![]() エフリンa型受容体10タンパク質
专利摘要:
本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療、スクリーニング、診断及び予後のための、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌治療の効果をモニタリングするための、並びに薬剤開発のための、エフリンA型受容体10タンパク質に基づく、方法並びに組成物を提供する。なし 公开号:JP2011509079A 申请号:JP2010540186 申请日:2008-12-24 公开日:2011-03-24 发明作者:スタムプス アラスダイル;ロフルフフ クフリストイアン 申请人:オックスフォード ビオトヘラペウトイクス エルティーディー.; IPC主号:C12N15-09
专利说明:
[0001] (1.緒言) 本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌のマーカーとしての有用性を有し、かつそれに対し治療抗体(若しくは他の親和性試薬)又は他の医薬品を製造し得る生物学的標的も形成する、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌に関連する膜タンパク質の同定、前記タンパク質/ポリペプチドを含む製剤/組成物、療法における前記タンパク質/ポリペプチド若しくはそれらを含む組成物の使用、療法における使用のための抗体、関連ポリペプチドに対する治療抗体若しくは抗体の組合せを含む組成物、並びに療法におけるそれらの使用に関する。また、本発明は、関連するタンパク質、その断片、又は膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌の1以上の診断のために該タンパク質等に対して指示された抗体、前記タンパク質、断片若しくは抗体を含むキット、並びに診断方法における前記キットの使用にも及ぶ。] 背景技術 [0002] (本発明の背景) (膀胱癌) 米国において、膀胱癌は、男性の4番目に最も一般的な型の癌、及び女性の9番目に最も一般的な型の癌である。毎年、51,000人超の男性及び17,000人の女性が膀胱癌と診断され、合計約14,000人が死亡する。男性における膀胱癌のより高い発生率の1つの理由は、女性においてよりも男性において非常に高度に活性であるアンドロゲン受容体が、その癌の発生において主要な役割を果たすということである。] [0003] 膀胱癌の発生率は、年齢と共に増加する。70歳よりも上の人々は、55-69歳の人々より2〜3倍高頻度に、及び30〜54歳の人々より15〜20倍高頻度に、該疾患を発生する。膀胱癌は、男性において2〜3倍より一般的である。喫煙は、主要な寄与因子であり、先進諸国において、男性の事例では最高65パーセント、及び女性の事例では30パーセントの割合を占める。] [0004] 米国において、およそ20億米国ドルが膀胱癌を治療することに費やされていると推定されている。膀胱癌調査へのNCIの投資は、2000年の19,100,000米国ドルから2005年の推定34,800,000米国ドルへ増加した。] [0005] (膀胱癌診断) ほとんどの患者は、最初に膀胱癌と診断されたとき、膀胱(74%)に限定されるそれらの癌を有する。19%の事例においてこの癌は膀胱の外側で隣接組織に広がり、3%においてこの癌は遠い部位まで広がった。] [0006] 膀胱癌は、静脈腎盂像(FVP)、コンピュータ断層撮影(CT)走査、磁気共鳴映像法(MRI)走査又は超音波などの膀胱鏡検査、生検、尿細胞学及びイメージング試験を使用して診断できる。] [0007] 膀胱癌は、米国対癌合同委員会(AJCC)TNMシステムを使用して、ステージI〜IVに段階化した。] [0008] (膀胱癌治療) 膀胱癌の治療の主要型は、手術、放射線療法、免疫療法及び化学療法である。手術は、単独又は他の処置と併用して、事例の90%超において使用される。初期又は表在性膀胱癌については、経尿道的切除(TUR)が最も一般的である。最初に診断されたとき、患者の約70-80%は表在性癌を有する。膀胱癌が侵襲性の場合、膀胱切除がしばしば必要である。局所的に進行した膀胱癌についての代替的方法は、放射線療法及び化学療法を伴うTURであり得る。] [0009] バチルス属のカルメット‐ゲラン桿菌(BCG)を、低ステージ膀胱癌を治療するための免疫療法として使用できる。] [0010] 腫瘍免疫賦活剤又はアジュバント化学療法は、膀胱癌の治療に使用できる。マイトマイシン及びチオテパは、膀胱内化学療法に最も高頻度で使用される薬剤である。膀胱癌を治療するために使用される全身化学療法の併用には、M-VAC(メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン及びシスプラチン)、MCV(メトトレキサート、シスプラチン及びビンブラスチン)及びGemCIS(ゲムシタビン及びシスプラチン)を含む。] [0011] 外照射療法又は局所若しくは組織内放射線療法は、手術後に化学療法と併用できる。] [0012] ステージごとの膀胱癌生存:] [0013] (乳癌) 世界的に、乳癌は、最も一般的な癌であり(全ての癌事例の10%)、かつ女性における癌死の主要な原因(癌死の6%)である。乳癌の世界的な発生率は、1年あたり1,000,000超の事例であり、約400,000人が死亡する。北アメリカの女性は、世界中で最も高い乳癌の割合を有する(1年あたり200,000超の新規事例で約40,000人が死亡する)。女性の人生におけるある時点で侵襲性乳癌を発生する可能性は、約8分の1である。乳癌発生率は年齢と共に増加し、40歳以降で急上昇する。米国において、侵襲性乳癌の約77%は、50歳を超えた女性に起こる。米国において、およそ8,100,000,000米国ドルが、毎年、乳癌を治療することに費やされていると推定されている。 (乳癌診断) 初期診断は、処理が成功する可能性を向上させる。乳房X線写真、臨床胸部検査及び胸部自己診断などのスクリーニング方法は、乳癌を検出することに有用である。現在の診断法には、胸部超音波、ダクトグラム(ductogram)、全視野デジタル乳房X線撮影(FFDM)、シンチマンモグラフィ(scintimammography)及びMRIを含む。生検(細針吸引生検、コア生検又は外科的生検)は、その後、乳癌の存在を確認するために実行される。胸部X線、骨のスキャン、CT、MRI及びPETなどのイメージング試験は、乳癌が拡散したかどうかを検出するために使用される。] [0014] (乳癌ステージング) 乳癌は、米国対癌合同委員会(AJCC)TNMシステムを使用して、ステージ0〜ステージIVに段階化した。非浸潤性癌である腺管上皮内癌(DCIS)は、新規乳癌事例の20%を占め、これはステージ0である。乳癌のこの初期で診断されるほぼ全ての女性は、治癒可能である。浸潤性(侵襲性)腺管癌(IDC)は、侵襲性乳癌及び浸潤性(侵襲性)小葉癌(ILC)の80%を占め、これは侵襲性乳癌の5%を占め、より重篤なステージI〜IVの癌であり、転移し得る。] [0015] (乳癌治療) 乳房温存手術(乳腺腫瘤摘出)又は乳房切除は、乳癌についての通常の治療である。ステージI又はIIの乳癌については、乳房温存手術は、乳房切除と同程度に効果的である。患者は、それから再建手術を受けることができる。腋窩リンパ節サンプリング及び除去又はセンチネルリンパ節生検(SLNB)は、この癌がリンパ節まで広がったかどうかを知るために実行される。] [0016] 腫瘍免疫賦活剤化学療法は、手術の前に、大きな癌を縮小させるために実施できる。手術後のアジュバント化学療法は、乳癌再発の危険性を低下させる。化学療法は、癌が胸部及び腕下領域の外側に拡散した女性についての主要な治療として使用することもできる。使用される化学療法薬には、アントラサイクリン(例えば、メトトレキサート、フルオロウラシル、ドキソルビシン、エピルビシン)、タキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン)及びアルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)を含む。] [0017] いったん化学療法が完了すると、放射線療法(通常は外照射であるが、しばしば近接照射療法)が与えられる。] [0018] 選択的エストロゲン受容体モジュレータ(例えばタモキシフェン)とのホルモン療法は、エストロゲン受容体陽性乳癌を有する女性に与えることができる。手術後5年間タモキシフェンを摂取することは、初期の乳癌を有する女性において約50%再発を減らすことができる。エクセメスタン、レトロゾール又はアナストロゾールなどのアロマターゼ阻害薬も使用できる。] [0019] HER2陽性の癌(乳癌の約1/3)を有する女性は、トラスツヅマブ(ハーセプチン)などの生物学的反応修飾物質を与えられることが可能である。臨床試験は、化学療法へのトラスツヅマブの追加が、HER2陽性初期乳癌を有する女性において、手術後化学療法単独よりも再発割合及び死亡率を低下させることを示した。] [0020] (ステージごとの乳癌生存) 1995〜1998年に乳癌と診断された患者は、ステージ0及びIについて100%、ステージIIAについて92%、ステージIIBについて81%、ステージIIIAについて67%、ステージIIIBについて54%、及びステージIVについて20%の5年相対生存率を有した。] [0021] (結腸直腸癌) 結腸直腸癌(CRC)は、癌関連の罹患率及び死亡率の主要な原因であり、1年あたり推定500,000人の死に関与し、大部分が西側の先進国におけるものである。これらの領域において、CRCは、3番目に一般的な悪性病変である(米国及びEUの1年あたりの推定新規事例数は、1年あたりおよそ350,000である)。米国において結腸直腸癌の治療に関連した推定保健医療費は、8,000,000,000ドルを超える。] [0022] (結腸直腸癌診断) 今日において、便潜血試験、及び高度に浸潤的手順である結腸鏡検査は、結腸直腸癌の最も頻繁に使用されるスクリーニング及び診断方法である。他の診断ツールには、軟性S状結腸鏡検査(結腸の約半分のみの観察を可能にする)及び二重造影バリウム注腸(DCBE、X線像を得るため)を含む。] [0023] (結腸直腸癌ステージング) CRCは、4つの異なるステージを有する:米国国立衛生研究所(NIH)によると、ステージI疾患を有する患者は90%超の5年生存率を有し、転移性ステージIV疾患を有する患者は5%未満の生存率を有する。] [0024] (結腸直腸癌治療) いったんCRCと診断されたならば、正しい治療を選択すべき必要がある。手術は通常、直腸癌の主要な治療であるが、放射線及び化学療法がしばしば手術前になされる。手術の可能的副作用は、手術における出血、深部静脈血栓、及び手術中の近傍器官への損傷を含む。] [0025] 現在、結腸直腸癌患者の60パーセントは、それらの疾患を治療するために化学療法を受けるが、この治療形態は、人口の数パーセントのみに利益になる一方、大きな毒性の危険性をもたらし、それゆえ患者の選択基準をよりよく規定する必要を示す。] [0026] 結腸直腸癌は、初期診断後、平均18ヵ月以内に30〜40パーセントの再発率を有する。全ての癌と同様に、それがより早く検出されるほど、特に病理学者が大多数のCRC腫瘍が良性腺腫から一連の明確に規定されたステージで発生することを認めることがより早いほど、その癌が治癒する見込みは高くなる。] [0027] ステージごとの結腸癌生存] [0028] (頭頸部癌) 用語頭頸部癌とは、口唇、口腔(口)、鼻腔、副鼻腔、咽頭及び喉頭を含む、上気道消化管から生じる生物学的に類似の癌の群をいう。大部分の頭頸部癌は扁平上皮癌であり、これらの領域の粘膜的裏打ち(上皮)から生じる。頭頸部癌はしばしば首のリンパ節まで広がり、これはしばしば診断時の疾患の第1の徴候である。] [0029] 米国における頭頸部癌の新規事例数は、2006年に40,490であり、成人悪性の約3%を占めた。11,170人の患者が、2006年にそれらの疾患で死亡した。世界的な発生率は、毎年500,000事例を上回る。頭頸部癌の85%は、タバコ使用に関連する。北アメリカ及びヨーロッパにおいて、腫瘍は通常、口腔、中咽頭又は喉頭から生じるが、鼻咽頭癌は、地中海の国々及び極東においてより一般的である。東南中国及び台湾において、頭頸部癌、特に鼻咽頭癌は、青年において最も一般的な死因である。アフリカ系アメリカ人は、若年齢での発生、高い死亡率、及び提示に際してより進行した疾患を伴い、頭頸部癌に偏って罹患する。] [0030] (頭頸部癌診断) 頭頸部癌は、理学的検査、内視鏡検査、X線、コンピュータ断層撮影(CT)走査、磁気共鳴映像法(MRI)走査、PET走査及び生検を含むことができる試験の組合せを使用して診断される。頭頸部癌の初期徴候はしばしば検出されず、大多数の頭頸部癌患者は進行した疾患を呈し、かつしばしば二次腫瘍を有する。] [0031] (頭頸部癌ステージング) 頭頸部癌は、米国対癌合同委員会(AJCC)TNMシステムを使用して、ステージI〜IVに段階化される。頭頸部癌の全てのステージについての5年生存は35-50%であり、これは部分的には遅い提示に起因する。ステージI及びIIの生存率は40〜95%であり、ステージIII及びIVの生存率は0〜50%である。頭頸部癌患者の少なくとも1/3は、それらの疾患の結果として最終的に死亡すると予測される。5年死亡率は、治療モダリティの進歩にもかかわらず、この数十年間それほど変化していない。] [0032] (頭頸部癌治療) 手術及び放射線療法は主要な療法モダリティであり、しばしば併用される。化学療法は、手術の有無にかかわらず、導入療法として、又は放射線療法に対する補助として、使用できる。] [0033] (腎臓) 腎癌は、世界的に癌事例の約1.9%及び死の1.5%を占める。腎癌の世界的な発病率は、約208,000事例であり、100,000超が死亡する。腎癌の発病率は先進諸国において非常に高く、西ヨーロッパにおいて6番目に一般的な癌の形態である。毎年米国において、約38,900の腎癌の新規事例が診断され、約12,800が死亡する。腎癌は45歳未満では非常に稀であり、その発生率は55歳〜84歳において最も高い。腎癌を呈している人々の割合は、1年あたり約1.5%増加してきたが、死亡率は増加していなかった。腎細胞癌は、悪性腎腫瘍の90%超を占める。米国において毎年、およそ19億米国ドルが腎癌を治療することに費やされていると推定された。] [0034] (腎癌診断) 多くの腎細胞癌が遅い段階で発見される。腎細胞癌はいかなる痛み又は不快も生じることなく非常に大きくなることができ、早期に腎細胞癌を検出できる単純な試験は存在しない。腎細胞癌患者の約25%は、診断されるときに、既にそれらの癌の転移拡散を有する。] [0035] 腎細胞癌はしばしば、CTスキャン、MRI、超音波、陽電子放射断層撮影(PET)走査、静脈腎盂像(FVP)及び/又は血管造影法を使用して、生検を必要とすることなく診断できる。しかし細針吸引生検は、イメージング結果が腎臓を取り出すことを正当化するのに十分決定的でない場合、価値があり得る。] [0036] (腎癌ステージング) 腎細胞癌は、通常、1〜4のスケールに等級分けされる。腎細胞癌はまた、米国対癌合同委員会(AJCC)TNMシステムを使用して、ステージI〜IVに段階化される。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の総合ステージングシステムを使用することもでき、これは拡散腫瘍を有しない患者を3群、すなわち低リスク、中リスク及び高リスクに分類する。5年癌特異的生存は、低リスク群について91%であり、中リスク群について80%であり、高リスク群について55%である。拡散腫瘍を有する患者はまた、3群、すなわち低リスク、中リスク及び高リスクに分類される。5年癌特異的生存は、低リスク群について32%であり、中リスク群について20%であり、高リスク群について0%である。] [0037] (腎癌治療) 根治的腎摘除(及び、しばしば局所的リンパ節切除)、部分的な腎摘除又は腹腔鏡腎摘除による手術は、腎細胞癌の主要な治療である。腎細胞癌腫は放射線にほとんど感受性がなかった。研究が生存率の改良を示さなかったので、この癌を取り除く前又は後に放射線療法を使用することは日常的に推奨されない。] [0038] 腎細胞癌は、現在の形態の化学療法に非常に抵抗性である。ビンブラスチン、フロキシウリジン及び5-フルオロウラシル(5-FU)などのある種の薬剤は、若干効果的である。5-FU及びゲムシタビンの併用は、一部の患者のためになった。5-FU様薬剤であるカペシタビンも、いくつかの利点を有し得る。] [0039] サイトカイン(インターロイキン-2(IL-2)及びインターフェロン-α)は、転移性腎細胞癌の標準治療のうちの1つになった。サイトカインは、患者の約10%〜20%において、この癌をその元のサイズの半分未満に縮小させる。IL-2に応答する患者は、持続的な応答を有する傾向がある。IL-2、インターフェロン及び化学療法(5-フルオロウラシルを使用)の併用を用いた最近の研究も有望であり、部分的な又は完全な寛解のより良好なチャンスを提供し得る。しかしながら、サイトカイン療法は、重篤な副作用を有する。] [0040] ソラフェニブ(ネクサバル(Nexavar))、スニチニブ(スーテント(Sutent))及びベバシヅマブ(アバスチン)は、腎細胞癌に対しても有効であり得る他の薬剤である。] [0041] ステージごとの腎癌生存] [0042] (肺癌) 肺癌は、世界的に最も一般的な癌であり(癌事例の約12%を占める)、癌からの主要な死因である(死亡の約18%を占める)。肺癌の世界的な発病率は、1年あたり1,300,000であり、1,100,000超の死亡数を有する。米国において、1年あたり約170,000の新規事例(全ての癌の約13%)があり、約160,000が死亡(癌死の約28%)である。肺癌は、女性より男性においてより高度に蔓延している。肺癌と診断される人々のほぼ70%は、65歳より上であり、全ての事例の3%未満は、45歳未満の人々で発見される。全ての肺癌の約15%は、体内に広く拡散する傾向がある小細胞型(SCLC)であり、残りの85%は非小細胞(NSCLC)である。米国において毎年、およそ9.6億米国ドルが肺癌を治療することに費やされると推定されている。] [0043] (肺癌診断) 肺癌は胸部X線で検出できる前でさえもしばしば転移するので、肺癌は致命的な疾患である。通常、肺癌の症状は、進行した段階まで現れない。これまでに、人の治癒機会を向上させることを示したスクリーニング試験は存在しない。胸部X線、CTスキャン、MRI走査又はPET走査などのイメージング試験を使用して、肺癌を検出することができる。診断を確認する試験をそれから実行する。該試験には、痰細胞学、針生検、気管支鏡法、気管支内超音波及び完全血球測定(CBC)を含む。] [0044] (肺癌ステージング) 肺癌と診断された人々の約60%は、診断の1年範囲内で死亡し、75%は2年以内に死亡する。NSCLCと診断された人々についての5年生存率は約15%であり、SCLCについての5年生存率は約6%である。NSCLCは、米国対癌合同委員会(AJCC)TNMシステムを使用して、ステージ0〜ステージIVに段階化される。ステージごとの5年生存率は、以下の通りである:ステージI:47%、ステージII:26%、ステージIII:8%、及びステージIV:2%。SCLCは、2段階システム、すなわち限られたステージ及び広いステージを有する。SCLC患者の約2/3は、診断で広範疾患を有する。SCLCが非常に初期に見つかり、肺のみに限局される場合、5年生存率は約21%であるが、患者の6%のみがこのカテゴリ内である。癌が拡散した場合、5年生存は約11%である。