![]() 治療的及び美容的方法に有用な新規化合物
专利摘要:
本発明は、光力学療法の美容及び治療用途に使用される光増感剤化合物に関する。本発明の化合物は、局所塗布用に設計され、角質層(患者の外部皮膚層)に対する透過性が低いこと及び/又は潜在的アレルゲン性が低いことを特徴とする。驚いたことに、そのような化合物には、一定の疾病の治療に有益な特性があり、先行技術の化合物によって健康な皮膚に対して引き起こされるような望ましくないダメージがない。アミノ酸、ステロイド、炭水化物、アルコールなどの体内に存在する天然化合物のALA(5−アミノレブリン酸)エステルは、本発明の光増感剤の好ましい例である。本発明の化合物は、美容的体毛除去だけでなく、乾癬と、にきび、脂漏性皮膚炎及び酒さを含む皮脂腺関連病状と、皮膚癌と、前癌などの皮膚病の治療に用いられる。 公开号:JP2011506425A 申请号:JP2010537593 申请日:2008-12-12 公开日:2011-03-03 发明作者:グランツマン,トーマス;バルジュ,ジェローム;ワニエール,ジョルジュ 申请人:フォトデルマ エスアーPhotoderma Sa; IPC主号:A61K8-02
专利说明:
[0001] 本発明は、美容的方法及び化粧品に使用される新規な化合物に関する。この化合物は、医薬品として、あるいは、医薬製品の中に、及び、このような化合物を用いた治療及び/又は予防にも使用できる。特に、本発明は、美容的及び治療的に適応する光力学療法に有用な化合物に関する。] 背景技術 [0002] 従来技術及び発明の基礎となる問題 光力学療法(PDT)とも呼ばれる光化学療法は、例えば癌又は前癌状態疾患及び特定の非悪性疾患(例えば乾癬などの皮膚疾患)などの、特に、皮膚又はその他の上皮組織若しくは粘膜の様々な異常又は疾患の治療用として主として知られている技術である。更に、光力学療法は、国際公開公報第03/041673号に報告されている不要な体毛の除去又は脂性肌の治療などの純粋な美容目的にも用いられる。光化学療法は、罹患している身体領域に感光(光化学療法)剤を塗布し、次いで、適切な波長の光照射によって感光剤を活性化して感光剤を細胞毒性の形態に変換することによって、罹患している細胞を殺すか、又は、それらの細胞の増殖能力を低下させるか、又は、それらの細胞の代謝状態を変化させる。] [0003] 感光剤は、様々な機構によって直接的に又は間接的にその効果を発揮することができる。従って、例えば、特定の光増感剤は、光で活性化されると直接的に毒性になるが、他の光増感剤は、脂質、タンパク及び核酸などの細胞物質と生体分子に対して非常に有害である、例えば一重項酸素又は酸素フリーラジカルなどの酸化剤といった有毒種を生成する。] [0004] 感光剤を塗布する代わりに、標的部位で光増感剤に変換される、例えば皮膚細胞によるプロドラッグである光増感剤前駆体を使用することができる。] [0005] プロトポルフィリンIX(PpIX)は、非常に能力の高い光増感剤であり、例えば皮膚細胞において、ヘム合成の中間生成物として5−アミノレブリン酸(ALA)から合成される。その後、酵素フェロケラターゼは、PpIX分子中に鉄(Fe3+)を導入し、それによってヘムを形成し、光細胞毒性PpIXを除去する。] [0006] 患者の皮膚にALAを局所的に塗布すると、ALAが皮膚の角質層を経て浸透して、PpIXが蓄積されるか、又は、下層の生きている皮膚細胞において関連天然ポルフィリンが蓄積される。とりわけ、フェロケラターゼの作用がヘム合成における律速段階であるので、過剰なALAは、PpIXの一時的及び局所的な蓄積に結びつく。皮膚腫瘍の治療においては、皮膚腫瘍にALAを局所的に塗布し、数時間後に、この腫瘍を光に曝したときに有益な光化学療法的効果が得られる可能性があるという点で、この効果が活用されている。] [0007] ALAの1つの欠点は、腫瘍組織に充分に浸透しないことである。米国特許第6035267号は、この問題に取り組んでおり、局所塗布用のALAアルキルエステルを開示している。このアプローチの1つの問題は、ALAアルキルエステルが、正常で健康な皮膚の角質層も浸透することである。皮膚への投与後に光に曝露させることによって、健康な皮膚組織も破損される。現在、Metvix(登録商標)として商品化されているALAメチルエステルは、皮膚科学において承認されている唯一のALA誘導体である。言いかえれば、ALA及びその承認されている誘導体を用いたPDT療法は、非標的皮膚に対する治療用量の不要な送達による無視できない副作用によって妨げられている。更に、ALAアルキルエステル、特に、ALAのメチルエステルは、無視できない潜在的アレルゲン性を有していることが証明されている(M.J.Harries et al.Photodermatology,Photoimmunology and Photomedicine.2007 Vol.23 N°1.pp35−36/ JM Jungersted.Contact dermatitis.2008.vol 53.N°3.pp184−186/Metvix Package leaflet:読者への情報)。ALA自体がそのような潜在的アレルゲン性を有することは証明されていない。ALAアルキルエステルの潜在的アレルゲン性は、専ら、分子のALA部位に連結されたアルキル鎖に起因する。ALA自体は体内に存在する分子であり、潜在的アレルゲン性を示さない。実際に、標的組織におけるPpIX生産を増加させることを期待して、分子を誘導体化することによって皮膚を通る浸透を増加させる多くの努力がなされてきた。これらの努力においては、損なわれていない皮膚を経た光増感剤の浸透を増加させることによって、健康な皮膚が、光力学療法における照射ステップで、又は光の非存在下においても、アレルギーの効果などの潜在的皮膚刺激性よって悪影響を受けることがほとんど無視されている。] [0008] PDTにおいて光増感剤又は光増感剤前駆体の標的特異性を向上させることが本発明の目的である。] [0009] さらに、ほぼ健康な非ターゲット皮膚とターゲット構造との間での空間的選択性がある光増感剤又は光増感剤前駆体であって、ターゲット組織を治療する一方で、非ターゲット組織を傷つけずに副作用を劇的に低減するものを提供することが目的である。] [0010] さらに、非アレルゲン性の光増感剤又は光増感剤前駆体を提供することが目的である。] [0011] 特に、角質層を通過しないが、標的組織においてPpIX又は他の天然ポルフィリンを生成する能力がある光増感剤又は前駆体を提供することが本発明の目的である。] [0012] より一般的な意味において、健康な皮膚における皮膚刺激性などの副作用を回避又は低減しながら治療的及び美容的用途にPDTを用いることが本発明の目標である。] [0013] 従って、美容的及び/又は治療的用途において、特に、乾癬、にきび、体毛除去、脱毛、脱毛法、体毛増殖阻害、体毛再増殖阻害、脂漏性皮膚炎、酒さ、癌、前癌、脂性肌、体毛、頭部粃糠疹、皮膚感染、皮膚治癒の調整、多汗症、及び/又は臭汗症の美容的及び/又は治療的処置において、PDTの副作用を低減することが本発明の目的である。] [0014] 本発明の発明者は、驚くべきことに、実質的に又は相当程度に角質層を通過できない特定の光増感剤又は前駆体が、特定の標的組織にうまく届き、従って、PDTの様々な治療的及び美容的用途において特に有用であることを発見した。光増感剤及び/又は前駆体の皮膚への浸透を増加させる努力が以前に多くなされてきたことを考慮すれば、これは驚くべきことである。健康で損なわれていない皮膚は、本発明の化合物に対して非透過性が非常に高く、光力学療法における照射ステップ後の又は物質の存在による他の刺激に伴う損傷を回避するので、本発明の化合物は、先行技術において開示された化合物よりも有利である。この方法で用いられる化合物及び本発明の生成物は、従って、実際に治療を必要とする変化した皮膚組織又は皮膚付属物に対してさらに特異的である。] [0015] 従って、第1の態様において、本発明は、乾癬、にきび、脂漏性皮膚炎及び酒さを含む皮脂腺関連病状、脂性肌、脂性髪、頭部粃糠疹、多汗症及び臭汗症から選択される1又はそれ以上に伴う望ましくない皮膚変性を低減する美容的方法であって、上記方法は、前記望ましくない皮膚変性を患っている患者の罹患している皮膚領域に、有効量の光増感剤及び/又は光増感剤前駆体(以下、前駆体という。)を具える組成物を局所的に投与するステップであって、前記光増感剤及び/又は前駆体が患者の健康で無傷の皮膚に局所的に塗布したときは患者の角質層を実質的に通過しないステップと、前記光増感剤及び/又は前駆体が蓄積されている皮膚細胞の死を誘導するのに有効な選択された波長及び強度の光に前記望ましくない皮膚変性を患っている患者の皮膚を暴露させるステップと、を具える方法を提供する。] [0016] 第2の態様において、本発明は、光増感剤及び/又は光増感剤前駆体(以下、前駆体という。)