专利摘要:
梗塞物質に対応すると不正確に同定されたMRI画像から消失させるアルゴリズムが提案される。第1の技術は、脳の正中矢状面(MSP)に反射される同定領域に対応するスキャンの領域に類似すると決定された同定領域を消失させることである。第2の技術は、1以上の他のスキャンにおいて、対応する同定領域を有しないと決定された領域を消去することである。2つの技術の組合せは、高強度領域が梗塞かアーティファクトかの決定における信頼度を高める。
公开号:JP2011509141A
申请号:JP2010542198
申请日:2009-01-06
公开日:2011-03-24
发明作者:ヴェスラフ・ルチヤン・ノヴィンスキ;バーヌ・ケイ・エヌ・プラカシュ;バルシャ・グプタ
申请人:エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ;
IPC主号:A61B5-055
专利说明:

[0001] 本発明は、MRI(磁気共鳴画像)スキャン、特に、DWI(拡散強調画像)MRIスキャンの処理方法に関する。]
背景技術

[0002] 一般的に、いずれの観察においても2つのタイプの誤差[1]:系統誤差および偶然誤差が存在する。系統誤差は、特定の方向に全ての測定値をシフトさせる傾向がある。かかる誤差のいくらかの主な理由は、機器の誤った較正、機器の不適切な使用等である。大きな系統誤差は(例えば、機器のゼロ較正を適用するか、実験を繰り返すことにより)しばしば消去できるが、小さな系統誤差は、機器がそもそも完全には較正できないので、常に存在するであろう。これは、実験結果のいくつかの独立した確認が、好ましくは、異なる技術を用いて行われるべきである理由である。]
[0003] 実験がすべての一定の実験条件で数回行われるならば、結果は依然として異なる。その結果におけるこれらの変動は、偶然誤差(または統計誤差)と呼ばれる。結果の値は、観察の平均とされ、標準偏差は平均に対する誤差とされる。標準偏差は、実験の繰り返しにより時々得ることができるが、いくつかの実際の状況において、実験を繰り返すことが不可能である。これらの状況において、結果の分布の知識を適用して、統計誤差を予測する。結果は、通常、実験の性質に依存するある種の公知の分布に従い、例えば、ポアソン分布は、カウントを含む実験における共通の結果である。ポアソン分布については、標準偏差(σ)は、]
[0004] ]
[0005] として平均(μ)に関連する[1]。μとσとの間の関係のために、(結果が、単位時間当たりのカウントの結果である場合)その実験の結果からの誤差を予測でき;例えば、参考文献[2]は、核医用画像が単位時間当たりの多数の減衰を含むためにポアソン分布ベースのノイズ除去技術をかかる核医用画像に用いた。]
[0006] MRI取得のプロセスは非常に複雑である(2007年10月23日付けでアクセスしたhttp://www.easymeasure.co.uk/principlesmri.aspx, http://www.sunnybrook.ca/research/groups/cardiac_mri/MR_background)。]
[0007] MRIのシグナル強度は、画像取得時間中にボクセル中の磁気的に励起された陽子のカウントを含めた多数のパラメーターに対して複雑な依存を有している。強度が、磁気的に励起された陽子のカウントにも部分的に関連するので、そのポアソン分布を用いて、各ピクセルの強度の分布を予測する。この仮定に徴して、ピクセル強度に対する誤差は予測できる。かくして、報告されたピクセル値は、]
[0008] ]
[0009] [式中、Pμは、いくつかの仮説観察の平均ピクセル強度である]に等しい誤差を有するとみなすことができる。]
[0010] 体動アーティファクト、折り返しアーティファクト、磁化率アーティファクト等のごときMRIスキャンに関連した様々な種類の取得アーティファクトが存在する(いくらかが、2007年10月23日付けでアクセスされたhttp://www.mritutor.org/mritutor/artifact.htmに記載されている)。アーティファクトを除去し、ノイズを低減するいくつかの公知の方法は以下のとおりである。参考資料[3]は、MRI用のウェーブレットベースのRicianノイズ除去を示す。参考資料[4]は、部分容積データ密度モデルを用いた多次元データにおけるノイズフィルタリングへのアプローチを記載する。参考資料[5]は、点拡がり関数を用いた、MRIにおける面内バルク体動アーティファクトの修正を示唆する。これらの方法のより詳しいリストは、2007年10月23日付けでアクセスされた、http://iris.usc.edu/Vision-Notes/bibliography/medical891.htmlに含まれている。]
[0011] コンピューター支援検出(CAD)は、異なる領域における正確な医用画像解釈を支援するのに重要な役割を果たす[例えば、6−10]。本発明者は、急性虚血および脳出血についてのCADシステム一式を開発した[11−13]。キーアルゴリズムのうちの1つは梗塞のセグメント化である。その精度は、梗塞とアーティファクトとの正確な識別に依存する。DWIスキャンからの梗塞の正確でかつ迅速な定量化は、急性の虚血性脳卒中において非常に重要である。取得アーティファクトは、DWIMRスキャンにおける高強度領域に導き、偽陽性を生じる。梗塞およびアーティファクトの識別は、梗塞セグメント化誤差を低下させるのを助ける。]
発明が解決しようとする課題

[0012] 本発明は、MRI(磁気共鳴画像)スキャン、特に、DWI(拡散強調画像)MRIスキャンの処理方法に関する。]
課題を解決するための手段

[0013] 本発明は、梗塞描写の精度を増加させるための後処理セグメント化のMRI画像に関する。]