広範疾患を有する患者について、5年生存はわずか2%である。] [0045] (肺癌治療) 手術は、NSCLCを治癒するための唯一の信頼性の高い方法である。手術の種類には、肺葉切除術、肺切除、部分切除術、及びビデオ補助胸部手術(小腫瘍について)を含む。特に患者の健康が手術を受けるにはあまりに劣っている場合、外照射療法がしばしば一次治療として使用される。放射線療法は、手術後に使用することもできる。化学療法は、一次治療として、又は手術に対する補助として、提供できる。他の治療が失敗した後、ゲフィチニブ又はエルロチニブなどの上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)アンタゴニストを使用する標的治療を提供することもできる。ベバシズマブなどの抗血管新生薬は、進行した肺癌患者の生存を延長することが見出された。光力学性治療は、肺癌の治療としても調査されている。] [0046] SCLCのための主要な治療は、化学療法単独、又は外照射療法及びごくまれに手術と併用しての化学療法である。] [0047] NSCLC及びSCLCのために使用する化学療法薬には、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシンC、イフォスファミド、ビンブラスチン、ゲムシタビン、エトポシド、ビノレルビン、パクリタキセル、ドセタキセル及びイリノテカンを含む。] [0048] (膵癌) 膵癌は検出するのが非常に困難な癌であり、通常、患者の予後は非常に悪い。1年あたりの新規事例及び死亡の数は、ほぼ等しい。膵癌の世界的な発病率は、1年あたりおよそ230,000事例(全ての癌事例の約2%)であり、約225,000が死亡する(癌死の3.4%)。膵癌は、先進世界においてより高度に蔓延している。米国において、1年あたり約34,000の新規事例があり、約32,000が死亡である。米国において毎年、およそ1,500,000,000米国ドルが膵癌を治療することに費やされていると推定されている。] [0049] (膵癌診断) 膵癌は検出するのが非常に困難であり、極めて少数の膵癌が早期に発見される。膵癌が他の器官に広がるまで、患者は通常症状がない。現在、初期の膵臓癌を正確に検出できる血液検査又は容易に利用できるスクリーニング試験は存在しない。内視鏡超音波とそれに続く生検は、膵癌を診断する最善の方法である。他の検出方法には、CT、CTガイド針生検、PET、超音波検査法及びMRIを含む。CA 19-9及び癌胚抗原(CEA)の血中濃度は上昇し得るが、血中濃度が検出されるのに十分高い頃には、膵癌はもはや初期ではない。] [0050] (膵癌ステージング) 膵癌は、米国対癌合同委員会(AJCC)TNMシステムに従う4つのステージ、すなわちステージI〜ステージIVを有する。膵癌は、除去可能、局所的進行(切除不能)、及び転移性の癌にも分けられる。進行癌患者について、全体の生存率は5年で1%未満であり、大部分の患者は1年以内に死亡する。] [0051] (膵癌治療) 手術は、膵癌を治癒する唯一の方法である。膵癌の約10%は診断時に膵臓の範囲内に完全に含まれ、手術によって全ての癌を取り除く試みはこれらの患者の一部において成功し得る。癌を完全に取り除く意図をもって手術を受けた患者の5年生存は、約20%である。癌の全てを取り除くことが可能であり得る場合、潜在的には治療的手術、通常では膵十二指腸切除(ホイップル手順)によって使用される。腫瘍を完全に取り除くにはあまりに広範囲である場合、対症手術を実行できる。癌の一部だけを取り出すことは、患者を長生きさせない。膵癌手術は、合併症の高い可能性を有するので、実行するのが困難である。] [0052] 化学療法と併用した外照射療法は手術の前又は後に提供でき、腫瘍が手術によって取り除かれるにはあまりに広範囲にわたる患者に提供することもできる。使用される主な化学療法薬は、ゲムシタビン及び5-フルオロウラシルである。エルロチニブ及びセツキシマブなどの薬剤を使用する標的治療は、進行した膵癌を有する患者の利益であり得る。] [0053] (治療的挑戦) 先に記載した癌の治療における主な挑戦は、特に5年生存が未だ不良である高度に進行性の疾患について、早期検出率を向上させること、疾患進行を追跡して再発を確認するために使用することができる新規な非侵襲性のマーカーを発見すること、改良されかつより中毒性の低い療法を発見することである。癌細胞に高度に特異的である標的、例えば腫瘍細胞の表面に発現されるものを同定する大きな必要性があり、これにより該癌細胞を免疫療法及び標的毒素のような有望な新規アプローチで攻撃できる。] [0054] (本発明の要旨) 本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌のスクリーニング、診断、予後及び療法のための、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌患者の層化のための、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌治療の有効性をモニターするための、並びに膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療用薬剤開発のための、方法及び組成物を提供する。] [0055] 出願人らは、質量分析を使用して、iTRAQ試薬、及び結腸直腸癌、腎癌又は肺癌組織試料から抽出された膜タンパク質のトリプシン消化を用いたタグ化により生じたペプチドを同定した。ペプチド配列は、既存のタンパク質及びcDNAデータベース並びに同定された対応する遺伝子配列と比較した。免疫組織化学実験を行い、強い染色が膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌試料において観察された。本発明のタンパク質は、以前に、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の細胞膜から生じること又はこれらの癌において発見されたことの報告がなされておらず、これは本発明のタンパク質が新たな診断的及び治療的価値のあるタンパク質であることを表す。] [0056] 本発明の第1の態様は、癌、特に膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌などの疾患の治療、スクリーニング、検出及び/又は診断における使用のための、エフリンA型受容体10若しくはその断片に特異的に結合し得る作用物質、又はエフリンA型受容体10若しくはその断片をコードする核酸にハイブリダイズし得るハイブリダイズ剤、又はエフリンA型受容体10の活性を検出し得る作用物質である。] [0057] 本発明の別の態様は、癌、特に膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌などの疾患の治療、スクリーニング、検出及び/又は診断における使用のための、エフリンA型受容体10若しくはその断片である。] [0058] 本発明の別の態様は、エフリンA型受容体10若しくはその断片に特異的結合し得る親和性試薬であり、例えば、検出可能な標識を含むか若しくはそれに抱合化されている、又は細胞傷害性部分などの治療的部分を含むか若しくはそれに抱合化されている、親和性試薬である。親和性試薬は、例えば、抗体であり得る。] [0059] いくつかの実施態様において、本発明の抗体は、以下からなる群から選択される:全抗体、抗体断片、ヒト化抗体、単鎖抗体、免疫複合体、脱フコシル化抗体、及び二重特異性抗体。抗体断片は、以下からなる群から選択できる:ユニボディ、ドメイン抗体及びナノボディ。いくつかの実施態様において、本発明の免疫複合体は、治療剤を含む。本発明の別の態様において、治療剤は、細胞傷害剤又は放射性同位元素である。] [0060] いくつかの実施態様において、本発明の抗体は、以下からなる群から選択される:アフィボディ、DARPin、アンチカリン、アビマー、バーサボディ及びデュオカリン。] [0061] 本発明の別の態様は、エフリンA型受容体10若しくはその断片をコードする核酸にハイブリダイズし得るハイブリダイズ剤、例えば検出可能な標識を含むか又はこれに抱合化されているハイブリダイズ剤である。ハイブリダイズ剤の1つの例は、抑制RNA(RNAi)である。他の例は、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムを含む。] [0062] また本発明は、先に記載した方法におけるそれらの使用のための取扱説明書と共に、エフリンA型受容体10及び/又はその1以上の断片を含むか、又は1以上の先に記載した親和性試薬及び/又はハイブリダイズ剤を含むか、又はエフリンA型受容体10の活性を検出し得る1以上の作用物質を含む、キットを提供する。本キットは、前記親和性試薬及び/又はハイブリダイズ剤のそれらの結合パートナーへの結合を検出して報告できる試薬をさらに含むことができる。] [0063] 本発明の別の態様は、エフリンA型受容体10若しくはその断片に特異的結合し得る親和性試薬の治療上有効量を含む医薬組成物である。] [0064] 本発明の別の態様は、先に記載した1以上の親和性試薬若しくはハイブリダイズ試薬及び医薬として許容し得る希釈剤又は担体を含む、医薬として許容し得る希釈剤若しくは担体及び医薬組成物である。] [0065] いくつかの実施態様において、本発明は抗エフリンA型受容体10抗体を生産する方法であって:本発明の抗体をコードする1以上の核酸分子を含む宿主細胞を得る工程;該宿主細胞を宿主細胞培養で増殖させる工程;1以上の核酸分子が発現される宿主細胞培養条件を提供する工程;及び、該宿主細胞から又は該宿主細胞培養から抗体を回収する工程;を含む、前記生産方法を提供する。] [0066] 他の本発明の態様は、本発明の抗体を生産する方法であって:ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニック動物をエフリンA型受容体10ペプチドで免疫をする工程;前記トランスジェニック動物からB細胞を回収する工程;前記B細胞からハイブリドーマを作る工程;エフリンA型受容体10を結合する抗体を発現するハイブリドーマを選択する工程;及び、前記選択されたハイブリドーマからエフリンA型受容体10を結合する前記抗体を回収する工程;を含む、前記生産方法に関する。] [0067] 他の実施態様において、抗エフリンA型受容体10抗体を生産する方法は: ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニック動物をエフリンA型受容体10ペプチドで免疫する工程; 前記トランスジェニック動物のB細胞からmRNAを回収する工程; 前記mRNAをcDNAに変換する工程; 前記cDNAによってコードされる抗エフリンA型受容体10抗体が前記ファージの表面に提示されるように、ファージにおいて前記cDNAを発現させる工程; 抗エフリンA型受容体10抗体を提示するファージを選択する工程; 前記抗エフリンA型受容体10免疫グロブリンをコードする前記選択されたファージから核酸分子を回収する工程; 宿主細胞において前記回収された核酸分子を発現させる工程;及び、 エフリンA型受容体10を結合する前記宿主細胞から抗体を回収する工程;を含む。] [0068] 本発明の別の態様は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療又は予防のための、エフリンA型受容体10ポリペプチド、その1以上の免疫原性断片又は誘導体の使用を提供する。] [0069] 別の態様において、本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療する方法であって、(a)膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の発症又は発生を予防するために、(b)膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行を予防するために、又は(c)膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の症状を寛解させるために、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有する患者に、本発明のタンパク質の発現若しくは生物活性(又はその両方)を調節(例えば、上方制御するか又は下方制御する)又は補完する化合物の治療上有効量を投与することを含む、前記方法を提供する。] [0070] 本発明の別の態様では、出願人らは、対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/若しくはスクリーニングし、若しくはこれらの進行をモニタリングする方法、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果をモニタリングする方法であって、前記対象における、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在若しくはレベル、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在若しくはレベル、又はエフリンA型受容体10の活性の存在若しくはレベルを検出することを含む、又は該レベルの変化を検出することを含む、前記方法を提供する。] [0071] 本発明の別の態様によると、出願人らは、候補対象における膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/又はスクリーニングする方法であって、前記候補対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在を検出することを含み、ここで(a)健常対象のレベルと比較しての候補対象における、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片のレベルの上昇、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸若しくはその相補体のレベルの上昇の存在、又はエフリンA型受容体10の活性レベルの上昇の存在、又は(b)健常対象において対応する検出不可能なレベルと比較しての候補対象における、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の検出可能なレベル、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の検出可能なレベルの存在、又はエフリンA型受容体10活性の検出可能なレベルの存在のいずれかが、前記対象における膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の存在を示す、前記方法を提供する。] [0072] 本発明の別の態様によると、出願人らは、対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行をモニタリングする方法、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果をモニタリングする方法であって、第1の時点及びその後の時点での前記候補対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、若しくはエフリンA型受容体10の活性の存在、前記第1の時点での該対象におけるレベルと比較してその後の時点での該対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片のレベルの上昇若しくは低下、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸のレベルの上昇若しくは低下の存在、又はエフリンA型受容体10の活性のレベルの上昇若しくは低下の存在を検出することを含み、これが前記対象における、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行若しくは退行を示し、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果若しくは非効果を示す、前記方法を提供する。] [0073] エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、若しくはエフリンA型受容体10の活性の存在は、例えば、前記対象から得られる生体試料の分析により検出されてよい。] [0074] 発明の方法は、典型的には、前記対象から分析のために生体試料を得る工程を含み得る。] [0075] 使用される試料は、血清試料又は組織試料、例えば膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺又は膵臓組織などの任意の供給源由来であり得る。例えば、転移性膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の根拠を探す場合、1つには、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌転移の主要部位、例えば、膀胱癌については前立腺、子宮、膣、骨、肝臓又は肺;乳癌については肝臓、肺及び骨;結腸直腸癌については肝臓、腹膜腔、骨盤、後腹膜及び肺;頭頸部癌については肺、骨及び肝臓;腎癌については骨、肺及び肝臓;肺癌については脳、肝臓、骨及び副腎;及び、膵癌については肝臓;を調べるであろう。] [0076] あるいは、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在は、インサイチュウ分析により検出できる。] [0077] ある種の実施態様において、本明細書中に記載されている診断の方法は、少なくとも部分的に又は完全に、インビトロで実施できる。] [0078] 好適には、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在は、定量的に検出される。] [0079] 例えば、定量的に検出することは、以下を含むことができる: (a)生体試料を、エフリンA型受容体10に特異的な親和性試薬(前記親和性試薬は、任意に検出可能な標識に抱合化されている)と接触させること;及び、 (b)結合が、該試料において該親和性試薬と少なくとも1つの種との間に発生したかどうかを検出すること(前記検出は、直接的又は間接的に実施される)。] [0080] あるいは、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在は、イメージング技術の使用を含む手段によって定量的に検出できる。] [0081] 別の実施態様において、本発明の方法は、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在を測定し、これにより膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の細胞を限局化するための、組織切片における免疫組織化学の使用を含む。] [0082] 一実施態様において、エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片の存在は、例えば抗体などの、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片に特異的結合し得る親和性試薬を使用して、検出される。] [0083] 別の実施態様において、エフリンA型受容体10の活性が検出される。エフリンA型受容体10は、受容体タンパク質チロシンキナーゼである。