞれのミキサが100%の撹拌を与える必要は全くない。50%の効率を持つミキサ18であれば、一連の採取領域において撹拌される血液の部分は、50、75、87.5、93.8、96.9、98.4パーセントとなることが理解されるであろう。同様に、効率75%のミキサであれば、75、93.8、98.4、99.6、99.9、100パーセント撹拌が起き、効率90%のミキサでは、90、97.5、99.4、99.8、100、100パーセントである。] 図1
[0085] これらの撹拌比率を考慮することにより、バイオマーカ放出経路4が、カテーテル10の長さに沿ったどこから生じるかを予測することができる。もちろん、バイオマーカ放出経路4およびそれに関連したプラークがカテーテル10の長さに沿ったどこかに位置する場合、バイオマーカ放出経路よりも上流にある採取領域14は、いかなるバイオマーカも全くサンプル採取しない(または少なくともバックグラウンドレベルのサンプルを採取するのみである)。]
[0086] 1つの実施形態においては、あらゆるミキサ18よりも上流に採取領域を備えており、未撹拌の血液サンプルを採取して、任意のバックグラウンドレベルの指標を与えることができる。この付加的な上流の採取領域は、サンプルから得たデータを規格化するために非常に都合がよい。]
[0087] 図1に概略的に示されるミキサ18は、例えば層流スタティックミキサあるいは乱流ミキサといった、多くの異なる方法で実施することができる。スタティックミキサは、移動せずに撹拌を実現するミキサである。スタティックミキサは系に対してエネルギーを加えない。スタティックミキサは層流および乱流どちらにも機能し得る。乱流に作用するミキサはスタティックミキサを含んでよく、乱流の再循環を発生させるために、流れの中に十分なエネルギーを必要とする。これは、撹拌に関する主要なメカニズムとして乱流を誘発するミキサにおいては、液体を剪断すること、あるいは2次的な流れの形でエネルギーを加えること、または動力源のある移動部品によって行われる。好ましくは、スタティックミキサは層流撹拌に対して最適化されるが、理想的には全てのタイプの流れ、すなわち(1×10−6から10,000のレイノルズ数として最もよく定義される)層流および乱流に対して機能する。分析スケールが変われば、乱流は実際には層流とみなすことができる。すなわち乱流路は、異なる方向に進む多くの層流部によって形成されているとみなすことができる。それ故、層流および乱流という用語は、ここでは複雑である。従って、心臓からの脈拍は"乱流"とみなすことができるが、冠状動脈のスケールでは、動脈内で特徴的な最終の流れは、層流であるとみなすのが最もよい。] 図1
[0088] それにかかわりなく、いくつかの実施形態においては、第1の格納された不活性状態から、第2の展開された活性状態へとミキサが展開することができる。特に、いくつかの実施形態においてミキサ18は、初めは細長い中心部12の外表面近くの格納不活性状態にあるので、カテーテル10が与える全断面積は相対的に小さい。これにより、血管2へカテーテル10をより容易に挿入できる。血管2の所望の領域にカテーテル10がひとたび挿入されると、次いでミキサ18は、展開した活性状態へと移動する。この状態においては、血管2の外寄りの領域に向かってミキサ18が伸び、カテーテル10が与える全断面積が増加する。]
[0089] 発泡体からミキサを形成することができる。図2は、展開された発泡体ミキサ28を有するカテーテル20を概略的に示す。] 図2
[0090] 図3は、カテーテル30が、複数の繊維または毛から構成されるミキサ38を使用する配置を概略的に示す。この繊維または毛は、細長い中心部32から半径方向に伸びる。] 図3
[0091] 様々な異なる内径をした血管内でミキサが動作できることが好ましい。この点においては、展開状態のミキサが、直径の範囲にわたって伸びることが望ましい。より直径の小さな血管に対しては、ミキサ18、28、38が細長い中心部12、22、32から伸びて、血管2の壁に接触する。所望の撹拌を達成するためには、ミキサが、血管2の壁に近い領域まで伸び、境界層と単に干渉すれば十分である。血管はサイズが均一ではなく、先が細くなっていることもある。内径に関係なく、血管の長さに沿ってカテーテルが機能できることが望ましい。従って、展開型ミキサを使用することにより、ある点での血管の内径にかかわらず、特定の範囲内で異なる程度にミキサが展開してよく、血管の壁に接触する、あるいは壁の付近まで伸びることができる。]
[0092] ある配置においては、流れの方向にかかわらず、所望の撹拌をミキサが提供する。また、細長い中心部から血管の壁に向かってミキサが曲げられた場合、流れに向かう方向に、あるいは流れから遠ざかる方向にミキサが向けられることが理解されよう。実際、展開状態においてその遠心端または先端が血管の壁と出会うようなミキサを用いると、もし細長い中心部が血管内で動いた場合に、流れの方向に向かう状態と流れの方向から離れる状態との間で動くようにミキサが曲がることができる。この点から見ると、ミキサが液体の流れに向かっているか、あるいは流れから遠ざかる方を向いているかにかかわらず、好ましい配置のミキサは、流れを撹拌するために動作する。]
[0093] 本発明のいくつかの実施形態はスタティックミキサを使用する。スタティックミキサは、サイズ、展開、撹拌、および生産性の要求を満たす最大の可能性を提供する。]
[0094] 完全な撹拌を提供することにより、血管内での血液の大きな流れを通して、外周のまわり、および半径方向の両方に、いかなるバイオマーカも伝播することが望ましい。]
[0095] 他の技術分野においては、一連のらせん形状部を用いた液体用ミキサが提案されている。それぞれのらせん形状部は、隣接するらせん形状部に対して反対方向にねじれている。]
[0096] 図4Aおよび図4Bは、スタティックミキサの2つの可能な配置を示す。] 図4A 図4B
[0097] 図4Aおよび図4Bのミキサはそれぞれ、細長い中心部から半径方向に伸びる複数の撹拌素子を含む。] 図4A 図4B
[0098] 図4Aのミキサ48においては、カテーテル40の細長い中心部42の長さに沿って、4つの撹拌素子44、45、46、および47が配置されている。それぞれの撹拌素子44、45、46、および47はらせん形のねじ形状をしており、細長い中心部42の縦断面方向に動くにつれて液体の流れを回転させる。図示するように、それぞれの撹拌素子は360°回転し、隣接するいかなる撹拌素子とも反対の方向に回転する。このように、1つの撹拌素子が液体の流れを1つの方向に回転させる一方で、その液体の流れが次の撹拌素子に到達すると、液体は流れを変えられて反対方向に流れる。任意の数の撹拌素子をミキサ48として使用できるが、2つ以上の撹拌素子を使用するのが好ましいことが理解されるであろう。360°よりも大きく、あるいは小さく回転する類似した撹拌素子を使用してその他の配置を取ってよいことも理解されるべきである。] 図4A