[0014] 一般的に、そのアルゴリズムは、複数の2DDWIを含む3DDWI画像のごとき脳のMRI画像を処理して、以下の同定が誤っている同定領域を消失させることを提案し、ここに、そのMRI画像は、梗塞組織に対応する候補物質である脳の高強度領域を同定するためにスキャン中のピクセルの強度に基づいてセグメント化されている。これは、1以上の次のもの:脳の正中矢状面(MSP)に反射される同定領域に対応するスキャンの領域に類似すると決定された同定領域の消失;および1以上の他のスキャンにおける対応する同定領域を有しないと決定された領域の消失により行われる。]
[0015] その提案されたアルゴリズムは、DWIスキャンにおける梗塞とアーティファクトとを識別し、それにより、形態学的測定における誤差を低下させることを可能にし得る。]
[0016] 対称的に関連する高強度領域の類似性を評価するための基準は、各ピクセルの強度におけるポアソンの誤差と関連する数値パラメーターを使用し得る。これは、強度(ピクセルの「強度空間」)の完全な測定に対する各ピクセルの強度における期待誤差が、実験の性質と関係なく正規分布により典型的に与えられるからである。]
[0017] 本技術の2つの適用は、所与の2Dスキャンが梗塞を示すという不十分な証拠が存在するという決定(例えば、前記に提案した消失プロセスの一方または双方、特に、対称領域の工程後に、残る梗塞領域の量が閾値に合わない場合);および、梗塞を示す2Dスキャンにおいて、誤って梗塞と同定された領域の除去である。]
[0018] アルゴリズムは、いずれかの梗塞処理システムからアーティファクトを除去する可能性を有する。特に、このアプローチは、DWTスキャンを用いて血栓溶解の調査、および新たに発見された梗塞の形態学的特性を定量化するための適用を有する。一旦、前記のアルゴリズムを用いて、後処理された画像を生成したならば、その画像は、MCA比のものに対して梗塞の(i)拡散潅流ミスマッチおよび(ii)サイズを定量化するために用い得る。]
[0019] DWI以外に、FLAIR(液体抑制反転回復法)のごとき他のデータ取得技術、T2、ADC(みかけの拡散係数)が、梗塞病期分類に用いられることに注目すべきである。本技術は新たに同定された梗塞の定量化に最も注目するものであり、これらのDWIについて最も価値があると現在考えられるが、この技術は、「注目するシグナル」または「疾患の検出」が画像の残りよりも明るいいずれの場合にも適用可能である。従って、画像のタイプに関係なく、この技術は適用可能である。]
[0020] 本アルゴリズムは、コンピューターシステムによって実行し得る。そうであるならば、アルゴリズムは典型的には自動的(これを本明細書に用いて、ヒューマン・インタラクションがアルゴリズムを開始し得るが、アルゴリズムが実行されている間はヒューマン・インタラクションが必要とされないことを意味する)に行われる。あるいは、アルゴリズムは半自動的に行い得る(この場合には処理中にコンピューターとのヒューマン・インタラクションが存在する)。]
[0021] 本発明の特定の表現は、脳のそれぞれの平面に対応する複数の2DMRIスキャンを含む脳のMRI画像の処理方法であり;
その方法は、脳の梗塞組織に対応する候補物である1以上の高強度領域を各スキャンにおいて同定することを含み、
さらに、その方法は、
(a)スキャンの正中矢状面(MSP)に反射される位置に配置された同一スキャンの対応領域につき、第1の類似性基準(similarity criterion)を満たすと決定される梗塞を含むと同定された、脳半球におけるその同定領域を消失させること;および
(b)その他のスキャンの対応する位置において、いずれの同定領域にも対応しないと決定された同定領域を消失させること
の一方または双方を含む。]
[0022] 本発明の具体例は、以下の図面を参照して例示のみのために今や記載される。]
図面の簡単な説明

[0023] 図1は、MSPに対称的に関連するピクセルおよび領域の消去のための本発明の具体例である第1のプロセスの工程を例示するフローチャートである。
図2は、図2(a)および(b)からなり、それらは、各々、梗塞(I)および非梗塞(N)半球における(a)類似するピクセルおよび(b)類似するマルチピクセル領域を示す。
図3は、脳の典型的なDWIMRI画像のピクセル強度のヒストグラムである。
図4は、3Dの空間的な相関を有しない領域の消失のための本発明の具体例である第1のプロセスのサブ工程を示すフローチャートである。
図5は、図4の方法に用いた構成要素を示す。
図6は、脳の連続スライスを表す模式的な6つのMRIスキャンを示し、彩色して、梗塞組織(淡色)および正常組織(暗色)を示す。
図7は、図1のプロセスを使用する第1の適用のフローチャートである。
図8は、図8(a)〜8(e)よりなり、誤って梗塞物質を含むと考えられるスキャンについての図7の工程を実施した結果を示す。
図9は、図9(a)〜9(e)よりなり、正確に梗塞物質を含むと考えられるスキャンについての図7の工程を実施した結果を示す。
図10は、図1および図7のプロセスを使用する第2の適用のフローチャートである。
図11は、図11(a)〜11(e)よりなり、図10の工程を実施した結果を示す。
図12は、図7の適用と公知のスライス同定法[13]とを比較した実験データを示す。
図13は、図13(a)および13(b)よりなり、図7の適用における感度および特異性に対するλ1およびλ2の変動の効果を示す。
図14は、図10の適用と公知の梗塞セグメント化技術[14]とを比較した実験データを示す。
図15は、図1に示したプロセス、次いで、図7に示したプロセスによって3つの入力MRIスキャン(図15(a)における3つのスキャンのカラム)を処理する結果を示す。
図16は、各ピクセルにおける誤差としてバックグラウンドピークのFWHMを用いて、図1のプロセスの変形によって得られた画像を示す例である。
図17は、皮質表面境界およびCSF付近の明るい領域を示す。] 図1 図10 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図3 図4