エフリンA型受容体10の活性は、特定のリガンドの結合に応答してのチロシン、セリン又はスレオニン残基(好ましくはチロシン)のリン酸化を測定することにより、検出される。好ましくは、エフリンA型受容体10の活性は、特定のリガンドの結合に応答してのエフリンA型受容体10アミノ酸配列のリン酸化を測定することにより、検出される。あるいは、特定のリガンドのエフリンA型受容体10への結合に応答してのエフリンA型受容体10結合タンパク質(好ましくは受容体タンパク質チロシンキナーゼのEphファミリーの別のメンバー)の特定のリン酸化を測定してもよい。受容体タンパク質チロシンキナーゼのEphファミリー及びそれらのそれぞれの天然結合リガンドの活性の説明は、H. Surawskaらの文献, Cytokine & Growth Factor Reviews 15:419-433, 2004に含まれる。] [0084] 本発明の別の態様によると、対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/又はスクリーニングし、若しくはこれらの進行をモニタリングする方法、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果をモニタリングする方法であって、前記対象における、エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在若しくはレベルを検出することを含み、又はそのレベルの変化を検出することを含む、前記方法が提供される。] [0085] 本発明の別の態様によると、対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/又はスクリーニングする方法であって、前記対象において、エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在を検出することを含み、ここで(a)健常対象のレベルと比較しての前記対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体のレベルの上昇の存在、又は(b)健常対象において対応する検出不可能なレベルと比較しての前記対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の検出可能なレベルの存在のいずれかが、前記対象における膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の存在を示す、前記方法も提供される。] [0086] 1つの具体的方法は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/又はスクリーニングする方法であって: (a)試験すべき生体試料をエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片との接触に供すること;及び、 (b)該対象において、エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在を検出すること;を含む。] [0087] 本発明の別の態様によると、対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行をモニタリングする方法、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果をモニタリングする方法であって、第1の時点及びその後の時点での前記対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在、前記第1の時点での前記対象におけるレベルと比較してその後の時点での前記対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体のレベルの上昇若しくは低下の存在を検出することを含み、これが前記対象における、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行若しくは退行を示し、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果若しくは非効果を示す、前記方法が提供される。] [0088] エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在は、典型的には、前記対象から得られる生体試料(例示的な生体試料は、先に記載しており、当該試料は、膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺若しくは膵臓の組織、又は他には血液若しくは唾液の試料である)の分析によって検出される。] [0089] 該方法は、典型的には、前記対象から分析のために前記生体試料を得るステップを含む。] [0090] 検出できる抗体には、IgA、IgM及びIgG抗体を含む。] [0091] 上記方法のいずれかにおいて、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有する候補対象において検出され得るレベルは、健常対象におけるレベルよりも2倍以上高い。] [0092] 一実施態様において、検出され、予防され又は治療される癌は、膀胱癌である。] [0093] 別の実施態様において、検出され、予防され又は治療される癌は、乳癌である。] [0094] 別の実施態様において、検出され、予防され又は治療される癌は、結腸直腸癌である。] [0095] 別の実施態様において、検出され、予防され又は治療される癌は、頭頸部癌である。] [0096] 別の実施態様において、検出され、予防され又は治療される癌は、腎癌である。] [0097] 別の実施態様において、検出され、予防され又は治療される癌は、肺癌である。] [0098] 別の実施態様において、検出され、予防され又は治療される癌は、膵癌である。] [0099] 本発明の他の態様は、本明細書の以下において、及び特許請求の範囲において、記載される。] 図面の簡単な説明 [0100] 本発明のタンパク質のアミノ酸配列を示す。質量分析によって実験的に検出されるトリプシンペプチドはハイライト表示し、質量マッチペプチドは太字とし、タンデムペプチドには下線を引いている。 該核酸配列を示す。] [0101] (発明の詳細な説明) 以下に詳細に記載されている本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防するための、哺乳動物対象への治療組成物の投与を包含する。また本発明は、哺乳動物対象における膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の臨床スクリーニング、診断及び予後のための、特定の治療に最も応答しそうな患者を同定ための、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の療法の結果をモニタリングするための、薬剤スクリーニング及び薬剤開発のための、方法並びに組成物を提供する。] [0102] 一態様において、本発明は、癌などの疾患、特に膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療、スクリーニング、検出及び/又は診断における使用のための、エフリンA型受容体10に特異的結合し得る作用物質若しくはその断片、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸にハイブリダイズし得るハイブリダイズ剤、エフリンA型受容体10の活性を検出し得る作用物質を提供する。] [0103] 本発明の別の態様は、エフリンA型受容体10に特異的結合し得る親和性試薬若しくはその断片であり、例えば、検出可能な標識を含むか若しくはそれに抱合化されている、又は細胞傷害性部分などの治療的部分を含むか若しくはそれに抱合化されている親和性試薬である。親和性試薬は、例えば、抗体であり得る。] [0104] 本発明の別の態様は、エフリンA型受容体10に特異的結合し得る親和性試薬若しくはその断片の治療上有効量を含む医薬組成物である。] [0105] 別の態様において、本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療又は予防のために、エフリンA型受容体10ポリペプチド又はその1以上の断片若しくは誘導体の使用を提供する。] [0106] また本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療又は予防のための医薬品の製造における、エフリンA型受容体10ポリペプチド、その1以上の断片若しくは誘導体の使用を提供する。] [0107] 一態様において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療又は予防のために、エフリンA型受容体10ポリペプチド、その1以上の断片若しくは誘導体、又はその1以上の断片若しくは誘導体の治療上有効量を投与することを含む、治療方法が提供される。] [0108] 本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療若しくは予防の方法、又は膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌に対し対象にワクチン接種する方法であって、エフリンA型受容体10ポリペプチド及び/又はその1以上の抗原性若しくは免疫原性断片の有効量を対象に投与するステップを含む前記方法をさらに提供する。] [0109] 哺乳動物対象は、ヒト以外の哺乳動物でもよいが、好ましくはヒト、より好ましくはヒトの成人、すなわち少なくとも21歳(より好ましくは、少なくとも35歳、少なくとも50歳、少なくとも60歳、少なくとも70歳又は少なくとも80歳)のヒト対象である。] [0110] 一態様において、対象において免疫応答を誘発し得る組成物であって、エフリンA型受容体10ポリペプチド及び/又はその1以上の抗原性若しくは免疫原性断片、並びに1以上の適切な補助剤(適切な補助剤は後に記載する)を含む、前記組成物が提供される。] [0111] 免疫応答を誘発し得る組成物は、例えば、エフリンA型受容体10ポリペプチド又はその誘導体及び/又はその1以上の抗原性若しくは免疫原性断片を含むワクチンとして提供できる。] [0112] 開示の明確化のために、及び限定を目的とせずに、本発明は、膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺又は膵臓組織の分析に関して記載されている。しかしながら、当業者に公知であるように、後に記載する分析及び技術は、他のタイプの患者試料に適用でき、該試料には体液(例えば、血液、尿又は唾液)、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌のリスクを有する患者からの組織試料(例えば、膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺又は膵臓などの生検)又はそのホモジェネートを含む。本発明の方法及び組成物は、生存対象のスクリーニング、診断及び予後に特に適するが、例えば、同疾患を発生するリスクのある家族メンバーを同定するために、対象の死後診断用に使用することもできる。] [0113] (エフリンA型受容体10) 本発明の一態様では、相対的及び絶対的定量化(iTRAQ)のための等圧タグ(isobaric tag)又は他の適切な方法を使用して、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌のスクリーニング若しくは診断用に本発明のタンパク質の発現を測定するために、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の患者の予後を測定するために、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の療法の有効性をモニターするために、又は薬剤開発のために、対象、好ましくは生存対象由来の乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の組織試料を分析する。] [0114] 本明細書中で使用する用語「本発明のタンパク質」又は「エフリンA型受容体10」とは、図1に記載するタンパク質又はその断片をいう。本タンパク質は、本明細書中に記載されている様々な方法により検出でき、実験的には結腸直腸癌、腎癌及び肺癌の組織試料のiTRAQ分析によるものを含む。これらの配列のタンパク質誘導体は、本明細書中に記載するものと同じ目的に有用であり得る。] [0115] このタンパク質は、好ましい技術(膜タンパク質抽出物のiTRAQ及びトリプシン消化)の方法及び装置により、結腸直腸癌、腎癌及び肺癌患者からの結腸直腸癌、腎癌及び肺癌の組織試料の膜タンパク質抽出物において同定された。ペプチド配列は、SWISS-PROT及びtrEMBLデータベース(www.expasy.comで利用できる、スイスバイオインフォマティクス研究所(SIB)及びヨーロッパバイオインフォマティクス研究所(EBI)の管理下にある)及び下記のエントリ:Q5JZY3と比較され、エフリンA型受容体10が同定された。このタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、アクセッション番号NM_001099439で見出され、これは引用により本明細書に明示的に組み込まれる。該ヌクレオチド配列は、図2において見出される。] [0116] SWISS-PROTによれば、エフリンA型受容体10は、主に精巣において発現される。それは、エフリン-Aファミリーメンバーの受容体であり、EFNA3、EFNA4及びEFNA5に結合する。エフリンA型受容体10は、Eph受容体タンパク質チロシンキナーゼファミリーのメンバーである。そのキナーゼドメインは、固有のキナーゼ活性を有しないエフリンA型に最も密接に似ているが、別のキナーゼ活性型Eph受容体タンパク質チロシンキナーゼタンパク質と二量体結合し、活性複合体を形成する。] [0117] エフリンA型受容体10は、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌及び膵癌において発現することも示される。免疫組織化学実験(実施例2を参照されたい)は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌に強い染色を示した。したがって、エフリンA型受容体10の検出は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の診断用マーカーとして有用である。いくつかの実施態様において、エフリンA型受容体10の検出は、膀胱癌、乳癌、頭頸部癌及び膵癌の診断用マーカーとして有用である。] [0118] 本発明のタンパク質は、断片、特にエピトープ含有断片、例えばその抗原性若しくは免疫原性断片及びその誘導体として有用である。抗原性若しくは免疫原性断片を含むエピトープ含有断片は、典型的には、長さ12アミノ酸以上、例えば20アミノ酸以上、例えば50又は100アミノ酸以上である。断片は、完全なタンパク質の長さの95%以上、例えば90%以上、例えば完全なタンパク質の長さの75%又は50%又は25%又は10%以上であってよい。] [0119] あるいは、本明細書中において使用され又は言及されるタンパク質/ポリペプチドは、本願明細書に具体的に列挙/記載したもの、又はそれに80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98若しくは99%同一若しくは類似のものに限定され得る。] [0120] 抗原性若しくは免疫原性断片などのエピトープ含有断片は、患者において関連する免疫応答を誘発できる。本発明のタンパク質をコードするDNAは、その断片、例えばその免疫原性断片などの本発明のタンパク質のDNAをコードする断片としても有用である。本発明のタンパク質をコードする核酸(例えばDNA)の断片は、完全なコード領域の長さの95%以上、例えば90%以上、例えば完全なコード領域の長さの75%又は50%又は25%又は10%以上であってよい。核酸(例えばDNA)の断片は、36ヌクレオチド以上、例えば60ヌクレオチド以上、例えば150又は300ヌクレオチド以上の長さであってよい。] [0121] 本発明のタンパク質の誘導体は、1以上(1〜20例えば15アミノ酸、又はタンパク質の全長に基づくアミノ酸の数に対して最高で10%又は5%又は1%などの最高で20%)の削除、挿入又は置換がなされた配列上の異型を含む。置換は、典型的には、保存的置換であり得る。誘導体は、典型的には、それらが誘導されるタンパク質と同じ生物学的機能を基本的に有する。誘導体は、典型的には、それらが誘導されるタンパク質に同等に抗原性であるか又は免疫原性である。誘導体は、典型的には、それらが誘導されるタンパク質のうち、リガンド結合活性若しくは活性受容体複合体形成能力のいずれか、又は好ましくはその両方を有する。] [0122] タンパク質の誘導体には、例えば精製中に処理される、カルボキシメチル化された、カルボキシアミド化された、アセチル化されたタンパク質などの化学的に処理されたタンパク質を含む。] [0123] 下記の表1a〜1dは、それぞれ結腸直腸癌、腎癌、非小細胞肺癌及び小細胞肺癌患者由来の結腸直腸、腎臓及び肺の組織試料の膜タンパク質抽出物の質量分析により検出されたエフリンA型受容体10の異なる発生を明示する。第1列は試料番号を提供し、第2列は該試料についてのiTRAQ実験番号を提供し、かつ最後の列は質量分析により得られた配列の一覧及びその対応する配列番号を提供する。] [0124] ] [0125] エフリンA型受容体10について、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌を有しない対象由来の組織を分析することで得られた検出レベルに対して相対的な、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有する対象由来の組織を分析することで得られた検出レベルは、使用される具体的な分析プロトコル及び検出技術に依存する。したがって、本発明は、各研究室が、診断技術において従来のように、使用に際しての分析プロトコル及び検出技術に従い、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌を有しない対象における参照範囲を確立することを意図する。好ましくは、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有することが既知の対象からの少なくとも1つの陽性対照の組織試料、又は乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌でないことが既知の対象からの少なくとも1つの陰性対照の組織試料(より好ましくは、陽性及び陰性の対照試料の両方)は、分析される試験試料の各バッチに含まれる。] [0126] エフリンA型受容体10は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の検出、予後、診断又はモニタリングのために、又は薬剤開発のために、使用できる。本発明の一実施態様において、対象(例えば、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有することが疑われる対象)からの組織は、エフリンA型受容体10の検出についてiTRAQにより分析される。膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有しない対象由来の組織、又は予め決定された参照範囲に対して相対的な、前記対象由来の組織におけるエフリンA型受容体10の量の増加は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌の存在を示す。] [0127] 表1に示される配列は、本発明の任意の関連する態様で使用できる。] [0128] エフリンA型受容体10の異型、断片、エピトープ含有断片、免疫原性断片又は抗原性断片に関して: −結腸直腸癌用途について、本発明の一態様において、これらは、表1aの3番目の列にトリプシン配列として同定される配列を含み; −腎癌用途について、本発明の一態様において、これらは、表1bの3番目の列にトリプシン配列として同定される配列を含み; −非小細胞肺癌用途について、本発明の一態様において、これらは、表1cの3番目の列にトリプシン配列として同定される配列を含み; −小細胞肺癌用途について、本発明の一態様において、これらは、表1dの3本目の列にトリプシン配列として同定される配列を含む。] [0129] 本明細書中で使用するように、エフリンA型受容体10は、実質的に混入タンパク質がない調製物、すなわち、存在するタンパク質総量の10%未満(好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満)がタンパク質混入している調製物が存在する場合、「単離」されている。混入タンパク質は、質量スペクトル分析によって決定されるとおり、単離されたエフリンA型受容体10の配列と著しく異なるアミノ酸配列を有するタンパク質である。本明細書中で使用する「著しく異なる」配列は、本明細書の実施例1に記載されている参照プロトコルに従って実行される質量スペクトル分析によってエフリンA型受容体10から分割される混入タンパク質を認めるものである。] [0130] 従って、一態様において、本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の治療のための医薬組成物であって、治療上有効量のエフリンA型受容体10ポリペプチド(特に上記に定義したもの)又はその免疫原性断片及び補助剤を含む、前記医薬組成物を提供する。] [0131] エフリンA型受容体10は、当業者に公知の方法によりアッセイでき、該方法には、本明細書に記載する好ましい技術、キナーゼアッセイ、酵素アッセイ、結合アッセイ、及び他の機能的アッセイ、イムノアッセイ及びウエスタンブロッティングを含むがこれらに限定されない。一実施態様において、エフリンA型受容体10は、相対的及び絶対的定量化(iTRAQ)のための等圧タグを使用して分析される。] [0132] あるいは、エフリンA型受容体10は、イムノアッセイで検出できる。一実施態様において、イムノアッセイは、エフリンA型受容体10が存在する場合に結合(例えば免疫特異的結合)が起こり得る条件下で、試験される対象由来の試料を、抗エフリンA型受容体10抗体(又は他の親和性試薬)と接触させること、及び前記作用物質による結合(例えば免疫特異的結合)の量を検出又は測定することにより、実施される。エフリンA型受容体10結合剤は、本明細書に教示される方法及び技術によって製造できる。] [0133] エフリンA型受容体10は、その断片、例えばそのエピトープ含有(例えば、免疫原性又は抗原性)断片の検出特性により、検出できる。断片は、少なくとも10、より典型的には少なくとも20アミノ酸、例えば少なくとも50又は100アミノ酸、例えば少なくとも200又は500アミノ酸、例えば少なくとも800又は1000のアミノ酸の長さを有することができる。] [0134] 一実施態様において、組織切片における親和性試薬(例えば抗体)の結合は、異常なエフリンA型受容体10局在、又はエフリンA型受容体10の異常なレベルを検出するために、使用できる。特定の実施態様において、エフリンA型受容体10に対する抗体(又は他の親和性試薬)は、エフリンA型受容体10のレベルについて患者組織(例えば、膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺又は膵臓組織)をアッセイするために使用でき、該アッセイにおける異常なレベルのエフリンA型受容体10は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の指標である。本明細書中で使用する「異常なレベル」とは、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有しない対象におけるレベル、又は参照レベルと比較して増加したレベルを意味する。] [0135] ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射線測定法、蛍光イムノアッセイ及びタンパク質Aイムノアッセイなどの技術を使用する競合的及び非競合的アッセイ系を含むがこれに限定されない、任意の適切なイムノアッセイを使用することができる。] [0136] 例えば、エフリンA型受容体10は、二段階サンドイッチアッセイによって、流体試料(例えば、血液、尿又は唾液)にて検出できる。第一段階において、捕捉試薬(例えば、抗エフリンA型受容体10抗体又は他の親和性試薬)を使用して、エフリンA型受容体10を捕捉する。捕捉試薬は、任意に、固相上に固定できる。第二段階において、直接又は間接的に標識された検出試薬を使用して、捕捉されたエフリンA型受容体10を検出する。一つの実施態様において、検出試薬は、レクチンである。エフリンA型受容体10と同じコアタンパク質を有する他のアイソフォーム、又は該抗体により認識される抗原決定基を共有する他のタンパク質に対してよりもエフリンA型受容体10に優先的に結合するこの目的のために、任意のレクチンを使用できる。好ましい実施態様において、選ばれたレクチンは、エフリンA型受容体10と同じコアタンパク質を有する前記他のアイソフォーム、又は該親和性試薬により認識される抗原決定基を共有する前記他のタンパク質に対してよりも、少なくとも2倍大きな親和性、より好ましくは少なくとも5倍大きな親和性、さらにより好ましくは少なくとも10倍大きな親和性で、エフリンA型受容体10を結合する。本記載に基づき、エフリンA型受容体10を検出することに適しているレクチンは、公知技術の方法によって容易に同定でき、例えば、Gabius H-J及びGabius S (編), 1993, 「レクチン及び糖鎖生物学(Lectins and Glycobiology)」の158-174頁におけるSumarらによる「疾患関連糖形態の指標としてのレクチン(Lectins as Indicators of Disease-Associated Glycoforms)」の158〜159頁の表Iに列挙されている1以上のレクチン(引用によりその全てが本明細書に組み込まれる)を試験できる。代替的実施態様において、検出試薬は抗体(又は他の親和性試薬)であり、例えば特に他の翻訳後修飾を(例えば免疫特異的に)検出する抗体、例えばリン酸化されたアミノ酸に免疫特異的に結合する抗体である。この種の抗体の例には、ホスホチロシンに結合する抗体(BD Transduction Laboratories社、カタログ番号:P11230-050/P11230-150; P11120; P38820; P39020)、ホスホセリン(Zymed Laboratories社、South San Francisco, CA, カタログ番号61-8100)に結合する抗体、及びホスホスレオニンに結合する抗体(Zymed Laboratories社、South San Francisco, CA, カタログ番号71-8200, 13-9200)に結合する抗体を含む。] [0137] 必要に応じて、相補配列を含み、エフリンA型受容体10、関連する遺伝子、又は関連する核酸配列若しくはサブ配列をコードする遺伝子もハイブリダイゼーションアッセイに使用できる。エフリンA型受容体10をコードするヌクレオチド、又は少なくとも8ヌクレオチド、好ましくは少なくとも12ヌクレオチド及び最も好ましくは少なくとも15ヌクレオチドを含むそのサブ配列は、ハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。エフリンA型受容体10をコードする遺伝子の異所性発現に関連する状態、障害若しくは疾患状態の検出、予後、診断若しくはモニタリングのために、又は膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌で示唆的徴候又は症状を有する対象の鑑別診断のために、ハイブリダイゼーションアッセイを使用できる。具体的には、この種のハイブリダイゼーションアッセイは、核酸を含んでいる対象の試料を、エフリンA型受容体10をコードするDNA若しくはRNAにハイブリダイズし得る核酸プローブと、ハイブリダイゼーションが起こり得る状態下で接触させること、及びその結果生じたハイブリダイゼーションの全てを検出若しくは測定すること、を含む方法により実施できる。] [0138] それゆえ、エフリンA型受容体10をコードする核酸(例えばDNA、又はより好適にはRNA)は、例えば、エフリンA型受容体10をコードする核酸を検出し得るハイブリダイズ剤を使用して検出できる。] [0139] そのような典型的な方法には、以下を含む: (a)エフリンA型受容体10をコードするヌクレオチド配列に相補的な10以上の連続ヌクレオチドを含む1以上のオリゴヌクレオチドプローブを、対象由来の生体試料から得られるRNAと、又はRNAからコピーしたcDNAと接触させることであって、存在する場合、該プローブの該ヌクレオチド配列へのハイブリダイゼーションができる状態下で起こる、前記接触工程; (b) 該プローブと該ヌクレオチド配列との間におけるハイブリダイゼーションが存在する場合に検出する工程;及び、 (c)工程(b)において検出される場合、該ハイブリダイゼーションを、対照試料において検出されるハイブリダイゼーションと、又は予め決定された参照範囲と比較する工程;を含む。] [0140] また本発明は、抗エフリンA型受容体10抗体(又は他の親和性試薬)を含む診断用キットを提供する。加えて、このようなキットは、以下の1つ以上を任意に含んでいてもよい: (1)診断、予後、治療的モニタリング又は任意の組合せについての抗エフリンA型受容体10親和性試薬を使用するための当該適用の取扱説明書;(2)親和性試薬に対する標識化結合パートナー;(3)抗エフリンA型受容体10親和性試薬が固定されている固相(試薬ストリップなど);及び(4)診断、予後若しくは治療的使用又は任意のそれらの組み合わせのための規制認可を示す標識又は挿入物。該親和性試薬に標識された結合パートナーがない場合、抗エフリンA型受容体10親和性試薬自体を、検出可能なマーカー、例えば化学発光部分、酵素部分、蛍光部分、放射性部分で標識できる。] [0141] また本発明は、エフリンA型受容体10をコードする核酸、好適にはRNAにハイブリダイズし得る核酸プローブを含むキットを提供する。特定の実施態様において、キットは、1以上の容器に、適切な反応条件下で、例えばポリメラーゼ連鎖反応(例えば、Innisらの文献, 1990, 「PCRプロトコル(PCR Protocols)」, Academic Press社, San Diego, CAを参照されたい)、Qβレプリカーゼのリガーゼ連鎖反応(EP 320,308を参照)使用、周期的プローブ反応又は公知技術の他の方法により、エフリンA型受容体10をコードする核酸の少なくとも一部の増幅を開始することができる一対のプライマー(例えば、各々、6〜30ヌクレオチド、より好ましくは10〜30ヌクレオチド及びさらにより好ましくは10〜20ヌクレオチドのサイズ範囲)を含む。] [0142] キットは、任意に、例えば標準又は対照として、予め定められた量のエフリンA型受容体10又はエフリンA型受容体10をコードする核酸をさらに含むことができる。] [0143] (臨床研究における使用) 本発明の診断法及び組成物は、例えば、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の療法用薬剤を評価するための臨床研究をモニタリングする際に助力できる。一実施態様において、候補分子は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有する対象のエフリンA型受容体10レベルを、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌及び膵癌を有しない対象において見出されるレベルに回復させるそれらの能力について、又は治療された対象におけるエフリンA型受容体10レベルを非膀胱癌、非乳癌、非結腸直腸癌、非頭頸部癌、非腎癌、非肺癌若しくは非膵癌の値に若しくはその近傍に保持するそれらの能力について、試験される。] [0144] 別の実施態様において、本発明の方法及び組成物は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有する個人を同定するための臨床研究の候補をスクリーニングするために使用する。その後、そのような個人は、研究から除外でき、又は治療若しくは分析について別々のコホートに置くことができる。] [0145] (本発明のタンパク質及び対応する核酸の生産) 1つの態様において、本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防する方法であって、そのような治療又は予防を必要とする対象に、治療上有効量のエフリンA型受容体10をコードする核酸又はその1以上の断片若しくは誘導体を、例えばワクチンの形態で投与することを含む、前記方法を提供する。] [0146] 別の態様において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防する方法であって、そのような治療又は予防を必要とする対象に、エフリンA型受容体10の機能若しくは発現を阻害する核酸の治療上有効量を投与することを含む、前記方法を提供する。] [0147] 本発明の方法(及び/又は本明細書に開示される他のDNA態様)は、例えば、該核酸がエフリンA型受容体10アンチセンス核酸若しくはリボザイムである方法を含み得る。] [0148] 従って、本発明は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防するための薬剤の製造における、エフリンA型受容体10をコードする核酸又はその1以上の断片若しくは誘導体の使用を含む。] [0149] 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防するための医薬の製造における、エフリンA型受容体10の機能又は発現を阻害する核酸の使用も提供される。] [0150] 本発明に使用されるDNAは、開始物質として市販mRNAを使用するcDNAライブラリからcDNA断片としての単離により得ることができ、そのヌクレオチド配列を決定及び同定することができる。すなわち、具体的には、クローンは、Oharaらの方法(DNA Research 第4巻、53-59(1997))に従って調製されるcDNAライブラリからランダムに単離される。次に、ハイブリダイゼーションを介し、複製されたクローン(これは繰り返し現れる)を取り除いた後、インビトロ転写及び翻訳を実行する。50kDa以上の産物が確認されたクローンの両方の末端ヌクレオチド配列を決定する。] [0151] さらに、公知の遺伝子のデータベースは、このようにして得られた末端ヌクレオチドチド配列を問合わせとして使用して、相同性について検索する。] [0152] 上記スクリーニング方法に加え、cDNAの5'及び3'末端配列をヒトゲノム配列に関連づける。それから、未知の長鎖遺伝子を該配列間の領域で確認し、該cDNAの全長を分析する。このようにして、既知の遺伝子に依存する従来のクローニング方法によって得られることができない未知の遺伝子を体系的にクローン化できる。] [0153] さらに、本発明のDNAを含んでいるヒト由来遺伝子の領域の全ては、短い断片又は得られた配列において起こる人為的誤りを防ぐのに充分な注意を払いながら、RACEなどのPCR法を使用して調製することもできる。上述の通り、本発明のDNAを有するクローンを得ることができる。] [0154] 本発明のDNAをクローニングするための別の手段において、本発明の一部のポリペプチドの適切なヌクレオチド配列を有する合成DNAプライマーを調製した後、適切なライブラリを使用するPCR法により増幅させる。あるいは、選択は、適切なベクターに組み込まれ、本発明のポリペプチドの領域の一部若しくは全部をコードするDNA断片又は合成DNAで標識されたDNAを用いる、本発明のDNAのハイブリダイゼーションにより実施できる。ハイブリダイゼーションは、例えば、分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)(Frederick M. Ausubelら編, 1987)に記載される方法により実施できる。本発明のDNAは、それらが上記の本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む限り、いかなるDNAであってもよい。このようなDNAは、cDNAライブラリから同定及び単離されたcDNAであってよく、膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺又は膵臓の組織に由来するようなものであってもよい。この種のDNAは、合成DNA等であってもよい。ライブラリ構築物に使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド等のいずれかであってよい。さらに、上記の細胞及び/又は組織から調製される総RNA画分又はmRNA画分の使用により、増幅は、直接的な逆転写共役ポリメラーゼ連鎖反応(以下、「RT-PCR法」と略記される)により実施できる。] [0155] エフリンA型受容体10のアミノ酸配列に実質的に同一であるアミノ酸配列からなる上記ポリペプチドをコードするDNA、又は該アミノ酸配列の一部を構成している1以上のアミノ酸の削除、置換若しくは追加によるエフリンA型受容体10のアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列からなる上記ポリペプチドをコードするDNAは、例えば、当業者に公知の突然変異生成法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法及びPCR法の適切な組合せにより、容易に生産できる。加えて、現時点で、ポリペプチドに実質的に同等な生物活性をもたらす可能的方法は、ポリペプチドを構成しているアミノ酸間での相同アミノ酸(例えば、極性及び無極性アミノ酸、疎水性及び親水性アミノ酸、正荷電及び負荷電アミノ酸、並びに芳香族アミノ酸)の置換である。さらに、実質的に同等な生物活性を維持するために、本発明のポリペプチドに含まれる機能的ドメイン内のアミノ酸は、好ましくは保存される。] [0156] さらにまた、本発明のDNAの例には、エフリンA型受容体10のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むDNA、及び該DNAにストリンジェントな状態下でハイブリダイズし、かつエフリンA型受容体10のアミノ酸配列からなるポリペプチドの機能に同等な生物活性(機能)を有するポリペプチド(タンパク質)をコードするDNAを含む。このような条件下で、エフリンA型受容体10のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むDNAにハイブリダイズし得るこの種のDNAの例は、DNAの全ヌクレオチド配列にある程度、例えば、およそ80%以上、より好ましくはおよそ90%以上、及びより好ましくはおよそ95%以上の全体平均相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAである。ハイブリダイゼーションは、分子生物学における最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)(Frederick M. Ausubelら編, 1987)に記載される方法などの当業者に公知の方法、又はそれに準じる方法により実施できる。ここで、「ストリンジェントな条件」は、例えば、およそ1*SSC、0.1% SDS及び37℃、よりストリンジェントな条件とは0.5*SSC、0.1% SDS及び42℃、又はよりさらにストリンジェントな条件とはおよそ0.2*SSC、0.1% SDS及び65℃である。よりストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を用いると、プローブ配列に高い相同性を有するDNAの単離が予想できる。SSC、SDS及び温度条件の上記組合せは、説明目的のために与えられる。上記に類似するストリンジェンシーは、ハイブリダイゼーションストリンジェンシーの決定のための上記因子又は他の因子(例えば、ハイブリダイゼーションのためのプローブ濃度、プローブ長及び反応時間)の適切な組合せを使用して、当業者により達成できる。] [0157] 本発明のクローン化DNAは、目的に応じて、直接使用でき、又は必要に応じて制限酵素での消化又はリンカーの追加の後に使用できる。DNAは、5'末端側の翻訳開始コドンとしてATGを有することができ、3'末端側の翻訳終止コドンとして、TAA、TGA又はTAGを有することができる。これらの翻訳開始及び翻訳終止コドンは、適切な合成DNAアダプタを使用して追加することもできる。] [0158] 本発明の方法/使用において、エフリンA型受容体10は、例えば、エフリンA型受容体10ポリペプチドが少なくともある程度まで精製されたものなどの単離された形態で提供できる。エフリンA型受容体10ポリペプチドは、実質的に純粋な形態で、すなわち実質的範囲で他のタンパク質を含まない形態で、提供できる。エフリンA型受容体10ポリペプチドは、組換え法を使用して生産でき、合成的に生産でき、又はこれらの方法の組合せによって生産することもできる。エフリンA型受容体10は、当業者に公知の任意の方法によっても容易に調製でき、それには、本発明のDNAを含んでいる発現ベクター又は本発明のDNAを含んでいる遺伝子を生産すること、該発現ベクターを使用して形質転換された形質転換体を培養すること、本発明のポリペプチド又は該ポリペプチドを含んでいる組換えタンパク質を生成し蓄積すること、及びその後に該結果を回収することを含む。] [0159] 組換えエフリンA型受容体10ポリペプチドは、発現系を含む遺伝子操作された宿主細胞から周知技術の方法により生産できる。したがって、本発明は、エフリンA型受容体10ポリペプチド又は核酸を含む発現系に、この種の発現系によって遺伝子操作された宿主細胞に、及び組換え技術によるエフリンA型受容体10ポリペプチドの生産にも関する。組換えエフリンA型受容体10ポリペプチド生産のために、宿主細胞は、核酸のためにその発現系又は部分を組み込むために遺伝子操作できる。この種の組み込みは、公知技術の方法、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAD-デキストラン媒介型トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジェクション、カチオン脂質媒介型トランスフェクション、エレクトロポーレーション、形質導入、切屑負荷(scrape loading)、バレット導入又は感染を使用して実施できる(例えばDavisらの文献,分子生物学における基本的方法(Basic Methodsin Molecular Biology), 1986、並びにSambrookらの文献,分子クローニング:研究室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual),第2版, Cold Spring Harbour laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY, 1989を参照されたい)。] [0160] 宿主細胞として、例えば、エシェリキア属、ストレプトコッカス属、スタフィロコッカス属、ストレプトマイセス属の細菌、バチルス属の細菌、酵母、アスペルギルス細胞、昆虫細胞、昆虫、及び動物細胞が使用される。本明細書に使用されるエシェリキア属の細菌の具体例には、大腸菌K12及びDH1(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., Vol. 60, 160 (1968))、JM103(Nucleic AcidsResearch, Vol. 9, 309 (1981))、JA221(Journal of Molecular Biology, Vol. 120, 517 (1978))、及びHB101(Journal of Molecular Biology, Vol. 41, 459 (1969))を含む。バチルス属の細菌としては、例えば、枯草菌MI114(Gene, Vol. 24, 255 (1983))及び207-21(Journal of Biochemistry, Vol. 95, 87 (1984))が使用される。酵母としては、(例えば、出芽酵母(Saccaromyces cerevisiae)AH22、AH22R-、NA87-11A、DKD-5D及び20B-12、分裂酵母(Schizosaccaromyces pombe )NCYC1913及びNCYC2036、並びにピキア・パストリス(Pichia pastoris)が使用される。昆虫細胞としては、例えば、ショウジョウバエS2及びスポドプテラSf9細胞が使用される。動物細胞としては、例えば、COS-7及びベロサル細胞、CHOチャイニーズハムスター細胞(以下、CHO細胞と略記される)、dhfr遺伝子欠損CHO細胞、マウスL細胞、マウスAtT-20細胞、マウス骨髄腫細胞、ラットGH3細胞、ヒトFL細胞、COS、HeLa、C127、3T3、HEK 293、BHK及びボーズメラノーマ細胞が使用される。] [0161] 無細胞翻訳システムも、組換えポリペプチドを生産するために使用できる(例えば、ウサギ網状赤血球溶解物、小麦麦芽溶解物、Roche Diagnostics 社製SP6/T7インビトロT&T及びRTS 100大腸菌HY転写及び翻訳キット(英国、ルイス)、並びにPromega UK 製TNTクイック共役転写/翻訳キット(英国、サウサンプトン))。] [0162] 発現ベクターは、公知技術の方法に従って生産できる。例えば、ベクターは、(1)本発明のDNAを含んでいるDNA断片又は本発明のDNAを含んでいる遺伝子を切り取ること、及び(2)適切な発現ベクターにおいてプロモータの下流にDNA断片を連結すること、により生産できる。広範囲の発現系を使用でき、例えば、染色体、エピソーム及びウイルスから派生した系、例えば大腸菌(例えばpBR322、pBR325、pUC18及びpUC118)に由来するプラスミド、枯草菌(例えばpUB110、pTP5及びpC194)に由来するプラスミド、バクテリオファージ由来の系、トランスポゾン由来の系、酵母エピソーム由来の系(例えばpSH19及びpSH15)、挿入因子由来の系、酵母染色体要素由来の系、バキュロウイルス、パポバウイルス、例えばSV40、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス及びレトロウイルスなどのウイルス由来の系、並びにこれらの組合せ、例えばプラスミド由来の系及びバクテリオファージ(λファージなど)遺伝因子、例えばコスミド及びファージミドなどであるがこれらに限定されない。発現系は、発現を生じさせるのみならず発現を制御する制御領域を含み得る。遺伝子発現のために使用される宿主に適切な限り、本発明において使用されるプロモータは、いかなるプロモータでもあってもよい。例えば、宿主が大腸菌である場合、trpプロモータ、lacプロモータ、recAプロモータ、pLプロモータ、lppプロモータなどが好ましい。宿主が枯草菌である場合、SPO1プロモータ、SPO2プロモータ、penPプロモータなどが好ましい。宿主が酵母である場合、PHO5プロモータ、PGKプロモータ、GAPプロモータ、ADHプロモータなどが好ましい。動物細胞を宿主として使用する場合、この事例における使用のためのプロモータの例にはSRaプロモータ、SV40プロモータ、LTRプロモータ、CMVプロモータ及びHSV-TKプロモータを含む。通常、宿主においてポリペプチドを産生する核酸を維持し、増殖させ又は発現することができる、任意の系又はベクターを使用できる。] [0163] 適切な核酸配列は、上掲のSambrookらの文献に記載されるものなどの任意の様々な周知かつルーチンの技術により、発現系に挿入できる。適切な分泌シグナルは、小胞体内腔、細胞膜周辺腔又は細胞外環境への翻訳タンパク質の分泌を可能にするために、エフリンA型受容体10ポリペプチドに組み込むことができる。これらのシグナルはエフリンA型受容体10ポリペプチドに内在性であってよく、又はシグナルは異種性シグナルでもよい。宿主細胞の形質転換は、公知技術の方法に従って実施できる。例えば、以下の文書を参照することができる:Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., Vol. 69, 2110 (1972); Gene, Vol. 17, 107 (1982); Molecular & General Genetics, Vol. 168, 111 (1979); Methodsin Enzymology, Vol. 194, 182-187 (1991); Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.), Vol. 75, 1929 (1978); Cell Technology,別冊8, 「新規細胞技術、実験プロトコル(New Cell Technology, Experimental Protocol.)」263-267 (1995) (Shujunsha発行);及びVirology, Vol. 52, 456 (1973).そのように、本発明のDNAを含む発現ベクター又は本発明のDNAを含む遺伝子で形質転換して得られた形質転換体は、公知技術の方法に従って培養できる。例えば、宿主がエシェリキア属の細菌である場合、該細菌は通常、およそ15℃〜43℃でおよそ3〜24時間培養する。必要に応じて、通気又は振動も追加できる。宿主がバチルス属の細菌である場合、該細菌は通常、およそ30℃〜40℃でおよそ6〜24時間培養する。必要に応じて、通気又は振動も追加できる。宿主が酵母である形質転換体を培養する場合、培養は通常、pHがおよそ5〜8であるように調整した培地を使用して、およそ20℃〜35℃でおよそ24〜72時間実施する。必要に応じて、通気又は振動も追加できる。宿主が動物細胞である形質転換体を培養する場合、該細胞は通常、pHがおよそ6〜8であるように調整した培地を使用して、およそ30℃〜40℃でおよそ15〜60時間培養する。必要に応じて、通気又は振動も追加できる。] [0164] エフリンA型受容体10ポリペプチドが細胞ベースのスクリーニング分析アッセイ用に発現される場合、該ポリペプチドは細胞表面に産生されることが好ましい。この場合、該細胞は、スクリーニングアッセイの使用の前に回収できる。エフリンA型受容体10ポリペプチドが培地に分泌される場合、該培地は前記ポリペプチドを単離するために回収できる。細胞内で産生される場合、該細胞は、エフリンA型受容体10ポリペプチドが回収される前に、最初に溶解しなければならない。] [0165] エフリンA型受容体10ポリペプチドは、組換え細胞培養物から、又はその他の生物学的供給源から、硫酸アンモニウム若しくはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン若しくは陽イオン交換クロマトグラフィ、ホスホセルロースクロマトグラフィ、親和性クロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ、分子篩クロマトグラフィ、遠心分離法、電気泳動方法及びレクチンクロマトグラフィを含む周知の方法により、回収及び精製できる。一実施態様において、これらの方法の組合せが使用される。別の実施態様において、高速液体クロマトグラフィが使用される。さらなる実施態様において、エフリンA型受容体10ポリペプチドに特異的に結合する抗体は、前記ポリペプチドのエフリンA型受容体10ポリペプチドを含む試料を減少させるか又は前記ポリペプチドを精製するために使用することができる。] [0166] 培養生成物から本発明のポリペプチド又はタンパク質を分離して精製するために、例えば、培養後に、微生物本体又は細胞を公知の方法により回収し、それらを適切な緩衝液に懸濁し、該微生物本体又は細胞を、例えば、超音波、リゾチームオリゴマー凍結融解で破壊し、それからその結果物を遠心単離又は濾過に供し、その後該タンパク質の粗抽出物を得ることができる。該緩衝液は、尿素若しくは塩酸グアニジンなどのタンパク質変性剤、又はTriton X-100(商標)などの界面活性剤も含み得る。タンパク質が培養液に分泌される場合、微生物本体又は細胞及び上清は、培養の完了後に公知の方法によって分離され、該上清は回収される。このようにして得られた培養上清又は抽出物に含まれるタンパク質は、公知の分離及び精製法の適切な組合せにより、精製できる。本発明のこのようにして得られたポリペプチド(タンパク質)は、公知の方法又はこれに準じる方法によって、塩に変換できる。逆に、本発明のポリペプチド(タンパク質)が塩の形態で得られる場合、それは公知の方法又はこれに準じる方法によって、遊離タンパク質又はペプチド又は他の塩に変換できる。さらに、トリプシン又はキモトリプシンなどの適切なタンパク質修飾酵素は、精製の前又は後に組換えによって産生されたタンパク質への作用をもたらし、そのような修飾は適宜追加することができ、又はポリペプチドは部分的に除去できる。本発明のポリペプチド(タンパク質)又はその塩の存在は、さまざまな結合アッセイ、特異的抗体を使用する酵素イムノアッセイなどで測定できる。] [0167] ポリペプチドが単離及び/又は精製の間に変性する場合、エフリンA型受容体10ポリペプチドの天然の又は活性な立体構造を再生するリフォールディングのための当該技術分野で周知の技術を使用できる。本発明の文脈において、エフリンA型受容体10ポリペプチドは、血液試料又は組織試料、例えば膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺若しくは膵臓組織試料などであるがこれらに限定されない、任意の供給源からの生体試料から得ることができる。] [0168] エフリンA型受容体10ポリペプチドは、「成熟タンパク質」の形態であり得るか、又は融合タンパク質などのより大きなタンパク質の一部であり得る。分泌若しくはリーダー配列、プレ-、プロ-又はプレプロ-タンパク質配列を含む追加的アミノ酸配列、又は親和性タグ、例えば複数のヒスチジン残基、FLAGタグ、HAタグ又はmycタグ(これらに限定されない)などの精製を助ける配列を含むことは、しばしば有益である。] [0169] エフリンA型受容体10は、例えば、ヘモフィルス・インフルエンザBからのタンパク質Dとして知られる表在性タンパク質、NS1などのインフルエンザウイルスからの非構造タンパク質、B型肝炎からのS抗原、又はそのC末端などのLYTAとして公知のタンパク質などの異種融合パートナーと融合させることができる。] [0170] 組換え生産の間に安定性を提供できる追加的配列を使用することもできる。この種の配列は、追加的配列又はその一部として切断可能配列を組み込むことにより、必要に応じて、任意に取り除くことができる。従って、エフリンA型受容体10ポリペプチドは、他のポリペプチド又はタンパク質(例えば、グルタチオンS-トランスフェラーゼ及びプロテインA)を含む他の部分に融合できる。この種の融合タンパク質は、適切なプロテアーゼを使用して切断でき、それから各タンパク質分けることができる。この種の追加的配列及び親和性タグは周知技術である。上記に加え、所望であれば、エンハンサ、スプライシングシグナル、polyA付加シグナル、選択マーカー及びSV40複製起点などの当該技術分野で公知の特性を発現ベクターに追加することができる。] [0171] (エフリンA型受容体10に対する親和性試薬の生産) 公知技術によれば、3種類の主要な免疫親和性試薬、すなわちモノクローナル抗体、ファージ発現抗体、並びにアフィボディ、ドメイン抗体(dAb)、ナノボディ、ユニボディ、DARPin、アンチカリン、デュオカリン、アビマー又はバーサボディなどのより小さな抗体由来分子がある。一般に抗体の使用が記載される本発明の適用において、他の親和性試薬(例えば、アフィボディ、ドメイン抗体、ナノボディ、ユニボディ、DARPin、アンチカリン、デュオカリン、アビマー又はバーサボディ)を使用できる。この種の物質は、エフリンA型受容体10に免疫特異的に結合し得るということができる。適切である場合、用語「親和性試薬」は、リガンド、レクチン、ストレプトアビジン、抗体模倣体及び合成結合剤を含むがこれらに限定されない免疫親和性試薬並びにエフリンA型受容体10に特異的結合し得る他の物質を含むものとする。] [0172] (エフリンA型受容体10に対する抗体の生産) 本発明のエフリンA型受容体10によると、エフリンA型受容体10類似体、エフリンA型受容体10関連タンパク質、又は上述のいずれかの断片若しくは誘導体を免疫原として使用し、当該免疫原に免疫特異的に結合する抗体を生産することができる。このような免疫原は、先に記載した方法を含む任意の都合のよい手段によって単離できる。本明細書で使用する用語「抗体」とは、抗原又はエピトープを免疫特異的に結合し得る、免疫グロブリン遺伝子又はその断片に由来し、それらに倣って産生され、又はそれらにより実質的にコードされる、ペプチド又はポリペプチドをいう。例えば、Fundamental Immunology, 第3版, W.E. Paul編, Raven Press, N.Y. (1993); Wilsonの文献 (1994) J. Immunol. Methods175:267-273; Yarmushの文献 (1992) J. Biochem. Biophys. Methods 25:85-97を参照されたい。用語抗体には、抗原結合部分、すなわち、抗原を結合する能力を保持する「抗原結合部位」(例えば、断片、サブ配列、相補性決定領域(CDR))を含み、(i)Fabフラグメント、すなわちVL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価断片;(ii) F(ab')2断片、すなわちヒンジ領域でジスルフィド結合により連結された2個のFab断片を含む二価断片;(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の1本の腕のVL及びVHドメインからなるFv断片;(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardらの文献, (1989) Nature, 341:544-546);及び、(vi)単離された相補性決定領域(CDR);を含む。単鎖抗体も、用語「抗体」を参照することにより含まれる。