[0099] 図4Aに示すような特定の配置においては、1つの撹拌素子からの外側に向けた液体の流れは、次の撹拌素子の表面を向いている。図4Aに示す実施形態においては、このことを達成するために、1組の1つおきの撹拌素子44、46が、他の1つおきの撹拌素子45、47の組に対して90°回転オフセットされている。] 図4A
[0100] 図4Bの配置においては、図4Aの配置における撹拌素子44、45、46、47が、撹拌素子の対54、55、56、57によって置き換えられている。] 図4A 図4B
[0101] 図4Bの配置においては、らせん、渦巻き、あるいはねじ形状部が、直径方向に向かい合うが、相対的に角度の付いた2つの平面部分によって置き換えられている。撹拌素子の対54について考えると、第1撹拌素子54aが、カテーテル50の細長い中心部52の一方の側から180°の扇形状で伸びて、血管の内部空間を半分占める。第1撹拌素子54aは、細長い中心部52の直径を通るが、細長い中心部52の軸に垂直な平面に対して角度が付けられている。一方、撹拌素子の対54の第2撹拌素子54bは、同様に細長い中心部52の直径を通る扇形であるが、細長い中心部52の軸に垂直な平面に対して、反対方向に角度が付けられている。このようにして、撹拌素子の対54は、大まかに言って360°の渦巻き、あるいはらせん形状のように機能する。軸方向に見た場合に1対の撹拌素子にいくらかの重なりが生じるように、第1および第2撹拌素子54a、54bの少なくとも一方は、180°をわずかに超える扇形状であることが好ましい。] 図4B
[0102] 図4Bの実施形態のように、1対の撹拌素子54を出た流れは、次の撹拌素子の対55の対向する面に流れ込むことが好ましい。従って、図4Bに示すように、1つおきの撹拌素子の対54、56は、他の1つおきの撹拌素子の対55、57に対して、細長い中心部52の軸周りに90°のオフセット角で配置される。] 図4B
[0103] 図5は、撹拌素子が対で配置されたさらなる例を示す。しかし図5の配置においては、撹拌素子の対のうち個々の撹拌素子は、180°より小さいアーチ型の扇形状である。それでも撹拌素子はカテーテルの周りで液体の流れに回転を効果的に生じさせ、カテーテルの長さに沿ったミキサの異なる部分において反対方向の回転を生じさせる。] 図5
[0104] 図5は、らせん形状でないミキサを示す。撹拌素子、あるいはフィンは、(わずかに組み込まれていること以外には)細長い中心部の軸に対して傾けられていない。] 図5
[0105] 上記のように、カテーテルの細長い中心部付近の格納位置から、血管の外周部に向かって細長い中心部から伸びた展開位置へと、ミキサが展開できることが望ましい。]
[0106] 図4A、図4B、および図5の撹拌素子を、少なくとも細長い中心部への取り付け部分において適切な材料で作ることによって、細長い中心部の外表面に対してこれらの撹拌素子を折り畳むことができる。しかしながら、これらの配置が可能とするよりも、さらにコンパクトな様式でミキサを格納できることが望ましい。図4Aおよび図4Bの配置においては、撹拌素子が広がっているので、対応する細長い中心部の外表面に対して折り畳まれるためには、撹拌素子自体が変形する必要があることが理解されるであろう。] 図4A 図4B 図5
[0107] 本発明の1つの実施形態が、良好な撹拌と、展開前のミキサの効果的な格納とをもたらすことが、図5に示されている。図6は、図5の配置の断面図を本質的に示しているが、1つのタイプの採取ポートも併せて示しており、これについては特に図20を参照として以下に詳細に記載する。] 図20 図5 図6
[0108] 図示するように、撹拌素子は対で配置され、1つの対124の個々の撹拌素子124aおよび124bは、カテーテル120の細長い中心部122の互いに反対側に配置されている。個々の撹拌素子は、細長い中心部122から放射状に外周へと伸び、血管内部で外側寄りの周辺部へと伸びるパドルあるいはフィンを形成する。撹拌素子は、例えば90°近辺の、比較的小さな角度に広がった扇形状を取る。個々の撹拌素子は概して平面であり、細長い中心部122の直径を通って広がる平面に従う。休止状態においては、1対の撹拌素子のうちの対向する撹拌素子は、細長い中心部122の軸に垂直な外側方向に伸び、共通の平面に位置する。一方の長さ方向に曲げられた撹拌素子を図5が示すのに対し、図6は、反対側の長さ方向に曲げられた撹拌素子を示す。] 図5 図6
[0109] 図示した実施形態においては、撹拌素子の隣接する対は、互いに異なる半径方向に細長い中心部122から伸びている。図示した実施形態においては、1つおきの撹拌素子の対が1つの半径方向に伸びる。一方、交互に配置される撹拌素子の対は異なる半径方向に伸び、好ましくは第1の1つおきの撹拌素子の組に対して90°である。従って、図6の断面図においては、対向する撹拌素子124aおよび124bを通る断面は見えるが、一方撹拌素子125bは見えず、撹拌素子125aだけが細長い中心部122の向こう側に見える。] 図6
[0110] 図5および6の配置が持つ利点は、個々の撹拌素子が細長い中心部122の長さに沿って容易に折り畳まれ、中心部の周囲に部分的に容易に巻き付けられる点である。] 図5
[0111] 図5および6の実施形態は6対の撹拌素子を含み、個々の撹拌素子が約90°の半径方向の広がりを持ち、1つおきの撹拌素子の対はお互いに対して約90°角度を付けられている。しかし、広がり角度の異なる撹拌素子、任意の1つのグループにおいて異なる数の撹拌素子、細長い中心部122の長さに沿って異なるグループ数の撹拌素子を使用した、その他の類似した配置も可能なことが理解されよう。この点において、軸方向に見た場合に一連の1つおきの撹拌素子の対にいくらかの重なりが生じるように、少なくとも1つの撹拌素子の半径方向の広がりが、1つおきの対同士の間で半径方向の角度をわずかに超えることが好ましい。例えば、100°の扇形状を持つ撹拌素子が、この配置に適している。] 図5
[0112] この配置によって、血管内で固定される少なくとも2つの撹拌素子を含んだ展開型スタティックミキサが提供され、液体の流れを連続的に分離、回転、再結合し、そして血管の半径にわたった撹拌が達成される。配置の対称性により、いずれの方向の液体の流れに対してもこれは機能する。またこれは、変動する撹拌素子の角度、言い換えれば、細長い中心部122に向かって撹拌素子が折り畳まれて行く広がりに対しても機能する。連続して設置された撹拌素子のグループが、液体の大きな流れの中に逆回転の流れを誘発する。撹拌素子を細長い中心部122に取り付け、それらを細長い中心部122および血管の軸付近で蝶番で動けるようにすることによって、血管の直径の範囲にミキサが適合するように、撹拌素子を折り畳んでよい。言い換えると、直径の小さな血管に対しては、撹拌素子が細長い中心部122に向かって曲げられる。一方、より大きな血管に対しては、撹拌素子が細長い中心部122から真っすぐに伸びて、おそらく血管の壁に接触はしないが、それらの壁に接した境界層と単に干渉し合ってよい。]