を具える局所的投与用美容組成物であって、前記光増感剤及び/又は前駆体が、患者の皮膚に局所的に塗布したときに患者の角質層を通過する能力が非常に低いことを特徴とする局所的投与用美容組成物を提供する。] [0017] 第3の態様において、本発明は、医薬品又は化粧品として用いる化合物であって、前記医薬品及び/又は化粧品が光力学療法における局所的投与用であり、前記化合物が光増感剤及び/又は光増感剤前駆体(以下、前駆体という。)であり、前記光増感剤及び/又は前駆体が、患者の皮膚に局所的に塗布したときに患者の角質層を通過する能力が非常に低いことを特徴とする化合物を提供する。] [0018] 第4の態様において、本発明は、美容方法及び/又は化粧品、特に、体毛除去及び/又は体毛増殖抑制のための方法及び/又は製品における本発明の化合物の使用を提供する。この化合物は、例えば体毛除去後の体毛の再増殖を抑制するのにも有用である。] [0019] 第5の態様において、本発明は、光力学療法によって皮膚科的疾患を予防及び/又は治療する方法を提供するものであり、上記方法は、患者の皮膚の領域に本発明の化合物を局所的に投与するステップを具える。] [0020] 第6の態様において、本発明は、光力学療法に用いる光増感剤又は光増感剤前駆体を調製する方法を提供しており、この方法は、光増感剤又は前駆体を化学的に修飾して、修飾された光増感剤又は前駆体を得るステップを具えており、患者の角質層を通過する能力が非常に低い程度であることを特徴とする。] [0021] 第7の態様において、本発明は、本発明の化合物を具える医薬品組成物及び/又は美容組成物に関する。] [0022] 更なる態様において、本発明は、ここに定義及び開示されている化合物に関し、特に、本明細書で開示されている式(I)、(1)〜(12)の構造を構造要素として具える化合物、又は、この構造からなる化合物に関する。] [0023] 1つの態様においては、本発明は、5−ALAと天然分子とのエステル、チオエステル及びアミドに関する。前記天然分子は、−OH基、−SH基、−COOH基又は−NH2基を具え、及び/又は、5−ALAに共有結合し易い基を具える置換基を具える。] [0024] さらに別の態様において、本発明は、ここにおいて定義又は開示されている化合物であって、非アレルゲン性である化合物を提供する。化合物が本明細書の目的に沿った非アレルゲン性であるか否かを判断するプロトコルは、実施例37で説明する。] [0025] 別の一態様においては、本発明は、ここにおいて定義又は開示されている化合物であって、化粧品において及び/又は医薬品として用いる化合物を提供する。] [0026] さらに別の態様において、本発明は、皮膚の微生物及びウイルスの治療における本発明の化合物を提供する。本発明は、そのような微生物及び/又はウイルスによって生じる疾病状態の治療にも関する。] [0027] 一態様において、本発明は、乾癬、にきび、脂漏性皮膚炎及び酒さを含む皮脂腺関連病状、脂性肌、脂性髪、頭部粃糠疹、多汗症及び臭汗症から選択される1又はそれ以上に伴う望ましくない皮膚変性の美容的処置に関する。] [0028] 別の一態様においては、本発明は、乾癬、にきび、脂漏性皮膚炎及び酒さを含む皮脂腺関連病状、脂性肌、脂性髪、頭部粃糠疹、多汗症及び臭汗症から選択される1又はそれ以上の病状の治療的処置を提供する。] [0029] 更なる一態様において、本発明は、本発明の化合物を用いる診断ツール及び診断方法に関する。] [0030] またさらなる態様において、本発明は、医薬品として用いる本発明の化合物、該化合物を投与する治療方法、前癌状態及び/又は癌の予防及び/又は治療に用いる化合物に関する。] [0031] 従って、本発明の化合物を、ここで定義されている非治療的方法においてだけでなく、治療的方法にも使用できる。添付された特許請求の範囲において本発明の態様及び好ましい実施形態を提供する。] 図面の簡単な説明 [0032] 図において、図1−10は、直径2.5cmのヒトの前腕又は脚部皮膚領域の蛍光画像であり、これらの画像は、可変実験条件下で異なる光増感剤前駆体を投与した3時間後に撮影した。 図1A−Bは、本発明の化合物を塗布したヒト皮膚の蛍光写真である。80重量%のフェニルアラニン−ALA−アミド(化合物1)を含む製剤を皮膚に局所的に塗布し、投与3時間後に画像を撮影した。図1Aでは皮膚に事前処置を行わず、蛍光を20ミリ秒(ms)の露光時間で測定した。図1Bでは製剤の投与前にワックス脱毛によって体毛を機械的に除去した、蛍光を10ミリ秒(ms)の露光時間で測定した。毛包位置の明るいドットは高い蛍光のスポットを示しており、このスポットにおいては、毛幹の機械的な除去によって角質層に開いた裂け目を通じて化合物1が皮膚組織中に入っている。 図2A−Bは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、1’−α−D−グルコース−ALA−エステル(化合物11)を80重量%で含んでいた。Aでは皮膚を治療しておらず、露光時間は20msであった。図2Bでは図1と同様に体毛を機械的に除去し、露光時間を10msとした。 図3A−Cは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、ALA−コレステロールエステル(化合物6)を70重量%含んでいる。図3Aでは皮膚に処置を行っておらず、露光時間は20msである。図3Bでは体毛を機械的に除去し、露光時間は10msであった。図3Cでは電気カミソリで皮膚を剃り、露光時間は10msであった。 図4A及びBは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、グリセロール−トリ−ALA−エステル(化合物10)を80%含んでいる。図4Aでは皮膚に処置を行っておらず、露光時間は20msであった。図4Bでは体毛を機械的に除去し、露光時間は10msである。 図5A−Cは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、チロシン−ALAエステル(化合物2)を20重量%含んでいる。図5Aでは皮膚に処置を行っておらず、露光時間は20msであった。図5Bでは体毛を機械的に除去し、露光時間は10msである。図5Cでは皮膚を電気カミソリで体毛を剃り、露光時間は4msであった。 図6A−Cは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、フロログルシノール−トリ−ALAエステル(化合物7)を20重量%含んでいる。図6Aでは皮膚に処置を行っておらず、露光時間は20msであった。図6Bでは体毛を機械的に除去し、露光時間は10msであった。図6Cでは電気カミソリで体毛を剃り、露光時間は4msであった。 図7A及びBは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、ALA−トリクロロエチル−エステル(化合物9)を20%含んでいる。図7Aでは皮膚に処置を行っておらず、露光時間は20msであった。図7Bでは体毛を機械的に除去し、露光時間はまた20msであった。 図8A−Cは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、ALA−エチル−エステル−ALA(化合物8)を20重量%含んでいる。図8Aでは皮膚に処置を行っておらず、露光時間は20msであった。図8Bでは体毛を機械的に除去し、露光時間は10msであった。図8Cでは皮膚を電気カミソリで剃り、露光時間は4msであった。 図9A−Cは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、ALA−コレステリルヘキシル−エステル(化合物5)を20重量%含んでいる。図9Aでは皮膚に処置を行っておらず、露光時間は20msであった。図9Bでは体毛を機械的に除去し、露光時間は20msであった。図9Cでは皮膚を電気カミソリで剃り、露光時間は10msであった。 図10A及びBは、図1と同様の皮膚の写真である。製剤は、化合物1に代えて、ALA−アスコルビン酸塩−エステル(化合物12)を80%含んでいる。図10Aでは皮膚に処置を行っておらず、露光時間は10msであった。図10Bでは皮膚を電気カミソリで剃り、露光時間は10msであった。 図11は、本発明の化合物であるALA−DGMEを20重量%具える製剤を脱毛後に塗布した皮膚の蛍光写真を示す。特定の小さいスポットに蛍光が非連続的に結合していることが理解される。 図12は、図11と同じ皮膚領域の通常の写真であり、毛包の周囲において発赤の形態で、本発明の化合物の投与によって引き起こされた選択的で限定された皮膚反応を示している。 図13は、図11と比較するためのものであり、先行技術の化合物であるALAを20重量%具える製剤を塗布した皮膚の蛍光写真を示す。蛍光が非特異的であり、全皮膚領域に一様に分布していることがわかる。 図14は、図12と比較するためのものであり、図13と同じ皮膚領域を示す通常の写真であり、先行技術の化合物の投与によって引き起こされた非選択的な望ましくない皮膚反応を示している。 