実施例

[0024] 本発明の具体例である2つのプロセスが今や記載される。その後に、発明者らは、より複雑なアルゴリズムの一部として1または双方のプロセスを使用する2つの適用を言及する。]
[0025] 1.1 第1のプロセス:対称アーティファクトの消失
第1のプロセスへの入力は、2DDWIスキャン(または患者の脳におけるそれぞれの高さのスライスの複数軸のスキャンのごとき複数のかかるスライス)である。]
[0026] 第1のプロセス(対称アーティファクト除去)のフローチャートを図1に示す。これは、第1のプロセスが単一の2Dスキャンでどのように使用されたかを示すが、そのプロセスは、各々の複数のかかるスキャンについて典型的に別々に行われることを示す。当該対称領域は、MSPから同一垂直距離での同一の形状およびサイズの領域である。これは図2(a)および(b)に示され、それらは、各々、梗塞(I)および非梗塞(N)半球において、単一または複数ピクセル領域がMSPについてどのように対称的に分布し得るかを示す。] 図1
[0027] 入力2DDWIスキャンは、図1において1と標識される。第1のプロセスの最初の工程2において、2DDWI画像1のMSPは、例えば、Nowinskiら(2006)[17]によって開示された方法を用いて同定される。MSPは、画像を2つの半球に分割し、各側は、他方の鏡像の緊密な近似物である。次いで、梗塞を含む半球は、例えば、Guptaら(2008)[14]によって開示される方法を用いて同定される。] 図1
[0028] 第2の工程3において、梗塞半球の高強度領域を標識する。これは梗塞半球の強度ヒストグラムを得ることにより行うことができる。先行技術から公知のように、梗塞物質を含むMRI画像の典型的な強度ヒストグラムは、図1に示されものに同じであり、それは2つのピークを含む。より高強度のピークはT1と定義され、高強度および等強度の正常組織領域間のほぼ境界である。T1と等しいかまたはT1より大きな強度を有するピクセルは、高強度と同定される。すなわち、画像はセグメント化され、各ピクセルは、高強度として標識されるか、または標識されない。これらのピクセルは分離できるか(すなわち、単一のピクセル領域)、または複数ピクセル領域の一部であり得る。いずれの場合も、領域は高強度領域と標識される。領域は、[15]のごときセグメント化アルゴリズムの適用により生成される。領域のサイズは、セグメント化された領域におけるピクセルの合計の数を用いて計算される。] 図1
[0029] 工程4において、梗塞半球における各高強度領域について、非梗塞半球における対応するミラー領域(MSPからの同一距離にて、および同一形状)が検討される。領域のサイズが計算される。]
[0030] 次いで、図1において5と示された工程の組は、梗塞半球のセグメント化された各高強度領域につき行われる。] 図1
[0031] 最初に、工程6において、梗塞半球のセグメント化領域のサイズが合計の画像サイズ(バックグラウンドを除く)の5%未満であるかが決定される。]
[0032] 工程6の決定の結果が「いいえ」であるならば、状況は、図2(b)と同じである。次いで、方法は、2つの対称的な関連領域を比較するプロセスを始める(工程7)。これは、領域の各ピクセルについて工程8〜11の組を一度実行することにより行われる。工程の各セットにおいて、発明者らは2つの対称なピクセルをj(梗塞半球において)およびj’(非梗塞半球において)といい、それらの強度は、各々、pjおよびpj’と示される。従って、双方のピクセル上の誤差(各ピクセルの強度はポアソン分布に従うと仮定することによる)は、各々、]
[0033] ]
[0034] である。]
[0035] ]
[0036] をピクセルjおよびj’の強度の差とする。誤差の伝播の法則[18]から、強度の差に対する合計の誤差は次のように得られる(工程8):]
[0037] ]
[0038] [式中、]
[0039] ]
[0040] は、偏導関数であり、]
[0041] ]
[0042] は、ピクセルjおよびj’の強度に対する誤差である。]
[0043] 発明者らは、この誤差を用いて、0に等しい強度の差の付近の95%の信頼区間を見積もる。ピクセル(jおよびj’)は、それらの強度の差がゼロ付近の95%信頼領域、すなわち、Dj≦1.96Tjにあることを決定した(工程10)ならば、同様の強度を有すると考えられる(すなわち、その強度が梗塞によるものであるという証拠はない)(2007年10月23日にアクセスしたhttp://mathworld.wolfram.com/ConfidenceInterval.html)。より一般的には、2つのピクセルを同様の強度を有するとみなす類似性基準は、Dj≦λ1Tj[式中、λ1は類似性の変数である]と記載できる。後記に、発明者らはλ1の変動の効果を調べ、それは他の信頼区間を検討することと等価である。]
[0044] あるいは、工程6の決定の結果が「はい」であるならば、その時、その状況は、図2(a)と同じである。この場合、そのプロセスは、2つの対称的な関連領域の比較を開始する(工程12)。いずれかの任意の領域kにおいてnピクセルが存在すると仮定すると、その領域の平均強度Rkは、]
[0045] ]
[0046] である。]
[0047] Rkにおける誤差Ekは、誤差[18]の伝播の法則から、]
[0048] ]
[0049] [式中、]
[0050] ]
[0051] は、PjについてのRkの偏導関数であり、δPjは、j番目のピクセルの強度に対する誤差である]と誘導される。]
[0052] 2つの領域の平均強度の差は:
Dk=Rk-Rk’
と計算される(工程13)。]
[0053] 領域の平均強度の差における合計の誤差は、]
[0054] ]
[0055] と計算され(工程13)、ここに、δRkおよびδRk’は、RkおよびRk’に対する誤差であり、それらはEkおよびEk’と定義される。]