[0113] 細長い中心部に対して撹拌素子が折り畳まれた状態で、同心状のシースあるいはスリーブをカテーテル120のまわりに配置してよい。シースあるいはスリーブがカテーテル120から引っ張られると、撹拌素子が露出し、格納位置から活性位置へと外側に向かって撹拌素子が曲がる。カテーテルが使用された後、次いでシースまたはスリーブが撹拌素子上に押し戻される。これにより細長い中心部122の方へ撹拌素子が曲げ戻され、格納位置において撹拌素子をシースまたはスリーブ内に適合させる。]
[0114] 1つの実施形態においては、撹拌素子が液体の流れに向かうのか、あるいは液体の流れから離れるのかどうかによらず、撹拌素子が機能する。従って、シースまたはスリーブからどのように撹拌素子が出てくるかは、ミキサの機能としては重要ではない。実際、血管内でカテーテル120が軸方向に動かされ、液体の流れに向かうまたは流れから離れる角度をした1つの方向と、液体の流れに向かうまたは流れから離れる角度をした他の方向との間で撹拌素子が曲げられる場合、ミキサの機能は妨げられない。]
[0115] 1つの実施形態においては、撹拌素子は弾力性を有する。従って、十分な弾力性を持つように撹拌素子を作り、血管内で安全かつ効果的に使用できるための復元力および適合性の両者を必要に応じて組み合わせて提供してもよい。これにより、展開した場合に、撹拌素子の最も外側の直径が、血管を傷つけること無く血管の最も外側の直径にぴったりと適合すること、あるいは境界層と干渉するように少なくとも血管の壁に近付くことが確実となる。さらに上記のように、このような展開型撹拌素子は、その復元力によって血管内の中央の位置へカテーテルを促すように作用する。]
[0116] 発明の基本的な要求を満たせば、様々な異なる材料を用いて、様々な異なる方法で撹拌素子を作ることができる。内部直径が2.3から4.0mm、より好ましくは2.0から5.0mmの範囲の血管内で、撹拌素子が展開および機能できることが好ましい。]
[0117] 撹拌素子が完全に展開するまで、あるいはその代わりに血管の内壁に接触するまで(細長い中心部から外側に向かって曲がる様式で)広がることによって、(例えばシースの収縮に応じて)撹拌素子を展開させるための十分な抵抗を与える材料から撹拌素子が作られてよい。一旦展開すると、血液の流れに抵抗するための適切な硬さを与える材料から撹拌素子が作られてもよい。しかしながら、血管の内皮層(内壁)を磨耗させない、あるいは損傷させない程度に、撹拌素子は十分柔らかくなくてはならない。例えば展開した撹拌素子上でシースまたはスリーブを動かし、撹拌素子を格納状態に追いやるような折り畳むための力が施術者によって加えられた場合に、ミキサを折り畳むことができるような材料から撹拌素子が作られてもよい。]
[0118] 生体適合性があり、シリコン、ウレタン、熱可塑性加硫物等、医療グレードのエラストマー材料を含むことが、適切な材料として好ましい。例えば断面積といった構造を制御することによって適切な硬度特性を与える、非エラストマー性の医療グレード材料を使用することもできる。射出成形、鋳造、固体自由造形(インクジェット、SLA等)、機械加工、あるいは堆積等による材料を、撹拌素子を作るために使用できる。]
[0119] 撹拌素子は、成形されたエラストマーのような単一の物質から作ることが可能である。あるいは、例えば形状記憶金属(例えばニチノール)から成る金属チューブの切り出しおよび曲げ加工、あるいはポリマから作られてもよい。この点において、図7は、撹拌素子を形成するようにチューブの壁に切り込まれ、フィンまたはパドルを形成するように組まれた、フィンの形状を示す。] 図7
[0120] また、撹拌素子の様々な部分に様々な物質を使用して、合成物として撹拌素子を作ることもできる。図8は、例えば弾力性、または形状記憶性、または超弾性ワイヤ等のワイヤから作られる、根元(root)、帆柱(mast)またはスキャフォールド(scaffold)130を示す。これは、撹拌素子の主要部132をカテーテルの細長い中心部に接続する。主要部132は、様々な物質、特にチューブの外周に適合する物質で作られてよい。血管壁へのいかなる損傷をも最小にするために、非常に柔らかいエラストマーで作られた先端134を備えてよい。この主要部または帆(sail)は、成形、鋳造、あるいは型打ち加工で作ることができる。] 図8
[0121] 図9は、スキャフォールド136の周りに巻かれたポリマフィルムで主要部132が形成されている構造を示す。スキャフォールド136は、根元または帆柱を形成するために伸び、好ましくは形状記憶性を有し、超弾性ワイヤフレームまたはスキャフォールドを形成している。] 図9
[0122] 図10は、格納状態にあり、細長い中心部122と外側のシース140との間に位置する撹拌素子の主要部132を概略的に示す。図示するように、撹拌素子の弾性構造によって、細長い中心部122の外表面または壁に撹拌素子が適合できる。] 図10
[0123] 図10に従うと、いくつかの実施形態においては、異なる撹拌素子は互いに重ならないことが理解されよう。この点において、図11に示すような端面形状を使用して、細長い中心部の外表面に対して撹拌素子が折り畳まれている場合に、撹拌素子が重なることを防げる。] 図10 図11
[0124] 厚みの変化するフィンを使用して、シースに収められた場合に撹拌素子全体の厚さを最小にすることができる。例えば図12に示すように、撹拌素子132aと132bとが重なる領域において、より薄いフィン形状を与える。] 図12
[0125] 図13の(a)から(e)、および図14の(a)から(e)は、図9に関連して記載したワイヤ構造を示す。図13の(a)および図14の(a)には展開状態が示されている。図13の(e)および図14の(e)に示した、シース内に完全に格納された状態までの移り変わりを連続的な図は示している。図13の(a)から(e)が、ワイヤ136およびシース140を有するカテーテルの端面から見た図を示すのに対し、図14の(a)から(e)は、ワイヤ136およびシース140を有するカテーテルの側面から見た図を示す。] 図13 図14 図9