図15は、脂漏性皮膚炎を示した皮膚であって、本発明の化合物であるALA−DGMEを局所的に塗布した皮膚の蛍光写真である。皮膚炎を起こしている皮膚領域だけが赤い蛍光を示し、健康な皮膚が蛍光を示していないので、化合物の選択性が認められる。 図16は、PDT治療の1日後における、図15と同じ皮膚領域の通常の写真である。皮膚反応は、図15におけるポルフィリン蛍光の領域に限定されている。 図17は、治療前の患者の皮膚の乾癬プラークの通常の写真である。 図18は、ALA−DGMEを20重量%具える製剤を局所的に塗布した図17の皮膚の蛍光写真である。ALA−DGMEの選択性は、乾癬プラークのみに生じる赤い蛍光によって認識することができる。 図19は、乾癬プラークを毎週治療した1か月後における、図17及び18と同じ皮膚領域を示す通常の写真である。図17と比較すると、明らかな改善を示している。 図20は、ALA−DGMEを20重量%具える製剤の塗布後の組織試料の皮脂腺における蛍光の顕微鏡画像である。この図は、本発明の化合物の選択性を示している。 図21は、患者の顔の皮膚領域のプロピオンバクテリウムにきびの数の減少を示している。完全な治療には、ALA−DGMEを具える製剤の局所的な投与、及び、その後の光曝露が含まれる。左の2つのカラムは、治療によって細菌数が実質的に減少することを示している。 図22は、患者の顔の皮膚領域のピチロスポルムオバーレの数の減少を示している。完全な治療には、ALA−DGMEを5重量%具える製剤の局所的な投与、及び、その後の光曝露が含まれる。左の2つのカラムは、治療によって細菌数が実質的に減少することを示している。] 図1 図10A 図10B 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 [0033] 好ましい実施形態の詳細な説明 本発明の化合物は、「光増感剤」及び/又は「光増感剤前駆体」であるか、又は、「光増感剤」及び/又は「光増感剤前駆体」を具えてもよい。本明細書の目的においては、「光増感剤」の用語は、それが蓄積したときに細胞及び/又は組織の感光性を増大させる化合物を表す。光増感剤を蓄積している細胞及び/又は組織全体に特定の波長及び/又は強度の光が照射される場合の、細胞死、細胞の代謝活性及び/又はシグナリングにおける変化が好ましい結果である。本明細書において「前駆体」ともいう「光増感剤前駆体」は、細胞及び/又は組織に塗布したときに、光増感剤に変換されるか又は光増感剤の生成を誘導する化合物である。本明細書において、「光増感剤」、「前駆体」との用語は、区別せずに用いてもよい。] [0034] 好ましい実施形態によれば、「光増感剤」又は「前駆体」は、それを吸収する細胞及び/又は組織の蛍光を誘導する。] [0035] 1つの実施形態によれば、「光増感剤」又は「前駆体」は、それが投与された細胞/組織においてプロトポルフィリンIX(PpIX)又は他の光活性化可能なポルフィリンの蓄積を誘導する。この蓄積されたPpIX又はその他の天然ポルフィリンは蛍光性であり、従って、蛍光を測定することによってその蓄積を決定することができる。] [0036] これまでに多くの「光増感剤」が文献に記載されてきており、当業者は光増感剤を選択できる。例えば、光増感剤は、例えば、ポルフィリン、クロリン、バクテリオクロリン、ポルフィン、コリン、コルフィン、シクロデキストリンフタロシアニン、ベンゾポルフィリン及びピロフェオホルビドの1つ以上から選択された構造を具える化合物を含む。プロトポルフィリン及びその誘導体、特に、プロトポルフィリンIX(PpIX)は、感光剤として機能することが知られている。従って、これらの化合物及び適切な誘導体は本発明に含まれる。本明細書の目的のためには、この誘導体は、上記構造を構造要素として具える化合物、又は、感光特性を維持したままそれらの化合物を化学的に修正することによって得られる化合物である。] [0037] 5−アミノレブリン酸(ALA)は、PpIX及び類似化合物などの天然感光剤の周知の前駆体である。この前駆体自体は、感光特性を有さないが、これを摂取した細胞によって代謝されて感光剤、特に天然ポルフィリンを形成する。従って、本発明の条件を満たすALAの誘導体は、本発明の「光増感剤」の好ましい実施形態である。以下にALA誘導体の好ましい実施形態について更に述べる。] [0038] 本明細書の目的において、複数形の使用は一般に単数形にも言及するものであり、その逆も同様である。例えば、「化合物」に言及するときは、「化合物」が純粋な化合物、又は、精製された化合物を具える投与用製剤などの組成物を表す場合もある。本発明は、ラセミ化合物のような鏡像異性体を2つ以上具える組成物、及び/又は、2つ以上の化学的に異なる無関係な化合物を具える組成物も含む。「活性」との用語は、治療方法及び美容方法を含む本発明の方法及び使用における生物活性を指す。] [0039] 本発明は、患者の皮膚に局所的に塗布したとき、患者の損傷を受けていない健康な角質層に対して高い非透過性を示すが、標的組織においては活性である化合物を提供する。本発明の化合物のこの特殊性は、前記角質層に浸透せずに、患者の損傷を受けていない健康な角質層又はその表面上、及び/又は、患者の毛包脂腺器などの皮膚付属物の組織中に、これらの化合物が実質的に蓄積することを示すことによっても表すことができる。本発明の化合物のこの特性を表わす別の方法は、平均的で健康な患者の角質層が前記光増感剤又は前駆体をほとんど透過させないことである。] [0040] 化合物がこの要件を満たしているか否かを決定するためには、実施例22で述べる手順を使用する。試験を行う皮膚は、健康な個体の前腕皮膚であることが好ましい。] [0041] 半閉塞性包帯テガダーム(商標)(1622W,3M Healthcare,D−46325、ボルケン,ドイツ)を用いて、10〜100重量%の濃度の活性物質を含む「コールドクリーム」5〜10mg/cm2を皮膚に3時間塗布しなければならない。] [0042] 従って、実質的に又はほとんど角質層を通過しない光増感剤又は前駆体の特性は、少なくとも1つの蛍光性誘導体の相対的な蛍光、又は、前記増感剤又は前駆体の代謝産物を評価することによって決定できる。ここで、前記蛍光性誘導体は前記患者の皮膚中に存在する。より詳細に言うと、相対的蛍光(f相対)とは、「光増感剤」を投与した後の蛍光であり、角質層を除去した、あるいは、例えば毛幹を機械的に取り除いて角質層中に穴を開けた皮膚の上で測定した蛍光によって除した、無傷で、健康な角質層がある皮膚の上で測定した蛍光である。] [0043] 本発明の実施形態によれば、角質層を通過しない光増感剤又は前駆体の特性を測定するためには、塗布する光増感剤及び/又は前駆体の皮膚領域当たりの量、及び、投与後蛍光を評価する前までの時間間隔を予め決定し、前記光増感剤又は前駆体の投与によって生じる蛍光の増加量を測定する。] [0044] 角質層の除去は、実施例22に記載するように、例えばカミソリ刀を用いて角質層をこすり取ることによって行う。] [0045] 局所的投与の3時間後に蛍光を測定する。] [0046] 化合物によって皮膚領域に誘導される相対的な蛍光強度が、角質層を除去した皮膚領域に前記化合物を同量塗布したときに得られる蛍光強度の40%未満である場合に、化合物が患者の角質層に浸透できないとみなす。前記相対蛍光強度が、角質層を除去した皮膚に塗布した化合物の蛍光強度の好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満であれば、角質層を通過できない。] [0047] 光増感剤及び/又は光増感剤前駆体が蛍光性でない、及び/又は、蛍光性光増感剤を蓄積させない場合には、別の方法で化合物が患者の角質層を通過できないかどうか判断することができる。角質層を通る光増感剤の浸透は、損なわれていない皮膚又は角質層を除去した皮膚に光増感剤を局所的に塗布した後、光力学療法を行う間に生じる一重項酸素の量を検出することによって決定できる。一重項酸素は、例えば、赤外線発光法(Baier Journal of investigative dermatology.2007.vol.127.pp1498−1506)を用いて検出することができる。光増感剤又は前駆体が角質層を通過できないかどうか判断するには、上記したのと同じパーセンテージの蛍光強度がこの方法による発光に適用される。] [0048] 1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、天然分子に共有結合したALAを具える。本発明の目的のための天然分子は、任意の生物学的生命体によって、又は、任意の生物学的存在の代謝に生理学的に関与することによって、生理学的に生産される任意の物質である。] [0049] 好ましくは、本明細書の目的のための天然分子は、好ましくはヒト細胞代謝によって生産される任意の物質を含んでおり、人体が同化できる物質及び/又は内因性の化合物に変換できる物質を含む。] [0050] 更に、天然分子には、ヒト、動物、及び/又は、植物によって作られる任意の物質が含まれる。