[0056] いずれの2つの領域kおよびk’もDk≦1.96Tkと決定された(工程14)ならば、同様の強度を有すると考えられる。類似領域は同様の強度を持つ対称領域である。より一般的には、類似性基準は、Dk≦λ1Tk[式中、λ1は、再び類似性の変数である]と表現されるように変更して、他の信頼区間を検討できる。]
[0057] 同様の強度を持つ対称領域および対称ピクセルは、アーティファクトと考えられる。特に、工程9および14の決定がネガティブの場合、梗塞半球のピクセルは、同定された梗塞ピクセルの組(各々、工程10および15)から除外される。そうでなければ、そのピクセルは実際に梗塞ピクセルであると確認される。]
[0058] 1.2.第2のプロセス:3Dの空間的可干渉性を示さない領域の消失
3Dの空間的可干渉性を決定する異なる工程のフローチャートダイアグラムを図4に与える。その方法への入力は、3DMRI画像(典型的には、複数の2DMRIにより平行な間隔を空けた平面がスキャンされる)21である。] 図4
[0059] 工程22において、発明者らは、次の組のイメージプロセシング・サブ工程を行う。]
[0060] まず、画像拡張[19−20]を、各ピクセル付近の空間の誤差を考慮に入れることにより得た構成要素を用いて行う[http://www.cis.rit.edu/htbooks/mri/、http://www.sunnybrook.ca/research/groups/cardiac_mri/MR_background]。各ピクセル付近の周囲領域を空間的な誤差領域と見なすことができる。]
[0061] 構成要素を図5に示す。i番目のピクセルは座標(x,y)を持つダイアグラムの中央のピクセルである。そのi番目のピクセル付近の最小の誤差領域は、図5における3×3ピクセル正方形ABCDである全ての方向におけるi番目のピクセルを囲む1つのピクセルワイドバンドと同定される。発明者らは四角形のABCDを1つのピクセル関連四角形と呼ぶ。同様に、図5における正方形PQRSは2つのピクセル関連四角形である。発明者らの研究において、その空間的誤差四角形のサイズは、3×3ピクセルから11×11ピクセルまで変動した。最大のアーティファクト除去(しかし、梗塞領域の除去のより高リスクを有しかねない)に対応する拡張はないが、一方、11×11ピクセルを含む拡張が、すべての領域を空間的可干渉性とする全画像を連結する。従って、実験結果では、発明者らは、7×7ピクセルの中央値の空間的誤差四角形である拡張についての構成要素を用いた(すなわち、i番目のピクセルは各方向において3ピクセルにより囲まれ、それは図5に示されるものより大きな構成要素である)。] 図5
[0062] 第2に、発明者らは、体積における3D連結領域を決定する[21]。各領域において、拡大した領域がわずかに異なる形状を有することに注目されたし。連続的なスキャンにおける領域が連結されると決定する基準は、少なくとも1つのピクセルが連続的なスキャンの高強度領域間で共通でなければならないことである。]
[0063] 第3には、発明者らは、3D連結領域が連続的に生じるスライス数を計算し、それは、スライス頻度νと呼ばれる。例えば、図6(一連の連続的2Dスキャンを示す)において、領域1は、それが連続的5つのスライスに生じるので、ν=5を有する。領域2は、ν=2を有し、領域3、4、5および6は、ν=1を有する。] 図6
[0064] 第4には、発明者らは、νmaxと表示される最大のνを決定する。]
[0065] 工程23において、発明者らは、νmax/合計の梗塞スライスが、合計のスライス数の有意な割合を示すパラメーターより大きいかどうかを決定する。例えば、梗塞(interfarct)スライス数が1を超える場合について、発明者らは、有意な割合を0.9と考えてもよい。この決定がネガティブである場合、プロセスは停止する(工程24)。]
[0066] そうでなければ、工程25において、1に等しいνを持ついずれかの領域を見出す。たとえ、同様の領域が、1以上のスライスのうちの1つのギャップ後の同一の位置(スキャンの2D空間において)に出現したとしても、領域が1に等しいνを有し得ることに注目されたし(例えば、図6における領域2、4および6)。従って、1に等しいνを持つ各領域について、他のスライスにおいて対応領域を見出すように検索がなされる。対応物のない領域は、アーティファクト(工程26)と同定され、同定された梗塞領域の組から除去される分離領域と見なされる。反対に、νが1に等しいが、対応領域が存在する領域(2つのスキャンがどれくらい遠くに離れていたかに関係なく、対応領域を有する)およびνが1を超える領域は、梗塞領域であると確認される(工程27)。] 図6
[0067] 2.1 第1の適用:偽陽性スライスの低減
前記プロセスの第1の適用(特に、第1のプロセス)は、実際には、その梗塞物質が存在するという不十分な証拠が存在するスライスの同定のためのものである。適用を示すフローチャートを図7に表示し、詳細を以下に示す。図7のフローダイアグラムと以下に説明される図1のそれとの間にいくらかの重なりが存在することに注目されたし。] 図1 図7
[0068] 適用への入力は、例えば、梗塞であるような半球を得る既存の自動的なスライス同定アルゴリズム[14]によって、梗塞物質を含有するようであると同定されたスライスの組である。この既存のアルゴリズムは、適用の第1の工程31と見なすことができ、それは図1の工程2の一部分に対応する。] 図1
[0069] 工程32において、梗塞した半球における高強度領域が、ψという閾値未満のピクセルの除外により得られる。ψの値は、以下のように得られる。前記のように、DWIスキャン(例えば、図1)の強度分布における第2のピークは、正常組織領域(または等強度領域)を表わす。発明者らがガウス分布[1]への正常組織の強度分布に接近させるならば、ピーク最大値での強度(T1)は、高強度と等強度の正常組織領域のほぼ境界を表す。次いで、発明者らは、(T1)未満の閾値を持つそのピクセルを無視し、残る非梗塞半球ピクセルの強度の平均(RH)および平均に対する合計の誤差(EH)を決定する。] 図1