[0126] 図示するように、ワイヤ構造136をその前側につぶすことにより、それぞれのワイヤ構造136をシース140内に折り畳むことができる。図9に関連して記載したように、ワイヤは弾性薄膜フィルムに対するフレームとして機能できる。従って撹拌素子として機能できる。] 図9
[0127] 撹拌素子を備えるカテーテルを作る方法には様々な可能性がある。]
[0128] 撹拌素子を別々に形成して、それぞれを細長い中心部の外壁に取り付けることができる。例えば接着剤、熱接合、収縮適合、あるいは超音波溶接を使用して、細長い中心部に撹拌素子を取り付けることができる。]
[0129] それぞれのミキサは、その撹拌素子を全て含んだ個々のユニットとして形成することができる。例えば、撹拌素子を含むミキサを適切な直径のピン上に外側被覆し、次いで取り除かれ、細長い中心部に接着することができる。]
[0130] 図15は、チューブ122上に外側被覆された複数の撹拌素子124を概略的に示す。図示するように、ミキサは細長い中心部122上に直接外側被覆される。しかし、同様にして成形ピン上にミキサを形成し、次いで細長い中心部122に移すこともできる。] 図15
[0131] 図16の配置においては、例えば熱収縮チューブまたは接着剤を裏打ちした収縮適合チューブ等のチューブ、テープまたはその他の結合構造体150によって、個々の撹拌素子124、あるいは撹拌素子124の対が、細長い中心部122に取り付けられている。この構造は、実際にマニホールド構造の一部であり得る。] 図16
[0132] 図8および図9に関連して記載した撹拌素子は、例えば形状記憶性あるいは超弾性を有する物質(例えば、ニチノール等の金属、あるいはmNemoscience GmbH等の会社が提供する形状記憶ポリマ)を含むワイヤで作られた帆柱、根元または同種のものを有する。こうした撹拌素子に対しては、図17に示すように、その中に根元130を挿入し固定することのできる開口部152を、細長い中心部122に備えることができる。あるいは、撹拌素子およびその根元は、細長い中心部122に挿入成形することができる。言い換えると、撹拌素子の根元130の周りに細長い中心部122が形成される。] 図17 図8 図9
[0133] 図7に示すように、個々の撹拌素子を細長い中心部の壁から切り出し、所望の角度に曲げることもできる。形状記憶ポリマあるいは金属から製造される場合に、所望の硬さおよび展開特性を持つように予め調整することができる。] 図7
[0134] 上記のように、撹拌素子を格納状態に保持しておくためのシース140のようなシースを使用することが提唱されている。しかしその代わりに、形状記憶金属および形状記憶ポリマによる形状記憶特性を用いて、撹拌素子を自己作動性とすることができる。]
[0135] 上記のように、記載したミキサは、複数のサンプルを採取する任意の適切なカテーテルに使用できる。しかし好ましい実施形態は、マルチルーメンチューブから形成される細長い中心部を用いて構成される。特に、細長い中心部が、その長さに沿って複数の細長い通路またはルーメンを含み、規定することが好ましい。細長い通路またはルーメンのそれぞれは、採取ポートに接続され、個々のサンプルを採取するために使用できる。]
[0136] 様々な異なるデザインのマルチルーメンチューブを、カテーテルの細長い中心部の部分として使用することができる。図18はマルチルーメンチューブを概略的に示す。] 図18
[0137] 図19Aから図19Eは、オーバーザワイヤ(OTW)カテーテル導入技術への使用に適した、様々な異なるマルチルーメンチューブの配置を示す。] 図19A 図19E
[0138] 図示するように、マルチルーメンチューブは、細長い中心部の周辺まわりに配置された複数のルーメン160を含む。それぞれのルーメンは、個々の接続ポートへの接続に適し、個々のサンプルを採取する。また、図示する実施形態においては、カテーテルのガイドワイヤを迎え入れるための細長い中心の穴162も備えられている。]
[0139] 図示するように、様々な異なる配置が可能である。図19Aから図19Eは、それぞれ、10個のルーメンを有し直径200μm、8個のルーメンを有し直径240μm、5個のルーメンを有し直径400μm、8個のルーメンを有し直径400μm、10個のルーメンを有し直径400μmの細長い中心部を示す。好ましい実施形態に対してどれを選択するかは、採取速度、長さ方向の空間分解能、およびルーメンの総断面積の間の優先度に依存する。優先度の高いものは、(理想的には2.00mm(6F)またはこれより小さなガイドカテーテルへの使用に適するように)直径を最小にすることである。次に分解能を最大化すること、および十分な量を採取するための時間の延長を容認することである。2.00mm(6F)のガイドカテーテルと併せて使用するために、格納位置にあるカテーテルの外径は1.5mmよりも小さい。] 図19A 図19E
[0140] 図19Fは、急速交換型(Rx)カテーテル導入技術への使用に適した、別のマルチルーメンチューブ配置を概略的に示す。この配置においては、採取ルーメン160が、ガイドワイヤルーメン163に対してオフセットされている。この構造により、関連した急速交換型ガイドワイヤに対する出口開口部をガイドワイヤルーメンが持つことができる。これにより採取ルーメン160のいずれをも横切ることなく、ガイドワイヤが外に出ることができる。] 図19F
[0141] 例えば図1に概略的に示すように、細長い中心部の外表面で、個々のルーメン160が個々の採取ポートと直接接続されてよい。しかし、血管の境界層から細長い中心部へバイオマーカを運ぶために、細長い中心部の一方の側でのみ半径方向の効果的な撹拌を提供するミキサを使用してもよい。そのような配置の場合、もしもサンプル採取されるべきバイオマーカ源とは細長い中心部の反対側に接続ポートがたまたま位置した場合、サンプル採取効率が低下しかねない。] 図1
[0142] 図20に示す1つの配置においては、採取領域が、細長い中心部164を取り巻く外壁170を備えており、外壁170と細長い中心部164との間に外周の隙間またはマニホールド172を規定している。外壁170の全外周に沿った位置に、外壁170を通り抜けるスルーホール174を備え、マニホールド172が外壁170の外側にある液体とやり取りする。これは図6にも示されている。個々のルーメン160とやり取りする細長い中心部の外表面に採取ポート166を備える。採取ポート166は、マニホールド172中の液体からサンプルを採取できる。しかし、スルーホール174によってマニホールド172はカテーテルの周辺全体からの液体とやり取りするので、たとえカテーテルの反対側からバイオマーカが生じるとしても、採取ポート166はバイオマーカのサンプルを採取できる。] 図20 図6