植物又は動物によって同化することができ、前記植物又は動物の内因性化合物に完全に変換できる任意の物質は、この物質に含まれる。] [0051] 従って、「天然分子」との用語は、ヒト、動物又は植物における生物学的プロセス、特に、標準的生理学的条件において任意の動物又は植物細胞にみられる任意の物質に関係するすべての化合物を含む。] [0052] より好ましくは、天然分子は、ヒト栄養の一部を形成する化合物、特に、ビタミンなどの多量栄養素及び微量栄養素にさらに具体的に関連している。] [0053] 好ましい実施形態によれば、前記天然分子は免疫原ではない。] [0054] 天然分子の例には、アルコール(例えばグリセロール)、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、特に(グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、マンノースなどの多糖類糖)を含む炭水化物、(システイン、チロシン、フェニルアラニン、メチオニンなどの)非タンパク新生及びタンパク新生アミノ酸、(ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチドなどの)ペプチド及び/又はポリペプチド、(ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDなどの)ビタミン、(アデノシン三リン酸(ATP)、AMP、ADP、cAMP、デオキシアデノシントリリン酸塩、GTP、GDP、GMP、CTP、CDP、CMPなどの)ヌクレオシド及びヌクレオチド、DNA及びRNA、(リノール酸、パルミチン酸などの)長鎖脂肪酸(≧C18)、中鎖脂肪酸(C8−C16)、及び、短鎖脂肪酸(<C8)などの脂肪酸を含む脂質、並びに、(例えば、セラミド、スフィンゴシン、スクアレン及びコレステロールなどの)他の脂質が含まれる。] [0055] 本発明のALA誘導体は、ALA(体内に存在し、非アレルゲン性である)と天然分子とのエステルを含む。そのエステルは、認可されている標準ALAアルキルエステルのアルキル鎖と比較して、潜在的アレルゲン性が低いことが予想される。特に、ALAのエステル及びその他の体内に存在する分子は、潜在的アレルゲン性が非常に低いことが求められる。] [0056] 本発明の目的の天然分子には、ステロイド及びペプチドホルモンなどのホルモンも含まれる。天然分子には、セスキテルペン、モノテルペン、ジテルペン、及び、トリテルペンを含むテルペンや、例えばアルカロイドも含まれる。] [0057] 天然分子は、例えば5−ALAのカルボン酸基(−COOH)及び/又はアミノ基(−NH2)に対して、5−ALAに共有結合できる官能基を具える必要がある。この官能基は、天然分子自体の一部であってもよいし、又は、天然分子の任意の置換基の一部であってもよい。ここで前記置換基は、必ずしも本明細書に定義されている天然分子でなくてもよい。天然分子(及び/又はその任意の置換基)は、5−ALAのカルボン酸基との反応によってエステルを生成し易い水酸基−OH;5−ALAのカルボン酸基との反応によってアミドを生成し易いアミン官能基;5−ALAのアミン官能基と反応によってアミドを生成し易いカルボン酸基R−COOH;5−ALAのカルボン酸基との反応によってチオエステルを生成し易いチオール基R−SH;から選択される少なくとも1つを具えることが好ましい。−OH基を具える化合物には、例えば、第1級、第2級、及び、第3級のアルコール、エノール及びフェノールが含まれる。チオール基を具える化合物は、例えば、チオール基、エンチオール基、及び/又は、フェンチオール基を具える化合物である。アミンを具える化合物は、例えば、第1級、第2級、及び、第3級のアミン及び/又はエナミンである。] [0058] 1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、5−アミノレブリン酸(ALA、5−ALA)のエステル、チオエステル、及び/又は、アミドから選択される。] [0059] 本発明の好ましい実施形態によれば、本発明において用いるALAエステルは、グリコール及び/又はポリグリコールエステルである。そのような化合物は、国際公開公報第03/041673号に開示されており、この文献はここで言及することによって明示的に組み込まれている。] [0060] 好ましい実施形態によれば、本発明の化合物は式(I)の化合物である。 上記式において、YはS及びOから選択され、XはO、NH及びSから選択され;R1−R3は、H及び3〜200個の炭素を具える炭化水素から独立して選択され、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、前記ヘテロ原子は、O、N、S、P、ハロゲン(F、Cl、Br、I)から選択されてもよく、また、R1−R3の少なくとも1つが水素ではないという条件で金属原子から選択されてもよい。金属原子は、例えばFe、Mg、Si、Ge及びRuから選択されてもよく、また、帯電しているか及び/又は1つ以上の錯体結合によって前記炭化水素に結合していてもよい。好ましくは、そのような金属は酸化数+2を有する。] [0061] 金属原子を具える炭化水素から選択される置換基R1−R3の一例は、クロロフィルであり、その場合においては金属原子がMg2+である。クロロフィルを、例えば、クロロフィルa、b、cl、c2、d又はクロロフィリン(合成的に作られたクロロフィルの変種)などの任意のクロロフィル種から選択してもよい。特に、クロロフィルのカルボキシル基の1つは、ALAのアミン基に連結させることができ、それによって、対応するアミドを得る。代替的に、クロロフィルの環式アミノ基の1つは、ALAのカルボキシル基に連結されてアミドを生成することもできる。] [0062] 例えば、R1−R3の1つ、2つ又は3つすべてが水素ではない。] [0063] 1つの実施形態によれば、R1−R3の2つが水素であり、1つは上に定義されている炭化水素である。1つの実施形態によれば、R3及びR2がHであり、R1が上記に定義されている炭化水素である。] [0064] 好ましくは、R1−R3から選択された少なくとも1つが0〜40個のヘテロ原子を具える。] [0065] 好ましくは、HではないR1−R3から選択される少なくとも1つの置換基は、3〜100個の炭素、及び、ゼロ(0)、1個又はそれ以上、好ましくは1〜20個のヘテロ原子を具える炭化水素から選択される。] [0066] より好ましくは、HではないR1−R3から選択される少なくとも1つの置換基は、3〜35個の炭素、及び、ゼロ(0)、1個又はそれ以上、好ましくは1〜10個のヘテロ原子を具える炭化水素から選択される。] [0067] 最も好ましくは、HではないR1−R3から選択される少なくとも1つの置換基は、5〜20個の炭素、及び、ゼロ(0)、1個又はそれ以上、好ましくは1〜5個のヘテロ原子を具える炭化水素から選択される。] [0068] 1つの実施形態によれば、R1−R3から選択される少なくとも1つの置換基であってHではない置換基は、構造要素として、ここで定義されている少なくとも1つの天然分子、又は、天然分子が置換されていれば、ここで定義されている少なくとも1つの置換された天然分子を具える。例えば、−X−R1は、構造要素として、少なくとも2個(例えば3個)の天然分子を具える。] [0069] 1つの実施形態によれば、Xは、前記天然分子の一部であってもよく、又は、前記天然分子が置換されていれば、前記天然分子の置換基の一部であってもよい。] [0070] 1つの実施形態によれば、置換基−X−R1、−R2、及び/又は、R3は、本明細書で上記に定義されている天然分子、又は、さらに置換されている天然分子である。従って、Xは、前記天然分子のヘテロ原子であってもよく、又は、該当する場合には前記天然分子の置換基のヘテロ原子であってもよい。] [0071] 前記天然分子が置換されていれば、その置換基は、好ましくは1〜5個のヘテロ原子を具えるC0〜C30の炭化水素であり、より好ましくは1〜3個のヘテロ原子を具えるC1〜C10の炭化水素である。置換基は、−OH、−NH2、=O、−SH、−COOH、−S(=O)2OH(スルフォナート、スルホン酸)、−O−P=O(OH)2(リン酸塩、ホスホン酸)、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、及び、C1〜C20のアルキル基、C4〜C20のアリール基、C2〜C20のアルケニル基などの官能基から独立に選択されてもよく、前記アルキル基、アリール基及びアルケニル基が、1つ以上のヘテロ原子を具え、及び/又は、前記アリール基がC4であるときに少なくとも1つのヘテロ環原子を具える条件において、例えば上に示した官能基から選択される1つ以上でさらに置換されて置換基に芳香族性を付与してもよい。従って、アリール基は、例えばピリミジン(C4)、チオフェン(C4)であってもよい。