[0070] 発明者らは、今や、]
[0071] ]
[0072] [式中、λ2は第2の類似性パラメーターである]
を設定し、より低強度を持つすべてのピクセルを除外する(工程34)。工程33および34は、図1の工程3に対応する。以下に示された実験結果について、発明者らは、λ2=1.96(ゼロの差についての95%の信頼区間に対応する)を用いた。しかしながら、また、以下に、発明者らは、結果に対する影響を調査するためにλ2を変動させることにより、他の信頼区間を調査する。] 図1
[0073] 発明者らは今や対称領域の同定(工程35、図1の工程4に対応する)、対称アーティファクトの同定(工程36、図1の工程7〜9および工程12〜14に対応する)、および対称なピクセルの除外(工程37、図1の工程10および工程15に対応する)を行う。] 図1
[0074] 工程38において、発明者らは、除外後のスライス中に残る梗塞ピクセル数を決定し、この残ったピクセル数が許容パラメーターを超えるか、または未満であるかを決定する。その数が許容パラメーター未満であるならば、スライスは偽陽性スライスである。その数が許容パラメーターを超えるならば、スライスは梗塞スライスであること確認される。]
[0075] 発明者らの実験において、発明者らはバックグラウンドを除外した後の画像中での許容パラメーターを合計の0.01%のピクセル数と考えた。]
[0076] 図8は、第1の適用を偽陽性スライスに適用した結果を示す。梗塞半球は、Iにより表され、非梗塞半球はNにより表される。図8(a)は、その方法への入力であって、MSPの同定後の偽陽性スライスを示す。図8(b)は梗塞半球を示す。図8(c)は等強度領域の除去後(すなわち、工程34後)の梗塞半球を示す。図8(d)は、非梗塞半球Nにおける対応領域を加えた後の画像を示す。図8(e)は、Dk≦1.96Tkでの領域の除去後の画像を示す。これがほとんど全体的に暗い結果、明るい領域の数が許容パラメーターと等しくなく、そのスキャンが偽陽性と確認されることが理解されるであろう。]
[0077] 図9は、梗塞物質を含むスライスからの対応する結果を示す。再び、梗塞半球は、Iにより表され、非梗塞半球はNにより表される。図9(a)は、入力梗塞スライスを示す。図9(b)は梗塞半球を示す。図9(c)は等強度領域の除去後の梗塞半球を示す。図9(d)は、非梗塞半球の対応領域の再導入後の画像を示す。図9(e)は、同様の強度領域の除去後の画像を示す。いくつかの明るい領域が存在し、実際に、許容パラメーターを超える多数の明るいピクセルが存在し、そのスキャンが真の梗塞スキャンと確認されることが理解されるであろう。]
[0078] 2.2.第2の適用:梗塞スライス中のアーティファクト低減
第2の適用を図10に示す。この適用は第1のプロセス(図1)および第2のプロセス(図7)を使用し、従って、図1、図7および図10の間でいくらかの重なりが存在する。] 図1 図10 図7
[0079] 図10のアルゴリズムの第1の工程41は、次いで候補梗塞領域として得られる高強度領域を同定するためのサブ工程である。工程41は、DWI体積データからの自動的な梗塞セグメント化のための公知のアルゴリズムによって行うことができる[15]。] 図10
[0080] アルゴリズムの次の工程42は、梗塞(これは、例えば、[14]に示された方法によって行うことができる)を含む半球を得、次いで、他の(「非梗塞」)半球における高強度のセグメント化された領域のすべてを除外することである。すなわち、従前は候補梗塞領域であると考えられた非梗塞半球のいずれの領域も、それらがもはや候補梗塞領域でないように再標識される。これは、図1の工程2〜3に広範囲に対応する。] 図1
[0081] 次のアルゴリズム(工程43)は、対称アーティファクトを同定し、(工程44)はそれらを除外する。これは、図1の工程4および5に対応する。] 図1
[0082] 次のアルゴリズム(工程45)は、3Dの空間的可干渉性(すなわち、図4のプロセス)に基づいたさらなるアーティファクトを同定し、(工程46)は、それらのアーティファクトを除去する。これは図7に記載された第2のプロセスである。] 図4 図7
[0083] アーティファクト除去の工程を図11に表示する。図11(a)は元来のスライスを示す。図11(b)はセグメント化されたスライスを示す。図11(c)は、非梗塞半球におけるアーティファクトが除去された後の画像を示す。図11(d)は、対称アーティファクト除去の結果を示す。図11(e)は、空間的可干渉性の領域を除去する結果を示す。]
[0084] 3.1.材料
発明者らは、前記のプロセスおよび適用を用いて今や実験結果を示す。51のDWIスキャンをこの研究において用いた。これは、発明者らが先に用いたデータである。]
[0085] (i)自動的スライス同定(すなわち、図7の適用をテストするために、発明者らは、[14]により用いた36個のデータセットを使用した。DWIスキャンは、0.9mm×0.9mmから2.4mm×2.4mmの面内分解能、4〜14mmのスライス厚み、および4〜36までのスライス数を有した。] 図7
[0086] (ii)自動的梗塞セグメント化(すなわち、図10の適用をテストするために、発明者らが[15]により用いた13個のDWIケースを使用した。DWIスキャンは、1mm×1mmから1.5mm×1.5mmの面内分解能、および5mmのスライド厚みを有した。DWIスキャン中のスライス数は27〜33であった。DWIスキャンのマトリックス・サイズは256×256であった。13個のDWIケースが[14]に用いた36個のデータセットの部分集合であることに注目されたし。] 図10