[0143] 図20は、個々の採取領域においてサンプルを採取するために、ただ1つの採取ポート166を備えた配置を示している。一方、図20に示されるその他のルーメン160を、同じ採取領域にある採取ポートに接続することもできる。例えば、直径方向に対向する2つのルーメン160が、共に、同じ採取領域にある個々の採取ポートに接続できる。] 図20
[0144] 図21は、外壁170を使用した配置を概略的に示しており、そこでは単一のシース140が、撹拌素子124を展開および拘束するために使用され、またマニホールドのスルーホール174を塞ぐこともできる。シース140が撹拌素子124を押し下げ、隆起した外壁170を係合させる。] 図21
[0145] 図22は、マニホールドを使用しない同様な配置を概略的に示すが、そこでは採取ポート166が単に隆起し、シース140によって係合されるレベルまで伸びる。] 図22
[0146] いくつかの配置においては、シース140がスルーホール174あるいは採取ポート166を塞ぐことが望ましい。しかし、サンプル採取はルーメンの圧力を制御することによりコントロールできるので、他の配置においてこのことは必須ではない。]
[0147] ルーメンおよびシース内部の容積を生理食塩水で満たすことで、シースが縮んでシステムが展開される場合に泡の放出を防ぐことができる。注意すべきは、通常の場合血圧は、露出したルーメンへ血液を送り込むのに十分であり、ルーメン内部に固有の空気圧/大気圧に打ち勝つ。しかし、(空気圧/大気圧に対する)負圧を使用してサンプルを引き寄せることができる。これにより流れの速度を加速することができる。]
[0148] カテーテルでサンプルを取得した後、任意の便利な方法で、分析のためそれらのサンプルを取り除いてよい。どちらかの端部から吸引して、ルーメンからサンプルを引き出すことができる。1つの好ましい実施形態においては、採取ポート166あるいはスルーホール174は、標準的な実験用ピペットを受け取るのに適したサイズおよび形状を有してよい。複数のスルーホール174を有する外壁170を使用する場合、1つを除く全てのスルーホール174を単に閉じれば、開いたままのスルーホール174からサンプルを引き出すことができる。]
[0149] ここからは、複数のサンプルをどのようにして分析できるのかについて記載する。]
[0150] 複数のサンプルを取得するためのカテーテルが、冠状動脈のような血管に挿入された後、血管中のカテーテル位置の画像を取得することができる。]
[0151] 従来型の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)技術を用いてカテーテルを血管に挿入してよい。よって、本発明に従ったカテーテルは、イントロデューサ、ガイドワイヤ、およびガイドカテーテルを含む標準的なPCI装置によって導入されてよい。そのような導入は、オーバーザワイヤ(OTW)技術、あるいは急速交換型(Rx)技術によるものであってよく、後者の方が好ましい。]
[0152] 検査中の血管内での関心部位は、既知の技術を用いて臨床医により特定される。例えば、血管の像を取得するため、および関心部位を決定するために、臨床医は造影剤を注入してよい。その代わりに、あるいはそれに加えて、IVUSまたはInfraRedxプラーク位置決めシステム等の標準的な画像ツールを使用することができる。関心部位が一旦特定されると、複数のサンプルを取得するためのカテーテルを上記のように導入することができる。ガイドワイヤによって血管に画像ツールを導入した場合、一旦画像ツールを除去した後に、同じガイドワイヤに従ってカテーテルを導入することができる。]
[0153] カテーテルは、標準的な蛍光透視技術を用いて血管内で監視されてよい。またカテーテルの位置および各採取ポートを例えば画像として記録することを可能にする、放射線不透過性のマーカをカテーテルが備えてよい。シースの先端や血液採取領域中といった重要な基準位置に、放射線不透過性のマーカが配置されてよい。各血液採取ポートに隣接して放射線不透過性マーカ帯を配置してもよい。]
[0154] このデータによって、サンプルのあらゆる分析結果を、血管の画像に後で重ね合わせることが可能となる。]
[0155] 冠状動脈に対するサンプルを分析する場合、サンプル採取の全長が十分であり、冠状動脈の長さの大部分、および可能であれば大動脈弓からの大きな流れのサンプルを含むことが好ましい。 従って、サンプル採取に先立って、このように冠状動脈および大動脈中に予めカテーテルが挿入されていることが好ましい。]
[0156] カテーテルから採取された複数の血液サンプルを、複数のタンパク質に対して試験できる。例として、何らかの形で様々な段階の循環器系疾患と結びついたタンパク質を選択することができる。 こうした段階には、健康な内皮、内皮の予備的な機能損失、初期の炎症、末期の炎症、被膜の薄膜化、不安定プラーク、血栓性分子の漏出、プラーク破裂、プラークの石灰化、およびプラークの安定化等が含まれる。これらの様々な段階と弱く結びついた分子の可能な例として、以下のものが含まれる。
ICAMおよびVCAM−1
可溶性CD40L
任意のマトリクスメタロプロテアーゼ族
可溶性E−セレクチン
単球走化性タンパク質−1
マクロファージコロニー刺激因子
P−セレクチン
E−セレクチン
カテプシンS
好中球エラスターゼ
内皮性白血球接着分子−1
細胞間接着分子−1
可溶性血管細胞接着分子−1
組織因子
妊娠関連性血漿タンパク質A
インスリン様成長因子結合タンパク質
ネオプテリン
可溶性P−セレクチン
IL−1、IL−6、IL−7
コリン
熱ショックタンパク質
リポ多糖肺炎クラミジア
プラークからの分解した間質コラーゲン(タイプI+III)
TNF−アルファ
ミエロペルオキシダーゼ]
[0157] カテーテルから取得された複数の血液サンプルを、mRNAに対しても試験できる。mRNAは、タンパク質を作るための一時的な指示として使われる核酸である。また、DNA指示からタンパク質を形成することを指示する生物学的要素である。タンパク質を作ることを細胞に指示する遺伝子発現信号か、あるいはタンパク質自体のどちらかを探すことができる。]
[0158] 採取場所から取り除かれたカテーテルにより、個々のサンプルを抽出して、サンプルが採取された長さを参照に、対応するそれぞれのサンプル容器に保持することができる。]
[0159] この方法により、感度を妥協せずに分析することができる。]
[0160] 1つの好ましいシステムにおいては、およそ12倍の希釈係数を提唱する。従って、適切な分析手順に従い、2μlの抽出サンプルに対して、23μlの分析緩衝材を補給することを提唱する。]