C5アリール基は、ピリジン及びヘテロ原子を有さないシクロペンタジエンアニオンを含む。置換基がアルキル基又はアルケニル基である場合には、前記置換基は、分岐又は環式である場合に少なくとも3つの炭素を有するという条件で、直鎖、分岐又は環式であってもよい。置換基は、ここで定義されているさらなる天然分子(置換された天然分子を含む)でさらに置換されていてもよい。] [0072] X−R1がここで定義されている天然分子であってさらに置換されていれば、Xは、前記天然分子のヘテロ原子又は前記置換基のヘテロ原子を表わしてもよい。言いかえれば、前記天然分子は、あり得る置換基の1つを介して、式(I)のALA基本構造に結合していてもよい。例えば、ALAコレステリルヘキシルエステル(下記の化合物5)の場合には、天然分子(コレステロール)が6−ヒドロキシヘキシル基で置換され、前記置換基は、6−ヒドロキシ基とのエステル結合を形成して式(I)のALA基本構造に結合している。] [0073] 従って、前記天然分子の置換基は、ALA構造に天然分子を連結させるためのリンカーとして機能できる。従って、上記天然分子の置換基と同じ定義を有するリンカーが存在していてもよい。] [0074] 下記化合物7の場合には、−X−R1は、さらに2つの水酸基残基においてそれぞれ2つのALAで置換されているフロログルシノールである。この場合、フロログルシノールは、2つのさらなるALA(天然分子)の1つの置換基とみなされ、前記置換基(フロログルシノール)は、天然分子(さらなるALA置換基)でさらに置換されている。化合物7において、−X−は、Oであり、R1は、6O及び2Nのヘテロ原子を具えるC16の炭化水素である。] [0075] 本発明は、特にR2及びR3がHであるときに、R1がアルキル、特にメチルである可能性を排除することが好ましい。そのような化合物は、潜在的アレルゲン性があるため不利である。] [0076] 本発明の化合物の例を下記のように提供する。] [0077] 本発明は、上記化合物(1)〜(12)の構造を構造要素として具える化合物だけでなく、上記化合物(1)〜(12)にも関する。] [0078] 本明細書の目的のために、「具える」との用語は、「他のものの中において含む」ことを意味することを意図している。この用語は、「のみからなる」と解釈されることを意図していない。] [0079] 上に示したように、好ましい実施形態によれば、本発明の化合物がALAのエステルであることが好ましい。これらの化合物を、最適なアルコールとのエステル化によって形成して化合物全体に必要とされる特性に寄与させてもよい。エステル化反応の条件は、用いるアルコールに依存し、エステルの最大収率が得られるように選択してもよい。エステル化反応は可逆平衡反応であるので、エステル生成物の最大収率が得られるように反応条件を選択してもよい。そのような条件は、例えばクロロホルムなどのいくつかの塩素化炭化水素等のように、水との共沸混合物を形成することによって一般的なエステル化反応で形成される水を除去できる溶媒を選択することによって達成してもよい。大過剰量のアルコールを用いることによって平衡反応をエステル側に移動させて5−ALAの低級エステルの形成してもよい。他のエステルについては大過剰量の酸を用いることによって平衡をエステル生成物の側へ移動させてもよい。] [0080] 例えば、Saul Patai“The Chemistry of the carboxylic acidsand esters”(Ch.11,p.505,Interscience 1969)、及び、Houban Weyl(Methoden der Organischen Chemie,Band E5,”Carbonsauren und Carbonsaurederivate”,p.504,Georg Thieme Verlag 1985)に記載されているように、エステル化反応は当業界において周知である。アミノ酸の誘導体の形成は、同じシリーズのBand XI/2(Houben Weyl,Methoden der Organischen Chemie,Band XI/2,“Stickstoffverbindungen”,p.269,Georg Thieme Verlag,1985)に記載されている。] [0081] ある出発物質については、エステル化反応自体を開始する前に保護基を付加させることが必要な場合もある。そのような手順は、例えば、Stephen Caddick,Alexandra K.de K.Haynes,Duncan B.Judd and Meredith R.V.Williams.Convenient synthesis of protected primary amines from nitriles.Tetrahedron Letters Volume 41,Issue 18,2000年4月29日,第3513−3516頁に開示されている。従って、これらの手順を用いて所望のエステル化を潜在的に妨げる基を一時的に保護してもよい。] [0082] 本発明の化合物を局所的な塗布に用いることが好ましい。前記化合物をヒト又は動物の皮膚に経皮的に塗布することが好ましい。本発明の化合物を、例えばヨーロッパ薬局方の標準賦形剤(例えば実施例12に記載されている「コールドクリーム」)などの任意の適切な賦形剤中で調剤してもよい。例えば、化合物を、純粋なグリセロール(GLY)若しくは純粋なジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)、又は、他の薬学的に許容可能な適切な懸濁液媒体に懸濁させてもよい。実施例において、本発明の範囲をいかようにも限定しない少数の適切な製剤が提供されている。] [0083] その製剤は、化粧品又は治療薬の製剤であってもよく、本発明の化合物を、1〜90重量%、好ましくは3〜85重量%、より好ましくは5〜80重量%、さらに好ましくは8〜70重量%具えてもよい。本明細書の目的では、製剤及び生成物におけるパーセンテージは、別段の指示がない限り重量パーセントである。] [0084] 本発明の美容方法、予防方法及び治療方法においては、皮膚1cm2当たり、好ましくは2〜15mg、より好ましくは4〜11mg、さらに好ましくは5〜10mg、最も好ましくは7〜8mgの製剤を塗布してもよい。] [0085] 上記に定義されているように、本発明の化合物は、患者の損傷を受けていない角質層に対して高い非透過性特性を有する。特に、本発明の化合物は、様々な条件で発生するような、傷ついた又は機能していない角質層で特徴付けられる皮膚組織をほぼ通過する。また、本発明の化合物は毛脂器などの皮膚付属物に蓄積し得る。] [0086] 損傷を受けていない角質層によってはじかれる本発明の化合物の特性によって、該化合物が、角質層の保護機能が健康な状態と比較して少なくともある程度まで低下している損なわれた角質層で特徴付けられる美容的適用及び治療的適用に特に適したものになる。] [0087] 当時に、損なわれていない皮膚にほとんどがはじかれる一方で、損なわれている角質層を有する皮膚には容易に吸収される本発明の化合物は、損なわれた皮膚に対する特異性及び/又は選択性によって、先行技術で開示されている化合物よりも有利である。実際に、先行技術は、光力学療法で用いられる光増感剤の皮膚の透過性を上げることを一貫して提案している。これは本発明とは逆である。本発明は、光増感剤が健康な組織に届いて該組織が光化学的ダメージに対して敏感になるのを防ぐことによって、光力学療法における健康な組織へのダメージをより小さくしている。] [0088] 従って、本発明の化合物は、化粧品において及び/又は医薬品として、特に、美的でなく及び/又は望ましくない皮膚の病状の治療若しくは予防に用いてもよいし、皮膚疾病の治療にも用いてもよい。1つの実施形態によれば、前記化合物は、(1)皮膚癌及び/又は皮膚前癌、(2)皮脂腺関連適応症、及び/又は、(3)前記皮脂腺関連適応症がにきび、脂漏性皮膚炎及び酒さを具える場合の乾癬の治療及び/又は予防に用いられる。] [0089] 本発明の美容方法及び化粧品の1つの実施形態によれば、前記方法及び/又は前記製品は、非治療的である。] [0090] 癌及び/又は前癌の治療における本発明の化合物の有効性は、本発明の光増感剤の光毒性に由来する。従って、蓄積された組織において光感作物質蛍光を誘導するという本発明の化合物の特性は、化合物の光毒性及びそれによる光力学療法における有効性を高い信頼性をもって示している。本発明の化合物によって誘導される蛍光は、例えばPpIX又は他の構造的関連天然ポルフィリン化合物に由来する。] [0091] 本発明の化合物は、脂性肌/脂性体毛、頭部粃糠疹及び多汗症/臭汗症の美容的処置、及び、治療的処置又は予防にも有用である。] [0092] 他の1つの実施形態によれば、皮膚上の微生物及びウイルスの治療に本発明の化合物を用いる。] [0093] 本発明の化合物は、体毛除去及び/又は体毛再増殖阻害及び/又は体毛増殖阻害方法を含む美容方法に特に有用である。