本発明の抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体若しくはキメラ抗体、単鎖抗体、Fab断片及びF(ab')2断片、Fab発現ライブラリによって産生される断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、並びに上記いずれかのエピトープ結合断片を含むが、これらに限定されない。本発明の免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子の任意のクラス(例えばIgG、IgE、IgM、IgD及びIgA)又はサブクラスであり得る。] [0173] 用語「特異的に結合」(又は「免疫特異的に結合」)は、抗体がその意図する標的のみに結合することを示すことを意図するものではない。むしろ、抗体は、その意図する標的に対する親和性が、非標的分子に対するその親和性と比較した場合に、典型的には約5倍を上回る場合に、「特異的に結合する」。好適には、望ましくない物質、特に健常な人又は動物の天然存在型タンパク質又は組織との有意な交差反応又は交差結合がない。抗体の親和性は、非標的分子に対するその親和性よりも、例えば、少なくとも約5倍、例えば10倍、例えば25倍、特に50倍、及び特に100倍以上、標的分子に対して大きな親和性である。いくつかの実施態様において、抗体又は他の結合剤と抗原との間の特異的結合は、少なくとも106M-1の結合親和性を意味する。抗体は、例えば、少なくとも約107M-1、例えば約108M-1〜約109M-1、約109M-1〜約1010M-1、又は約1010M-1〜約1011M-1の親和性で結合し得る。] [0174] 親和性はKd=koff/konとして算出される(koffは解離速度定数であり、konは会合速度定数であり、Kdは平衡定数である。)。親和性は、さまざまな濃度(c)で標識化リガンドの画分結合(r)を測定することによって、平衡で決定できる。データは、スキャッチャード式を使用してグラフ化される:r/c=K(n-r): 式中 r=平衡時の結合したリガンドのモル数/受容体のモル数; c=平衡時の遊離リガンド濃度; K=平衡会合定数;及び、 n=受容体分子1個あたりのリガンド結合部位の数。 図式解法により、r/cをY軸にプロットし、対してrをX軸にプロットし、こうしてスキャッチャードプロットを作製する。親和性は、その線の負の傾斜である。Koffは、結合した標識化リガンドを標識されていない過剰のリガンドと競合させることにより測定できる(例えば、米国特許第6,316,409号を参照されたい)。その標的分子に対する標的剤の親和性は、例えば、少なくとも約1×10-6モル/リットル、例えば少なくとも約1×10-7モル/リットル、例えば少なくとも約1×10-8モル/リットル、特に少なくとも約1×10-9モル/リットル、及び特に少なくとも約1×10-10モル/リットルである。スキャッチャード分析による抗体親和性測定は、当技術分野において周知である。例えば、van Erpらの文献, J. Immunoassay 12: 425-43, 1991; Nelson及びGriswoldの文献, Comput. MethodsPrograms Biomed. 27: 65-8, 1988を参照されたい。] [0175] 一実施態様において、エフリンA型受容体10をコードする遺伝子の遺伝子産物を認識する抗体は、公然利用可能である。別の実施態様において、当該技術分野で公知の方法は、エフリンA型受容体10、エフリンA型受容体10類似体、エフリンA型受容体10関連ポリペプチド、又は前述のいずれかの断片若しくは誘導体を認識する抗体を生産するために使用される。当業者は、例えば、研究室マニュアル(A Laboratory Manual), Ed Harlow及びDavid Lane編, Cold Spring Harbor Laboratory (1988), Cold Spring Harbor, N.Yに記載されるような多くの手段が抗体生産に利用可能であることを認識するであろう。当業者はまた、抗体を模倣する結合断片又はFab断片も様々な手段により遺伝情報から調製することもできることを認めるであろう(抗体工学:実践的アプローチ(Antibody Engineering: A Practical Approach(Borrebaeck, C編), 1995, Oxford University Press, Oxford; J. Immunol. 149, 3914-3920 (1992))。] [0176] 本発明の一実施態様において、エフリンA型受容体10の特定のドメインに対する抗体が生産される。特定の実施態様において、エフリンA型受容体10の親水性断片が、抗体生産のための免疫原として使用される。] [0177] 抗体生産において、所望の抗体のスクリーニングは、当該技術分野において公知の技術、例えばELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)によって、達成できる。例えば、エフリンA型受容体10の特定のドメインを認識する抗体を選択するために、そのようなドメインを含むエフリンA型受容体10断片に結合する生成物について生産されたハイブリドーマをアッセイできる。第1のエフリンA型受容体10相同体を特異的に結合するが、第2のエフリンA型受容体10相同体には特異的に結合しない(又はこれに結合性が低い)抗体の選択のために、第1のエフリンA型受容体10相同体への陽結合、及び第2のエフリンA型受容体10相同体への結合の欠如(又は結合の減少)に基づき、選択できる。同様に、エフリンA型受容体10を特異的に結合するが、同タンパク質の異なるアイソフォーム(エフリンA型受容体10と同じコアペプチドを有する異なるグリコフォームなど)に特異的に結合しない(又は結合性が低い)抗体の選択のために、エフリンA型受容体10への陽結合、及び異なるアイソフォーム(例えば異なるグリコフォーム)への結合の欠如(又は結合の減少)に基づき、選択できる。従って、本発明は、エフリンA型受容体10の異なるアイソフォーム(例えばグリコフォーム)に対するよりも、エフリンA型受容体10に対してより大きな親和性(例えば少なくとも2倍、例えば少なくとも5倍、特に少なくとも10倍大きな親和性)で結合する抗体(モノクローナル抗体など)を提供する。] [0178] 本発明の方法で使用できるポリクローナル抗体は、免疫動物の血清から誘導される抗体分子の異種集団である。非分画免疫血清を使用することもできる。当該技術分野で周知のさまざまな手順は、エフリンA型受容体10、エフリンA型受容体10の断片、エフリンA型受容体10関連ポリペプチド、又はエフリンA型受容体10関連ポリペプチドの断片に対するポリクローナル抗体の生産のために使用可能である。例えば、1つの方法は、関心対象ポリペプチドを精製すること、又は、例えば周知技術の固相ペプチド合成法を使用して、関心対象ポリペプチドを合成することである。例えば、タンパク質精製の手引き(Guide to Protein Purification), Murray P. Deutcher編, Meth. Enzymol. Vol 182 (1990); 固相ペプチド合成(Solid Phase Peptide Synthesis), Greg B. Fields編, Meth. Enzymol. Vol 289 (1997); Kiso らの文献, Chem. Pharm. Bull. (Tokyo) 38:1192-99, 1990;Mostafaviらの文献, Biomed.Pept.Proteins Nucleic Acids 1:255-60, 1995;Fujiwaraらの文献, Chem.Pharm.Bull. (Tokyo)44:1326-31, 1996を参照されたい。選択されたポリペプチドはそれから、ウサギ、マウス、ラットなどを含むがこれらに限定されない様々な宿主動物に注入免疫し、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を産生するために使用することができる。エフリンA型受容体10がゲル電気泳動により精製される場合、エフリンA型受容体10はポリアクリルアミドゲルからの抽出を伴い又は伴わずに、免疫のために使用できる。完全又は不完全フロイントアジュバント、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲル、リゾレシチンなどの表面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、及びBCG(カルメット‐ゲラン桿菌)又はコリネバクテリウム・パルバムなどのアジュバントを含むがこれらに限定されない様々なアジュバント(すなわち免疫賦活剤)を、宿主種に応じて、免疫学的反応を強化するために使用することができる。さらなる補助剤も、当該技術分野で周知である。] [0179] エフリンA型受容体10、エフリンA型受容体10の断片、エフリンA型受容体10関連ポリペプチド、又はエフリンA型受容体10関連ポリペプチドの断片に指示されたモノクローナル抗体(mAbs)の生産のために、培養で持続細胞株による抗体分子の生産を提供する任意の技術を使用できる。例えば、ハイブリドーマ技術は、Kohler及びMilstein (1975, Nature 256:495-497)によりはじめて開発され、同様にトリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborらの文献, 1983、Immunology Today 4:72)及びEBV-ハイブリドーマ技術(Coleらの文献, 1985, モノクローナル抗体及び癌治療(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)において, Alan R. Liss社, 77-96頁)がヒトモノクローナル抗体を生産するために開発された。このような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgD及びそのいずれかのサブクラスを含む、任意の免疫グロブリンのクラスのものであり得る。本発明のmAbsを産生するハイブリドーマは、インビトロ又はインビボで培養してもよい。本発明の更なる実施態様において、モノクローナル抗体は、公知の技術を利用して無菌動物において産生できる(PCT/US90/02545(引用により本明細書に組み込まれる))。] [0180] モノクローナル抗体には、ヒトモノクローナル抗体及びキメラモノクローナル抗体(例えば、ヒト-マウスキメラ)を含むが、これらに限定されない。キメラ抗体は、異なる部分が異なる種由来である分子、例えばヒト免疫グロブリン定常領域及びマウスmAb由来の可変領域を有する分子である。 (例えば、Cabillyらの米国特許第4,816,567号;及び、Bossらの米国特許第4,816397号を参照されたく、これらは引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。)。ヒト化抗体は、非ヒト種由来の1以上の相補性決定領域(CDR)、及びヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する、非ヒト種由来の抗体分子である。 (例えば、Queenの米国特許第5,585,089号を参照されたく、これは、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。)。] [0181] キメラ及びヒト化モノクローナル抗体は、例えば国際公開番号WO 87/02671;欧州特許出願第184,187号;欧州特許出願第171,496号;欧州特許出願第173,494号;国際公開番号WO86/01533;米国特許第4,816,567号;欧州特許出願第125,023号;Betterらの文献, 1988, Science 240:1041-1043;Liuらの文献, 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:3439-3443;Liuらの文献, 1987, J. Immunol.139:3521-3526;Sunらの文献, 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:214-218;Nishimuraらの文献, 1987, Canc.Res. 47:999-1005;Woodらの文献, 1985, Nature 314:446-449;及び、Shawらの文献, 1988, J.Natl. Cancer Inst. 80:1553-1559;Morrisonの文献, 1985, Science 229:1202-1207;Oiらの文献, 1986, Bio/Techniques 4:214;米国特許第5,225,539号;Jonesらの文献, 1986, Nature 321:552-525;Verhoeyanらの文献 (1988) Science 239:1534;Verhoeyanらの文献、(1988) Science 239:1534;及び、Beidlerらの文献, 1988, J. Immunol.141:4053-4060;に記載される方法を使用する公知技術の組換えDNA技術によって生産することができる。] [0182] 完全ヒト抗体は、ヒト対象の治療的な処置のために特に望ましい。この種の抗体は、内在性免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子を発現できないが、ヒト重鎖及び軽鎖遺伝子を発現できるトランスジェニックマウスを使用して、生産することができる。トランスジェニックマウスは、選択された抗原、例えばエフリンA型受容体10の全体又は一部を用いて通常の様式で免疫を受けた。抗原に指示されたモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技術を使用して得ることができる。トランスジェニックマウスにより収容されているヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化の間に再編成し、その後クラススイッチング及び体細胞突然変異を受ける。従って、このような技術を使用して、治療的に有用なIgG、IgA、IgM及びIgE抗体を生産できる。ヒト抗体を生産するこの技術の概要については、Lonberg及びHuszarの文献 (1995, Int. Rev. Immunol. 13:65-93)を参照されたい。ヒト抗体及びヒトモノクローナル抗体を生産するためのこの技術、並びにこのような抗体を生産するためのプロトコルの詳細な考察については、以下を参照されたい:例えば、米国特許第5,625,126号;米国特許第5,633,425号;米国特許第5,569,825号;米国特許第5,661,016号;及び、米国特許第5,545,806号。加えて、Abgenix社(Freemont,CA)及びGenpharm(San Jose, CA)などの会社は、先に記載したものと類似の技術を使用して、選択された抗原に指示されたヒト抗体を提供するのに関与し得る。] [0183] 選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体は、「ガイドセレクション」と呼ばれる技術を使用して生産できる。この方法において、選択された非ヒトモノクローナル抗体(例えばマウス抗体)は、同エピトープを認識する完全ヒト抗体の選択を導くために使用される。 (Jespersらの文献 (1994) Bio/technology 12:899-903)。] [0184] 本発明の抗体は、選択された標的への結合について、ポリペプチドのライブラリを生産して選別するファージディスプレイ技術の使用により生産することもできる。例えば、Cwirlaらの文献, Proc. Natl. Acad. Sci USA 87, 6378-82, 1990; Devlinらの文献, Science 249, 404- 6, 1990, Scott及びSmithの文献, Science 249, 386-88, 1990; 及び、Ladnerらの文献, 米国特許第5,571,698号を参照されたい。ファージディスプレイ法の基本的概念は、スクリーニングされるポリペプチドをコードしているDNAとそのポリペプチドとの間の物理的関連付けの確立である。この物理的関連付けは、該ポリペプチドをコードしているファージゲノムを封入しているキャプシドの一部としてポリペプチドを提示する、ファージ粒子により提供される。ポリペプチドとその遺伝物質との間の物理的関連付けの確立は、異なるポリペプチドを有する非常に多数のファージの同時大量スクリーニングを可能にする。標的への親和性を有するポリペプチドを提示するファージは該標的に結合し、これらのファージは、該標的への親和性スクリーニングにより濃縮される。これらのファージにより提示されるポリペプチドの同一性は、それらの各ゲノムにより決定できる。これらの方法を使用して、所望の標的に結合親和性を有すると同定されたポリペプチドは、それから従来的な手段により大量に合成できる。例えば、米国特許番号第6,057,098号を参照されたく、全ての表、図面及び特許請求の範囲を含むその全てが引用により本明細書に組み込まれる。特に、この種のファージは、レパートリ又は組合せの抗体ライブラリ(例えばヒト又はマウス)から発現される抗原結合ドメインを提示するために利用できる。関心対象の抗原を結合する抗原結合ドメインを発現しているファージは、抗原、例えば、標識化抗原、又は固体表面若しくはビーズに結合若しくは捕獲された抗原を使用して、選択又は同定できる。これらの方法で使用するファージは、典型的には、ファージ遺伝子III又は遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組換え的に融合されたFab、Fv又はジスルフィド安定化Fv抗体ドメインを伴ってファージから発現されたfd 及びM13結合ドメインを含む、線維状ファージである。本発明の抗体を作るために使用することができるファージディスプレイ法は、以下に開示されるものを含む:Brinkmanらの文献, J. Immunol.Methods182:41-50 (1995);Amesらの文献, J. Immunol.Methods 184:177-186 (1995);Kettleboroughらの文献, Eur.J. Immunol.24:952-958 (1994);Persicらの文献, Gene 187 9-18 (1997);Burtonらの文献, Advances in Immunology 57:191-280 (1994);国際出願番号PCT/GB91/01134;国際公開番号WO 90/02809;WO 91/10737;WO 92/01047;WO 92/18619;WO 93/11236;WO 95/15982;WO 95/20401;及び、米国特許第5,698,426号;第5,223,409号; 第5,403,484号; 第5,580,717号; 第5,427,908号; 第5,750,753号; 第5,821,047号; 第5,571,698号; 第5,427,908号; 第5,516,637号; 第5,780,225号; 第5,658,727号; 第5,733,743号及び第5,969,108号(それぞれ、その全体が引用により本明細書に組み込まれる)。] [0185] 上記文献に記載されているように、ファージ選択の後、該ファージ由来の抗体コード領域は、ヒト抗体を含む抗体全体又は任意のその他の所望の抗原結合断片を生産するために単離して使用することができ、及び例えば以下に詳細に記載するような哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母及び細菌を含む任意の所望の宿主において発現させることができる。