[0161] 1つのシステムにおいては、マルチプレックスLuminex(登録商標)プラットフォームを検出目的で使用することを提唱する。この配置に従うと、6μMビーズの複数の異なるクラスが希釈サンプルを用いて培養され、ビーズに固定された抗体によって関心対象のタンパク質が束縛される。束縛されたタンパク質は、次いで、専用のフロー血球計算器中でビーズ毎に検出される。この過程の一部として、Linco Research Inc.が提供するLINCOplex(登録商標)多重分析装置を使用することができる。これにより、低ピコグラム/ミリリットルレベルで、複数のタンパク質を同時に検出できる。]
[0162] 従って、それぞれのサンプル内で多くの検体を測定できるように高度に多重化された分析装置を用いて、抽出および希釈されたサンプルを分析して、タンパク質、または核酸、または薬物を探す。Luminexシステムのようなタンパク質分析用システムは、およそ1ピコグラム/ミリリットルの感度で、100までのタンパク質を分析できる。]
[0163] 抽出されたサンプルの好ましい分析法の一部として、各サンプルに存在するタンパク質等の基準検体に対して分析データを規格化する。基準タンパク質は、カテーテルが使用された血管の全長にわたって濃度が一定であると期待されるタンパク質である。特に、血管のこの領域において製造も吸収もされないタンパク質である。特に冠状動脈に対しては、血清アルブミンあるいはガンマグロブリンがその例として含まれる。この付加的な"基準"タンパク質の分析は、カテーテルから抽出されたそれぞれ個別のサンプルに対して行われる。]
[0164] 所定の基準曲線に対してサンプルデータ点を比較することにより、任意の1つの分析試験からのデータを使って、対応するサンプル中の特定タンパク質の質量を決定できる。各サンプルにおいて基準タンパク質の濃度は一定と仮定できるので、決定された質量は、分析されるサンプル体積量に正比例する。]
[0165] このようにして、カテーテルから抽出された全てのサンプルに対し、それぞれのバイオマーカに関して取得されたデータは、基準タンパク質を参照として規格化できる。]
[0166] 1つのシステムにおいては、抽出された全てのサンプルから得た全ての基準値の平均を計算することにより、体積補正値が決定される。次いでこの体積補正値を参照として、個々のバイオマーカデータを規格化できる。それぞれのサンプルの基準値を、平均基準値の比として表してもよい。]
[0167] 次いで体積補正値を用いて全サンプル中の全タンパク質のデータを調整して、カテーテルから移される体積の変動を補正できる。特に、これは、それぞれの生データ値に補正係数を掛けることで達成できる。]
[0168] 次の表は、一連の8つのサンプル(AからH)の分析データを示す。]
[0169] 基準タンパク質およびバイオマーカ1、2に対する生データが表に示されている。すなわち、サンプルAに関しては、基準タンパク質、バイオマーカ1、およびバイオマーカ2に対して、それぞれ値17、140、および4,000が得られる。その他のサンプルに関しては、その他の基準タンパク質値が得られる。例えば、サンプルEの基準タンパク質値は19である。基準タンパク質に対するこの値を使用することにより、バイオマーカ1については185、バイオマーカ2については4,250であるサンプルEの生データを、サンプルAに対して規格化できる。特に、サンプルEに関しては、バイオマーカの生データに17/19を掛ければよい。]
[0170] この表に示されるように、基準タンパク質に対する個々の基準値を全サンプルにわたって平均することにより、全てのサンプルに対する平均基準量が得られる。各サンプルに対して実測された個々の基準値を、平均基準量と比較することにより、それぞれのサンプルに対してそれぞれの補正係数が得られる。次いで補正係数をバイオマーカの生データに適用して、全てのサンプルにわたってデータを規格化できる。]
[0171] バイオマーカ/分子に対して補正された値を、数値あるいはグラフのいずれかの形で、任意のユーザインターフェースによって提示することができる。そしてユーザは、必要に応じてこのデータを利用できる。特に、分子の濃度を、最も上流のサンプルポートと比較して、相対的差異として表すことができる。]
[0172] カテーテルが冠状動脈に挿入されている場合、最も上流の採取ポートが大動脈弓からサンプルを採取することが好ましい。その結果、冠状動脈に入ってくる血液に対する、冠状動脈内にある血液の差分を示すことができる。冠状動脈の個々の部分に隣接したカテーテルの部分から採取されたサンプルは、特定の分子の増加を示す。つまり、全身循環中でのレベルと比較した場合に、冠状動脈のそれらの領域内において、特定の分子が放出されたことを示す。]
[0173] バイオマーカの不均質な領域を、サンプル捕獲時点の血管内でのカテーテルの位置と容易に相関付けるために、放射線不透過性マーカをカテーテルが備えてよい。これにより、血管中で生物学的にあるいは化学的に不均質な局部領域を特定することができる。]
[0174] 1つの配置においては、バイオマーカに関して含まれる様々な情報を、例えば冠状動脈等の血管に沿った位置と直接関連付けて表示できる。]
[0175] 上記のように、カテーテルは放射線不透過性マーカを備えることができる。冠状動脈等の血管の画像が得られるので、特定のバイオマーカの値を、数値あるいはグラフのいずれかの形で画像に重ねることができる。データを適切に処理し、このようにしてデータを表示するための装置およびディスプレイを提供できる。この効果を達成するためにロードおよび実行可能な適切なコンピュータプログラム/ソフトウェアもまた提供されてよい。]
[0176] 図23は、冠状動脈等の血管の画像に関連したデータの表示例を概略的に示す。] 図23
[0177] 図23の(a)、(b)、および(c)は、同じ長さの血管に対して、プラーク進行の異なる段階と関連した分子またはバイオマーカについて、3つの異なる個々の/グループの、あるいはその他の組み合わせをそれぞれ示す。放出が検出された結果発見される様々なプラークの段階が、血管の長さに対する位置に示されている。] 図23
[0178] 一連のボックスが重ねられた移行部に血管が概略的に示されており、それぞれのボックスはサンプル採取位置を表す。]
[0179] 様々な分子を分析し、プラークの進行段階と関連付けることで、リスク評価プロファイルを生成することができる。図示した例には、初期段階プラーク、不安定プラーク、および安定プラークが示されている。これらの異なる段階を、例えば異なる強度や色を用いて、それぞれ異なった形で示すことができる。それぞれの例における強度や色は、放出量、すなわち任意のプラークにおける脅威の規模を示すことができる。]
[0180] この技術を用いて、臨床治療の有効性を決定することを提唱する。特に、真に不安定なプラークの数や程度を、長い期間評価することができる。]