好ましくは、ここで開示及び定義されている化合物は、損傷を受けていない角質層は通過しないが、ヒト又は動物対象の皮膚中の毛脂器及び/又は毛包に好ましくは蓄積する。従って、本発明の化合物は、特に毛幹の機械的な除去後に、好ましくは毛脂器及び/又は毛包に対して高い選択性を有する。] [0094] 本発明の化合物は診断法にも有用である。特に、選択性を向上させることが重要な場合に前記化合物が有利である。例えば、前記化合物を腫瘍境界決定、腫瘍検出、及び、微生物感染の確認から選択される1以上に用いてもよい。] [0095] 本発明を以下の実施例によって説明する。それらの実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明の一般的な概念を説明するものである。] [0096] 別段の定めがない限り、本実施例においては、パーセンテージは重量による。 実施例1−12:本発明による化合物の合成 合成実施例1−11を実施するすべて原料をSigma−Aldrich Chemie社(9471、Buchs、スイス連邦)から得た。] [0097] 1.フェニルアラニン−ALA−アミド ジブロミドと共にアミノレブリン酸をメタノールに溶解させた。その後、生成物を精製し、水素流下においてメタノールに溶解させた。パラジウムを触媒として用い、次に、Boc2Oを加えた。ヘキサフルオロベンゼンの添加によって、フェニルアラニンによって容易に置換されるペンタフルオロベンゼンエステルを得ることができる。Bocで保護されたフェニルアラニン−ALA−エステル誘導体を酸性条件下で脱保護し、最終生成物(化合物1)をクロマトグラフィーによって精製した。] [0098] 2.チロシン−ALA−エステル エタノールにチロシンを溶解させ、ter−ブチル基とエステル化させ、次いで再結晶化し、ジクロロメタンに溶解させた。Boc2Oを加えてアミン基の防護を行った。アミン基がBoc基で保護されたALAを、DCC及びDMAPを用いて、予め再結晶化した保護されたチロシンと反応させるために放置した。保護されたチロシン−ALA−エステルをTFA中で脱保護して、クロマトグラフィーによって精製できるチロシン−ALA−エステル(化合物2)誘導体を得る。] [0099] 3.システイン−ALA−エステル システインをter−ブチル基でエステル化し、酸化条件下に置いてジスルフィド結合によって連結されたシステイン二量体を得る。その後、その二量体をジクロロメタンに溶解させ、そのアミン基をBoc保護した。保護されたその二量体を還元条件下に置いて2個の保護されたシステインを放出させ、そのアミン官能基において予めBoc保護したALAと反応させるために放置した。TFA中でチオエステル化及び脱保護を行った後に、保護されたALA−システイン誘導体を得た。ALA−システイン−チオエステル誘導体(化合物3)をクロマトグラフィーによって精製した。] [0100] 4.ALA−オキサゼパム−ヘキシル−エステル 最初のステップにおいて、予めアミン官能基をBoc保護したALAを、DCC及びDMAPを用いて、1−ブロモ−ヘキサノールとエステル化した。その後、Boc−ALA−ブロモヘキシルエステルとオキサゼパム分子の水酸基との間で付加を行った。その後、得られたBoc保護されたALA−オキサゼパム−ヘキシル−エステルを、TFA中で脱保護し、クロマトグラフィーによって精製することができる(化合物4)。] [0101] 5.ALA−コレステリルヘキシル−エステル 最初のステップにおいて、コレステロールとヘキサノールとのエステルは、水素化ナトリウムの存在下で1−ブロモ−ヘキサノールとコレステロールとを反応させることによって得られる。その後、DCC及びDMAPを用いて、生成物を、予めアミン基をBoc保護したALAとエステル化させた。次いで、Boc保護されたALA−コレステリルヘキシル−エステルをTFA中で脱保護し、ALA−コレステリルヘキシル−エステル(化合物5)をクロマトグラフィーで精製することができる。] [0102] 6.ALA−コレステロール−エステル DCC及びDMAPを用いて、コレステロールを、予めアミン基をBoc保護したALAとエステル化させた。Boc−ALA−コレステロール−エステルをTFA中で脱保護し、目的のALA−コレステロール−エステル(化合物6)をクロマトグラフィーによって精製することができる。] [0103] 7.フロログルシノール−トリ−ALA−エステル DCC及びDMAPを用いて、フロログルシノールを、予めアミン基をBoc保護したALAとエステル化させた。Boc(3)−フロログルシノール−トリ−ALA−エステルをTFA中で脱保護し、目的のフロログルシノール−トリ−ALA−エステル(化合物7)をクロマトグラフィーによって精製することができる。] [0104] 8.ALA−エチル−エステル−ALA DCC及びDMAPを用いて、予めアミン基をBoc保護したALAをエチレングリコールと反応させて、(エチレングリコールの2つの水酸基との)ALAのジエステルを得た。Boc(2)保護されたALA−エチル−エステル−ALAをTFA中で脱保護し、目的のALA−エチル−エステル−ALA(化合物8)をクロマトグラフィーによって精製することができる。] [0105] 9.ALA−トリクロロエチル−エステル DCC及びDMAPを用いて、予めアミン基をBoc保護したALAを1,1,1−トリクロロエタノールとエステル化させた。その保護されたBoc−ALA−トリクロロエチル−エステルをTFA中で脱保護し、目的のALA−トリクロロエチル−エステル(化合物9)をクロマトグラフィーによって精製することができる。] [0106] 10.グリセロール−トリ−ALA−エステル DCC及びDMAPを用いて、グリセロールを、予めアミン基をBoc保護したALAとエステル化させた。次いで、Boc(3)−グリセロール−トリ−ALAをTFA中で脱保護して、クロマトグラフィーによって精製することができる目的のグリセロール−トリ−ALA(化合物10)を放出させた。] [0107] 11.1−グルコース−ALA−エステル 最初のステップにおいて、臭化ベンジルを用いて水酸基においてグルコースを完全に保護した。次いで、酵素の触媒作用によって1’位のベンジル基を選択的に脱保護した。予めアミン基をBoc保護したALAを加え、ベンジル保護されたグルコースの遊離水酸基とのエステル化のためのに放置した。次いで、TFAを用いてベンジル及びBoc残留物を除去した。目的の1’−α−D−グルコース−ALA−エステル(化合物11)をクロマトグラフィーによって精製することができる。] [0108] 12.ALA−アスコルベート−エステル DCC及びDMAPを用いて、アスコルビン酸を、予めアミン基をBoc保護したALAとエステル化させた。Boc−ALA−アスコルベート−エステルをTFA中で脱保護し、目的のALA−アスコルベート−エステル(化合物12)をクロマトグラフィーによって精製することができる。] [0109] 実施例13−21:局所塗布用の製剤 以下の表示に基づいて、化合物1−12を局所的に塗布するための様々な製剤を生産した。パーセンテージは重量百分率である。すべての製剤を、以下に示した量に従って調製し、本発明の化合物をそれぞれ添加した。一般に、最終製剤の100重量部当たりに20重量部の精製成分を加えた。] [0110] 13.コールドクリーム(水中油型エマルジョン) セチル酸アルコール21%、流動パラフィン19%、Span(登録商標)80 0.5%、Tween(登録商標)80 4.5%、水55%。] [0111] 14.ラノリンを含む軟膏 羊毛脂(ラノリン)37.5%、白色ワセリン(ワセリン)62.5%] [0112] 15.ヒドロゲル カルボキシメチルセルロースNa 450cps(Carbopol社)3.5%、水96.5%] [0113] 16.陰イオン性親水性クリーム(水中油型エマルジョン) セチラナム5%、落花生精製油(精製したピーナッツ油)30%、プロピレングリコール20%、水45%] [0114] 17.非イオン性親水性クリーム(水中油型エマルジョン) Tween(登録商標)80 5%、プロピレングリコール10%、セチル酸アルコール10%、落花生精製油(精製したピーナッツ油)30%、水45%] [0115] 18.脂肪親和性軟膏 流動パラフィン(5%)、白色ワセリン(ワセリン)95%] [0116] 19.乳化剤なしの親水性軟膏(油中水乳剤) サラシミツロウ(白蝋)8%、落花生精製油(精製したピーナッツ油)72%、ドデシル硫酸ナトリウム0.1%、水19.9%] [0117] 20.マイルドIIクリーム(油中水エマルジョン) セチル酸アルコール0.85%、羊毛脂(ラノリン)3%、白色ワセリン(ワセリン)12.9%、サラシミツロウ(白蝋)1.5%、落花生精製油(精製したピーナッツ油)34%、水47.75%] [0118] 21.ナノエマルジョン 落花生精製油(精製したピーナッツ油)65%、Tween(登録商標)80 7%、Span(登録商標)80 22%、プロピレングリコール3%、水3%] [0119] 実施例22:本発明の化合物の角質層を経た透過性を測定する方法論及び装置 本発明の化合物の角質層を経た透過性をPpIXの蛍光測定によって評価する。