[0087] (iii)15個のさらなるデータセットを用いて、3番目のアルゴリズム[16]の結果を改善するために提案されたアルゴリズムの適用を実証する。DWIスキャンは1.17mm×1.17mmから2.42mm×2.42mmの面内分解能、6.5〜7mmのスライス厚み、および15〜20のスライス数を有した。]
[0088] すべてのデータセットについてのグラウンドトルース(ground truth)は専門家により特徴付けられた。]
[0089] 3.2.偽陽性スライスの低減
自動的なスライスおよび半球の同定アルゴリズム[14]は、梗塞スライスおよび梗塞半球を自動的に同定することを目指した。スライス同定[14]の自動検出の結果は、感度=0.981、特異性=0.514、DSI[22]=0.665であった。現在の技術(すなわち、図7のプロセス)でのデータを処理した後の結果は、感度=0.9659、特異性=0.6660、DSI=0.7338であった。] 図7
[0090] 36個のケースのうち26個のケースは、偽陽性スライス除去により結果における改善を示した。残りの10個のケースの結果は、処理に影響されなかった。発明者らが結果が変化したケースだけを考慮するならば、結果における変化は以下のとおりである:26のデータについての初期の結果:(感度、特異性、DSI)=(0.982、0.474、0.586)。26のデータについての結果を処理した後:(感度、特異性、DSI)=(0.958、0.664、0.677)。かくして、特異性およびDSIの増加は、各々、19%および9.1%だけ観察され、感度では2.4%が減少する。除去された偽陰性スライスは、スライス中の梗塞の最大面積と比較してわずかな割合の面積を有した。提案されたアルゴリズムの使用により、発明者らは、偽陽性結果の31%を除去することができる。]
[0091] 図12は、感度、特異性およびDSIにおける全体的な変化を現在のアルゴリズムの結果として示す。ヒストグラムの左(明るい灰色)棒は、結果が[14]において得られることを示し、一方、対応する右(暗色)棒は、図7のアルゴリズムの結果を示す。] 図12 図7
[0092] 図13(a)は、梗塞スライス同定の感度に対する変化するλ1およびλ2(前記のごとく、各々、基準Dk≦λ1TkおよびRH+λ2EHに使用する)の効果を示し、図13(b)は、梗塞スライス同定の特異性に対する影響を示す。垂直軸は、各々、感度および特異性を示す。感度は、2未満のλ1およびλ2の値についてのおおよそ未変化のままである。2を超えるλ1およびλ2について、感度は急勾配で減少し始め(梗塞領域でさえ消失し始めるので)、3に等しいλ1およびλ2での86.7%の値を獲得する。特異性は、λ1およびλ2の値における3までの増加で連続的に増加する(=79.3%)。高感度が重要であるので、発明者らは、(感度、特異性)が(96.6%、66.6%)である場合の1.96として双方のパラメーターの値を用いた。] 図13
[0093] (特異性,DSI)における全体的な増加は、(15.2%、6.9%)であり、1.5%だけ感度が減少した。]
[0094] 3.3アーティファクト低減
[15]における梗塞セグメント化アルゴリズムの結果は以下のとおりであった:感度=0.81、特異性=0.99およびDSI=0.60。提案されたアルゴリズムでデータを処理した(すなわち、図10の適用)後の結果は次のとおりである:感度=0.793、特異性=0.993およびDSI=0.676。] 図10
[0095] 13の体積のうち、すべてのケースが、アーティファクト除去により結果における改善を示した。合計13のケースのうち6つのケースだけが、DSI<0.5を有した。現在のアルゴリズムで処理する前のこれらの6つのケースについての平均DSIは、18.3%であった。提案されたアルゴリズムで処理した後に、DSIの平均増加は11.2%である。ポスト処理後に74.7%の平均DSIを有した7つのケースは、4.7%だけ増加した。かくして、現在の処理の効果は、多数のアーティファクトが存在する場合により重要である。現在のアルゴリズムによって除去された偽陽性ピクセルの割合は、71%である。]
[0096] 図14は、現在のアルゴリズムの結果としての感度、特異性およびDSIの全体的な変化を示す。ヒストグラムの左(明るい灰色)棒は、[15]において得られた結果を示し、一方、対応する右(暗色)棒は、図10のアルゴリズムの結果を示す。] 図10 図14
[0097] 真のネガティブなピクセル数が合計のスライス・ピクセルのオーダーのものであり、偽陽性ピクセルよりはるかに大きいので、特異性は常に非常に大きい。それは、偽陽性ピクセル数のいずれの変化によってもほとんど影響されない。そのため、特異性の変化は図14において観察されない。従って、DSIは、それが真のネガティブなピクセルから独立するのでこのケースにおける検討に対するよりよい尺度である。DSIにおける全体的な改善は7.6%である。] 図14
[0098] [16]において、発明者らは15のデータをセグメント化した(低、中および高アーティファクト密度の各々5)。次いで、図10の適用のもう一つのテストにおいて、[16]からの結果を図10の適用を用いて処理した。(感度、特異性、DSI)における平均の変化は、(74.02、99.69、67.32)%から(72.27、99.87、72.4)であった。DSIは、5.1%の改善を示した。] 図10
[0099] 4.1 考察
脳卒中CADの目標のうちの1つは、正確でかつ自動的に脳卒中領域を同定し、セグメント化し、測定することである。これは、(a)MCA比のそれに対して梗塞の拡散潅流ミスマッチおよびサイズを定量することを必要とする血栓溶解の文脈において、(b)脳卒中重篤度[23]に対する梗塞位置の影響を定量化する、DWI障害[24]のパターンを定量化する等のような予後情報に関する研究のための入力パラメーターを提供するために重要である。最先端技術のアルゴリズムが脳卒中CADの最終目標の達成のために開発されているが、その現在提案されるアルゴリズムは、関連分野の研究における単独の適用を有する。具体例は、DWIスキャンにおける以下の2つ観察特性に基づいて梗塞およびアーティファクトを区別することを可能にする。それらは以下の2つの観察によって動機付けられる:]