[0181] この方法は、独自のバイオマーカを開発するために使用することもできる。この方法により、正確な分子情報の収集および解釈ができる。1人の患者(実際には複数の患者)の治療全体にわたる複数の点で、分子データを取得、分析してよい。このようにして、分子的表現と臨床結果との間を関連付けることができるようになる。この情報を用いることで、バイオマーカ予知状態を有する分子を特定することができるようになる。]
[0182] この分析法を使用して、ステント留置術や血管形成術等、局部機器による治療法の効果に関する情報を提供することもできる。特に、炎症過程や内皮壁物質の放出といった損傷に関連する分子を分析、解析することができる。従って、損傷の程度および位置、そして再度使用した場合にはその回復を、正確に評価することができる。]
[0183] 図24の(a)と(b)、および図25の(a)と(b)は、プラークPの結果、血管Vの中央領域Cに存在するバイオマーカの濃度をそれぞれ示す。] 図24 図25
[0184] 図24は、血管V内でほとんどあるいは全く撹拌が起きない場合を示す。図24の(a)に示すように、バイオマーカの濃度は、プルーム(plume)が押し流され、次いで血管Vにおける血液の流れの中で徐々に広がっていく形状をしている。図24の(b)に示すように、プルームが血管Vの中心Cに達すると、比較的高い濃度までバイオマーカの検出濃度が急激に上昇する。しかし、続いて検出濃度はほとんどすぐに低下し始める。実際、プルームが血管に沿って広がるにつれて、破線Eで示す、血管の断面全体に均一にバイオマーカが広がった濃度まで、検出濃度は徐々に下がる] 図24
[0185] 図25の(a)は、撹拌が使用された場合に、血管V中の血液の流れにおいて、バイオマーカがどのように分布するかを幾分概略的に示している。特に、撹拌効率に依存して、血管の全断面積にわたって非常に急速にバイオマーカが広がり、図25の(b)に破線Eで示す均一分布に到達する。バイオマーカの分布が最初に中央領域Cに到達した時には、すでにかなり撹拌が進行している。従って、図24に関して議論したような高い濃度にはならない。実際、均一分布Eをわずかに超えるのみであり、その後均一分布へと急速に低下して行く。] 図24 図25
[0186] 撹拌されていない例、あるいは撹拌されている例のいずれにおいても、バイオマーカを最初に検出する位置は、常に実際のプラークPよりも下流側であることがわかるであろう。図24の撹拌されていない例では、オフセット長が非常に大きく、またそのオフセットの予測可能性も低い。] 図24
[0187] いずれの場合も、バイオマーカの補正濃度データを取得することと、例えば図23に示すようにその情報を表示することとの間に、付加的な段階を導入することを提唱する。特に、オフセットに関して、さらに補正を導入することを提唱する。血管の直径、流れの速度、およびカテーテルの特性等の因子を考慮することにより、任意のプラーク等の実際の位置をよりよく表す位置に血管の画像と関連付けて濃度が示されるように、表示される濃度をオフセットさせることができる。] 図23
[0188] 上記のように、撹拌された流れに対するオフセットははるかに短く、かつより予測が可能なので、撹拌された流れには大きな利点がある。撹拌された流れに対するオフセットを補正する場合、撹拌の特性を考慮することができる。特に、血管の境界層からカテーテルの細長い中心部に沿った採取ポートへと、ミキサが流れを撹乱して方向を変える方法に関する知見を用いることによって、動脈中の位置に対するバイオマーカ放出位置の特定精度を高めることができる。]
[0189] これまでは、実際に検出(および補正)された値についてのみ考慮してきた。しかし、撹拌を使用するカテーテルから採取されたサンプルを分析する場合、それらの実際の値は一般的にかなり小さく、ユーザが特定するためのピークというよりは、むしろ段階的な変化を与えるだけである。]
[0190] この点を考慮して、バイオマーカに対する補正濃度値の差分を取ることも提唱する。]
[0191] 撹拌を使用する場合、非常に急速に撹拌されたバイオマーカ濃度に達する。これと比較して、撹拌を使用しない場合、濃度は幾分変動しやすい。値の差分を取ることにより、バイオマーカの初期検出の兆候を非常に明瞭に得ることができる。その結果生じる差分値を図23に示すように表示することができる。さらに、先に議論した方法で、オフセットに関して補正することができる。] 図23
权利要求:

請求項1
血管の長さ内から複数のサンプルを採取するカテーテルであって、血管に挿入され、前記血管に沿って配置される細長い中心部と、前記細長い中心部に沿って規定され、前記血管の中央領域でサンプルを採取する少なくとも1つの採取領域と、前記細長い中心部の外側に半径方向に備えられ、前記血管の壁の境界層から前記細長い中心部へ血液の流れを生成するように配置され、前記少なくとも1つの採取領域が前記境界層からのサンプルを採取できるようにする少なくとも1つのミキサとを備えるカテーテル。
請求項2
前記少なくとも1つのミキサはスタティックミキサである請求項1に記載のカテーテル。
請求項3
前記少なくとも1つのミキサは、血管内に挿入されるべく前記少なくとも1つのミキサが前記細長い中心部近傍に位置する不活性状態から、前記少なくとも1つのミキサが前記細長い中心部から離れて前記血管の境界層と干渉する活性状態へと展開できる請求項1または2に記載のカテーテル。
請求項4
前記少なくとも1つのミキサは、前記細長い中心部のまわりの略全ての半径方向に伸びる請求項1から3のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項5
前記少なくとも1つのミキサはそれぞれ、前記細長い中心部から半径方向に伸びる複数の撹拌素子を有する請求項1から4のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項6
それぞれの撹拌素子は、旋回できるように前記細長い中心部に取り付けられ、前記細長い中心部の長手方向において、前記細長い中心部に近付いたり離れたりするように旋回する請求項5に記載のカテーテル。
請求項7
それぞれの撹拌素子は、前記細長い中心部に対して半径方向および接線方向に伸びるパドル形状を有する請求項5または6に記載のカテーテル。
請求項8
それぞれの撹拌素子は、前記細長い中心部のそれぞれの直径を通るそれぞれの平面に従った平面状の広がりを有する請求項5から7のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項9
前記撹拌素子は、前記細長い中心部に沿った連続的な位置において、対応する連続的な角度で前記細長い中心部のまわりに配置される請求項5から8のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項10