本明細書の目的のための、「PpIX」との表現は、文献に報告されているようなPpIX、及び、適切な光を用いた照明の後に蛍光シグナルを生成する他の天然ポルフィリンを表す。本発明の化合物の透過性は、損なわれていない皮膚の表面に塗布した本発明の化合物のPpIXに誘導された蛍光と、角質層を除去した皮膚に塗布した同じ化合物によって誘導された蛍光との比較によって決定される。] [0120] カミソリ刀(BIC Classic 1 lame)を具えた電気かみそりによって角質層を除去した。水、カミソリ泡又は他の潤滑剤を用いずに、皮膚上を前記カミソリ刀で穏やかに8回通過させた。] [0121] テガダーム(商標)透明包帯を用いて、本発明の化合物を具える製剤及びコントロールを前腕又は脚部に局所的に投与した。製造者の仕様書によれば、この包帯は、水及び酸素の輸送が可能である。この包帯を除去し、測定直前に水を用いて残りの製剤を洗浄した。] [0122] 国際公開公報第03/041673号の図IXに図示されている蛍光画像化システムを用いて、「巨視的」サンプル(前腕、脚部、背中などのヒト身体の一部)におけるPpIX生産の範囲及びレベルを評価する。そこに開示されているALA−DGME化合物と同様に試験装置及び説明は、ここで言及することによって明示的に組み込まれる。PpIXの相対レベルを評価することが目的なので、635nmにおける赤色光をPpIX蛍光励起波長に選択する。皮膚組織においては赤色光が緑色光や紫色光よりもさらに深く浸透することが実際に知られており、後者の2つの波長がより大きなPpIX吸収ピークに対応する(国際公開公報第03/041673号の図IXの右側に示されているPpIX蛍光励起及び発光スペクトルを参照されたい。)] [0123] 国際公開公報第03/041673号の図IXに示されている構成図に示されているように、この蛍光提像システムは、赤色のバンドパスフィルタ(635nm、20nmFWHM、Chroma社、米国)を装備した、変調した300WのD発光源1(Storz社のXe arcランプ、ツットリンゲン、ドイツ)を具える。この蛍光励起光をStorz社の直径4mmの導光管2に結合させる。この導光管の出力を、投影対物レンズ4(Nikon、日本国;AFNikkor;1:1.4 D/50mm)を用いて組織試料3上に結像させ、635nmにおいて2mW/cm2の輻射照度で直径2.5cmの均質なスポットを生成する。この投影対物レンズ4とサンプル3との間の距離は、25cmである。従って、サンプルを照らすビームは、平行とみなすことができる。その蛍光を、ロングパスフィルタ6(Schott社、ドイツ;RG665)を通して別の対物レンズ5(Fujinon、日本国;TVズームレンズ;1:1.2/12.5−75mm;TypeH6X12.5R−MD3)によって集光し、イメージ増培管7(Proxifier BV 256−2FcZ−CH、Proxitronic、ベンスハイム、ドイツ)を装備した科学CCDカメラ(752×582ピクセルCF 8/1(Kappa社、グライヘン、ドイツ)によって画像を検出した。8ビットのカメラフレーム取込み器によって画像を取り込み、「Kappaイメージベースコントロール」ソフトウェアを用いてコンピュータ8に保存する。IPLabイメージングソフトウェアを用いて画像処理を実行する。全体機構の空間分解能をUSAF分解能ターゲットを用いて測定し、サンプル計画において得た値は3lp/mm、カメラで検知した画像のサイズは3×4cm2である。] [0124] 様々な時点で調査したサンプル間の相対的な蛍光輝度を比較できるように基準サンプルを設計した。この基準は、NDフィルタ(T=2.27%)で覆われたルビーディスク(直径:12mm;厚さ:1.02mm;タイプ8Sp3、Hans Stettler SA社、リス、スイス連邦)からなり、この基準サンプルを用いて得られるシグナルが我々の条件で検出される特徴的な組織蛍光に対応する。NIHイメージソフトウェアを用いてその画像を分析する。上記方法は、1)毛包がない表皮、及び、2)毛包に対応する領域位置を確認するステップからなる。測定(1)は、角質層の透過性を評価するのに適切である。そのような領域に含まれているピクセル数は100である。これらのピクセルの値は、平均化され、PpIX前駆体を受けていない領域で記録された組織自己蛍光を差し引くことによって修正される。従って、試験したそれぞれの製剤について、毛包を囲む領域は蛍光輝度値を受け、体毛を有しない表皮の領域(表皮)も蛍光輝度値を受け、これらの値は上記ルビーディスクである基準に対する任意の相対的単位で表現される。比率r=毛包領域の蛍光輝度値/無毛の表皮領域の蛍光輝度値を用いて、毛包に対する本発明の化合物の選択性を定量する。] [0125] 実施例23−32:本発明の化合物によって誘導される蛍光の測定 上記実施例13に記載されているように、上述した化合物2、5、6、7、8、11及び12を製剤として「コールドクリーム」中に混合させた。] [0126] 表1は、損なわれていない皮膚、及び、電気カミソリによって角質層(SC)を除去した皮膚における本発明の化合物から得られた蛍光値を示す。] [0127] 表1において、ALA−DGMEは、ALAのジエチレン−グリコールモノエチルエーテルエステルを表す。] [0128] 損なわれていない皮膚(皮膚治療なし)に塗布した化合物を用いて得られた値を、角質層を除去した値と比較して透過性を評価することができる。] [0129] 例えば、化合物6を用いると、角質層の除去によって蛍光が25倍に増加することが分かり、そのことは、該化合物が角質層に入り込まないことを示している。] [0130] 化合物8を用いると、角質層の除去によって蛍光が係数7.5で上昇し、従って、化合物8によって誘導された蛍光は、角質層を除去した皮膚に塗布した化合物によって得られた蛍光のわずか13.3%に相当する。この場合もやはり、化合物は、角質層からほとんど拡散することができず、従って、本発明の定義に収まる。] [0131] 実施例33:ALA−DGME 5%を用いたPDT直後のバクテリアプロピオニバクテリウムアクネス(P.acnes)の光破壊 皮膚に影響することなくヒトの顔のバクテリア及び酵母群を大幅に減少させることは、図示されているようにインビボPDTに選択的ALA誘導体を用いれば可能である。] [0132] ALA−DGMEを5%含むコールドクリームを調製する。ALA−DGMEを5%含むコールドクリーム又は偽薬(コールドクリーム)の15mgをボランティアの顔に塗布する。ALA−DGME又は偽薬を受けた領域を3時間後に5〜15J/cm2の赤色光に暴露させる。照射直後に、回収バッファー中に浸漬することによって投与領域に存在するバクテリアを回収し、バクテリアを懸濁液中で分離して生存させる。適切な希釈の後に寒天平板上で回収サンプルに接種する。それはプロピオニバクテリウムアクネスに対して選択的である。選択培地における5日間の増殖後にCFU(コロニー形成単位)を数える。] [0133] その結果を図20に示す。本発明の化合物であるALA−DGMEは、局所的に塗布したときに、患者の皮膚に存在する微生物を殺すのに適していることがわかる。ボランティアの皮膚には副作用がみられなかった。] 図20 [0134] 実施例34:ALA−DGME5%を用いたPDTの24時間後の酵母癜風菌(P.ovale)の光破壊 前記実施例にようにALA−DGMEを5%含むコールドクリームを調製する。ALA−DGMEを5%含むコールドクリーム又は偽薬(コールドクリーム)の15mgを脂漏性皮膚炎のボランティアの鼻に塗布する。ALA−DGME又は偽薬を受けた領域を3時間後に5〜15J/cm2の赤色光に暴露させる。光曝露の終了から24時間後にパッチストリップ法(D−Squame.Cuderm、ダラス、米国)を用いて薄片を回収し、この種の酵母に対して選択的な螢光色素(Fungiqual A,カンダーン,ドイツ)を用いて蛍光顕微鏡下で酵母癜風菌を数えることができる。] [0135] その結果を図21に示す。本発明による化合物を用いて治療した肌表面は、皮膚上の望ましくない微生物の数/量を著しく減少させるのに適切であることがわかる。ボランティアの皮膚反応は、脂漏性皮膚炎がある領域に限定されており、正常な皮膚は影響されなかった。] 図21 [0136] 実施例35:本発明の化合物を用いた脂漏性皮膚炎の美容的処置方法 前述の実施例にあるようにALA−DGMEを5%含むコールドクリームを調製する。ALA−DGMEを5%含むコールドクリーム又は偽薬(コールドクリーム)の15mgを脂漏性皮膚炎のボランティアの鼻に塗布する。ALA−DGME又は偽薬を受けた領域を3時間後に5〜15J/cm2の赤色光に暴露させる。その結果を図15及び図16に示す。その治療は実施例34と同様である。図15に赤色蛍光によって示されているように、光増感剤は、脂漏性皮膚炎に罹患している皮膚領域に特異的に蓄積した。