[0100] (i)第1の観察は、軸面における標準的なDWIスキャンが、強度、形状等の点からほぼ同様の特徴を有するような双方の半球を示すということである[例えば、25]。かくして、DWIスキャンが双方の半球で対称な高強度領域を示すならば、それらはほとんど恐らくアーティファクトである。脈管閉塞によって引き起こされた梗塞が、大抵単一の半球で生じ、従って、それは、反対の半球における対称領域よりははるかに高強度であろう。具体例は、各ピクセルの強度スペースにおけるポアソン分布を用いて、強度の有意差を定量する。
(ii)第2の観察は、異なるスライスにおける梗塞領域が空間的可干渉性を示すということである。空間的可干渉性領域からの離れた位置で生じる領域は、大抵恐らくアーティファクトである。具体例は異なるスライスにおける拡大領域の重なりを決定することにより、空間的可干渉性を検出する。]
[0101] 多数のケースにおいて、アーティファクトでさえ、3Dの空間的可干渉性を示す。その理由のために、図10の具体例は、対称アーティファクト除去の後に3Dの空間的可干渉性を処理し、これは、3Dの空間的可干渉性を示すアーティファクトの機会を低減させる。発明者らの観察[15]から、梗塞に対して対称であるアーティファクトを見出すことは非常にまれである。従って、2D対称を使用するアルゴリズム(図1のように)によって除去される梗塞の機会は、非常に低く、これは、今度は、空間的に対称なアルゴリズムの結果の機会を増強する。] 図1 図10
[0102] これを図15に示す。図15(a)に示された3つのスライスのカラムは、対称で、かつ空間的可干渉性のアーティファクト(A1、A2およびA3と標識されたボックス中)を含む。図1のプロセスによって、対称アーティファクトをスライス1〜3において除去して、図15(b)のスキャンを与え、その中に、ボックスB3におけるアーティファクトだけが存続した。ボックスB3中のアーティファクトが、図4のプロセスによってその領域の3Dの空間的可干渉性を評価することにより除去されて、図15(c)の3つのスキャンとして示された結果を与える。] 図1 図15 図4
[0103] また、具体例は、各ピクセルの強度における誤差が、実験の性質に独立し、実験の結果の不確定性に一般的に関係している正規分布により与えられるという観察を利用する。しかしながら、正規分布の平均および標準偏差が独立しているので、この分布を用いて、実験[1]の結果を繰り返すことが可能でない場合における誤差を予測することができない。実際に、本発明者はすべてのピクセルに対する誤差の見積りとしてバックグラウンド・ピーク(図2に示されたように)のFWHMを用いて最初に考慮した。そのようにすることからの実施例の結果を図16に示す。しかしながら、ゼロの差の付近の3シグマ信頼区間のレベルでさえ、発明者らがピクセル強度の差を比較した場合、高強度のピクセル領域における残りがあった(対照的に、図1のプロセスでは、発明者らがゼロの差の付近の1.96シグマ信頼区間を用いたことに注目されたし)。これは、より明るいピクセルにつき、より大きな誤差を仮定する必要があることを示唆する。定義によって、誤差が強度に比例するので、これは、ポアソンの誤差の仮定に対する発明者らの信頼度を高める。] 図1 図16
[0104] MSPについて対称で、対称アーティファクトを除去するための同様の強度を有するピクセルの同定は、以下のごとき誤差に非常に敏感である:半球における固有の非対称、より大きな程度まで曲げられた半球間の亀裂等。その理由のために、本具体例は、できるなら強度を比較する目的で個々のピクセルの代わりに対称領域を考慮する。MSPについての半球の固有の非対称により、対称領域を考慮している間でさえ、皮質表面の境界に近いか、心室または脳脊髄液(CSF)にあまりにも近くに位置する領域は、バックグラウンドまたは実質の一部を含み得る。これを図17に示し、ここに、MSP上にある心室Vは、N半球上で、それに隣接する一部分の明るい領域を不明瞭にし、さらなる非対称は、皮質表面に接近しているN半球の上部の右で明るい領域の部分によって引き起こされる。しかしながら、具体例がT1未満の強度のピクセルを除外するので、平均の領域強度はバックグラウンドまたは実質により低強度のピクセルによって影響されない。] 図17
[0105] [14]における小さい、中程度のおよび大きなアーティファクトの定量化に基づいて、大きな梗塞領域が、画像(バックグラウンドを除いて)の約5%を超えるものであると予想される。かかる大きな領域は、(例えば、データ観察中にスライス内の変動によって引き起こされる)不均質性により、より大きな誤差を有し得る。この理由のために、領域が大きな領域と考えられるならば、図1の具体例はピクセル・バイ・ピクセル比較を行う。ピクセル・バイ・ピクセル比較は、大きな面積を区別し得るが、完全にはそれらを除去しない。] 図1
[0106] 3Dの空間的可干渉性は、梗塞スライスの合計の数に対するνmaxの比が重要であると考えられる比率と少なくとも等しいケースにのみテストされる。0.9としての高い有意な比の選択は、梗塞がスライスにおける類似する位置で生じるという確信を確立すると考えられる(梗塞スライス数=1のケースはこの分析につき除外される)。これは、梗塞が複数の位置で生じて、空間に分離された領域が梗塞であるというかなりの可能性があり得るケースを回避するために行う。梗塞が主として1つの領域で生じるというケースにおいて、空間的に分離された領域がアーティファクトを表わすという可能性は高い。]