前記細長い中心部に沿って隣接した位置にある撹拌素子間における、前記細長い中心部まわりの相対角度が略90°である請求項9に記載のカテーテル。
請求項11
前記撹拌素子は対で配置され、撹拌素子のそれぞれの対は前記細長い中心部に沿ってそれぞれの位置に配置され、1対の撹拌素子のうちそれぞれの撹拌素子は前記細長い中心部の反対側にそれぞれ位置する請求項9または10に記載のカテーテル。
請求項12
前記少なくとも1つのミキサは、少なくとも2対の撹拌素子を含む請求項11に記載のカテーテル。
請求項13
前記細長い中心部に沿って隣接した位置にある撹拌素子が曲げられて前記細長い中心部の外表面と略平行になる場合に、前記撹拌素子は、前記隣接した位置にある撹拌素子が略重ならないような間隔および形状である請求項9から12のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項14
前記少なくとも1つの採取領域は、前記細長い中心部に沿ったそれぞれの位置に設置され前記位置においてそれぞれのサンプルを採取する少なくとも1つの採取ポートを含む請求項1から13のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項15
前記細長い中心部は、前記細長い中心部に沿って内部に伸び前記少なくとも1つの採取ポートと接続する少なくとも1つのルーメンを含む請求項14に記載のカテーテル。
請求項16
前記細長い中心部は、前記細長い中心部に沿って内部に伸びそれぞれの採取ポートと接続する複数のルーメンを含む請求項15に記載のカテーテル。
請求項17
前記少なくとも1つの採取領域において、前記細長い中心部は、外側を向いた表面および内側を向いた表面を有する外壁と、前記少なくとも1つの採取ポートが規定される内部体とを含み、前記外壁の前記内側を向いた表面と前記内部体とが、両者の間に周囲の隙間を規定し、前記内側を向いた表面と前記外側を向いた表面との間で前記外壁を通り抜ける、周囲に配列されたスルーホールが規定され、前記周囲の隙間は、複数の半径方向から前記少なくとも1つの採取ポートへ供給を行うマニホールドを形成する請求項14から16のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項18
前記細長い中心体の長さに沿って配置された複数のミキサを備え、前記複数のミキサの間に採取領域が規定される請求項1から17のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項19
少なくとも1つの採取領域が、隣接するミキサの間に規定される請求項18に記載のカテーテル。
請求項20
1つの採取領域が前記カテーテルの一端に規定され、使用時にあらゆるミキサの上流に位置する請求項18または19に記載のカテーテル。
請求項21
前記細長い中心部および前記少なくとも1つのミキサを内部に格納できるスリーブをさらに備え、前記スリーブが引っ張られて前記少なくとも1つのミキサおよび前記少なくとも1つの採取領域を露出する請求項1から20のいずれか一項に記載のカテーテル。
請求項22
血管の壁から生じる1つ以上のバイオマーカのデータプロファイルを生成し、前記血管の半径方向の広がり略全体にわたって撹拌されて前記血管の壁の境界層に存在する血液を含む血流からの複数の血液サンプルを分析する分析工程を備え、前記複数の血液サンプルは前記血管の長さに沿ったそれぞれの位置において採取される方法であって、前記分析工程は、それぞれの血液サンプル中のバイオマーカの濃度レベルを測定する段階と、異なる血液サンプル間のサンプル体積の差および希釈度の差を補正するための、それぞれの血液サンプルに対する第1濃度補正係数を決定する段階と、前記血流内の全身循環中に存在する前記バイオマーカに対して測定されたバックグラウンド濃度レベルを補正するための第2濃度補正係数を決定する段階と、それぞれの血液サンプルに対し、それぞれの血液サンプル中の前記測定された前記バイオマーカの濃度レベルにそれぞれの第1濃度補正係数および前記第2濃度補正係数を適用して、前記バイオマーカの補正された濃度レベルを決定する段階と、前記血管の長さに沿った前記バイオマーカに対して補正された濃度レベルのデータプロファイルを生成する段階と、を備える方法。
請求項23
上流位置から採取された少なくとも1つの血液サンプルを分析し、前記測定された前記バイオマーカの濃度レベルに適用するべき前記第2濃度補正係数を決定する段階を備える請求項22に記載の方法。
請求項24
血液サンプルを分析して、前記血流内の全身循環中において既知のまたは測定された濃度を有する基準マーカの濃度を測定し、それぞれの血液サンプルに対してそれぞれの第1補正係数を計算して、前記血液サンプル中の前記測定された前記基準マーカの濃度と全身循環中の前記基準マーカの濃度との間の差を補正する請求項22または23に記載の方法。
請求項25
冠状動脈内から採取された複数の血液サンプルおよび大動脈弓から採取された少なくとも1つの血液サンプルを備える請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
請求項26
血管壁の病理学的状態または生理学的状態を決定するために血管の長さに沿ってプロファイリングする方法であって、前記血管の長さに沿ってサンプルを採取する複数の血液採取ポートを備える本体部を含んだフレキシブル血管カテーテルを血管に挿入する段階と、少なくとも1つのミキサを前記カテーテル本体部の半径方向外側に向けて展開して、前記血管壁の境界層に存在する血液を含むように前記血管の半径方向の広がり略全体にわたって前記ミキサが血液を撹拌する段階と、前記少なくとも1つのミキサの下流にある前記複数の血液採取ポートにおいて血液を採取する段階と、前記カテーテルの前記複数の血液採取ポートによって採取された血液を分析して、前記血管の長さに沿った1つ以上のバイオマーカの濃度レベルのデータプロファイルを決定する段階とを備える方法。
請求項27
生体内で血管から血液をサンプル採取する方法であって、カテーテルの長さに沿ってサンプルを採取する複数の血液採取ポートを備える本体部を含んだフレキシブルカテーテルを血管に挿入する段階と、少なくとも1つのミキサを前記カテーテル本体部の半径方向外側に向けて展開して、前記血管の半径方向の広がり略全体にわたって前記ミキサが前記血管中を流れる血液を撹拌する段階と、前記ミキサの下流に位置する1つ以上の血液採取ポートにおいて分析のための血液を採取する段階とを備える方法。
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