図16において、PDT療法の24数時間後に、PDT効果を示す若干の赤色が確認される。その赤色は、脂漏性皮膚炎に罹患している皮膚領域に限定されており、周囲皮膚には副作用がない。] 図15 図16 [0137] 実施例36:本発明の化合物を用いた乾癬プラークの美容的処置方法 前述の実施例にあるようにALA−DGMEを5%含むコールドクリームを調製する。ALA−DGMEを5%含むコールドクリームの50mgを乾癬性プラークに塗布する。ALA−DGMEを受けた領域を3時間後に10〜30J/cm2の赤色光に暴露させる。この治療を2週間間隔で6回繰り返す。その結果を図17、図18及び図19に示す。この治療は実施例34と同様である。PDT療法前の乾癬性プラークを図17に示す。図18に赤色蛍光で示されるように、光増感剤は、乾癬病斑において特異的に蓄積した。図19は、数回のPDT療法後のプラークを示しており、周辺皮膚に対する副作用を伴わない、部分的な浄化を示している。] 図17 図18 図19 [0138] 実施例37:物質の潜在的アレルゲン性を測定する方法 標準「コールドクリーム」賦形剤中に60%の濃度で物質を調製する。33人のボランティアを新たに採用する。製剤で満たした19mmのHill Top Chambers(登録商標)(ヒルトップチャンバリサーチ,シンシナティ,オハイオ,米国)を用いて、クリームをボランティアの背部皮膚に塗布する。コールドクリームのみを含む(全く活性がない)同じパッチ試験をネガティブコントロールとして用いる。そのパッチを皮膚に接触させたまま48時間放置して除去する。除去直後、及び、パッチ試験の除去から2日後、4日後、8日後及び10日後に、塗布領域の皮膚を皮膚科医が観察する。パッチ除去の直後又は2日後、4日後、8日後若しくは10日後のすべてにおいてアレルギーの典型的特徴の存在又は非存在を報告する。アレルギーの典型的特徴は、丘疹形成を伴うアトピー性皮膚炎湿疹、紅斑、浮腫、及び、最終的に、そう痒又は水疱形成の存在である。クリームの投与領域にアレルギー反応の典型的特徴を示した患者は、最初の塗布の1ヶ月後に、60%の濃度でその物質を含む標準「コールドクリーム」賦形剤を用いた新しいパッチ試験塗布を受ける。パッチ試験を背部皮膚に接触させたまま3時間放置する。パッチ除去の直後、及び、パッチ除去から2日後、4日後、8日後及び10日後に塗布領域の皮膚を皮膚科医が観察する。2回目のパッチ試験の過程で患者にアレルギーの兆候が確認される場合、それぞれの患者がその試験物質に対してアレルギー性であると考えられ、あるいは、言いかえれば、その試験物質がこの患者に対してアレルゲン性である。] [0139] 33人のうち1人以下(3%以下)の患者において、直ちに又は2日後、4日後、8日後又は10日後に、アレルギーの典型的特徴が観察される場合には、その物質が非アレルゲン性とみなす。好ましくは、皮膚科医によって確認される上記アレルギー兆候を示す被験者が3%未満である場合に、その物質を非アレルゲン性とみなす。] 実施例 [0140] 好ましい実施形態によれば、100人のボランティアを新たに採用する。100人のうち1人以下(1%以下)の患者においてアレルギーの典型的な特徴が観察される場合には、その物質を非アレルゲン又は非アレルゲン性とみなす。好ましくは、皮膚科医によって確認される上記アレルギー兆候を示す被験者が1%未満である場合に、その物質を非アレルゲン性であるとみなす。]
权利要求:
請求項1 乾癬、にきびと脂漏性皮膚炎と酒さとを含む皮脂腺関連病状、脂性肌、脂性髪、頭部粃糠疹、多汗症、及び、臭汗症から選択される1又はそれ以上に伴う望ましくない皮膚変性を低減する美容的方法において、前記方法は、前記望ましくない皮膚変性を患っている患者の罹患した皮膚領域に有効量の光増感剤及び/又は光増感剤前駆体(以下、前駆体という。)を具える組成物を局所的に投与するステップであって、前記光増感剤及び/又は前駆体が、前記患者の健康で損なわれていない皮膚に局所的に塗布されたときは前記患者の角質層を実質的に通過できないステップと、前記光増感剤及び/又は前駆体が蓄積された皮膚細胞の死を誘導するのに有効な選択した波長及び強度の光に、前記望ましくない皮膚変性を患っている前記患者の皮膚を暴露させるステップと、を具えることを特徴とする方法。 請求項2 光増感剤及び/又は光増感剤前駆体(以下、前駆体という。)を具える局所的投与用の美容組成物において、前記光増感剤及び/又は前駆体が、患者の皮膚に局所的に塗布されたときに患者の角質層に対して高い非透過性を示すことを特徴とする美容組成物。 請求項3 請求項2に記載の化粧品において、乾癬と、にきび、脂漏性皮膚炎及び酒さを含む皮脂腺関連病状とから選択される1つ以上の状態の美容的処置用であることを特徴とする化粧品。 請求項4 医薬品として又は化粧品において使用する化合物において、前記医薬品及び/又は化粧品が光力学療法の局所的投与に意図されており、前記化合物が光増感剤及び/又は光増感剤前駆体(以下、前駆体という。)であり、前記光増感剤及び/又は前駆体が患者の皮膚に局所的に塗布されたときに患者の角質層に対して高い非透過性を示すことを特徴とする化合物。 請求項5 請求項4に記載の化合物において、前記化合物が5−アミノレブリン酸(5−ALA)のエステル、チオエステル及び/又はアミドであることを特徴とする化合物。 請求項6 請求項4又は5に記載の化合物において、前記化合物が5−ALAと天然分子及び/又は置換された天然分子とのアミド、エステル、及び/又は、チオエステルであることを特徴とする化合物。 請求項7 請求項6に記載の化合物において、前記天然分子又は置換された天然分子が、−OH基、−SH基、−NH2基、及び/又は、−COOH基から選択される少なくとも1つを具え、これら2つ以上の組合せを含んでいてもよく、該当する場合に前記−OH基がALAの−COOH基とエステルを形成するか、該当する場合に前記−SH基がALAの−COOH基とチオエステルを形成するか、該当する場合に前記−NH2基がALAの−COOH基とアミドを形成するか、及び/又は、該当する場合に前記−COOH基がALAの−NH2基とアミドを形成することを特徴とする化合物。 請求項8 請求項6又は7に記載の化合物において、前記天然分子が、炭水化物、アミノ酸、ペプチド、ビタミン、脂質、ヌクレオチド、ステロイド、テルペン、アルカロイド、アルコール及びチオールから選択されることを特徴とする化合物。 請求項9 請求項4〜8のいずれか1項に記載の化合物において、前記化合物が下記式(I)の化合物から選択されたものであり、ここで、YがS及びOから選択され;XがO、NH及びSから選択され;R1−R3が、Hと、3〜200個の炭素原子を具える炭化水素と、R1−R3の少なくとも1つが水素ではないという条件で金属を含む0個、1個、又はそれ以上のヘテロ原子とから独立して選択されることを特徴とする化合物。 請求項10 請求項4〜5及び9のいずれか1項に記載の化合物において、前記化合物が5−ALAのグリコールエステル及び/又はポリグリコールエステルであることを特徴とする化合物。 請求項11 請求項4〜10のいずれか1項の化合物において、前記化合物が、(1)皮膚癌及び/又は皮膚前癌、(2)皮脂腺関連適応症、及び/又は、(3)前記皮脂腺関連適応症が、にきび、脂漏性皮膚炎及び酒さを具える場合の乾癬の治療及び/又は予防に用いられることを特徴とする化合物。 請求項12 請求項4〜10のいずれか1項に記載の化合物において、前記化合物が皮膚上の微生物及びウイルスの治療に用いられることを特徴とする化合物。 請求項13 請求項4〜9のいずれか1項に定義されている化合物の美容的方法における使用において、体毛除去及び/又は体毛増殖阻害及び/又は体毛再増殖阻害用の方法を含むことを特徴とする使用。 請求項14 光力学療法によって皮膚科的疾患を予防及び/又は治療する方法において、請求項4〜10のいずれか1項に定義されている化合物を患者の皮膚領域に局所的に投与するステップを具えることを特徴とする方法。 請求項15 光力学療法に用いるために光増感剤又は光増感剤前駆体を調製する方法において、上記方法は、光増感剤又は前駆体を化学的に修飾して、修飾された光増感剤又は前駆体を得るステップを具え、前記修飾された光増感剤又は前駆体は、患者の角質層に対して高い非透過性を示すことを特徴とする方法。 請求項16 医薬組成物及び/又は美容組成物において、請求項4〜12のいずれか1項に記載の化合物の1つ以上を具えることを特徴とする医薬組成物及び/又は美容組成物。 請求項17 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物において、前記化合物が非アレルゲン性化合物であることを特徴とする化合物。 請求項18 5−ALAと天然分子とのエステル、チオエステル、及び/又は、アミドである化合物において、前記化合物が非アレルゲン性であることを特徴とする化合物。
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