例えば、Fab、Fab'及びF(ab') 2断片を組換え的に生産する技術は、国際公開番号WO 92/22324; Mullinaxらの文献, BioTechniques 12(6):864-869 (1992);及びSawaiらの文献, AJRI34:26-34 (1995);及びBetterらの文献, Science 240: 1041-1043 (1988) (前記文献は引用によりその全てが組み込まれる)において開示されるものなどの、公知技術の方法を使用して利用することもできる。] [0186] 単鎖Fvs及び抗体を生産するために使用することができる技術の例には、米国特許4,946,778及び5,258,498; Hustonらの文献. Methodsin Enzymology 203:46-88 (1991); Shuらの文献 PNAS 90:7995-7999 (1993);及びSkerraらの文献, Science 240:1038-1040 (1988)に記載されているものを含む。] [0187] 本発明は、当該技術分野において公知の方法により作製できる二重特異性抗体の使用をさらに提供する。完全長二重特異性抗体の従来的生産は、2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の同時発現であって、該2つの鎖が異なる特異性を有する、前記同時発現に基づいている(Milsteinらの文献, 1983、Nature, 305:537-539)。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖のランダムな分類のため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、10の異なる抗体分子の潜在的混合物を生じ、そのうちの1つのみが的確な二重特異性構造を有する。通常、親和性クロマトグラフィー工程によってなされる的確な分子の精製は、むしろ扱いにくく、産物収率は低い。同様の手法は、1993年5月13日に公開されたWO93/08829、及びTrauneckerらの文献、1991、EMBO J. 10:3655-3659に開示されている。] [0188] 異なるアプローチ及びより好ましいアプローチに従って、所望の結合特異性をもつ抗体可変ドメイン(抗体-抗原結合部位)を免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合させる。該融合は、好ましくは、ヒンジ、CH2及びCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインを伴う。該融合のうちの少なくとも1つに存在する軽鎖結合に必要な部位を含む、第1の重鎖定常部(CH1)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合物、及び所望の場合、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを別々の発現ベクターに挿入し、適切な宿主生物に同時トランスフェクトする。これは、該構築に使用した不均等な比率の3つのポリペプチド鎖が最適収量を提供する実施態様において、3つのポリペプチド断片の相互の比率を調節する際に優れた柔軟性を提供する。しかし、同等の比率の少なくとも2つのポリペプチド鎖の発現により高収率を生じる場合、又は該比率が具体的意義を有しない場合、2つ又は3つ全てのポリペプチド鎖のコード配列を発現ベクターに挿入することができる。] [0189] このアプローチの具体的実施態様において、二重特異性抗体は、一方の腕における第1の結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、及び他方の腕における(第2の結合特性を提供する)免疫グロブリン重鎖-軽鎖対から構成される。二重特異性分子の半分のみに免疫グロブリン軽鎖が存在することが、容易な単離方法を提供するので、この非対称構造は、望まれない免疫グロブリン鎖状結合からの所望の二重特異性化合物の単離を促進することがわかった。このアプローチは、1994年3月3日に公開されたWO 94/04690において開示されている。二重特異性抗体の生産に関するさらなる詳細については、例えば、Sureshらの文献、Methodsin Enzymology, 1986 121:210を参照されたい。] [0190] 本発明は、抗エフリンA型受容体10免疫グロブリン分子の機能的に活性な断片、誘導体又は類似体を提供する。機能的に活性とは、断片、誘導体又は類似体が、該断片、誘導体又は類似体が誘導される抗体により認識されるのと同じ抗原を認識する抗-抗-イディオタイプ抗体(すなわち、三次抗体)を誘発できることを意味する。具体的には、特定の実施態様において、免疫グロブリン分子のイディオタイプの抗原性は、フレームワーク及び具体的に該抗原を認識するCDR配列に対するC末端であるCDR配列の削除により強化できる。いずれのCDR配列が該抗原を結合するかについて決定するために、該CDR配列を含む合成ペプチドを、公知技術の任意の結合実験方法による該抗原を用いる結合アッセイに使用できる。] [0191] 本発明は、F(ab')2断片及びFab断片などであるがこれらに限定されない抗体断片を提供する。特異的なエピトープを認識する抗体断片は、公知の技術によって生産できる。F(ab')2断片は、可変領域、軽鎖定常領域及び重鎖のCH1ドメインから構成され、該抗体分子のペプシン消化によって生産される。Fab断片は、F(ab')2断片のジスルフィド架橋を還元することにより生産される。また、本発明は、本発明の抗体の重鎖と軽鎖との二量体、又はFvs若しくは単鎖抗体(SCA)などの任意のその最小断片(例えば、米国特許第4,946,778号; Birdの文献, 1988, Science 242:423-42; Hustonらの文献, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883;及び、Wardらの文献, 1989, Nature 334:544-54に記載されるようなもの)、又は本発明の抗体と同じ特異性をもつ任意の他の分子も提供する。単鎖抗体は、アミノ酸架橋を介してFv領域の重鎖及び軽鎖断片を連結することにより形成され、一本鎖ポリペプチドを生じる。大腸菌(E. coli)における機能的なFv断片の集成のための技術を使用してもよい(Skerra らの文献, 1988、Science, 242:1038-1041)。] [0192] その他の実施態様において、本発明は、本発明の免疫グロブリンの融合タンパク質(又はその機能的に活性な断片)、例えば、該免疫グロブリンがN末端又はC末端にて共有結合(例えば、ペプチド結合)を介してその免疫グロブリンでない別のタンパク質のアミノ酸配列(又はその一部、好ましくは該タンパク質の少なくとも10、20又は50アミノ酸部分)に融合されている融合タンパク質を提供する。好ましくは、免疫グロブリン又はその断片は、定常ドメインのN末端にて他のタンパク質に共有結合で連結されている。上記のように、このような融合タンパク質は、精製を容易にし、インビボでの半減期を増大し、及び免疫系に対する上皮関門を越えた抗原の送達を増強し得る。] [0193] 本発明の免疫グロブリンは、この種の共有結合が免疫特異的結合を損なわない限り、すなわち、任意の型の分子の共有結合によって修飾される類似体及び誘導体を含む。例えば、限定目的ではないが、免疫グロブリンの誘導体及び類似体には、例えばグリコシル化、アセチル化、ペグ化、ホスフィレーション(phosphylation)、アミド化、公知の保護/保護基による誘導体化、タンパク質開裂、細胞リガンドに対する結合又は他のタンパク質、その他によりさらに修飾されたものを含む。特定の化学裂開、アセチル化、ホルミル化などを含むが、これらに限定されない数多くの化学修飾のいずれかを、周知の技術により実施できる。加えて、類似体又は誘導体は、1以上の非古典的アミノ酸を含むことができる。] [0194] 前述の抗体は、エフリンA型受容体10の局在及び活性に関して、公知技術の方法で、例えば、タンパク質を画像化するために、適切な生理的試料においてそのレベルを測定するために、診断法などにおいて、使用できる。] [0195] (エフリンA型受容体10に対するアフィボディの生産) アフィボディ分子は、ブドウ球菌プロテインAのIgG-結合ドメインの1つに由来する、58アミノ酸残基に基づく親和性タンパク質の新規なクラスを表す。三重螺旋束ドメインは、コンビナトリアルファージミドライブラリの構築に対する足場として使用され、これからファージディスプレイ技術を使用して、所望の分子を標的化するアフィボディバリアントを選択し得る(Nord K, Gunneriusson E, Ringdahl J, Stahl S, Uhlen M, Nygren PAの文献, 「αヘリカル細菌受容体ドメインのコンビナトリアルライブラリから選択された結合タンパク質(Binding proteins selected from combinatorial libraries of an α-helical bacterial receptor domain)」, Nat Biotechnol 1997; 15:772-7. Ronmark J, Gronlund H, Uhlen M, Nygren PAの文献, 「プロテインAのコンビナトリアル工学からのヒト免疫グロブリンA(IgA)特異的リガンド(Human immunoglobulin A (IgA)-specific ligandsfrom combinatorial engineering of protein A)」, Eur J Biochem 2002;269:2647-55)。その低分子量(6kDa)と組み合わせたアフィボディ分子の単純で堅固な構造は、広範囲の用途、例えば検出試薬として(Ronmark J, Hansson M, Nguyen T,らの文献 「大腸菌において産生されるアフィボディ-Fcキメラの構築及び特徴づけ(Construction and characterization of Affibody-Fc chimeras produced in Escherichia coli)」, J Immunol Methods 2002;261 :199-211)、及び受容体相互作用を阻害するために(Sandstorm K, Xu Z, Forsberg G, Nygren PAの文献, 「コンビナトリアルタンパク質工学により開発されたCD28結合アフィボディリガンドによるCD28-CD80共刺激シグナルの阻害(Inhibition of the CD28-CD80 co-stimulation signal by a CD28-binding Affibody ligand developed by combinatorial protein engineering)」, Protein Eng 2003; 16:691-7)、該分子を適切とさせる。アフィボディ及びその生産方法のさらなる詳細は、引用によりその全てが本明細書に組み込まれる米国特許第5831012号を参照することにより得ることができる。] [0196] また、標識化アフィボディーは、アイソフォームの存在量を決定するためのイメージング用途に有用であり得る。] [0197] (エフリンA型受容体10に対するドメイン抗体の生産) 本明細書における抗体への言及は、ドメイン抗体への言及を包含する。ドメイン抗体(dAb)は、抗体の最も小さな機能的結合単位であり、ヒト抗体の重(VH)鎖又は軽(VL)鎖の可変領域に対応する。ドメイン抗体は、およそ13kDaの分子量を有する。ドマンティス(Domantis)は、完全ヒトVH及びVL dAbの一連の大きくかつ高度に機能的なライブラリを開発し(各ライブラリにおいて10,000,000,000超の異なる配列)、これらのライブラリを使用して治療標的に特異的であるdAbを選択する。多くの従来抗体とは対照的に、ドメイン抗体は、細菌、酵母及び哺乳動物細胞系において良好に発現する。ドメイン抗体及びその生産方法のさらなる詳細は、以下を参照することによって得ることができる:米国特許6,291,158;6,582,915;6,593,081;6,172,197;6,696,245;米国出願番号2004/0110941;欧州特許出願第1433846号、並びに欧州特許第0368684号及び第0616640号;WO05/035572、WO04/101790、WO04/081026、WO04/058821、WO04/003019及びWO03/002609(これらのそれぞれは、その全体が本明細書に引用により組み込まれる)。] [0198] (エフリンA型受容体10に対するナノボディの生産) ナノボディは、抗体由来の治療的タンパク質であり、天然に存在する重鎖抗体の固有の構造及び機能特性を含む。これらの重鎖抗体は、1つの可変ドメイン(VHH)及び2つの定常ドメイン(CH2及びCH3)を含む。重要なことに、クローン化されかつ単離されたVHHドメインは、元の重鎖抗体の全抗原結合能を保持する完全に安定なポリペプチドである。ナノボディは、ヒト抗体のVH領域と高い相同性を有し、活性の損失を全く伴わずにさらにヒト化できる。重要なことに、ナノボディは低免疫原性能を有し、これは霊長類研究において、ナノボディリード化合物を用いて確認された。] [0199] ナノボディは、従来型抗体の利点を、小分子薬の重要な特徴と組み合わせる。従来の抗体の様に、ナノボディは、高い標的特異性、それらの標的に対する高親和性、及び低い固有毒性を示す。しかしながら、小分子薬の様に、それらは、酵素を阻害でき、受容体間隙に容易に到達できる。さらにまた、ナノボディは極めて安定で、注入以外の手段により投与でき(例えば、引用によりその全てが本明細書に組み込まれるWO 04/041867を参照されたい)、生産が容易である。ナノボディの他の利点には、それらの小型の結果として一般的でないか又は隠れたエピトープを認識すること、それら特有の三次元構造に起因する高親和性及び選択性によりタンパク質標的の腔若しくは活性部位に結合すること、薬剤様式柔軟性、半減期の合目的化、並びに発見の容易性及び迅速性を含む。] [0200] ナノボディは、1つの遺伝子によってコードされ、ほとんど全ての原核及び真核生物宿主、例えば大腸菌(例えば、引用によりその全てが本明細書に組み込まれるUS 6,765,087を参照されたい)、カビ(例えば、アスペルギルス又はトリコデルマ)、及び酵母(例えば、サッカロマイセス、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)、ハンセヌラ(Hansenula)又はピキア)(例えば、引用によりその全てが本明細書に組み込まれるUS 6,838,254を参照されたい)において効率的に生産される。生産過程は計測可能であり、数キログラム量のナノボディを生産した。ナノボディは、従来の抗体と比較して優れた安定性を発揮するので、それらは長期貯蔵寿命、使用準備済溶液として製剤できる。] [0201] ナノクローン法(例えば、引用によりその全てが本明細書に組み込まれるWO 06/079372を参照されたい)は、B細胞の自動化ハイスループット選択に基づき、所望の標的に対してナノボディを生成する特許取得済みの方法である。] [0202] (エフリンA型受容体10に対するユニボディの生産) ユニボディの生産は、別の抗体断片技術である。しかしながら、これは、IgG4抗体のヒンジ領域の除去に基づくものである。ヒンジ領域の削除は、従来のIgG4抗体の基本的に半分のサイズであり、かつIgG4抗体の二価結合領域よりもむしろ一価結合領域を有する分子を生じる。IgG4抗体が不活性で、それゆえ免疫系と相互作用しないことも周知であり、これは免疫応答が望ましくない場合における疾患の治療に有利であり得、この効果はユニボディに受け継がれている。例えば、ユニボディは、それらが結合した細胞を阻害又は抑制するが、殺さないということに機能し得る。加えて、癌細胞に結合しているユニボディは、該癌細胞が増殖することを刺激しない。さらに、ユニボディは従来型IgG4抗体の約半分のサイズであるので、それらは潜在的に有利な効率でより大きな固形腫瘍により良好な分布を示すことができる。ユニボディは、全IgG4抗体と同等の速度で身体から排出され、それらの抗原に対し全抗体と同等の親和性で結合できる。ユニボディの詳細は、引用によりその全てが本明細書に組み込まれる特許WO2007/059782を参照することにより得ることができる。] [0203] (エフリンA型受容体10に対するDARPinの生産) DARPin(設計されたアンキリンリピートタンパク質(Designed Ankyrin Repeat Proteins))は、抗体模倣体DRP(設計されたリピートタンパク質(Designed Repeat Protein))技術の1つの例であり、非抗体ポリペプチドの結合能力を利用するために開発された。アンキリン又はロイシンリッチリピートタンパク質などのリピートタンパク質は遍在的な結合分子であり、抗体と異なった様式で、細胞内及び細胞外で生じる。それらの固有のモジュラー構造は、構造単位(繰り返し)を反復することを特徴とし、それらは共に積み重なり、可変的及びモジュラー標的結合表面を提示する長いリピートドメインを形成する。このモジュラリティに基づき、高度に多様化された結合特異性を有するポリペプチドのコンビナトリアルライブラリを作製できる。この戦略には、可変表面残基を提示する自家和合性リピートのコンセンサス設計及びリピートドメインへのそれらのランダムなアセンブリを含む。] [0204] DARPinは、細菌発現系において非常に高収率で生産でき、それらは公知の最も安定なタンパク質に属する。ヒト受容体、サイトカイン、キナーゼ、ヒトプロテアーゼ、ウイルス及び膜タンパク質を含む広範囲の標的タンパク質に対し高度に特異的で高親和性なDARPinが選択された。一桁代のナノモル〜ピコモル範囲に親和性を有するDARPinを得ることができる。]
权利要求:
請求項1 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防する方法であって、エフリンA型受容体10若しくはその断片に特異的結合し得る親和性試薬、及び医薬として許容し得る希釈剤若しくは担体を含む組成物の治療上有効量をその必要のある対象に投与することを含み、該エフリンA型受容体10が前記癌において過剰発現する、前記方法。 請求項2 エフリンA型受容体10若しくはその断片に特異的結合し得る親和性試薬。 請求項3 治療的部分を含む又は治療的部分に抱合化されている、請求項2記載の親和性試薬。 請求項4 前記治療的部分が細胞傷害性部分又は放射性アイソタイプである、請求項3記載の親和性試薬。 請求項5 検出可能な標識を含む又は検出可能な標識に抱合化されている、請求項2記載の親和性試薬。 請求項6 抗体である、請求項2〜5のいずれか1項記載の親和性試薬。 請求項7 単離されたモノクローナル抗体、若しくはその抗原結合部分、抗体断片、又は抗体模倣体である、請求項6記載の抗体。 請求項8 前記抗体がIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4アイソタイプの全長抗体である、請求項7記載の単離されたモノクローナル抗体。 請求項9 前記抗体が、全抗体、抗体断片、ヒト化抗体、単鎖抗体、免疫複合体、脱フコシル化抗体及び二重特異性抗体からなる群から選択される、請求項7記載の単離されたモノクローナル抗体。 請求項10 前記断片が、ユニボディ、ドメイン抗体及びナノボディからなる群から選択される、請求項7記載の抗体断片。 請求項11 前記模倣体が、アフィボディ、DARPin、アンチカリン、アビマー、バーサボディ及びデュオカリンからなる群から選択される、請求項7記載の抗体模倣体。 請求項12 ヒト補体の存在下で、エフリンA型受容体10抗原発現細胞に対し細胞傷害性を有する、請求項7記載のモノクローナル抗体。 請求項13 ヒト免疫エフェクター細胞の存在下で、エフリンA型受容体10抗原発現細胞に対し細胞傷害性を有する、請求項7記載のモノクローナル抗体。 請求項14 請求項2〜13のいずれか1項において定義した親和性試薬又はその断片の治療上有効量、及び医薬として許容し得る希釈剤又は担体を含む、医薬組成物。 請求項15 請求項2〜13のいずれか1項に定義した1以上の親和性試薬、及び医薬として許容し得る賦形剤を含む、請求項14記載の医薬組成物。 請求項16 疾患を治療又は予防するのに使用するための、請求項2〜13のいずれか1項に定義した作用物質、又は請求項14若しくは請求項15に定義した組成物。 請求項17 前記疾患が癌である、請求項16記載の作用物質。 請求項18 前記癌が、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌又は膵癌である、請求項17記載の作用物質。 請求項19 疾患を治療又は予防するのに使用するための、エフリンA型受容体10又はその断片。 請求項20 前記疾患が癌である、請求項19記載のエフリンA型受容体10又はその断片。 請求項21 前記癌が、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌又は膵癌である、請求項20記載のエフリンA型受容体10又はその断片。 請求項22 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防する方法であって、請求項2〜13のいずれか1項に定義する作用物質、又は請求項14若しくは請求項15に定義する組成物の治療上有効量を、その必要のある対象に投与することを含む、前記方法。 請求項23 請求項7記載の単離された抗体又は抗原結合部分をコードする、単離された核酸分子。 請求項24 請求項23記載の核酸分子を含む、発現ベクター。 請求項25 請求項24記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。 請求項26 前記親和性試薬が、治療及び/又は診断における使用に適している、請求項2〜13のいずれか1項記載の1以上の親和性試薬、又は請求項14に定義される組成物を含む、キット。 請求項27 請求項16〜18のいずれか1項記載の前記親和性試薬の使用についての取扱説明書をさらに含む、請求項26記載のキット。 請求項28 ハイブリダイズ剤をさらに含む、請求項26又は請求項27記載のキット。 請求項29 エフリンA型受容体10の活性を調節する化合物のスクリーニング方法であって:(a)エフリンA型受容体10若しくはその生物学的活性部分を候補化合物と接触させること;及び(b)エフリンA型受容体10の活性がこれにより調節されるかどうかを測定すること;を含む、前記方法。 請求項30 (a)試料において、エフリンA型受容体10若しくはその生物学的活性部分を、候補化合物と接触させること;及び(b)前記候補化合物との接触後の前記試料におけるエフリンA型受容体10若しくはその生物学的活性部分の活性を、前記候補化合物との接触前の前記試料におけるエフリンA型受容体10又はその生物学的活性部分の活性と、又は参照レベルの活性と比較すること;を含む、請求項29記載の方法。 請求項31 エフリンA型受容体10の活性を阻害する化合物のスクリーニングの方法である、請求項29又は請求項30記載の方法。 請求項32 エフリンA型受容体10又はその生物学的活性部分が、細胞上に、又は細胞により発現される、請求項29〜31のいずれか1項記載の方法。 請求項33 エフリンA型受容体10又はその生物学的活性部分が、それを発現する細胞から単離される、請求項29〜31のいずれか1項記載の方法。 請求項34 エフリンA型受容体10又はその生物学的活性部分が、固相上に固定されている、請求項33記載の方法。 請求項35 エフリンA型受容体10又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の発現を調節する化合物のスクリーニング方法であって: (a)エフリンA型受容体10又はエフリンA型受容体10をコードする核酸を発現している細胞を候補化合物と接触させること;及び(b)エフリンA型受容体10又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の発現がこれにより調節されるかどうかを測定すること;を含む、前記方法。 請求項36 (a)試料において、エフリンA型受容体10を発現する細胞、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸を、候補化合物と接触させること;及び(b)前記候補化合物との接触後の前記試料におけるエフリンA型受容体10若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の発現を、前記候補化合物との接触前の前記試料におけるエフリンA型受容体10又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の発現と、又は参照レベルの発現と比較すること;を含む、請求項35記載の方法。 請求項37 エフリンA型受容体10又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の発現を阻害する化合物のスクリーニングの方法である、請求項35又は請求項36記載の方法。 請求項38 請求項29〜37のいずれか1項記載の方法により得られる化合物。 請求項39 エフリンA型受容体10若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の活性又は発現を調節する化合物。 請求項40 エフリンA型受容体10若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の活性又は発現を阻害する、請求項39記載の化合物。 請求項41 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防するのに使用するための、請求項38〜40のいずれか1項記載の化合物。 請求項42 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防する方法であって、請求項38〜40のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を、その必要のある対象に投与することを含む、前記方法。 請求項43 エフリンA型受容体10をコードする核酸にハイブリダイズしてmRNAの転写を阻害できる、ハイブリダイズ剤。 請求項44 検出可能な標識を含む、又は検出可能な標識に抱合化されている、請求項43記載のハイブリダイズ剤。 請求項45 請求項43又は請求項44に定義した1以上のハイブリダイズ剤、及び医薬として許容し得る希釈剤若しくは担体を含む、医薬組成物。 請求項46 前記ハイブリダイズ剤が、治療及び/又は診断の使用に適している、請求項43〜45のいずれか1項記載の1以上のハイブリダイズ剤を含むキット。 請求項47 前記ハイブリダイズ剤のそれらの結合パートナーへの結合を検出して報告できる試薬をさらに含む、請求項46記載のキット。 請求項48 治療に使用するための、請求項43又は請求項44のいずれか1項に定義した、ハイブリダイズ剤。 請求項49 前記治療が癌のためのものである、請求項48記載のハイブリダイズ剤。 請求項50 前記癌が、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌又は膵癌から選択される、請求項49記載のハイブリダイズ剤。 請求項51 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防する方法であって、エフリンA型受容体10をコードする核酸にハイブリダイズし得るハイブリダイズ剤、及び医薬として許容し得る希釈剤若しくは担体を含む組成物の治療上有効量を、その必要のある対象に投与することを含む、前記方法。 請求項52 エフリンA型受容体10若しくはそのエピトープ含有断片、又はエフリンA型受容体10若しくはその断片をコードする核酸を、任意に免疫賦活剤と共に含む、免疫原性組成物。 請求項53 エフリンA型受容体10若しくはそのエピトープ含有断片、又はエフリンA型受容体10若しくはそのエピトープ含有断片をコードする核酸を、任意に免疫賦活剤と共に含む、ワクチン組成物。 請求項54 請求項52記載の組成物を対象に投与することを含む、免疫応答賦活法。 請求項55 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を治療又は予防する方法であって、請求項52又は請求項53記載の組成物の治療上有効量を、その必要のある対象に投与することを含む、前記方法。 請求項56 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を予防又は治療するのに使用するための、請求項52又は請求項53記載の組成物。 請求項57 対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/又はスクリーニングし、若しくはこれらの進行をモニタリングする方法、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果をモニタリングする方法であって、前記対象における、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在若しくはレベル、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在若しくはレベル、又はエフリンA型受容体10の活性の存在若しくはレベルを検出することを含む、又は該レベルの変化を検出することを含む、前記方法。 請求項58 候補対象における膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/又はスクリーニングする方法であって、前記候補対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在を検出することを含み、ここで(a)健常対象のレベルと比較しての該候補対象における、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片のレベルの上昇、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸のレベルの上昇の存在、又はエフリンA型受容体10活性レベルの上昇の存在、又は(b)健常対象において対応する検出不可能なレベルと比較しての該候補対象における、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の検出可能なレベル、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の検出可能なレベルの存在、又はエフリンA型受容体10活性の検出可能なレベルの存在が、前記対象における膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の存在を示す、前記方法。 請求項59 対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行をモニタリングする方法、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果をモニタリングする方法であって、第1の時点及びその後の時点での前記候補対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、若しくはエフリンA型受容体10の活性の存在、又は前記第1の時点での該対象におけるレベルと比較してその後の時点での対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片のレベルの上昇若しくは低下、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸のレベルの上昇若しくは低下の存在、又はエフリンA型受容体10の活性のレベルの上昇若しくは低下の存在を検出することを含み、これが前記対象における、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行若しくは退行を示し、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果若しくは非効果を示す、前記方法。 請求項60 前記エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、若しくはエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、若しくはエフリンA型受容体10の活性の存在が、前記対象から得られる生体試料の分析により検出される、請求項57〜59のいずれか1項記載の方法。 請求項61 前記対象から分析のために前記試料を得るステップを含む、請求項60記載の方法。 請求項62 前記試料が、膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺又は膵臓組織の試料である、請求項60又は請求項61記載の方法。 請求項63 エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在が、定量的に検出される、請求項57〜62のいずれか1項記載の方法。 請求項64 エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在が、イメージング技術の使用を含む手段によって定量的に検出される、請求項63記載の方法。 請求項65 エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在を測定し、これにより膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の細胞を限局化するための組織切片における免疫組織化学の使用を含む、請求項57〜63のいずれか1項記載の方法。 請求項66 エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在、又はエフリンA型受容体10をコードする核酸の存在、又はエフリンA型受容体10の活性の存在が、インサイチュウ分析により検出される、請求項57〜59のいずれか1項記載の方法。 請求項67 エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片の存在が検出される、請求項57〜66のいずれか1項記載の方法。 請求項68 エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片の存在が、エフリンA型受容体10若しくはその1以上の断片に特異的結合し得る親和性試薬を使用して検出される、請求項67記載の方法。 請求項69 前記親和性試薬が抗体である、請求項68記載の方法。 請求項70 エフリンA型受容体10をコードする核酸が検出される、請求項57〜66のいずれか1項記載の方法。 請求項71 エフリンA型受容体10をコードする核酸が、エフリンA型受容体10をコードする核酸にハイブリダイズし得るハイブリダイズ剤を使用して検出される、請求項70記載の方法。 請求項72 エフリンA型受容体10の活性が検出される、請求項57〜66のいずれか1項記載の方法。 請求項73 対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/又はスクリーニングし、若しくはこれらの進行をモニタリングする方法、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果をモニタリングする方法であって、前記対象における、エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在若しくはレベルを検出することを含む、又はそのレベルの変化を検出することを含む、前記方法。 請求項74 対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を検出、診断及び/又はスクリーニングする方法であって、前記対象において、エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在を検出することを含み、ここで(a)健常対象のレベルと比較しての前記対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体のレベルの上昇の存在、又は(b)健常対象において対応する検出不可能なレベルと比較しての前記対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の検出可能なレベルの存在が、前記対象における膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の存在を示す、前記方法。 請求項75 対象において、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行をモニタリングする方法、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果をモニタリングする方法であって、第1の時点及びその後の時点での前記対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在、前記第1の時点での前記対象におけるレベルと比較してその後の時点での前記対象におけるエフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体のレベルの上昇若しくは低下の存在を検出することを含み、これが前記対象における、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌の進行若しくは退行を示し、又は抗膀胱癌、抗乳癌、抗結腸直腸癌、抗頭頸部癌、抗腎癌、抗肺癌若しくは抗膵癌の薬剤若しくは療法の効果若しくは非効果を示す、前記方法。 請求項76 前記エフリンA型受容体10若しくはその1以上のエピトープ含有断片に免疫特異的に結合し得る抗体の存在が、前記対象から得られる生体試料の分析により検出される、請求項73〜75のいずれか1項記載の方法。 請求項77 前記対象からの分析のために前記試料を得るステップを含む、請求項76記載の方法。 請求項78 前記試料が、膀胱、胸部、結腸直腸、頭頸部、腎臓、肺又は膵臓組織の試料である、請求項76又は請求項77記載の方法。 請求項79 膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌若しくは膵癌を有する候補対象において検出され得るレベルが、健常対象におけるレベルより2倍以上高い、請求項57〜78のいずれか1項記載の方法。 請求項80 エフリンA型受容体10若しくはその断片を発現する細胞を殺傷する方法であって、前記細胞を、エフリンA型受容体10若しくはその断片に特異的結合し得る親和性試薬と接触させることを含み、前記親和性試薬が治療的部分を含むか又は治療的部分に抱合化されている、前記方法。 請求項81 前記治療的部分が、細胞傷害性部分又は放射性アイソタイプである、請求項80記載の親和性試薬。
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