[0107] このアルゴリズムについての仮定のうちの1つは、アーティファクトがMSPについて対称であるということである。脈管閉塞によって引き起こされる梗塞は、1つの半球に位置する可能性が最もありそうである。いくつかのまれなケース(例えば、両側性狭窄の存在下で血圧の突然の低下によって引き起こされた)において、梗塞は、双方の半球にほとんど対称的に存在し得る。かかるケースにおいて、領域の空間的可干渉性テストだけを行う。次いで、対称に基づいたアーティファクト除去は行われるべきでない。データ取得中に、かなりの回転角度が存在するように、頭を傾け得る。かかるケースにおいて、正中矢状面についての対称は乱され、高強度領域の2D対称に基づいた比較は誤り得る。]
[0108] アーティファクトが梗塞領域に対して対称な場合に、梗塞領域を失う可能性が存在し得る。加えて、アーティファクトが本具体例によって保持され得るために種々の理由が存在し、それは以下を含む:
(i)スライスおよび体積内の不均質。そうであるならば、スライス内およびフライス間の不均質補正の適用[例えば、26〜27]は、さらに、その結果を増強するのを助けることができる。
(ii)梗塞領域に近い非対称のアーティファクトは、具体例において研究した基準のいずれによっても同定し得ない。
(iii)大きなアーティファクトは、発明者らがかかる領域のピクセル方法での比較を適用すると、完全に除去されるよりは、単に断片化し得る。前記のごとく、ピクセル方法での比較は、一般的に、全体の領域を完全には除去しないことに注目されたし。]
[0109] しかしながら、具体例がアーティファクト除去のために速くかつ実用的なアプローチを提供することは実験結果から明らかである。それらは、その処理が負荷され、より時間消費であり得る解剖関連情報を利用しない。また、本アプローチは、非常に重要であり[23〜24]、結果に影響する梗塞の位置を考慮しない。]
[0110] 具体例は、独立型ホストプロセッサとして適用できるか、または脳卒中CADシステムの一部であることができ、速い後処理ツールを提供して、梗塞処理適用におけるアーティファクトを低減できる。実際に、本具体例についての処理時間は、matlabプラットフォーム上で実行された場合、1秒未満であった。]
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权利要求:

請求項1
脳のそれぞれの平面に対応する複数の2DMRIスキャンを含む脳のMRI画像の処理方法であって、脳の梗塞組織に対応する候補物である1以上の高強度領域を各スキャンにおいて同定することを含み、さらに、(a)スキャンの正中矢状面(MSP)に反射される位置に配置された同一スキャンの対応領域につき、第1の類似性基準を満たすと決定される梗塞を含むと同定された、脳半球におけるその同定領域を消失させること;および(b)その他のスキャンの対応する位置において、いずれの同定領域にも対応しないと決定された同定領域を消失させることの一方または双方を含むことを特徴とする該方法。
請求項2
工程(a)を含み、ここに、該類似性基準は、同定領域および対応領域が、各々、同定領域の増加関数の強度である値未満だけ異なる強度を有することであることを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項3
値が同定領域の強度に比例することを特徴とする請求項2記載の方法。
請求項4
工程(a)を含み、さらに、領域がスキャンの予め決定された割合を超えて占有するかを決定し;次いで、その決定がポジティブである場合、同定領域におけるピクセル・バイ・ピクセルで該類似性基準を満たすかを決定すること;およびその決定がネガティブである場合、全体として同定領域につき類似性基準を満たすかを決定することを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の方法。
請求項5
工程(a)および(b)の双方をその順序で含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1記載の方法。
請求項6
工程(b)を含み、ここに、隣接するスキャンの対応する位置において同定領域に対応しないと決定されたいずれの同定領域も、除外されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1記載の方法。
請求項7
工程(b)を含み、対応する位置において同定領域を含む連続するスキャンの数νを各スキャンの各同定領域につき決定すること、決定された値νのうちの最大値νmaxを決定すること、およびνmaxが閾値未満であるならば工程(b)を終了することを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1記載の方法。
請求項8
工程(b)を含み、工程(b)が構成要素を用いて、同定領域を拡大することをさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1記載の方法。
請求項9
梗塞組織に対応する候補物である1以上の高強度領域を各スキャンにおいて同定する工程が:(i)第1の閾値未満の強度を有するスキャンの領域を除外すること;(ii)スキャンの残りの領域の平均強度およびその平均強度における誤差の尺度を決定すること;および(iii)スキャンの領域が、平均および誤差の関数未満である強度を有することを除外することを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1記載の方法。
請求項10
各々の複数の脳の平面に対応する2DMRIスキャンの組をスクリーニングする方法であって、工程(a)を含む、請求項1〜9のいずれか1記載の処理方法によりスキャンを処理すること、残りの同定領域の面積が、閾値を超えるかを各スキャンにつき決定すること;およびその決定がネガティブであるならば、スキャンのその組からそのスキャンを除外することを含むことを特徴とする該方法。
請求項11
請求項1〜10のいずれか1記載の方法を行うために配置されたコンピューターシステム。
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